書類処理装置及びこれに用いられるスイッチ装置
【課題】子供等が誤って駆動操作したときに書類処理部の誤作動を未然に回避する。
【解決手段】投入口1aを有する装置筐体1内に設けられ、装置筐体1の投入口1aから投入された処理すべき書類Sを処理する書類処理部2と、前記装置筐体1の表面に配置され且つ前記書類処理部2を駆動操作するスイッチ装置3とを備え、このスイッチ装置3は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチ4と、この操作スイッチ4の基本操作だけでは書類処理部2の駆動を禁止し且つ操作スイッチ4の基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部2を駆動開始する安全機構5とを有する。
【解決手段】投入口1aを有する装置筐体1内に設けられ、装置筐体1の投入口1aから投入された処理すべき書類Sを処理する書類処理部2と、前記装置筐体1の表面に配置され且つ前記書類処理部2を駆動操作するスイッチ装置3とを備え、このスイッチ装置3は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチ4と、この操作スイッチ4の基本操作だけでは書類処理部2の駆動を禁止し且つ操作スイッチ4の基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部2を駆動開始する安全機構5とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類をラミネート処理したり細断処理したりする書類処理装置に係り、特に、書類処理部を駆動操作するためのスイッチ装置を改良した書類処理装置及びこれに用いられるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の書類処理装置としては、例えば書類をラミネート処理する書類ラミネート装置や、書類を細断処理する書類細断装置(シュレッダ)などが既に知られている。
このような書類処理装置は、投入口を有する装置筐体内に書類処理部を配置し、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を前記書類処理部で処理するものである。
ここで、書類処理部としては、ラミネート処理するための加熱ロール対や、細断処理するための細断刃が用いられている。
このような書類処理装置においては、装置筐体に書類の投入口が開設されているため、子供等が誤って投入口から指を投入すると、子供等の指が書類処理部に到達する懸念があり、不慮の事故を未然に防止するという観点から安全対策を施すことが強く要請されている。
【0003】
このような要請下において、例えば書類ラミネート装置の安全対策としては特許文献1,2に記載のものがある。
特許文献1は、ラミネート装置の異常状態を監視し、ラミネート装置に異常が発生した場合には装置への供給電源を自動的に遮断する技術である。
また、特許文献2は、圧着部の温度が所定の設定値以上で開状態になるのを規制するためにロック手段を設け、ラミネート処理を通じて熱くなっている内部の圧着部に不用意に接触する事態を回避する技術である。
【0004】
【特許文献1】特開平5−228998号公報(実施例,図4)
【特許文献2】特開2005−335147号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2は、ラミネート装置が異常状態にあるとき、あるいは、圧着部の温度が所定の設定値以上であるときに安全対策を施すものに過ぎず、例えば書類ラミネート装置を駆動操作するにあたり、操作スイッチを操作すると直ちに書類処理部が作動することから、子供等が誤って駆動操作したときの書類処理部の誤作動を未然に回避することは困難である。
本発明の技術的課題は、子供等が誤って駆動操作したときに書類処理部の誤作動を未然に回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、投入口を有する装置筐体内に設けられ、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を処理する書類処理部と、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置とを備え、前記スイッチ装置が、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る書類処理装置において、操作スイッチが、移動自在な操作体と、この操作体の移動に伴ってスイッチ接点が接離するスイッチ機構とを有し、安全機構が、操作スイッチに一体的に組み込まれ、基本操作として操作体の押し込み操作を可能とする基本操作機構と、この基本操作機構にて前記操作体が押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向と交差する方向に移動可能に保持され且つ基本操作機構から離間した駆動位置にてスイッチ機構のスイッチ接点が接触する追加操作機構とを有するものであることを特徴とする書類処理装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る書類処理装置において、操作スイッチのスイッチ機構が、基本操作機構にて押し込まれた操作体と少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構にて移動自在に保持される方向に沿って操作体と共に移動するスイッチ片と、このスイッチ片の移動に伴って接離するスイッチ接点とを有することを特徴とする書類処理装置である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3いずれかに係る書類処理装置において、操作スイッチの操作体が押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネにて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものであることを特徴とする書類処理装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る書類処理装置において、安全機構が、装置筐体表面のうち操作スイッチとは別の部位に設けられ、操作スイッチによる基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチと、この安全スイッチが書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部とを有し、安全スイッチによる書類処理部の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチによる基本操作に基づいて書類処理部を駆動開始することを特徴とする書類処理装置である。
請求項6に係る発明は、投入口を有する装置筐体内に書類処理部を有し、装置筐体の投入口から処理すべき書類を投入して前記書類処理部にて処理する書類処理装置に設けられ、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置であって、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置のスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、操作スイッチを基本操作するだけでは書類処理装置を作動させないようにしたので、子供等による書類処理装置の誤作動を未然に回避することができる。
請求項2に係る発明によれば、操作スイッチに機械的構成の安全機構を簡単に組み込むことができる。
請求項3に係る発明によれば、操作スイッチのスイッチ機構を工夫することにより、簡単な構成で安全機構を容易に組み込むことができる。
請求項4に係る発明によれば、初期位置、駆動位置で操作スイッチを押し込み前の突出位置に復帰させるようにしているため、駆動開始時は勿論のこと、駆動停止時における操作性も良好に維持することができる。
請求項5に係る発明によれば、安全スイッチを働かせることで書類処理装置の誤作動を有効に回避できると共に、安全スイッチを解除することで書類処理装置を作動可能にすることができる。
請求項6に係る発明によれば、操作スイッチを基本操作するだけでは作動せず、子供等による誤作動を未然に回避することが可能な書類処理装置を簡単に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用される書類処理装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、書類処理装置は、投入口1aを有する装置筐体1内に設けられ、装置筐体1の投入口1aから投入された処理すべき書類Sを処理する書類処理部2と、前記装置筐体1の表面に配置され且つ前記書類処理部2を駆動操作するスイッチ装置3とを備えている。
このスイッチ装置3は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチ4と、この操作スイッチ4の基本操作だけでは書類処理部2の駆動を禁止し且つ操作スイッチ4の基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部2を駆動開始する安全機構5とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、書類処理装置は主として書類ラミネート装置を対象とするが、書類細断装置などのように、投入口から書類処理部に書類を投入する態様については同様な技術的課題があることからこれらも広く含むものである。
また、スイッチ装置3は操作スイッチ4と安全機構5とを構成要件とするものであれば広く含む。
ここで、操作スイッチ4としては、基本操作方向(例えば押し込み型であれば押し込み方向、スライド型であれば所定のスライド方向)に沿って移動するものであればよい。
更に、安全機構5としては、機械的な安全機構、回路的な安全機構など適宜選定して差し支えなく、安全機構5の追加操作は一つでもよいし、複数(例えば書類処理部2を正転する追加操作と逆転する追加操作)でもよい。
【0010】
また、操作スイッチ4の代表的態様としては、図1(b)に示すように、移動自在な操作体4aと、この操作体4aの移動に伴ってスイッチ接点4dが接離するスイッチ機構4bとを有するものが挙げられる。
このような操作スイッチ4を採用した場合において、安全機構5の代表的態様としては、操作スイッチ4に一体的に組み込まれ、基本操作として操作体4aの押し込み操作を可能とする基本操作機構11と、この基本操作機構11にて前記操作体4aが押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向(A方向)と交差する方向(B方向)に移動可能に保持され且つ基本操作機構11から離間した駆動位置にてスイッチ機構4bのスイッチ接点4dが接触する追加操作機構12とを有するものが挙げられる。
本態様は、「基本操作機構11+追加操作機構12」の組合せ態様で、操作スイッチ4の操作過程として、基本操作に加えて追加操作を経ることが必要である。本態様では、一方の基本操作だけでは書類処理部2を駆動開始不能であるため、子供等が操作スイッチ4に対して基本操作したとしても、書類処理部2が駆動開始する懸念はない。
【0011】
更に、上述した機械的な安全機構5を採用するにあたり、スイッチ機構4bの好ましい態様としては、図1(b)に示すように、基本操作機構11にて押し込まれた操作体4aと少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構12にて移動自在に保持される方向に沿って操作体4aと共に移動するスイッチ片4cと、このスイッチ片4cの移動に伴って接離するスイッチ接点4dとを有するものが挙げられる。
本態様では、スイッチ片4cは少なくとも押し込まれた操作体4aと接触して係合するものであればよいが、操作体4aとスイッチ片4cとの係合性を良好に保つという観点からすれば、押し込まれる前の操作体4aとスイッチ片4cとを予め軽接触した状態で係合させておく方が好ましい。
更にまた、上述した機械的な安全機構5を採用するにあたり、操作スイッチ4の好ましい態様としては、操作スイッチ4の操作体4aが押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネ(図示せず)にて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものが挙げられる。
【0012】
また、安全機構5の他の代表的態様としては、図1(c)に示すように、装置筐体1表面のうち操作スイッチ4とは別の部位に設けられ、操作スイッチ4による基本操作に基づく書類処理部2の駆動を禁止する安全スイッチ15と、この安全スイッチ15が書類処理部2の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部16とを有し、安全スイッチ15による書類処理部2の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチ4による基本操作に基づいて書類処理部2を駆動開始する態様が挙げられる。
ここで、安全スイッチ15は任意に選択操作することは勿論可能であるが、例えば電源投入後に常時働くように予め設定するようにしてもよい。
【0013】
尚、本実施の形態では、書類処理装置に本発明を適用したものが示されているが、この書類処理装置に用いられるスイッチ装置3(操作スイッチ4,安全機構5)そのものについて本発明を適用できることは勿論である。
【0014】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
―書類ラミネート装置の全体構成―
図2及び図3は本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態1を示す。
同図において、書類ラミネート装置20は、略ボックス形状の装置筐体21内にラミネート処理するための書類処理部を配置し、装置筐体21の一側壁には書類の投入口22を開設すると共に、装置筐体21の他側壁には処理済み書類の排出口23を開設したものである。
ここで、投入口22は、最大使用サイズの書類幅を考慮した幅寸法を有し、ラミネート処理に供する書類が通過可能な狭い開口幅(例えば3mm〜5mm)に形成されている。また、書類処理部は、特に図3に示すように、図示外の書類(本例ではラミネートフィルムとシートとを重ねた書類)を搬送しながら熱圧着する対構成の熱圧着搬送ロール31(31a,31b)と、この熱圧着搬送ロール31の書類搬送方向下流側に配設される対構成の搬送ロール32(32a,32b)とを備えている。
【0015】
本実施の形態では、対構成の熱圧着搬送ロール31(31a,31b)は、例えば熱伝導性の良好な金属(例えばアルミニウム)製の中空状ロール本体を有し、このロール本体の表面に弾性素材(例えばシリコンゴム)からなる弾性層を形成したものであり、図示外の付勢バネの不勢力にて両者が圧接されて両者間に所定のニップ域を確保し、このニップ域にて書類を挟持搬送するものである。
そして、この対構成の熱圧着搬送ロール31は例えば外部ヒーター33にて加熱されるようになっている。本例では、外部ヒーター33としては例えばマイカ片にニクロム線を巻き付けた所謂マイカヒーター(例えば250W〜450Wの消費電力)が用いられている。尚、ヒーターとしては、前記外部ヒーター33に限られるものではなく、熱圧着搬送ロール31内に内部ヒーターを設けるようにしてもよいし、あるいは、外部ヒーター及び内部ヒーターの両者を用いるようにしてもよい。
【0016】
一方、対構成の搬送ロール32は、例えば熱伝導性の良好な金属(例えばアルミニウム)製の中空状ロール本体を有し、このロール本体の表面に弾性素材(例えばシリコンゴム)からなる弾性層を形成したものであり、図示外の付勢バネの不勢力にて両者が圧接されて両者間に所定のニップ域を確保し、このニップ域にて書類を挟持搬送するものである。
ここで、熱圧着搬送ロール31のニップ域と搬送ロール32のニップ域との間の距離は、最小使用サイズの書類よりも短寸に設定されている。
更に、本実施の形態では、対構成の熱圧着搬送ロール31と対構成の搬送ロール32との間には書類搬送路を挟んで対構成の補助ヒーター34が必要に応じて設けられている。本例では、補助ヒーター34としては適宜選定してよいが、例えば100W以下の消費電力のマイカヒーターが用いられている。
尚、図3中、符号35は熱圧着搬送ロール31のニップ域に書類を案内する案内板、符号36は搬送ロール32を通過した書類を排出口23に案内する案内シュートである。また、対構成の熱圧着搬送ロール31、対構成の搬送ロール32には書類が巻き付く事態を回避するために分離爪(図示せず)が接触配置されている。
【0017】
また、本実施の形態では、図2及び図4に示すように、装置筐体21の頂部面には書類処理部を駆動操作するための操作スイッチ24が設けられており、また、熱圧着搬送ロール31の外部ヒーター33の設定温度を可変設定するための温度可変スイッチ25が設けられている。
本実施の形態において、操作スイッチ24及び温度可変スイッチ25からの信号は制御装置40に取り込まれ、この制御装置40は例えば操作スイッチ24からの信号に基づいて正逆転可能な駆動用モーター41に駆動制御信号(正転駆動制御信号、逆転駆動制御信号)を送出し、熱圧着搬送ロール31、搬送ロール32を正転又は逆転させるほか、交流電源42からの交流電圧を所定レベルの直流電圧に変換するトランス43に対し温度可変スイッチ25からの信号に基づいて電圧制御信号を送出し、外部ヒーター33、補助ヒーター34への供給電力を調整するものである。
尚、符号45〜47は駆動用モーター41,外部ヒーター33,補助ヒーター34への通電を制御するために操作スイッチ24に連動する連動スイッチである。
【0018】
また、本実施の形態では、操作スイッチ24は、図4に示すように、中立位置を‘OFF’ポジションとし、この中立位置を挟んだ一方側を‘RUN’ポジションとし、他方側を‘REV.’ポジションとしたものである。
ここで、操作スイッチ24の‘OFF’ポジションは電源オフ、具体的には駆動モーター41オフ、各ヒーター33,34オフを意味する。また、‘RUN’ポジションは電源オン、具体的には駆動モーター41オン(正転)、各ヒーター33,34オンを意味する。更に、‘REV.’ポジションは一部電源オン・リバースモード、具体的には駆動モーター41オン(逆転)、各ヒーター33,34オフを意味する。
【0019】
―操作スイッチ―
本実施の形態において、操作スイッチ24は、図5(a)(b)及び図6に示すように、移動自在なスイッチキャップ50と、このスイッチキャップの周囲を覆うスイッチカバー60と、スイッチキャップ50を保持するスイッチベース70と、スイッチキャップ50とスイッチベース70との間に介装される付勢バネ80とを備え、図7及び図8に示すスイッチ機構91によるスイッチ動作を操作可能としたものである。
ここで、各スイッチ要素について説明すると、スイッチキャップ50は、一端が塞がった中空円筒状のキャップ本体51を有し、このキャップ本体51の周壁の一部及びその反対側には略U字状の弾性変形可能な一対の係合アーム52を一体的に形成し、各係合アーム52の外側部分の一部には係止爪53を形成する一方、これらの係合アーム52に対して略90度偏倚したキャップ本体51の周壁には一対の脚片54を下方に向けて形成し、この脚片54の突出端にはキャップ本体51の径方向外側に向かって突出するストッパ55を形成したものである。
【0020】
また、スイッチカバー60は、略楕円状のカバー板61を有し、このカバー板61の中央には前記スイッチキャップ50のキャップ本体51が貫通する通孔62を形成し、更に、カバー板61の長手方向に沿った両側縁には夫々逆L字状の保持脚63を形成すると共に、この保持脚63の先端には外側に向かって突出する係止突起64を形成し、また、前記カバー板61の長手方向に沿った両側縁には下方に向かって折り曲げられた保持片65を形成したものである。
ここで、装置筐体21にはスイッチケース100(図8参照)が形成されており、このスイッチケース100には前記スイッチカバー60の長手方向に延びるスリット状の案内溝(図示せず)が形成されると共に、この案内溝に前記保持脚63が摺動自在に嵌合する一方、前記案内溝の長手方向に沿った一側縁には前記係止突起64が摺動自在に係止される案内凸条(図示せず)が形成され、その他側縁には前記保持片65が摺動自在に嵌合する案内凹部(図示せず)が形成されている。
【0021】
更に、スイッチベース70は、略長方形状のベース板71を有し、このベース板71の中央にはスイッチキャップ50の下部が嵌合する円筒状のキャップ保持枠72を形成する一方、前記ベース板71の長手方向に沿った両側縁には夫々二つの保持脚73を形成し、この保持脚73の突出端には外側に向かって突出する係止突起74を形成したものである。更に、このスイッチベース70のキャップ保持枠72内のベース板71に面した部位にはスイッチキャップ50の一対の係合アーム52が出没自在に嵌合する一対の嵌合孔75が形成されると共に、この嵌合孔75に面したキャップ保持枠72の内周壁には係合アーム52の係止爪53が係脱自在な係合段部76が形成され、また、スイッチベース70のキャップ保持枠72内のベース板71に面した部位にはスイッチキャップ50の脚片57及びストッパ55が嵌合する嵌合孔77,78が形成されている。
尚、装置筐体21のスイッチケース100(図8参照)には、スイッチベース70の長手方向に延びる案内溝(図示せず)が形成され、この案内溝に前記保持脚73が摺動自在に嵌合すると共に、案内溝の長手方向一側縁に形成された案内凸条(図示せず)に前記係止突起74が摺動自在に係止されるようになっている。
更にまた、付勢バネ80は、例えばスイッチキャップ50を押し込む方向に押し込んだ際にこれに抗する方向に付勢するコイルバネからなるものである。
【0022】
また、スイッチ機構91は、図7及び図8に示すように、スイッチ基板90に設けられたものであり、スイッチ基板90に沿って摺動自在なスイッチ片92を有し、図4に示す操作スイッチ24の‘RUN’ポジション及び‘REV.’ポジションにて図示外のスイッチ接点をオンにするものである。
特に、本実施の形態では、図8(a)に示すように、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションに位置する際には、スイッチキャップ50の下部は前記スイッチ機構91のスイッチ片92に軽接触して係合されているが、スイッチキャップ50が完全に押し込まれた位置に到達した時点ではスイッチキャップ50の下部はスイッチ片92に完全係合されるようになっている。
更に、本実施の形態では、操作スイッチ24は、図8に示すように、装置筐体21に形成されるスイッチケース100に収容されており、このスイッチケース100にはスイッチキャップ50のストッパ55を所定の押し込み位置まで案内する案内ブロック101,102が設けられている。本例では、スイッチキャップ50のストッパ55は案内ブロック101,102によって位置規制され、スイッチキャップ50が押し込み方向に沿って進退自在に移動し、スイッチキャップ50のストッパ55が案内ブロック101,102を通り過ぎる位置まで押し込まれた状態では案内ブロック101,102による位置規制が解除されることから、スイッチキャップ50が押し込み方向に交差するスライド方向に沿って移動自在になるものである。
【0023】
―操作スイッチの動作過程―
今、図7(a)、図8(a)に示すように、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションにあるとすると、スイッチキャップ50のストッパ55がスイッチケース100の案内ブロック101,102によって位置規制されているため、スイッチキャップ50はスライド方向には移動せず、押し込み方向だけ移動可能になっている。
この状態において、図7(b)、図8(b)に示すように、スイッチキャップ50を矢印A方向に押し込むと、スイッチキャップ50は付勢バネ80の付勢力に抗して押し込められる。
このとき、スイッチキャップ50の押し込み動作に伴ってストッパ55位置も次第に押し込められ、案内ブロック101,102を通り過ぎる位置に到達する。
この状態に至ると、図7(c)、図8(c)に示すように、案内ブロック101,102によるスイッチキャップ50のストッパ55に対する位置規制が解除されることから、スイッチキャップ50は、例えば押し込み方向に交差するスライド方向に沿って移動可能になる。
それゆえ、同図に示すように、スイッチキャップ50を押し込んだ状態のまま前記スライド方向の一方である矢印B方向へ移動させると、スイッチ機構91のスイッチ片92がスイッチキャップ50の移動に伴って駆動位置へ移動する。
この状態においては、スイッチ機構91のスイッチ片92は図示外のスイッチ接点をオンすることになり、操作スイッチ24は‘RUN’ポジションに設定される。
この段階において、図7(d)、図8(d)に示すように、スイッチキャップ50から手を離すと、スイッチキャップ50は付勢バネ80の付勢力によって初期位置と同様の押し込み前の突出位置に復帰する。
【0024】
このように、本実施の形態では、例えば操作スイッチ24を‘OFF’ポジションから‘RUN’ポジションに駆動操作する場合には、スイッチキャップ50を押し込み方向に操作する基本操作(基本操作を実現する機能要素:基本操作機構)を行った後に、押し込み方向とは異なるスライド方向にスイッチキャップ50を移動させるという追加操作(追加操作を実現する機能要素:追加操作機構)を行うようにすることが必要である。
このため、例えば子供がスイッチキャップ50を押し込み方向に操作する基本操作を行ったとしても、これに続く追加操作を行わなければ、操作スイッチ24を‘RUN’ポジションに設定することができない。このため、例えば子供が誤って操作スイッチ24を操作しようとしても、駆動用モーター41や各ヒーター33,34が誤って作動することはない。
尚、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションに位置する状況で例えば子供が最初に追加操作を行おうとしても、スイッチキャップ50はスイッチケース100の案内ブロック101,102にて位置規制されているため、スイッチキャップ50がスライド方向に移動する懸念はない。
【0025】
また、操作スイッチ24を‘RUN’ポジションから‘OFF’ポジションに戻す場合には、図7(a)〜図7(d)又は図8(a)〜図8(d)に至る操作を逆方向から行うようにすればよい。
更に、操作スイッチ24を‘OFF’ポジションから‘REV.’ポジションに移動させる場合には、図7(a)〜図7(d)又は図8(a)〜図8(d)に至る操作のうち、スライド方向をB方向と逆方向に移動させるようにすればよい。この場合において、操作スイッチ24を‘REV.’ポジションから‘OFF’ポジションに戻す場合には、前述した操作を逆方向から行うようにすればよい。
【0026】
◎実施の形態2
図9は本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態2を示す。
同図において、書類ラミネート装置20の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、操作スイッチ124及び安全機構が実施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については、実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
ここで、操作スイッチ124は、スイッチキャップを押し込むことなく、スライド自在に保持した構成であり、‘OFF’ポジション、‘RUN’ポジション、‘REV.’ポジションのいずれかを選択可能である。
また、安全機構は、装置筐体21表面のうち操作スイッチ124とは別の部位に設けられ、操作スイッチ124による基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチ130と、この安全スイッチ130が働いて且つ書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す安全表示ランプ131とを有している。
尚、安全表示ランプ131としては例えばLED等が適宜選定して差し支えない。
【0027】
本例では、安全スイッチ130は、所定時間短く押すと働き(オン)、一方、オン状態で所定時間長押しすると、オフするようになっている。尚、安全スイッチ130をオン・オフするための操作については同様な操作(例えば短く押す操作)にしても差し支えないが、本例のように、安全スイッチ130をオフにする場合に長押し操作するようにすれば、仮に、例えば子供がオン状態の安全スイッチ130に誤って触れたとしても、その押す操作が短ければ安全スイッチ130が解除され難いので、子供による書類ラミネート装置の誤作動をより確実に回避することができる点で好ましい。
また、本例では、制御装置140は、安全スイッチ130がオンであるときには操作スイッチ124による装置作動を禁止し、このことを告知するために安全表示ランプ131を点灯するものである。
これに対し、制御装置140は、安全スイッチ130がオフであるときには操作スイッチ124による装置作動を許容し、このことを告知するために安全表示ランプ131を消灯するものである。
【0028】
―書類ラミネート装置の動作過程―
次に、本実施の形態に係る書類ラミネート装置の動作過程について説明する。
<動作モードI:図10(a)参照>
この動作モードIは、図10(a)に示すように、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションから‘RUN’ポジションに移動したとしても、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)がオン、安全表示ランプ131(図10(a)中CロックLEDに相当)が点灯した状態に設定される。
このため、書類ラミネート装置を使用する場合には、ユーザーは安全スイッチ130を所定時間長押してオフとすればよく、これに伴って、安全表示ランプ131が消灯する。
この状態において、安全スイッチ130による操作スイッチ124のロック状態が解除されることになり、各ヒーター33,34、駆動用モーター41がオンする。
そして、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションに戻すと、電源がオフする。
【0029】
<動作モードII:図10(b)参照>
この動作モードIIは、図10(b)に示すように、書類ラミネート装置を使用した後に、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)を働かせる場合には、安全スイッチ130を短く押して安全表示ランプ131(図10(a)中CロックLEDに相当)を点灯させる。この状態では、安全スイッチ130がオンになり、これに伴って、ヒーター33,34及び駆動用モーター41がオフになり、電源がオフ状態になる。
この状態において、操作スイッチ124を‘RUN’ポジションに設定しようとすると、制御装置140は安全スイッチ130が働いていることを記憶しており、安全表示ランプ131を点灯させる。このため、書類ラミネート装置を使用する場合には、動作モードIと同様に、安全スイッチ130による操作スイッチ124のロック状態を解除することが必要である。
一方、この動作モードIIは、書類ラミネート装置を使用した後に、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)を働かせない場合には、安全スイッチ130を操作することなく、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションに戻すようにすればよい。この場合、再度書類ラミネート装置を使用しようとすると、安全スイッチ130が働いていないので、操作スイッチ124により書類ラミネート装置は直ちに駆動開始することになる。
【0030】
<動作モードIII:図11参照>
この動作モードIIIは、上述した動作モードIと動作モードIIとを切替選択可能としたモードである。
本例において、動作モードIと動作モードIIとの切替操作としては、例えば安全スイッチ130を長押しし、かつ、温度可変スイッチ125を長押しするような操作が挙げられる。
この場合、動作モードIIから動作モードIに切り替わる場合には、ブザー132をN1回鳴らし、かつ、安全表示ランプ131をN1回点滅させるようにし、一方、動作モードIから動作モードIIに切り替わる場合には、ブザー132をN2回鳴らし、かつ、安全表示ランプ131をN2回点滅させるようにすることで、ユーザーに動作モードがどのように切り替わったかを告知することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は本発明が適用される書類処理装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す安全機構の代表的態様を示す説明図、(c)は(a)に示す安全機構の他の代表的態様を示す説明図である。
【図2】本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態1を示す斜視図である。
【図3】図2に示す書類ラミネート装置の縦断面説明図である。
【図4】図2に示す書類ラミネート装置の制御系を示す説明図である。
【図5】(a)は実施の形態1で用いられる操作スイッチの要部斜視図、(b)はその断面説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる操作スイッチの分解斜視図である。
【図7】(a)〜(d)は実施の形態1で用いられる操作スイッチの動作過程を示す説明図である。
【図8】(a)〜(d)は実施の形態で用いられる操作スイッチの動作過程における位置規制状態を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図10】(a)は実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の一例を示す説明図、(b)は実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の他の例を示す説明図である。
【図11】実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1…装置筐体,1a…投入口,2…書類処理部,3…スイッチ装置,4…操作スイッチ,4a…操作体,4b…スイッチ機構,4c…スイッチ片,4d…スイッチ接点,5…安全機構,11…基本操作機構,12…追加操作機構,15…安全スイッチ,16…禁止表示部,S…書類
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類をラミネート処理したり細断処理したりする書類処理装置に係り、特に、書類処理部を駆動操作するためのスイッチ装置を改良した書類処理装置及びこれに用いられるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の書類処理装置としては、例えば書類をラミネート処理する書類ラミネート装置や、書類を細断処理する書類細断装置(シュレッダ)などが既に知られている。
このような書類処理装置は、投入口を有する装置筐体内に書類処理部を配置し、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を前記書類処理部で処理するものである。
ここで、書類処理部としては、ラミネート処理するための加熱ロール対や、細断処理するための細断刃が用いられている。
このような書類処理装置においては、装置筐体に書類の投入口が開設されているため、子供等が誤って投入口から指を投入すると、子供等の指が書類処理部に到達する懸念があり、不慮の事故を未然に防止するという観点から安全対策を施すことが強く要請されている。
【0003】
このような要請下において、例えば書類ラミネート装置の安全対策としては特許文献1,2に記載のものがある。
特許文献1は、ラミネート装置の異常状態を監視し、ラミネート装置に異常が発生した場合には装置への供給電源を自動的に遮断する技術である。
また、特許文献2は、圧着部の温度が所定の設定値以上で開状態になるのを規制するためにロック手段を設け、ラミネート処理を通じて熱くなっている内部の圧着部に不用意に接触する事態を回避する技術である。
【0004】
【特許文献1】特開平5−228998号公報(実施例,図4)
【特許文献2】特開2005−335147号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2は、ラミネート装置が異常状態にあるとき、あるいは、圧着部の温度が所定の設定値以上であるときに安全対策を施すものに過ぎず、例えば書類ラミネート装置を駆動操作するにあたり、操作スイッチを操作すると直ちに書類処理部が作動することから、子供等が誤って駆動操作したときの書類処理部の誤作動を未然に回避することは困難である。
本発明の技術的課題は、子供等が誤って駆動操作したときに書類処理部の誤作動を未然に回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、投入口を有する装置筐体内に設けられ、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を処理する書類処理部と、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置とを備え、前記スイッチ装置が、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る書類処理装置において、操作スイッチが、移動自在な操作体と、この操作体の移動に伴ってスイッチ接点が接離するスイッチ機構とを有し、安全機構が、操作スイッチに一体的に組み込まれ、基本操作として操作体の押し込み操作を可能とする基本操作機構と、この基本操作機構にて前記操作体が押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向と交差する方向に移動可能に保持され且つ基本操作機構から離間した駆動位置にてスイッチ機構のスイッチ接点が接触する追加操作機構とを有するものであることを特徴とする書類処理装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る書類処理装置において、操作スイッチのスイッチ機構が、基本操作機構にて押し込まれた操作体と少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構にて移動自在に保持される方向に沿って操作体と共に移動するスイッチ片と、このスイッチ片の移動に伴って接離するスイッチ接点とを有することを特徴とする書類処理装置である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3いずれかに係る書類処理装置において、操作スイッチの操作体が押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネにて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものであることを特徴とする書類処理装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る書類処理装置において、安全機構が、装置筐体表面のうち操作スイッチとは別の部位に設けられ、操作スイッチによる基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチと、この安全スイッチが書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部とを有し、安全スイッチによる書類処理部の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチによる基本操作に基づいて書類処理部を駆動開始することを特徴とする書類処理装置である。
請求項6に係る発明は、投入口を有する装置筐体内に書類処理部を有し、装置筐体の投入口から処理すべき書類を投入して前記書類処理部にて処理する書類処理装置に設けられ、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置であって、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置のスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、操作スイッチを基本操作するだけでは書類処理装置を作動させないようにしたので、子供等による書類処理装置の誤作動を未然に回避することができる。
請求項2に係る発明によれば、操作スイッチに機械的構成の安全機構を簡単に組み込むことができる。
請求項3に係る発明によれば、操作スイッチのスイッチ機構を工夫することにより、簡単な構成で安全機構を容易に組み込むことができる。
請求項4に係る発明によれば、初期位置、駆動位置で操作スイッチを押し込み前の突出位置に復帰させるようにしているため、駆動開始時は勿論のこと、駆動停止時における操作性も良好に維持することができる。
請求項5に係る発明によれば、安全スイッチを働かせることで書類処理装置の誤作動を有効に回避できると共に、安全スイッチを解除することで書類処理装置を作動可能にすることができる。
請求項6に係る発明によれば、操作スイッチを基本操作するだけでは作動せず、子供等による誤作動を未然に回避することが可能な書類処理装置を簡単に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用される書類処理装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、書類処理装置は、投入口1aを有する装置筐体1内に設けられ、装置筐体1の投入口1aから投入された処理すべき書類Sを処理する書類処理部2と、前記装置筐体1の表面に配置され且つ前記書類処理部2を駆動操作するスイッチ装置3とを備えている。
このスイッチ装置3は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチ4と、この操作スイッチ4の基本操作だけでは書類処理部2の駆動を禁止し且つ操作スイッチ4の基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部2を駆動開始する安全機構5とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、書類処理装置は主として書類ラミネート装置を対象とするが、書類細断装置などのように、投入口から書類処理部に書類を投入する態様については同様な技術的課題があることからこれらも広く含むものである。
また、スイッチ装置3は操作スイッチ4と安全機構5とを構成要件とするものであれば広く含む。
ここで、操作スイッチ4としては、基本操作方向(例えば押し込み型であれば押し込み方向、スライド型であれば所定のスライド方向)に沿って移動するものであればよい。
更に、安全機構5としては、機械的な安全機構、回路的な安全機構など適宜選定して差し支えなく、安全機構5の追加操作は一つでもよいし、複数(例えば書類処理部2を正転する追加操作と逆転する追加操作)でもよい。
【0010】
また、操作スイッチ4の代表的態様としては、図1(b)に示すように、移動自在な操作体4aと、この操作体4aの移動に伴ってスイッチ接点4dが接離するスイッチ機構4bとを有するものが挙げられる。
このような操作スイッチ4を採用した場合において、安全機構5の代表的態様としては、操作スイッチ4に一体的に組み込まれ、基本操作として操作体4aの押し込み操作を可能とする基本操作機構11と、この基本操作機構11にて前記操作体4aが押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向(A方向)と交差する方向(B方向)に移動可能に保持され且つ基本操作機構11から離間した駆動位置にてスイッチ機構4bのスイッチ接点4dが接触する追加操作機構12とを有するものが挙げられる。
本態様は、「基本操作機構11+追加操作機構12」の組合せ態様で、操作スイッチ4の操作過程として、基本操作に加えて追加操作を経ることが必要である。本態様では、一方の基本操作だけでは書類処理部2を駆動開始不能であるため、子供等が操作スイッチ4に対して基本操作したとしても、書類処理部2が駆動開始する懸念はない。
【0011】
更に、上述した機械的な安全機構5を採用するにあたり、スイッチ機構4bの好ましい態様としては、図1(b)に示すように、基本操作機構11にて押し込まれた操作体4aと少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構12にて移動自在に保持される方向に沿って操作体4aと共に移動するスイッチ片4cと、このスイッチ片4cの移動に伴って接離するスイッチ接点4dとを有するものが挙げられる。
本態様では、スイッチ片4cは少なくとも押し込まれた操作体4aと接触して係合するものであればよいが、操作体4aとスイッチ片4cとの係合性を良好に保つという観点からすれば、押し込まれる前の操作体4aとスイッチ片4cとを予め軽接触した状態で係合させておく方が好ましい。
更にまた、上述した機械的な安全機構5を採用するにあたり、操作スイッチ4の好ましい態様としては、操作スイッチ4の操作体4aが押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネ(図示せず)にて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものが挙げられる。
【0012】
また、安全機構5の他の代表的態様としては、図1(c)に示すように、装置筐体1表面のうち操作スイッチ4とは別の部位に設けられ、操作スイッチ4による基本操作に基づく書類処理部2の駆動を禁止する安全スイッチ15と、この安全スイッチ15が書類処理部2の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部16とを有し、安全スイッチ15による書類処理部2の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチ4による基本操作に基づいて書類処理部2を駆動開始する態様が挙げられる。
ここで、安全スイッチ15は任意に選択操作することは勿論可能であるが、例えば電源投入後に常時働くように予め設定するようにしてもよい。
【0013】
尚、本実施の形態では、書類処理装置に本発明を適用したものが示されているが、この書類処理装置に用いられるスイッチ装置3(操作スイッチ4,安全機構5)そのものについて本発明を適用できることは勿論である。
【0014】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
―書類ラミネート装置の全体構成―
図2及び図3は本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態1を示す。
同図において、書類ラミネート装置20は、略ボックス形状の装置筐体21内にラミネート処理するための書類処理部を配置し、装置筐体21の一側壁には書類の投入口22を開設すると共に、装置筐体21の他側壁には処理済み書類の排出口23を開設したものである。
ここで、投入口22は、最大使用サイズの書類幅を考慮した幅寸法を有し、ラミネート処理に供する書類が通過可能な狭い開口幅(例えば3mm〜5mm)に形成されている。また、書類処理部は、特に図3に示すように、図示外の書類(本例ではラミネートフィルムとシートとを重ねた書類)を搬送しながら熱圧着する対構成の熱圧着搬送ロール31(31a,31b)と、この熱圧着搬送ロール31の書類搬送方向下流側に配設される対構成の搬送ロール32(32a,32b)とを備えている。
【0015】
本実施の形態では、対構成の熱圧着搬送ロール31(31a,31b)は、例えば熱伝導性の良好な金属(例えばアルミニウム)製の中空状ロール本体を有し、このロール本体の表面に弾性素材(例えばシリコンゴム)からなる弾性層を形成したものであり、図示外の付勢バネの不勢力にて両者が圧接されて両者間に所定のニップ域を確保し、このニップ域にて書類を挟持搬送するものである。
そして、この対構成の熱圧着搬送ロール31は例えば外部ヒーター33にて加熱されるようになっている。本例では、外部ヒーター33としては例えばマイカ片にニクロム線を巻き付けた所謂マイカヒーター(例えば250W〜450Wの消費電力)が用いられている。尚、ヒーターとしては、前記外部ヒーター33に限られるものではなく、熱圧着搬送ロール31内に内部ヒーターを設けるようにしてもよいし、あるいは、外部ヒーター及び内部ヒーターの両者を用いるようにしてもよい。
【0016】
一方、対構成の搬送ロール32は、例えば熱伝導性の良好な金属(例えばアルミニウム)製の中空状ロール本体を有し、このロール本体の表面に弾性素材(例えばシリコンゴム)からなる弾性層を形成したものであり、図示外の付勢バネの不勢力にて両者が圧接されて両者間に所定のニップ域を確保し、このニップ域にて書類を挟持搬送するものである。
ここで、熱圧着搬送ロール31のニップ域と搬送ロール32のニップ域との間の距離は、最小使用サイズの書類よりも短寸に設定されている。
更に、本実施の形態では、対構成の熱圧着搬送ロール31と対構成の搬送ロール32との間には書類搬送路を挟んで対構成の補助ヒーター34が必要に応じて設けられている。本例では、補助ヒーター34としては適宜選定してよいが、例えば100W以下の消費電力のマイカヒーターが用いられている。
尚、図3中、符号35は熱圧着搬送ロール31のニップ域に書類を案内する案内板、符号36は搬送ロール32を通過した書類を排出口23に案内する案内シュートである。また、対構成の熱圧着搬送ロール31、対構成の搬送ロール32には書類が巻き付く事態を回避するために分離爪(図示せず)が接触配置されている。
【0017】
また、本実施の形態では、図2及び図4に示すように、装置筐体21の頂部面には書類処理部を駆動操作するための操作スイッチ24が設けられており、また、熱圧着搬送ロール31の外部ヒーター33の設定温度を可変設定するための温度可変スイッチ25が設けられている。
本実施の形態において、操作スイッチ24及び温度可変スイッチ25からの信号は制御装置40に取り込まれ、この制御装置40は例えば操作スイッチ24からの信号に基づいて正逆転可能な駆動用モーター41に駆動制御信号(正転駆動制御信号、逆転駆動制御信号)を送出し、熱圧着搬送ロール31、搬送ロール32を正転又は逆転させるほか、交流電源42からの交流電圧を所定レベルの直流電圧に変換するトランス43に対し温度可変スイッチ25からの信号に基づいて電圧制御信号を送出し、外部ヒーター33、補助ヒーター34への供給電力を調整するものである。
尚、符号45〜47は駆動用モーター41,外部ヒーター33,補助ヒーター34への通電を制御するために操作スイッチ24に連動する連動スイッチである。
【0018】
また、本実施の形態では、操作スイッチ24は、図4に示すように、中立位置を‘OFF’ポジションとし、この中立位置を挟んだ一方側を‘RUN’ポジションとし、他方側を‘REV.’ポジションとしたものである。
ここで、操作スイッチ24の‘OFF’ポジションは電源オフ、具体的には駆動モーター41オフ、各ヒーター33,34オフを意味する。また、‘RUN’ポジションは電源オン、具体的には駆動モーター41オン(正転)、各ヒーター33,34オンを意味する。更に、‘REV.’ポジションは一部電源オン・リバースモード、具体的には駆動モーター41オン(逆転)、各ヒーター33,34オフを意味する。
【0019】
―操作スイッチ―
本実施の形態において、操作スイッチ24は、図5(a)(b)及び図6に示すように、移動自在なスイッチキャップ50と、このスイッチキャップの周囲を覆うスイッチカバー60と、スイッチキャップ50を保持するスイッチベース70と、スイッチキャップ50とスイッチベース70との間に介装される付勢バネ80とを備え、図7及び図8に示すスイッチ機構91によるスイッチ動作を操作可能としたものである。
ここで、各スイッチ要素について説明すると、スイッチキャップ50は、一端が塞がった中空円筒状のキャップ本体51を有し、このキャップ本体51の周壁の一部及びその反対側には略U字状の弾性変形可能な一対の係合アーム52を一体的に形成し、各係合アーム52の外側部分の一部には係止爪53を形成する一方、これらの係合アーム52に対して略90度偏倚したキャップ本体51の周壁には一対の脚片54を下方に向けて形成し、この脚片54の突出端にはキャップ本体51の径方向外側に向かって突出するストッパ55を形成したものである。
【0020】
また、スイッチカバー60は、略楕円状のカバー板61を有し、このカバー板61の中央には前記スイッチキャップ50のキャップ本体51が貫通する通孔62を形成し、更に、カバー板61の長手方向に沿った両側縁には夫々逆L字状の保持脚63を形成すると共に、この保持脚63の先端には外側に向かって突出する係止突起64を形成し、また、前記カバー板61の長手方向に沿った両側縁には下方に向かって折り曲げられた保持片65を形成したものである。
ここで、装置筐体21にはスイッチケース100(図8参照)が形成されており、このスイッチケース100には前記スイッチカバー60の長手方向に延びるスリット状の案内溝(図示せず)が形成されると共に、この案内溝に前記保持脚63が摺動自在に嵌合する一方、前記案内溝の長手方向に沿った一側縁には前記係止突起64が摺動自在に係止される案内凸条(図示せず)が形成され、その他側縁には前記保持片65が摺動自在に嵌合する案内凹部(図示せず)が形成されている。
【0021】
更に、スイッチベース70は、略長方形状のベース板71を有し、このベース板71の中央にはスイッチキャップ50の下部が嵌合する円筒状のキャップ保持枠72を形成する一方、前記ベース板71の長手方向に沿った両側縁には夫々二つの保持脚73を形成し、この保持脚73の突出端には外側に向かって突出する係止突起74を形成したものである。更に、このスイッチベース70のキャップ保持枠72内のベース板71に面した部位にはスイッチキャップ50の一対の係合アーム52が出没自在に嵌合する一対の嵌合孔75が形成されると共に、この嵌合孔75に面したキャップ保持枠72の内周壁には係合アーム52の係止爪53が係脱自在な係合段部76が形成され、また、スイッチベース70のキャップ保持枠72内のベース板71に面した部位にはスイッチキャップ50の脚片57及びストッパ55が嵌合する嵌合孔77,78が形成されている。
尚、装置筐体21のスイッチケース100(図8参照)には、スイッチベース70の長手方向に延びる案内溝(図示せず)が形成され、この案内溝に前記保持脚73が摺動自在に嵌合すると共に、案内溝の長手方向一側縁に形成された案内凸条(図示せず)に前記係止突起74が摺動自在に係止されるようになっている。
更にまた、付勢バネ80は、例えばスイッチキャップ50を押し込む方向に押し込んだ際にこれに抗する方向に付勢するコイルバネからなるものである。
【0022】
また、スイッチ機構91は、図7及び図8に示すように、スイッチ基板90に設けられたものであり、スイッチ基板90に沿って摺動自在なスイッチ片92を有し、図4に示す操作スイッチ24の‘RUN’ポジション及び‘REV.’ポジションにて図示外のスイッチ接点をオンにするものである。
特に、本実施の形態では、図8(a)に示すように、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションに位置する際には、スイッチキャップ50の下部は前記スイッチ機構91のスイッチ片92に軽接触して係合されているが、スイッチキャップ50が完全に押し込まれた位置に到達した時点ではスイッチキャップ50の下部はスイッチ片92に完全係合されるようになっている。
更に、本実施の形態では、操作スイッチ24は、図8に示すように、装置筐体21に形成されるスイッチケース100に収容されており、このスイッチケース100にはスイッチキャップ50のストッパ55を所定の押し込み位置まで案内する案内ブロック101,102が設けられている。本例では、スイッチキャップ50のストッパ55は案内ブロック101,102によって位置規制され、スイッチキャップ50が押し込み方向に沿って進退自在に移動し、スイッチキャップ50のストッパ55が案内ブロック101,102を通り過ぎる位置まで押し込まれた状態では案内ブロック101,102による位置規制が解除されることから、スイッチキャップ50が押し込み方向に交差するスライド方向に沿って移動自在になるものである。
【0023】
―操作スイッチの動作過程―
今、図7(a)、図8(a)に示すように、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションにあるとすると、スイッチキャップ50のストッパ55がスイッチケース100の案内ブロック101,102によって位置規制されているため、スイッチキャップ50はスライド方向には移動せず、押し込み方向だけ移動可能になっている。
この状態において、図7(b)、図8(b)に示すように、スイッチキャップ50を矢印A方向に押し込むと、スイッチキャップ50は付勢バネ80の付勢力に抗して押し込められる。
このとき、スイッチキャップ50の押し込み動作に伴ってストッパ55位置も次第に押し込められ、案内ブロック101,102を通り過ぎる位置に到達する。
この状態に至ると、図7(c)、図8(c)に示すように、案内ブロック101,102によるスイッチキャップ50のストッパ55に対する位置規制が解除されることから、スイッチキャップ50は、例えば押し込み方向に交差するスライド方向に沿って移動可能になる。
それゆえ、同図に示すように、スイッチキャップ50を押し込んだ状態のまま前記スライド方向の一方である矢印B方向へ移動させると、スイッチ機構91のスイッチ片92がスイッチキャップ50の移動に伴って駆動位置へ移動する。
この状態においては、スイッチ機構91のスイッチ片92は図示外のスイッチ接点をオンすることになり、操作スイッチ24は‘RUN’ポジションに設定される。
この段階において、図7(d)、図8(d)に示すように、スイッチキャップ50から手を離すと、スイッチキャップ50は付勢バネ80の付勢力によって初期位置と同様の押し込み前の突出位置に復帰する。
【0024】
このように、本実施の形態では、例えば操作スイッチ24を‘OFF’ポジションから‘RUN’ポジションに駆動操作する場合には、スイッチキャップ50を押し込み方向に操作する基本操作(基本操作を実現する機能要素:基本操作機構)を行った後に、押し込み方向とは異なるスライド方向にスイッチキャップ50を移動させるという追加操作(追加操作を実現する機能要素:追加操作機構)を行うようにすることが必要である。
このため、例えば子供がスイッチキャップ50を押し込み方向に操作する基本操作を行ったとしても、これに続く追加操作を行わなければ、操作スイッチ24を‘RUN’ポジションに設定することができない。このため、例えば子供が誤って操作スイッチ24を操作しようとしても、駆動用モーター41や各ヒーター33,34が誤って作動することはない。
尚、操作スイッチ24が‘OFF’ポジションに位置する状況で例えば子供が最初に追加操作を行おうとしても、スイッチキャップ50はスイッチケース100の案内ブロック101,102にて位置規制されているため、スイッチキャップ50がスライド方向に移動する懸念はない。
【0025】
また、操作スイッチ24を‘RUN’ポジションから‘OFF’ポジションに戻す場合には、図7(a)〜図7(d)又は図8(a)〜図8(d)に至る操作を逆方向から行うようにすればよい。
更に、操作スイッチ24を‘OFF’ポジションから‘REV.’ポジションに移動させる場合には、図7(a)〜図7(d)又は図8(a)〜図8(d)に至る操作のうち、スライド方向をB方向と逆方向に移動させるようにすればよい。この場合において、操作スイッチ24を‘REV.’ポジションから‘OFF’ポジションに戻す場合には、前述した操作を逆方向から行うようにすればよい。
【0026】
◎実施の形態2
図9は本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態2を示す。
同図において、書類ラミネート装置20の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、操作スイッチ124及び安全機構が実施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については、実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
ここで、操作スイッチ124は、スイッチキャップを押し込むことなく、スライド自在に保持した構成であり、‘OFF’ポジション、‘RUN’ポジション、‘REV.’ポジションのいずれかを選択可能である。
また、安全機構は、装置筐体21表面のうち操作スイッチ124とは別の部位に設けられ、操作スイッチ124による基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチ130と、この安全スイッチ130が働いて且つ書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す安全表示ランプ131とを有している。
尚、安全表示ランプ131としては例えばLED等が適宜選定して差し支えない。
【0027】
本例では、安全スイッチ130は、所定時間短く押すと働き(オン)、一方、オン状態で所定時間長押しすると、オフするようになっている。尚、安全スイッチ130をオン・オフするための操作については同様な操作(例えば短く押す操作)にしても差し支えないが、本例のように、安全スイッチ130をオフにする場合に長押し操作するようにすれば、仮に、例えば子供がオン状態の安全スイッチ130に誤って触れたとしても、その押す操作が短ければ安全スイッチ130が解除され難いので、子供による書類ラミネート装置の誤作動をより確実に回避することができる点で好ましい。
また、本例では、制御装置140は、安全スイッチ130がオンであるときには操作スイッチ124による装置作動を禁止し、このことを告知するために安全表示ランプ131を点灯するものである。
これに対し、制御装置140は、安全スイッチ130がオフであるときには操作スイッチ124による装置作動を許容し、このことを告知するために安全表示ランプ131を消灯するものである。
【0028】
―書類ラミネート装置の動作過程―
次に、本実施の形態に係る書類ラミネート装置の動作過程について説明する。
<動作モードI:図10(a)参照>
この動作モードIは、図10(a)に示すように、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションから‘RUN’ポジションに移動したとしても、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)がオン、安全表示ランプ131(図10(a)中CロックLEDに相当)が点灯した状態に設定される。
このため、書類ラミネート装置を使用する場合には、ユーザーは安全スイッチ130を所定時間長押してオフとすればよく、これに伴って、安全表示ランプ131が消灯する。
この状態において、安全スイッチ130による操作スイッチ124のロック状態が解除されることになり、各ヒーター33,34、駆動用モーター41がオンする。
そして、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションに戻すと、電源がオフする。
【0029】
<動作モードII:図10(b)参照>
この動作モードIIは、図10(b)に示すように、書類ラミネート装置を使用した後に、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)を働かせる場合には、安全スイッチ130を短く押して安全表示ランプ131(図10(a)中CロックLEDに相当)を点灯させる。この状態では、安全スイッチ130がオンになり、これに伴って、ヒーター33,34及び駆動用モーター41がオフになり、電源がオフ状態になる。
この状態において、操作スイッチ124を‘RUN’ポジションに設定しようとすると、制御装置140は安全スイッチ130が働いていることを記憶しており、安全表示ランプ131を点灯させる。このため、書類ラミネート装置を使用する場合には、動作モードIと同様に、安全スイッチ130による操作スイッチ124のロック状態を解除することが必要である。
一方、この動作モードIIは、書類ラミネート装置を使用した後に、安全スイッチ130(図10(a)中Cロック相当)を働かせない場合には、安全スイッチ130を操作することなく、操作スイッチ124を‘OFF’ポジションに戻すようにすればよい。この場合、再度書類ラミネート装置を使用しようとすると、安全スイッチ130が働いていないので、操作スイッチ124により書類ラミネート装置は直ちに駆動開始することになる。
【0030】
<動作モードIII:図11参照>
この動作モードIIIは、上述した動作モードIと動作モードIIとを切替選択可能としたモードである。
本例において、動作モードIと動作モードIIとの切替操作としては、例えば安全スイッチ130を長押しし、かつ、温度可変スイッチ125を長押しするような操作が挙げられる。
この場合、動作モードIIから動作モードIに切り替わる場合には、ブザー132をN1回鳴らし、かつ、安全表示ランプ131をN1回点滅させるようにし、一方、動作モードIから動作モードIIに切り替わる場合には、ブザー132をN2回鳴らし、かつ、安全表示ランプ131をN2回点滅させるようにすることで、ユーザーに動作モードがどのように切り替わったかを告知することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は本発明が適用される書類処理装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す安全機構の代表的態様を示す説明図、(c)は(a)に示す安全機構の他の代表的態様を示す説明図である。
【図2】本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態1を示す斜視図である。
【図3】図2に示す書類ラミネート装置の縦断面説明図である。
【図4】図2に示す書類ラミネート装置の制御系を示す説明図である。
【図5】(a)は実施の形態1で用いられる操作スイッチの要部斜視図、(b)はその断面説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる操作スイッチの分解斜視図である。
【図7】(a)〜(d)は実施の形態1で用いられる操作スイッチの動作過程を示す説明図である。
【図8】(a)〜(d)は実施の形態で用いられる操作スイッチの動作過程における位置規制状態を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明が適用される書類ラミネート装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図10】(a)は実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の一例を示す説明図、(b)は実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の他の例を示す説明図である。
【図11】実施の形態2に係る書類ラミネート装置の動作過程の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1…装置筐体,1a…投入口,2…書類処理部,3…スイッチ装置,4…操作スイッチ,4a…操作体,4b…スイッチ機構,4c…スイッチ片,4d…スイッチ接点,5…安全機構,11…基本操作機構,12…追加操作機構,15…安全スイッチ,16…禁止表示部,S…書類
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口を有する装置筐体内に設けられ、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を処理する書類処理部と、
前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置とを備え、
前記スイッチ装置は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、
この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の書類処理装置において、
操作スイッチは、移動自在な操作体と、この操作体の移動に伴ってスイッチ接点が接離するスイッチ機構とを有し、
安全機構は、操作スイッチに一体的に組み込まれ、基本操作として操作体の押し込み操作を可能とする基本操作機構と、この基本操作機構にて前記操作体が押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向と交差する方向に移動可能に保持され且つ基本操作機構から離間した駆動位置にてスイッチ機構のスイッチ接点が接触する追加操作機構とを有するものであることを特徴とする書類処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の書類処理装置において、
操作スイッチのスイッチ機構は、基本操作機構にて押し込まれた操作体と少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構にて移動自在に保持される方向に沿って操作体と共に移動するスイッチ片と、このスイッチ片の移動に伴って接離するスイッチ接点とを有することを特徴とする書類処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3いずれかに記載の書類処理装置において、
操作スイッチの操作体は押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネにて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものであることを特徴とする書類処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の書類処理装置において、
安全機構は、装置筐体表面のうち操作スイッチとは別の部位に設けられ、操作スイッチによる基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチと、
この安全スイッチが書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部とを有し、
安全スイッチによる書類処理部の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチによる基本操作に基づいて書類処理部を駆動開始することを特徴とする書類処理装置。
【請求項6】
投入口を有する装置筐体内に書類処理部を有し、装置筐体の投入口から処理すべき書類を投入して前記書類処理部にて処理する書類処理装置に設けられ、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置であって、
予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、
この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置のスイッチ装置。
【請求項1】
投入口を有する装置筐体内に設けられ、装置筐体の投入口から投入された処理すべき書類を処理する書類処理部と、
前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置とを備え、
前記スイッチ装置は、予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、
この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の書類処理装置において、
操作スイッチは、移動自在な操作体と、この操作体の移動に伴ってスイッチ接点が接離するスイッチ機構とを有し、
安全機構は、操作スイッチに一体的に組み込まれ、基本操作として操作体の押し込み操作を可能とする基本操作機構と、この基本操作機構にて前記操作体が押し込まれた状態で追加操作として前記押し込み方向と交差する方向に移動可能に保持され且つ基本操作機構から離間した駆動位置にてスイッチ機構のスイッチ接点が接触する追加操作機構とを有するものであることを特徴とする書類処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の書類処理装置において、
操作スイッチのスイッチ機構は、基本操作機構にて押し込まれた操作体と少なくとも接触して係合し且つ追加操作機構にて移動自在に保持される方向に沿って操作体と共に移動するスイッチ片と、このスイッチ片の移動に伴って接離するスイッチ接点とを有することを特徴とする書類処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3いずれかに記載の書類処理装置において、
操作スイッチの操作体は押し込み方向に抗して付勢可能な付勢バネにて弾性支持されており、初期位置及び駆動位置にて押し込み操作前の突出位置に復帰するものであることを特徴とする書類処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の書類処理装置において、
安全機構は、装置筐体表面のうち操作スイッチとは別の部位に設けられ、操作スイッチによる基本操作に基づく書類処理部の駆動を禁止する安全スイッチと、
この安全スイッチが書類処理部の駆動を禁止する状態にあることを示す禁止表示部とを有し、
安全スイッチによる書類処理部の駆動禁止状態を解除することで操作スイッチによる基本操作に基づいて書類処理部を駆動開始することを特徴とする書類処理装置。
【請求項6】
投入口を有する装置筐体内に書類処理部を有し、装置筐体の投入口から処理すべき書類を投入して前記書類処理部にて処理する書類処理装置に設けられ、前記装置筐体の表面に配置され且つ前記書類処理部を駆動操作するスイッチ装置であって、
予め決められた基本操作方向に沿って移動可能な操作スイッチと、
この操作スイッチの基本操作だけでは書類処理部の駆動を禁止し且つ操作スイッチの基本操作に加えて前記基本操作とは異なる追加操作を経て書類処理部を駆動開始する安全機構とを有することを特徴とする書類処理装置のスイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−20943(P2010−20943A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178384(P2008−178384)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000155193)株式会社明光商会 (11)
【出願人】(501315762)株式会社サカエ (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000155193)株式会社明光商会 (11)
【出願人】(501315762)株式会社サカエ (18)
【Fターム(参考)】
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