説明

景品読取装置

【課題】処理後の景品Gの運用に適した枚数で収納部42から景品Gを取り出すことができる景品読取装置11を提供する。
【解決手段】繰出部13から搬送路15に1枚ずつ繰り出した景品Gを識別部17で識別し、識別結果に基づいて振分手段43で景品Gを種類別に振り分ける。振分手段43で振り分けた景品Gを収納部42内に集積収納する。収納部42に収納した景品Gは取り出して景品収納ケースに収納する。景品収納ケースは所定の収納単位枚数ずつに区分して収納する。収納部42に収納する景品Gの枚数は、景品収納ケースの収納単位枚数と同じ設定枚数に設定する。収納部42に収納する景品Gの収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止する。収納部42から設定枚数の景品Gを取り出して景品収納ケースに収納可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品の価値情報を読み取る景品読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばパチンコ遊技店等で獲得した玉数により、遊技客は買上対象となる特殊景品(以下、単に景品という)と交換することができる。遊技店では、遊技客が獲得した玉数に対応する例えば5000円、1000円、200円等の価値を有する数種類の景品を用意しており、これら数種類の景品には価値情報と関連付けられたバーコードが印刷されたり非接触ICタグが埋め込まれている。遊技客が、この景品を景品交換所に持参することにより現金と交換することができる。
【0003】
景品交換所には、景品に印刷されたバーコードや景品に埋め込まれた非接触型ICタグ等により景品の価値情報を読み取る景品読取装置、この景品読取装置で読み取られた価値情報に基づいて現金を出金する現金出金機、及びこれら景品読取装置や現金出金機と通信して景品読取状況や現金出金機の残金状況等の情報を管理する管理機等が設置されている。
【0004】
景品読取装置は、複数枚の景品が積み重ねて配置される繰出部を有し、この繰出部に配置された景品を繰出手段で1枚ずつ繰り出し、1枚ずつ繰り出した景品を搬送路によって搬送しながら、識別部で景品の価値情報を読み取り、価値情報を読み取った景品を一時保留部に一時保留する。そして、係員による払出ボタンの操作により、現金出金機から現金を出金するとともに、一時保留した景品を一時保留部から1枚ずつ繰り出し、1枚ずつ繰り出した景品を搬送路によって搬送しながら、各景品の価値情報の種類別に振り分けて種類別の収納部に順次収納する。収納部は、景品を集積収納可能とする箱形で、搬送路から振り分けられて自由落下する景品を受け入れて上下方向に集積収納し、収納部の前面側に形成された開口部から景品を取り出せるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、1回の取引で景品の枚数が多いと、処理途中にいずれかの収納部で景品の収納枚数が満杯枚数に達することがあり、この場合には処理を一時中止し、その満杯枚数に達した収納部から景品を抜き取った後に、処理を再開している。
【特許文献1】特開2005−287595号公報(第3−6頁、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、1回の取引で景品の枚数が多いと、収納部が満杯になる都度、収納部から景品を抜き取ることになる。そして、収納部から抜き取られた景品は、例えば景品卸業者との通い箱等の景品収納ケースに入れる場合が多い。この景品収納ケースは、景品を例えば10枚ずつ等の所定の収納単位枚数ずつに区分して収納する形態が採られている。
【0007】
しかしながら、収納部から抜き取った景品を景品収納ケースに入れる際、抜き取った景品の枚数と景品収納ケースの収納単位枚数とに関連性がないため、抜き取った景品を景品収納ケースの収納単位枚数ずつに分けて収納する必要があり、景品収納ケースへの景品の収納作業に手間取り、次の取引にかかるまでに長い時間がかかることがある。
【0008】
また、収納部が満杯となる景品の枚数は景品収納ケースの収納単位枚数よりも多い場合が通常で、収納部から満杯枚数分の景品を取り出す際に散乱させてしまうおそれがあり、その結果、さらに長い時間がかかったり、散乱させた景品を紛失したり、散乱させた識別計数済みの景品と識別計数前の景品とが混ざってしまい、トラブルの原因にもなる。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、処理後の景品の運用に適した枚数で収納部から景品を取り出すことができる景品読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の景品読取装置は、景品が配置される繰出部と、この繰出部から景品を1枚ずつ繰り出す繰出手段と、この繰出手段で繰り出された景品を搬送する搬送手段と、この搬送手段で搬送する景品を識別する識別部と、この識別部による識別に基づいて前記搬送手段で搬送する景品を振り分ける振分手段と、この振分手段で振り分けられた景品を収納する収納部と、この収納部に収納する景品の枚数を任意に設定する設定手段と、この収納部に収納する景品の収納枚数が前記設定手段で予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる制御部とを具備しているものである。
【0011】
請求項2記載の景品読取装置は、景品が配置される繰出部と、この繰出部から景品を1枚ずつ繰り出す繰出手段と、この繰出手段で繰り出された景品を搬送する搬送手段と、この搬送手段で搬送する景品を識別する識別部と、この識別部による識別に基づいて前記搬送手段で搬送する景品を振り分ける複数の振分手段と、これら振分手段で振り分けられた景品を収納する複数の収納部と、これら収納部のうち同一種類景品収納用として複数の収納部を割り当て、各収納部に収納する景品の枚数を任意に設定する設定手段と、前記同一種類景品収納用に割り当てられた全ての収納部に収納する景品の収納枚数が前記設定手段で予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる制御部とを具備しているものである。
【0012】
請求項3記載の景品読取装置は、請求項1または2記載の景品読取装置において、収納部に収納する景品を載せて上下方向に移動可能とするステージ、及びこのステージを上下方向に移動させるステージ駆動部を有するステージ手段と、前記ステージの位置を検知するステージ位置検知手段とを具備し、制御部は、前記収納部内からの景品の取出時に、前記ステージをこのステージ上の景品の取り出しが可能な景品取出位置に移動させるものである。
【0013】
請求項4記載の景品読取装置は、請求項1乃至3いずれか記載の景品読取装置において、景品の収納枚数が設定枚数に達した収納部からの景品の取り出しを検知する景品取出検知手段を具備し、制御部は、前記景品取出検知手段で景品の取り出しを検知したら処理を再開させるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の景品読取装置によれば、収納部に収納する景品の枚数を任意に設定でき、収納部に収納する景品の収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させることにより、処理後の景品の運用に適した枚数で収納部から景品を取り出すことができ、処理後の景品の運用を容易にできる。
【0015】
請求項2記載の景品読取装置によれば、同一種類景品収納用として複数の収納部を割り当てて、各収納部に収納する景品の枚数を任意に設定でき、同一種類景品収納用に割り当てられた全ての収納部に収納する景品の収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させることにより、処理後の景品の運用に適した枚数で収納部から景品を取り出すことができ、処理後の景品の運用を容易にできる。
【0016】
請求項3記載の景品読取装置によれば、請求項1または2記載の景品読取装置の効果に加えて、収納部内からの景品の取出時に、ステージを景品取出位置に下降させることにより、ステージ上の景品を容易に取り出すことができる。
【0017】
請求項4記載の景品読取装置によれば、請求項1乃至3いずれか記載の景品読取装置の効果に加えて、景品の収納枚数が設定枚数に達した収納部からの景品の取り出しを検知したら処理を再開させて継続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図2において、Gは景品で、この景品Gは、略長方形で厚みが薄いカード形状に形成されていて、複数の種類に共通の形状寸法に形成されている。景品Gの種類は、例えば、5000円、1000円、200円の金額に対応し、目視でも種類確認ができるように種類毎に価値情報等が表示されている。景品Gの寸法は、例えば、厚みが6mm、長手方向の長さが82.6mm、短手方向の横幅が32.4mmとされている。
【0020】
この景品Gは、価値情報を記憶する記憶手段としての非接触ICタグ(RFID:Radio Frequency Identification)を内蔵している。この非接触ICタグは、対応する所定のアンテナモジュールに近接した状態で、このアンテナモジュールから送信される無線電波を受信し、この受信した無線電波により動作用電力を起動させ、非接触ICタグに予め記憶されている情報に応じて変化させた反射波を発生させることにより、情報をアンテナモジュールで読み取れるようにしている。そして、非接触ICタグに記録される情報には、例えば対象とする遊技店からの持ち込みなのか対象外の遊技店からの持ち込みなのかをチェックするための遊技店の店番号、コピーによる不正をチェックするために連番で付与されたID番号、5000円/1000円/200円等の各価値情報、景品交換所での交換前なのか交換済みなのかの状態フラグ等がある。
【0021】
次に、図1及び図2に示すように、景品読取装置11は、前面側に対して左右方向に幅広に形成された景品読取装置本体12を有し、この景品読取装置本体12の一側である左側には、複数枚の景品Gを上下方向に集積した状態で一括して配置可能とする繰出部13が形成され、この繰出部13の下側に繰出部13内の景品Gを最下位から順に1枚ずつ景品読取装置本体12の他側である右方向へ向けて繰り出す繰出手段14が配設されている。繰出部13の底部から景品読取装置本体12の右方向に向かって繰出手段14で繰り出された景品Gを搬送する搬送路15が配設され、この搬送路15上に景品Gを搬送する搬送手段16が配設されている。搬送路15の下側には、搬送方向上流側から順に、景品Gを識別する識別部17、識別結果に応じて正常な景品Gを価値情報の種類別に振り分けて上下方向に集積収納する複数の景品振分収納ユニット18、及び景品振分収納ユニット18で振り分けられなかった異常な景品Gを受け入れて収納するリジェクト部19が配設されている。景品読取装置本体12の前面左側であって繰出部13の前側には操作部20及び表示部21が配設されている。
【0022】
そして、図2及び図8に示すように、繰出部13は、景品Gが繰出方向に対して景品Gの長手方向を合わせた状態でセットされるもので、景品Gが載置される底面部24、景品Gの繰出方向の側壁である繰出側規制面部25、繰出方向と反対の側壁である反繰出側規制面部26、繰出方向に対して交差する前後の側壁である前面側規制面部27及び後面側規制面部28を有し、上面及び反繰出側規制面部26と前面側規制面部27との間の前面がそれぞれ開口され、複数枚の集積状態の景品Gを上方から底面部24上に配置可能としている。繰出側規制面部25の下部には底面部24に載る最下位の1枚の景品Gのみが通過可能な繰出口29が形成されている。なお、この繰出部13には景品Gがセットされたことを検知する投入検知手段102(図10参照)が配設されている。
【0023】
また、繰出手段14は、繰出部13の底面部24上に突出し繰出方向に対して往復移動可能に配設された繰出部材32、及びこの繰出部材32を往復移動させる図示しない繰出駆動部を有している。繰出部材32にはこの繰出部材32の上面に突出する繰出ローラ33が繰出方向に対応して回転自在に軸支され、この繰出ローラ33が最下位の景品G上の次位の景品Gの下面に接触可能としている。繰出部13の底面部24からの繰出部材32の突出寸法は、景品Gの1枚分以上、2枚分以下とされ、最下位の景品Gの反繰出方向の端面に繰出部材32が当接して繰出方向へ押動可能とする突出寸法とされている。なお、繰出部13の底面部24には繰出部材32及び繰出ローラ33が移動可能とする溝部24aが繰出方向に沿って形成されている。
【0024】
また、搬送路15では、景品Gの長手方向を搬送方向に向けて、搬送手段16により景品Gを1枚ずつ搬送する。なお、この搬送路15には景品Gの搬送位置を検知する複数のセンサ(図10のセンサ類104に含まれる)が配設されている。
【0025】
また、搬送手段16は、搬送路15の上側や下側に配設されて搬送路15内の景品Gを搬送方向に搬送するベルトや搬送ローラ、及びこれらを回転駆動する搬送駆動部等によって構成されている。図8に示すように、繰出部13の繰出口29に臨む搬送路15の上下位置には、繰出手段14によって繰り出された景品Gを挟み込んで回転により繰出部13から搬送路15内に引き抜く一対の引抜ローラ36が配設されている。
【0026】
図2に示すように、搬送路15及び搬送手段16は、景品読取装置本体12に開閉可能に設けられた開閉カバー37の内側に配置され、開閉カバー37を開くことによって景品詰まりの解消等に対応可能としている。この開閉カバー37には、開閉操作用の取手38や、閉じた状態で景品読取装置本体12にロックするロック機構39を備えている。
【0027】
また、識別部17は、搬送路15内を搬送する景品Gを識別するもので、景品Gに埋め込まれている非接触ICタグのICチップに記憶されている情報を読み取るアンテナモジュールや、景品Gの表面の表示等を検知する光学センサ等が用いられている。
【0028】
また、図3乃至図5に示すように、各景品振分収納ユニット18は、景品Gを収納する収納部42、識別部17の識別結果に基づいて搬送手段16で搬送する景品Gを収納部42内に振り分ける振分手段43、収納部42内に収納する景品Gを支えるステージ手段44を有し、これらが一体に組み立てられてユニット化されている。各景品振分収納ユニット18とも、同構造のものが用いられている。
【0029】
まず、収納部42は、所定枚数の景品Gを上下方向に集積収納可能とする高さ寸法を持った箱形の収納部枠45を有し、この収納部枠45の上面には搬送路15から振分手段43で振り分けられる景品Gを受け入れる受入口46が開口形成されているとともに、収納部枠45の前面には景品読取装置本体12の前面側からの景品Gの抜き取りを許容する開口部47が形成されている。収納部42には、この収納部42内の景品Gの有無検知が可能であって、収納部42からの景品Gの抜き取りを検知する景品取出検知手段としての景品抜取検知手段48が配設されている。この景品抜取検知手段48は、フォトセンサで構成され、検知光を収納部42内で鉛直方向に通し、検知光の透光状態で景品無しを、遮光状態で景品有りをそれぞれ検知可能とする。
【0030】
収納部42の上部には、搬送路15の一部を構成するものであって、景品Gの両側縁を規制して案内する両側のガイド側板49、及びこれら両側のガイド側板49間で景品Gの下面を支えて搬送をガイドする両側のガイド体50a,50bが配設されている。これらガイド体50a,50bには、搬送する景品Gの下面を支える複数のガイドローラ51が搬送方向に沿って回転自在に軸支されている。
【0031】
続いて、振分手段43は、図3、図4及び図6に示すように、収納部42の上部に配置されていて搬送路15の一部を構成する両側のガイド体50a,50bを景品Gの振分用として兼用している。収納部枠45の搬送方向及び反搬送方向の両外側において、各ガイド体50a,50bが各支持リンク52a,52bによってそれぞれ通路幅方向に移動可能に支持されている。
【0032】
一方の支持リンク52aには通路幅方向に沿って複数の長孔53が設けられ、これら各長孔53が収納部枠45の外側面に設けられた各軸体54に係合して、ガイド体50aと一体に支持リンク52aが通路幅方向に移動可能に支持されている。他方の支持リンク52bは平面視略コ字形でその後部には後方へ向けて突出するリンク部55が取り付けられており、支持リンク52b及びリンク部55には通路幅方向に沿って複数の長孔56が設けられ、これら各長孔56が収納部枠45の外側面や取付枠57に設けられた軸体58に係合して、ガイド体50aと一体に支持リンク52aが通路幅方向に移動可能に支持されている。
【0033】
支持リンク52a,52b間において収納部枠45の外側面に連動リンク59の中間部が軸体60によって回動可能に軸支され、この連動リンク59の両端には長手方向に沿って各長孔61が形成され、これら各長孔61が各支持リンク52a,52bに設けられた各軸体62に係合されている。この連動リンク59によって両側のガイド体50a,50bの開閉が連動される。そして、両側のガイド体50a,50bが互いに閉じた閉位置(景品通過位置)では景品Gを載せて搬送可能とし、両側のガイド体50a,50bが互いに開いた開位置(景品振分位置)では両側のガイド体50a,50bが両側のガイド側板49の下側に退避し、景品Gを下方へ落下させて収納部42に振り分ける。
【0034】
取付枠57は収納部枠45の後方に立設されている景品振分収納ユニット18の支持枠63に取り付けられている。この支持枠63には、振分駆動部としてのソレノイド64が取り付けられ、このソレノイド64のプランジャ65に開閉駆動レバー66のプランジャ連結部67が連結されている。この開閉駆動レバー66は取付枠57に軸体68で揺動可能に支持され、開閉駆動レバー66の先端に設けられた軸体69がリンク部55に設けられた長孔70に係合されている。
【0035】
支持枠63の前面には支持リンク52bを貫通する軸部71が垂直に突設され、この軸部71にガイド体50a,50bを閉方向に付勢するための圧縮コイルばねである第1の戻し用ばね72及びばね押え73が挿通されているとともに、軸部71の先端近傍に第1の戻し用ばね72の伸張位置を規制するストッパ74が取り付けられている。
【0036】
開閉駆動レバー66と支持枠63との間には、ガイド体50a,50bを閉方向に付勢するための引張コイルばねである第2の戻し用ばね75が張設されている。第2の戻し用ばね75は、第1の戻し用ばね72よりもばね性の弱いもので、第1の戻し用ばね72のみではガイド体50a,50bを閉位置の最後まで戻しきれないために補助的に用いている。
【0037】
そして、図6(a)に示すように、ソレノイド64のオフ時には、第2の戻し用ばね75によってガイド体50a,50bが閉位置に保持され、第1の戻し用ばね72は支持リンク52a側から離反していて支持リンク52a側からの力が加わっていない。そのため、ソレノイド64のオン時の動作し始めの吸引力がまだ弱い時期には第1の戻し用ばね72の反発力がかからず、図6(b)に示すように、吸引力がある程度強くなってきた状態で初めて第1の戻し用ばね72を縮めて反発力のエネルギーがたまる。ソレノイド64のオフ時には、第1の戻し用ばね72の反発力のエネルギーによりガイド体50a,50bを閉方向に瞬間的に移動させることができ、ガイド体50a,50bを閉位置への復帰時間を短縮でき、景品Gの誤振分を防止できる。
【0038】
続いて、ステージ手段44は、図3乃至図5、及び図7に示すように、収納部42内で景品Gを載せて上下方向に移動可能とするステージ77を有し、このステージ77は収納部枠45の後面側から収納部42内に突出するステージアーム78の前端に取り付けられている。ステージアーム78は収納部枠45の後面に上下方向に沿って形成されたスリット部79を通じて上下方向に移動可能としている。
【0039】
支持枠63の後側にガイド枠80が取り付けられ、このガイド枠80にはステージアーム78を上下方向に沿ってガイドするガイド軸81が設けられているとともにステージアーム78の後部に取り付けられたガイドローラ82が上下方向に移動可能に係合するガイド溝83が形成され、これらによりステージアーム78が上下方向に平行移動可能に支持されている。ガイド枠80の上下部にはタイミングプーリ84が回転可能に軸支され、これら上下のタイミングプーリ84にタイミングベルト85が掛け回され、このタイミングベルト85にステージアーム78の後部が連結されており、タイミングベルト85の正逆回転に伴ってステージアーム78が上下に移動する。
【0040】
支持枠63の後側にステージ駆動部としてのステッピングモータ86が取り付けられ、このステッピングモータ86の駆動軸87が複数のギヤ88及びトルクリミッタ89を介して下側のタイミングプーリ84の軸に連結されている。そして、ステッピングモータ86をパルス制御することにより、ステージ77を任意の位置に昇降させることができる。トルクリミッタ89は、通常の負荷の範囲内では駆動力を伝達し、所定以上の負荷がかかったときに駆動力の伝達を解除する。
【0041】
ガイド枠80の上部には、上昇するステージアーム78を検知して、ステージ77の最上昇位置である上位置を検知する上位置検知センサ90が配設されている。
【0042】
また、リジェクト部19は、識別部17で識別した景品Gのうち、例えば他の店の景品、情報の破損した景品等の異常と識別された異常景品を収納するもので、いずれの振分手段43でも振り分けられずに搬送路15の終端から落下する異常景品を受け入れて収納する。リジェクト部19に収納した異常景品はリジェクト部19の前面開口を通じて抜き取り可能としている。このリジェクト部19には、ステージ手段44は設けられず、異常景品が簡易収納されるもので、通常、異常景品と識別された場合に繰出部13から景品Gの繰り出しを停止するために、1枚の異常景品だけが収納される。
【0043】
また、操作部20は、スタートボタン93、払出ボタン94及び設定手段としての複数の設定ボタン95を備えている。スタートボタン93は、景品Gを繰出部13にセットした後に読取計数動作を開始させるために押下されるものである。払出ボタン94は、景品Gの読取計数動作の終了後に現金の払い出しを指示するもので、繰出部13にセットされた全ての景品Gが収納部42に送り込まれた時点で操作可能となり、押下されなければ引き続いて繰出部13にセットされる景品Gの読取計数動作を継続して読み取った計数値が順次加算される。設定ボタン95は、景品読取装置11の各種設定事項を設定するもので、表示部21に表示される設定内容を確認しながら操作して設定可能としている。
【0044】
また、表示部21は、7セグメント表示器が用いられ、図9(a)に示すように、取引中には、上段にA、B、Cの各収納部42に対応して各種類毎の枚数を表示する枚数表示部が配置され、下段に合計金額を表示する金額表示部が配置されている。なお、図9(b)〜(f)には設定モード時の表示を示す。
【0045】
次に、図10に示すように、景品読取装置11は制御部101を備え、この制御部101は、繰出部13に景品Gがセットされたことを検知する投入検知手段102、繰出部13から景品Gを繰り出す繰出手段14、景品Gを識別する識別部17、景品Gを搬送する搬送手段16、各景品振分収納ユニット18の振分手段43のソレノイド64とステージ手段44のステッピングモータ86と収納部42の景品抜取検知手段48及び収納部42への景品Gの受け入れを検知する景品受入検知手段103、操作部20、表示部21、景品読取装置11の搬送路15等の各箇所に設けられる各センサ類104、識別部17での読取情報等を記憶するメモリ105、外部と通信する通信部106、景品読取装置11の電源を供給する電源部107が接続されている。景品受入検知手段103は、各景品振分収納ユニット18の収納部42内の上部に設けて収納部42に受け入れる景品Gを直接的に検知してもよいし、搬送路15に設けて景品Gの通過検知に基づいて収納部42に受け入れる景品Gを間接的に検知してもよい。
【0046】
そして、景品読取装置11の制御部101は、上位置検知センサ90で検知したステージ77の上位置とその上位置を基準としてステージ77を下降させたり下降位置から上昇させるステッピングモータ86のパルス数とからステージ77の上下方向の位置を検知するステージ位置検知手段の機能、振分手段43で振り分けられた景品Gをステージ77上に受け入れて収納するステージ77の景品受入位置を搬送手段16で搬送する景品Gの姿勢と同じ姿勢のまま受入収納可能とする高さとし、景品受入検知手段103で景品Gが収納部42に入ったことを検知する毎にステージ77上に景品Gが集積収納された後のタイミングでステージ77を景品Gの1枚厚み分下降させる機能、設定手段としての設定ボタン95で任意に設定される各収納部42に収納する景品Gの枚数を登録する機能、収納部42に収納する景品Gの収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる機能、収納部42内からの景品Gの取出時にステージ77をこのステージ77上の景品Gの取り出しが容易に可能な景品取出位置に下降させる機能、景品抜取検知手段48で景品Gの取り出しを検知したら処理を再開させる機能等を有している。
【0047】
振分手段43で振り分けられた景品Gをステージ77上に受け入れて収納するステージ77の景品受入位置は、景品Gが載っていない場合のステージ77の上面位置、またはステージ77上に景品Gが載っている場合の最上位の景品Gの上面位置であり、搬送手段16で搬送する景品Gの姿勢と同じ姿勢のまま受入収納可能とする高さであって、すなわち搬送路15からの景品Gの落下距離が景品Gの短手方向の横幅寸法よりも小さく、落下中の景品Gが回転して立つことのない高さとしている。
【0048】
ステージ77上の景品Gの取り出しが容易に可能な景品取出位置は、例えば、図12(b)及び図13(b)に示すように、ステージ77上の景品Gの集積枚数から上下に略均等のスペースがあく中間位置とする。なお、景品取出位置は、ステージ77を収納部42の最下位まで下降させた位置でもよい。
【0049】
また、景品交換所において、景品読取装置11、入出金ターミナル111及び現金出金機112が設置され、景品読取装置11の通信部106に入出金ターミナル111及び現金出金機112が互いに通信可能に接続される。
【0050】
入出金ターミナル111は、景品交換所での入出金を管理するもので、景品読取装置11及び現金出金機112を統括制御する。
【0051】
現金出金機112は、予め硬貨や紙幣等の現金が装填されており、出金指令に基づいて出金する。
【0052】
また、図14に、収納部42から抜き取った識別計数済みの景品Gを収納する例えば景品卸業者との通い箱等である景品収納ケース121を示す。この景品収納ケース121は、景品Gを所定の収納単位枚数ずつに区分して収納するもので、上方に開口する複数の収納空間122が1列に沿って区画形成されている。景品Gの収納単位枚数は、つまり1つの収納空間122に収納する景品Gの枚数は、例えば10枚ずつとしている。
【0053】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0054】
まず、収納部42に収納する景品Gの枚数の設定方法について説明する。
【0055】
操作部20の設定ボタン95を操作して設定モードを設定することにより、図9(b)に示すように、表示部21では設定モードに入ったこと意味する「r−46」を表示する。
【0056】
設定モードにおいて、設定ボタン95を操作することにより、図9(c)に示すように、表示部21では現在の各収納部42の設定枚数を表示する。ここでは、A、B、Cの収納部42とも10枚ずつに設定されている。設定枚数が設定されなければ(収納部42に景品Gを満杯となるまで収納する場合)、無表示あるいは数字以外の別の表示がなされる。
【0057】
ここで、設定枚数を変更する場合は、設定ボタン95の操作により、図9(d)に示すように、表示部21ではAの収納部42の設定枚数が点滅して変更設定が可能となり、例えば20枚に変更し、確定することにより、図9(e)に示すように、表示部21では点滅がBの収納部42の設定枚数に移ってその設定枚数の変更設定が可能となり、例えば11枚に変更し、確定する。同様にして、Cの収納部42の設定枚数を変更設定する。このようにして、図9(f)に示すように、全ての収納部42の設定枚数を20枚ずつに変更設定することもできる。
【0058】
なお、ここでは、景品収納ケース121の収納単位枚数が10枚であるのに対応して、図9(b)に示すように、A、B、Cの収納部42とも景品収納ケース121の収納単位枚数と同じ10枚ずつに設定されている。
【0059】
続いて、図11に、景品読取装置11を用いた景品交換動作を説明するフローチャートを示す。
【0060】
景品読取装置11のA、B、Cの収納部42は、例えば3種類の価値情報別に景品Gを振分収納する設定とする。
【0061】
景品交換所の窓口で遊技客から複数枚の景品Gを受け取った係員は、複数枚の景品Gを上下方向に集積した状態で繰出部13にセットし、操作部20のスタートボタン93を押下する(ステップ1)。
【0062】
スタートボタン93の押下により、まず、各景品抜取検知手段48の検知に基づいて各収納部42に景品Gが収納されているか確認し(ステップ2)、仮に前回の取引(払出ボタン94の押下済み)の景品Gが収納部42に残っている場合はその景品Gが抜き取られるまで待機する(ステップ2のNO)。
【0063】
収納部42に景品Gがなければ、或いは前回の取引の景品Gが抜き取られれば(ステップ2のYES)、景品読取装置11による読取計数動作を開始する。このとき、景品読取装置11では、各ステージ77の上面を景品受入位置に位置させている。
【0064】
景品読取装置11の読取計数動作の開始により、繰出手段14及び搬送手段16を駆動し、繰出部13内の景品Gを1枚ずつ搬送路15に繰り出し、この搬送路15内に繰り出された景品Gを搬送手段16で搬送する(ステップ3)。
【0065】
ここで、繰出手段14により繰出部13内の景品Gを1枚ずつ搬送路15に繰り出す動作を説明する。図8(a)に示すように、複数枚の景品Gを繰出部13にセットした状態では、繰出部材32が繰出部13内から反繰出方向に退避した待機位置にあって、最下位の景品Gが繰出部13の底面部24に面接触した状態にある。図8(b)に示すように、繰出動作の開始により、繰出部材32が繰出方向に移動し、繰出部13の底面部24上に突出している繰出部材32の繰出ローラ33が最下位の景品Gの反繰出方向の端面に当接して繰出方向に押動させ、景品Gの先端を繰出口29から一対の引抜ローラ36間に挿入させる。図8(c)に示すように、これら一対の引抜ローラ36によって景品Gを繰出部13内から搬送路15内に引き抜く。最下位の景品Gを繰出部13内から引き抜くと、その最下位の景品G上に集積されていた景品Gが落下し、新たに最下位となった景品Gの繰出方向の端部の角部が繰出部13の底面部24上に接触するとともに景品Gの下面が繰出ローラ33上に載る。その後、繰出部材32が待機位置に戻るために反繰出方向に移動し、このとき繰出ローラ33が景品Gの下面を転動しながら景品Gの反繰出方向端部から外れ、図8(d)に示すように、景品Gが繰出部13の底面部24上に落下して面接触する。このとき、繰出部材32に繰出ローラ33を設けているために、この繰出ローラ33がない場合に比べて景品Gとの摩擦力が軽減されて、景品Gを反繰出方向に引っ張る力が軽減されるため、繰出ローラ33が景品Gの反繰出方向端部から外れて、景品Gが底面部24に接触する景品Gの繰出方向の角部を支点として反繰出方向側が落下しても、最下位の景品G上に集積されている景品Gが反繰出方向に位置ずれするのを少なくできる。
【0066】
そして、搬送路15内を搬送手段16で搬送する景品Gを識別部17で識別し(ステップ4)、正常と識別した景品Gは該当する価値情報の種類を振分収納する景品振分収納ユニット18まで搬送し、この景品振分収納ユニット18の振分手段43で景品Gを振り分けて搬送路15から収納部42内に落下させ、収納部42内に落下する景品Gをステージ77上に受け入れて収納する(ステップ5)。
【0067】
ここで、振分手段43の動作について説明する。図6(a)に示すように、ソレノイド64のオフ時には、第2の戻し用ばね75によって両側のガイド体50a,50bが閉位置に保持され、これらガイド体50a,50bのガイドローラ51上に景品Gが載った状態で通過する。また、図6(b)に示すように、ソレノイド64のオン時には、両側のガイド体50a,50bが開位置に移動され、これらガイド体50a,50b間を通じて景品Gが落下する。
【0068】
景品受入検知手段103で収納部42に1枚の景品Gを収納したことを検知したら(ステップ6のYES)、ステージ77を景品Gの1枚厚み分下降させる(ステップ7、8)。これにより、ステージ77上の景品Gの上面が、次に受け入れる景品Gの景品受入位置の高さに配置される。
【0069】
ステージ77を景品Gの1枚厚み分下降させたら(ステップ8のYES)、繰出部13にセットされた全ての景品Gの読取計数が完了するかいずれかの収納部42で景品Gの収納枚数が設定枚数に達するまでは(ステップ9のNO、ステップ10のNO)、繰出部13にセットされた景品Gの読取計数動作を継続する。
【0070】
繰出部13にセットされた景品Gの読取計数動作を継続により、価値情報の種類に応じて各収納部42に振り分けられる複数枚の景品Gが各ステージ77上に上下方向に集積収納される。
【0071】
表示部21には、図9(a)に示すように、読み取った景品Gの価値情報の種類別の枚数、合計金額等を表示する。
【0072】
そして、図12(a)に示すように、いずれかの収納部42で景品Gの収納枚数が設定枚数に達すれば(ステップ10のYES)、読取計数処理を一時停止する。なお、図12(a)では、全ての収納部42において景品Gの収納枚数が設定枚数になった状態を示すが、実際にはいずれか1つの収納部42で景品Gの収納枚数が設定枚数に達した段階で読取計数処理を一時停止する。
【0073】
読取計数処理の一時停止後、ステージ77上の景品Gの取り出しが容易に可能な予め設定されている景品取出位置にステージ77を下降させる整列処理を実施する。例えば、図12(b)に示すように、ステージ77上の景品Gの集積枚数から上下に略均等のスペースがあくように、つまり収納部42の前面の開口部47の中央付近に集積状態または1枚の景品Gが位置するように下降させる。あるいは、ステージ77を収納部42の最も下位置まで下降させる。これにより、係員が、収納部42の前面の開口部47から景品Gの上下に指を差し入れて挟み込むことができ、収納部42内から設定枚数の景品Gを集積状態のまま容易に抜き出すことができる。なお、図12(b)では、全ての収納部42のステージ77が景品取出位置に下降した状態を示しているが、実際には設定枚数に達したいずれか1つの収納部42のステージ77のみが景品取出位置に下降する。
【0074】
このとき、設定枚数に達した収納部42を表示部21で表示すれば、係員がどの収納部42から景品Gを抜き取ればよいのか把握しやすいようにできる。
【0075】
図14に示すように、係員により、収納部42から集積状態のまま抜き取った設定枚数の景品Gを、景品収納ケース121の1つの収納空間122にそのまま挿入して収納する。このとき、景品収納ケース121の1つの収納空間122の収納単位枚数に対応して収納部42に収納する設定枚数が設定されているため、景品収納ケース121の1つの収納空間122には、景品Gを収納単位枚数分ずつに数えて分けたりすることなく、収納単位枚数分の景品Gを容易に収納できる。
【0076】
収納枚数が設定枚数に達した収納部42から景品Gが抜き取られたことを景品抜取検知手段48で検知したら(ステップ11のYES)、識別計数処理の一時停止を解除して自動的に再開、あるいは係員によるスタートボタン93の操作により再開する。
【0077】
このように、いずれかの収納部42で景品Gの収納枚数が設定枚数に達する度に、収納部42から景品Gを取り出して景品収納ケース121に収納していく。
【0078】
そして、繰出部13の投入検知手段102や搬送路のセンサ等の検知に基づいて繰出部13にセットされた全ての景品Gの読取計数動作が完了し(ステップ9のYES)、かつ収納部42への全ての景品Gの収納が完了したら(ステップ12のYES)、ステージ77上の景品Gの取り出しが容易に可能な予め設定されている景品取出位置にステージ77を下降させる整列処理を実施する(ステップ13)。このときも、図12(b)に示すように、ステージ77上の景品Gの集積枚数から上下に略均等のスペースがあくように、つまり収納部42の前面の開口部47の中央付近に集積状態または1枚の景品Gが位置するように下降させたり、ステージ77を収納部42の最も下位置まで下降させたりする。これにより、収納部42の前面の開口部47から集積状態の景品Gの上下に指を差し入れて挟み込むことができ、収納部42内から集積状態の景品Gを容易に抜き出すことができる。
【0079】
また、遊技客から受け取った景品Gの枚数が多く、一回では繰出部13にセットできなかった場合には、払出ボタン94を操作することなく、各収納部42から景品Gを抜き取り(ステップ14)、ステージ77を景品受入位置に上昇させる(ステップ15)。このとき、全ての収納部42からの景品Gの抜き取りが検知された時点で全てのステージ77を景品受入位置に同時に上昇させることにより、1つずつ順番に上昇させるよりも短時間で次の処理に移ることができ、また、景品Gの抜き取りが検知された収納部42から順にステージ77を景品受入位置に上昇させても、短時間で次の処理に移ることができる。
【0080】
その後、係員は、残りの景品Gまたはその一部を繰出部13にセットし、スタートボタン93を再操作することにより、または繰出部13の投入検知手段102による景品Gの検知によって自動的に計数動作を再開する。
【0081】
また、遊技客から受け取った全ての景品Gの読取計数動作を完了した場合には、係員が払出ボタン94を押下することにより(ステップ16)、計数値に対応した現金を現金出金機112から出金する(ステップ17)。この現金出金機112から出金した現金は、係員が遊技客に払い出す。
【0082】
係員により各収納部42から景品Gが取り出されれば、各ステージ77を景品受入位置に上昇させ、そして、全てのステージ77が景品受入位置に戻れば(ステップ18のYES)、取引を終了する。
【0083】
このように、景品読取装置11では、収納部42に収納する景品Gの枚数を任意に設定でき、収納部42に収納する景品Gの収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させることにより、処理後の景品Gの運用に適した枚数で収納部42から景品Gを取り出すことができ、処理後の景品Gの運用を容易にできる。
【0084】
また、収納部42に収納する景品Gをこの収納部42内で上下方向に移動可能なステージ77上に受け入れるため、景品Gを収納部42内に安定して集積収納できる。特に、景品Gが収納部42に入ったことを検知する毎に、景品Gの1枚厚み分ずつステージ77を下降させることにより、景品Gを受け入れる際のステージ77の景品受入位置を一定にして、景品Gを収納部42内に安定して集積収納できる。
【0085】
また、収納部42内からの景品Gの取出時に、ステージ77を景品Gが取り出しやすい景品取出位置に下降させることにより、ステージ77上の景品Gを容易に取り出すことができる。
【0086】
また、図13には、各収納部42に収納する任意の設定枚数を設定していない場合、つまり最大で満杯となるまで収納する場合を示し、この場合にも、図13(a)に示すように、各収納部42への景品Gの収納が完了した後、図13(b)に示すように、予め設定されている景品取出位置にステージ77を下降させてステージ77上の景品Gを容易に抜き出すことができる。
【0087】
また、図15には、景品Gの他の形状のもの、及びこの景品Gを収納する景品収納ケース121を示す。景品Gの寸法は、例えば、厚みが3mm、長手方向の長さが86mm、短手方向の横幅が54mmとされている。景品収納ケース121の景品Gの収納単位枚数は、つまり1つの収納空間122に収納する景品Gの枚数は、例えば20枚ずつとしている。そして、景品読取装置11では、景品収納ケース121の収納単位枚数が20枚であるのに対応して、各収納部42に景品を収納する設定枚数は20枚ずつに設定することにより、収納枚数が設定枚数に達した収納部42から抜き出した景品Gは、収納単位枚数分ずつに数えて分けたりすることなく、景品収納ケース121の1つの収納空間122に収納単位枚数分ずつ容易に収納できる。
【0088】
次に、他の実施の形態を説明する。なお、景品読取装置11の構成は前記実施の形態と同一である。
【0089】
この実施の形態は、取り扱う景品Gの種類に比べて、収納部42の数が多い場合の運用である。例えば、景品Gは2種類であって一方の種類が取扱い枚数の多い多量種類、他方の種類が取扱い枚数の少ない少量種類で、収納部42がA、B、Cの3つの場合に、A、Bの2つの収納部42に多量種類の景品Gを収納する同一種類景品収納用として割り当て、Cの1つの収納部42に少量種類の景品Gを収納するように割り当てる。この割り当ては、収納部42に景品Gを収納する設定枚数の設定と同様に、設定ボタン95の操作によって可能とする。この場合、制御部101は、同一種類景品収納用に割り当てられた全ての収納部42に収納する景品Gの収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる機能を有する。
【0090】
そして、景品読取装置11の運用時において、多量種類の景品Gは、まずAの収納部42に収納し、このAの収納部42の景品Gの収納枚数が設定枚数に達すれば、引き続いてBの収納部42に収納する。さらに、このBの収納部42も景品Gの収納枚数が設定枚数に達すれば、識別計数動作を一時停止し、A、Bの収納部42から景品Gを抜き取ることにより、識別計数動作を再開する。
【0091】
少量種類の景品Gは、Cの収納部42に収納し、Cの収納部42の景品Gの収納枚数が設定枚数に達すれば、識別計数動作を一時停止し、Cの収納部42から景品Gを抜き取ることにより、識別計数動作を再開する。
【0092】
このように、同一種類景品収納用として複数の収納部42を割り当てて、各収納部42に収納する景品Gの枚数を任意に設定でき、同一種類景品収納用に割り当てられた全ての収納部42に収納する景品Gの収納枚数が予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させることにより、処理後の景品Gの運用に適した枚数で収納部42から景品Gを取り出すことができ、処理後の景品Gの運用を容易にできる。
【0093】
なお、例えば、取り扱う景品Gの種類が1つで、A、B、Cの3つの収納部42に割り当て、これらA、B、Cの3つの収納部42に設定枚数ずつ順に収納してもよい。この場合、1つの種類の景品を検査する等の確認用に用いることができる。
【0094】
なお、収納部42に対するステージ手段44の適用は、前記実施の形態の景品読取装置11の構成に限らず、繰出部から繰り出した景品を識別後に一時保留部に一時保留し、払出操作により一時保留部から景品を繰り出して種類別に振り分けて収納部に収納する景品読取装置にも適用できる。また、景品の振分時に、景品を側方へ送り出すタイプや、上方へ積み上げるタイプに適用してもよい。したがって、景品読取装置のレイアウトや振分方法は前記実施の形態に限られるものではない。
【0095】
また、設定枚数を設定する方法は、任意の枚数を入力して設定する以外に、予め複数の設定枚数パターンを工場出荷段階で設定しておき、遊技店や景品交換所での運用に応じて、ディップスイッチや画面などで切り換えて設定できるようにしてもよい。
【0096】
また、景品の収納枚数が設定枚数に達した収納部から景品が抜き取られたことを検知することにより識別計数動作を自動的に再開してもよいが、専用の再スタートボタンを設け、係員の意思により識別計数動作を再開してもよい。
【0097】
また、景品の識別方法は、非接触ICタグに限らず、景品の表面に表示されたバーコード及びホログラムや、磁気データ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施の形態を示す景品読取装置の前面側から見た模式図である。
【図2】同上景品読取装置の斜視図である。
【図3】同上景品読取装置の景品振分収納ユニットの斜視図である。
【図4】同上景品読取装置の景品振分収納ユニットの図3に対して別の角度から見た斜視図である。
【図5】同上景品読取装置の景品振分収納ユニットの正面図である。
【図6】同上景品読取装置の振分手段を示し、(a)は景品を通過させる状態の側面図、(b)は景品を振り分ける状態の側面図である。
【図7】同上景品読取装置のステージ手段を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図8】同上景品読取装置の繰出動作を(a)〜(d)の順に説明する説明図である。
【図9】同上景品読取装置の表示部の表示内容を示し、(a)は取引中の表示内容を示す説明図、(b)〜(f)は各収納部の設定枚数を設定する設定モード中の表示内容を示す説明図である。
【図10】同上景品読取装置と入出金ターミナル及び現金出金機のブロック図である。
【図11】同上景品読取装置を用いた景品交換動作を説明するフローチャートである。
【図12】同上景品読取装置の各収納部に景品を収納する設定枚数を設定した場合を示し、(a)は設定枚数分の景品の収納が完了した状態の正面図、(b)は景品を取り出す状態の正面図である。
【図13】同上景品読取装置の各収納部に景品を収納する設定枚数を設定しない場合を示し、(a)は景品の収納が完了した状態の正面図、(b)は景品を取り出す状態の正面図である。
【図14】同上景品読取装置と組み合わせて用いる景品収納ケースを示し、(a)は景品を収納していない景品収納ケースの斜視図、(b)は1個所に景品を景品収納ケース側面図、(c)は全てに景品を収納した景品収納ケースの斜視図である。
【図15】同上景品読取装置と組み合わせて用いる他の景品収納ケースを示し、(a)は景品を収納していない景品収納ケースの斜視図、(b)は1個所に景品を景品収納ケース側面図、(c)は全てに景品を収納した景品収納ケースの斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
11 景品読取装置
13 繰出部
14 繰出手段
16 搬送手段
17 識別部
42 収納部
43 振分手段
44 ステージ手段
48 景品取出検知手段としての景品抜取検知手段
77 ステージ
86 ステージ駆動部としてのステッピングモータ
95 設定手段としての設定ボタン
101 制御部
G 景品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が配置される繰出部と、
この繰出部から景品を1枚ずつ繰り出す繰出手段と、
この繰出手段で繰り出された景品を搬送する搬送手段と、
この搬送手段で搬送する景品を識別する識別部と、
この識別部による識別に基づいて前記搬送手段で搬送する景品を振り分ける振分手段と、
この振分手段で振り分けられた景品を収納する収納部と、
この収納部に収納する景品の枚数を任意に設定する設定手段と、
この収納部に収納する景品の収納枚数が前記設定手段で予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる制御部と
を具備していることを特徴とする景品読取装置。
【請求項2】
景品が配置される繰出部と、
この繰出部から景品を1枚ずつ繰り出す繰出手段と、
この繰出手段で繰り出された景品を搬送する搬送手段と、
この搬送手段で搬送する景品を識別する識別部と、
この識別部による識別に基づいて前記搬送手段で搬送する景品を振り分ける複数の振分手段と、
これら振分手段で振り分けられた景品を収納する複数の収納部と、
これら収納部のうち同一種類景品収納用として複数の収納部を割り当て、各収納部に収納する景品の枚数を任意に設定する設定手段と、
前記同一種類景品収納用に割り当てられた全ての収納部に収納する景品の収納枚数が前記設定手段で予め設定された設定枚数に達したら処理を停止させる制御部と
を具備していることを特徴とする景品読取装置。
【請求項3】
収納部に収納する景品を載せて上下方向に移動可能とするステージ、及びこのステージを上下方向に移動させるステージ駆動部を有するステージ手段と、
前記ステージの位置を検知するステージ位置検知手段とを具備し、
制御部は、前記収納部内からの景品の取出時に、前記ステージをこのステージ上の景品の取り出しが可能な景品取出位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の景品読取装置。
【請求項4】
景品の収納枚数が設定枚数に達した収納部からの景品の取り出しを検知する景品取出検知手段を具備し、
制御部は、前記景品取出検知手段で景品の取り出しを検知したら処理を再開させる
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の景品読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−11344(P2009−11344A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172960(P2007−172960)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】