説明

書き換え可能なケーブルマーキング装置

【課題】本発明は、ケーブルに目視可能なケーブル属性情報を書き換え可能に、容易に書き込む手段を提供することを課題とする。
【解決手段】ケーブルの表面に、ケーブル属性情報を表示するケーブルマーキング装置であって、印刷部と制御部を有し、該印刷部は、ケーブル保持手段とサーマルヘッドと、該サーマルヘッドをケーブル表面に沿って相対的に移動させるヘッド移動機構を有し、前記制御部は、前記印刷部の動作を制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有することを特徴とするケーブルマーキング装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを識別するために、ケーブル属性情報を表示する目的で使用するケーブルマーキング装置に関し、特にケーブルの使用場所で容易に属性情報の書き換えが可能なケーブルマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LANケーブル、光ケーブル等、通信機器や情報機器の接続に用いられる各種ケーブルは、一般に同時に多くの本数を扱うため、個々のケーブルの属性を確認するために何らかのケーブル識別手段を必要とする場合が多い。従来は、ケーブルの色を変えたり、ケーブルに何種類かの色調の線を塗工したり、端子部の保護チューブに文字を印字したり、あるいはケーブルに識別記号を記入したタグを取り付けたりして識別していた。
【0003】
ケーブルの製造段階で、ケーブルに何らかのマーキングを行う装置、方法としては、特許文献1および2に示されたような装置、方法が提案されている。特許文献1に示されたケーブルの印刷装置は、ケーブルが製造された直後にケーブルの表面に転写シールを押し当てて、予め印刷した表示情報を転写する装置である。
また特許文献2に示された光ファイバケーブル及び光ファイバ心線のカラーマーキング着色方法は、光ファイバーの製造段階において、光ファイバー心線に染料系インクによる着色を施して、心線の識別を容易とした光ファイバーに関するものである。
これらは、いずれもケーブルの製造段階における表示あるいは色分けに関するものであり、本発明の目的とする、機器への接続段階におけるケーブルの識別には応用することが困難な技術である。
【0004】
ケーブルの敷設段階における、マーキングに関しては、特許文献3〜6に示されたような装置やシステムが提案されている。
特許文献3に示されたケーブル識別用マーキング装置は、通信用に用いられる同軸ケーブルに、文字や数字が凸状に形成された印字ベルトと塗料を用いて印字を行う装置であり、送り出し量を検知する手段を持ち、一定距離毎に印字を行うことにより、ケーブル敷設時のケーブルの準備と識別を容易にするものであるが、装置が大がかりであることと、予め用意した印字ベルトに存在する文字種しか印字できないことと、もとより書き換えはできないものである。
【0005】
また、特許文献4に示されたケーブルのマーキング方法およびケーブルの識別方法は、ケーブルの敷設時に、ケーブル収納容器に簡単なマーキング装置を取り付け、ケーブルの繰り出しと同時に、ケーブル表面に着色線を引くものである。
この方法は、きわめて簡単な装置でマーキングができるものではあるが、単純な線しか形成することができないし、書き換えもできないものである。
【0006】
特許文献5に示されたケーブルラベラーは、ケーブル敷設時に配線管理マーカーを付与する目的で提案されたものであり、本体ケース内にケーブル搬送路を有し、ラベリング装置によってケーブル表面に貼付された下地用ラベルに所望の配線管理マーカーをプリント装置によって印字形成するものであり、印字情報はマイクロコンピューターによって作成されるため、印字内容の自由度は高いものであるが、一旦印字したものを消去して書き換えることはできないものであった。
【0007】
特許文献6に示されたケーブル属性情報印字システムも、ケーブルの基準位置からの長さを含む属性情報をケーブルの表面に印字するシステムであって、印字手段として、速乾
性インクによる直接印字と熱転写による方法と、レーザ光による印字が選択できるものであるが、この発明も敷設段階における利便性を目的とした発明であって、ケーブルの使い回しという事態を念頭に置いていないため、一旦書き込んだ属性情報を書き換えることはできないものである。
【特許文献1】実開平5-8829号公報
【特許文献2】特開2006-227285号公報
【特許文献3】特開2001-229753号公報
【特許文献4】特開2001-229754号公報
【特許文献5】特開平7-335050号公報
【特許文献6】特開2005-38644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
大量のLANケーブルを扱うデータセンターなどの環境においては、同じケーブルを他に転用することが頻繁に発生する。そうした事態に対して従来の手法では、適切に対応することが困難であった。タグは比較的書き換えが容易な手段であるが、物理的な要因で常に目視しやすい場所にあるとは限らない。従ってさまざまな状況においても目視で識別できる表示をケーブルの使い回しに合わせて容易に書き換えできるような手段が望まれていた。またケーブルは両端が対になって初めて意味を持つことから、両端にそれぞれ対応した識別情報を表示できることが重要である。本発明は、ケーブルの両端に目視可能なケーブル属性情報を書き換え可能に、容易に書き込む手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、加熱によって発色および消色が可能なロイコ染料を含有する発色層を有するケーブルの表面に、ケーブル属性情報を表示するケーブルマーキング装置であって、印刷部と制御部を有し、該印刷部は、ケーブル保持手段とサーマルヘッドと、該サーマルヘッドをケーブル表面に沿って相対的に移動させるヘッド移動機構を有し、前記制御部は、前記印刷部の動作を制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有することを特徴とするケーブルマーキング装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記ヘッド移動機構は、前記サーマルヘッドをケーブルの長手方向に移動させるためのローラーと、該サーマルヘッドをケーブルの円周方向に回転させるためのローラーを有し、該サーマルヘッドをケーブルの外周面に沿って螺旋状に移動させることを特徴とする請求項1に記載のケーブルマーキング装置である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記コンピューターは、CPU、キーボード、表示装置、揮発性メモリ、不揮発性外部メモリを有し、前記ソフトウェアは、情報入力モード、情報保存モード、情報転送モード、情報消去モード、情報印字モードの各モードを実行するプログラムを有することを特徴とする請求項1または2に記載のケーブルマーキング装置である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記印刷部を2組有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブルマーキング装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のケーブルマーキング装置は、印刷部と制御部を有し、該印刷部は、ケーブル保持手段とサーマルヘッドと該サーマルヘッドをケーブル表面に沿って移動させるヘッド移動機構を有しており、制御部は前記印刷部の動作を制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有しているので、発色、消色が可能なロイコ染料を含有する発色層を有する
ケーブルの任意の部分に、任意のケーブル属性情報を印字ならびに消去することができるものである。
【0014】
また、前記ヘッド移動機構が、前記サーマルヘッドをケーブルの長手方向に移動させるためのローラーとケーブルの円周方向に回転させるためのローラーを有し、サーマルヘッドをケーブルの外周面に沿って螺旋状に移動させるようにした場合は、ケーブル属性情報をケーブル外周面に螺旋状に印字することができるため、ケーブルがどのような角度で接続されていたとしても、ケーブル属性情報を視認することが可能となる。
【0015】
前記コンピューターが、CPU、キーボード、表示装置、揮発性メモリ、不揮発性外部メモリを有し、前記ソフトウェアが、情報入力モード、情報保存モード、情報転送モード、情報消去モード、情報印字モードの各モードを実行するプログラムを有するものである場合には、任意のケーブル属性情報をキーボードから容易に入力することができるばかりでなく、既に入力したケーブル属性情報をメモリに保存したり、重複がないように管理したり、あるいは保存してあった情報を利用したりすることが自由にできる。また後述するロイコ染料を含有した消去可能な発色層を有するケーブルを利用して、以前に記入された情報を消去したり、上書きしたりすることが可能となる。
【0016】
また、前記印刷部を2組有する場合には、ケーブルの両端に同時にケーブル属性情報を書き込むことができるため、作業効率に優れると伴に、書き間違いの発生を防止することができる。なお、この時書き込むケーブル属性情報としては、ケーブルの両端に同一の情報を書き込むこともできるし、互いに異なる情報を書き込むこともできる。
【0017】
従ってケーブルの表面にロイコ染料を含有する発色層を設けたケーブルを用いて、本発明のケーブルマーキング装置によってケーブル属性情報を印字した場合には、本装置によって情報を消去することが可能であり、ケーブル属性情報を自由に書き換えて、ケーブルを再使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面に従って、本発明のケーブルマーキング装置および、ケーブルマーキング方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るケーブルマーキング装置の一例を示した説明図である。
このケーブルマーキング装置は、2つの印刷部すなわち印刷部1aおよび1bと制御部2から成り、この両者は接続ケーブル3によって接続されている。印刷部には、それぞれ印刷部ベース5と印刷部カバー6を有しており、ケーブル保持手段としてこの例ではケーブル保持用ノッチ7が設けられている。
【0019】
ケーブル保持用ノッチ7は、この図ではすべてが示されてはいないが、印刷部の両端に3箇所づつ、計6箇所設けられており、ケーブルの両端を3点づつ、計6点で支持する。ケーブル保持用ノッチの個数は特に限定されたものではないが、1端についてそれぞれ3点乃至は4点が適当である。ケーブル保持用ノッチは、ケーブルに接する面がゴム等の滑りにくい材質であることが望ましく、スプリングによって伸縮可能に設けられているとさらに好ましい。
印刷部カバー6は、ヒンジ部4を中心として上方に開くようになっており、印刷部カバー留め具8によって閉じた状態に固定される。
印刷部aおよびbは、印刷部カバー6を閉じた状態において内面が正確な円筒形になるように作られている。
【0020】
制御部2は、印刷部の動作を制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有し、該コンピューターは、少なくともCPU、キーボード、表示装置、揮発性メモリ、不揮発
性外部メモリを有している。図1では詳細を省いて、キーボード9と表示装置10を持った小型の筺体として模式的に表現しているが、特にこれに制約されるものではない。
【0021】
印刷部の動作を制御するソフトウェアの内容としては、少なくとも情報入力モード、情報保存モード、情報転送モード、情報消去モード、情報印字モードの各モードを実行するプログラムを有することが望ましい。それぞれのモードについては、後に詳しく説明する。なお、制御部の機能の一部は、通常のパーソナルコンピューター(PC)で代用してもよく、この場合は必要なソフトウェアをPCにインストールして、本ケーブルマーキング装置をPCに接続して使用する。
【0022】
図2は、図1に示したケーブルマーキング装置の印刷部にケーブルをセットする状態を示した説明図である。印刷部1aの印刷部カバー6をヒンジ部4を中心にして開き、ケーブル11をセットした状態を示している。この後、印刷部カバー6を閉じて印刷部カバー留め具8によって固定することにより、ケーブルは、計6個のケーブル保持用ノッチ7によって保持され、ケーブルのセットが完了する。
この時、ケーブルがセットされたことを確認するために、ケーブル検知センサーあるいは、検知スイッチを印刷部の内部に設けて、ケーブルがセットされていない状態ではサーマルヘッドが作動しないようにしておくと、誤動作による機器の損傷を防止するために有効である。なお、図にあるサーマルヘッドブロック下16bについては、後述する。
【0023】
図1、図2では、印刷部が2組存在する場合について説明しているが、このことにより、ケーブルの両端に同時に属性情報を書き込むことが可能となるため、ケーブルの両端に同一の情報を表示したり、あるいは、一組になった異なる情報を表示することができるので、ケーブル属性の管理が誤りなく確実に、また能率的にできるようになる。
但し、使用頻度が低い場合等で2組の印刷部を必要としない場合には、印刷部は一つでも差し支えない。
【0024】
図3は、マーキングを施す以前のケーブルの状態を示した説明図である。ケーブル11の端部に端子部13が設けられており、端子部13の付近のケーブル表面に発色層12が形成されている。発色層12の位置は任意であり、使用条件に合わせて、最も利便性の高い位置に設ければ良い。発色層12を形成する方法としては、サーマルヘッドによって発色可能な感熱記録用ラベルを貼付する方法や、あるいは転写法によって発色層をケーブル表面に直接形成する方法でも良い。あるいは、ケーブルの製造段階でケーブル表面全体に発色層を塗布して設けても良い。この場合には、任意の長さに切断したケーブルの任意の場所に表示ができるようになるので、極めて利便性が高い。
【0025】
発色層の構成としては、例えば感熱記録用ラベルの場合であれば、紙やフィルム等の支持体の表面に感熱発色層と必要に応じて表面保護層を設け、裏面には粘着剤層と離型紙を設けたものが一般的である。感熱発色層としては、ロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ再加熱によって消色することができる可逆性顕色剤を含有する感熱記録層を有するものを使用した場合には、一度発色させて属性情報を形成した後、再度加熱することにより消色することができ、さらに別の情報を形成することができるので、ケーブルの使い回しが容易にできる。
なお、ロイコ染料の発色と消色を行うにあたっては、単一のサーマルヘッドによっても実行することができる。この場合は高温の記録モードと低温の消去モードの2段階の温度を再現できるサーマルヘッドを用いれば良い。
【0026】
図4は、マーキングを施したケーブルの状態を示した説明図であり、ケーブル11の端子13の付近に設けた発色層12にケーブル属性情報14を形成した状態を示している。この図のようにケーブル属性情報14をケーブルの表面に螺旋状に形成した場合には、ケ
ーブルがどのような状態で接続されていたとしてもケーブル属性情報14を読み取ることができる。なおケーブル属性情報14は、同一の内容を繰り返して表示することにより、さらに読み取り可能な角度が広がり、属性情報の視認が確実となる。
【0027】
図5は、本発明に係るケーブルマーキング装置の印刷部の内部の状態を示した説明図である。ヒンジ部4を中心にして、印刷部ベース5と印刷部カバー6を開いた状態を示している。図では、ケーブル保持手段としてケーブル保持用ノッチ7が、印刷部ベース5に2個、印刷部カバー6の両端に2箇所づつ、計6箇所設けられている。
内部には、サーマルヘッド17を有するサーマルヘッドブロック上16aとこれに嵌合するサーマルヘッドブロック下16bが設けられている。サーマルヘッドブロック上16aと印刷部カバー6とは、フレキシブルケーブル18によって接続されている。
図では見ることができないが、サーマルヘッドブロック下16bと印刷部ベース5とは、同様にフレキシブルケーブルによって接続されている。
【0028】
図6は、サーマルヘッドブロック15の外観図である。
サーマルヘッドブロック15は、サーマルヘッドブロック上16aとサーマルヘッドブロック下16bとから成り、一体として嵌合することにより、円柱状の形状となる。それぞれのブロックには、ヘッド移動機構としてサーマルヘッドブロック15をケーブルの長手方向に移動させるための横方向移動用ローラー19と、ケーブルの円周方向に回転させるための回転用ローラー20が円柱外表面に設けられており、これらのローラーを駆動するマイクロモーターが内蔵されている。
【0029】
横方向移動用ローラー19と回転用ローラー20は、いずれもスプリングによって保持されており、印刷部カバー6を閉じた状態で、印刷部内面の円筒面に密着するようになっている。従ってフレキシブルケーブル18によって送られた駆動信号に基づき、サーマルヘッドブロック15は印刷部内面の円筒面に沿って自由に移動したり回転したりすることができる。このことにより、サーマルヘッドブロック15の中央に保持したケーブルの表面にサーマルヘッド17を接触させながら自由に移動させることが可能となる。
【0030】
横方向移動用ローラー19と回転用ローラー20とを同時に駆動した場合には、サーマルヘッドがケーブルの表面を螺旋状に走査することになるため、図4において示したような螺旋状の表示が可能となる。
【0031】
図7は、本発明に係るケーブルマーキング装置の異なる実施例を示した説明図である。この実施例では、印刷部は一つであり、印刷部ベース5と印刷部カバー6とがヒンジ部4によって開閉自由に接続されている。印刷部ベース5と印刷部カバー6には、内周面に横方向移動用ローラー19と回転用ローラー20が直接設けられており、それらを駆動するマイクロモーターが内蔵されている。印刷部カバー6の内周面には、サーマルヘッド17が設けられている。中心にケーブルを置いた状態で、印刷部ベース5と印刷部カバー6を閉じると、横方向移動用ローラー19と回転用ローラー20がケーブル表面に直接接触し、ケーブル保持手段として作用する。接続ケーブル3を経由して印字信号を入力すると、横方向移動用ローラー19と回転用ローラー20が駆動され、サーマルヘッド17がケーブルの表面に接触しながら移動して、所望のケーブル属性情報を印字することができる。この時、印刷部全体がケーブルに対して相対的に移動または回転することになるので、ケーブルが動かないように確実に保持しておくか、あるいは逆に、印刷部を固定して、ケーブルが自由に動くようにしておくかどちらかの手段を講ずる必要があるが、本実施例に示したケーブルマーキング装置は、全体の機構がシンプルになるため、製品の価格が安価になるという利点を有するものである。
【0032】
次に制御部とソフトウェアについて説明する。制御部は上に述べてきた印刷部の動作を
制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有しており、このコンピューターは、CPU、キーボード、表示装置、揮発性メモリ、不揮発性外部メモリ等を有している。
キーボードは、ケーブル属性情報として必要とする文字種や、入力に要する効率に応じて必要なキーを準備する。表示装置としては、液晶表示装置が最も一般的である。揮発性メモリは、各動作モードにおける命令やデータを一時的に保持するものである。不揮発性外部メモリは、コンピューターの基本的な動作を制御するOSや、印刷部の各マイクロモーターやサーマルヘッドを制御する基本的なソフトウェアや、後述する各動作モードを実行するプログラムを格納する部分である。この他、作成したケーブル属性情報をファイルとして保存するための外部記憶装置を備えることによって、ケーブル属性情報の管理がさらに容易となる。
【0033】
ソフトウェアとしては、情報入力モード、情報保存モード、情報転送モード、情報消去モード、情報印字モードの各モードを実行するプログラムを少なくとも有することが必要である。情報入力モードは、必要とするケーブル属性情報をキーボードから入力するモードである。ここで作成された属性情報は、情報保存モードによって揮発性メモリに格納される。揮発性メモリに格納された情報は、情報転送モードによって、印刷部に転送される。また外部記憶装置に転送して保存することもできる。情報消去モードは、印刷部のサーマルヘッドに消去動作をさせるためのものであり、情報印字モードは、印刷部のマイクロモーターを駆動すると伴に、印刷部に転送された情報をサーマルヘッドに印字させるものである。通常、印字モードではサーマルヘッドが短時間に高温になってロイコ染料を含有する発色層を発色温度に加熱し、さらに急速に冷却することによってロイコ染料を発色させる。また消去モードでは発色温度より低温の転移温度に長時間保持することによってロイコ染料を消色する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るケーブルマーキング装置の一例を示した説明図
【図2】本発明係るケーブルマーキング装置の印刷部にケーブルをセットする状態を示した説明図
【図3】マーキングを施す以前のケーブルの状態を示した説明図
【図4】マーキングを施したケーブルの状態を示した説明図
【図5】本発明に係るケーブルマーキング装置の印刷部の内部の状態を示した説明図
【図6】サーマルヘッドブロックの外観図
【図7】本発明に係るケーブルマーキング装置の他の実施例を示した説明図
【符号の説明】
【0035】
1a・・・印刷部a
1b・・・印刷部b
2・・・制御部
3・・・接続ケーブル
4・・・ヒンジ部
5・・・印刷部ベース
6・・・印刷部カバー
7・・・ケーブル保持用ノッチ
8・・・印刷部カバー留め具
9・・・キーボード
10・・・表示装置
11・・・ケーブル
12・・・発色層
13・・・端子部
14・・・ケーブル属性情報
15・・・サーマルヘッドブロック
16a・・・サーマルヘッドブロック上
16b・・・サーマルヘッドブロック下
17・・・サーマルヘッド
18・・・フレキシブルケーブル
19・・・横方向移動用ローラー
20・・・回転用ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱によって発色および消色が可能なロイコ染料を含有する発色層を有するケーブルの表面に、ケーブル属性情報を表示するケーブルマーキング装置であって、印刷部と制御部を有し、該印刷部は、ケーブル保持手段とサーマルヘッドと、該サーマルヘッドをケーブル表面に沿って相対的に移動させるヘッド移動機構を有し、前記制御部は、前記印刷部の動作を制御するソフトウェアを搭載したコンピューターを有することを特徴とするケーブルマーキング装置。
【請求項2】
前記ヘッド移動機構は、前記サーマルヘッドをケーブルの長手方向に移動させるためのローラーと、該サーマルヘッドをケーブルの円周方向に回転させるためのローラーを有し、該サーマルヘッドをケーブルの外周面に沿って螺旋状に移動させることを特徴とする請求項1に記載のケーブルマーキング装置。
【請求項3】
前記コンピューターは、CPU、キーボード、表示装置、揮発性メモリ、不揮発性外部メモリを有し、前記ソフトウェアは、情報入力モード、情報保存モード、情報転送モード、情報消去モード、情報印字モードの各モードを実行するプログラムを有することを特徴とする請求項1または2に記載のケーブルマーキング装置。
【請求項4】
前記印刷部を2組有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブルマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−199919(P2009−199919A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41166(P2008−41166)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】