景品把持装置及び景品払い出しゲーム機
【課題】アーム部材の動作が新しい態様の景品把持装置及び景品払い出しゲーム機を提供する。
【解決手段】キャッチャ20は、テーブル2aに載置された景品Gを把持する左アーム21L及び右アーム21Rと、左アーム21L及び右アーム21Rを独立して開閉駆動する左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rと、左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rが左アーム21L及び右アーム21Rを閉駆動している状態で、左アーム21L及び右アーム21Rに対して開閉方向θL,θRに負荷が加わると、左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rによるその左アーム21L及び右アーム21Rの駆動を停止させる左クラッチ24L及び右クラッチ24Rとを備える。
【解決手段】キャッチャ20は、テーブル2aに載置された景品Gを把持する左アーム21L及び右アーム21Rと、左アーム21L及び右アーム21Rを独立して開閉駆動する左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rと、左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rが左アーム21L及び右アーム21Rを閉駆動している状態で、左アーム21L及び右アーム21Rに対して開閉方向θL,θRに負荷が加わると、左アーム開閉モータ22L及び右アーム開閉モータ22Rによるその左アーム21L及び右アーム21Rの駆動を停止させる左クラッチ24L及び右クラッチ24Rとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を把持して移動する景品把持装置及び景品払い出しゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤの操作に応じて景品把持爪装置を制御して、内部に配置された景品を外部に払い出すクレーン遊戯機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のクレーン遊戯機は、景品を把持する把持爪の動作が単純であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−157772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、アーム部材の動作が新しい態様の景品把持装置及び景品払い出しゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、景品載置部(2a)に載置された景品(G)を把持する複数のアーム部材(21L,21R,221L,221R)と、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部(22L,22R,220)と、前記駆動部が前記各アーム部材を閉駆動している状態で、前記各アーム部材に対して開閉方向(θL,θR)に負荷が加わると、前記駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させる駆動停止部(24L,24R,232L,232R)と、を備える景品把持装置である。
第2の発明は、請求項1に記載の景品把持装置において、前記駆動停止部は、前記各アーム部材(21L,21R)に対して前記負荷が加わると、前記駆動部(22L,22R)からそのアーム部材への駆動力の伝達を中断するクラッチ機構(24L,24R)を備えること、を特徴とする景品把持装置である。
第3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の景品把持装置において、前記駆動部は、前記各アーム部材(21L,21R)をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部(22L,22R)を備えること、を特徴とする景品把持装置である。
【0007】
第4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置(20)と、前記各アーム部材(21L,21R)の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R)と、前記開閉検出部の出力に基づいて、前記各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、前記駆動部(22L,22R)を制御して、そのアーム部材の開閉駆動を停止する制御部(41)と、を備える景品払い出しゲーム機である。
第5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置(220)を備え、前記駆動停止部は、前記各アーム部材(221L,221R)の開閉位置を保持して前記各アーム部材の駆動を停止させる開閉保持部(232L,232R)を備え、前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R,231L等)と、前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉保持部を制御して、そのアーム部材の開閉位置を保持する制御部(241)と、を備える景品払い出しゲーム機である。
第6の発明は、請求項5に記載の景品払い出しゲーム機において、前記開閉検出部は、前記各アーム部材(221L,221R)に対する前記負荷を検出する負荷検出部(231L等)であること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
第7の発明は、請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、前記各アーム部材(21L,21R)を独立して操作する操作部(7L,7R)を備え、前記制御部(41,241)は、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部(22L,22R)を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動すること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
第8の発明は、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、前記各アーム部材アーム部材(21L,21R,221L,221R)の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R,231L等)と、前記景品把持装置(20,220)を降下位置(h2)と上昇位置(h1)との間で昇降する昇降駆動部(15)とを備え、前記制御部(41,241)は、前記景品把持装置が前記降下位置に配置された状態で、前記開閉検出部の出力に基づいて、全ての前記アーム部材の閉駆動が停止したと判断した場合に、前記昇降駆動部を制御して前記景品把持装置を前記上昇位置に向けて上昇すること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
【0008】
第9の発明は、景品載置部(2a)に載置された景品を把持する景品把持装置(20)を備える景品払い出しゲーム機において、前記景品把持装置に設けられ、前記景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材(21L,21R)と、前記景品把持装置に設けられ、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部(22L,22R)と、前記各アーム部材を独立して操作する操作部(7L,7R)と、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する制御部(41)とを備えること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、各アーム部材に負荷が加わると、駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させるので、アーム部材毎に閉駆動を停止できる。また、複数のアーム部材をそれぞれ異なった開閉角度に停止できるので、従来とは異なった景品把持態様にできる。さらに、把持できる景品の大きさの幅を広くできるので、様々な大きさの景品に対応できる。
(2)本発明は、クラッチ機構を備えるので、アームの開閉角度に関わらず特定の大きさの負荷が加わったときに、各アーム部材の駆動を停止できる。また、クラッチ機構を各アーム部材の回転軸に設けることによって、駆動停止部を小スペースで配置しながら、アーム部材の開閉角度を大きくできる。
【0010】
(3)本発明は、各アーム部材をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部を備えるので、各単位駆動部をそれぞれ制御してアーム部材毎に閉駆動を停止できる。
(4)本発明は、制御部が開閉位置検出部の出力に基づいて、各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、駆動部を制御してそのアーム部材の開閉駆動を停止するので、モータ等の駆動部を停止することにより、駆動部の故障を防止できる。
【0011】
(5)本発明は、開閉検出部の出力に基づいて、開閉保持部を制御して、アーム部材の開閉位置を保持するので、駆動部の駆動自体を停止することなくアーム部材の開閉駆動を停止できる。このため、複数のアーム部材の駆動部として、例えば1つのモータを備えればよく、コストを抑えることができ、また、小型化及び軽量化ができる。
(6)本発明は、負荷検出部の出力に基づいて、開閉保持部を制御して、アーム部材の開閉位置を保持することにより、上記(5)と同様な効果を奏することができる。
【0012】
(7)本発明は、操作部の操作に基づいて駆動部を制御して、各アーム部材を独立して開閉駆動するので、アーム部材の駆動態様を従来とは異なるものにできる。また、景品把持装置の操作対象を細分化することにより、景品把持装置及び景品の位置等に応じて各アーム部材を操作できるので、プレイの面白さを向上できる。
(8)本発明は、全てのアーム部材の閉駆動が停止したときに判断した場合に、景品把持装置を上昇するので、アーム部材の閉駆動と景品把持装置の上昇駆動とを一連の自然な動作にできる。
(9)本発明は、操作部の操作に基づいて駆動部を制御して、各アーム部材を独立して開閉駆動するので、上記(7)と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の正面図及び側面図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機1の操作部7を示す図である。
【図3】第1実施形態のキャッチャ20の内部構造を示す正面図、側面図である。
【図4】第1実施形態の左クラッチ24Lの構造を説明する側面図である。
【図5】第1実施形態のキャッチャ20と、従来のキャッチャ120とを比較して示す正面図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図7】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態のゲーム機201のキャッチャ220の内部構造を示す正面図である。
【図9】第2実施形態のクラッチ部230Lの構造を説明する側面図である。
【図10】第2実施形態のゲーム機201の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態のアーム321A〜321Cの斜視図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の正面図及び側面図である。
図2は、第1実施形態のゲーム機1の操作部7を示す図である。
図1に示すように、ゲーム機1(景品払い出しゲーム機)は、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ1.5m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の大型の装置であり、主にゲームセンタ等の店舗等に設置される。ゲーム機1は、内部にプレイフィールド2が設けられている。ゲーム機1は、プレイヤの操作に応じて、クレーンを模したキャッチャ20(景品把持装置)が動作され、プレイフィールド2内に載置された景品Gが、景品獲得孔8に搬送されたときに、その景品Gを、景品払い出し口9から払い出す、いわゆる、クレーンゲーム機である。
【0015】
図1に示すように、ゲーム機1は、プレイフィールド2と、ケース4と、ウィンド5と、コイン投入口6aと、操作部7と、景品獲得孔8と、景品払い出し口9と、水平面内駆動部10と、鉛直方向駆動部13と、キャッチャ20とを備えている。
プレイフィールド2は、景品Gを搬送するためにキャッチャ20が、実際に動作される空間であり、景品Gを載置するテーブル2a(景品載置部)が設けられている。
ケース4は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンド5は、ゲーム機1外部とゲーム機1内部のプレイフィールド2とを仕切るための部材であり、外部からプレイフィールド2が視認できるように、例えば、透明なアクリル、ガラス等により形成される。
【0016】
コイン投入口6aは、プレイヤがプレイをするためにコインを投入するための投入口である。コイン投入口6aは、操作パネル6に設けられている。コイン投入口6aは、その内部に投入されたコインを検出する光学センサ等のコイン検出部(図示せず)が設けられている。このコイン検出部は、コインを検出するとコイン検出信号を制御部41(図6参照)に出力する。
【0017】
図2に示すように、操作部7は、プレイヤがキャッチャ20を操作するための入力装置であり、その入力情報を制御部41(図6参照)に出力する。操作部7は、プレイヤが操作しやすいように、ケース4の手前側Y1の操作パネル6に設けられている。操作部7は、XY移動レバー7aと、降下ボタン7Dと、左アーム閉ボタン7Lと、右アーム閉ボタン7Rとを備えている。
XY移動レバー7aは、キャッチャ20をXY平面(水平面)内で移動するレバーである。XY移動レバー7aは、左側X1、右側X2に傾けられるとキャッチャ20をそれぞれ左側X1、右側X2に移動し、一方、手前側Y1、奥側Y2に傾けられるとキャッチャ20をそれぞれ手前側Y1、奥側Y2に移動するようになっている。
降下ボタン7Dは、キャッチャ20を上昇位置h1から下側Z1に降下して、降下位置h2に配置する操作ボタンである。
左アーム閉ボタン7Lは、左アーム21Lを閉駆動する操作ボタンである。
右アーム閉ボタン7Rは、右アーム21Rを閉駆動する操作ボタンである。
【0018】
図1に示すように、景品獲得孔8は、キャッチャ20が落下させた景品Gを、景品払い出し口9へと払い出すために、プレイフィールド2のテーブル2aに設けられた開口孔である。
景品払い出し口9は、景品獲得孔8に落下した景品Gを払い出すための景品獲得孔8に連通した開口孔である。景品払い出し口9は、プレイヤが景品Gを取り出しやすいように、ケース4の正面に設けられている。
【0019】
水平面内駆動部10は、キャッチャ20を水平面内で移動させる移動機構である。水平面内駆動部10は、移動レール11X,11Yと、XY移動モータ12(図6参照)とを備えている。
移動レール11X,11Yは、左右方向X及び奥行方向Yに平行に配設されている。移動レール11X,11Yは、キャッチャ20がXY平面(水平面)内を移動可能に吊り下げるように設けられている。
XY移動モータ12は、キャッチャ20を移動レール11X,11Yに沿って移動するDCモータ等である。XY移動モータ12は、奥行方向Y及び左右方向Xに駆動する2つのDCモータ等から構成されるユニットである。
【0020】
鉛直方向駆動部13は、キャッチャ20を鉛直方向Zに昇降させる昇降機構である。鉛直方向駆動部13は、伸縮アーム14と、昇降モータ15(昇降駆動部)とを備えている。
伸縮アーム14は、その一端がキャッチャ20に接続されており、他の一端が移動レール11X,11Yに支持される。伸縮アーム14は、キャッチャ20を昇降して景品Gを拾い上げることができる構成であればよく、例えば、棒状の部材を伸縮可能にした構成、ワイヤを巻き上げる構成等を用いることができる。
【0021】
昇降モータ15は、伸縮アーム14を駆動して、キャッチャ20を上昇位置h1と降下位置h2との間で鉛直方向Zに昇降するDCモータ等である。
上昇位置h1は、キャッチャ20がYX平面移動時及び待機時に配置される高さの位置である。
降下位置h2は、鉛直方向Zよりも下側Z1の高さの位置である。降下位置h2は、テーブル2aに配置された景品Gを、キャッチャ20の左アーム21L及び右アーム21Rがちょうど把持できるような高さである。キャッチャ20は、景品Gを把持するときに降下位置h2に配置され、左アーム21L及び右アーム21Rの閉動作を行う。
【0022】
図3は、第1実施形態のキャッチャ20の内部構造を示す正面図(カバー20aを取り外した状態の図)、側面図(図3(a)のb−b部断面を示す)である。
図4は、第1実施形態の左クラッチ24Lの構造を説明する側面図である。
図5は、第1実施形態のキャッチャ20と、従来のキャッチャ120とを比較して示す正面図である。
キャッチャ20は、プレイフィールド2に置かれた景品Gを把持して搬送する装置である。プレイ中以外のときは、キャッチャ20は、プレイフィールド2内の景品獲得孔8の真上の待機位置P0(図1参照)に待機している。一方、プレイ時には、キャッチャ20は、操作部7の操作に応じてXY平面内の移動、昇降移動、景品把持動作等を行う。
【0023】
図3に示すように、キャッチャ20は、左アーム21L(アーム部材)と、右アーム21R(アーム部材)と、左アーム開閉モータ22L(単位駆動部)と、右アーム開閉モータ22R(単位駆動部)と、左クラッチ24L(駆動停止部)と、右クラッチ24R(駆動停止部)と、開閉検出部25L,25Rとを備えている。
左アーム21Lは、テーブル2aに載置された景品Gを把持する部材である。左アーム21Lは、先端に至る程厚みが薄くなる棒状の部材である。左アーム21Lは、回転軸23L回りに閉位置θL1及び開位置θL2の間で回転可能に設けられている。
右アーム21Rは、左アーム21Lと同様な部材であり、左アーム21Lとは左右対称に設けられている。
左アーム21L及び右アーム21Rは、回転軸23L,23R回りに回転駆動つまり開閉駆動されることによって、プレイフィールド2内に置かれた景品Gを把持できるようになっている。
【0024】
左アーム開閉モータ22Lは、左アーム21Lを開閉駆動するDCモータ等である。左アーム開閉モータ22Lの駆動力は、ケース22a(図4参照)に収容された歯車ユニット(図示せず)を介して、回転軸23Lに伝達される。この歯車ユニットは、例えばウォーム及びホイール等を備え、左アーム21Lに負荷が加わっても、回転軸23Lの原動軸24a(図4参照)が回転しないようになっている。
右アーム開閉モータ22Rは、右アーム21Rを開閉駆動するDCモータ等であり、左アーム開閉モータ22Lとである。右アーム開閉モータ22Rは、左アーム開閉モータ22Lとは左右対称に設けられている。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを独立して駆動して、左アーム21L、右アーム21Rを独立して開閉駆動できる。
【0025】
図4(a)に示すように、左クラッチ24Lは、左アーム21Lの回転軸23Lに設けられたクラッチ機構である。左クラッチ24Lは、爪部の形状が三角形の噛み合いクラッチであり、原動軸24aが奥側Y2に配置され、つまり左アーム開閉モータ22Lに接続され、一方、従動軸24bが手前側Y1に配置され、つまり左アーム21Lに接続されている。従動軸24bは、奥行方向Yに移動可能であり(矢印Y3方向)、バネ24cによって原動軸24a側に付勢され、従動軸24b側の爪部が原動軸24a側の爪部に押し当てられている。
図4(b)に示すように、左クラッチ24Lは、左アーム21Lに対して回転方向つまり開閉方向θL(図3参照)に負荷が加わると、従動軸24bが手前側Y1に移動して浮き上がる。これにより、左クラッチ24Lは、左アーム開閉モータ22Lから左アーム21Lへの駆動力の伝達を中断して、左アーム開閉モータ22Lによる左アーム21Lの駆動を停止させる。
図3に示すように、右クラッチ24Rは、右アーム21Rの回転軸23Rに設けられた、左クラッチ24Lと同様なクラッチ機構である。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム21L、右アーム21Rに負荷が加わったときに、左クラッチ24L、右クラッチ24Rが、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rによる左アーム21L、右アーム21Rの開閉駆動を独立して停止できる。
【0026】
開閉検出部25Lは、回転軸23Lの周囲のうち、左アーム21Lの駆動範囲(回転範囲)に配置された複数の光学センサである。開閉検出部25Lは、左アーム21Lの開閉位置を検出して、検出信号を制御部41(図6参照)に出力する。
開閉検出部25Rは、開閉検出部25Lと同様な複数の光学センサであり、右アーム21Rの開閉位置を検出して、検出信号を制御部41に出力する。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム21L、右アーム21Rの開閉位置を独立して検出できる。
【0027】
キャッチャ20は、上記構成により以下の効果を奏することができる。
(1)図5(a)に示すように、左アーム21L、右アーム21Rを左右異なる開閉位置で停止でき、従来とは異なる面白い景品把持態様にできる。
(2)左クラッチ24L、右クラッチ24Rを回転軸23L,23R内に配置すればいいので、各左アーム21L、右アーム21Rを停止するための構造を、小スペースで設置できる。
【0028】
(3)左クラッチ24L、右クラッチ24Rは、閉駆動している左アーム21L、右アーム21Rに対して、左クラッチ24L、右クラッチ24Rが作動する程度の負荷が加わったときに、左アーム21L、右アーム21Rの閉駆動を停止できる。
(4)左アーム21Lの回転軸23Lを回転駆動するので、左アーム21Lの閉位置θL1から開位置θL2までの開閉角度を大きな角度(例えば150°程度)に設定できる。右アーム21Rについても同様である。これにより、把持できる景品Gの大きさの幅を広くでき、様々な大きさの景品Gに対応できる。また、景品Gを抱え込むのではなく、左右方向Xから景品Gを締め付けるように挟み込んで把持できる。
【0029】
ここで、図5(b)に示すように、従来のキャッチャ120は、鉛直方向Zに往復移動するスライダ122のカム面122aと、アーム121L,121Rのカム面121aとを摺動させて、アーム121L,121Rを開閉駆動していた。そして、従来のキャッチャ120は、アーム121L,121Rをコイルバネ123によって付勢して把持力を発生さていたため、力のつり合いによって、景品を持ち上げたときに、左右のアーム121L,121Rが同じような開閉位置になってしまう。また、コイルバネ123の設置スペースが大きく、さらに、アーム121L,121Rの開閉位置に応じて、コイルバネ123の付勢力が変化するため把持力を均一にできず、閉位置に近い程把持力が小さくなってしまっていた。
【0030】
さらにまた、従来のキャッチャ120は、開閉角度を大きくしようとすると、スライダ122の移動ストロークが大きくなってしまうので、大きな設置スペースが必要になってしまう。このため、従来のキャッチャ120は、開閉角度を45°(角度θ100L,θ100R参照)程度までにしかできず、大きな景品を把持しようとすると、図5(b)に示すように、屈曲したアーム121L,121Rで下側Z1から抱え込むように把持するしかなかった。
なお、従来のキャッチャ120でも、回転軸124L,124Rからカム面121aまでの長さを短く設定すれば、スライダ122の移動ストロークを維持して、アーム121L,121Rの開閉角度を大きくできる。しかし、この場合には、カム面121aや回転軸124L,124R等に大きな負荷がかかるので、信頼性の面等から好ましくない。
本実施形態のキャッチャ20は、上記(1)〜(4)で説明したように、このような従来の問題点等を解決できる。
【0031】
図6は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、記憶部40と、制御部41等とを備えている。
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部40は、制御部41が処理する場合に、必要な情報を一時的に記憶する。
【0032】
制御部41は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部41は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部41は、操作部7の出力や開閉検出部25L,25Rの出力等に基づいて、キャッチャ20を制御する。制御部41の処理は、後述する。
【0033】
図7は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
最初に、ステップS(以下単に「S」という)1において、プレイヤがコイン投入口6aにコインを投入すると、コイン検出部(図示せず)の出力に応じて、制御部41が処理を開始する。
S2において、プレイヤがXY移動レバー7aを操作すると、制御部41は、XY移動レバー7aの出力に応じてXY移動モータ12を駆動して、待機位置P0で待機していたキャッチャ20を、上昇位置h1に配置した状態を維持してXY平面内で移動する。
S3において、プレイヤが降下ボタン7Dを操作すると、制御部41は、その操作に応じて左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを開駆動する。制御部41は、開閉検出部25L,25Rの出力に基づいて、左アーム21L、右アーム21Rをそれぞれ閉位置θL1,θR1から開位置θL2,θR2まで開駆動する。
そして、制御部41は、昇降モータ15を駆動して、キャッチャ20を上昇位置h1から下側Z1に向けて降下して、S4に進む。
【0034】
S4において、制御部41は、キャッチャ20が降下位置h2まで降下すると、昇降モータ15を停止してキャッチャ20の降下を停止する。なお、キャッチャ20を降下位置h2に停止する方法は、どのようなものを用いてもよい。例えば、キャッチャ20の鉛直方向Zの位置を検出する光学センサ等の検出部を設けておき、制御部がその検出部の出力に基づいて停止してもよい。又は、昇降モータ15の回転状態を検出するロータリエンコーダを設けておき、制御部がロータリエンコーダの出力に基づいて、降下量に応じた回転量だけ昇降モータ15を回転するようにしてもよい。
【0035】
S5において、制御部41は、左アーム閉ボタン7Lの出力に基づいて、プレイヤによって左アーム閉ボタン7Lが操作された否かを判定する。制御部41は、左アーム閉ボタン7Lが操作されたと判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、操作されていないと判定した場合には(S5:NO)、S9に進む。
S6において、制御部41は、左アーム開閉モータ22Lを駆動して、開位置θL2にある左アーム21Lを閉駆動する。
【0036】
S7において、閉駆動している左アーム21Lが景品Gに当接し、左アーム21Lに開閉方向θL(開位置θL2側)に負荷がかかると、左クラッチ24Lが動作して左アーム開閉モータ22Lからの駆動力の伝達が中断する。制御部41は、開閉検出部25Lの出力に基づいて、閉駆動している左アーム21Lが所定時間(例えば0.5秒間)停止しているか否かを判定する。制御部41は、左アーム21Lが停止したと判定した場合には(S7:YES)、S8に進み、一方、左アーム21Lが停止していないと判定した場合には(S7:NO)、S9に進む。
S8において、制御部41は、左アーム開閉モータ22Lを制御して駆動停止する。これによって、左クラッチ24Lの原動軸24aの回転が停止して、原動軸24a側の爪部と従動軸24b側の爪部が再び噛み合う。そして、左アーム21Lの先端は、左クラッチ24Lが動作しない程度の圧力で、景品Gに押し付けられる。
このように、左アーム開閉モータ22Lを駆動停止することによって、ゲーム機1は、左クラッチ24Lの空転を抑えて、左クラッチ24Lの破損を防止できる。
制御部41は、左アーム開閉モータ22Lの停止情報を記憶部40に書き込んで、S9に進む。
【0037】
S9〜S12において、S5〜S8と同様に、制御部41は、右アーム閉ボタン7R、開閉検出部25Rの出力に基づいて、右アーム開閉モータ22Rを制御して、右アーム21Rを開閉駆動する。右クラッチ24Rは、左クラッチ24Lと同様に動作する。
これによって、右アーム21Rは、右クラッチ24Rが動作しない程度の圧力で、景品Gに押し付けられる。
【0038】
S5〜S12の処理によって、制御部41は、左アーム閉ボタン7L、右アーム閉ボタン7Rの操作に基づいて左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを制御して、左アーム21L、右アーム21Rを独立して開閉駆動できる。
これにより、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rの駆動態様を従来にはないものにできる。また、ゲーム機1は、キャッチャ20の操作対象を細分化して、キャッチャ20及び景品Gの位置等に応じて左アーム21L、右アーム21Rを独立して操作できるので、プレイの面白さを向上できる。
制御部41は、右アーム開閉モータ22Rの停止情報を記憶部40に書き込んで(S12)、S13に進む。
【0039】
S13において、制御部41は、記憶部40の停止情報を参照して、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rが両方とも、閉駆動から駆動停止までの処理(S8,S12)が終了しているか否かを判定する。制御部41は、この両方の処理が終了していると判定した場合には(S13:YES)、S14に進み、一方、この両方の処理が終了していないと判定した場合には(S13:NO)、S5からの処理を繰り返す。
【0040】
S14において、制御部41は、昇降モータ15を制御して、降下位置h2に配置された状態のキャッチャ20を上側Z2に上昇させる。
これにより、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rの閉駆動を独立して停止する構成であっても、キャッチャ20の閉駆動と上昇駆動とを一連の自然な動作にできる。
S15において、制御部41は、キャッチャ20が上昇位置h1に到達すると、昇降モータ15を駆動停止する。この処理は、S4と同様に処理できる。
【0041】
S16において、制御部41は、XY移動モータ12を制御して、キャッチャ20を待機位置P0に移動する。
S17において、制御部41は、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを駆動して、左アーム21L、右アーム21Rを開閉駆動する。つまり、制御部41は、左アーム21L、右アーム21Rを開位置θL2,θR2まで開くことによって、キャッチャ20が景品Gを把持していた場合に、その景品Gを景品獲得孔8に落下する。落下した景品Gは、景品払い出し口9から外部に払い出され、プレイヤが獲得することができる。
そして、制御部41は、左アーム21L、右アーム21Rを閉位置θL1,θR1に戻した後、一連の処理を終了する(S18)。
【0042】
以上説明したように、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rを独立駆動することによって、従来とは異なった景品把持態様にでき、プレイの面白さを向上できる。また、ゲーム機1は、把持できる景品Gの大きさの幅を広くできるので、様々な大きさの景品Gに対応できる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分及び処理には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図8は、第2実施形態のゲーム機201のキャッチャ220の内部構造を示す正面図である。
図9は、第2実施形態のクラッチ部230Lの構造を説明する側面図である。
【0044】
図8、図9に示すように、キャッチャ220は、アーム開閉モータ222(駆動部)と、左歯車部226と、右歯車部227と、左アーム開閉検出部228Lと、右アーム開閉検出部228Rと、クラッチ部230L,230Rと、アーム保持部232L,232R(開閉保持部)とを備えている。
アーム開閉モータ222は、左アーム221L及び右アーム221Rを開閉駆動するDCモータ等である。アーム開閉モータ222は、回転軸に歯車222aを備えている。
【0045】
左歯車部226は、アーム開閉モータ222の駆動力を、左アーム221Lに伝達する歯車である。左歯車部226は、アーム開閉モータ222の歯車222a及び左アーム221Lの歯車221aに噛み合って駆動力を伝達する。
右歯車部227は、アーム開閉モータ222の駆動力を、右アーム221Rに伝達する歯車ユニットである。右歯車部227は、アーム開閉モータ222の歯車222aに噛み合う歯車227aと、この歯車227a及び右アーム221Rの歯車221bに噛み合う歯車227bを備えることによって駆動力を伝達する。歯車227aは、右アーム221Rの開閉方向を、左アーム221Lの開閉方向とは反対方向にするために設けられている。
【0046】
以上の構成により、キャッチャ20は、1つのアーム開閉モータ222で左アーム221L及び右アーム221Rを、閉位置θL1,θR1及び開位置θL2,θR2の間で開閉駆動することができる。
【0047】
左アーム開閉検出部228Lは、閉位置検出部228L−1と、開位置検出部228L−2とを備えている。
閉位置検出部228L−1は、左アーム221Lが閉位置θL1に位置することを検出するリミットスイッチ等であり、検出信号を制御部241に出力する。
開位置検出部228L−2は、左アーム221Lが開位置θL2に位置することを検出するリミットスイッチ等であり、検出信号を制御部241に出力する。
右アーム開閉検出部228Rは、左アーム開閉検出部228Lと同様な検出部であり、閉位置検出部228R−1と、開位置検出部228R−2とを備え、検出信号を制御部241に出力する。
【0048】
クラッチ部230Lは、左クラッチ24Lと、クラッチ検出部231L(負荷検出部)とを備えている。
クラッチ検出部231Lは、左クラッチ24Lが動作したことを検出するリミットスイッチ等の検出部である。クラッチ検出部231Lは、シャーシ20bに対して固定されている。
左アーム221Lが景品を把持するために景品に当接すると、第1実施形態と同様に、左アーム221Lに負荷がかかる。そうすると、左クラッチ24Lが動作し、従動部側である左アーム221Lが手前側Y1に浮き上がる。クラッチ検出部231Lは、この左アーム221Lの浮き上がりを検出することによって、左アーム221Lの負荷を検出し、検出信号を制御部241に出力する。
なお、クラッチ部230R(図8参照)は、クラッチ部230Lと同様な構成であり、右アーム221Rの負荷を検出し、検出信号を制御部241に出力する。
ゲーム機201は、クラッチ部230L,230Rを備えることによって、左アーム221L、右アーム221Rの負荷を独立して検出することができる。
【0049】
アーム保持部232Lは、アクチュエータ233Lと、アーム歯車部234Lと、ラック235Lを備えている。
アクチュエータ233Lは、左アーム221Lが浮き上がった状態を維持するための部材であり、例えばDCソレノイド等を備えている。アクチュエータ233Lは、回転軸23L内に配置されている。アクチュエータ233Lは、操作部(図2に示す操作部7参照)や各検出部等の出力に応じて、制御部241が制御するようになっている。アクチュエータ233Lは、OFFにされることにより、バネ24cの付勢力によって奥側Y2に配置されて左クラッチ24Lを噛み合わせ、一方、ONにされることにより、手前側Y1に移動して左クラッチ24Lの噛み合わせを解除する。
【0050】
アーム歯車部234Lは、左アーム221Lに設けられた歯車である。
ラック235Lは、左アーム221Lが浮き上がったときに、アーム歯車部234Lに噛み合う歯車である。ラック235Lは、シャーシ20bに対して固定されている。このため、ラック235Lにアーム歯車部234Lが噛み合うと、左アーム221Lがその開閉位置で保持される。
【0051】
アーム保持部232Rは、アーム保持部232Lと同様な構成である。
図8に示すように、アーム保持部232Rは、アーム歯車部234Rと、ラック235Rと、アクチュエータ(図示せず)とを備え、アーム歯車部234Rがラック235Rに噛み合うと、右アーム221Rは、その開閉位置に配置された状態で保持される。
【0052】
図10は、第2実施形態のゲーム機201の動作を示すフローチャートである。
S203において、降下ボタン(図2示す降下ボタン7D参照)が操作されると、制御部241は、アーム開閉モータ222を駆動する。そして、左アーム221Lが開位置θL2に配置されると、開位置検出部228L−2がONにされ検出信号を制御部241に出力する。制御部241は、開位置検出部228L−2の出力に基づいてアクチュエータ233LをONにして、ラック235Lとアーム歯車部234Lとを噛み合わせて、左アーム221Lを開位置θL2に配置した状態で保持する。
制御部241は、右アーム221Rを左アーム221Lと同様に駆動して、右アーム221Rを開位置θR2に配置した状態で保持する。
なお、制御部241は、S13に至るまで、アーム開閉モータ222が駆動している状態を継続する。
【0053】
左アーム閉ボタンが操作されると(S5:YES)、S206において、制御部241は、アクチュエータ233LをOFFにして、左アーム221Lを閉駆動する。
S207において、閉駆動している左アーム221Lが景品Gに当接すると、左アーム221Lが浮き上がり、クラッチ検出部231LがONになる。制御部241は、クラッチ検出部231Lの出力に基づいて、クラッチ検出部231LがONであると判定した場合には(S207:YES)、S208に進み、一方、ONではないと判定した場合には(S207:NO)、S9に進む。
【0054】
S208において、制御部241は、アクチュエータ233LをONにして、左アーム221Lが浮き上がった状態を維持する。これにより、左クラッチ24Lの噛み合いが解除され、アーム開閉モータ222からの駆動力の伝達が中断された状態が維持される。また、ラック235Lとアーム歯車部234Lとが噛み合った状態が維持され、左アーム221Lがその開閉位置に配置された状態で保持されて閉駆動が停止する。
制御部241は、左アーム221Lの停止情報を記憶部240に書き込んで、S9に進む。
【0055】
S9〜S212において、S5〜S208と同様に右アーム221Rを駆動する。
S213において、制御部241は、記憶部240の停止情報を参照して、左アーム221L、右アーム221Rが両方とも閉駆動停止しているか否かを判定する。制御部241は、左アーム221L、右アーム221Rが両方とも閉駆動停止していると判定した場合には(S213:YES)、S214に進み、一方、停止していないと判定した場合には(S213:NO)、S5からの処理を繰り返す。
【0056】
S214において、制御部241は、アーム開閉モータ222を駆動停止して、キャッチャ220を上昇する。
S15以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0057】
以上説明したように、ゲーム機201は、景品把持動作時(S5〜S212)にアーム開閉モータ222を駆動停止することなく2つの左アーム221L、右アーム221Rを独立して開閉駆動できる。これにより、ゲーム機201は、1つのアーム開閉モータ222で左アーム221L、右アーム221Rの独立し開閉駆動できるので、コストを抑えることができ、また、キャッチャ220を小型化及び軽量化できる。
【0058】
なお、ゲーム機201は、クラッチ検出部231L等の代わりに、第1実施形態の開閉検出部25L,25Rと同様な開閉検出部を設けてもよい。
この場合、制御部241は、この開閉検出部の出力に基づいて、左アーム221L、右アーム221Rが停止したときに、アーム保持部232L,232Rのアクチュエータ233L等を独立して制御して、停止したアームの開閉位置を保持すればよい。
【0059】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のゲーム機は、アームの形態を第1実施形態、第2実施形態から変更したものである。
図11は、第3実施形態のアーム321A〜321Cの斜視図、側面図である。
図11(a)は、先端にヘラ部321aが設けられたアーム321Aを示す図である。
アーム321Aは、先端にヘラ部321aを設けて景品Gを挟み込める領域を奥行方向Yに広くすることにより、広い範囲に配置された景品Gを把持できる。
【0060】
図11(b)は、先端に球体部321bが設けられたアーム321Bを示す図である。
アーム321Bも同様に、景品Gを左右方向Xから挟み込むようにして把持できる。また、アーム321Bは、球体部321bをスポンジのような弾性体により形成することにより、鋭部を有する景品Gを把持できる。
図11(c)は、全体がゴム等の弾性体により形成されたアーム321Cを示す図である。アーム321Cは、景品Gを把持した場合に景品Gの損傷の防止を抑制できるし、また、硬質の景品G(例えばカプセル等)を把持できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0062】
(変形形態)
(1)実施形態において、ゲーム機は、2つのアーム部材を備える例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、3つ以上のアーム部材と、アーム部材を独立して操作する操作部と、アーム部材をそれぞれ独立して駆動する駆動部等とを備え、プレイヤの操作に応じて制御部が駆動部を独立して制御するようにしてもよい。これにより、ゲーム機は、キャッチャの操作対象をより細分化できるし、景品把持態様をより面白い態様にできる。
【0063】
(2)実施形態において、アーム部材が景品に当接したときに制御部がアーム部材の開閉駆動を停止する例を示したが、これに限定されない。例えば、アーム部材の開閉駆動を停止する操作部を設けて、プレイヤが左右のアーム部材の開閉駆動を独立して停止できるようにしてもよい。この場合、制御部がこの操作部の出力に基づいて、アーム駆動モータやアクチュータを制御すればよい。これによって、キャッチャの操作をより細分化できるので、プレイの面白さをより向上できる。
【符号の説明】
【0064】
1,201…ゲーム機 2a…テーブル 7D…降下ボタン 7L…左アーム閉ボタン 7R…右アーム閉ボタン 15…昇降モータ 20,220…キャッチャ 21L,221L…左アーム 21R,221R…右アーム 22L…左アーム開閉モータ 22R…右アーム開閉モータ 24L…左クラッチ 24R…右クラッチ 25L,25R…開閉検出部 40,240…記憶部 41,241…制御部 222…アーム開閉モータ 231L…クラッチ検出部 232L,232R…アーム保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を把持して移動する景品把持装置及び景品払い出しゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤの操作に応じて景品把持爪装置を制御して、内部に配置された景品を外部に払い出すクレーン遊戯機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のクレーン遊戯機は、景品を把持する把持爪の動作が単純であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−157772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、アーム部材の動作が新しい態様の景品把持装置及び景品払い出しゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、景品載置部(2a)に載置された景品(G)を把持する複数のアーム部材(21L,21R,221L,221R)と、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部(22L,22R,220)と、前記駆動部が前記各アーム部材を閉駆動している状態で、前記各アーム部材に対して開閉方向(θL,θR)に負荷が加わると、前記駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させる駆動停止部(24L,24R,232L,232R)と、を備える景品把持装置である。
第2の発明は、請求項1に記載の景品把持装置において、前記駆動停止部は、前記各アーム部材(21L,21R)に対して前記負荷が加わると、前記駆動部(22L,22R)からそのアーム部材への駆動力の伝達を中断するクラッチ機構(24L,24R)を備えること、を特徴とする景品把持装置である。
第3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の景品把持装置において、前記駆動部は、前記各アーム部材(21L,21R)をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部(22L,22R)を備えること、を特徴とする景品把持装置である。
【0007】
第4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置(20)と、前記各アーム部材(21L,21R)の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R)と、前記開閉検出部の出力に基づいて、前記各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、前記駆動部(22L,22R)を制御して、そのアーム部材の開閉駆動を停止する制御部(41)と、を備える景品払い出しゲーム機である。
第5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置(220)を備え、前記駆動停止部は、前記各アーム部材(221L,221R)の開閉位置を保持して前記各アーム部材の駆動を停止させる開閉保持部(232L,232R)を備え、前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R,231L等)と、前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉保持部を制御して、そのアーム部材の開閉位置を保持する制御部(241)と、を備える景品払い出しゲーム機である。
第6の発明は、請求項5に記載の景品払い出しゲーム機において、前記開閉検出部は、前記各アーム部材(221L,221R)に対する前記負荷を検出する負荷検出部(231L等)であること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
第7の発明は、請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、前記各アーム部材(21L,21R)を独立して操作する操作部(7L,7R)を備え、前記制御部(41,241)は、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部(22L,22R)を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動すること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
第8の発明は、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、前記各アーム部材アーム部材(21L,21R,221L,221R)の開閉状態を検出する開閉検出部(25L,25R,231L等)と、前記景品把持装置(20,220)を降下位置(h2)と上昇位置(h1)との間で昇降する昇降駆動部(15)とを備え、前記制御部(41,241)は、前記景品把持装置が前記降下位置に配置された状態で、前記開閉検出部の出力に基づいて、全ての前記アーム部材の閉駆動が停止したと判断した場合に、前記昇降駆動部を制御して前記景品把持装置を前記上昇位置に向けて上昇すること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
【0008】
第9の発明は、景品載置部(2a)に載置された景品を把持する景品把持装置(20)を備える景品払い出しゲーム機において、前記景品把持装置に設けられ、前記景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材(21L,21R)と、前記景品把持装置に設けられ、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部(22L,22R)と、前記各アーム部材を独立して操作する操作部(7L,7R)と、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する制御部(41)とを備えること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、各アーム部材に負荷が加わると、駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させるので、アーム部材毎に閉駆動を停止できる。また、複数のアーム部材をそれぞれ異なった開閉角度に停止できるので、従来とは異なった景品把持態様にできる。さらに、把持できる景品の大きさの幅を広くできるので、様々な大きさの景品に対応できる。
(2)本発明は、クラッチ機構を備えるので、アームの開閉角度に関わらず特定の大きさの負荷が加わったときに、各アーム部材の駆動を停止できる。また、クラッチ機構を各アーム部材の回転軸に設けることによって、駆動停止部を小スペースで配置しながら、アーム部材の開閉角度を大きくできる。
【0010】
(3)本発明は、各アーム部材をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部を備えるので、各単位駆動部をそれぞれ制御してアーム部材毎に閉駆動を停止できる。
(4)本発明は、制御部が開閉位置検出部の出力に基づいて、各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、駆動部を制御してそのアーム部材の開閉駆動を停止するので、モータ等の駆動部を停止することにより、駆動部の故障を防止できる。
【0011】
(5)本発明は、開閉検出部の出力に基づいて、開閉保持部を制御して、アーム部材の開閉位置を保持するので、駆動部の駆動自体を停止することなくアーム部材の開閉駆動を停止できる。このため、複数のアーム部材の駆動部として、例えば1つのモータを備えればよく、コストを抑えることができ、また、小型化及び軽量化ができる。
(6)本発明は、負荷検出部の出力に基づいて、開閉保持部を制御して、アーム部材の開閉位置を保持することにより、上記(5)と同様な効果を奏することができる。
【0012】
(7)本発明は、操作部の操作に基づいて駆動部を制御して、各アーム部材を独立して開閉駆動するので、アーム部材の駆動態様を従来とは異なるものにできる。また、景品把持装置の操作対象を細分化することにより、景品把持装置及び景品の位置等に応じて各アーム部材を操作できるので、プレイの面白さを向上できる。
(8)本発明は、全てのアーム部材の閉駆動が停止したときに判断した場合に、景品把持装置を上昇するので、アーム部材の閉駆動と景品把持装置の上昇駆動とを一連の自然な動作にできる。
(9)本発明は、操作部の操作に基づいて駆動部を制御して、各アーム部材を独立して開閉駆動するので、上記(7)と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の正面図及び側面図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機1の操作部7を示す図である。
【図3】第1実施形態のキャッチャ20の内部構造を示す正面図、側面図である。
【図4】第1実施形態の左クラッチ24Lの構造を説明する側面図である。
【図5】第1実施形態のキャッチャ20と、従来のキャッチャ120とを比較して示す正面図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図7】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態のゲーム機201のキャッチャ220の内部構造を示す正面図である。
【図9】第2実施形態のクラッチ部230Lの構造を説明する側面図である。
【図10】第2実施形態のゲーム機201の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態のアーム321A〜321Cの斜視図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の正面図及び側面図である。
図2は、第1実施形態のゲーム機1の操作部7を示す図である。
図1に示すように、ゲーム機1(景品払い出しゲーム機)は、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ1.5m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の大型の装置であり、主にゲームセンタ等の店舗等に設置される。ゲーム機1は、内部にプレイフィールド2が設けられている。ゲーム機1は、プレイヤの操作に応じて、クレーンを模したキャッチャ20(景品把持装置)が動作され、プレイフィールド2内に載置された景品Gが、景品獲得孔8に搬送されたときに、その景品Gを、景品払い出し口9から払い出す、いわゆる、クレーンゲーム機である。
【0015】
図1に示すように、ゲーム機1は、プレイフィールド2と、ケース4と、ウィンド5と、コイン投入口6aと、操作部7と、景品獲得孔8と、景品払い出し口9と、水平面内駆動部10と、鉛直方向駆動部13と、キャッチャ20とを備えている。
プレイフィールド2は、景品Gを搬送するためにキャッチャ20が、実際に動作される空間であり、景品Gを載置するテーブル2a(景品載置部)が設けられている。
ケース4は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンド5は、ゲーム機1外部とゲーム機1内部のプレイフィールド2とを仕切るための部材であり、外部からプレイフィールド2が視認できるように、例えば、透明なアクリル、ガラス等により形成される。
【0016】
コイン投入口6aは、プレイヤがプレイをするためにコインを投入するための投入口である。コイン投入口6aは、操作パネル6に設けられている。コイン投入口6aは、その内部に投入されたコインを検出する光学センサ等のコイン検出部(図示せず)が設けられている。このコイン検出部は、コインを検出するとコイン検出信号を制御部41(図6参照)に出力する。
【0017】
図2に示すように、操作部7は、プレイヤがキャッチャ20を操作するための入力装置であり、その入力情報を制御部41(図6参照)に出力する。操作部7は、プレイヤが操作しやすいように、ケース4の手前側Y1の操作パネル6に設けられている。操作部7は、XY移動レバー7aと、降下ボタン7Dと、左アーム閉ボタン7Lと、右アーム閉ボタン7Rとを備えている。
XY移動レバー7aは、キャッチャ20をXY平面(水平面)内で移動するレバーである。XY移動レバー7aは、左側X1、右側X2に傾けられるとキャッチャ20をそれぞれ左側X1、右側X2に移動し、一方、手前側Y1、奥側Y2に傾けられるとキャッチャ20をそれぞれ手前側Y1、奥側Y2に移動するようになっている。
降下ボタン7Dは、キャッチャ20を上昇位置h1から下側Z1に降下して、降下位置h2に配置する操作ボタンである。
左アーム閉ボタン7Lは、左アーム21Lを閉駆動する操作ボタンである。
右アーム閉ボタン7Rは、右アーム21Rを閉駆動する操作ボタンである。
【0018】
図1に示すように、景品獲得孔8は、キャッチャ20が落下させた景品Gを、景品払い出し口9へと払い出すために、プレイフィールド2のテーブル2aに設けられた開口孔である。
景品払い出し口9は、景品獲得孔8に落下した景品Gを払い出すための景品獲得孔8に連通した開口孔である。景品払い出し口9は、プレイヤが景品Gを取り出しやすいように、ケース4の正面に設けられている。
【0019】
水平面内駆動部10は、キャッチャ20を水平面内で移動させる移動機構である。水平面内駆動部10は、移動レール11X,11Yと、XY移動モータ12(図6参照)とを備えている。
移動レール11X,11Yは、左右方向X及び奥行方向Yに平行に配設されている。移動レール11X,11Yは、キャッチャ20がXY平面(水平面)内を移動可能に吊り下げるように設けられている。
XY移動モータ12は、キャッチャ20を移動レール11X,11Yに沿って移動するDCモータ等である。XY移動モータ12は、奥行方向Y及び左右方向Xに駆動する2つのDCモータ等から構成されるユニットである。
【0020】
鉛直方向駆動部13は、キャッチャ20を鉛直方向Zに昇降させる昇降機構である。鉛直方向駆動部13は、伸縮アーム14と、昇降モータ15(昇降駆動部)とを備えている。
伸縮アーム14は、その一端がキャッチャ20に接続されており、他の一端が移動レール11X,11Yに支持される。伸縮アーム14は、キャッチャ20を昇降して景品Gを拾い上げることができる構成であればよく、例えば、棒状の部材を伸縮可能にした構成、ワイヤを巻き上げる構成等を用いることができる。
【0021】
昇降モータ15は、伸縮アーム14を駆動して、キャッチャ20を上昇位置h1と降下位置h2との間で鉛直方向Zに昇降するDCモータ等である。
上昇位置h1は、キャッチャ20がYX平面移動時及び待機時に配置される高さの位置である。
降下位置h2は、鉛直方向Zよりも下側Z1の高さの位置である。降下位置h2は、テーブル2aに配置された景品Gを、キャッチャ20の左アーム21L及び右アーム21Rがちょうど把持できるような高さである。キャッチャ20は、景品Gを把持するときに降下位置h2に配置され、左アーム21L及び右アーム21Rの閉動作を行う。
【0022】
図3は、第1実施形態のキャッチャ20の内部構造を示す正面図(カバー20aを取り外した状態の図)、側面図(図3(a)のb−b部断面を示す)である。
図4は、第1実施形態の左クラッチ24Lの構造を説明する側面図である。
図5は、第1実施形態のキャッチャ20と、従来のキャッチャ120とを比較して示す正面図である。
キャッチャ20は、プレイフィールド2に置かれた景品Gを把持して搬送する装置である。プレイ中以外のときは、キャッチャ20は、プレイフィールド2内の景品獲得孔8の真上の待機位置P0(図1参照)に待機している。一方、プレイ時には、キャッチャ20は、操作部7の操作に応じてXY平面内の移動、昇降移動、景品把持動作等を行う。
【0023】
図3に示すように、キャッチャ20は、左アーム21L(アーム部材)と、右アーム21R(アーム部材)と、左アーム開閉モータ22L(単位駆動部)と、右アーム開閉モータ22R(単位駆動部)と、左クラッチ24L(駆動停止部)と、右クラッチ24R(駆動停止部)と、開閉検出部25L,25Rとを備えている。
左アーム21Lは、テーブル2aに載置された景品Gを把持する部材である。左アーム21Lは、先端に至る程厚みが薄くなる棒状の部材である。左アーム21Lは、回転軸23L回りに閉位置θL1及び開位置θL2の間で回転可能に設けられている。
右アーム21Rは、左アーム21Lと同様な部材であり、左アーム21Lとは左右対称に設けられている。
左アーム21L及び右アーム21Rは、回転軸23L,23R回りに回転駆動つまり開閉駆動されることによって、プレイフィールド2内に置かれた景品Gを把持できるようになっている。
【0024】
左アーム開閉モータ22Lは、左アーム21Lを開閉駆動するDCモータ等である。左アーム開閉モータ22Lの駆動力は、ケース22a(図4参照)に収容された歯車ユニット(図示せず)を介して、回転軸23Lに伝達される。この歯車ユニットは、例えばウォーム及びホイール等を備え、左アーム21Lに負荷が加わっても、回転軸23Lの原動軸24a(図4参照)が回転しないようになっている。
右アーム開閉モータ22Rは、右アーム21Rを開閉駆動するDCモータ等であり、左アーム開閉モータ22Lとである。右アーム開閉モータ22Rは、左アーム開閉モータ22Lとは左右対称に設けられている。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを独立して駆動して、左アーム21L、右アーム21Rを独立して開閉駆動できる。
【0025】
図4(a)に示すように、左クラッチ24Lは、左アーム21Lの回転軸23Lに設けられたクラッチ機構である。左クラッチ24Lは、爪部の形状が三角形の噛み合いクラッチであり、原動軸24aが奥側Y2に配置され、つまり左アーム開閉モータ22Lに接続され、一方、従動軸24bが手前側Y1に配置され、つまり左アーム21Lに接続されている。従動軸24bは、奥行方向Yに移動可能であり(矢印Y3方向)、バネ24cによって原動軸24a側に付勢され、従動軸24b側の爪部が原動軸24a側の爪部に押し当てられている。
図4(b)に示すように、左クラッチ24Lは、左アーム21Lに対して回転方向つまり開閉方向θL(図3参照)に負荷が加わると、従動軸24bが手前側Y1に移動して浮き上がる。これにより、左クラッチ24Lは、左アーム開閉モータ22Lから左アーム21Lへの駆動力の伝達を中断して、左アーム開閉モータ22Lによる左アーム21Lの駆動を停止させる。
図3に示すように、右クラッチ24Rは、右アーム21Rの回転軸23Rに設けられた、左クラッチ24Lと同様なクラッチ機構である。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム21L、右アーム21Rに負荷が加わったときに、左クラッチ24L、右クラッチ24Rが、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rによる左アーム21L、右アーム21Rの開閉駆動を独立して停止できる。
【0026】
開閉検出部25Lは、回転軸23Lの周囲のうち、左アーム21Lの駆動範囲(回転範囲)に配置された複数の光学センサである。開閉検出部25Lは、左アーム21Lの開閉位置を検出して、検出信号を制御部41(図6参照)に出力する。
開閉検出部25Rは、開閉検出部25Lと同様な複数の光学センサであり、右アーム21Rの開閉位置を検出して、検出信号を制御部41に出力する。
以上の構成により、キャッチャ20は、左アーム21L、右アーム21Rの開閉位置を独立して検出できる。
【0027】
キャッチャ20は、上記構成により以下の効果を奏することができる。
(1)図5(a)に示すように、左アーム21L、右アーム21Rを左右異なる開閉位置で停止でき、従来とは異なる面白い景品把持態様にできる。
(2)左クラッチ24L、右クラッチ24Rを回転軸23L,23R内に配置すればいいので、各左アーム21L、右アーム21Rを停止するための構造を、小スペースで設置できる。
【0028】
(3)左クラッチ24L、右クラッチ24Rは、閉駆動している左アーム21L、右アーム21Rに対して、左クラッチ24L、右クラッチ24Rが作動する程度の負荷が加わったときに、左アーム21L、右アーム21Rの閉駆動を停止できる。
(4)左アーム21Lの回転軸23Lを回転駆動するので、左アーム21Lの閉位置θL1から開位置θL2までの開閉角度を大きな角度(例えば150°程度)に設定できる。右アーム21Rについても同様である。これにより、把持できる景品Gの大きさの幅を広くでき、様々な大きさの景品Gに対応できる。また、景品Gを抱え込むのではなく、左右方向Xから景品Gを締め付けるように挟み込んで把持できる。
【0029】
ここで、図5(b)に示すように、従来のキャッチャ120は、鉛直方向Zに往復移動するスライダ122のカム面122aと、アーム121L,121Rのカム面121aとを摺動させて、アーム121L,121Rを開閉駆動していた。そして、従来のキャッチャ120は、アーム121L,121Rをコイルバネ123によって付勢して把持力を発生さていたため、力のつり合いによって、景品を持ち上げたときに、左右のアーム121L,121Rが同じような開閉位置になってしまう。また、コイルバネ123の設置スペースが大きく、さらに、アーム121L,121Rの開閉位置に応じて、コイルバネ123の付勢力が変化するため把持力を均一にできず、閉位置に近い程把持力が小さくなってしまっていた。
【0030】
さらにまた、従来のキャッチャ120は、開閉角度を大きくしようとすると、スライダ122の移動ストロークが大きくなってしまうので、大きな設置スペースが必要になってしまう。このため、従来のキャッチャ120は、開閉角度を45°(角度θ100L,θ100R参照)程度までにしかできず、大きな景品を把持しようとすると、図5(b)に示すように、屈曲したアーム121L,121Rで下側Z1から抱え込むように把持するしかなかった。
なお、従来のキャッチャ120でも、回転軸124L,124Rからカム面121aまでの長さを短く設定すれば、スライダ122の移動ストロークを維持して、アーム121L,121Rの開閉角度を大きくできる。しかし、この場合には、カム面121aや回転軸124L,124R等に大きな負荷がかかるので、信頼性の面等から好ましくない。
本実施形態のキャッチャ20は、上記(1)〜(4)で説明したように、このような従来の問題点等を解決できる。
【0031】
図6は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、記憶部40と、制御部41等とを備えている。
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部40は、制御部41が処理する場合に、必要な情報を一時的に記憶する。
【0032】
制御部41は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部41は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部41は、操作部7の出力や開閉検出部25L,25Rの出力等に基づいて、キャッチャ20を制御する。制御部41の処理は、後述する。
【0033】
図7は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
最初に、ステップS(以下単に「S」という)1において、プレイヤがコイン投入口6aにコインを投入すると、コイン検出部(図示せず)の出力に応じて、制御部41が処理を開始する。
S2において、プレイヤがXY移動レバー7aを操作すると、制御部41は、XY移動レバー7aの出力に応じてXY移動モータ12を駆動して、待機位置P0で待機していたキャッチャ20を、上昇位置h1に配置した状態を維持してXY平面内で移動する。
S3において、プレイヤが降下ボタン7Dを操作すると、制御部41は、その操作に応じて左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを開駆動する。制御部41は、開閉検出部25L,25Rの出力に基づいて、左アーム21L、右アーム21Rをそれぞれ閉位置θL1,θR1から開位置θL2,θR2まで開駆動する。
そして、制御部41は、昇降モータ15を駆動して、キャッチャ20を上昇位置h1から下側Z1に向けて降下して、S4に進む。
【0034】
S4において、制御部41は、キャッチャ20が降下位置h2まで降下すると、昇降モータ15を停止してキャッチャ20の降下を停止する。なお、キャッチャ20を降下位置h2に停止する方法は、どのようなものを用いてもよい。例えば、キャッチャ20の鉛直方向Zの位置を検出する光学センサ等の検出部を設けておき、制御部がその検出部の出力に基づいて停止してもよい。又は、昇降モータ15の回転状態を検出するロータリエンコーダを設けておき、制御部がロータリエンコーダの出力に基づいて、降下量に応じた回転量だけ昇降モータ15を回転するようにしてもよい。
【0035】
S5において、制御部41は、左アーム閉ボタン7Lの出力に基づいて、プレイヤによって左アーム閉ボタン7Lが操作された否かを判定する。制御部41は、左アーム閉ボタン7Lが操作されたと判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、操作されていないと判定した場合には(S5:NO)、S9に進む。
S6において、制御部41は、左アーム開閉モータ22Lを駆動して、開位置θL2にある左アーム21Lを閉駆動する。
【0036】
S7において、閉駆動している左アーム21Lが景品Gに当接し、左アーム21Lに開閉方向θL(開位置θL2側)に負荷がかかると、左クラッチ24Lが動作して左アーム開閉モータ22Lからの駆動力の伝達が中断する。制御部41は、開閉検出部25Lの出力に基づいて、閉駆動している左アーム21Lが所定時間(例えば0.5秒間)停止しているか否かを判定する。制御部41は、左アーム21Lが停止したと判定した場合には(S7:YES)、S8に進み、一方、左アーム21Lが停止していないと判定した場合には(S7:NO)、S9に進む。
S8において、制御部41は、左アーム開閉モータ22Lを制御して駆動停止する。これによって、左クラッチ24Lの原動軸24aの回転が停止して、原動軸24a側の爪部と従動軸24b側の爪部が再び噛み合う。そして、左アーム21Lの先端は、左クラッチ24Lが動作しない程度の圧力で、景品Gに押し付けられる。
このように、左アーム開閉モータ22Lを駆動停止することによって、ゲーム機1は、左クラッチ24Lの空転を抑えて、左クラッチ24Lの破損を防止できる。
制御部41は、左アーム開閉モータ22Lの停止情報を記憶部40に書き込んで、S9に進む。
【0037】
S9〜S12において、S5〜S8と同様に、制御部41は、右アーム閉ボタン7R、開閉検出部25Rの出力に基づいて、右アーム開閉モータ22Rを制御して、右アーム21Rを開閉駆動する。右クラッチ24Rは、左クラッチ24Lと同様に動作する。
これによって、右アーム21Rは、右クラッチ24Rが動作しない程度の圧力で、景品Gに押し付けられる。
【0038】
S5〜S12の処理によって、制御部41は、左アーム閉ボタン7L、右アーム閉ボタン7Rの操作に基づいて左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを制御して、左アーム21L、右アーム21Rを独立して開閉駆動できる。
これにより、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rの駆動態様を従来にはないものにできる。また、ゲーム機1は、キャッチャ20の操作対象を細分化して、キャッチャ20及び景品Gの位置等に応じて左アーム21L、右アーム21Rを独立して操作できるので、プレイの面白さを向上できる。
制御部41は、右アーム開閉モータ22Rの停止情報を記憶部40に書き込んで(S12)、S13に進む。
【0039】
S13において、制御部41は、記憶部40の停止情報を参照して、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rが両方とも、閉駆動から駆動停止までの処理(S8,S12)が終了しているか否かを判定する。制御部41は、この両方の処理が終了していると判定した場合には(S13:YES)、S14に進み、一方、この両方の処理が終了していないと判定した場合には(S13:NO)、S5からの処理を繰り返す。
【0040】
S14において、制御部41は、昇降モータ15を制御して、降下位置h2に配置された状態のキャッチャ20を上側Z2に上昇させる。
これにより、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rの閉駆動を独立して停止する構成であっても、キャッチャ20の閉駆動と上昇駆動とを一連の自然な動作にできる。
S15において、制御部41は、キャッチャ20が上昇位置h1に到達すると、昇降モータ15を駆動停止する。この処理は、S4と同様に処理できる。
【0041】
S16において、制御部41は、XY移動モータ12を制御して、キャッチャ20を待機位置P0に移動する。
S17において、制御部41は、左アーム開閉モータ22L、右アーム開閉モータ22Rを駆動して、左アーム21L、右アーム21Rを開閉駆動する。つまり、制御部41は、左アーム21L、右アーム21Rを開位置θL2,θR2まで開くことによって、キャッチャ20が景品Gを把持していた場合に、その景品Gを景品獲得孔8に落下する。落下した景品Gは、景品払い出し口9から外部に払い出され、プレイヤが獲得することができる。
そして、制御部41は、左アーム21L、右アーム21Rを閉位置θL1,θR1に戻した後、一連の処理を終了する(S18)。
【0042】
以上説明したように、ゲーム機1は、左アーム21L、右アーム21Rを独立駆動することによって、従来とは異なった景品把持態様にでき、プレイの面白さを向上できる。また、ゲーム機1は、把持できる景品Gの大きさの幅を広くできるので、様々な大きさの景品Gに対応できる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分及び処理には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図8は、第2実施形態のゲーム機201のキャッチャ220の内部構造を示す正面図である。
図9は、第2実施形態のクラッチ部230Lの構造を説明する側面図である。
【0044】
図8、図9に示すように、キャッチャ220は、アーム開閉モータ222(駆動部)と、左歯車部226と、右歯車部227と、左アーム開閉検出部228Lと、右アーム開閉検出部228Rと、クラッチ部230L,230Rと、アーム保持部232L,232R(開閉保持部)とを備えている。
アーム開閉モータ222は、左アーム221L及び右アーム221Rを開閉駆動するDCモータ等である。アーム開閉モータ222は、回転軸に歯車222aを備えている。
【0045】
左歯車部226は、アーム開閉モータ222の駆動力を、左アーム221Lに伝達する歯車である。左歯車部226は、アーム開閉モータ222の歯車222a及び左アーム221Lの歯車221aに噛み合って駆動力を伝達する。
右歯車部227は、アーム開閉モータ222の駆動力を、右アーム221Rに伝達する歯車ユニットである。右歯車部227は、アーム開閉モータ222の歯車222aに噛み合う歯車227aと、この歯車227a及び右アーム221Rの歯車221bに噛み合う歯車227bを備えることによって駆動力を伝達する。歯車227aは、右アーム221Rの開閉方向を、左アーム221Lの開閉方向とは反対方向にするために設けられている。
【0046】
以上の構成により、キャッチャ20は、1つのアーム開閉モータ222で左アーム221L及び右アーム221Rを、閉位置θL1,θR1及び開位置θL2,θR2の間で開閉駆動することができる。
【0047】
左アーム開閉検出部228Lは、閉位置検出部228L−1と、開位置検出部228L−2とを備えている。
閉位置検出部228L−1は、左アーム221Lが閉位置θL1に位置することを検出するリミットスイッチ等であり、検出信号を制御部241に出力する。
開位置検出部228L−2は、左アーム221Lが開位置θL2に位置することを検出するリミットスイッチ等であり、検出信号を制御部241に出力する。
右アーム開閉検出部228Rは、左アーム開閉検出部228Lと同様な検出部であり、閉位置検出部228R−1と、開位置検出部228R−2とを備え、検出信号を制御部241に出力する。
【0048】
クラッチ部230Lは、左クラッチ24Lと、クラッチ検出部231L(負荷検出部)とを備えている。
クラッチ検出部231Lは、左クラッチ24Lが動作したことを検出するリミットスイッチ等の検出部である。クラッチ検出部231Lは、シャーシ20bに対して固定されている。
左アーム221Lが景品を把持するために景品に当接すると、第1実施形態と同様に、左アーム221Lに負荷がかかる。そうすると、左クラッチ24Lが動作し、従動部側である左アーム221Lが手前側Y1に浮き上がる。クラッチ検出部231Lは、この左アーム221Lの浮き上がりを検出することによって、左アーム221Lの負荷を検出し、検出信号を制御部241に出力する。
なお、クラッチ部230R(図8参照)は、クラッチ部230Lと同様な構成であり、右アーム221Rの負荷を検出し、検出信号を制御部241に出力する。
ゲーム機201は、クラッチ部230L,230Rを備えることによって、左アーム221L、右アーム221Rの負荷を独立して検出することができる。
【0049】
アーム保持部232Lは、アクチュエータ233Lと、アーム歯車部234Lと、ラック235Lを備えている。
アクチュエータ233Lは、左アーム221Lが浮き上がった状態を維持するための部材であり、例えばDCソレノイド等を備えている。アクチュエータ233Lは、回転軸23L内に配置されている。アクチュエータ233Lは、操作部(図2に示す操作部7参照)や各検出部等の出力に応じて、制御部241が制御するようになっている。アクチュエータ233Lは、OFFにされることにより、バネ24cの付勢力によって奥側Y2に配置されて左クラッチ24Lを噛み合わせ、一方、ONにされることにより、手前側Y1に移動して左クラッチ24Lの噛み合わせを解除する。
【0050】
アーム歯車部234Lは、左アーム221Lに設けられた歯車である。
ラック235Lは、左アーム221Lが浮き上がったときに、アーム歯車部234Lに噛み合う歯車である。ラック235Lは、シャーシ20bに対して固定されている。このため、ラック235Lにアーム歯車部234Lが噛み合うと、左アーム221Lがその開閉位置で保持される。
【0051】
アーム保持部232Rは、アーム保持部232Lと同様な構成である。
図8に示すように、アーム保持部232Rは、アーム歯車部234Rと、ラック235Rと、アクチュエータ(図示せず)とを備え、アーム歯車部234Rがラック235Rに噛み合うと、右アーム221Rは、その開閉位置に配置された状態で保持される。
【0052】
図10は、第2実施形態のゲーム機201の動作を示すフローチャートである。
S203において、降下ボタン(図2示す降下ボタン7D参照)が操作されると、制御部241は、アーム開閉モータ222を駆動する。そして、左アーム221Lが開位置θL2に配置されると、開位置検出部228L−2がONにされ検出信号を制御部241に出力する。制御部241は、開位置検出部228L−2の出力に基づいてアクチュエータ233LをONにして、ラック235Lとアーム歯車部234Lとを噛み合わせて、左アーム221Lを開位置θL2に配置した状態で保持する。
制御部241は、右アーム221Rを左アーム221Lと同様に駆動して、右アーム221Rを開位置θR2に配置した状態で保持する。
なお、制御部241は、S13に至るまで、アーム開閉モータ222が駆動している状態を継続する。
【0053】
左アーム閉ボタンが操作されると(S5:YES)、S206において、制御部241は、アクチュエータ233LをOFFにして、左アーム221Lを閉駆動する。
S207において、閉駆動している左アーム221Lが景品Gに当接すると、左アーム221Lが浮き上がり、クラッチ検出部231LがONになる。制御部241は、クラッチ検出部231Lの出力に基づいて、クラッチ検出部231LがONであると判定した場合には(S207:YES)、S208に進み、一方、ONではないと判定した場合には(S207:NO)、S9に進む。
【0054】
S208において、制御部241は、アクチュエータ233LをONにして、左アーム221Lが浮き上がった状態を維持する。これにより、左クラッチ24Lの噛み合いが解除され、アーム開閉モータ222からの駆動力の伝達が中断された状態が維持される。また、ラック235Lとアーム歯車部234Lとが噛み合った状態が維持され、左アーム221Lがその開閉位置に配置された状態で保持されて閉駆動が停止する。
制御部241は、左アーム221Lの停止情報を記憶部240に書き込んで、S9に進む。
【0055】
S9〜S212において、S5〜S208と同様に右アーム221Rを駆動する。
S213において、制御部241は、記憶部240の停止情報を参照して、左アーム221L、右アーム221Rが両方とも閉駆動停止しているか否かを判定する。制御部241は、左アーム221L、右アーム221Rが両方とも閉駆動停止していると判定した場合には(S213:YES)、S214に進み、一方、停止していないと判定した場合には(S213:NO)、S5からの処理を繰り返す。
【0056】
S214において、制御部241は、アーム開閉モータ222を駆動停止して、キャッチャ220を上昇する。
S15以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0057】
以上説明したように、ゲーム機201は、景品把持動作時(S5〜S212)にアーム開閉モータ222を駆動停止することなく2つの左アーム221L、右アーム221Rを独立して開閉駆動できる。これにより、ゲーム機201は、1つのアーム開閉モータ222で左アーム221L、右アーム221Rの独立し開閉駆動できるので、コストを抑えることができ、また、キャッチャ220を小型化及び軽量化できる。
【0058】
なお、ゲーム機201は、クラッチ検出部231L等の代わりに、第1実施形態の開閉検出部25L,25Rと同様な開閉検出部を設けてもよい。
この場合、制御部241は、この開閉検出部の出力に基づいて、左アーム221L、右アーム221Rが停止したときに、アーム保持部232L,232Rのアクチュエータ233L等を独立して制御して、停止したアームの開閉位置を保持すればよい。
【0059】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のゲーム機は、アームの形態を第1実施形態、第2実施形態から変更したものである。
図11は、第3実施形態のアーム321A〜321Cの斜視図、側面図である。
図11(a)は、先端にヘラ部321aが設けられたアーム321Aを示す図である。
アーム321Aは、先端にヘラ部321aを設けて景品Gを挟み込める領域を奥行方向Yに広くすることにより、広い範囲に配置された景品Gを把持できる。
【0060】
図11(b)は、先端に球体部321bが設けられたアーム321Bを示す図である。
アーム321Bも同様に、景品Gを左右方向Xから挟み込むようにして把持できる。また、アーム321Bは、球体部321bをスポンジのような弾性体により形成することにより、鋭部を有する景品Gを把持できる。
図11(c)は、全体がゴム等の弾性体により形成されたアーム321Cを示す図である。アーム321Cは、景品Gを把持した場合に景品Gの損傷の防止を抑制できるし、また、硬質の景品G(例えばカプセル等)を把持できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0062】
(変形形態)
(1)実施形態において、ゲーム機は、2つのアーム部材を備える例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、3つ以上のアーム部材と、アーム部材を独立して操作する操作部と、アーム部材をそれぞれ独立して駆動する駆動部等とを備え、プレイヤの操作に応じて制御部が駆動部を独立して制御するようにしてもよい。これにより、ゲーム機は、キャッチャの操作対象をより細分化できるし、景品把持態様をより面白い態様にできる。
【0063】
(2)実施形態において、アーム部材が景品に当接したときに制御部がアーム部材の開閉駆動を停止する例を示したが、これに限定されない。例えば、アーム部材の開閉駆動を停止する操作部を設けて、プレイヤが左右のアーム部材の開閉駆動を独立して停止できるようにしてもよい。この場合、制御部がこの操作部の出力に基づいて、アーム駆動モータやアクチュータを制御すればよい。これによって、キャッチャの操作をより細分化できるので、プレイの面白さをより向上できる。
【符号の説明】
【0064】
1,201…ゲーム機 2a…テーブル 7D…降下ボタン 7L…左アーム閉ボタン 7R…右アーム閉ボタン 15…昇降モータ 20,220…キャッチャ 21L,221L…左アーム 21R,221R…右アーム 22L…左アーム開閉モータ 22R…右アーム開閉モータ 24L…左クラッチ 24R…右クラッチ 25L,25R…開閉検出部 40,240…記憶部 41,241…制御部 222…アーム開閉モータ 231L…クラッチ検出部 232L,232R…アーム保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材と、
前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部と、
前記駆動部が前記各アーム部材を閉駆動している状態で、前記各アーム部材に対して開閉方向に負荷が加わると、前記駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させる駆動停止部と、
を備える景品把持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の景品把持装置において、
前記駆動停止部は、前記各アーム部材に対して前記負荷が加わると、前記駆動部からそのアーム部材への駆動力の伝達を中断するクラッチ機構を備えること、
を特徴とする景品把持装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の景品把持装置において、
前記駆動部は、前記各アーム部材をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部を備えること、
を特徴とする景品把持装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置と、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、前記駆動部を制御して、そのアーム部材の開閉駆動を停止する制御部と、
を備える景品払い出しゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置を備え、
前記駆動停止部は、前記各アーム部材の開閉位置を保持して前記各アーム部材の駆動を停止させる開閉保持部を備え、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉保持部を制御して、そのアーム部材の開閉位置を保持する制御部と、
を備える景品払い出しゲーム機。
【請求項6】
請求項5に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記開閉検出部は、前記各アーム部材に対する前記負荷を検出する負荷検出部であること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記各アーム部材を独立して操作する操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動すること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項8】
請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記景品把持装置を降下位置と上昇位置との間で昇降する昇降駆動部とを備え、
前記制御部は、前記景品把持装置が降下位置に配置された状態で、前記開閉検出部の出力に基づいて、全ての前記アーム部材の閉駆動が停止したと判断した場合に、前記昇降駆動部を制御して前記景品把持装置を前記上昇位置に向けて上昇すること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項9】
景品載置部に載置された景品を把持する景品把持装置を備える景品払い出しゲーム機において、
前記景品把持装置に設けられ、前記景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材と、
前記景品把持装置に設けられ、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部と、
前記各アーム部材を独立して操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する制御部とを備えること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項1】
景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材と、
前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部と、
前記駆動部が前記各アーム部材を閉駆動している状態で、前記各アーム部材に対して開閉方向に負荷が加わると、前記駆動部によるそのアーム部材の駆動を停止させる駆動停止部と、
を備える景品把持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の景品把持装置において、
前記駆動停止部は、前記各アーム部材に対して前記負荷が加わると、前記駆動部からそのアーム部材への駆動力の伝達を中断するクラッチ機構を備えること、
を特徴とする景品把持装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の景品把持装置において、
前記駆動部は、前記各アーム部材をそれぞれ駆動する複数の単位駆動部を備えること、
を特徴とする景品把持装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置と、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記各アーム部材の開閉動作が停止したと判断した場合に、前記駆動部を制御して、そのアーム部材の開閉駆動を停止する制御部と、
を備える景品払い出しゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品把持装置を備え、
前記駆動停止部は、前記各アーム部材の開閉位置を保持して前記各アーム部材の駆動を停止させる開閉保持部を備え、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉保持部を制御して、そのアーム部材の開閉位置を保持する制御部と、
を備える景品払い出しゲーム機。
【請求項6】
請求項5に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記開閉検出部は、前記各アーム部材に対する前記負荷を検出する負荷検出部であること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記各アーム部材を独立して操作する操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動すること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項8】
請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の景品払い出しゲーム機において、
前記各アーム部材の開閉状態を検出する開閉検出部と、
前記景品把持装置を降下位置と上昇位置との間で昇降する昇降駆動部とを備え、
前記制御部は、前記景品把持装置が降下位置に配置された状態で、前記開閉検出部の出力に基づいて、全ての前記アーム部材の閉駆動が停止したと判断した場合に、前記昇降駆動部を制御して前記景品把持装置を前記上昇位置に向けて上昇すること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【請求項9】
景品載置部に載置された景品を把持する景品把持装置を備える景品払い出しゲーム機において、
前記景品把持装置に設けられ、前記景品載置部に載置された景品を把持する複数のアーム部材と、
前記景品把持装置に設けられ、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する駆動部と、
前記各アーム部材を独立して操作する操作部と、
前記操作部の操作に基づいて前記駆動部を制御して、前記各アーム部材を独立して開閉駆動する制御部とを備えること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−5635(P2012−5635A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143708(P2010−143708)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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