説明

曲げ規制構造及びワイヤーハーネス

【課題】曲げ規制を行う曲げ規制構造を容易に形成可能な技術を提供する。
【解決手段】光ファイバーケーブルの曲げを規制するための曲げ規制構造である。曲げ規制構造は、相互に貼り合わせられる貼付面を形成する貼付部分を有し、光ファイバーケーブルを被覆する被覆部材を備え、前記貼付部分は、その前記貼付面が他の前記貼付部分の貼付面と貼り合わされることにより、前記被覆部材の外周面において長手方向に沿って板状に延びる突片部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に配索される光ファイバーケーブルの曲げを規制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載された各種電気部品を相互接続する配線材として、電線や光ファイバーケーブル等の線状体が車両に配設されている。このような線状体は、一般的には保護チューブやプロテクタなどの保護部材によって保護されている。
【0003】
光ファイバーケーブルを車両に配索する際、該光ファイバーケーブルに対して曲げ規制が必要となる場合がある。具体的には、光ファイバーケーブルは、電線に比べ、性能を維持するために許容される曲率が小さい。そのため、光ファイバーケーブルの曲げ規制は機能維持を図る上で重要となる。
【0004】
例えば特許文献1では、光ファイバーケーブルを保護する屈曲管に、外周の長手方向に沿って複数の突片を形成する技術が開示されている。また、突片の屈曲部には、所定幅のスリットが設けられている。このスリットにより光ファイバーケーブルの曲げが許容されるとともに、突片により光ファイバーケーブルの曲げが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−30204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記屈曲管の場合、突片を形成するためには金型等を設計し、起工する等の工程が必要となる。このため、光ファイバーケーブルの断面形状が変更されると、新たに金型を設計および起工することが必要となる。よって、光ファイバーの曲げ規制を手軽に行うことができる技術が要求されている。
【0007】
そこで、本発明は、曲げ規制を行う構造を容易に形成可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、光ファイバーケーブルの曲げ規制構造であって、光ファイバーケーブルと、前記光ファイバーケーブルを被覆する部材であり、相互に貼り合わせられる貼付面を形成する貼付部分を有する被覆部材とを備え、前記貼付部分の前記貼付面が、他の前記貼付部分の貼付面と貼り合わされることにより、前記光ファイバーケーブルを被覆する前記被覆部材の外周面において長手方向に沿って板状に延びる突片部を形成する。
【0009】
また、第2の態様は、第1の態様に係る曲げ規制構造において、前記被覆部材は、前記貼付部分よりも厚肉に形成される厚肉部分をさらに有している。
【0010】
また、第3の態様は、第2の態様に係る曲げ規制構造において、前記厚肉部分は、外側に突出するようにして厚肉に形成されており、前記厚肉部分の突出する長さが前記突片部の突出する長さよりも小さい。
【0011】
また、第4の態様は、第1から3までのいずれか1項の態様に係る曲げ規制構造において、前記被覆部材は、両端に前記貼付部分が形成されているとともに、前記両端に挟まれる位置に前記厚肉部分が形成されており、前記被覆部材の前記貼付部分が、他の前記被覆部材の前記貼付部分に張り合わされることによって、前記光ファイバーケーブルを被覆する環状体が形成される。
【0012】
また、第5の態様は、複数の線状体が結束されることにより構成されるワイヤーハーネスであって、第1から4までのいずれか1項の態様に係る曲げ規制構造と、前記曲げ規制構造の外周部に配置される線状体とを含む。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る曲げ規制構造によると、突片部が形成されることにより、突片部の突出方向に関して、被覆した光ファイバーケーブルの曲げ規制を行うことができる。また、貼付部分を貼り合わせることで突片部を形成できるため、曲げ規制構造を容易に形成することができる。
【0014】
第2の態様に係る曲げ規制構造によると、厚肉部分においても光ファイバーケーブルの曲げ規制を行うことができる。
【0015】
第3の態様に係る曲げ規制構造によると、車両に配索されるワイヤーハーネスを組み立てるために、曲げ規制構造を支持具にて支持した際に、突片部の突出長さより小さくすることにより、曲げ規制構造を安定して製作することができる。
【0016】
第4の態様に係る曲げ規制構造によると、複数の被覆部材を貼り合わせることで環状体を形成するため、被覆する光ファイバーケーブルのサイズに応じて曲げ規制構造を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る曲げ規制構造を構成する光ファイバーケーブル及び被覆部材の斜視図である。
【図2】図1に示したII−II線断面図である。
【図3】曲げ規制構造の断面図である。
【図4】分岐構造を有するワイヤーハーネスの概略上面図である。
【図5】保持具(U字状治具)に保持された光ファイバーケーブルの斜視図である。
【図6】図5に示したVI−VI線断面図である。
【図7】図4に示した幹線における配線の配置形態の一例を示す断面図である。
【図8】幹線における配線の配置形態のその他の例を示す断面図である。
【図9】第2実施形態に係る曲げ規制構造の断面図である。
【図10】第3実施形態に係る曲げ規制構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
{第1実施形態}
図1は、第1実施形態に係る曲げ規制構造20を構成する光ファイバーケーブル10及び被覆部材30,30の斜視図である。図1では、曲げ規制構造20を構成する前の被覆部材30,30を示している。図2は、図1に示したII−II線断面図である。さらに図3は、曲げ規制構造20の断面図である。
【0020】
被覆部材30は、光ファイバーケーブル10を被覆するための部材であり、上面視略長方形に形成されている。被覆部材30は、例えば、ポリ塩化ビニル塩化(PVC)で形成されている。ただし、被覆部材30は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等、その他の素材で形成されていてもよい。
【0021】
被覆部材30の両端には、長手方向に沿って平板状に延びる貼付部分31,31が形成されている。また、両端部の貼付部分31,31に挟まれる間の位置(ここでは、被覆部材30の中央位置)には、厚肉部分33が形成されている。
【0022】
貼付部分31の内側面(光ファイバーケーブル10の外周面に対向する面)は、貼付面31Sを形成している。貼付面31Sは、その他の貼付部分31の貼付面31Sと密着して貼り合わすことができるように形成されている。本実施形態では、被覆部材30,30の間に光ファイバーケーブル10が挟まれた状態で、一方の被覆部材30の貼付面31S,31Sが、他方の被覆部材30の貼付面31S,31Sにそれぞれ貼り合わされる。これにより、筒状の環状体が形成され、その内部に光ファイバーケーブル10が挿通されることとなる。ここで、被覆部材30は、作業者が手作業で曲げることのできる程度の柔軟性を備えていることが望ましい。
【0023】
なお、被覆部材30の内側面には、シート状の両面テープ41が取り付けられている。この両面テープ41の接着力により、貼付面31Sどうし貼り合わされる。また、被覆部材30の内側面のうち貼付面31S,31S以外の部分は、両面テープ41の接着力によって、光ファイバーケーブル10の外周面に接着される。
【0024】
なお、両面テープ41は、被覆部材30の内側面全面に設けられている必要はなく、例えば貼付面31Sの部分のみに設けられていてもよい。また、両面テープ41の代わりに、接着剤等を利用してもよい。また、貼付面31Sどうしを、熱圧着等で接着するようにしてもよい。
【0025】
図3に示したように、被覆部材30,30によって曲げ規制構造20が形成された状態では、被覆部材30の左右の貼付部分31は、外方に突出する突片部21,21を形成する。突片部21は、曲げ規制構造20の長手方向に沿って板状に延びている。このような被覆部材30で光ファイバーケーブル10を被覆することによって、突片部21の突出方向に関して、光ファイバーケーブル10の曲げを制限することができる。
【0026】
また、被覆部材30は、その両端の貼付部分31,31が他の被覆部材30の貼付部分31,31に貼り合わせられることで筒状の環状体を形成する。したがって、被覆部材30は、延在する光ファイバーケーブル10の任意の位置に容易に取り付けやすくなっている。つまり、曲げ規制構造20を被覆部材30,30で形成することにより、曲げ規制を行う位置の自由度を高めることができる。
【0027】
また、曲げ規制構造20においては、貼付部分31と他の貼付部分31との貼り合わせる領域の大きさを調整することができる。したがって、被覆部材30,30によって形成される開口の大きさを光ファイバーケーブル10の太さに合わせて調整することができる。よって、光ファイバーケーブル10の大きさや形状が変更された場合にも、柔軟に対応することができる。
【0028】
図2に示したように、厚肉部分33は、被覆部材30の中央部において、長手方向に沿って形成されている。厚肉部分33の内側面は、貼付面31Sと面一に形成されている。また、厚肉部分33の外側面は、横断面(長手方向に対し直角に切断したときの切り口の平面)において、滑らかに湾曲しつつ外側に突出する。これにより、厚肉部分33は、被覆部材30において厚肉となるように形成されている。
【0029】
すなわち、厚肉部分33の最も厚い部分の厚みL1は、貼付部分31や被覆部材30のその他の部分の厚みL2よりも大きくなっている。また、厚肉部分33の最も厚い部分は、その他の部分の厚みに比べて、例えば5〜15倍程度とされる。ただし、厚肉部分33の厚みは、これに限定されるものではなく、自由に設定することができる。また、厚肉部分33の突出する長さL3(ここでは、最も厚肉となっている部分の厚さL1とその他の部分の厚さL2の差)が、突片部21の突出する長さL4(貼付部分31の横幅、図3参照)よりも小さくなるように設定されている。
【0030】
光ファイバーケーブル10に被覆部材30,30が取り付けられた状態では、厚肉部分33は、両側の突片部21,21の間に配置されることとなる。このような厚肉部分33が形成されていることによって、厚肉部分33における光ファイバーケーブル10の屈曲が制限される。つまり、厚肉部分33を設けることによって、光ファイバーケーブル10の曲げ規制を行うことができる。
【0031】
なお、突片部21または厚肉部分33の厚みは、それぞれ、光ファイバーケーブル10の最小許容曲げ半径等に応じて任意に設定することが望ましい。ここで、最小許容曲げ半径とは、光ファイバーケーブル10の伝送損失及び破断確率が光ファイバーケーブル10の使用に耐え得ると想定される限界の曲げ半径をいう。また、曲げ半径とは、光ファイバーケーブル10の中心軸の曲率半径をいう。
【0032】
より具体的には、伝送損失(曲げ損失)は、例えば、ある曲げ半径でn周巻かれた光ケーブルに対して、ある波長Lの光信号を入射させたときの損失の度合い(dB)で評価される。また、破断確率は、例えば、ある曲げ半径でm周巻かれた光ケーブルのt年後の破断する確率で評価される(例えば、加速試験が行われるとよい)。そして、最小許容曲げ半径は、伝送損失及び破断確率の両評価値が、実際の使用状況に応じて決定される基準値を満たすように設定される。
【0033】
なお、本実施形態では、被覆部材30に1つの厚肉部分33を形成するようにしているが、複数の厚肉部分33を形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、曲げ規制構造20は2つの被覆部材30の両端部分(貼付部分31)を貼り合わせることにより形成されている。しかしながら、3つ以上の被覆部材30を組み合わせて曲げ規制構造が形成されていてもよい。
【0034】
次に、ワイヤーハーネスの分岐構造について説明する。
【0035】
図4は、分岐構造51を有するワイヤーハーネス50の概略上面図である。ワイヤーハーネス50は、一本の幹線50aから3つの支線50b,50c,50dに分岐する分岐構造51を有している。幹線50aには、被覆部材30,30が取り付けられた光ファイバーケーブル10、及び、その他の配線(電線や光ファイバーケーブルなどの線状体)が結束されたものに相当する。また、本実施形態では、支線50bは被覆部材30,30に被覆された光ファイバーケーブル10(図4中、太破線で示す。)に相当し、その他の支線50c,50dには、それぞれ別の配線(電線または光ファイバーケーブル)に相当するものとする。
【0036】
ワイヤーハーネス50に分岐構造51が形成されている場合、図4に示したように、光ファイバーケーブル10が分岐部分において曲げられる場合がある。しかしながら、光ファイバーケーブル10が被覆部材30,30によって被覆されていることにより、光ファイバーケーブル10が最小許容曲げ半径を超えないように曲げ規制される。このため、光ファイバーケーブル10の機能が損なわれることを抑制することができる。
【0037】
図5は、保持具(U字状治具60)に保持された光ファイバーケーブル10の斜視図である。なお、図5では、光ファイバーケーブル10を被覆する被覆部材30がU字状治具60に保持されている。また図5では、光ファイバーケーブル10は、曲げ規制構造20による曲げ規制を受けながら、所定の曲率半径で曲げられている様子を示している。
【0038】
U字状治具60は、U字状に成形された棒体を備えている。この棒体の内部に被覆部材30が載置されることにより、光ファイバーケーブル10が支持される。分岐構造51を形成する場合には、U字状治具60に光ファイバーケーブル10やその他の配線(電線や光ファイバーケーブル等の線状体、図示せず)がひとまとまりに載置される。そして、各配線を各方向に曲げたりすることで、図4に示した分岐構造51が形成される。
【0039】
図6は、図5に示したVI−VI線断面図である。上述した厚肉部分33の突出部分の長さL3(図2参照)は、突片部21の突出部分の長さL4(図3)よりも小さく設定されている。このため、図6に示したように、U字状治具60の棒体底部に、被覆部材30の厚肉部分33を当接させることで、突片部21を当接させた場合よりも、曲げ規制構造20をU字状治具60に安定的に設置することができる。したがって、車両に配索するワイヤーハーネスを構築する際の作業性が向上する。
【0040】
図7は、図4に示した幹線50aにおける配線の配置形態の一例を示す断面図である。また、図8は、幹線50aにおける配線の配置形態のその他の例を示す断面図である。幹線50aにおいては、図7に示したように、複数の電線71が結束されて構成される結束線70の外周面上に、曲げ規制構造20を覆い被せるようにして一体化してもよい。これにより、突片部21によって幹線50aが太くなることを抑制することができる。また、図8に示した様に、曲げ規制構造20の突片部21の上下やその周辺に複数の電線71を配列してもよい。これにより、突片部21の周辺に配線を整列配置することができるため、幹線50aをできるだけ細く形成することができる。
【0041】
{第2実施形態}
図9は、第2実施形態に係る曲げ規制構造20aの断面図である。第1実施形成に係る曲げ規制構造20は、2つの被覆部材30,30のそれぞれの両端部分(貼付部分31)をそれぞれ貼り合わせることにより形成されている。これに対して、本実施形態に係る曲げ規制構造20aは、光ファイバーケーブル10を1つの被覆部材30aで覆うことにより形成されている。
【0042】
より具体的には、被覆部材30aは、両端に貼付部分31a,31aを有している。そしてその間の中央の位置に厚肉部分33が形成されている。被覆部材30aは、第1実施形態に係る被覆部材30と略同一の形状を有しており、貼付部分31a,31aや厚肉部分33の形状は、被覆部材30のものと略同一である。しかしながら、曲げ規制構造20aは、図9に示した様に、両端の貼付部分31a,31aどうしが貼り合わされることによって形成されている。光ファイバーケーブル10に被覆部材30aが取り付けられた場合には、一方側にのみ突片部21が形成され、他方側に厚肉部分33が形成される。
【0043】
このように被覆部材30aによって光ファイバーケーブル10を被覆した曲げ規制構造20aの場合においても、曲げ規制構造20と同様の効果を得ることができる。すなわち、曲げ規制構造20aに形成された突片部21または厚肉部分33によって、光ファイバーケーブル10の曲げ規制を適切に行うことができる。
【0044】
また、両端の貼付部分31,31を貼り合わせることで光ファイバーケーブル10を被覆する環状体を形成することができるため、延在する光ファイバーケーブル10の任意の位置に取り付けやすい。さらに、被覆部材30aによって形成される環状体の開口の大きさは、光ファイバーケーブル10の大きさに合わせて調整することができる。このため、光ファイバーケーブル10の断面の大きさや形状が変更された場合であっても、柔軟に対応することができる。
【0045】
さらに、1つの部材で曲げ規制構造20aを構成することができるため、曲げ規制構造20よりも部品点数を減らすことができる。また、厚肉部分33側をU字状治具60に当接させることで、突片部21aを当接させる場合よりも、安定的に曲げ規制構造20aをU字状治具60に設置することができる。
【0046】
{第3実施形態}
図10は、第3実施形態に係る曲げ規制構造20bの断面図である。曲げ規制構造20bは、1つの被覆部材30bで形成されている点は曲げ規制構造20aと同様である。しかしながら、被覆部材30bは、両端部分に貼付部分31a,31aを有しており、中央部分に貼付部分31b,31bを有している。なお、貼付部分31b,31bは隣接するようにして設けられている。
【0047】
このような被覆部材30bを光ファイバーケーブル10に取り付ける場合、中央部の貼付部分31b,31bが折り畳まれて、それぞれの内側面が貼り合わされる。さらに光ファイバーケーブル10の外側を覆った状態で、両端部の貼付部分31a,31aが貼り合わされる。したがって、光ファイバーケーブル10に取り付けられた状態の曲げ規制構造20bは、貼付部分31a,31aの貼り合わせによって形成される突片部21aと、貼付部分31b、31bの貼り合わせによって形成される突片部21bとを有している。
【0048】
このように被覆部材30bによって光ファイバーケーブル10を被覆した曲げ規制構造20bの場合においても、曲げ規制構造20または曲げ規制構造20aの場合と同様の効果を得ることができる。
【0049】
なお、本実施形態に係る曲げ規制構造20bには、曲げ規制構造20,20aに設けられていた厚肉部分33が形成されていない。しかしながら、厚肉部分33を適宜形成してもよいことはいうまでもない。
【0050】
{変形例}
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0051】
例えば、曲げ規制構造20,20a,20bが被覆する線状体は、光ファイバーケーブル10に限定されるものではなく、その他の電線または電線を束ねた電線束であってもよい。また、電線と光ファイバーケーブルとを束ねたものを被覆するようにしてもよい。また、複数の光ファイバーケーブル10を被覆するようにしてもよい。
【0052】
また、突片部21,21a,21bにおいて、部分的に所要幅の切り込みが設けられていてもよい。この切り込みによって光ファイバーケーブル10を曲げやすくなる。同様に、厚肉部分33に曲げ容易とするための切り込みが設けられていてもよい。
【0053】
また、例えば被覆部材30の全体を、厚肉部分33の最も厚い部分と同一の厚みを持つように形成してもよい。しかしながら、被覆部材30のように部分的に厚肉となる厚肉部分33を設けることによって、曲げ規制構造20の材料コストを抑えることができる。
【0054】
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 光ファイバーケーブル
20,20a,20b 曲げ規制構造
21,21a,21b 突片部
30,30a,30b 被覆部材
31,31a,31b 貼付部分
33 厚肉部分
41 両面テープ
50 ワイヤーハーネス
50a 幹線
50b,50c,50d 支線
51 分岐構造
60 U字状治具
70 結束線
71 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーケーブルの曲げ規制構造であって、
光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルを被覆する部材であり、相互に貼り合わせられる貼付面を形成する貼付部分を有する被覆部材と、
を備え、
前記貼付部分の前記貼付面が、他の前記貼付部分の貼付面と貼り合わされることにより、前記光ファイバーケーブルを被覆する前記被覆部材の外周面において長手方向に沿って板状に延びる突片部を形成する曲げ規制構造。
【請求項2】
請求項1に記載の曲げ規制構造において、
前記被覆部材は、前記貼付部分よりも厚肉に形成される厚肉部分をさらに有している曲げ規制構造。
【請求項3】
請求項2に記載の曲げ規制構造において、
前記厚肉部分は、外側に突出するようにして厚肉に形成されており、
前記厚肉部分の突出する長さが前記突片部の突出する長さよりも小さい曲げ規制構造。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の曲げ規制構造において、
前記被覆部材は、両端に前記貼付部分が形成されているとともに、前記両端に挟まれる位置に前記厚肉部分が形成されており、
前記被覆部材の前記貼付部分が、他の前記被覆部材の前記貼付部分に張り合わされることによって、前記光ファイバーケーブルを被覆する環状体が形成される曲げ規制構造。
【請求項5】
複数の線状体が結束されることにより構成されるワイヤーハーネスであって、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の曲げ規制構造と、
前記曲げ規制構造の外周部に配置される線状体と、
を含むワイヤーハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−247678(P2012−247678A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120314(P2011−120314)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】