説明

暖房便座とそれを備えた衛生洗浄装置

【課題】輻射型発熱体で便座を短時間に快適な温度に昇温するとともに、軽量およびシンプルな構成の便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】枠状の着座部25を有する上枠体24と下枠体27とで構成し内部に空洞部28を有する便座22と、前記空洞部28に前記着座部25を加熱する1本の輻射型発熱体30を備え、前記輻射型発熱体30は前記着座部25の略中央部に沿って全周に亘って環装することにより、シンプルかつ軽量な構成で短時間に便座22の着座面25を効率的に加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は暖房便座の便座を加熱する発熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の暖房便座では、便座の空洞部に直管状の複数の輻射型発熱体を配置し、輻射型発熱体の下方には下部反射板を設置し、輻射型発熱体の上方に位置する着座面の下面には開口面積の異なる複数の開口を配設した上部反射板を設置し、開口の面積と配置を変化させることにより着座面の温度ムラを抑制するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図11は特許文献1に記載された従来の暖房便座の断面図を示し、図12は便座内部の平面図を示し、図13は上部反射板の平面図を示すものである。図に示すように便座1の空洞部2には直管状の輻射型発熱体3が2本配設してあり、輻射型発熱体3の下方には下部反射板4が設置してある。便座1の着座面5の下面には上部反射板6が設置してあり、図13に示すように上部反射板6には開口面積の異なる複数の開口7が設置してある。
【特許文献1】特開2006−204371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、便座の一部のみをカバーする直管状の輻射型発熱体で着座面全体を均一に暖房するために上部反射板を設置しており、上部反射板により輻射型発熱体から放射される熱エネルギーは着座面全体に分散させて均一化するため、着座面の昇温には長い時間を要し、着座面を短時間い快適な温度に昇温することはできない。
【0005】
また、便座は金属製の上部反射板を内蔵するため重量が重くなり、使用時に必要な便座の開閉操作にともなう便座の開閉機構への負担も大きくなり、開閉機構の大型化や複雑化につながるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、便座を短時間に快適な温度に昇温するとともに、輻射型発熱体を軽量およびシンプル化することにより、軽量でシンプルな構成の便座装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、便座の空洞部に着座部を加熱する1本の輻射型発熱体を備え、輻射型発熱体は着座部の略中央部に沿って全周に亘って環装した構成としたものである。
【0008】
これによってシンプルかつ軽量な構成となり、便座開閉機構に負担をかけることがなく、輻射型発熱体から放射した輻射エネルギーで短時間に便座の着座面を効率的に加熱することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の暖房便座は、輻射エネルギーによって便座を極短時間で昇温し、省エネルギー効果の高い便座を軽量かつシンプルな構成で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、枠状の着座部を有する上枠体と下枠体とで構成し内部に空洞部を有する
便座と、前記空洞部に前記着座部を加熱する1本の輻射型発熱体を備え、前記輻射型発熱体は前記着座部の略中央部に沿って全周に亘って環装することにより、輻射型発熱体から放射した輻射エネルギーは瞬時に着座部のほぼ全体にいきわたり、着座部の裏面で吸収した輻射エネルギーは直ちに熱に変換し、着座部全面を均一に昇温することができることとなり、便座の着座部全面を極めて短時間で昇温することが可能なため、便座の不使用時には輻射型発熱体への通電を停止することができるため極めて省エネルギーであるとともに、着座部全体を温度ムラなく加熱することができるので、快適に使用することができる。また、輻射型発熱体を1本で構成することにより空洞部内の構成がシンプルになり便座の軽量化を図ることができる。
【0011】
第2の発明は、特に第1の発明において、輻射型発熱体は、その両端部を互いに重合させて略環状に成形したことにより、給電のための電気接続部を構成し非発熱部である両端部を重合させることとなり、環状の輻射発熱体のほぼ全周からは途切れなく着座部全体に輻射エネルギーが放射されることになり着座部のほぼ全範囲において、所望の温度分布を得ることができて快適である。
【0012】
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、輻射型発熱体の重合させた両端部を着座部の後部中央付近に配置したことにより、着座した使用者の尾てい骨部分に対応する部分で輻射型発熱体を重合させることとなり、使用者の尾てい骨部分は温感覚が鈍く、また着座部への密着度が低く着座部の温度を比較的低温にすることが可能なため、輻射エネルギーの放射量が少ない両端部をこの部分に配置しても使用者は不快感を感じることが少ない。また着座部後部の空洞スペースの他の部分より比較的広いスペースが確保できるので輻射型発熱体への給電用の接続構造が形成しやすい。
【0013】
第4の発明は、特に第1から第3のいずれか1つの発明において、輻射型発熱体は熱透過管に螺旋状のフィラメントを不活性ガスとともに封入したランプヒータとし、前記フィラメントは2本のフィラメントを略中央部で接続して構成したことにより、フィラメントの螺旋加工において汎用のコイル加工設備で製造することができることとなり、フィラメントの巻き径やピッチ寸法も安定して生産することができる。さらに輻射型発熱体のフィラメントは夫々長さが同じになるよう中央部で接続したので、輻射エネルギーの放射量が少ない接続部分が着座部の前部中央に位置することになり、着座時には足の膝が開き直接人体が密着しにくい場所であり、もっとも暖房しなくても良い場所と一致し、使用者が不快感を感じることがない。
【0014】
第5の発明は、特に第1から第4のいずれか1つの発明において、フィラメントの螺旋状の巻きピッチに粗部と密部を設けたことにより、場所により輻射型発熱体の輻射エネルギーの放射量を変えることが可能となり、輻射型発熱体から座面までの距離、さらに使用者の皮膚感覚や密着度合いなどに応じて、巻きピッチを変えるだけで着座部を適正な温度分布にすることができ効率よく暖房することができる。
【0015】
第6の発明は、特に第1から第5のいずれか1つの発明において、熱透過管の形状は曲線部と直線部を組み合わせて環状を形成したことにより、石英ガラスなどからなる熱透過管は、その成形においては直管の材料を加熱軟化して曲げ加工するのが一般的である。また便座の着座部の形状は複数の曲線が連続的に組み合わせた略楕円形状である。前記便座の略中央部に沿う形状の熱透過管を形成するためには、曲線の要所を直線で近似して略環状を形成することにより、熱透過管の加工においては曲げ加工する範囲の前後材料を円弧に接する直線にするので、全体的に曲げ加工しなくとも複数の要所を加熱曲げして成形でき加工が容易である。一般的な便座の形状では先端部と左右両側で各2箇所で合計5箇所を曲げ加工すれば略楕円形の着座部の中心線に近似でき、着座部全体に輻射熱がいきわたるのに支障はない。さらに輻射発熱体の保持においても直線部を保持して配置が安定し単
純な形状の保持具でよく生産性が良い。
【0016】
第7の発明は、特に第1から第6のいずれか1つの発明において、輻射型発熱体の両端部の少なくとも封口処理する端子部を直線状にしたことにより、輻射型発熱体の両端部は給電部を構成する端子部を密閉封口するために、両端が近接した状態では冶具などが干渉し加工が困難である。干渉を防止するためには両端の空間を確保する必要があるが、その状態では便座の空洞部の寸法上の制約があり、さらに温度ムラの原因になる。封口部両端を直線状にして熱透過管を密閉封口した後工程で他の曲げ加工を行うことで、封口部に十分な空間がある状態のままで封口加工が容易であり、最終的には封口部を近接した構成とすることができるので、便座の空洞部の限られた空間に端子部を重合させることが可能であり、座面の均一な加熱が可能となる。
【0017】
第8の発明は、温水洗浄装置と、第1から7のいずれか1つの発明の暖房便座を備えた衛生洗浄装置とすることにより、着座部をすばやく暖めるので、消費電力を大幅に削減するとともに、長期間快適に使用できる衛生洗浄装置を得ることができる。
【0018】
以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における同暖房便座を搭載した衛生洗浄装置の斜視図で、図2は暖房便座の構成を示す模式図で、図3は同暖房便座の便座の着座部を取り外して示した平面図で、図4は同暖房便座の分解斜視図、図5は同暖房便座の着座部の要部断面図である。
【0020】
図に示すように、本実施の形態の衛生洗浄装置は、便器20上面の後端部に取り付けた横長の本体21と、本体21の前部に回動自在に設けた枠状の便座22と、便器20と便座21覆う便蓋23を主構成部材とする暖房便座に、本体21に設けた温水洗浄装置55で構成されている。また、本体21の内部には暖房便座と温水洗浄装置の各機能を制御する制御部49を備えており、トイレ室の壁面には人体の有無を検知する人体検知センサー26と衛生洗浄装置を操作するリモコン56が設けてある。
【0021】
便座22は、図1および図4に示すように合成樹脂製の下枠体27と、アルミニウムで形成された着座部25と合成樹脂製のヒンジカバー53からなる上枠体24をシール材を介して結合して外郭を構成することにより、その内部は水滴等の浸入を阻止できる防滴シールされ略密閉構造の空洞部28を有する構造となっている。
【0022】
便座22の着座部25は、厚さ約1mmの板状のアルミニウムをプレスの絞り加工により図4に示すように略楕円形の枠状に形成し、その両面には表面処理が施してある。着座部25の断面形状は図7に示すように上面の左右が垂下した略コ字形状をしており、左右に垂下した側壁の先端は内側に折り曲げたフランジ部25aを設け、フランジ部25aで下枠体27と接合している。
【0023】
図5は着座部25の表面処理の状態を示す断面図ある。着座部25の内面すなわちランプヒータ30の輻射エネルギーが照射される面にはその輻射エネルギーをよく吸収しやすい黒色塗装した輻射吸収層40を形成している。輻射吸収層40の色については、各種色について確認した結果、黒色が最も輻射エネルギーを吸収する吸熱効率が良く、着座部25の昇温速度を速くすることができるという結果が得られた。なお、最高速度にこだわら
ず、実用に耐えうるレベルという観点であれば、灰色や赤色、青色などでも、昇温はできる。また、黒色についても、必ずしも塗装に限る必要は無く、染色などの表面処理でもよい。
【0024】
着座部25の外側すなわち着座する面には防食効果のあるアルマイト層39およびその上に好みの外観効果のために塗装した表面層である表面化粧層41が形成してある。表面化粧層41にシリコンやフッ素を含有した塗料を用いており、こうすることで例え油性マジックで書いてもインクを弾き、表面に汚れが着きにくい効果があり、実用的には、座面22の着座部25には手垢などの油分を含んだ汚れも付きにくく衛生的で、たとえ使用中に便の飛び散り等で着座部25が汚れた場合でも簡単に清掃することができ、しかも着座してもべたつかずに使用者の皮膚感覚がよく快適に使用できる。
【0025】
また、図5の着座部25の外側表面に施した表面化粧層41は着色した塗装にすることにより、防食効果だけでなくアルミなどの金属便座であっても見た目の冷たい感じを払拭でき、例えば、真珠のようなパール塗装等によって、やわらかいイメージや高級なイメージを演出することができ、意匠性が向上する。また、塗装の顔料中にアルミニウムなどの熱伝導率の高い材料を含ませることにより、塗装面での熱伝導が向上させることができ、均一に着座部25の加熱が可能である。
【0026】
なお、アルマイト層39および表面化粧層41は、必ずしも両方ある必要はなく、アルマイト層39または塗装した表面化粧層41のどちらか一つだけでも、相当の耐薬品性等の防食効果と光沢や色合い等のデザイン性を付加することができる。ただし、アルマイト層39と塗装した表面化粧層41の両方を有することで、より高い防食効果とたとえば除菌材入りの塗料を用いることで除菌効果も付加することができる。
【0027】
また、着座部25に板状のアルミニウムのプレスの絞り加工品を用いたことにより、熱伝導率が約200W・mKと樹脂の約0.1〜1W・mKに較べて桁違いに高いため、ランプヒータ30の輻射エネルギーを受け輻射吸収層40が昇温されると同時に、すばやく着座部25の外側表面つまり表面化粧層41まで熱伝達することができる。しかも、熱伝導率の高いアルミニウムであるため、温度分布をより均一にする均熱効果が得られる。
【0028】
また、板状のアルミニウムをプレスの絞り加工をすることにより発生する材料自体の加工硬化により板厚を薄くしても必要な強度を確保することができる。たとえば、樹脂の場合は強度の面から3mm程度の肉厚が必要なのに対し、アルミ板の絞り加工品であれば半分の1.5mm以下で十分である。薄くすればするほど、熱容量を少なくできるため、昇温に要する熱量および時間を少なくすることができる。実験の結果、強度と昇温時間の面から、アルミニウムの板厚は0.8〜1.2mmが好ましいという結論を得た。
【0029】
なお、着座部24はアルミニウムに限ったものではなく、鉄、ステンレスや軽量金属であるマグネシウムなども利用可能であるが、着座部25を均一に加熱するという観点からは、熱伝導率の高いアルミニウムが好適である。
【0030】
また、着座部25の内面には、着座部25の温度を検知するために便座温度検知手段であるサーミスタ43が取り付けられている。サーミスタ43の取り付けはサーミスタ43の感熱部を着座部25の下面に当接し、その上から粘着性のアルミテープで押着して固定している。アルミテープを使用することにより、ランプヒータ30からの輻射エネルギーがサーミスタ43に直接当たることがなく、サーミスタ43は着座部25の温度を正確に検知することができる。
【0031】
また、着座部25を金属で構成することにおける万が一の漏電などに対する安全性を配
慮して、図6に示すように着座部25のフランジ部25aにアース接続部を設けている。アース接続部は便座22の下枠体27と接合するフランジ部25aに設けることで外観を損なうことなくアース線61をねじ62で簡単に接続することができる。アース線61はランプヒータ30への給電用配線と同様に便座22から本体21内部に一旦引き込んで、本体充電部のアースとまとめてアース接続できるので、アース線61が便座22から直接外部にでて邪魔になることがない。
【0032】
図4に示すように便座22の上枠体24の後部には別部材のヒンジカバー53が配設してある。従来一般的に使用されている樹脂製の暖房便座の場合は着座部25と一体に成形されているが、本実施の形態においては、図4で示す着座部25はアルミニウムで形成しヒンジカバー53はポリプロピレン樹脂で成形してある。前記構成を採用することにより、ランプヒータ30で加熱する箇所を必要最小限にして、加熱すべき熱容量を小さくすることにより、より少ない電力でさらに速く瞬間的に着座部25を昇温することができるようになり、さらに省電力にできる。つまり、着座部25のアルミニウムは熱伝導率が高いことにより受光した熱エネルギーは周辺に熱伝導し着座部25の広い範囲の温度が均一になるように作用する。一方、ヒンジカバー53は樹脂で熱伝導率が低いため着座部25の熱エネルギーはヒンジカバー54にはほとんど奪われない。
【0033】
このように便座22の上枠体24を熱伝導率の異なる複数の部材で構成することで、暖める必要がない部分に余分に熱を奪われることを抑制でき、熱のロスを少なくすることができる。ヒンジカバー53の取り付けは、樹脂性の下枠体27に対し着座部25と一部重合する位置に固定してありねじ等の締結部材69を内部空間に設けることで外観を損ねることなく、さらに上枠体24で挟み込むことでヒンジカバー53を別部材で構成しても製品本体と結合するヒンジ部をより強固にすることができる。
【0034】
便座22を構成する樹脂製の下枠体27には、その内面に輻射反射板29が取り付けられ、輻射反射板29上面の略中央部にはランプヒータ30が環装してあり、ランプヒータ30の近傍にはランプヒータ30と直列接続した復帰型サーモスタット31と非復帰型サーモスタット32が取り付けられており、万一の不安全事態に対して便座22の着座部25の温度過昇を防止するよう作用する。
【0035】
下枠体27への輻射反射板29の取り付けは、後方の左右2箇所は図7(b)に示すように抜け止め状にフックを付けた固定ボス27aが設けてあり、輻射反射板29を上方から固定ボス27aに押し付けることによりねじ等の固定部を使用することなくワンタッチで固定できる。一方、下枠体27の前方の左右にはねじ止め用のねじ止めボス27bが左右2箇所設けてあり、輻射反射板29の取り付け穴を介してをねじ65で固定している。
【0036】
輻射反射板29は着座部25と略相似形をしており下枠体27に対し略平行に設けてあり、その内外周の端部は略全周に亘り上方へ折り曲げた折り曲げ部29aを有している。ランプヒータ30は輻射反射板29の略中央の位置に輻射反射板29と適度の空間を持って配設してある。輻射反射板29の折り曲げ部29aによりランプヒータ30から横方向に放射した輻射エネルギーが上方に偏向されるので、ランプヒータ30から離れている着座部25の外周縁部および内周縁部の輻射密度を上げるように作用し、着座部25への輻射熱分布の均一化を図っている。この折り曲げ部29aの角度は30°〜60°が好適であり、30°以下の場合は便座22の断面に対し周縁部の温度が高くなり、60°以上の場合は中央付近の温度が高くなる傾向を示す。
【0037】
なお、輻射反射板29は、軽量にするために板状のアルミにウムにしたが、ステンレス板やメッキ鋼板などを用いてもよい。なお、この折り曲げ部29aの屈曲構成は便座の形状に合わせて適宜、着座部に集熱できるようにすればよい。
【0038】
輻射反射板29の上部には着座部25の略中央部沿って全周に亘って輻射型発熱体である1本のランプヒータ30が環装されている。このランプヒータ30輻射反射板29への固定は、ランプヒータ30の前後部分はバネ線材で形成した前固定具36と後固定具66で固定し、ランプヒータ30の側方部は復帰型サーモスタット31または非復帰型サーモスタット32の取り付けと共用の板ばね材で形成した固定金具63により固定してある。
【0039】
ランプヒータ30のガラス管33の前側曲線部の固定に使用する前固定具36は、図7(a)に示すようにガラス管33の直径寸法より開口部を小さくした略U字形状のとし、一方の端部を反射板29にねじ65で止めて、他方の端部を反射板に設けた孔に挿入係止する構成としたことで開きを防止してガラス管33は離脱せず、またもガラス管33を傷つけることなく線材で安価で簡単な構成で輻射発熱体の保持が実現できる。
【0040】
一方、ランプヒータ30の後方の両端部を固定する後固定具66は、前固定具36と同様にばね線材を折り曲げて形成したものであり、前後に配列したランプヒータ30の両端部を挟持する上方が開放の挟持部を前後に備え、ランプヒータ30の両端部を上方から押し付けることにより、両端部を個別に挟持する構成となっている。
【0041】
また、ランプヒータ30の両側方部は板ばね材で形成した固定金具63で保持している。固定金具63は先端部にはランプヒータ30を挟持するヒータ保持部を有し、元の部分にはサーモスタットを固定するサーモスタット取り付け部を有している。
【0042】
ランプヒータ30を保持するヒータ保持部は復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32のバイメタルへの輻射を遮らないようにバイメタルの外側に形成してある。ヒータ保持部は対向する一対の挟持片で構成し遊端部側の円弧部でガラス管33の外周面を挟持しており、ランプヒータ30への装着が容易であり、加えてそれらの遊端部はばね線材で形成したクリップ64を係止し拡開を防止し、便座の起倒時の衝撃が加わってもランプヒータ30の離脱を防ぐことができる。
【0043】
ランプヒータ30の保持を上記構成とすることにより、使用者が使用目的に合わせて便座22を起立状態と略水平状態の倒置状態にする回動動作にともなう衝撃が便座22に加えられても、板状のアルミ製の輻射反射板29と、バネ線材で形成した前固定具36と後固定具66と、弾性材である板バネ材の固定金具63が衝撃を緩和するので、ランプヒータ30のガラス管33やフィラメント34の破損を防ぐことができる。
【0044】
一方、図7に示すように、復帰型サーモスタット31はバイメタルがランプヒータ30の輻射エネルギーを受光するように空洞部28内でランプヒータ30に対向させて配置してある。また、バイメタルの受光表面には輻射吸収材として耐熱性の黒色塗料を塗布している。そして、復帰型サーモスタット31は輻射吸収材により輻射型発熱体からバイメタルに向けて輻射された輻射エネルギーを効率よく吸収し、より速やかにバイメタルの温度を上げるように構成している。
【0045】
また、復帰型サーモスタット31は、ランプヒータ30とバイメタルとの間の距離より、ランプヒータ30と着座部25との間の距離が大きくなるように設定されている。この距離は、着座部25の内側表面に設けた受光面である輻射吸収層40までの距離を示す。以上のようにサーモスタットと輻射発熱体との距離は安全上重要な意義をもつものであるから、寸法精度は高精度のものが求められる。そのため復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32の取り付け部とランプヒータ30の保持部とを1つの固定金具63で固定したので輻射発熱体30と復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタットの距離を精度よく一定に保てるので異常加熱を正確に検知でき、反射板29との
位置規制も簡単な構成で実現できる。
【0046】
なおランプヒータ30と本体21に内蔵する制御部49とを接続するリード線の配線は輻射反射板29に設けた孔や復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32近傍の切り欠き部から輻射反射板29の裏面を配線するので反射を遮ることなく、リード線は輻射熱を受けにくいので使用するリード線も高い耐熱性能を要求される耐熱被覆でなくて良い。
【0047】
下枠体27下面には便座22が倒置状態で便器20の上面に接触する4個の脚が設置してある。脚は軟質の樹脂材料で形成してあり便座22の回動にともなう衝撃を吸収する。脚は下枠体27に設けた2個の固定孔に脚の突起部を嵌入して固定してある。
【0048】
下枠体27の固定孔は間隔を開けて設けてあり、その中央には下枠検査孔が設けてある。また下枠体27の上部に設置した輻射反射板29の下枠検査孔に対応する位置には反射板検査孔が設置してあり、反射板検査孔の上方にランプヒータ30が配置されている。上記構成により、下枠検査孔と反射板検査孔を介して便座の外部からランプヒータ30を目視検査することが可能な構成となっている。なお、下枠検査孔は脚を取り付けることにより隠蔽されゴミや水の浸入を防ぐことができる。
【0049】
サーモスタットは通常、バイメタルが金属製のキャップに内包されている構成のものが使用される。この構成ではまずキャップが加熱され、バイメタルの加熱はキャップからの輻射によって行われるため、バイメタルが所定の温度に達するまで時間を要するので、短時間で便座22の温度が変化するような場合には回路の遮断に遅れが生じる場合があった。
【0050】
然るに本実施の形態では、それを解決するために、復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32はバイメタルを露出し、バイメタルの表面に輻射吸収材として耐熱性の黒色塗料を塗布している。従って、バイメタルがランプヒータ30の輻射エネルギーを直接受光するので、ランプヒータ30からの輻射エネルギーで直接、バイメタルが加熱されるのに加えて、バイメタル表面に輻射吸収材として耐熱性の黒色塗料を施しているので、ランプヒータ30からバイメタルへ到達する輻射熱の殆どがバイメタルに吸収され便座22の温度の急激な変動にも迅速に追従し、復帰型サーモスタット31と非復帰型サーモスタット32はランプヒータ30と直列に電気接続されているので、温度過昇の際にはランプヒータ30の通電を遮断することができる。また、復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32はバイメタルがランプヒータ30の輻射エネルギーを受光するようにキャップ52は透明ガラスにしてある。なお、透明ガラスのキャップ52を設けたことにより、復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32の内部に水滴やほこりが侵入しない防滴あるいは防水タイプにすることができ、万が一、空洞部28が浸水した場合でも復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32の通電部への浸水を防止でき、電気絶縁を維持できるため感電を防止することができる。
【0051】
なお、キャップ52の透明ガラスは、石英ガラスを用いることでランプヒータ30の輻射エネルギーの透過特性が優れ、より高速応答にすることができ、遮断安全性を高めることができる。もちろん、必要の度合いによりその他のガラスでも実用になることはいうまでもない。また、透明ガラス53の板圧は厚くしすぎると透過性能が低下することから板厚1.5mm以下がよく好ましくは1.2mm以下が望ましい。また、上記の各実施の形態では着座部の材料をアルミニウム板のプレス加工品としたが、アルミダイカストなど、他の加工法であっても同様の効果を得ることができる。金属の種類も銅板や鋼板であってもよい。
【0052】
さらに、復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32はランプヒータ30との距離よりランプヒータ30と着座部25との距離が大きくなるような位置に設定している。これにより、着座部25の表面温度の上昇より早く、バイメタルの温度を上昇させるので、異常時に便座22の着座部25の表面温度が過昇して火傷等の危険な状態にならないうちにランプヒータ30の通電回路を遮断することができ安全にできる。
【0053】
また本実施の形態では、図3に示すようにランプヒータ30に対向して復帰型サーモスタット31と非復帰型サーモスタット32とを設け、各々のサーモスタット31、32は輻射発熱体と電気的に直列に接続している。なお、復帰型のサーモスタット31は、やや低い温度で遮断作動し、非復帰型サーモスタット32は復帰型のサーモスタット31より高い温度で遮断作動する作動温度にすることによって、より高い多重安全性および長期間、安全かつ快適に使用することができる。
【0054】
すなわち、ランプヒータ30に復帰型サーモスタット31、非復帰型サーモスタット32を直列に接続し、更にこれらを直列接続してランプヒータ30の通電回路を構成することで、ランプヒータ30に異常通電が生じた場合にサーモスタットでランプヒータ30の通電回路を遮断するため、ランプヒータ30への通電を安全に停止する。そして、サーモスタット31、32はオフ動作温度が異なるものを用いているので、万一、一方のサーモスタットに不具合が生じ、ランプヒータ30の通電回路を遮断できない状態になった場合でも、もう一方のサーモスタットでランプヒータ30の通電回路を遮断するので、安全である。また、ランプヒータ30は、輪状の1本のランプヒータ30を便座24の空洞部28の略全体に配置しても、反射板に保持しているので使用者の体重で便座24に少々の撓みが生じても、直接ランプヒータ30に応力がかかる問題が解消され、便座22の撓み等によるランプヒータ30の破損の危険を解消することができる。したがって、人がトイレに入室してから便座22に着座するまでの数秒という極めて短時間で着座部25を均一に加熱することができ、安全で快適に使用できる。
【0055】
ランプヒータ30は、石英ガラス製のガラス管33の内部にタングステンからなるフィラメント34およびアルゴンなどの不活性ガス35に微量のハロゲンガスを封入して構成されており、フィラメント34の発熱に伴ってハロゲン化タングステンを形成するハロゲンサイクル反応を繰り返すことにより、フィラメント34の消耗を防止するよう作用している。この作用により熱容量の非常に小さいフィラメント34を熱源とすることができ、輻射エネルギーの極めて急峻な立ち上がりを行わせることができる。
【0056】
つまり、ランプヒータ30は、使用者がトイレ室に入室し、衣服を下ろし、お尻を便座22の着座部25に着座するまでの、数秒間に便座22の着座部25を適温まで高速に昇温させることができる輻射型発熱体である。
【0057】
ガラス管33は3500nm以上の波長はほとんど吸収してしまうので、輻射エネルギーで効果的に着座部25を加熱する為に、近赤外線から中赤外線を発するものであり、発光波長の分光分布のピークが少なくとも3500nm以下であるランプヒータ30を用いている。これを実現するために、ランプヒータ30のフィラメント34の色温度が800K以上となるように設定している。なお、ランプヒータ30は、要求される特性の度合いにより必ずしもハロゲンランプヒータである必要はない。
【0058】
ランプヒータ30のガラス管33は成形加工を容易にするために曲線部と直線部30a、30b、30cを組み合わせ略環状に成形し、互いに重合する両端部の給電接続部を着座部25後部に配置してある。両端部の給電接続部は着座部25の後部で前後に重合するように配置してある。給電接続部はガラス管33を封口処理し外側にシリコンカバーを被せてあり、この部分からは輻射エネルギーが放出されないが、着座部の後部は身体の密着
度合い低いため快適性への影響はほとんどない。
【0059】
フィラメント34は螺旋のコイル状で長さが900〜1000mmの長さであり、その略中央部となる便座前部中央付近で2本のフィラメント34を接続した構成である、フィラメント34の巻きピッチは場所により変えてありランプヒータ30からの輻射エネルギーの放射量を座面の広さや座面までの距離や人体の密着状態などに応じて設定してある。本実施の形態においては、着座部25の前方に対応する箇所を祖とし、側方と後方に対応する箇所を密としている。これにより着座状態でほとんど脚があたらない前方の加熱量を抑制し、脚が密着する側方と便座22の空洞部の容量が大きい後方の加熱量を高めることにより、快適な暖房を実現している。
【0060】
便座前部中央付近に対応するフィラメント34の接続部はフィラメント34の巻きピッチをフィラメント34の線径の略2倍とし、ピッチの隙間に相互のフィラメント34を嵌合し、螺旋の中央に接合ピンを挿入しフィラメント34と接合ピンをスポット溶接して接続している。
【0061】
また便座22を本体21に回動自在に枢支している回動軸44には電極45が設置され、本体21の軸受け部(図示せず)とともに便座位置検知手段46を構成し、便座22が起立状態にあるか、着座して使用できる便器20上に略水平の倒置状態にあるかを検出するようになっている。
【0062】
本体21には、室温検知手段としての室温サーミスタ47の検知信号を取り込んでランプヒータ30の温度制御を行い、かつ便座22のランプヒータ30に通電することにより昇温を開始した時点からの経過時間をカウントするタイマー部48を有するマイクロコンピュータを主体とする制御部49が設けられている。そして、制御部49は人の入室を検知する人体検知センサー26や着座検知手段38と便座位置検知手段46の信号を取り込んでランプヒータ30への通電の開始と停止の制御と、サーミスタ43、室温サーミスタ47からの信号を取り込んで採暖面である着座部25の温度が適温である所定の温度になるようランプヒータ30の温度制御が行えるようになっている。
【0063】
以上のように構成された衛生洗浄装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0064】
まず、使用者がトイレに入室した場合、人体検知センサー26が入室を検知し、その信号が制御部49に送られる。このとき、便座位置検知手段46の信号により便座22が略水平の使用位置にあるのを確認すると、制御部49はランプヒータ30に通電を開始する。この初期通電により投入エネルギーは瞬時に輻射エネルギーに変換され、フィラメント34からガラス管33および輻射反射板29を経て便座22の着座部25の方向に放射される。さらに、ランプヒータ30の輻射エネルギーは輻射吸収層40および着座部25を昇温する。
【0065】
このように本実施の形態においては、使用者がトイレに入室すると、ランプヒータ30に通電し、便座22の着座部25の採暖面をほぼ瞬時に加温することができ、かつ制御部49の故障などによる万一の不安全事態に対しても、ランプヒータ30の輻射エネルギーをバイメタルが受光する高速応答の復帰型サーモスタット31および非復帰型サーモスタット32によりランプヒータ30の通電を遮断できるので、従来一般的に使用されている暖房便座のように常時通電保温して放熱ロスが大きいものと違って、放熱ロスがほとんどなく極めて省エネ型でかつ安全な暖房便座を実現するものとなる。
【0066】
また、制御部49は、通電開始時のサーミスタ43および室温サーミスタ47の信号をもとに、両者の温度差やそれぞれの温度から演算を行い、あらかじめ設定、記憶されてい
る高容量で通電する初期通電の通電制限時間の最適値を選択し、タイマー部48でカウントしている経過時間が通電制限時間に到達すると通電量を低減または零にし、その後サーミスタ43の信号をもとに便座22の着座部25が適温になるよう通電量を制御する。
【0067】
これにより、サーミスタ43は実際に使用者が触れる着座部25付近の温度を検知し、制御部49は精度良く適温まで昇温、維持するので、便座22の使用が快適であり、さらにサーミスタ43および室温サーミスタ47の信号をもとに負荷量に合わせて輻射エネルギーの投入量を制御するので、より精度良く安全に適温まで加熱することができる。
【0068】
また、初期通電時間制御を優先的に行うことで通電制限時間後は通電量を低減し昇温速度を減ずるので、たとえ便座温度検知手段の応答速度が遅くても安全に便座を加温することができ、また安価な便座温度検知手段を使用することもできる。通常、一般的なヒータでは、印加電圧を低減させて温度を制御するものが多いが、ランプヒータ30はフィラメント34の発熱に伴ってハロゲン化タングステンを形成するハロゲンサイクル反応を繰り返すことにより、フィラメント34の消耗を防止しているため、ガラス管の温度が200℃以下になるとハロゲンサイクルが不調となる。従って、ランプヒータ30で着座部25を適温にするためには、ハロゲンサイクルが有効な出力範囲で通電サイクルを変化させて行う。
【0069】
一方、便座22が起立状態にあったり、男子使用者がトイレ室に入室後小用のために便座22を起立状態に回動した時は、便座位置検知手段46の信号をもとに制御部49がランプヒータ30への通電を停止するか、通電量を絞る。これにより、無駄に便座22を加温することを低減でき、さらに省エネを図ることができるとともに、通電状態で、かつフィラメント34の張力方向である長さ方向に重力がかかって断線に至る寿命を短くすることを防止できる。
【0070】
次に、使用者が排便のために着座すると、着座検知手段38の信号によりランプヒータ30への通電量を零または便座温度が過昇しないところまで、通電量を変化させて制御する。これにより、使用中に便座温度が過昇することなく、火傷等が生じる心配なく安全に使用できる。
【0071】
特に、暖房便座はランプヒータを内蔵した便座に直接皮膚を接触させて着座するため、安全に対しては十分な配慮が必要である。通常の使用状態では、上述のように安全に快適に使用できるが、万一何らかの原因でマイコン等、制御部49に不具合が生じ、ランプヒータ30への通電が継続して行われた場合などにも安全に動作することが必要である。本実施の形態においては制御回路において、通常の温度制御に加えてヒータ通電信号を監視し便座温度が異常上昇した場合にはヒータ通電を遮断する安全回路を構成している。
【0072】
排便終了後、使用者が操作部を操作することにより、本体21に組み込んだ温水洗浄装置が作動し、ノズルから噴出した温水により局部を洗浄することができる。
【0073】
用便後、使用者がトイレから退室すると、人体検知センサー26は人体の検知が終了し、人体検知の信号を制御部へ送信することを停止することにより、制御部49はランプヒータ30への通電を停止あるいは通電量を低減し便座22の温度を下げる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明の暖房便座は、輻射型発熱体からの輻射エネルギーで効率的に着座部を加熱しで速やかに着座部を昇温することができるので、使用者が着座して使用する暖房機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1における便器に搭載した衛生洗浄装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における暖房便座の模式図
【図3】本発明の実施の形態1における暖房便座の着座部を取り外した平面図
【図4】本発明の実施の形態1における暖房便座の要部分解斜視図
【図5】本発明の実施の形態1における暖房便座の着座部の断面図
【図6】(a)本発明の実施の形態1におけるサーモスタット取り付け部の斜視図(b)サーモスタット取り付け部の側面図
【図7】本発明の実施の形態1における前側ヒータ保持部の断面図
【図8】本発明の実施の形態1における反射板保持部の断面図
【図9】(a)本発明の実施の形態1におけるヒンジカバー取り付け部の平面図(b)ヒンジカバー取り付け部の断面図
【図10】本発明の実施の形態1におけるアース接続部の断面図
【図11】従来の暖房便座の要部の断面図
【図12】従来の暖房便座の風洞部内の平面図
【図13】従来の暖房便座の上部反射板の平面図
【符号の説明】
【0076】
22 便座
24 上枠体
25 着座部
27 下枠体
28 空洞部
30 ランプヒータ(輻射型発熱体)
34 フィラメント
35 不活性ガス
55 温水洗浄装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠状の着座部を有する上枠体と下枠体とで構成し内部に空洞部を有する便座と、前記空洞部に前記着座部を加熱する1本の輻射型発熱体を備え、前記輻射型発熱体は前記着座部の略中央部に沿って全周に亘って環装した暖房便座。
【請求項2】
輻射型発熱体は、その両端部を互いに重合させて略環状に成形した請求項1に記載の暖房便座。
【請求項3】
輻射型発熱体の重合させた両端部を着座部の後部中央付近に配置した請求項1または2に記載の暖房便座。
【請求項4】
輻射型発熱体は熱透過管に螺旋状のフィラメントを不活性ガスとともに封入したランプヒータとし、前記フィラメントは2本のフィラメントを略中央部で接続して構成した請求項1から3のいずれか1項に記載の暖房便座。
【請求項5】
フィラメントの螺旋状の巻きピッチに粗部と密部を設けた請求項1から4のいずれか1項に記載の暖房便座。
【請求項6】
熱透過管の形状は曲線部と直線部を組み合わせて環状を形成した請求項1から5のいずれか1項に記載の暖房便座。
【請求項7】
輻射型発熱体の両端部の少なくとも封口処理する端子部を直線状にした請求項1〜6いずれか1項に記載の暖房便座。
【請求項8】
温水洗浄装置と、請求項1から7のいずれか1項に記載の暖房便座を備えた衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−110087(P2008−110087A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295141(P2006−295141)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】