説明

更年期のための疲労改善組成物の評価方法

【課題】更年期に伴う疲労回復のための疲労改善組成物を客観的指標によって評価することが可能な疲労改善組成物の評価方法を提供する。
【解決手段】疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量と、この活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の行動量とを確認し、更年期モデル非ヒト動物と正常非ヒト動物のそれぞれに疲労改善組成物を投与し、活動期における休息期の更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量と、活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量とを比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更年期のための疲労改善組成物の評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆる更年期障害は、更年期に現れる自律神経性や心因性を成因とするいわゆる不定愁訴であり、全身倦怠、疲労感、微熱感、頭重、頭痛、のぼせ、耳鳴り、しびれ感、動悸、四肢冷感等の不快な症状をもたらし、日常生活にまで影響を及ぼす。このような不定愁訴の症状は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下によるものと考えられている。また、若年層の女性においても、社会進出に伴う過度のストレスやダイエット等のためにホルモンバランスが崩れ、更年期障害に類似した症状を呈する若年性更年期障害が増えている。さらに、男性においても、脳、心血管、骨格、皮膚、その他の組織にエストロゲン受容体が存在し、代謝酵素アロマターゼの働きで男性ホルモン(テストステロン)から変換されたエストロゲンが作用する。従って、男性においても更年期障害は起こり得るものである。
【0003】
更年期障害の治療法としては、ホルモン剤や精神安定剤の投与などがあるが、これらの治療は軽重の差はあれ、すべて副作用がある。また、心理療法、運動療法なども効果があると考えられているものの、特筆するような有効な治療方法がないのが現状である。
【0004】
更年期障害における症状を緩和する方法の一つとして、女性ホルモンの分泌低下を女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を持つ物質を摂取することが知られており、その代表的な成分としては大豆などに含まれているイソフラボンが挙げられる。イソフラボンは植物エストロゲンの一つといわれ、その化学構造が女性ホルモンであるエストロゲンと類似し、エストロゲン受容体に結合して促進的あるいは競合的に種々の生体作用を発揮することが知られている。イソフラボンは効き目が穏やかであることから、日常的に摂取しても副作用はないと言われているものの、一方で、乳ガン、子宮ガンなどの発生、増殖リスクを高める可能性があるとも考えられており、厚生労働省ではサプリメントなどを通じてのイソフラボン摂取には注意を促している。
【0005】
このような状況に鑑みれば、更年期障害における症状を緩和する手段として女性ホルモンと類似する物質を摂取することよりも、日常的に多食、多飲されている、およそ副作用のリスクを考慮する必要のない安全性の極めて高い更年期障害のための薬剤やサプリメントが切望される。
【0006】
ところで、上記のように、更年期障害における全身倦怠、疲労感といった疲労(以下、更年期に伴う疲労という)は女性ホルモンの分泌低下によるものであって、肉体的運動による局部的な筋肉疲労や全身的な疲労、あるいはストレス負荷に起因して知覚される精神疲労、長時間の継続運動や活動などからくる慢性疲労等とはその種類が全く異なるものである。従って、更年期に伴う疲労回復のための疲労改善組成物(抗疲労剤)は通常の疲労改善組成物とは作用機序が異なるものであると考えられる。
【0007】
非特許文献1にはヒトの慢性疲労や過労を想定した小動物を用いた評価系が記載されている。また、特許文献1には精神疲労を動物の血液中のアラニン濃度の変化を測定することにより評価する方法が、特許文献2には体液中のヒトヘルペスウイルスの量を指標として、被験者の疲労度を評価する方法が、特許文献3には体液中のアミノ酸の濃度変化を指標として、日常生活における精神疲労の疲労度を評価する方法が記載されている。さらに、特許文献4には女性ホルモンバランスを調整して更年期障害の予防又は改善に用いる薬剤の評価を、水浸飼育することによって疲労及びストレスを負荷したOVXラット(卵巣摘出ラット)により評価することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4123565号公報
【特許文献2】特開2007−330263号公報
【特許文献3】特許第3923507号公報
【特許文献4】特開2005−325107号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】医学のあゆみ vol.228,p611-613 No.6 2009.2.7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記特許文献1〜3に記載されている疲労度の評価方法は、モニターによる主観的評価ではなく、客観的評価によるものである点において疲労度の評価方法として意義はあるものの、いずれも一般的な肉体的疲労や精神疲労を評価するものであって、更年期障害により疲労度を評価するものではない。また、更年期に伴う疲労の評価においては、行動量を評価することが最も重要であるが、特許文献1〜3はいずれも血中、体液等のパラメーターによって評価するものでしかない。
【0011】
特許文献4に記載されている評価はOVXラットを用いている点では更年期障害による疲労度を評価しているように一見見受けられるが、水浸飼育のような過労モデル動物の疲労は、女性ホルモンの分泌低下による更年期障害における疲労とは、その種類が全く異なるものである。従って、過労モデル動物によって、更年期に伴う疲労回復のための疲労改善組成物を的確に評価することはできない。
【0012】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、正常動物に比べて卵巣摘出動物は行動量が低下しており、その低下のパターンに活動期の半ばに大きく行動量が低下する休息期があることが判明した。そして、疲労改善組成物の投与群と非投与群との活動期における休息期を中心にした行動量を測定して比較することにより、更年期の疲労に有効な疲労改善組成物を見出せることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、更年期に伴う疲労回復のための疲労改善組成物を客観的指標によって評価することが可能な疲労改善組成物の評価方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の更年期のための疲労改善組成物の評価方法は、疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と前記疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して前記疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量と、該活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の行動量とを確認し、前記更年期モデル非ヒト動物と前記正常非ヒト動物のそれぞれに前記疲労改善組成物を投与し、前記活動期における休息期の前記更年期モデル非ヒト動物の前記疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量と、前記活動期における休息期に対応する時間帯の前記正常非ヒト動物の前記疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量とを比較することを特徴とするものである。
【0014】
前記休息期は、前記活動期における前記正常非ヒト動物に対して前記更年期モデル非ヒト動物の1時間当たりの行動量が最も低下する時間を含む2〜6時間の時間帯であって、該時間帯における前記更年期モデル非ヒト動物の行動量積算値が、前記時間帯における前記正常非ヒト動物の行動量積算値に対して30%以上低下する時間帯であることを意味する。
前記更年期モデル非ヒト動物は卵巣摘出マウスであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の更年期のための疲労改善組成物の評価方法は、疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量と、この活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の行動量とを確認し、更年期モデル非ヒト動物と正常非ヒト動物のそれぞれに疲労改善組成物を投与し、活動期における休息期の更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量と、活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量とを比較するので、対象とする疲労改善組成物が更年期に伴う疲労を回復するのに役立つか否かを客観的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】マウスにおける活動期12時間におけるOVXマウスとShamマウスの行動量の変化を示すグラフである。
【図2】OVXマウスの活動期における休息期とShamマウスの対応する時間帯の行動量を積算したグラフである。
【図3】活動期12時間におけるヒハツ投与OVXマウスと対照OVXマウスの行動量の変化を示すグラフである。
【図4】ヒハツ投与OVXマウスと対照マウスの図3における活動期における休息期の行動量を積算したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の更年期のための疲労改善組成物の評価方法について説明する。
更年期の疲労とは、いわゆる更年期(生殖器(性成熟期)と非生殖器(老年期)の間の移行期をいい、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期)に自覚される疲労、エストロゲンの分泌低下による若年性更年期における疲労のような器質的疾患の裏付けに乏しい不定愁訴を主体とする疲労、さらにはエストロゲンの分泌低下に起因する男性更年期の疲労等を意味し、疲労改善組成物とはこのような更年期の疲労を改善するための薬剤の他、サプリメント、食品あるいは飲料等を含む広い概念である。
【0018】
まず、本発明の更年期のための疲労改善組成物の評価方法においては、疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量と、この活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の行動量とを確認する。
【0019】
ここで、非ヒト動物とは、ヒト以外の哺乳類のうち活動期を有する哺乳類であって、ラット、マウス、モルモット、ハムスター等を意味し、品種、年齢は特に限定されない。性別は雌性が好ましいが、雄性であっても代謝酵素アロマターゼ生産能を欠損させたもの等のように、疑似更年期を示すようなものであれば用いることも可能である。
【0020】
更年期モデル非ヒト動物は、上記ラット、マウス、モルモット、ハムスター等の雌性の卵巣摘出手術を施すことにより得ることができる。正常非ヒト動物は更年期モデル非ヒト動物に対応する非ヒト動物(更年期モデル非ヒト動物がマウスであれば正常マウス)であり、卵巣摘出手術を施していない対応する非ヒト動物である。なお、疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して活動期における休息期の行動量を確認するにあたっては、卵巣摘出手術の影響を相殺するために、偽手術を施した非ヒト動物を正常非ヒト動物として用いることが好ましい。なお、非ヒト動物はその個体差を考慮して複数匹用いることが好ましく、5〜10匹程度を用いることがより好ましい。
【0021】
活動期における休息期は活動期の半ばにおいて、正常非ヒト動物の行動量と比較して更年期モデル非ヒト動物の行動量が大きく低下する時間帯であり、詳細には、活動期における正常非ヒト動物に対して更年期モデル非ヒト動物の1時間当たりの行動量が最も低下する時間を含む2〜6時間の時間帯であって、この時間帯における更年期モデル非ヒト動物の行動量積算値が、同時間帯における正常非ヒト動物の行動量積算値に対して30%以上低下する時間帯を意味する。
【0022】
更年期のための疲労改善組成物を評価するには、活動期における行動量をそれぞれ測定して活動期における休息期の行動量を確認した後、更年期モデル非ヒト動物と正常非ヒト動物のそれぞれに疲労改善組成物を投与し、活動期における休息期の更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量と、活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量とを比較することにより行う。
【0023】
上記行動量の変化量は、活動期における休息期の更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の差や比(割合)、正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量の差や比により特定することができ、好ましくは更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量積算値の差と、正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量積算値の差により特定することができる。
【0024】
例えば行動量積算値の差であれば、活動期における休息期の更年期モデル非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量積算値の差が、活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の疲労改善組成物投与前後の行動量積算値の差よりも有意に大きい場合には、投与した疲労改善組成物は更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量を特異的に上昇させるものであると判断でき、更年期に伴う疲労に効果がある疲労改善組成物として評価することができる。
【0025】
以下、更年期モデル非ヒト動物として更年期モデルマウスを用いてさらに詳細に説明する。図1は11週齢の雌性ddYマウスに卵巣摘出手術を施した後、約2週間予備飼育した卵巣摘出モデル(OVX)マウスと、同じ11週齢の雌性ddYマウスに卵巣摘出をしない偽手術を施した後、約2週間予備飼育したShamマウスの、活動期12時間の行動量の変化を経時的に測定したグラフである。行動量は活動量測定装置(メルクエスト社製)を用いて測定しており、赤外線センサの反応回数(カウント)として出力される。グラフは1時間当たりのカウントで行動量を示している。なお、図1の行動量は、Shamマウスは5匹(n=5)、OVXマウスは6匹(n=6)を平均値±標準偏差として示している(*および**はstudent t−testによりShamマウスに対してそれぞれ、危険率5%、1%で有意な差を表わす)。
【0026】
図1に示すグラフから、OVXマウスではShamマウスと比較して、活動期の半ばに大きく行動量が低下する時間帯のあることがわかる(なお、OVXマウスの行動量だけをみると、活動期の12時間目にも行動量は低下しているが、Shamマウスの行動量も低下しており、この時間帯は本発明における活動期における休息期からは除外される)。OVXマウスとShamマウスの違いは卵巣摘出をしているか否かの相違であるから、この行動量の低下は卵巣摘出によるものであり、言い換えれば卵巣から分泌されるエストロゲンの有無が与える行動量を示すものである。このため、この行動量の低下する時間帯は更年期の疲労に大きく関与していることが推考される。従って、対象とする疲労改善組成物が更年期に伴う疲労に対して回復効果(抗疲労効果)を発揮するかどうかを確認するためには、このような行動量が低下する時間帯、すなわち活動期における休息期の行動量を特定して評価することが重要であることがわかる。
【0027】
活動期における休息期は上述のように、活動期の半ばにおいて、正常非ヒト動物の行動量と比較して更年期モデル非ヒト動物の行動量が大きく低下する時間帯である。図2に示すグラフを参照しながら説明する。図2はOVXマウスの活動期における休息期と、Shamマウスの対応する時間帯の行動量を積算したグラフであり、詳細にはShamマウスに対して最も行動量の低下がみられる時間、つまり、図1においては活動期5時間目を含む活動期2時間目〜7時間目までの6時間のOVXマウスの積算行動量と、同時間帯のShamマウスの積算行動量を示すものである。
【0028】
図2より、OVXマウスの行動量がShamマウスの行動量に対して最も低下がみられる時間を含む6時間の積算行動量は、Shamマウスの積算行動量に比して30%以上低下している。このように、活動期における休息期の行動量は活動期における休息期の行動量積算値として確認する方がより活動期における休息期全体の傾向を把握できるため好ましい。この30%という数値は、OVXマウスもShamマウスも共に行動量が低下する時間帯(上述のように活動期12時間目を含む8時間目〜12時間目)を除外するために必要な差である。なお、ここではShamマウスに対して最も行動量の低下がみられる時間を含む6時間の積算行動量で比較しているが、OVXマウスの行動量がShamマウスの行動量に対して最も低下がみられる時間を含み、Shamマウスの積算行動量に対して30%以上低下する時間帯であれば2〜6時間の範囲で任意に特定することが可能である。
【0029】
上記のようにしてOVXマウスの活動期における休息期を確認し、OVXマウスとShamマウスの活動期における休息期の行動量をそれぞれ測定したら、次に、OVXマウスとShamマウスに対して、それぞれ評価したい対象の疲労改善組成物を投与する。投与期間は疲労改善組成物に応じて任意に決めることができる。所定の投与期間後、OVXマウスとShamマウスの活動期における休息期の行動量を投与前と同様にして測定する。
【0030】
図3は更年期特有の疲労に対する効果を評価するために疲労改善組成物としてヒハツ(Piper longum:コショウ科コショウ属に属する東南アジアに分布する常緑のつる植物)の果穂を熱水抽出濃縮したもの(ヒハツエキスパウダーMF:丸善製薬製)を5週間投与したOVXマウスと、投与していないOVXマウス(対照マウス)の活動期における行動量の推移を示すグラフ、図4はヒハツ投与OVXマウスと対照マウスの、活動期開始2時間目〜7時間目までの6時間の行動量積算値を示すグラフである(図3および図4の行動量は、図1と同様に、それぞれマウス8匹(n=8)を平均値±標準偏差として示し、*はstudent t−testにより対照マウスに対して、危険率5%で有意な差を表わす)。このグラフから明らかなように、ヒハツ投与OVXマウスでは対照マウスに比較して有意に行動量が上昇していることがわかる。
【0031】
投与した疲労改善組成物が更年期特有の疲労に特異的に効果を有するものであるかを確認するには、正常マウスに対して上記と同様に疲労改善組成物を投与し、正常マウスにおいてヒハツ投与正常マウスと対照正常マウスの活動期における休息期に対応する時間帯の行動量に差がない場合には、ヒハツが更年期特有の疲労に効果を有するものであると評価することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物と前記疲労改善組成物投与前の正常非ヒト動物の活動期における行動量をそれぞれ測定して前記疲労改善組成物投与前の更年期モデル非ヒト動物の活動期における休息期の行動量と、該活動期における休息期に対応する時間帯の正常非ヒト動物の行動量とを確認し、前記更年期モデル非ヒト動物と前記正常非ヒト動物のそれぞれに前記疲労改善組成物を投与し、前記活動期における休息期の前記更年期モデル非ヒト動物の前記疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量と、前記活動期における休息期に対応する時間帯の前記正常非ヒト動物の前記疲労改善組成物投与前後の行動量の変化量とを比較することを特徴とする更年期のための疲労改善組成物の評価方法。
【請求項2】
前記活動期における休息期が、前記活動期における前記正常非ヒト動物に対して前記更年期モデル非ヒト動物の1時間当たりの行動量が最も低下する時間を含む2〜6時間の時間帯であって、該時間帯における前記更年期モデル非ヒト動物の行動量積算値が、前記時間帯における前記正常非ヒト動物の行動量積算値に対して30%以上低下する時間帯であることを特徴とする請求項1記載の更年期のための疲労改善組成物の評価方法。
【請求項3】
前記更年期モデル非ヒト動物が卵巣摘出マウスであることを特徴とする請求項1または2記載の更年期のための疲労改善組成物の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−75282(P2011−75282A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223655(P2009−223655)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【復代理人】
【識別番号】100111040
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 淑子
【Fターム(参考)】