景品取得ゲーム装置
【課題】 不安定な景品把持状態での景品取得の可能性を抑制し、景品の特性に適した景品取得ゲーム装置を提供する。
【解決手段】 遊戯者の操作に応じて移動する景品取得部によって取得された景品を遊戯者に払い出す景品取得ゲーム装置において、景品載置部上で行われた把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある景品取得部の上方移動終了までに、把持部を景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【解決手段】 遊戯者の操作に応じて移動する景品取得部によって取得された景品を遊戯者に払い出す景品取得ゲーム装置において、景品載置部上で行われた把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある景品取得部の上方移動終了までに、把持部を景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉する複数のアームによって景品などを取得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の内部に収納された景品の獲得を目的とするクレーンゲーム機のような景品取得ゲーム装置は、その操作に面白味があるとともに、景品に人気のあるキャラクタ等を用いることでプレーヤの挑戦意欲をそそるため、アミューズメント施設はもちろんのこと、一般の店舗やショッピングモール等にも多く設置されている。従来、このような景品取得ゲーム装置として様々なものが提案され、商品化されている。
【0003】
上述のような景品取得ゲーム装置として、例えば、UFOのような形をした景品取得部(把持部)に爪付きの一対の開閉アームを設けたものが多く利用されている(例えば、下記特許文献参照)。
【0004】
景品取得部は、プレーヤの操作に応答して筐体内をまずホームポジションから水平に移動してプレーヤの行う操作のタイミングで停止し、次に、プレーヤの選択で、垂直方向を回動軸として回転してプレーヤの行う操作のタイミングで回転を停止してアーム開閉方向を変更する。
【0005】
その後、景品取得部は、予め設定された手順に従い、前記停止位置から下方に移動し、前記配列面上でアームを開閉する動作を行う。このとき、前記停止位置(水平方向の位置および回転方向)に対する操作タイミングがよければアームが閉じる動作で景品を掴むことが出来る可能性が高くなる。その後、景品取得部は景品を掴むかどうかに関係なく上昇を開始するが、停止操作のタイミングがよければ景品がアームで保持された状態で上昇し、再び水平方向に移動し、景品受取口の真上(ホームポジション)に到達したとき景品受取口に向かって下降してから再びアームを開く動作を行う。アームに景品が把持されているとき景品を落下させる。その後景品取得部はホームポジションまで上昇し動作を停止する。
【0006】
つまり、このような景品取得ゲーム装置では、アーム先端の爪で景品を保持して持ち上げ、保持した景品を景品受取口の真上まで落とさずに運ぶことができれば当該景品を手に入れることができる。
【0007】
したがって、停止操作のタイミングがよければ(停止位置およびアーム開閉方向がよければ)景品を保持して持ち上げる可能性が高くなる。景品取得部に対する操作タイミング、景品の形状、アームの把持力等が景品を把持する可能性(景品の取得率)に大きな影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−164662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、本発明者の検討したところによると、従来の景品取得ゲーム装置では、停止タイミングの操作が的確でなく景品の保持状態が不安定な姿勢にあっても景品を取得できる場合があり、景品の特性に適した景品取得ゲーム装置が必要であることが分かった。また、遊戯者にとっても、遊戯者間で取得技術の優劣を競う場合、不安定な姿勢で景品を把持した場合でも景品が取得できるのでは景品取得ゲーム装置における遊戯性が単調なものに留まるという問題もあった。
【0010】
従って、本発明の一つの目的は、不安定な景品把持状態での景品取得の可能性を抑制し、景品の特性に適した景品取得ゲーム装置を提供することである。
【0011】
さらに、この発明は、景品取得部に対する停止操作タイミングを的確に反映できる構成により新たな遊戯性を付加した景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下述のとおりである。
【0014】
本発明による景品取得ゲーム装置は、透明前面部、側面部、景品載置部及び景品排出口を含む閉じたゲーム空間と、前記ゲーム空間内に移動可能に配置され把持部を備えた景品取得部と、前記景品取得部の動作を制御する制御機構と、前記ゲーム空間の外側に配置された操作盤と、を備え、前記制御機構は、前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う、前記景品取得部を水平方向に移動する動作と、操作者の操作に対応する位置で停止する動作と、予め設定された手順で行う、前記景品取得部を下方に移動する動作と、前記景品載置部上で前記把持部を閉じる動作と、前記把持部を閉じた状態で前記景品取得部を上方に移動する動作と、前記景品取得部を前記景品排出口上に移動する動作と、前記景品排出口上で前記把持部を開く動作と、を順次実行する制御を行うように構成されてなり、前記制御機構はさらに、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする方移動方向に対し小角度回動させる動作を実行する制御を行う構成とすることができる。
【0015】
前記把持部を開閉動作を行う一対のアームで構成し、前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う動作は、前記下方移動方向を回動軸として前記アームの開閉方向を変更する動作と、前記アームの開閉方向を遊戯者の操作に応じた方向で停止する動作と、をさらに含み、予め設定された手順で行われる前記小角度変位させる動作は、前記一対のアームの開閉方向に対し交差する方向に行われる構成とすることができる。
【0016】
また、前記小角度変位は、前記景品取得部の上方移動方向に対し1乃至10度の範囲の角度で変更可能にする構成とすることができる。
【0017】
さらに、前記景品取得部を上下方向に移動可能に支持し前記景品取得部の上昇を所定位置に到達した際に規制するように構成された支持部と、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記把持部に対する小角度変位動作が実行される構成とすることができる。
【0018】
また、前記景品取得部の上部に設けられた第1のブラケットと、前記支持部の下部に設けられた第2のブラケットと、をさらに備え、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットは前記第2部ラケットの一端側で互いに回動自在に連結されており、前記第2部ラケットの他端側下部は前記景品取得部の上部面から小間隔を置いた位置に配置されており、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記景品取得部は、一端側が前記第1のブラケットで上昇が規制され、他端側が前記連結部を支軸として前記第2部ブラケット下部に接触するまで上方に回動することで景品取得部が傾動し前記把持部に前記小角度変位を与える構成とすることができる。
【0019】
また、前記ブラケット間に前記他端部側を互いに離す方向へ付勢する弾性体を備える構成とすることができる。
【0020】
また、景品取得部の前記他端側が上昇した量に対応する角度で前記小角度変位を与える構成とすることができる。
【0021】
(作用) 本件発明によれば、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行う構成によって不安定な状態で保持されている景品が落下する可能性を高め、景品の特性に適合した停止タイミング操作を行った場合に当該景品の取得可能性を高める構成の景品ゲーム装置を提供することができる。また遊戯者の停止タイミング操作技術の優劣が反映された景品ゲーム装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
したがって、景品の特性に適合した景品取得ゲーム装置が実現できるとともに新たな遊戯性を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す景品取得ゲーム装置の移動装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す景品取得ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す景品取得ゲーム装置におけるゲームの実行処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す景品取得ゲーム装置におけるゲームの実行処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の把持部の構造を示す一部分解図である。
【図8】伸縮管などからなる支持部の構成例を示した斜視図である。
【図9】景品取得ゲーム装置の底付き検出装置の構成例を示す正面図である。
【図10】動作した際の底付き検出装置を示す図(その1)である。
【図11】動作した際の底付き検出装置を示す図(その2)である。
【図12】図6のZ−Zに沿って裁断した縦断面図(その1)である。
【図13】図6のZ−Zに沿って裁断した縦断面図(その2)である。
【図14】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置のブラケットの構造を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置1について説明する。
【0025】
まず、図1〜図11等を用いて景品取得ゲーム装置1の概略的な構成及びその動作について説明。
【0026】
なお、本願明細書でいう「景品」とは、ゲームによってプレーヤが直接的に取得しうる品物(例えばヌイグルミ等)だけを意味するわけではない。例えば、ゲームでの取得対象として収容されている物品であって取得後に他の景品と交換可能な物品、さらには当該物品(景品)自体の提供は行わず得点や順位を競うために用いるもの等も「景品」に含めて考える。要するに、ゲーム後にプレーヤの所有物になるかどうかに関わらず、取得部を移動・昇降させて取得対象となる物品はすべて本願明細書でいう「景品」に包含される。
【0027】
<景品取得ゲーム装置1の全体構成>
最初に、図1及び図2等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の全体の構成について説明する。
【0028】
景品取得ゲーム装置1は、図1に示すように、直方体形状の基台2の上に、景品Pを収容するための箱型の景品収容部3を備えた構造となっている。
【0029】
景品収容部3はプレーヤが直接手を入れることが出来ない閉じたゲーム空間を構成するもので、図1に示すように、複数の景品Pを配列する底面部材(景品載置部)と、景品載置部に載置された景品Pをプレーヤが目視することができるがプレーヤが直接触ることができないように配置された透明な樹脂又はガラスの板状部材から形成された前面5A及び側面5B,5Cと、移動装置が収容される天井部と、背面5Dで構成されている。
【0030】
天井部には図2を参照して詳細が後述されるが移動機構が外部から見えないように収容される。景品載置部は底面レベルだけではなく、底面から一段高く配置された棚部材を含め構成されてよい。また、景品収容部3の背面5Dは、例えば鏡面状の板状部材や内面に装飾が施された板状部材により形成されており、さらに、景品収容部3の前面5Aは、例えば引戸又は観音開き構造にて開閉可能となっている。
【0031】
景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザ)は、この前面5Aから例えばキャラクタ等のぬいぐるみや雑貨等といった景品Pとなる物品を景品収容部3内に収容し、取り出し、さらにはディスプレイ状態を変える(配置や傾き等といった状態を適宜変更する)ことができるようになっている。
【0032】
景品収容部3内には、図1及び図2に示すように、景品Pを把持するための把持部6を備えた景品取得部4と、該景品取得部4をプレーヤの操作に応じて水平方向に移動させる手段としての移動装置と、景品取得部4を昇降させる昇降装置37と、が設けられている。
【0033】
なお、以下の説明において、一対のアーム81、アーム81を開閉する機構および開閉機構を覆うカバー等を含む構成を景品取得部4と参照されるが、特に限定されないが、一対のアームあるいは一対のアームとアームを景品取得部に取り付ける構造を説明するときは把持部6と参照されることがある。また、前述の移動装置と昇降装置37は、本件発明において特に限定がない場合、「移動手段」として包含する。
【0034】
把持部6は、景品取得部4の内部に設けられている左右一対のモータ47(図6参照)の回転駆動力に基づいて開閉駆動する左右一対のアーム81を有し、これらアーム81を開閉させることによって景品Pを把持することができるように構成されている。
【0035】
アーム81には、それぞれの先端に爪83(図6等参照)が取り付けられている。把持部6が設けられている景品取得部4は、移動手段7の動作によって景品収容部3内を移動するように構成されている。アーム81の把持力は、後述する景品取得部4(図6〜図7参照)により調整される。
【0036】
移動手段7は、図2に示すように、景品収容部3の内部上方に配置され、横方向(側面5Bと側面5Cとを結ぶ方向であり、以下「X方向」と称することがある)と平行に固定配置された複数のX方向移動用固定レール9と、これらX方向移動用固定レール9にスライド自在に、かつ縦方向(前面5Aと背面5Dを結ぶ方向であり、以下「Y方向」と称することがある)と平行に取り付けられたY方向移動用可動レール10と、Y方向移動用可動レール10にスライド自在に取り付けられた景品取得用基台12と、景品取得用基台12の鉛直方向(以下「Z方向」や「重力方向」と称することがある)下側に取り付けられた伸縮自在の支持部(規制部)11と、を有する構造となっている。
【0037】
Y方向移動用可動レール10は、X方向移動用モータ13Xの回転出力に基づきX方向移動用固定レール9に沿って横方向(X方向)に移動することができるように構成されている。
【0038】
また、景品取得用基台12は、Y方向移動用モータ13Yの回転出力基づきY方向移動用可動レール10に沿って縦方向(Y方向)に移動することができるように構成されている。
【0039】
また、支持部11は、Z方向移動用モータ13Z(図3参照)の回転出力に基づいて伸縮することができるように構成されている。
【0040】
本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、以上のような構成のX方向移動用モータ13X、Y方向移動用モータ13Y及びZ方向移動用モータ13Zは、制御部30からの電気信号に従って適宜作動し、景品取得部4を景品収容部3内の所望位置に移動させ得るようになっている。
【0041】
また、景品収容部3の外側前面5Aの前部には基台2の前側に沿って、図1に示すように、操作用卓であるコントロールパネル14が設けられている。コントロールパネル14には、ゲームを行う際にコインを投入するためのコイン投入口15と、ゲーム時にプレーヤが景品取得部4をX方向の所望位置に移動させる操作を入力するための第1の操作ボタン16Aと、その後プレーヤが景品取得部4をY方向の所望位置にまで移動させる操作を入力するための第2の操作ボタン16Bと、からなる操作部16(操作手段)が設けられている。
【0042】
操作部16は、ジョイスティック等の他の操作手段により構成することも可能である。操作部16にはさらに、Z方向への移動を指示する第3の操作ボタンが設けられてもよい。また、図示されていないが一対のアーム8の開閉方向を、Z方向を軸として回動変更する操作を入力するための操作ボタンを設けてもよい。
【0043】
さらに、基台2の前面5A側には、図1に示すように、景品収容部3内の所定位置に設けられた景品投入ガイド17に連通する景品の取出口18が設けられており、把持部6により把持された状態で搬送され、景品投入ガイド17内に落とされた景品Pは、取出口18から取り出し得るようになっている。
【0044】
また、基台2の前面5A側には、さらに開閉扉19が設けられており、この開閉扉19を開いた内側には、景品取得ゲーム装置1の全体を制御する制御部30(図3参照)等を備えたメインボードが収納されている。
【0045】
なお、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、景品取得部4の初期位置(ゲーム開始時及び終了時における景品取得部4のデフォルトの位置又はその近傍の位置)が景品投入ガイド17の上方の位置に設定されている。
【0046】
また、本実施形態においては、X軸、Y軸及びZ軸の原点(X方向、Y方向及びZ方向それぞれの座標がとなる位置)が景品取得部4の初期位置にあるものとする。
【0047】
次に、図3等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の内部構成(機能的構成)について説明する。
【0048】
基台2の内部に収納されたメインボードには、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって構成された制御部30と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部31と、現在時刻をカウントするタイマ32と、が搭載されている。
【0049】
ゲーム中にプレーヤによりコントロールパネル14(図1参照)の操作部16(第1の操作ボタン16Aや第2の操作ボタン16B)が押圧されたときに、制御部30からこれに応じた操作信号S1(操作情報)が送り出される(送信される)ようになっている。
【0050】
移動手段7には、景品取得部4のX方向の位置を検出するX方向位置検出手段(X方向位置検出部)、Y方向の位置を検出するY方向位置検出手段(Y方向位置検出部)及びZ方向の位置を検出するZ方向位置検出手段(Z方向位置検出部)として、景品取得部4のX方向、Y方向の原点位置及び移動限界位置、ならびにZ方向原点側の移動限界位置に各々配置されたリミットスイッチ33が設けられている。
【0051】
これらリミットスイッチ33は、景品取得部4が、X方向、Y方向の原点位置又はX方向、Y方向の移動限界位置、あるいはZ方向原点側の移動限界位置にまで移動したときに、これに応じた移動限界検出信号S2(移動限界検出情報)を制御部30に送り出す(送信する)ようになっている。
【0052】
制御部30は、これら操作信号S1及び移動限界検出信号S2に基づいて、プレーヤによる第1及び第2の操作ボタン16A,16Bの操作に応答したゲーム動作を景品取得ゲーム装置1に実行させることができるようになっている。
【0053】
ここで、本実施形態の制御部30は、第2の操作ボタン16Bが押圧されている時間を計測し、この第2の操作ボタン16Bの押圧時間が例えば1秒よりも大きいときには、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させる時間を、押圧時間よりも1秒少ない時間に設定する。
【0054】
このように、制御部30は、景品取得部4の把持部6が把持する景品Pが通常よりも大きな景品の場合に合わせて、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させる時間を、押圧時間よりも例えば1秒少ない時間に設定することにより、景品取得部4の把持部6により把持された景品Pが景品取得ゲーム装置1の前面5Aの内面に衝突して落下することを未然に防止することができるようになっている。
【0055】
また、制御部30は、第2の操作ボタン16Bの押圧時間が1秒以内のときには、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させないように構成されている。
【0056】
さらに、本実施形態の制御部30は、操作部16から送出される操作信号Sに基づいて、把持部6の内部に設けられたモータ47(図6参照)を駆動制御することにより、左右一対のアーム81を開閉させて、把持部6に景品Pを把持させる動作を行わせる。
<景品取得ゲーム装置1の動作>
【0057】
続いて、図4及び図5に示すフローチャート等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の動作について説明する。
【0058】
制御部30は、予め設定されたプレイ(あるいは例えばプレイ)分の所定枚数のコインがコイン投入口15(図1参照)に投入されたことを認識すると、図4に示す景品取得ゲーム実行処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、コントロールパネル14の第1の操作ボタン16Aが押圧されるのを待ち受ける。
【0059】
また、制御部30は、やがてプレーヤが第1の操作ボタン16Aを押圧したことを第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP2に進んで、移動手段7(図2参照)のX方向移動用モータ13Xを作動させ、初期状態において景品投入ガイド17(図1参照)の真上のホームポジション(原点)に位置していた景品取得部4のX方向における移動を開始させる。
【0060】
次いで、制御部30は、ステップSP3に進んで、X方向のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がX方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0061】
また、制御部30は、続くステップSP4において、第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて、第1の操作ボタン16Aの押圧が解除されたか否かを判断する。
【0062】
そして、制御部30は、これらステップSP3及びステップSP4においてともに否定結果を得ると、ステップSP3に戻る。
【0063】
制御部30は、ステップSP3又はステップSP4の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP5に進んで、移動手段7のX方向移動用モータ13Xを停止させて景品取得部4のX方向における移動を終了させ、この後ステップSP6に進んで、コントロールパネル14の第2の操作ボタン16Bが押圧されるのを待ち受ける。
【0064】
そして、制御部30は、第2の操作ボタン16Bが押圧されたことを第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP8において、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向における移動を開始させる。
【0065】
この後、制御部30は、ステップSP9に進んで、Y方向のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がY方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0066】
また、制御部30は、続くステップSP10において、第2の操作ボタン16Bからの操作信号Sに基づいて、第2の操作ボタン16Bの押圧が解除されたか否かを判断する。
【0067】
そして、制御部30は、これらステップSP9及びステップSP10においてともに否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
【0068】
制御部30は、ステップSP9又はステップSP10の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP12において、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて把持部6のY方向における移動を終了させる。
【0069】
次いで、制御部30は、ステップSP13に進んで、把持部6のモータ47(図6参照)を作動させて、把持部6のアーム81を開かせる。
【0070】
そして、制御部30は、この後ステップSP14に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Z(図参照)を作動させて景品取得部4の下降を開始させ、さらにこの後ステップSP15に進んで、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0071】
次いで、制御部30は、Z方向のスイッチとして機能する底付き検出装置73からの検出信号S3に基づき(図3参照)、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを認識する(あるいは、後述するように景品取得部4が景品P等に作用させている荷重が所定の大きさとなるように制御する)と、ステップSP16に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の下降を終了させる。
【0072】
この後、制御部30は、ステップSP17に進んで、把持部6のモータ47を作動させてアーム81を閉じさせることにより、景品Pを把持する動作を行わせる。
【0073】
次いで、制御部30は、ステップSP18に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを作動させて景品取得部4の上昇を開始させ、この後ステップSP19に進んで、景品取得部4がZ方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0074】
そして、制御部30は、Z方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、把持部6がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを確認すると、ステップSP20に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の上昇を終了させる。
【0075】
なお、制御部30は、Z方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2を検出後、予め設定された所定時間に基づいて、Z方向移動用モータ13Zの停止動作の開始時間を変更することも可能である。
【0076】
すなわち、制御部30は、設定時間を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”遅く動作するように設定した場合、Z方向移動用モータ13Zの作動を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”多く作動させることができる。
【0077】
次いで、制御部30は、ステップSP22に進んで、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向原点側への移動を開始させる。
【0078】
次いで、制御部30は、X方向原点側への移動を開始し(ステップSP24)、ステップSP26に進み、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて景品取得部4のY方向原点側への移動を終了させる。
【0079】
やがて、制御部30は、この後ステップSP29に進んで、X方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がX方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0080】
そして、制御部30は、このステップSP29において否定結果を得ると、景品取得部4がX方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受け、このステップSP29において肯定結果を得ると、ステップSP30に進み、移動手段7のX方向移動用モータ13Xを停止させて景品取得部4のX方向原点側への移動を終了させる。
【0081】
次いで、制御部30は、ステップSP31に進んで、把持部6のモータ47を作動させてアーム81を開かせることにより景品Pの解放を実現させた後、再びモータ47を作動させてアーム81を閉じさせる。
【0082】
この後、制御部30は、ステップSP32に進んで、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向原点側への移動を開始させる。
【0083】
次いで、制御部30は、ステップSP33に進んで、Y方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がY方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。
【0084】
そして制御部30は、このステップSP33において否定結果を得ると、景品取得部4がY方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受け、やがてこのステップSP33において肯定結果を得ると、ステップSP34に進み、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて景品取得部4のY方向原点側への移動を終了させる。
【0085】
この結果、制御部30は、景品取得部4をX方向及びY方向の移動限界位置まで移動させ終えたこととなり、このことは景品投入ガイド17の真上のホームポジション(原点)に景品取得部4を位置させたことを示している。
【0086】
この後、制御部30は、ステップSP35に進んでこの景品取得ゲーム実行処理手順RTを終了する。
【0087】
かくして、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、把持部6のアーム81によって景品Pを把持する(景品Pの一部を引っ掛けて持ち上げるような場合を含む)ことができた場合に、景品Pを把持した状態で景品投入ガイド17上にまで運び、その後景品Pの解放動作を実現させて景品投入ガイド17内に景品Pを落下させることができる。
【0088】
あるいは、把持部6のアーム81によって景品Pを把持することができなくても、当該景品Pを転がしたりずらしたりして景品投入ガイド17内に落下させることも可能である。この結果、プレーヤは景品Pを景品取出口18から取り出して取得することができる。
【0089】
以下、本実施形態における景品取得ゲーム装置1の把持部6について説明する。図6は、把持部6等のカバーを外した状態の外観構成を示す斜視図である。図7は、図6に示す把持部6の一部を分解した状態で示す斜視図である。
【0090】
景品取得ゲーム装置1の把持部6は、景品を把持するためのアーム81と、アーム81を景品取得部4に取り付ける基端部82と、景品を把持し易くする爪83とを有する。
【0091】
基端部82は、把持部6が回動する際の軸となるアーム軸82aと、景品取得部4の弾性体43の一部を基端部に固定するための弾性体固定部82bと、を有する。
【0092】
景品取得ゲーム装置1の景品取得部4は、ギアボックス41、ギア45およびモータ47を含んで構成する駆動機構40と、駆動機構40の出力軸45aの位置を検出する駆動機構位置検出部42と、把持部6と駆動機構40とを連結する弾性体43(例えばトーションばね)と、把持部6が回動する際のアーム軸82aの位置を検出するアーム軸位置検出部44と、を有する。駆動機構40は、各アーム81に対応して設けられる。
【0093】
上記出力軸45aやアーム軸82aの位置としては、例えば、各軸の基準位置からの回転角度や距離等を用いることができる。本実施形態では、各軸の位置として、基準位置からの回転角度を用いることができる。また、基準位置として、把持部6が開方向リミット位置に位置するときの各軸の位置を用いることもできる。
【0094】
つまり、把持部6が開方向リミット位置に位置するときの各軸の位置(角度)を基準位置(例えば「0」)とし、把持部6が閉じるにつれて、各軸の位置(角度)が大きくなり、把持部6が閉方向リミット位置に到達したときに、各軸の位置(角度)が最大となる。
【0095】
なお、本実施形態では、回動式の駆動機構40に限定されず、直動式の駆動機構を用いることもできる。また、ギアボックス41およびギア45を介することなく、モータ47の軸(不図示)を弾性体43に直結することとしてもよい。
【0096】
景品取得ゲーム装置1の把持部6の開閉動作は、以下のしくみで行われる。
【0097】
駆動機構40のモータ47を作動すると、駆動機構の出力軸45aに連結する歯車45および留め具46と弾性体固定部82bとで固定されている弾性体43が変形する。
【0098】
続いて、弾性体43の変形に応じて弾性体43から把持部6に力が加えられ、把持部6が開閉動作を行う。
【0099】
弾性体43の力が把持部6を押し下げる方向(把持部6の内転方向)に作用する場合には、把持部6が閉方向に動作し、弾性体43の力が把持部6を引き上げる方向(把持部6の外転方向)に作用する場合には、把持部6が開方向に動作する。
【0100】
なお、駆動機構位置検出部42の検出値およびアーム軸位置検出部44の検出値は、駆動機構40が弾性体43に力を付与する際や、出力軸45aとアーム軸82aとの位置関係に基づき、制御部30が把持力制御を行う際に使用される。
【0101】
また、把持部6と駆動機構40とが弾性体43を介して連結されているため、駆動機構40の出力軸45aの可動範囲を、把持部6のアーム軸82a可動範囲よりも大きくすることも可能となる。
【0102】
したがって、把持部6がストッパ部材や物等に当接して停止した後も、弾性体43が変形可能な間は、出力軸45aをそのまま回転し続けることが可能となる。
【0103】
次に図8等を用いて、景品取得ゲーム装置1の支持部11等について説明する。
【0104】
支持部11は、複数個のパイプを入子式に嵌合させてなる伸縮管として構成されている。この伸縮管は、順次小径となる4本のパイプ11a,11b,11c,11dを入子式に摺動自在に嵌合させたものである(図8参照)。最下位のパイプ11dの下端は、ブラケット36にネジ等で螺着されており、当該ブラケット36を介して、景品取得部4が連結されている(図6、図8参照)。
【0105】
ワイヤ70は、ワイヤ巻取りプーリ72から繰り出され、テンションプーリ75の一側を通過してから支持部11の内側に導入され、ワイヤ70先端の玉部36fが、景品取得部4の上部に設けられた玉部受け36eと係合する。(図14)なお、図中符号64はモータ47に給電するケーブルである。
【0106】
ここで、景品取得部4を昇降するための昇降装置等の構成について説明する(図8〜図11等参照)。
【0107】
景品取得部4を上下に昇降させるための昇降手段としての昇降装置37は、景品取得用基台12に搭載された巻取り巻戻し装置39と、この巻取り巻戻し装置39によって巻き取られるワイヤ70とからなり、ワイヤ70は、支持部11の内側を通過するようになっている(図8参照)。巻取り巻戻し装置39は、ワイヤモータ71(Z方向移動用モータ13Z)と、ワイヤ巻取りプーリ72と、底付き検出装置73とを含む構成となっている。
【0108】
底付き検出装置73は、景品取得部4が下降して景品Pや景品収容部3の底に衝突した際、ワイヤ70のテンションの変化(例えば弛みが生じた際の引張り力の減少)に基づき当該景品取得部4が底付き状態になったこと、および当該景品取得部4が景品P等に及ぼしている荷重の大きさを検出する装置である。
【0109】
例えば本実施形態における底付き検出装置73は、支軸76を中心として揺動可能な揺動アーム77と、該揺動アーム77の自由端に回転可能に支持されているテンションプーリ75と、該テンションプーリ75をワイヤ70に押し付けるように揺動アーム77を付勢するコイルばね78(トーションばね)と、テンション検出用ギア79と、ピニオンギア700と、ボリューム701とを含む構成となっている(図9等参照)。テンション検出用ギア79は揺動アーム77の一部(例えば本実施形態であればテンションプーリ75とは支軸76を挟んで反対の側) に形成された例えば円弧形状の歯車からなる(図9等参照)。このテンション検出用ギア79が噛合するピニオンギア700は、ボリューム701の回転軸に取り付けられている。ボリューム701は、被検出部材たるテンション検出用ギア79の動作を検出する部材である。
【0110】
例えば本実施形態では、上述したような構成によりテンション検出用ギア79の動作をピニオンギア700の回転に変換し、エンコードされた回転量をボリューム701によって検出し、電気信号に変換して出力するようにしている。
【0111】
本実施形態における昇降装置37は前述のように構成されているから、所望の景品Pの直上に景品取得部4を位置させた後、ワイヤモータ71を駆動し、ワイヤ巻取りプーリ72上のワイヤ70を送り出すと、支持部11が下方に向かって伸び、景品取得部4が景品Pに向かって下降し接近する。
【0112】
そして、把持部6のアーム81(または景品取得部4の底部)が景品Pに当接して下降が停止(あるいは減速)すると、巻取り巻戻し装置39がワイヤ70をさらに送り出した分だけ当該ワイヤ70のテンションがなくなり弛みが生じる。そうすると、コイルばね78が揺動アーム77を一方向(例えば図中では反時計回り)に揺動させ、テンションプーリ75をワイヤ70に押し付ける(図10、図11参照)。このとき、テンション検出用ギア79が揺動アーム77の動きに連動し、ピニオンギア700を回転させる(図11参照)。
【0113】
ボリューム701は、当該ピニオンギア700の回転量を検出し、テンション検出用ギア79および揺動アーム77の動きの量、ひいてはワイヤ70の弛みの量を検出する。かかる検出結果から、制御部30等によりワイヤ70のテンションの大きさを測定することができる。
【0114】
以上により、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、ワイヤ70の弛みを利用し、景品取得部4が景品P(あるいは景品収容部3の底面(景品載置部))に及ぼしている荷重の大きさを検出することが可能である。
【0115】
また、さらに景品取得部4が昇降可能範囲内における上端位置にあることを検出するための装置として、上付きセンサ(不図示)を設けることもできる。例えば、特開2008−194315号に開示されているように、支持部11が当接しうる位置にねじりコイルばねなどで支持された遮光板が、上付きセンサにおける光を遮る遮光状態と光を遮らない退避状態と切り替え可能に設けることができる。
【0116】
上記のように構成することで、上付きセンサが、景品取得部4がZ方向の昇降可能範囲内における上方移動限界位置にまで到達したときに移動限界検出信号S2を送出(送信)し、制御部30等により、景品取得部4が上方移動限界位置に到達したこと(上付き状態になったこと)を検出することができる。
【0117】
また、以上のような荷重制御により景品取得ゲームの興趣性を適宜変化させ、プレーヤの興味をさらに惹き付けることも可能である。
【0118】
次に図12乃至図14等を用いて、本発明による把持部に小角度変位動作を与える機構の実施形態について説明する。
【0119】
図12は、カバーを外した景品取得部6がワイヤ70を介して支持部11に上下方向に可動に吊るされている状態を図示している(一部断面図を含む)。本実施形態における小角度変位動作を与える変位手段となるブラケット36等について説明する。
【0120】
まず、ブラケット36は、景品取得部の上部に固定して取り付けられた第1のブラケット(第1の連結部)36aと、一端が第1ブラケットに対し回動可能に支軸され、他端が景品取得部の上面との間に所定間隔をもって取り付けられた第2のブラケット部(第2の連結部)36bで構成されている。
【0121】
この第1のブラケット36aは、上面と長手方向の一辺が開放され、略鉛直状の三面を有する逆コ形状の略長方体であって、長手方向が開放されている短手方向の二面にカラー362dが嵌合されており、このカラー362dと第2のブラケット36b(後述)とがネジ361dで螺合されている(図14参照)。なお、本実施形態において、カラー362dにより、第1のブラケット36aが第2のブラケット36bに対して回動可能となるように回転軸として機能するが、カラー362dに限定されず、たとえばシャフト等でも代用可能である。
【0122】
また、この第1のブラケット36aは、景品取得部4と当接する短手方向の略鉛直状で、カラー362dが嵌合される二面から各々相反するX方向へ延出する延出部をそれぞれ有し、該延出部が景品取得部4の上面とネジ361aにより螺合されている。
【0123】
第2のブラケット36bは、上面が支持部11の下端とネジ361b等により固定(螺合)されることで支持部11の下端に固定して取り付けられている。また、この上面からZ方向に折り曲げられた略鉛直状の二面を有する。この第2のブラケット36bの略鉛直状の二面は、第1のブラケット36aに回動可能に取り付けられた一端側から他端側に向かって景品取得部上面との間隔が徐々に広がるように下辺が傾斜して形成されており、この第2のブラケット36bの略鉛直状の二面の前記一端側がそれぞれ上述のカラー362dとネジ361dにより螺合されている。
【0124】
なお、本実施形態において、第1のブラケット36a及び第2のブラケット36bは、それぞれネジ361a、361bなどにより、景品取得部4や支持部11に螺合されているが、これに限定されず、それぞれ景品取得部4や支持部11に第1のブラケット36aや第2のブラケット36bの機能を有する部位を一体であってもできる。(図15参照)
【0125】
第2のブラケット36bの前記他端側上面には一対の開口が設けられ、それぞれ弾性体(例:コイルばね)362cを介して景品取得部4の上面から略鉛直方向へ延出した円柱部材(ボス)363cにネジ361cで螺合される付勢部36cを構成する。
【0126】
図12で示すように、本発明の実施形態において、この付勢部36cは、弾性体362cが景品取得部4と第2のブラケット36bとの位置をZ方向に変動可能に離す方向へ付勢する。また、景品取得部4が傾動した際には景品取得部4と第2のブラケット36bとが衝突するのを緩衝することもできる。
【0127】
また、弾性体362cは、円柱部材363cに嵌遊されてなり、第2のブラケット36bを当該円柱部材363cとネジ361cとで螺合する。このことにより、弾性体362cが第2のブラケット36bを上方へ押し出すことを防止する。
【0128】
この付勢部36cにより、景品取得部4が昇降装置37によりZ方向へ昇降している間や、景品取得部4が下降して景品Pや景品収容部3の底に衝突した際などに、景品取得部4をZ方向への移動を支持部11により規制された場合以外で傾斜させず(景品取得部4がZ方向に沿った姿勢から逸れた姿勢に変位しないよう)に姿勢を維持することが可能となる。
【0129】
玉部受け36eは、景品取得部4の上部に設けられ、ワイヤ70の先端にある玉部36fと係合する。この玉部受け36eは、略中央に上方へ婉曲する婉曲部363eを有する玉部受け部材362eからなるとともに、この婉曲部363eはその婉曲部分の径が玉部36fの径よりも大きく形成されている。この玉部受け部材362eは、婉曲部363eの略中央にX方向への長穴部が形成されており、この長穴部は、玉部36fの径よりも小さく、かつ、ワイヤ70の径よりも大きく形成されている。この玉部受け部材362eはさらに、婉曲部363eから相反するX方向へ延出する延出部を有する。この延出部は、景品取得部4とネジ361e等で螺合されている。
【0130】
なお、玉部受け36eは、鉛直する側面部と、上面が玉部36fの径よりも小さく、かつ、ワイヤ70の径よりも大きい開口面を有する略長方体形状のハウジングが、景品取得部4の上部に設けられていてもよい。その場合は、ハウジング内部に玉部36fの径よりも大きな径を有し、玉部36fを収容する玉状凹部を有することが好ましい。
【0131】
本実施形態において、ブラケット36が前述のように構成されていることにより、景品取得部4及び把持部6を傾斜させることができる。
【0132】
すなわち、図4のSP19及びSP20において、制御部30が、設定装置(不図示)を介して設定された所定時間が、Z方向移動用モータ13Zの通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”遅く動作するように設定されていた場合、Z方向移動用モータ13Zによりワイヤ70を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取ることとなる。そして、ワイヤ70が通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取られることにより、図13に示すように景品取得部4及び把持部6が所定の小角度傾斜することとなる。
【0133】
すなわち、景品取得部4及び把持部6は、本発明のブラケットによる傾動機構が無い場合に比べ、ワイヤ70が停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取られることで、ワイヤ70の先端に設けられた玉部36fと景品取得部4の上部中央に設けられた玉部受け36e、及び、第2のブラケット36bと固着する支持部11等により、景品取得部4を停止位置よりもZ方向へ移動させる力が働く。
【0134】
しかし、景品取得部4のブラケット36aが取り付けられた一端側は支軸36によりZ方向への移動が規制されており上方へ移動することが出来ないが、ワイヤ70は巻き取られているため、Z方向移動に遊びのある付勢部36cが設けられた側の景品取得部4にZ方向への力がかかり、景品取得部4と第2のブラケット36bとの間に設けられた付勢部36cが収縮し、第1のブラケット36aが固定して取り付けられている景品取得部4がネジ36dを回転軸として回動する。こすなわち景品取得部4の上面が、第1のブラケット36aが設けられている側より付勢部36cが設けられている側のほうが第2のブラケット36bの下辺に近づくこととなる。
【0135】
以上の動作により、景品取得部4及び把持部6をY方向へ移動(傾斜)させる(図13に示すように景品取得部4及び把持部6をZ方向に沿った姿勢から所定角度θ、姿勢を変位させる)ことが可能となるため、不安定な把持状態にある景品がアームから落ちる可能性が高くなる。この小角度変角度θは、例えば1乃至10度程度の範囲内の遊戯者に違和感を与えない程度の小角度で調整することで、不安定な把持状態にある景品の落下の可能性を調整することが可能となる。
【0136】
よって、本件発明の動作により、景品を把持した場合であっても、把持における景品Pのバランスが不均衡であれば、景品取得部4及び把持部6が傾斜することにより、景品が把持部6から落下する可能性が高くなる。
【0137】
逆に、遊戯者にとっては、景品取得部4及び把持部6が傾斜することにより、仮に景品取得に失敗したとしても、景品Pを把持することには成功しているため、次はどのようにバランスを均衡にして景品Pを把持すべきか、攻略を検討する必要が生じる。
【0138】
したがって、従来の景品取得ゲーム装置におけるゲームの面白さとされていた『景品取得部(把持部)による景品把持』について遊戯者に対し、新たな遊戯性を付加することができる。
【0139】
なお、以上の各実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0140】
例えば、上述した実施形態では、ワイヤ70の鉛直方向に対するワイヤモータ71の巻取り動作を設定した時間によって制御する例を用いたが、これは一例に過ぎず、この他、ワイヤモータ71の巻取り回転速度に応じて景品取得部4及び把持部6の傾斜速度を変化させることも可能である。
【0141】
すなわち、高速回転させた場合であれば、景品取得部4等の傾斜時にかかる遠心力(運動エネルギー)が増大し、アーム81が把持する景品をより落とすことが可能となる。
【0142】
逆に低速回転させた場合、景品取得部4等の傾斜時にかかる遠心力(運動エネルギー)が通常回転時や高速回転時に比べて減少するため、アーム81が把持する景品は落ちにくくすることも可能である。
【0143】
上述の実施態様では、景品取得部4が上昇終了時に小角度変位する構成としたが、これに限定されず、景品取得部にモータ駆動で把持部を小角度だけ傾動させる機構を設け、把持部が景品配置面で閉じる動作を行い上昇を開始後、予め設定された動作手順に従ってモータを短時間駆動させ上昇途上のいずれかのタイミングで把持部に小角度変位を与える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1…景品取得ゲーム装置(物品取得ゲーム装置)、2…基台、3…景品収容部(物品収容部)、4…景品取得部(物品取得部)、5A…前面、5B…側面、5C…側面、5D…背面、6…把持部、7…移動装置(移動手段)、9…X方向移動用固定レール、10…Y方向移動用可動レール、11…支持部、11a,11b,11c,11d…パイプ、12…景品(物品)取得用基台、13X…X方向移動用モータ、13Y…Y方向移動用モータ、13Z…Z方向移動用モータ、14…コントロールパネル、15…コイン投入口、16…操作部(操作手段)、16A…第1の操作ボタン、16B…第2の操作ボタン、17…景品(物品)投入ガイド、17a…景品(物品)落し口、18…取出口、19…開閉扉、30…制御部(制御手段)、31…記憶部、32…タイマ、33…リミットスイッチ、36…ブラケット、36a…第1のブラケット、36b…第2のブラケット、36c…付勢部、36d…ネジ(回転軸)、36e…玉部受け、36f…玉部、37…昇降装置(昇降手段)、39…巻取り巻戻し装置、41…ギアボックス、42…駆動機構位置検出部、43…弾性体、44…アーム軸位置検出部、45…ギア、45a…出力軸、47…モータ、64…ケーブル、70…ワイヤ(吊設部材)、71…ワイヤモータ(動力源)、72…ワイヤ巻取りプーリ、73…底付き検出装置(底付き検出手段) 、75…テンションプーリ(被押圧部材)、76…支軸、77…揺動アーム、78…コイルばね(付勢部材)、79…テンション検出用ギア(被検出部材)、700…ピニオンギア、701…ボリューム(検出部材)、81…アーム、82…基端部、82a…アーム軸、82b…弾性体固定部、83…爪、P…景品(物品)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉する複数のアームによって景品などを取得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の内部に収納された景品の獲得を目的とするクレーンゲーム機のような景品取得ゲーム装置は、その操作に面白味があるとともに、景品に人気のあるキャラクタ等を用いることでプレーヤの挑戦意欲をそそるため、アミューズメント施設はもちろんのこと、一般の店舗やショッピングモール等にも多く設置されている。従来、このような景品取得ゲーム装置として様々なものが提案され、商品化されている。
【0003】
上述のような景品取得ゲーム装置として、例えば、UFOのような形をした景品取得部(把持部)に爪付きの一対の開閉アームを設けたものが多く利用されている(例えば、下記特許文献参照)。
【0004】
景品取得部は、プレーヤの操作に応答して筐体内をまずホームポジションから水平に移動してプレーヤの行う操作のタイミングで停止し、次に、プレーヤの選択で、垂直方向を回動軸として回転してプレーヤの行う操作のタイミングで回転を停止してアーム開閉方向を変更する。
【0005】
その後、景品取得部は、予め設定された手順に従い、前記停止位置から下方に移動し、前記配列面上でアームを開閉する動作を行う。このとき、前記停止位置(水平方向の位置および回転方向)に対する操作タイミングがよければアームが閉じる動作で景品を掴むことが出来る可能性が高くなる。その後、景品取得部は景品を掴むかどうかに関係なく上昇を開始するが、停止操作のタイミングがよければ景品がアームで保持された状態で上昇し、再び水平方向に移動し、景品受取口の真上(ホームポジション)に到達したとき景品受取口に向かって下降してから再びアームを開く動作を行う。アームに景品が把持されているとき景品を落下させる。その後景品取得部はホームポジションまで上昇し動作を停止する。
【0006】
つまり、このような景品取得ゲーム装置では、アーム先端の爪で景品を保持して持ち上げ、保持した景品を景品受取口の真上まで落とさずに運ぶことができれば当該景品を手に入れることができる。
【0007】
したがって、停止操作のタイミングがよければ(停止位置およびアーム開閉方向がよければ)景品を保持して持ち上げる可能性が高くなる。景品取得部に対する操作タイミング、景品の形状、アームの把持力等が景品を把持する可能性(景品の取得率)に大きな影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−164662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、本発明者の検討したところによると、従来の景品取得ゲーム装置では、停止タイミングの操作が的確でなく景品の保持状態が不安定な姿勢にあっても景品を取得できる場合があり、景品の特性に適した景品取得ゲーム装置が必要であることが分かった。また、遊戯者にとっても、遊戯者間で取得技術の優劣を競う場合、不安定な姿勢で景品を把持した場合でも景品が取得できるのでは景品取得ゲーム装置における遊戯性が単調なものに留まるという問題もあった。
【0010】
従って、本発明の一つの目的は、不安定な景品把持状態での景品取得の可能性を抑制し、景品の特性に適した景品取得ゲーム装置を提供することである。
【0011】
さらに、この発明は、景品取得部に対する停止操作タイミングを的確に反映できる構成により新たな遊戯性を付加した景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下述のとおりである。
【0014】
本発明による景品取得ゲーム装置は、透明前面部、側面部、景品載置部及び景品排出口を含む閉じたゲーム空間と、前記ゲーム空間内に移動可能に配置され把持部を備えた景品取得部と、前記景品取得部の動作を制御する制御機構と、前記ゲーム空間の外側に配置された操作盤と、を備え、前記制御機構は、前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う、前記景品取得部を水平方向に移動する動作と、操作者の操作に対応する位置で停止する動作と、予め設定された手順で行う、前記景品取得部を下方に移動する動作と、前記景品載置部上で前記把持部を閉じる動作と、前記把持部を閉じた状態で前記景品取得部を上方に移動する動作と、前記景品取得部を前記景品排出口上に移動する動作と、前記景品排出口上で前記把持部を開く動作と、を順次実行する制御を行うように構成されてなり、前記制御機構はさらに、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする方移動方向に対し小角度回動させる動作を実行する制御を行う構成とすることができる。
【0015】
前記把持部を開閉動作を行う一対のアームで構成し、前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う動作は、前記下方移動方向を回動軸として前記アームの開閉方向を変更する動作と、前記アームの開閉方向を遊戯者の操作に応じた方向で停止する動作と、をさらに含み、予め設定された手順で行われる前記小角度変位させる動作は、前記一対のアームの開閉方向に対し交差する方向に行われる構成とすることができる。
【0016】
また、前記小角度変位は、前記景品取得部の上方移動方向に対し1乃至10度の範囲の角度で変更可能にする構成とすることができる。
【0017】
さらに、前記景品取得部を上下方向に移動可能に支持し前記景品取得部の上昇を所定位置に到達した際に規制するように構成された支持部と、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記把持部に対する小角度変位動作が実行される構成とすることができる。
【0018】
また、前記景品取得部の上部に設けられた第1のブラケットと、前記支持部の下部に設けられた第2のブラケットと、をさらに備え、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットは前記第2部ラケットの一端側で互いに回動自在に連結されており、前記第2部ラケットの他端側下部は前記景品取得部の上部面から小間隔を置いた位置に配置されており、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記景品取得部は、一端側が前記第1のブラケットで上昇が規制され、他端側が前記連結部を支軸として前記第2部ブラケット下部に接触するまで上方に回動することで景品取得部が傾動し前記把持部に前記小角度変位を与える構成とすることができる。
【0019】
また、前記ブラケット間に前記他端部側を互いに離す方向へ付勢する弾性体を備える構成とすることができる。
【0020】
また、景品取得部の前記他端側が上昇した量に対応する角度で前記小角度変位を与える構成とすることができる。
【0021】
(作用) 本件発明によれば、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行う構成によって不安定な状態で保持されている景品が落下する可能性を高め、景品の特性に適合した停止タイミング操作を行った場合に当該景品の取得可能性を高める構成の景品ゲーム装置を提供することができる。また遊戯者の停止タイミング操作技術の優劣が反映された景品ゲーム装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
したがって、景品の特性に適合した景品取得ゲーム装置が実現できるとともに新たな遊戯性を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す景品取得ゲーム装置の移動装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す景品取得ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す景品取得ゲーム装置におけるゲームの実行処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す景品取得ゲーム装置におけるゲームの実行処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置の把持部の構造を示す一部分解図である。
【図8】伸縮管などからなる支持部の構成例を示した斜視図である。
【図9】景品取得ゲーム装置の底付き検出装置の構成例を示す正面図である。
【図10】動作した際の底付き検出装置を示す図(その1)である。
【図11】動作した際の底付き検出装置を示す図(その2)である。
【図12】図6のZ−Zに沿って裁断した縦断面図(その1)である。
【図13】図6のZ−Zに沿って裁断した縦断面図(その2)である。
【図14】本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置のブラケットの構造を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置1について説明する。
【0025】
まず、図1〜図11等を用いて景品取得ゲーム装置1の概略的な構成及びその動作について説明。
【0026】
なお、本願明細書でいう「景品」とは、ゲームによってプレーヤが直接的に取得しうる品物(例えばヌイグルミ等)だけを意味するわけではない。例えば、ゲームでの取得対象として収容されている物品であって取得後に他の景品と交換可能な物品、さらには当該物品(景品)自体の提供は行わず得点や順位を競うために用いるもの等も「景品」に含めて考える。要するに、ゲーム後にプレーヤの所有物になるかどうかに関わらず、取得部を移動・昇降させて取得対象となる物品はすべて本願明細書でいう「景品」に包含される。
【0027】
<景品取得ゲーム装置1の全体構成>
最初に、図1及び図2等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の全体の構成について説明する。
【0028】
景品取得ゲーム装置1は、図1に示すように、直方体形状の基台2の上に、景品Pを収容するための箱型の景品収容部3を備えた構造となっている。
【0029】
景品収容部3はプレーヤが直接手を入れることが出来ない閉じたゲーム空間を構成するもので、図1に示すように、複数の景品Pを配列する底面部材(景品載置部)と、景品載置部に載置された景品Pをプレーヤが目視することができるがプレーヤが直接触ることができないように配置された透明な樹脂又はガラスの板状部材から形成された前面5A及び側面5B,5Cと、移動装置が収容される天井部と、背面5Dで構成されている。
【0030】
天井部には図2を参照して詳細が後述されるが移動機構が外部から見えないように収容される。景品載置部は底面レベルだけではなく、底面から一段高く配置された棚部材を含め構成されてよい。また、景品収容部3の背面5Dは、例えば鏡面状の板状部材や内面に装飾が施された板状部材により形成されており、さらに、景品収容部3の前面5Aは、例えば引戸又は観音開き構造にて開閉可能となっている。
【0031】
景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザ)は、この前面5Aから例えばキャラクタ等のぬいぐるみや雑貨等といった景品Pとなる物品を景品収容部3内に収容し、取り出し、さらにはディスプレイ状態を変える(配置や傾き等といった状態を適宜変更する)ことができるようになっている。
【0032】
景品収容部3内には、図1及び図2に示すように、景品Pを把持するための把持部6を備えた景品取得部4と、該景品取得部4をプレーヤの操作に応じて水平方向に移動させる手段としての移動装置と、景品取得部4を昇降させる昇降装置37と、が設けられている。
【0033】
なお、以下の説明において、一対のアーム81、アーム81を開閉する機構および開閉機構を覆うカバー等を含む構成を景品取得部4と参照されるが、特に限定されないが、一対のアームあるいは一対のアームとアームを景品取得部に取り付ける構造を説明するときは把持部6と参照されることがある。また、前述の移動装置と昇降装置37は、本件発明において特に限定がない場合、「移動手段」として包含する。
【0034】
把持部6は、景品取得部4の内部に設けられている左右一対のモータ47(図6参照)の回転駆動力に基づいて開閉駆動する左右一対のアーム81を有し、これらアーム81を開閉させることによって景品Pを把持することができるように構成されている。
【0035】
アーム81には、それぞれの先端に爪83(図6等参照)が取り付けられている。把持部6が設けられている景品取得部4は、移動手段7の動作によって景品収容部3内を移動するように構成されている。アーム81の把持力は、後述する景品取得部4(図6〜図7参照)により調整される。
【0036】
移動手段7は、図2に示すように、景品収容部3の内部上方に配置され、横方向(側面5Bと側面5Cとを結ぶ方向であり、以下「X方向」と称することがある)と平行に固定配置された複数のX方向移動用固定レール9と、これらX方向移動用固定レール9にスライド自在に、かつ縦方向(前面5Aと背面5Dを結ぶ方向であり、以下「Y方向」と称することがある)と平行に取り付けられたY方向移動用可動レール10と、Y方向移動用可動レール10にスライド自在に取り付けられた景品取得用基台12と、景品取得用基台12の鉛直方向(以下「Z方向」や「重力方向」と称することがある)下側に取り付けられた伸縮自在の支持部(規制部)11と、を有する構造となっている。
【0037】
Y方向移動用可動レール10は、X方向移動用モータ13Xの回転出力に基づきX方向移動用固定レール9に沿って横方向(X方向)に移動することができるように構成されている。
【0038】
また、景品取得用基台12は、Y方向移動用モータ13Yの回転出力基づきY方向移動用可動レール10に沿って縦方向(Y方向)に移動することができるように構成されている。
【0039】
また、支持部11は、Z方向移動用モータ13Z(図3参照)の回転出力に基づいて伸縮することができるように構成されている。
【0040】
本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、以上のような構成のX方向移動用モータ13X、Y方向移動用モータ13Y及びZ方向移動用モータ13Zは、制御部30からの電気信号に従って適宜作動し、景品取得部4を景品収容部3内の所望位置に移動させ得るようになっている。
【0041】
また、景品収容部3の外側前面5Aの前部には基台2の前側に沿って、図1に示すように、操作用卓であるコントロールパネル14が設けられている。コントロールパネル14には、ゲームを行う際にコインを投入するためのコイン投入口15と、ゲーム時にプレーヤが景品取得部4をX方向の所望位置に移動させる操作を入力するための第1の操作ボタン16Aと、その後プレーヤが景品取得部4をY方向の所望位置にまで移動させる操作を入力するための第2の操作ボタン16Bと、からなる操作部16(操作手段)が設けられている。
【0042】
操作部16は、ジョイスティック等の他の操作手段により構成することも可能である。操作部16にはさらに、Z方向への移動を指示する第3の操作ボタンが設けられてもよい。また、図示されていないが一対のアーム8の開閉方向を、Z方向を軸として回動変更する操作を入力するための操作ボタンを設けてもよい。
【0043】
さらに、基台2の前面5A側には、図1に示すように、景品収容部3内の所定位置に設けられた景品投入ガイド17に連通する景品の取出口18が設けられており、把持部6により把持された状態で搬送され、景品投入ガイド17内に落とされた景品Pは、取出口18から取り出し得るようになっている。
【0044】
また、基台2の前面5A側には、さらに開閉扉19が設けられており、この開閉扉19を開いた内側には、景品取得ゲーム装置1の全体を制御する制御部30(図3参照)等を備えたメインボードが収納されている。
【0045】
なお、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、景品取得部4の初期位置(ゲーム開始時及び終了時における景品取得部4のデフォルトの位置又はその近傍の位置)が景品投入ガイド17の上方の位置に設定されている。
【0046】
また、本実施形態においては、X軸、Y軸及びZ軸の原点(X方向、Y方向及びZ方向それぞれの座標がとなる位置)が景品取得部4の初期位置にあるものとする。
【0047】
次に、図3等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の内部構成(機能的構成)について説明する。
【0048】
基台2の内部に収納されたメインボードには、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって構成された制御部30と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部31と、現在時刻をカウントするタイマ32と、が搭載されている。
【0049】
ゲーム中にプレーヤによりコントロールパネル14(図1参照)の操作部16(第1の操作ボタン16Aや第2の操作ボタン16B)が押圧されたときに、制御部30からこれに応じた操作信号S1(操作情報)が送り出される(送信される)ようになっている。
【0050】
移動手段7には、景品取得部4のX方向の位置を検出するX方向位置検出手段(X方向位置検出部)、Y方向の位置を検出するY方向位置検出手段(Y方向位置検出部)及びZ方向の位置を検出するZ方向位置検出手段(Z方向位置検出部)として、景品取得部4のX方向、Y方向の原点位置及び移動限界位置、ならびにZ方向原点側の移動限界位置に各々配置されたリミットスイッチ33が設けられている。
【0051】
これらリミットスイッチ33は、景品取得部4が、X方向、Y方向の原点位置又はX方向、Y方向の移動限界位置、あるいはZ方向原点側の移動限界位置にまで移動したときに、これに応じた移動限界検出信号S2(移動限界検出情報)を制御部30に送り出す(送信する)ようになっている。
【0052】
制御部30は、これら操作信号S1及び移動限界検出信号S2に基づいて、プレーヤによる第1及び第2の操作ボタン16A,16Bの操作に応答したゲーム動作を景品取得ゲーム装置1に実行させることができるようになっている。
【0053】
ここで、本実施形態の制御部30は、第2の操作ボタン16Bが押圧されている時間を計測し、この第2の操作ボタン16Bの押圧時間が例えば1秒よりも大きいときには、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させる時間を、押圧時間よりも1秒少ない時間に設定する。
【0054】
このように、制御部30は、景品取得部4の把持部6が把持する景品Pが通常よりも大きな景品の場合に合わせて、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させる時間を、押圧時間よりも例えば1秒少ない時間に設定することにより、景品取得部4の把持部6により把持された景品Pが景品取得ゲーム装置1の前面5Aの内面に衝突して落下することを未然に防止することができるようになっている。
【0055】
また、制御部30は、第2の操作ボタン16Bの押圧時間が1秒以内のときには、景品取得用基台12をY方向移動用可動レール10に沿ってY方向原点側に移動させないように構成されている。
【0056】
さらに、本実施形態の制御部30は、操作部16から送出される操作信号Sに基づいて、把持部6の内部に設けられたモータ47(図6参照)を駆動制御することにより、左右一対のアーム81を開閉させて、把持部6に景品Pを把持させる動作を行わせる。
<景品取得ゲーム装置1の動作>
【0057】
続いて、図4及び図5に示すフローチャート等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の動作について説明する。
【0058】
制御部30は、予め設定されたプレイ(あるいは例えばプレイ)分の所定枚数のコインがコイン投入口15(図1参照)に投入されたことを認識すると、図4に示す景品取得ゲーム実行処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、コントロールパネル14の第1の操作ボタン16Aが押圧されるのを待ち受ける。
【0059】
また、制御部30は、やがてプレーヤが第1の操作ボタン16Aを押圧したことを第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP2に進んで、移動手段7(図2参照)のX方向移動用モータ13Xを作動させ、初期状態において景品投入ガイド17(図1参照)の真上のホームポジション(原点)に位置していた景品取得部4のX方向における移動を開始させる。
【0060】
次いで、制御部30は、ステップSP3に進んで、X方向のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がX方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0061】
また、制御部30は、続くステップSP4において、第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて、第1の操作ボタン16Aの押圧が解除されたか否かを判断する。
【0062】
そして、制御部30は、これらステップSP3及びステップSP4においてともに否定結果を得ると、ステップSP3に戻る。
【0063】
制御部30は、ステップSP3又はステップSP4の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP5に進んで、移動手段7のX方向移動用モータ13Xを停止させて景品取得部4のX方向における移動を終了させ、この後ステップSP6に進んで、コントロールパネル14の第2の操作ボタン16Bが押圧されるのを待ち受ける。
【0064】
そして、制御部30は、第2の操作ボタン16Bが押圧されたことを第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP8において、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向における移動を開始させる。
【0065】
この後、制御部30は、ステップSP9に進んで、Y方向のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がY方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0066】
また、制御部30は、続くステップSP10において、第2の操作ボタン16Bからの操作信号Sに基づいて、第2の操作ボタン16Bの押圧が解除されたか否かを判断する。
【0067】
そして、制御部30は、これらステップSP9及びステップSP10においてともに否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
【0068】
制御部30は、ステップSP9又はステップSP10の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP12において、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて把持部6のY方向における移動を終了させる。
【0069】
次いで、制御部30は、ステップSP13に進んで、把持部6のモータ47(図6参照)を作動させて、把持部6のアーム81を開かせる。
【0070】
そして、制御部30は、この後ステップSP14に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Z(図参照)を作動させて景品取得部4の下降を開始させ、さらにこの後ステップSP15に進んで、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0071】
次いで、制御部30は、Z方向のスイッチとして機能する底付き検出装置73からの検出信号S3に基づき(図3参照)、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを認識する(あるいは、後述するように景品取得部4が景品P等に作用させている荷重が所定の大きさとなるように制御する)と、ステップSP16に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の下降を終了させる。
【0072】
この後、制御部30は、ステップSP17に進んで、把持部6のモータ47を作動させてアーム81を閉じさせることにより、景品Pを把持する動作を行わせる。
【0073】
次いで、制御部30は、ステップSP18に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを作動させて景品取得部4の上昇を開始させ、この後ステップSP19に進んで、景品取得部4がZ方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0074】
そして、制御部30は、Z方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、把持部6がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを確認すると、ステップSP20に進んで、移動手段7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の上昇を終了させる。
【0075】
なお、制御部30は、Z方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2を検出後、予め設定された所定時間に基づいて、Z方向移動用モータ13Zの停止動作の開始時間を変更することも可能である。
【0076】
すなわち、制御部30は、設定時間を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”遅く動作するように設定した場合、Z方向移動用モータ13Zの作動を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”多く作動させることができる。
【0077】
次いで、制御部30は、ステップSP22に進んで、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向原点側への移動を開始させる。
【0078】
次いで、制御部30は、X方向原点側への移動を開始し(ステップSP24)、ステップSP26に進み、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて景品取得部4のY方向原点側への移動を終了させる。
【0079】
やがて、制御部30は、この後ステップSP29に進んで、X方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がX方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。
【0080】
そして、制御部30は、このステップSP29において否定結果を得ると、景品取得部4がX方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受け、このステップSP29において肯定結果を得ると、ステップSP30に進み、移動手段7のX方向移動用モータ13Xを停止させて景品取得部4のX方向原点側への移動を終了させる。
【0081】
次いで、制御部30は、ステップSP31に進んで、把持部6のモータ47を作動させてアーム81を開かせることにより景品Pの解放を実現させた後、再びモータ47を作動させてアーム81を閉じさせる。
【0082】
この後、制御部30は、ステップSP32に進んで、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向原点側への移動を開始させる。
【0083】
次いで、制御部30は、ステップSP33に進んで、Y方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がY方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。
【0084】
そして制御部30は、このステップSP33において否定結果を得ると、景品取得部4がY方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受け、やがてこのステップSP33において肯定結果を得ると、ステップSP34に進み、移動手段7のY方向移動用モータ13Yを停止させて景品取得部4のY方向原点側への移動を終了させる。
【0085】
この結果、制御部30は、景品取得部4をX方向及びY方向の移動限界位置まで移動させ終えたこととなり、このことは景品投入ガイド17の真上のホームポジション(原点)に景品取得部4を位置させたことを示している。
【0086】
この後、制御部30は、ステップSP35に進んでこの景品取得ゲーム実行処理手順RTを終了する。
【0087】
かくして、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、把持部6のアーム81によって景品Pを把持する(景品Pの一部を引っ掛けて持ち上げるような場合を含む)ことができた場合に、景品Pを把持した状態で景品投入ガイド17上にまで運び、その後景品Pの解放動作を実現させて景品投入ガイド17内に景品Pを落下させることができる。
【0088】
あるいは、把持部6のアーム81によって景品Pを把持することができなくても、当該景品Pを転がしたりずらしたりして景品投入ガイド17内に落下させることも可能である。この結果、プレーヤは景品Pを景品取出口18から取り出して取得することができる。
【0089】
以下、本実施形態における景品取得ゲーム装置1の把持部6について説明する。図6は、把持部6等のカバーを外した状態の外観構成を示す斜視図である。図7は、図6に示す把持部6の一部を分解した状態で示す斜視図である。
【0090】
景品取得ゲーム装置1の把持部6は、景品を把持するためのアーム81と、アーム81を景品取得部4に取り付ける基端部82と、景品を把持し易くする爪83とを有する。
【0091】
基端部82は、把持部6が回動する際の軸となるアーム軸82aと、景品取得部4の弾性体43の一部を基端部に固定するための弾性体固定部82bと、を有する。
【0092】
景品取得ゲーム装置1の景品取得部4は、ギアボックス41、ギア45およびモータ47を含んで構成する駆動機構40と、駆動機構40の出力軸45aの位置を検出する駆動機構位置検出部42と、把持部6と駆動機構40とを連結する弾性体43(例えばトーションばね)と、把持部6が回動する際のアーム軸82aの位置を検出するアーム軸位置検出部44と、を有する。駆動機構40は、各アーム81に対応して設けられる。
【0093】
上記出力軸45aやアーム軸82aの位置としては、例えば、各軸の基準位置からの回転角度や距離等を用いることができる。本実施形態では、各軸の位置として、基準位置からの回転角度を用いることができる。また、基準位置として、把持部6が開方向リミット位置に位置するときの各軸の位置を用いることもできる。
【0094】
つまり、把持部6が開方向リミット位置に位置するときの各軸の位置(角度)を基準位置(例えば「0」)とし、把持部6が閉じるにつれて、各軸の位置(角度)が大きくなり、把持部6が閉方向リミット位置に到達したときに、各軸の位置(角度)が最大となる。
【0095】
なお、本実施形態では、回動式の駆動機構40に限定されず、直動式の駆動機構を用いることもできる。また、ギアボックス41およびギア45を介することなく、モータ47の軸(不図示)を弾性体43に直結することとしてもよい。
【0096】
景品取得ゲーム装置1の把持部6の開閉動作は、以下のしくみで行われる。
【0097】
駆動機構40のモータ47を作動すると、駆動機構の出力軸45aに連結する歯車45および留め具46と弾性体固定部82bとで固定されている弾性体43が変形する。
【0098】
続いて、弾性体43の変形に応じて弾性体43から把持部6に力が加えられ、把持部6が開閉動作を行う。
【0099】
弾性体43の力が把持部6を押し下げる方向(把持部6の内転方向)に作用する場合には、把持部6が閉方向に動作し、弾性体43の力が把持部6を引き上げる方向(把持部6の外転方向)に作用する場合には、把持部6が開方向に動作する。
【0100】
なお、駆動機構位置検出部42の検出値およびアーム軸位置検出部44の検出値は、駆動機構40が弾性体43に力を付与する際や、出力軸45aとアーム軸82aとの位置関係に基づき、制御部30が把持力制御を行う際に使用される。
【0101】
また、把持部6と駆動機構40とが弾性体43を介して連結されているため、駆動機構40の出力軸45aの可動範囲を、把持部6のアーム軸82a可動範囲よりも大きくすることも可能となる。
【0102】
したがって、把持部6がストッパ部材や物等に当接して停止した後も、弾性体43が変形可能な間は、出力軸45aをそのまま回転し続けることが可能となる。
【0103】
次に図8等を用いて、景品取得ゲーム装置1の支持部11等について説明する。
【0104】
支持部11は、複数個のパイプを入子式に嵌合させてなる伸縮管として構成されている。この伸縮管は、順次小径となる4本のパイプ11a,11b,11c,11dを入子式に摺動自在に嵌合させたものである(図8参照)。最下位のパイプ11dの下端は、ブラケット36にネジ等で螺着されており、当該ブラケット36を介して、景品取得部4が連結されている(図6、図8参照)。
【0105】
ワイヤ70は、ワイヤ巻取りプーリ72から繰り出され、テンションプーリ75の一側を通過してから支持部11の内側に導入され、ワイヤ70先端の玉部36fが、景品取得部4の上部に設けられた玉部受け36eと係合する。(図14)なお、図中符号64はモータ47に給電するケーブルである。
【0106】
ここで、景品取得部4を昇降するための昇降装置等の構成について説明する(図8〜図11等参照)。
【0107】
景品取得部4を上下に昇降させるための昇降手段としての昇降装置37は、景品取得用基台12に搭載された巻取り巻戻し装置39と、この巻取り巻戻し装置39によって巻き取られるワイヤ70とからなり、ワイヤ70は、支持部11の内側を通過するようになっている(図8参照)。巻取り巻戻し装置39は、ワイヤモータ71(Z方向移動用モータ13Z)と、ワイヤ巻取りプーリ72と、底付き検出装置73とを含む構成となっている。
【0108】
底付き検出装置73は、景品取得部4が下降して景品Pや景品収容部3の底に衝突した際、ワイヤ70のテンションの変化(例えば弛みが生じた際の引張り力の減少)に基づき当該景品取得部4が底付き状態になったこと、および当該景品取得部4が景品P等に及ぼしている荷重の大きさを検出する装置である。
【0109】
例えば本実施形態における底付き検出装置73は、支軸76を中心として揺動可能な揺動アーム77と、該揺動アーム77の自由端に回転可能に支持されているテンションプーリ75と、該テンションプーリ75をワイヤ70に押し付けるように揺動アーム77を付勢するコイルばね78(トーションばね)と、テンション検出用ギア79と、ピニオンギア700と、ボリューム701とを含む構成となっている(図9等参照)。テンション検出用ギア79は揺動アーム77の一部(例えば本実施形態であればテンションプーリ75とは支軸76を挟んで反対の側) に形成された例えば円弧形状の歯車からなる(図9等参照)。このテンション検出用ギア79が噛合するピニオンギア700は、ボリューム701の回転軸に取り付けられている。ボリューム701は、被検出部材たるテンション検出用ギア79の動作を検出する部材である。
【0110】
例えば本実施形態では、上述したような構成によりテンション検出用ギア79の動作をピニオンギア700の回転に変換し、エンコードされた回転量をボリューム701によって検出し、電気信号に変換して出力するようにしている。
【0111】
本実施形態における昇降装置37は前述のように構成されているから、所望の景品Pの直上に景品取得部4を位置させた後、ワイヤモータ71を駆動し、ワイヤ巻取りプーリ72上のワイヤ70を送り出すと、支持部11が下方に向かって伸び、景品取得部4が景品Pに向かって下降し接近する。
【0112】
そして、把持部6のアーム81(または景品取得部4の底部)が景品Pに当接して下降が停止(あるいは減速)すると、巻取り巻戻し装置39がワイヤ70をさらに送り出した分だけ当該ワイヤ70のテンションがなくなり弛みが生じる。そうすると、コイルばね78が揺動アーム77を一方向(例えば図中では反時計回り)に揺動させ、テンションプーリ75をワイヤ70に押し付ける(図10、図11参照)。このとき、テンション検出用ギア79が揺動アーム77の動きに連動し、ピニオンギア700を回転させる(図11参照)。
【0113】
ボリューム701は、当該ピニオンギア700の回転量を検出し、テンション検出用ギア79および揺動アーム77の動きの量、ひいてはワイヤ70の弛みの量を検出する。かかる検出結果から、制御部30等によりワイヤ70のテンションの大きさを測定することができる。
【0114】
以上により、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、ワイヤ70の弛みを利用し、景品取得部4が景品P(あるいは景品収容部3の底面(景品載置部))に及ぼしている荷重の大きさを検出することが可能である。
【0115】
また、さらに景品取得部4が昇降可能範囲内における上端位置にあることを検出するための装置として、上付きセンサ(不図示)を設けることもできる。例えば、特開2008−194315号に開示されているように、支持部11が当接しうる位置にねじりコイルばねなどで支持された遮光板が、上付きセンサにおける光を遮る遮光状態と光を遮らない退避状態と切り替え可能に設けることができる。
【0116】
上記のように構成することで、上付きセンサが、景品取得部4がZ方向の昇降可能範囲内における上方移動限界位置にまで到達したときに移動限界検出信号S2を送出(送信)し、制御部30等により、景品取得部4が上方移動限界位置に到達したこと(上付き状態になったこと)を検出することができる。
【0117】
また、以上のような荷重制御により景品取得ゲームの興趣性を適宜変化させ、プレーヤの興味をさらに惹き付けることも可能である。
【0118】
次に図12乃至図14等を用いて、本発明による把持部に小角度変位動作を与える機構の実施形態について説明する。
【0119】
図12は、カバーを外した景品取得部6がワイヤ70を介して支持部11に上下方向に可動に吊るされている状態を図示している(一部断面図を含む)。本実施形態における小角度変位動作を与える変位手段となるブラケット36等について説明する。
【0120】
まず、ブラケット36は、景品取得部の上部に固定して取り付けられた第1のブラケット(第1の連結部)36aと、一端が第1ブラケットに対し回動可能に支軸され、他端が景品取得部の上面との間に所定間隔をもって取り付けられた第2のブラケット部(第2の連結部)36bで構成されている。
【0121】
この第1のブラケット36aは、上面と長手方向の一辺が開放され、略鉛直状の三面を有する逆コ形状の略長方体であって、長手方向が開放されている短手方向の二面にカラー362dが嵌合されており、このカラー362dと第2のブラケット36b(後述)とがネジ361dで螺合されている(図14参照)。なお、本実施形態において、カラー362dにより、第1のブラケット36aが第2のブラケット36bに対して回動可能となるように回転軸として機能するが、カラー362dに限定されず、たとえばシャフト等でも代用可能である。
【0122】
また、この第1のブラケット36aは、景品取得部4と当接する短手方向の略鉛直状で、カラー362dが嵌合される二面から各々相反するX方向へ延出する延出部をそれぞれ有し、該延出部が景品取得部4の上面とネジ361aにより螺合されている。
【0123】
第2のブラケット36bは、上面が支持部11の下端とネジ361b等により固定(螺合)されることで支持部11の下端に固定して取り付けられている。また、この上面からZ方向に折り曲げられた略鉛直状の二面を有する。この第2のブラケット36bの略鉛直状の二面は、第1のブラケット36aに回動可能に取り付けられた一端側から他端側に向かって景品取得部上面との間隔が徐々に広がるように下辺が傾斜して形成されており、この第2のブラケット36bの略鉛直状の二面の前記一端側がそれぞれ上述のカラー362dとネジ361dにより螺合されている。
【0124】
なお、本実施形態において、第1のブラケット36a及び第2のブラケット36bは、それぞれネジ361a、361bなどにより、景品取得部4や支持部11に螺合されているが、これに限定されず、それぞれ景品取得部4や支持部11に第1のブラケット36aや第2のブラケット36bの機能を有する部位を一体であってもできる。(図15参照)
【0125】
第2のブラケット36bの前記他端側上面には一対の開口が設けられ、それぞれ弾性体(例:コイルばね)362cを介して景品取得部4の上面から略鉛直方向へ延出した円柱部材(ボス)363cにネジ361cで螺合される付勢部36cを構成する。
【0126】
図12で示すように、本発明の実施形態において、この付勢部36cは、弾性体362cが景品取得部4と第2のブラケット36bとの位置をZ方向に変動可能に離す方向へ付勢する。また、景品取得部4が傾動した際には景品取得部4と第2のブラケット36bとが衝突するのを緩衝することもできる。
【0127】
また、弾性体362cは、円柱部材363cに嵌遊されてなり、第2のブラケット36bを当該円柱部材363cとネジ361cとで螺合する。このことにより、弾性体362cが第2のブラケット36bを上方へ押し出すことを防止する。
【0128】
この付勢部36cにより、景品取得部4が昇降装置37によりZ方向へ昇降している間や、景品取得部4が下降して景品Pや景品収容部3の底に衝突した際などに、景品取得部4をZ方向への移動を支持部11により規制された場合以外で傾斜させず(景品取得部4がZ方向に沿った姿勢から逸れた姿勢に変位しないよう)に姿勢を維持することが可能となる。
【0129】
玉部受け36eは、景品取得部4の上部に設けられ、ワイヤ70の先端にある玉部36fと係合する。この玉部受け36eは、略中央に上方へ婉曲する婉曲部363eを有する玉部受け部材362eからなるとともに、この婉曲部363eはその婉曲部分の径が玉部36fの径よりも大きく形成されている。この玉部受け部材362eは、婉曲部363eの略中央にX方向への長穴部が形成されており、この長穴部は、玉部36fの径よりも小さく、かつ、ワイヤ70の径よりも大きく形成されている。この玉部受け部材362eはさらに、婉曲部363eから相反するX方向へ延出する延出部を有する。この延出部は、景品取得部4とネジ361e等で螺合されている。
【0130】
なお、玉部受け36eは、鉛直する側面部と、上面が玉部36fの径よりも小さく、かつ、ワイヤ70の径よりも大きい開口面を有する略長方体形状のハウジングが、景品取得部4の上部に設けられていてもよい。その場合は、ハウジング内部に玉部36fの径よりも大きな径を有し、玉部36fを収容する玉状凹部を有することが好ましい。
【0131】
本実施形態において、ブラケット36が前述のように構成されていることにより、景品取得部4及び把持部6を傾斜させることができる。
【0132】
すなわち、図4のSP19及びSP20において、制御部30が、設定装置(不図示)を介して設定された所定時間が、Z方向移動用モータ13Zの通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”遅く動作するように設定されていた場合、Z方向移動用モータ13Zによりワイヤ70を通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取ることとなる。そして、ワイヤ70が通常の停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取られることにより、図13に示すように景品取得部4及び把持部6が所定の小角度傾斜することとなる。
【0133】
すなわち、景品取得部4及び把持部6は、本発明のブラケットによる傾動機構が無い場合に比べ、ワイヤ70が停止動作の開始時間よりも“5秒”長く巻き取られることで、ワイヤ70の先端に設けられた玉部36fと景品取得部4の上部中央に設けられた玉部受け36e、及び、第2のブラケット36bと固着する支持部11等により、景品取得部4を停止位置よりもZ方向へ移動させる力が働く。
【0134】
しかし、景品取得部4のブラケット36aが取り付けられた一端側は支軸36によりZ方向への移動が規制されており上方へ移動することが出来ないが、ワイヤ70は巻き取られているため、Z方向移動に遊びのある付勢部36cが設けられた側の景品取得部4にZ方向への力がかかり、景品取得部4と第2のブラケット36bとの間に設けられた付勢部36cが収縮し、第1のブラケット36aが固定して取り付けられている景品取得部4がネジ36dを回転軸として回動する。こすなわち景品取得部4の上面が、第1のブラケット36aが設けられている側より付勢部36cが設けられている側のほうが第2のブラケット36bの下辺に近づくこととなる。
【0135】
以上の動作により、景品取得部4及び把持部6をY方向へ移動(傾斜)させる(図13に示すように景品取得部4及び把持部6をZ方向に沿った姿勢から所定角度θ、姿勢を変位させる)ことが可能となるため、不安定な把持状態にある景品がアームから落ちる可能性が高くなる。この小角度変角度θは、例えば1乃至10度程度の範囲内の遊戯者に違和感を与えない程度の小角度で調整することで、不安定な把持状態にある景品の落下の可能性を調整することが可能となる。
【0136】
よって、本件発明の動作により、景品を把持した場合であっても、把持における景品Pのバランスが不均衡であれば、景品取得部4及び把持部6が傾斜することにより、景品が把持部6から落下する可能性が高くなる。
【0137】
逆に、遊戯者にとっては、景品取得部4及び把持部6が傾斜することにより、仮に景品取得に失敗したとしても、景品Pを把持することには成功しているため、次はどのようにバランスを均衡にして景品Pを把持すべきか、攻略を検討する必要が生じる。
【0138】
したがって、従来の景品取得ゲーム装置におけるゲームの面白さとされていた『景品取得部(把持部)による景品把持』について遊戯者に対し、新たな遊戯性を付加することができる。
【0139】
なお、以上の各実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0140】
例えば、上述した実施形態では、ワイヤ70の鉛直方向に対するワイヤモータ71の巻取り動作を設定した時間によって制御する例を用いたが、これは一例に過ぎず、この他、ワイヤモータ71の巻取り回転速度に応じて景品取得部4及び把持部6の傾斜速度を変化させることも可能である。
【0141】
すなわち、高速回転させた場合であれば、景品取得部4等の傾斜時にかかる遠心力(運動エネルギー)が増大し、アーム81が把持する景品をより落とすことが可能となる。
【0142】
逆に低速回転させた場合、景品取得部4等の傾斜時にかかる遠心力(運動エネルギー)が通常回転時や高速回転時に比べて減少するため、アーム81が把持する景品は落ちにくくすることも可能である。
【0143】
上述の実施態様では、景品取得部4が上昇終了時に小角度変位する構成としたが、これに限定されず、景品取得部にモータ駆動で把持部を小角度だけ傾動させる機構を設け、把持部が景品配置面で閉じる動作を行い上昇を開始後、予め設定された動作手順に従ってモータを短時間駆動させ上昇途上のいずれかのタイミングで把持部に小角度変位を与える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1…景品取得ゲーム装置(物品取得ゲーム装置)、2…基台、3…景品収容部(物品収容部)、4…景品取得部(物品取得部)、5A…前面、5B…側面、5C…側面、5D…背面、6…把持部、7…移動装置(移動手段)、9…X方向移動用固定レール、10…Y方向移動用可動レール、11…支持部、11a,11b,11c,11d…パイプ、12…景品(物品)取得用基台、13X…X方向移動用モータ、13Y…Y方向移動用モータ、13Z…Z方向移動用モータ、14…コントロールパネル、15…コイン投入口、16…操作部(操作手段)、16A…第1の操作ボタン、16B…第2の操作ボタン、17…景品(物品)投入ガイド、17a…景品(物品)落し口、18…取出口、19…開閉扉、30…制御部(制御手段)、31…記憶部、32…タイマ、33…リミットスイッチ、36…ブラケット、36a…第1のブラケット、36b…第2のブラケット、36c…付勢部、36d…ネジ(回転軸)、36e…玉部受け、36f…玉部、37…昇降装置(昇降手段)、39…巻取り巻戻し装置、41…ギアボックス、42…駆動機構位置検出部、43…弾性体、44…アーム軸位置検出部、45…ギア、45a…出力軸、47…モータ、64…ケーブル、70…ワイヤ(吊設部材)、71…ワイヤモータ(動力源)、72…ワイヤ巻取りプーリ、73…底付き検出装置(底付き検出手段) 、75…テンションプーリ(被押圧部材)、76…支軸、77…揺動アーム、78…コイルばね(付勢部材)、79…テンション検出用ギア(被検出部材)、700…ピニオンギア、701…ボリューム(検出部材)、81…アーム、82…基端部、82a…アーム軸、82b…弾性体固定部、83…爪、P…景品(物品)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明前面部、側面部、景品載置部及び景品排出口を含む閉じたゲーム空間と、前記ゲーム空間内に移動可能に配置され把持部を備えた景品取得部と、前記景品取得部の動作を制御する制御機構と、前記ゲーム空間の外側に配置された操作盤と、を備えた景品取得ゲーム装置であって、
前記制御機構は、
前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う、前記景品取得部を水平方向に移動する動作と、操作者の操作に対応する位置で停止する動作と、
予め設定された手順で行う、前記景品取得部を下方に移動する動作と、前記景品載置部上で前記把持部を閉じる動作と、前記把持部を閉じた状態で前記景品取得部を上方に移動する動作と、前記景品取得部を前記景品排出口上に移動する動作と、前記景品排出口上で前記把持部を開く動作と、
を順次実行する制御を行うように構成されてなり、
前記制御機構はさらに、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記把持部は開閉動作を行う一対のアームで構成されてなり、
前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う動作は、前記下方移動方向を回動軸として前記アームの開閉方向を変更する動作と、前記アームの開閉方向を遊戯者の操作に応じた方向で停止する動作と、をさらに含み、
予め設定された手順で行われる前記小角度変位させる動作は、前記一対のアームの開閉方向に対し交差する方向に行われることを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記小角度変位は、前記景品取得部の上方移動方向に対し1乃至10度の範囲の角度で変更可能に構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記景品取得部を上下方向に移動可能に支持し前記景品取得部の上昇を所定位置に到達した際に規制するように構成された支持部と、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記把持部に対する小角度変位動作が実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記景品取得部の上部の一端側に設けられた第1のブラケットと、前記支持部の下部に設けられた第2のブラケットと、をさらに備えてなり、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットは前記第2部ラケットの一端側で互いに回動自在に連結されており、前記第2部ラケットの他端側下部は前記景品取得部の上部面から小間隔を置いた位置に配置されており、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記景品取得部は、一端側が前記第1のブラケットで上昇が規制され、他端側が前記連結部を支軸として前記第2部ブラケット下部に接触するまで上方に回動することで景品取得部が傾動し前記把持部に前記小角度変位を与えるように構成されたことを特徴とする請求項4記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記ブラケット間に前記他端部側を互いに離す方向へ付勢する弾性体を備えることを特徴とする請求項5記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項7】
前記景品取得部の前記他端側が上昇した量に対応する角度で前記小角度変位を与えるように構成されたことを特徴とする請求項5または請求項6記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項1】
透明前面部、側面部、景品載置部及び景品排出口を含む閉じたゲーム空間と、前記ゲーム空間内に移動可能に配置され把持部を備えた景品取得部と、前記景品取得部の動作を制御する制御機構と、前記ゲーム空間の外側に配置された操作盤と、を備えた景品取得ゲーム装置であって、
前記制御機構は、
前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う、前記景品取得部を水平方向に移動する動作と、操作者の操作に対応する位置で停止する動作と、
予め設定された手順で行う、前記景品取得部を下方に移動する動作と、前記景品載置部上で前記把持部を閉じる動作と、前記把持部を閉じた状態で前記景品取得部を上方に移動する動作と、前記景品取得部を前記景品排出口上に移動する動作と、前記景品排出口上で前記把持部を開く動作と、
を順次実行する制御を行うように構成されてなり、
前記制御機構はさらに、前記景品載置部上で行われた前記把持部を閉じた姿勢を維持した状態にある前記景品取得部の上方移動終了までに、前記把持部を前記景品取得部の上方移動方向に対し小角度変位させる動作を実行する制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記把持部は開閉動作を行う一対のアームで構成されてなり、
前記操作盤での遊戯者の操作に応じて行う動作は、前記下方移動方向を回動軸として前記アームの開閉方向を変更する動作と、前記アームの開閉方向を遊戯者の操作に応じた方向で停止する動作と、をさらに含み、
予め設定された手順で行われる前記小角度変位させる動作は、前記一対のアームの開閉方向に対し交差する方向に行われることを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記小角度変位は、前記景品取得部の上方移動方向に対し1乃至10度の範囲の角度で変更可能に構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記景品取得部を上下方向に移動可能に支持し前記景品取得部の上昇を所定位置に到達した際に規制するように構成された支持部と、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記把持部に対する小角度変位動作が実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記景品取得部の上部の一端側に設けられた第1のブラケットと、前記支持部の下部に設けられた第2のブラケットと、をさらに備えてなり、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットは前記第2部ラケットの一端側で互いに回動自在に連結されており、前記第2部ラケットの他端側下部は前記景品取得部の上部面から小間隔を置いた位置に配置されており、前記支持部により前記景品取得部の上昇が規制されたとき、前記景品取得部は、一端側が前記第1のブラケットで上昇が規制され、他端側が前記連結部を支軸として前記第2部ブラケット下部に接触するまで上方に回動することで景品取得部が傾動し前記把持部に前記小角度変位を与えるように構成されたことを特徴とする請求項4記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記ブラケット間に前記他端部側を互いに離す方向へ付勢する弾性体を備えることを特徴とする請求項5記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項7】
前記景品取得部の前記他端側が上昇した量に対応する角度で前記小角度変位を与えるように構成されたことを特徴とする請求項5または請求項6記載の景品取得ゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−78544(P2013−78544A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221384(P2011−221384)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
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