説明

暖房便座

【課題】即暖性と省エネルギー性に富んだ瞬間便座暖房を実現する。
【解決手段】便座内部に設置されたランプヒータ2を人体検知センサ10、サーミスタ3、着座センサ4、ゼロクロス検出回路6の信号によって、トライアック5で制御する。人体検知センサ10で使用者の存在を検知した時、トライアック5でランプヒータ2を急速に過熱して便座1を暖め、かつ初期のランプヒータ2への電力供給時間をサーミスタ3で検知した周囲温度に応じて変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座を短時間で暖房する速温暖房便座のヒータの制御構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の暖房便座では、図7に示すように、内部に空洞部101を持つ便座102の着座部103を透明ポリプロピレン樹脂で構成し、着座部103の表面に設置された輻射熱吸収層104を設置し、空洞部101にはランプヒータを設置していた。ランプヒータ105からの輻射は透明ポリプロピレン樹脂性の着座部103を透過し、表面に設置された輻射熱吸収層104で熱に変換され、着座部103を昇温させるというものであった。臀部が接触する輻射熱吸収層104で熱の発生が行われるので、便座102の内部からコードヒータなどで熱伝導で加熱される方式と比較すると短時間で臀部の暖房が可能となる。また温度制御はランプヒータ105近傍に置かれたサーモスタット106で行い、温度ヒューズ107で異常加熱の危険を防ぐようにしたものであった(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−14598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらランプヒータは速暖性能が良いため、またサーモスタット等の温度検出装置の検知遅れなどによって、ランプヒータの制御の速やかな制御ができず、便座を加熱しすぎたり周囲温度の変動に応じた制御がしにくいという欠点があった。即ち、周囲温度が低い冬場に合わせて加熱出力を設定すると、周囲温度が高くなったら過加熱になり、周囲温度が高い夏場に合わせて加熱出力を設定すると、周囲温度が低くなったら加熱不足になる可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記従来の課題を解決するために、本発明の瞬間暖房便座は便座の空洞部に熱エネルギーの発生源であるランプヒータを有し、前記便座を使用する人を検出する人体検出手段と、前記便座の着座面の温度を検知する温度検知手段と、前記ランプヒータの通電時間を制御するランプヒータ制御手段とを備え、前記ランプヒータ制御手段は前記人体検出手段の出力と前記温度検知手段の検出温度とに応じて前記ランプヒータの初期電圧印加時間を制御する構成としたものである。
【0005】
この構成によって、便座を使用しようとする人体を検出した時に便座表面温度を温度検知手段で検出し、検出温度に応じて、ランプヒータの初期電圧印加通電時間を設定し、一定温度に加熱して通電を切るという一連の流れが実行される。つまり、周囲温度が変動して便座の表面温度が変わっても、適切な温度に加熱するための通電時間制御を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、即暖性能を有する暖房便座の暖房開始、終了のタイミングと、暖房温度の最適化を図り、使い勝手の良い、省エネルギー性に富んだ暖房便座の実現を可能としたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、便座の空洞部に熱エネルギーの発生源であるランプヒータを有し、前記便座を使用する人を検出する人体検出手段と、前記便座の着座面の温度を検知する温度検知手段と、前記ランプヒータの通電時間を制御するランプヒータ制御手段とを備え、前記ランプヒータ制御手段は前記人体検出手段の出力と前記温度検知手段の検出温度とに応じて前記ランプヒータの初期電圧印加時間を制御する。
【0008】
この構成によって、必要な通電時間を周囲の温度によって変わる便座表面温度を検知した上で設定して、過剰に加熱することがないので、即暖性能を有し、使い勝手の良い、省エネルギー性に富んだ暖房便座の実現を実現する暖房便座を実現することが可能になる。
【0009】
第2の発明は、特に第1の発明でランプヒータの温度制御に用いるランプサーミスタをランプヒータの近傍に設け、前記ランプサーミスタの検知温度を温度検知手段の検知温度として参照するようにしたものである。
【0010】
この構成は、つまり、ランプヒータの過昇温度防止のために近傍に設けたランプヒータ用のサーミスタであるランプサーミスタを、ランプヒータの通電前であれば便座表面温度に該当する温度を検知するとして、これを参照する構成としたものである。これにより、既設の温度検知手段を兼用して、的確なタイミングで温度参照を行うことによって構成を簡易にすることができる。
【0011】
第3の発明は、特に第1または2の発明で、ランプヒータ制御手段は、温度検知手段の検出温度を複数段階に判定し、検出温度が低い段階から高い段階になるに従ってランプヒータ初期電圧印加時の通電時間が順次短くなるように設定したものである。
【0012】
この構成によって、ランプヒータ通電前の検出温度を複数段階に分けて判定し、検出温度が低い段階から高い段階になるに従ってランプヒータ初期電圧印加時の通電時間が順次短くなるように設定したものであり、周囲温度の変動に応じてランプヒータの初期電圧印加時の通電時間を変動させることにより、通電時間の過剰をなくして即暖性能を有し、最適な便座温度が設定できる。
【0013】
第4の発明は、特に第1から3のいずれかの発明で、ランプヒータ制御手段は、温度検知手段の検出温度が所定の温度以上であれば、初期電圧印加を行わないようにした。
【0014】
これによって、温度検出手段の検出温度が一定温度よりも高くなったら、ランプヒータを通電しないことにより、過剰な加熱の抑制が可能となる。
【0015】
第5の発明は、特に第1から4のいずれかの発明で、ランプヒータ制御手段は、初期電圧印加時の便座表面の温度が50℃を越えないように制御するようにした。
【0016】
これにより、便座表面温度を50℃に抑えることにより、安全な便座加熱が実現できる。
【0017】
第6の発明は、特に第1〜第5の発明で、ランプヒータ制御手段は、初期電圧印加通電が終了する前に温度検知手段による検知温度が所定温度以上になると初期電圧印加通電を停止するものであり、安全性に優れた便座を供給するものである。
【0018】
第7の発明は、特に第2〜第6の発明で、初期電圧印加通電終了後はランプサーミスタの制御温度を変更するものである。
【0019】
これによって、ランプヒータが一旦立ち上がった後はランプサーミスタの制御温度を変更し、さらにランプヒータへの供給電力も低減するものであり、便座使用中の適温での保温状態を実現して省エネルギー性を実現するものである。
【0020】
第8の発明は、人が便座に着座していることを検出する着座検出手段を有し、前記ランプヒータ制御手段は、着座検出手段からの出力がある間は前記ランプヒータへの電力供給を行い、前記着座検出手段からの出力がなくなると前記ランプヒータへの供給電力を停止するものである。
【0021】
これによって、着座が検知されたときのみ暖房するので、便座使用時以外はランプヒータの通電を行わず、より省エネとなる。
【0022】
第9の発明は、便座の着座面を暖房する複数の加熱手段と、便座を使用とする人を検出する人体検出手段と、前記複数の加熱手段のそれぞれが加熱した便座表面温度を検出する温度検知手段とを備え、前記人体検出手段と前記温度検知手段の出力に基づいて、前記複数の加熱手段への電力の供給タイミングと、電力供給時間を制御する制御手段を備えたものである。
【0023】
この構成によって、複数の加熱手段に対して、最適なタイミングで加熱の開始終了、また、最適な温度への加熱制御を行うことができて、便座の使われ方により即した、快適、省エネ暖房が実現する。
【0024】
第10の発明は、特に第9の発明の複数の加熱手段は、少なくとも便座表面のうち人体大腿部が接触する表面を加熱するランプヒータと、前記ランプヒータが加熱しない便座表面のすくなくとも一部を加熱するコードヒータとを備えたものである。
【0025】
これによって、複数の加熱手段は、便座の着座面の異なる部位に配置されるので、人体と接触する部位によって、加熱されかたが異なることになるが、それぞれの加熱手段の特性を生かした暖房の仕方をするので、便座表面のより均一な加熱が可能となる。
【0026】
例えば、ランプヒータは、一時的に大電力の供給が必要ではあるが、即暖房することが可能、コードヒータは、即暖房には向かないが継続的に低電圧供給で低温保温するのに有効。これらの特性を生かして、暖房タイミングと、暖房温度をそれぞれの加熱手段毎に異ならせることで、より最適な省エネ、快適暖房ができる。
【0027】
第11の発明は、特に第10の発明において、制御手段は、人体検出手段による人体検出がされないとコードヒータへの通電を行ない、ランプヒータへの通電は行わないようにしたものである。
【0028】
これによって、コードヒータによる最低限の常時保温を実現することで、厳寒時などでも便座温度を確保することが可能となる。
【0029】
つまり、人体検出手段の人体検出がない間は、コードヒータにより低温保温を便座にて行う。人体検出されて、コードヒータへの通電が終了しても、一度暖まった便座周縁部は直ぐに低温化してしてしまうことはない。また、人体検出がされたときには、ランプヒータでの加熱に電力を供給するようにして、電力の使い分けをすることで、上限のある電力の有効利用が可能となる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における暖房便座の構成図である。
【0032】
図1において、便座1は内部に空洞部を有し(図示せず)、暖房用のランプヒータ2と温度制御用のサーミスタ3が収納されており、便座本体部1aには便座1に着座している人を検出する着座センサ4、ランプヒータ2制御用のトライアック5、AC100Vから交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路6、ランプヒータ2の通電を制御するヒータ制御手段7、バッファー8、サーミスタ3と直列に接続される抵抗9、用を足そうとトイレ空間に入ろうとする人を検出する人体検知センサ10からの信号の受信部11などが納められている。サーミスタ3はランプヒータ近傍に設けられてかつ、暖房する便座の表面温度に近似した温度を検知することが可能な位置に取り付けられており、便座表面温度に近似した温度を参照して便座表面温度を推定する構成としている。
【0033】
人体検知センサ10、サーミスタ3、着座センサ4、ゼロクロス検出回路6からの信号はヒータ制御手段7に入力され、その信号入力から演算されて、バッファー8へランプヒータ2の制御信号が出力される。ランプヒータ2はトライアック5を介してスイッチング制御され、AC100電圧が印加されてランプヒータ2の出力が決定される。
【0034】
ここで人体検知センサ10は焦電型赤外線センサで人体を検出し、その検出信号を最終的にヒータ制御手段7に送信するものである。人体検知センサ10からの信号は信号受光部11で受信され、ヒータ制御手段7に入力される。
【0035】
このような構成で、人体検知センサ10で人体を検出して、暖房手段であるランプヒータ2に通電を開始するのであるが、ランプヒータ2への通電開始前に、サーミスタ3でランプヒータ2周辺の温度を検出し、ランプヒータ2への初期電圧の印加時間を決定する。
ランプヒータ2の周辺温度は便座1および便座本体1a周辺の温度とも相関があるのでサーミスタ3で検出した温度に応じて温度が低い時には、ランプヒータ2への初期電圧の印加時間を長く、温度が高い時には、印加時間を短くして便座温度を周囲温度の変動に対してもできるだけ一定になるようにしている。
【0036】
図2は検知温度とランプヒータ2への電圧印加時間の関係を示すグラフである。ランプヒータの電力は600〜800ワット、周囲温度が0℃に近い厳冬期でも10秒以下の加熱で便座1を冷たく感じない程度まで加熱することが可能であり、周囲が30℃を越えるような夏場では1秒以下の加熱、あるいは加熱を行わないでも便座を快適に保つことができる。また当然人が使わないときにはランプヒータ2への通電は行わない。
【0037】
この時、検知温度に対応したランプヒータ2への電圧印加時間は例えば、5℃毎に区分した区間ごとに秒単位で印加時間を設定することになり、印加時間は温度の関数になる。この印加時間は必要ならば、トライアック5の制御可能単位である商用周波数のゼロクロスの周期単位(60Hzで8.3ミリ秒)で設定可能である。このように周囲の温度に応じたランプヒータ2への通電を行うことによって、即暖性能を有し、使い勝手の良い、省エネルギー性に富んだ暖房便座を実現することが可能になる。
【0038】
図3は本発明の実施の形態1における他の検知温度とランプヒータ2への電圧印加時間の関係を示すグラフである。図3では検知温度が30℃以上ではランプヒータ2への初期電圧印加は行わないことを示している。このように周囲の温度がある程度高いときにはランプヒータ2への通電を行なわないことによって、使い勝手の良い、省エネルギー性に富んだ暖房便座を実現することが可能になる。
【0039】
図4は本発明の実施の形態1における暖房便座の他の構成図である。図4において便座用サーミスタ12が便座1の表面温度を測定するために設置されている。便座用サーミスタ12は便座1の温度が50℃を越えないようにランプヒータ2の通電を制御するために設置されたものである。50℃を上限にしたのは、10人のモニター男性、女性に50℃に保った便座に座ってもらった結果のアンケートによるものである。10人中9人中9人は特に熱いとは感じなかったと回答し、また、他の一人からも我慢できないほどではないとの回答を得ている。また実際50℃の便座に座っても人体の熱容量が大きいので便座温度は急激に低下し、やけどなどの恐れもない温度として決定したものである。
【0040】
便座温度の測り方としては、上述の専用の便座用サーミスタ12を設置する方法のほかに、正確さには少し欠けるがランプヒータ3の温度から推測することもできる。
【0041】
また図1に示したサーミスタ3はランプヒータ2通電前の近傍温度を測定するだけでなく、ランプヒータ2通電中の温度も測定、ヒータ制御手段7で判定できる。従って温度制御の閾値を設定して、ランプヒータ2の初期電圧印加中に閾値を越えたときは残り時間があるに関わらずランプヒータ2への通電を停止する。このことによっても便座表面温度を一定に抑え、安全で、快適な瞬間暖房便座を実現することが可能となる。
【0042】
図5はランプヒータ2への印加電力の時間変化を示した図である。
【0043】
800ワットの初期電力が供給されたランプヒータ2は6秒後、供給電力が200ワットの変更され、便座1の使用者が着座している限り、200ワットの電力で便座1を保温し続ける。保温時もサーミスタ3は温度検知を続け、設定温度を越えた時は電力供給を停止することは言うまでもない。またその保温時の制御温度は初期の電力供給時の制御温度とは異なっていて、長時間の便座1使用に快適な温度の設定としている。このような構成によって、ランプヒータ2に余分な電力が供給されるのを防ぎ、省電力性に優れた瞬間暖房便座が実現される。
【0044】
また図1において着座検出手段である着座センサ4は赤外線LEDの発光部と受光部を持った形式のものであり、人が便座1に着座している時は発光部からの光が人体に反射して受光部で検出することによって着座を検出している。その出力は電圧としてヒータ制御手段7に入力され、着座中と判断されたら、ヒータ制御手段7からの出力でランプヒータ2は保温を実行し続ける。人が便座1から立って離れると、受光部での反射光検出ができないので着座なしと判定され、出力電圧はなくなり、ヒータ制御手段はランプヒータ2への電力供給を停止する。このような構成によって、人が必要とするときだけ電力が供給され、使用が終わると速やかに電力供給を停止する省エネルギー性に富んだ瞬間暖房便座を実現することが可能となる。
【0045】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における暖房便座の構成図である。
【0046】
ここで実施の形態1との差異は、ランプヒータ2に加えて、線状のコードヒータ13が便座1の空洞部の天面に貼り付けられ、便座を暖めていることである。ランプヒータ2の作用効果は実施の形態1と何ら変わるところはない。コードヒータ13はヒータ制御手段7からの出力で、バッファー14、トライアック15を介して制御され、AC100電圧が印加されてコードヒータ13の出力が決定される。またコードヒータ13の制御温度はサーミスタ16によって行われる。ここでランプヒータ5の制御温度を検出するサーミスタ3とコードヒータ13の制御温度を検出するサーミスタ16の制御温度は異なる設定としてある。それぞれのヒータの印加電力、及び加熱特性(ランプヒータ2は輻射加熱が主であり、コードヒータ13は伝導加熱が主である)が違うことから、制御温度も違えている。コードヒータ13は線径が細いので、ランプヒータ2が収納できない(従って輻射加熱のし難い部分)高さのない空洞部周縁に設置してランプヒータ2の補間ヒータとしての役割を果たしている。コードヒータ13導入したことによって、便座1の温度分布改善され、一層快適な瞬間暖房便座を提供することが可能となった。
【0047】
また図6において着座センサ4が人の着座を検出しなくなった時(人が用を足し終えてトイレ空間から出て行った時は、コードヒータ13のみへの通電制御を行ない、ランプヒータ2へは通電しないことにより、再び人が用を足そうとした時でも、ランプヒータ2の輻射加熱の行き届きにくい便座1の周縁部が暖められているので、座った時の冷たく感じる不快感を軽減することができ、また、コードヒータ13の制御温度も人間が常体と感じない最低温度27℃付近に設定することによって全体のエネルギーも少なく抑えることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる暖房便座は、通常は便座暖房の電力を供給せず、人体検出をした時にランプヒータに通電し、しかも環境温度に応じた時間、電力印加を行うことにより、暖房装置の安全性確保、人体の有無によって暖房出力をこまめに制御するなど安全、省エネルギーな暖房機器にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1における暖房便座の構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるサーミスタ検知温度とランプヒータへの電圧印加時間の関係を示すグラフ
【図3】本発明の実施の形態1における他のサーミスタ検知温度とランプヒータへの電圧印加時間の関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態1における暖房便座の他の構成図
【図5】本発明の実施の形態1におけるランプヒータ2への印加電力の時間変化を示した図
【図6】本発明の実施の形態2における暖房便座の構成図
【図7】従来の暖房便座の断面構成図
【符号の説明】
【0050】
1 便座
2 ランプヒータ
3、16 サーミスタ
4 着座センサ
5、15 トライアック
7 ヒータ制御手段
10 人体検知センサ
13 コードヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の空洞部に熱エネルギーの発生源であるランプヒータを有し、前記便座を使用する人を検出する人体検出手段と、前記便座の着座面の温度を検知する温度検知手段と、前記ランプヒータの通電時間を制御するランプヒータ制御手段とを備え、前記ランプヒータ制御手段は前記人体検出手段の出力と前記温度検知手段の検出温度とに応じて前記ランプヒータの初期電圧印加時間を制御する暖房便座。
【請求項2】
ランプヒータの温度制御に用いるランプサーミスタをランプヒータの近傍に設け、前記ランプサーミスタの検知温度を温度検知手段の検知温度として参照するようにした請求項1記載の暖房便座。
【請求項3】
ランプヒータ制御手段は、温度検知手段の検出温度を複数段階に判定し、検出温度が低い段階から高い段階になるに従ってランプヒータ初期電圧印加時の通電時間が順次短くなるように設定した請求項1または2記載の暖房便座。
【請求項4】
ランプヒータ制御手段は、温度検知手段の検出温度が所定の温度以上であれば、初期電圧印加を行わない請求項1から3のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項5】
ランプヒータ制御手段は、初期電圧印加時の便座表面の温度が50℃を越えないように制御する請求項1から4のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項6】
ランプヒータ制御手段は、初期電圧印加通電が終了する前に温度検知手段による検知温度が所定温度以上になると初期電圧印加通電を停止する請求項1から5のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項7】
初期電圧印加通電終了後はランプサーミスタの制御温度を変更する請求項2から6のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項8】
人が便座に着座していることを検出する着座検出手段を有し、前記ランプヒータ制御手段は、着座検出手段からの出力がある間は前記ランプヒータへの電力供給を行い、前記着座検出手段からの出力がなくなると前記ランプヒータへの供給電力を停止する請求項1から7のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項9】
便座の着座面を暖房する複数の加熱手段と、便座を使用とする人を検出する人体検出手段と、前記複数の加熱手段のそれぞれが加熱した便座表面温度を検出する温度検知手段とを備え、前記人体検出手段と前記温度検知手段の出力に基づいて、前記複数の加熱手段への電力の供給タイミングと、電力供給時間を制御する制御手段を備えた暖房便座。
【請求項10】
複数の加熱手段は、少なくとも便座表面のうち人体大腿部が接触する表面を加熱するランプヒータと、前記ランプヒータが加熱しない便座表面のすくなくとも一部を加熱するコードヒータとを備えた請求項9記載の暖房便座。
【請求項11】
制御手段は、人体検出手段による人体検出がされないとコードヒータへの通電を行ない、ランプヒータへの通電は行わない請求項10記載の暖房便座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−25814(P2006−25814A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204364(P2004−204364)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】