説明

書類申請代行システム

【課題】クレジットカード会社のサービス申込時に、書類申請における郵送のやりとりを減らすことにより、サービス申し込みにかかる時間を短縮し、書類の授受の手間を削減することを目的とする。
【解決手段】処理S302〜処理S306において顧客がウェブ画面上の入力すべき項目に入力し送信すると、処理S308において書類申請代行サーバ106は、入力データを入力データDB304に格納し、処理S310〜処理S312において印刷データを提供する。処理S314〜処理316において顧客は書類に捺印し、クレジットカード会社へ郵送する。処理S318〜処理S322において、郵送された書類になされた捺印と予め格納してある印影を比較し、一致した場合は、処理S324〜処理S326において入力データDB304に格納されている入力データを使用して申請処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類申請代行システムに関し、より詳しくは、クレジットカードのサービスに申し込む際の書類申請を効率化する書類申請代行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、クレジットカード分野におけるサービスの申し込みにおいては、顧客が電話またはメール等においてサービスを申し込むと、クレジットカード会社からサービスの申し込みに必要な書類が郵送され、顧客はその書類の必要事項を埋めてクレジットカード会社に返送することにより、サービスへの申し込みが受理される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような書類申請代行システムでは、ユーザがサービスに申し込む際の手間をより少なくすることが望ましいが、従来の書類申請代行システムでは、ユーザは申込書類をクレジットカード会社から事前に取り寄せておく必要があったので、書類を取り寄せるためにユーザは、クレジットカード会社に架電またはインターネットを介しての書類の取り寄せ申請を行ない、クレジットカード会社は数日中に必要書類をユーザへ郵送しなければならなかった。このことは、ユーザがサービスに申し込むことを希望してから実際に申し込みまでに時間がかかり、さらに書類の郵送のやりとりを行なうという手間がかかるという問題がある。
【0004】
本願発明は、上記課題に鑑み、書類申請における郵送のやりとりを減らすことにより、サービス申し込みにかかる時間を短縮し、書類の授受の手間を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、書類申請代行サーバであって、顧客の印影情報を格納している印影DBと、ユーザの入力した情報を格納する入力データDBと、ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、ウェブ画面を介してユーザにより入力されたデータを、入力データDBに格納し、ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、変換された印刷用データをユーザに提供するデータ入力手段と、印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、抽出された印影と、印影DBに格納されている印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチング手段と、印影マッチング手段において、一致した場合に、入力データDBからユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の書類申請代行サーバであって、印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から書類データを抽出し、書類データと入力データDBに格納されている入力データとが一致するかどうかを判定する入力データマッチング手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の書類申請代行サーバであって、入力データマッチング手段および印影マッチング手段において、入力データと書類データとが一致しないか、あるいは書類から抽出された印影と印影DBに格納されている印影情報とが一致しない場合に、ユーザに一致しない項目を通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の書類申請代行サーバであって、書類申請代行サーバは、入力データマッチング手段および印鑑マッチング手段において、入力データと書類データとが一致し、印鑑情報と捺印とが一致した場合にのみ、入力データを使用することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、書類申請代行方法であって、ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、ウェブ画面を介してユーザにより入力されたデータを、入力データDBに格納し、ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、変換された印刷用データをユーザに提供するデータ入力ステップと、印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、抽出された印影と、印影DBに格納されている印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチングステップと、印影マッチング手段において、一致した場合に、入力データDBからユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行ステップとを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の書類申請代行方法であって、印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から書類データを抽出し、書類データと入力データDBに格納されている入力データとが一致するかどうかを判定する入力データマッチングステップをさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の書類申請代行方法であって、入力データマッチングステップおよび印影マッチングステップにおいて、入力データと書類データとが一致しないか、あるいは書類から抽出された印影と印影DBに格納されている印影情報とが一致しない場合に、ユーザに一致しない項目を通知する通知ステップとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至6に記載の書類申請代行方法であって、書類申請代行サーバは、入力データマッチングステップおよび印鑑マッチングステップにおいて、入力データと書類データとが一致し、印鑑情報と捺印とが一致した場合にのみ、入力データを使用することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、書類申請代行プログラムであって、ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、ウェブ画面を介してユーザにより入力されたデータを、入力データDBに格納し、ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、変換された印刷用データをユーザに提供するデータ入力ステップと、
印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、抽出された印影と、印影DBに格納されている印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチングステップと、印影マッチング手段において、一致した場合に、入力データDBからユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行ステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明は、請求項1の、あらかじめ顧客の印影情報を格納している印影DBと、ユーザの入力した情報を格納する入力データDBと、ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、ウェブ画面を介してユーザにより入力されたデータを、入力データDBに格納し、ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、変換された印刷用データをユーザに提供するデータ入力手段と、印刷データを印字した書類に、ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、抽出された印影と、印影DBに格納されている印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチング手段と、印影マッチング手段において、一致した場合に、入力データDBからユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行手段とを備えているので、ウェブを介して書類申請に必要な書類をユーザは入手できることとなり、サービス申し込みにかかる時間を短縮し、書類の授受の手間を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態によるシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態による書類申請代行サーバのモジュール構成図である。
【図3】本発明の実施形態による携帯電話におけるシーケンスを示す図である。
【図4】本発明の実施形態による書類申請時の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本願発明の一実施形態によるシステム100の構成図である。システム100は、顧客が使用する顧客PC102と、クレジットカード会社における書類申請代行サーバ106とが、ネットワーク104を介して通信を行うよう構成されている。本実施形態では、顧客PC102を用いるが、携帯電話102に代えてPDAなどの携帯端末やノートパソコンまたはデスクトップパソコンなどの本技術分野で知られた通信機能を有する任意の情報機器を用いることができる。書類申請代行サーバ106は、一般にクレジットカード会社で使用される任意のシステムであってよい。また本実施形態のネットワーク104は、本技術分野で知られた携帯電話網、インターネット通信網を使用することができる。
【0017】
図2は、本実施形態の書類申請代行サーバ106のモジュール構成図である。書類申請代行サーバ106は、クレジットカードの顧客の印影データをあらかじめ格納している印影DB202および入力データDB204を有し、ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、ユーザにより入力されたデータを入力データDB204に格納し、さらに印刷用データに変換してユーザに提供するデータ入力部206と、印刷されたデータにユーザの修正または捺印がなされた書類から抽出された印影と、印影DB202に格納された印影とが一致するかどうかを判定する印影マッチング部208と、印影マッチングにおいて一致した場合に、入力データDB204からユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行部210と、印刷されたデータにユーザの修正または捺印がなされた書類と、入力データDB204に格納されている入力データとが一致するかどうかを判定する入力データマッチング部212と、入力データマッチングまたは印影マッチングで、入力データと書類データとが一致しないか、あるいは書類から抽出された印影と印影DB202に格納されている印影情報とが一致しない場合に、ユーザに一致しない項目を通知する通知部214を備える。本実施形態では図2に示すようなモジュール構成により処理を実行するが、これに限られることなく、各モジュールの順序を交換したり、新たなモジュールを追加しても、同様の処理を行うことができる。
【0018】
図3は、本実施形態の処理を実行するシーケンスを示す図である。本実施形態では、先ず処理S302において、クレジットカード会社の提供するサービスに申し込むことを望む顧客は、クレジットカード会社のインターネットサービスを介して、サービス申込の申請書類作成のための画面を顧客PC102上で提供される。処理S304において顧客がウェブ画面上の入力すべき項目に入力を行なうと、処理S306において顧客が入力した入力データはクレジットカード会社の書類申請代行サーバ106に送信され、処理S308において書類申請代行サーバ106は、入力データを入力データDB304に格納する。さらに処理S310において書類申請代行サーバ106は、入力データから印刷用のデータを生成し、処理S312において顧客PC102に印刷データを提供する。処理S314においてユーザは、印刷データを確認して印字を行い、印字された書類に捺印する。処理S316において、ユーザはクレジットカード会社に書類を郵送する。クレジットカード会社の書類申請代行サーバ106は、処理S318において、書類データを電子化することにより、書類データの抽出を行なう。また処理S320において書類申請代行サーバ106は、抽出された書類データ中の印影と、印影DB202に予め格納されている印影データとを比較し、一致しない場合はユーザへその旨を通知し、一致する場合は、処理S324へ進む。書類申請代行サーバ106は、処理S324において入力データDB204からユーザがウェブ画面を通して入力した入力データを抽出し、処理S326において、クレジットカード会社においてサービスへの入会を受け付ける処理を実行するシステムに対して、サービス申込のための申請処理として、入力データを送信する。なお、処理S320における印影データのマッチング処理だけではなく、顧客により入力された入力データについても、入力データベースに処理S308において格納された入力データと、処理S318において抽出された書類データを比較することができ、一致しない場合はユーザに通知することも可能である。
【0019】
図4は、本実施形態によるサービス加入の書類申請における顧客PC102の画面の一例を示す。本実施形態における表示方法はこれに限られず、いずれの表示方法を用いることができる。本実施形態ではクレジットカード会社のサービス提供システムにおいて説明したが、インターネットを介して提供する様々な他のサービスにおいても適用できる。
【符号の説明】
【0020】
102 顧客PC
104 ネットワーク
106 書類申請代行サーバ
202 印影DB
204 入力データDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の印影情報を格納している印影DBと、
ユーザの入力した情報を格納する入力データDBと、
ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、前記ウェブ画面を介して前記ユーザにより入力されたデータを、前記入力データDBに格納し、前記ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、前記変換された印刷用データを前記ユーザに提供するデータ入力手段と、
前記印刷データを印字した書類に、前記ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、前記抽出された印影と、前記印影DBに格納されている前記印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチング手段と、
前記印影マッチング手段において、一致した場合に、前記入力データDBから前記ユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行手段と
を備えたことを特徴とする書類申請代行サーバ。
【請求項2】
前記印刷データを印字した書類に、前記ユーザによる修正または捺印がなされた書類から書類データを抽出し、前記書類データと前記入力データDBに格納されている前記入力データとが一致するかどうかを判定する入力データマッチング手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の書類申請代行サーバ。
【請求項3】
前記入力データマッチング手段および前記印影マッチング手段において、前記入力データと前記書類データとが一致しないか、あるいは前記書類から抽出された印影と前記印影DBに格納されている印影情報とが一致しない場合に、前記ユーザに一致しない項目を通知する通知手段
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の書類申請代行サーバ。
【請求項4】
書類申請代行サーバは、前記入力データマッチング手段および前記印鑑マッチング手段において、前記入力データと前記書類データとが一致し、前記印鑑情報と前記捺印とが一致した場合にのみ、前記入力データを使用することを特徴とする請求項1乃至3に記載の書類申請代行サーバ。
【請求項5】
ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、前記ウェブ画面を介して前記ユーザにより入力されたデータを、前記入力データDBに格納し、前記ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、前記変換された印刷用データを前記ユーザに提供するデータ入力ステップと、
前記印刷データを印字した書類に、前記ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、前記抽出された印影と、前記印影DBに格納されている前記印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチングステップと、
前記印影マッチング手段において、一致した場合に、前記入力データDBから前記ユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行ステップと
を備えたことを特徴とする書類申請代行方法。
【請求項6】
前記印刷データを印字した書類に、前記ユーザによる修正または捺印がなされた書類から書類データを抽出し、前記書類データと前記入力データDBに格納されている前記入力データとが一致するかどうかを判定する入力データマッチングステップをさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の書類申請代行方法。
【請求項7】
前記入力データマッチングステップおよび前記印影マッチングステップにおいて、前記入力データと前記書類データとが一致しないか、あるいは前記書類から抽出された印影と前記印影DBに格納されている印影情報とが一致しない場合に、前記ユーザに一致しない項目を通知する通知ステップと
を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の書類申請代行方法。
【請求項8】
書類申請代行サーバは、前記入力データマッチングステップおよび前記印鑑マッチングステップにおいて、前記入力データと前記書類データとが一致し、前記印鑑情報と前記捺印とが一致した場合にのみ、前記入力データを使用することを特徴とする請求項5乃至7に記載の書類申請代行サーバ。
【請求項9】
ユーザ端末に書類申請のためのウェブ画面を提供し、前記ウェブ画面を介して前記ユーザにより入力されたデータを、前記入力データDBに格納し、前記ユーザにより入力されたデータを印刷用データに変換し、前記変換された印刷用データを前記ユーザに提供するデータ入力ステップと、
前記印刷データを印字した書類に、前記ユーザによる修正または捺印がなされた書類から印影を抽出し、前記抽出された印影と、前記印影DBに格納されている前記印影情報とが一致するかどうかを判定する印影マッチングステップと、
前記印影マッチング手段において、一致した場合に、前記入力データDBから前記ユーザにより入力されたデータを読み取り、書類申請の指示を実行する書類申請実行ステップと
を備えたことを特徴とする書類申請代行プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−191629(P2010−191629A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34437(P2009−34437)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)