暗号化方法、暗号化プログラム及び暗号化システム
【課題】 コストや労力をかけず効果的に人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化装置及び暗号化方法を提供すること。
【解決手段】 暗号化方法において、複数の人名文字データからなる人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する。また、コンピュータに、複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、として機能させるための暗号化プログラムとする。
【解決手段】 暗号化方法において、複数の人名文字データからなる人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する。また、コンピュータに、複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、として機能させるための暗号化プログラムとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化方法、暗号化プログラム、暗号化システムに関し、例えば、紙等の媒体に人名等の個人情報を記載する際の文字の暗号化に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
個人情報保護法の施行に伴い、人名などの個人情報の漏洩が社会問題化している。特に、臨床検査における結果報告書には、患者名とともに実施した検査項目名とその結果が表されており、万一これが検査会社から病院等の医療機関への搬送途中などで盗難、紛失などが起こると、当該患者が多大な損害を被るだけでなく医療機関や検査会社もその信用に大きなダメージを被る。
【0003】
このような損害等を回避するための個人情報の送信方法としては、例えば電子メールやフレキシブルディスクなど電子データとして受け渡す際に、データを暗号化するなどセキュリティーレベルの高い方法を使用することが考えられる(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−318875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、検査結果などを電子データとして受け渡す際には上記暗号化技術は極めて有用である。しかし、電子データの送受信は常にコンピュータを介して行う必要があり、また、暗号化された電子データを閲覧するためには常に解読用のソフトウェアを備えていなければならないことなどから、コストや閲覧のための労力において負担が大きく、現状ではまだ紙の報告書が主流で量も多い状況にある。
【0005】
ところが、紙の報告書の場合は上記のデジタルデータを暗号化してする手法は使えず、紙の報告書での個人情報保護対策が急務となっている。特に、紙の検査結果報告書等は緊急時に医療機関に対しFAXされる場合も多く、FAX番号の入力間違い等から生ずる誤送により情報が漏洩するといったことも大きな問題になっている。従って、紙の報告書で個人情報が容易に漏洩しないような方法があれば、報告書の搬送、FAX送信などが格段に安全となり、患者はもちろん医療機関、検査会社にとっても大きなメリットが得られる。
【0006】
以上、本発明は、コストや労力をかけず効果的に人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化装置及び暗号化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について検討を行った結果、個人情報を構成する文字の列の間に、暗号化のための文字を配置することで個人情報を暗号化させることに思い至った。この暗号化された個人情報は、紙などの媒体に印字された状態で送付可能となり、更に、送付された者はこの暗号化された文字列のうち、暗号化のために挿入された文字の位置情報をあらかじめ送付元より取得しておき、この個人情報用の文字を選択的に読み取ることで、解読も極めて容易に行うことができるようになる。即ち、このような方法を採用することにより、紙の媒体の送受信の場合においても十分高いレベルで人名等の個人情報の漏洩を防止することができるとともに、コストや労力を大きく削減することができるようになる。
【0008】
即ち、本発明に係る暗号化方法は、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する。なおここで「個人情報文字列データ」とは、複数の個人情報文字データが連続したものであって、個人情報とは、人名、住所、生年月日、年齢などをはじめとする個人を識別可能な情報をいう。なお限定されるわけではないが、後述する例を用いると、個人情報を人名「佐藤一郎」とし、これをカタカナで表現した場合、「サトウ イチロウ」が個人情報文字列データに該当し、「サ」、「ト」、「ウ」等の各文字が個人情報文字データに該当する。また「暗号化文字データ」とは、個人情報を暗号化するために用いられる文字データであって、この暗号化文字データが配置された結果の文字列データを「暗号化文字列データ」という。
【0009】
また、本発明に係る暗号化方法において、暗号化文字列データのカラム数を設定し、この設定されたカラムに対する個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定め、暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置することも望ましい。ここで配置される暗号化文字データは、ランダムに決定することもできるし、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定することもできる。また類似個人情報文字列データテーブルとしては、個人情報文字列データと、この個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい。また文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることも望ましく、文字配置パターンデータテーブルとしては、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることが更に望ましい。なお個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましく、暗号化文字列データのカラム数は、個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることも望ましい。
【0010】
また、本発明に係る暗号化プログラムは、コンピュータに、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、として機能させる。
【0011】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、暗号化文字列データ作成手段は、暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、カラム設定手段により設定されたカラムへの個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることも望ましい。なおこの場合において、暗号化文字列データのカラム数は、入力手段により入力される個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。このようにすることでより暗号の解読を困難にすることができる。
【0012】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されること、又は、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定されることが望ましい。またここで「類似個人情報文字列データテーブル」は、個人情報文字列データと、該個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい態様である。類似個人情報文字列データテーブルを用いる場合は、この結果作成される暗号化文字列が複数の文字列を表示することになり、暗号の解読を困難にすることができる点で有用である。
【0013】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることが望ましく、「文字配置パターンデータテーブル」は、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることも望ましい。このようにすることで、データの送付先に応じて同一の個人情報文字列データであっても異なる暗号化処理を行うことができ、暗号の解読をより困難にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、個人情報文字列データは、人名文字列データであること、更には、個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましい。
【0015】
また、本発明に係る暗号化システムは、連続した複数の人名文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列作成手段、として機能するための暗号化プログラムが格納された記録媒体を有するコンピュータと、このコンピュータに接続され、上記作成された暗号化文字列データを媒体に出力する出力装置と、を有する。
【0016】
また本発明に係る暗号化システムにおいて、暗号化文字列データ作成手段は、暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、カラム設定手段により設定されたカラムへの個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることも望ましい。なおこの場合において、暗号化文字列データのカラム数は、入力手段により入力される個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。このようにすることでより暗号の解読を困難にすることができる。
【0017】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されること、又は、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定されることが望ましい。またここで「類似個人情報文字列データテーブル」は、個人情報文字列データと、この個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい態様である。類似個人情報文字列データテーブルを用いる場合は、この結果作成される暗号化文字列が複数の文字列を表示することになり、暗号の解読を困難にすることができる点で有用である。
【0018】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることが望ましく、「文字配置パターンデータテーブル」は、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることも望ましい。このようにすることで、データの送付先に応じて同一の個人情報文字列データであっても異なる暗号化処理を行うことができ、暗号の解読をより困難にすることができる。
【0019】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、個人情報文字列データは、人名文字列データであること、更には、個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましい。
【0020】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、出力装置により媒体に出力された暗号化文字列のうち、暗号化文字列のみを隠す暗号解読手段も有すること、更に、この暗号解読手段は、透明なシールに不透明部材を配置したものであることが望ましい。特に、暗号解読手段をシールとすることで、一度媒体に貼り付けることで個人情報文字列を読み取ろうとする度毎に暗号解読手段の位置あわせを行う必要がなくなるため非常に簡便となる。
【発明の効果】
【0021】
以上、本発明により、非常に簡便な方法によって暗号化が容易となり、コストや労力をかけることなく人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化プログラム、暗号化システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の暗号化システムの実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0023】
図1は、本実施形態に係る暗号化システムの概略図である。本暗号化システム1は、モニタ2と、情報処理装置3(以下「コンピュータ3」とも言う。)と、キーボードやマウスなどの入力装置4と、プリンタなどの出力装置5と、モデムなどの通信装置6と、を有して構成されている。本システムにより、人名などの個人情報は暗号化され、コストや労力をかけることなく漏洩を防止することができる。
【0024】
本実施形態に係るコンピュータ3は、CPUなどの演算処理装置、RAMなどのメモリ、及び、ハードディスクなどの記録媒体、を少なくとも備えて構成されており、更に、この記録媒体には少なくとも暗号化プログラムが格納され、この暗号化プログラムを実行することで、コンピュータ3は暗号化処理を行うための装置として機能する。なお、このプログラムの実行により暗号化された個人情報は、出力装置5を介して紙などの媒体に印字され、FAX7等で送付予定先に送信可能となる。
【0025】
次に、本実施形態に係る暗号化プログラムのフローチャートを図2に示すとともに、本プログラムの動作について詳細に説明する。
【0026】
図2に示すとおり、本暗号化プログラムは、まず、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付け(S1)、受け付けた個人情報文字列データをコンピュータ3における記録媒体の一領域に格納する。
【0027】
ここで個人情報とは、上述したとおり、人名、住所、生年月日、年齢などをはじめとする個人を識別可能な情報をいい、個人情報を構成する文字種としてはカタカナ、ひらがな、漢字、アルファベット、数字及びこれらを混合したものなどを適宜使用することができる。なお、個人情報文字列データを構成する個人情報文字データの数(カラム数)は、暗号化など各種データの処理を行う関係上、所定の数以内としておくことが望ましい。カラム数を所定の数とする処理としては、個人情報文字列データの入力受付処理に先立ちカラム数設定処理を行っておくこと、又は、入力された個人情報文字列データの入力を受け付けた後設定カラム以上の文字データを省略するカラム数設定処理を行っておくことが考えられる。なお更に、個人情報文字列データの入力は、入力装置4を介して受け付けることもできるし、通信装置6を用いて電機通信回線経由で受け付けることもでき、特段に制限はない。
【0028】
上記個人情報文字列データの具体例として、例えば個人情報を日本人の氏名とし、その一例として「佐藤一郎」とし、文字種をカタカナとした場合、「サトウ イチロウ」が個人情報文字列データに該当する。なお、日本人の氏名をカタカナで表示した場合、多くの氏名が10カラム以下、殆どの氏名が20カラム以下で収まるため、個人情報文字列の数は10カラム以下が望ましく、より望ましくは20カラム以下である。稀に20カラムを超えてしまう場合もあるが、これ以後を切り捨ててしまってしまっても個人の識別が困難になることも少ないと考えられる。なお所定のカラム以下で収まる場合には後ろは空白で埋めておくことが望ましい。図3は、上記「サトウ イチロウ」の例において、カラムの数を10とし、残りのカラムを空白とした場合の例を示す。なお氏と名との間は空白を置いている。
【0029】
次に本暗号化プログラムは、格納された個人情報文字列データに基づいて暗号化文字列データを作成し、記録媒体の一領域に格納する(S2、再び図2参照)。暗号化文字列データの作成は、より具体的には、暗号化文字列データにおけるカラムの数を設定するカラム設定処理(S201)、カラムにおける個人情報文字データや暗号化文字データの配置パターンを設定する文字配置パターン設定処理(S202)、更には、連続する個人情報文字データの間に暗号化文字データを挿入する暗号化文字データ配置処理(S203)、が含まれる。
【0030】
カラム設定処理(S201)は、作成される暗号化文字列データの文字数(カラム数)を設定する処理である。カラムの数は、文字を挿入することで暗号化する必要から、入力された個人情報文字列データのカラム数より多いことが必要であり、暗号の解読を困難にするためには個人情報文字列データのカラム数の2倍以上が望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。
【0031】
この処理の具体例として、氏名「佐藤一郎」をカタカナで表記した上記個人情報文字列データの例の場合(図3の例の場合)、暗号化文字列のカラム数を2倍の20カラムとする処理が挙げられる。なお、このカラム数は、上記のとおり暗号の解読を困難にする必要から、より望ましくは3倍の30カラムであり、更に望ましくは4倍の40カラム以上である。
【0032】
文字配置パターン設定処理(S202)は、暗号化文字列データにおける個人情報文字データの配置パターンを設定する処理であって、具体的には、カラムのどの位置に個人情報文字データ又は暗号化文字データが配置されるのかのパターン(文字配置パターン)を設定する処理である。
【0033】
この場合において、文字配置パターンは送付先に応じて定められることが極めて有用である。送付先は、あらかじめこの文字配置パターンを把握しておくことにより、送付された暗号化文字列データから連続した個人情報文字データを取得することができるようになる。送付先と文字配置パターンとの対応については、送付先データと文字配置パターンデータとを対応付けた文字配置パターンデータテーブルを予めコンピュータの記録媒体の位置領域に記録しておくことが有用である。
【0034】
図4に、上記文字配置パターンデータテーブルの例を示し、図5に、図3における個人情報文字列データを図4の文字配置パターンデータテーブルを参照して送付先Aを選択した場合の個人情報文字列データの配置について示す。図5の送付先Aの文字配置パターンにおいては、個人情報文字データは、番号3、5、6、8、11、12、14、17、18、20のカラムに個人情報文字データが配置された例を示している(なお他のカラムには後述する暗号化文字データが挿入されるが、説明のため本図で表示は省略し、図6にて改めて示す)。
【0035】
暗号化文字データ配置処理(S203)は、連続する個人情報文字データの間に暗号化文字データを配置するための処理であって、より具体的には、パターン設定処理の結果、個人情報文字データが配置されないカラムに対し、暗号化文字データを配置する処理である。挿入する文字列は、個人情報文字データの解読を困難にすることができる限りにおいて制限はないが、例えばランダムに選択した文字データ、若しくは、入力された個人情報文字列データと類似する文字列データとなるよう文字データを選択することができる。
【0036】
図6に、ランダムに暗号化文字データを挿入した場合の例を、図7に、入力された個人情報文字データと類似する文字列データに基づき暗号化文字データを選択した場合の例をそれぞれ示す。
【0037】
図6に示す例は、ランダムに暗号化文字データを挿入した例であって、ランダムな乱文字列表を作成し、これを用いたものである。なおこの挿入において、全くランダムというわけではなく、人名に良く使われる文字から適当なものを選択し、ランダムな乱文字列表を作成することも望ましい。極端な例の場合、「ラリサトリウ…」のように、文字を挿入しても人名が予想できてしまう場合があるため、適当なものを選択することでこれを防ぐことができる。
【0038】
図7に示す例は、入力された個人情報文字列データと類似する文字列データに基づいて暗号化文字列を挿入する例であって、予め想定した個人情報文字データとその個人情報文字データに類似する文字列データとを対応付けたデータテーブルなどをコンピュータの一領域に格納しておき、その類似する文字列データから適宜文字列を選択する例である。図7の例では、「サトウ イチロウ」とある場合において、「サトウ」と類似している文字列データとして、「イトウ」、「エトウ」、「カトウ」、「ムトウ」、「サイトウ」「トウノ」等が格納されたデータテーブル(例えば図8参照)を参照して適宜これらの文字データから暗号化文字列を選択している。このようにすることで、上記複数の人名を想定することができ、人名を特定することが困難となり、極めて有用となる。仮にFAX等の誤送により、想定外の第三者に送付されたとしても解読は困難となる。なお図7の例では「サトウ」という文字列データを基準としてこれに類似する文字列のデータを参照しているが、1文字分の文字データとこの文字データを含む一般的な日本人の氏名データとの組を複数有するデータテーブルであっても良い。この方がデータテーブル作成をより容易に行うことができる。また、図7では「サトウ」という姓に対して行っているが、同様なデータテーブルを名に対して作成しておくことも有用である。
【0039】
そして本暗号化プログラム処理は、上記のとおり暗号化文字列データを作成した後、出力装置5によって紙などの媒体に印字処理(S3)することにより、送付先に対し紙などの印刷された媒体をFAXするなど簡便に暗号化された文字列として送ることができる。なおこの印字処理については紙などではなく、作成された暗号化文字列データを電子データのまま送付することも可能ではあるが、上述したとおりコストや労力をかけずに暗号化するためには、出力装置5などを用いて印字処理を行うことが極めて望ましい。なお図9に、暗号化された文字列データが印字された臨床検査における結果報告書の例を示しておく。なお図9では氏名のみを暗号化しているが、もちろん他の項目について暗号化することも十分に可能である。
【0040】
以上、上述の処理を行うプログラムにより、コストや労力をかけずに人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化を達成できる。
【0041】
また一方で、この暗号化文字列データの印字された紙などの記録媒体を受け取った者は、あらかじめ自身に対し定められた連続する個人情報文字データの配置パターンが定められたテンプレート8を保有しておき(図10参照)、暗号化文字列データに重ねることで暗号化文字データのみを隠し、個人情報文字データのみを読むことが可能となり、暗号化された文字データを解読することができる。なお図10の例で示すテンプレート8は、不透明な部材9で構成され、個人情報文字列データの部分のみ穴10があけられた構成となっている。このような手段を用いることで、上記コストや労力を掛けずに個人情報の漏洩を防止することができる暗号化システムが実現できる。また図10の例では相手側が保有する暗号解読の手段としてテンプレートとしたが、個人情報文字データの位置と暗号化文字データの位置が区別できる限りにおいて特段制限はなく、例えば、透明なシール11に予め不透明部材のパターン12を付しておき、印刷された媒体にこれを貼り付けることでより容易に暗号化文字列を解読することができる(図11参照)。特にシールなどを用いることで、ずれることもなく、その都度テンプレートなどを当てて確認することが不要になるなどの利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のとおり、本発明によると、非常に簡便な方法によって暗号化が容易となり、コストや労力をかけることなく人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化方法、暗号化プログラム及び暗号化システムを提供することができる。よって、本発明は、暗号化が求められる種々の分野における情報通信に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る暗号化システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る暗号化プログラムのフローチャートを示す図である。
【図3】入力される個人情報文字列データの例を示す図である。
【図4】文字配置パターンデータテーブルの例を示す図である。
【図5】個人情報文字データを文字配置パターンに基づき配置した例を示す図である。
【図6】ランダムに決定された暗号化文字データを配置した場合の例を示す図である。
【図7】文字列データに基づき暗号化文字データを配置した場合の例を示す図である。
【図8】類似個人情報文字列データテーブルの例を示す図である。
【図9】暗号化文字列が印字された臨床検査における結果報告書の例を示す図である。
【図10】暗号解読手段の一例としてのテンプレートの概略図である。
【図11】暗号解読手段の一例としてのシールの概略図である。
【符号の説明】
【0044】
1 暗号化システム
2 モニタ
3 情報処理装置(コンピュータ)
4 入力装置
5 出力装置
6 通信装置
7 FAX
8 テンプレート
9 不透明な部材
10 穴
11 シール
12 不透明部材のパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化方法、暗号化プログラム、暗号化システムに関し、例えば、紙等の媒体に人名等の個人情報を記載する際の文字の暗号化に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
個人情報保護法の施行に伴い、人名などの個人情報の漏洩が社会問題化している。特に、臨床検査における結果報告書には、患者名とともに実施した検査項目名とその結果が表されており、万一これが検査会社から病院等の医療機関への搬送途中などで盗難、紛失などが起こると、当該患者が多大な損害を被るだけでなく医療機関や検査会社もその信用に大きなダメージを被る。
【0003】
このような損害等を回避するための個人情報の送信方法としては、例えば電子メールやフレキシブルディスクなど電子データとして受け渡す際に、データを暗号化するなどセキュリティーレベルの高い方法を使用することが考えられる(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−318875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、検査結果などを電子データとして受け渡す際には上記暗号化技術は極めて有用である。しかし、電子データの送受信は常にコンピュータを介して行う必要があり、また、暗号化された電子データを閲覧するためには常に解読用のソフトウェアを備えていなければならないことなどから、コストや閲覧のための労力において負担が大きく、現状ではまだ紙の報告書が主流で量も多い状況にある。
【0005】
ところが、紙の報告書の場合は上記のデジタルデータを暗号化してする手法は使えず、紙の報告書での個人情報保護対策が急務となっている。特に、紙の検査結果報告書等は緊急時に医療機関に対しFAXされる場合も多く、FAX番号の入力間違い等から生ずる誤送により情報が漏洩するといったことも大きな問題になっている。従って、紙の報告書で個人情報が容易に漏洩しないような方法があれば、報告書の搬送、FAX送信などが格段に安全となり、患者はもちろん医療機関、検査会社にとっても大きなメリットが得られる。
【0006】
以上、本発明は、コストや労力をかけず効果的に人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化装置及び暗号化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について検討を行った結果、個人情報を構成する文字の列の間に、暗号化のための文字を配置することで個人情報を暗号化させることに思い至った。この暗号化された個人情報は、紙などの媒体に印字された状態で送付可能となり、更に、送付された者はこの暗号化された文字列のうち、暗号化のために挿入された文字の位置情報をあらかじめ送付元より取得しておき、この個人情報用の文字を選択的に読み取ることで、解読も極めて容易に行うことができるようになる。即ち、このような方法を採用することにより、紙の媒体の送受信の場合においても十分高いレベルで人名等の個人情報の漏洩を防止することができるとともに、コストや労力を大きく削減することができるようになる。
【0008】
即ち、本発明に係る暗号化方法は、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する。なおここで「個人情報文字列データ」とは、複数の個人情報文字データが連続したものであって、個人情報とは、人名、住所、生年月日、年齢などをはじめとする個人を識別可能な情報をいう。なお限定されるわけではないが、後述する例を用いると、個人情報を人名「佐藤一郎」とし、これをカタカナで表現した場合、「サトウ イチロウ」が個人情報文字列データに該当し、「サ」、「ト」、「ウ」等の各文字が個人情報文字データに該当する。また「暗号化文字データ」とは、個人情報を暗号化するために用いられる文字データであって、この暗号化文字データが配置された結果の文字列データを「暗号化文字列データ」という。
【0009】
また、本発明に係る暗号化方法において、暗号化文字列データのカラム数を設定し、この設定されたカラムに対する個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定め、暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置することも望ましい。ここで配置される暗号化文字データは、ランダムに決定することもできるし、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定することもできる。また類似個人情報文字列データテーブルとしては、個人情報文字列データと、この個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい。また文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることも望ましく、文字配置パターンデータテーブルとしては、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることが更に望ましい。なお個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましく、暗号化文字列データのカラム数は、個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることも望ましい。
【0010】
また、本発明に係る暗号化プログラムは、コンピュータに、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、として機能させる。
【0011】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、暗号化文字列データ作成手段は、暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、カラム設定手段により設定されたカラムへの個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることも望ましい。なおこの場合において、暗号化文字列データのカラム数は、入力手段により入力される個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。このようにすることでより暗号の解読を困難にすることができる。
【0012】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されること、又は、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定されることが望ましい。またここで「類似個人情報文字列データテーブル」は、個人情報文字列データと、該個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい態様である。類似個人情報文字列データテーブルを用いる場合は、この結果作成される暗号化文字列が複数の文字列を表示することになり、暗号の解読を困難にすることができる点で有用である。
【0013】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることが望ましく、「文字配置パターンデータテーブル」は、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることも望ましい。このようにすることで、データの送付先に応じて同一の個人情報文字列データであっても異なる暗号化処理を行うことができ、暗号の解読をより困難にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る暗号化プログラムにおいて、個人情報文字列データは、人名文字列データであること、更には、個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましい。
【0015】
また、本発明に係る暗号化システムは、連続した複数の人名文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付ける入力手段、この入力手段により受け付けた個人情報文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列作成手段、として機能するための暗号化プログラムが格納された記録媒体を有するコンピュータと、このコンピュータに接続され、上記作成された暗号化文字列データを媒体に出力する出力装置と、を有する。
【0016】
また本発明に係る暗号化システムにおいて、暗号化文字列データ作成手段は、暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、カラム設定手段により設定されたカラムへの個人情報文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることも望ましい。なおこの場合において、暗号化文字列データのカラム数は、入力手段により入力される個人情報文字列データのカラム数の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。このようにすることでより暗号の解読を困難にすることができる。
【0017】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されること、又は、類似個人情報文字列データテーブルを参照することにより決定されることが望ましい。またここで「類似個人情報文字列データテーブル」は、個人情報文字列データと、この個人情報文字列データに対応付けられた類似個人情報文字列データの組を複数有してなることも望ましい態様である。類似個人情報文字列データテーブルを用いる場合は、この結果作成される暗号化文字列が複数の文字列を表示することになり、暗号の解読を困難にすることができる点で有用である。
【0018】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることが望ましく、「文字配置パターンデータテーブル」は、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることも望ましい。このようにすることで、データの送付先に応じて同一の個人情報文字列データであっても異なる暗号化処理を行うことができ、暗号の解読をより困難にすることができる。
【0019】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、個人情報文字列データは、人名文字列データであること、更には、個人情報文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることが望ましい。
【0020】
また、本発明に係る暗号化システムにおいて、出力装置により媒体に出力された暗号化文字列のうち、暗号化文字列のみを隠す暗号解読手段も有すること、更に、この暗号解読手段は、透明なシールに不透明部材を配置したものであることが望ましい。特に、暗号解読手段をシールとすることで、一度媒体に貼り付けることで個人情報文字列を読み取ろうとする度毎に暗号解読手段の位置あわせを行う必要がなくなるため非常に簡便となる。
【発明の効果】
【0021】
以上、本発明により、非常に簡便な方法によって暗号化が容易となり、コストや労力をかけることなく人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化プログラム、暗号化システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の暗号化システムの実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0023】
図1は、本実施形態に係る暗号化システムの概略図である。本暗号化システム1は、モニタ2と、情報処理装置3(以下「コンピュータ3」とも言う。)と、キーボードやマウスなどの入力装置4と、プリンタなどの出力装置5と、モデムなどの通信装置6と、を有して構成されている。本システムにより、人名などの個人情報は暗号化され、コストや労力をかけることなく漏洩を防止することができる。
【0024】
本実施形態に係るコンピュータ3は、CPUなどの演算処理装置、RAMなどのメモリ、及び、ハードディスクなどの記録媒体、を少なくとも備えて構成されており、更に、この記録媒体には少なくとも暗号化プログラムが格納され、この暗号化プログラムを実行することで、コンピュータ3は暗号化処理を行うための装置として機能する。なお、このプログラムの実行により暗号化された個人情報は、出力装置5を介して紙などの媒体に印字され、FAX7等で送付予定先に送信可能となる。
【0025】
次に、本実施形態に係る暗号化プログラムのフローチャートを図2に示すとともに、本プログラムの動作について詳細に説明する。
【0026】
図2に示すとおり、本暗号化プログラムは、まず、複数の個人情報文字データからなる個人情報文字列データの入力を受け付け(S1)、受け付けた個人情報文字列データをコンピュータ3における記録媒体の一領域に格納する。
【0027】
ここで個人情報とは、上述したとおり、人名、住所、生年月日、年齢などをはじめとする個人を識別可能な情報をいい、個人情報を構成する文字種としてはカタカナ、ひらがな、漢字、アルファベット、数字及びこれらを混合したものなどを適宜使用することができる。なお、個人情報文字列データを構成する個人情報文字データの数(カラム数)は、暗号化など各種データの処理を行う関係上、所定の数以内としておくことが望ましい。カラム数を所定の数とする処理としては、個人情報文字列データの入力受付処理に先立ちカラム数設定処理を行っておくこと、又は、入力された個人情報文字列データの入力を受け付けた後設定カラム以上の文字データを省略するカラム数設定処理を行っておくことが考えられる。なお更に、個人情報文字列データの入力は、入力装置4を介して受け付けることもできるし、通信装置6を用いて電機通信回線経由で受け付けることもでき、特段に制限はない。
【0028】
上記個人情報文字列データの具体例として、例えば個人情報を日本人の氏名とし、その一例として「佐藤一郎」とし、文字種をカタカナとした場合、「サトウ イチロウ」が個人情報文字列データに該当する。なお、日本人の氏名をカタカナで表示した場合、多くの氏名が10カラム以下、殆どの氏名が20カラム以下で収まるため、個人情報文字列の数は10カラム以下が望ましく、より望ましくは20カラム以下である。稀に20カラムを超えてしまう場合もあるが、これ以後を切り捨ててしまってしまっても個人の識別が困難になることも少ないと考えられる。なお所定のカラム以下で収まる場合には後ろは空白で埋めておくことが望ましい。図3は、上記「サトウ イチロウ」の例において、カラムの数を10とし、残りのカラムを空白とした場合の例を示す。なお氏と名との間は空白を置いている。
【0029】
次に本暗号化プログラムは、格納された個人情報文字列データに基づいて暗号化文字列データを作成し、記録媒体の一領域に格納する(S2、再び図2参照)。暗号化文字列データの作成は、より具体的には、暗号化文字列データにおけるカラムの数を設定するカラム設定処理(S201)、カラムにおける個人情報文字データや暗号化文字データの配置パターンを設定する文字配置パターン設定処理(S202)、更には、連続する個人情報文字データの間に暗号化文字データを挿入する暗号化文字データ配置処理(S203)、が含まれる。
【0030】
カラム設定処理(S201)は、作成される暗号化文字列データの文字数(カラム数)を設定する処理である。カラムの数は、文字を挿入することで暗号化する必要から、入力された個人情報文字列データのカラム数より多いことが必要であり、暗号の解読を困難にするためには個人情報文字列データのカラム数の2倍以上が望ましく、より望ましくは3倍以上、更に望ましくは4倍以上である。
【0031】
この処理の具体例として、氏名「佐藤一郎」をカタカナで表記した上記個人情報文字列データの例の場合(図3の例の場合)、暗号化文字列のカラム数を2倍の20カラムとする処理が挙げられる。なお、このカラム数は、上記のとおり暗号の解読を困難にする必要から、より望ましくは3倍の30カラムであり、更に望ましくは4倍の40カラム以上である。
【0032】
文字配置パターン設定処理(S202)は、暗号化文字列データにおける個人情報文字データの配置パターンを設定する処理であって、具体的には、カラムのどの位置に個人情報文字データ又は暗号化文字データが配置されるのかのパターン(文字配置パターン)を設定する処理である。
【0033】
この場合において、文字配置パターンは送付先に応じて定められることが極めて有用である。送付先は、あらかじめこの文字配置パターンを把握しておくことにより、送付された暗号化文字列データから連続した個人情報文字データを取得することができるようになる。送付先と文字配置パターンとの対応については、送付先データと文字配置パターンデータとを対応付けた文字配置パターンデータテーブルを予めコンピュータの記録媒体の位置領域に記録しておくことが有用である。
【0034】
図4に、上記文字配置パターンデータテーブルの例を示し、図5に、図3における個人情報文字列データを図4の文字配置パターンデータテーブルを参照して送付先Aを選択した場合の個人情報文字列データの配置について示す。図5の送付先Aの文字配置パターンにおいては、個人情報文字データは、番号3、5、6、8、11、12、14、17、18、20のカラムに個人情報文字データが配置された例を示している(なお他のカラムには後述する暗号化文字データが挿入されるが、説明のため本図で表示は省略し、図6にて改めて示す)。
【0035】
暗号化文字データ配置処理(S203)は、連続する個人情報文字データの間に暗号化文字データを配置するための処理であって、より具体的には、パターン設定処理の結果、個人情報文字データが配置されないカラムに対し、暗号化文字データを配置する処理である。挿入する文字列は、個人情報文字データの解読を困難にすることができる限りにおいて制限はないが、例えばランダムに選択した文字データ、若しくは、入力された個人情報文字列データと類似する文字列データとなるよう文字データを選択することができる。
【0036】
図6に、ランダムに暗号化文字データを挿入した場合の例を、図7に、入力された個人情報文字データと類似する文字列データに基づき暗号化文字データを選択した場合の例をそれぞれ示す。
【0037】
図6に示す例は、ランダムに暗号化文字データを挿入した例であって、ランダムな乱文字列表を作成し、これを用いたものである。なおこの挿入において、全くランダムというわけではなく、人名に良く使われる文字から適当なものを選択し、ランダムな乱文字列表を作成することも望ましい。極端な例の場合、「ラリサトリウ…」のように、文字を挿入しても人名が予想できてしまう場合があるため、適当なものを選択することでこれを防ぐことができる。
【0038】
図7に示す例は、入力された個人情報文字列データと類似する文字列データに基づいて暗号化文字列を挿入する例であって、予め想定した個人情報文字データとその個人情報文字データに類似する文字列データとを対応付けたデータテーブルなどをコンピュータの一領域に格納しておき、その類似する文字列データから適宜文字列を選択する例である。図7の例では、「サトウ イチロウ」とある場合において、「サトウ」と類似している文字列データとして、「イトウ」、「エトウ」、「カトウ」、「ムトウ」、「サイトウ」「トウノ」等が格納されたデータテーブル(例えば図8参照)を参照して適宜これらの文字データから暗号化文字列を選択している。このようにすることで、上記複数の人名を想定することができ、人名を特定することが困難となり、極めて有用となる。仮にFAX等の誤送により、想定外の第三者に送付されたとしても解読は困難となる。なお図7の例では「サトウ」という文字列データを基準としてこれに類似する文字列のデータを参照しているが、1文字分の文字データとこの文字データを含む一般的な日本人の氏名データとの組を複数有するデータテーブルであっても良い。この方がデータテーブル作成をより容易に行うことができる。また、図7では「サトウ」という姓に対して行っているが、同様なデータテーブルを名に対して作成しておくことも有用である。
【0039】
そして本暗号化プログラム処理は、上記のとおり暗号化文字列データを作成した後、出力装置5によって紙などの媒体に印字処理(S3)することにより、送付先に対し紙などの印刷された媒体をFAXするなど簡便に暗号化された文字列として送ることができる。なおこの印字処理については紙などではなく、作成された暗号化文字列データを電子データのまま送付することも可能ではあるが、上述したとおりコストや労力をかけずに暗号化するためには、出力装置5などを用いて印字処理を行うことが極めて望ましい。なお図9に、暗号化された文字列データが印字された臨床検査における結果報告書の例を示しておく。なお図9では氏名のみを暗号化しているが、もちろん他の項目について暗号化することも十分に可能である。
【0040】
以上、上述の処理を行うプログラムにより、コストや労力をかけずに人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化を達成できる。
【0041】
また一方で、この暗号化文字列データの印字された紙などの記録媒体を受け取った者は、あらかじめ自身に対し定められた連続する個人情報文字データの配置パターンが定められたテンプレート8を保有しておき(図10参照)、暗号化文字列データに重ねることで暗号化文字データのみを隠し、個人情報文字データのみを読むことが可能となり、暗号化された文字データを解読することができる。なお図10の例で示すテンプレート8は、不透明な部材9で構成され、個人情報文字列データの部分のみ穴10があけられた構成となっている。このような手段を用いることで、上記コストや労力を掛けずに個人情報の漏洩を防止することができる暗号化システムが実現できる。また図10の例では相手側が保有する暗号解読の手段としてテンプレートとしたが、個人情報文字データの位置と暗号化文字データの位置が区別できる限りにおいて特段制限はなく、例えば、透明なシール11に予め不透明部材のパターン12を付しておき、印刷された媒体にこれを貼り付けることでより容易に暗号化文字列を解読することができる(図11参照)。特にシールなどを用いることで、ずれることもなく、その都度テンプレートなどを当てて確認することが不要になるなどの利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のとおり、本発明によると、非常に簡便な方法によって暗号化が容易となり、コストや労力をかけることなく人名等の個人情報の漏洩を防止することのできる暗号化方法、暗号化プログラム及び暗号化システムを提供することができる。よって、本発明は、暗号化が求められる種々の分野における情報通信に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る暗号化システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る暗号化プログラムのフローチャートを示す図である。
【図3】入力される個人情報文字列データの例を示す図である。
【図4】文字配置パターンデータテーブルの例を示す図である。
【図5】個人情報文字データを文字配置パターンに基づき配置した例を示す図である。
【図6】ランダムに決定された暗号化文字データを配置した場合の例を示す図である。
【図7】文字列データに基づき暗号化文字データを配置した場合の例を示す図である。
【図8】類似個人情報文字列データテーブルの例を示す図である。
【図9】暗号化文字列が印字された臨床検査における結果報告書の例を示す図である。
【図10】暗号解読手段の一例としてのテンプレートの概略図である。
【図11】暗号解読手段の一例としてのシールの概略図である。
【符号の説明】
【0044】
1 暗号化システム
2 モニタ
3 情報処理装置(コンピュータ)
4 入力装置
5 出力装置
6 通信装置
7 FAX
8 テンプレート
9 不透明な部材
10 穴
11 シール
12 不透明部材のパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化文字列データを作成する暗号化方法であって、
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付け、
暗号化文字列データのカラム数を設定し、
文字配置パターンデータテーブルを参照して人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定め、前記設定したカラムに前記人名文字データ及び暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化方法。
【請求項2】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項3】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項4】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項3記載の暗号化方法。
【請求項5】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項6】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項1記載の暗号化方法。
【請求項7】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、
該入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、
として機能させるための暗号化プログラム。
【請求項9】
前記暗号化文字列データ作成手段は、
暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、
前記カラム設定手段により設定されたカラムへの人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、
前記文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ配置手段、を有して構成されていることを特徴とする請求項8記載の暗号化プログラム。
【請求項10】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項11】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項12】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項11記載の暗号化プログラム。
【請求項13】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記入力手段により入力される人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項14】
前記文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項11記載の暗号化プログラム。
【請求項15】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項14記載の暗号化プログラム。
【請求項16】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項17】
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、該入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列作成手段、として機能するための暗号化プログラムが格納された記録媒体を有するコンピュータと、
該コンピュータに接続され、前記作成された暗号化文字列データを媒体に出力する出力装置と、を有する暗号化システム。
【請求項18】
前記暗号化文字列データ作成手段は、
暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、
前記カラム設定手段により設定されたカラムへの人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、
前記文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることを特徴とする請求項17記載の暗号化システム。
【請求項19】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項20】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項21】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項20記載の暗号化システム。
【請求項22】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記入力手段により入力される人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項23】
前記文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項18記載の暗号化システム。
【請求項24】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項23記載の暗号化システム。
【請求項25】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項26】
前記出力装置により媒体に出力された暗号化文字列のうち、暗号化文字列のみを隠す暗号解読手段を有することを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項27】
前記暗号解読手段は、透明なシールに不透明部材を配置したものであることを特徴とする請求項26記載の暗号化システム。
【請求項1】
暗号化文字列データを作成する暗号化方法であって、
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付け、
暗号化文字列データのカラム数を設定し、
文字配置パターンデータテーブルを参照して人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定め、前記設定したカラムに前記人名文字データ及び暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化方法。
【請求項2】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項3】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項4】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項3記載の暗号化方法。
【請求項5】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項6】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項1記載の暗号化方法。
【請求項7】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、
該入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列データ作成手段、
として機能させるための暗号化プログラム。
【請求項9】
前記暗号化文字列データ作成手段は、
暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、
前記カラム設定手段により設定されたカラムへの人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、
前記文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ配置手段、を有して構成されていることを特徴とする請求項8記載の暗号化プログラム。
【請求項10】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項11】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項12】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項11記載の暗号化プログラム。
【請求項13】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記入力手段により入力される人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項14】
前記文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項11記載の暗号化プログラム。
【請求項15】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項14記載の暗号化プログラム。
【請求項16】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項8又は9に記載の暗号化プログラム。
【請求項17】
複数の人名文字データからなる人名文字列データの入力を受け付ける入力手段、該入力手段により受け付けた前記人名文字列データの間に、暗号化文字データを配置することにより暗号化文字列データを作成する暗号化文字列作成手段、として機能するための暗号化プログラムが格納された記録媒体を有するコンピュータと、
該コンピュータに接続され、前記作成された暗号化文字列データを媒体に出力する出力装置と、を有する暗号化システム。
【請求項18】
前記暗号化文字列データ作成手段は、
暗号化文字列データのカラム数を設定するカラム設定手段、
前記カラム設定手段により設定されたカラムへの人名文字データ及び暗号化文字データの文字配置パターンを定める文字配置パターン設定手段、
前記文字配置パターン設定手段により暗号化文字データが配置されるカラムに暗号化文字データを配置する暗号化文字データ挿入手段、を有して構成されていることを特徴とする請求項17記載の暗号化システム。
【請求項19】
前記配置される暗号化文字データは、ランダムに決定されることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項20】
前記配置される暗号化文字データは、類似人名文字列データテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項21】
前記類似人名文字列データテーブルは、人名文字列データと、該人名文字列データに対応付けられた類似人名文字列データの組を複数有してなることを特徴とする請求項20記載の暗号化システム。
【請求項22】
前記暗号化文字列データのカラム数は、前記入力手段により入力される人名文字列データのカラム数の2倍以上であることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項23】
前記文字配置パターン設定手段により定められる文字配置パターンは、文字配置パターンデータテーブルを参照することにより決定されることを特徴とする請求項18記載の暗号化システム。
【請求項24】
前記文字配置パターンデータテーブルは、送付先データと該送付先データに対応付けられた文字配置パターンデータの組を複数有してなることを特徴とする請求項23記載の暗号化システム。
【請求項25】
前記人名文字データ及び前記暗号化文字データは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベットの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項26】
前記出力装置により媒体に出力された暗号化文字列のうち、暗号化文字列のみを隠す暗号解読手段を有することを特徴とする請求項17又は18に記載の暗号化システム。
【請求項27】
前記暗号解読手段は、透明なシールに不透明部材を配置したものであることを特徴とする請求項26記載の暗号化システム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【公開番号】特開2007−114506(P2007−114506A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306072(P2005−306072)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(599094901)株式会社メリッツ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(599094901)株式会社メリッツ (3)
【Fターム(参考)】
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