説明

替刃式皮むき器

【課題】 アーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、アーム側結合構造を容易に移動させることができ、替刃の着脱を簡単な操作で行うことのできる替刃式皮むき器を提供することを課題とする。
【解決手段】 替刃と替刃のホルダーとから成り、ホルダーは、ハンドルと、該ハンドルから延びる一対のアームとを有し、アーム側結合構造と替刃側結合構造の係合によって替刃がアームに取り付けられ、少なくとも一方のアームに設けられたアーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、前記アーム側結合構造を移動するための少なくとも1つの操作部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭あるいは飲食店などで使用される野菜などの替刃式皮むき器に関する。
【背景技術】
【0002】
アームに替刃が掛け渡された替刃式皮むき器であって、アームを拡開することによって替刃を着脱する皮むき器は存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】登録実用新案第3053381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、アーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、アーム側結合構造を容易に移動させることができ、替刃の着脱を簡単な操作で行うことのできる替刃式皮むき器を提供することを課題とする。
【0004】
特許文献1の替刃式皮むき器は、ハンドルの上方部に凹み形状の首部を形成し、この首部に別体の固定体を嵌着してアームの拡開を阻止することにより取り付けた替刃が抜け出ることを防止する。そして、固定体を首部から外すことによりアームを拡開して替刃を取り外す構成である。
【0005】
特許文献1の替刃式皮むき器は、替刃を着脱するための操作部を有しておらず、別体の着脱自在な固定体を装着したり取り外したりすることによってアームの拡開を阻止したり拡開可能にする構成である。特許文献1において替刃をアームに取り付けるときは、アームの間に替刃を掛け渡した後で首部に別体の固定体を嵌着する。固定体はアームを固定させる固定具であってアームに所定の動作をさせるものではない。さらに、固定体はあらかじめ規定された一定の動きに従うものではなく、手で固定体を首部に近づけて手の動きによって首部に嵌着することになる。したがって、替刃を装着しようとするときは、その都度、固定体を首部に嵌着させなければならず替刃を装着するについて非常に手間がかかる。
【0006】
また、特許文献1の替刃式皮むき器は、替刃を取り外すときに固定体の両側面支持部を外側方に押して首部から取り外さなければならない。両側面支持部を外側方に押すときは両手の指を使ってしなければならないからこの作業も手間がかかる。したがって、特許文献1の替刃式皮むき器は替刃を取り付けるときも取り外すときも手間がかかる。使用していた替刃を新品のものや種類の異なるものに付け替えるときは取り付け取り外し双方の作業をしなければならず替刃の着脱に非常に手間がかかっていた。そこで、本発明は替刃の着脱を簡単な操作で行うことのできる替刃式皮むき器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、替刃と替刃のホルダーとから成り、ホルダーは、ハンドルと、該ハンドルから延びる一対のアームとを有し、アーム側結合構造と替刃側結合構造の係合によって替刃がアームに取り付けられ、少なくとも一方のアームに設けられたアーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、前記アーム側結合構造を移動するための少なくとも1つの操作部が設けられている構成である。
【0008】
請求項2は、操作部が指掛部を有し、指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる要素が請求項1に付加された構成である。
【0009】
請求項3は、ハンドルを握った手の少なくとも1つの指が届く位置に指掛部が存在し、その指で指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる要素が請求項2に付加された構成である。
【0010】
請求項4は、操作部を使用状態位置と不使用状態位置に置くことが可能であり、操作部は使用状態位置と不使用状態位置との間を移動可能にホルダーに設けられている要素が請求項1乃至請求項3に付加された構成である。
【0011】
請求項5は、アーム側結合構造はそれが設けられているアームと共に移動し、操作部は当該アームに設けられている要素が請求項1乃至請求項4に付加された構成である。
【0012】
請求項6は、アーム側結合構造の移動はそれが設けられているアームを撓ませることによって行う要素が請求項5に付加された構成である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1は、替刃と替刃のホルダーとから成り、ホルダーは、ハンドルと、該ハンドルから延びる一対のアームとを有し、アーム側結合構造と替刃側結合構造の係合によって替刃がアームに取り付けられ、少なくとも一方のアームに設けられたアーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、前記アーム側結合構造を移動するための少なくとも1つの操作部が設けられている。操作部というのは、操作部に所定の力を加えることによって操作部が皮むき器に常に一定の動作をさせるものである。アーム側結合構造を移動するための操作部を設けることによって、替刃を取り付けるときも取り外すときも同じように操作部を操作すればよいので替刃の着脱を一定の簡単な操作で行うことができる。
【0014】
請求項2は、操作部が指掛部を有し、指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる構成である。操作部に指掛部を有していてその指掛部に所定の力を加えることによってアーム側結合構造を移動させることができるので、操作を指先で簡単に行うことができる。
【0015】
請求項3は、ハンドルを握った手の少なくとも1つの指が届く位置に指掛部が存在し、その指で指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる構成である。したがって、他方の手が自由となるからその手で替刃を持ってホルダーに装着することができる。自由な手で替刃を持つことにより替刃をホルダーに取り付ける作業を楽にすることができる。
【0016】
請求項4は、操作部を使用状態位置と不使用状態位置に置くことが可能であり、操作部は使用状態位置と不使用状態位置との間を移動可能にホルダーに設けられている。操作部の使用状態位置において指掛部がホルダーから突出し、皮むき作業の際にその指掛部が邪魔になる可能性もある。この場合、操作部の不使用状態位置において指掛部はホルダーから突出しない形状或いは突出度合の小さな形状にしておけば、皮むき作業の際に指掛部が邪魔にならない。
【0017】
請求項5は、アーム側結合構造はそれが設けられているアームと共に移動し、操作部は当該アームに設けられている構成である。アームに設けた操作部を操作することによってアームを移動できるので作業を楽に行うことができる。また、従来のようにアームに直接指を掛けアームを拡げることによって替刃を外す場合には、アームの先端に近い部分に指を掛けるためにその指が替刃に触れる虞があり危険であった。請求項5は、操作部を操作する指が替刃に触れることがなく安全である。
【0018】
請求項6は、アーム側結合構造の移動はそれが設けられているアームを撓ませることによって行う構成である。したがって、アーム側結合構造のみをアームに対して移動させる装置が不要であり、アーム側結合構造をアームと一体的に設けることができるから構造が簡単で製造が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の実施の形態について説明する。図3に示すように、替刃1は金属製の板を材料とし、長さ方向に延びる長孔2が設けられ、その長孔2の一方の縁部に切刃3が形成されている。替刃1の両端にはジャーナル軸4,4が設けられている。替刃1のサイズは、両ジャーナル軸4,4の端から端までの替刃1の長さが約102mmであり、幅が約20mmである。このサイズは昔から使用されてきた家庭用皮むき器のサイズのほぼ2倍である。したがって、業務用あるいは比較的多量の野菜の皮をむく必要のある家庭用ということができる。また、替刃1の長さが長いので例えばキャベツの千切りやタマネギのスライスを容易にすることができるので一般家庭でも有用である。なお、サイズはこの数値に限定されるものでない。
【0020】
図2に示すように替刃1のホルダー5は、ハンドル6の上端に一対のアーム7,8が設けられている。ハンドル6は断面形状が楕円形であって、この楕円形をなすハンドル6の長さは約100mmである。このハンドル6の長さは従来から一般家庭で用いられている皮むき器よりもかなり長い。従来の皮むき器は、皮むき器を使用するときは手の平でしっかり握って使用するのではなく、むしろ親指と人差し指で皮むき器を持って使用するような構成である。これに対して、本実施例はハンドル6が従来よりも長く形成されているので、使用する際はハンドル6を手の平でしっかり握って使用することもできる。ハンドル6の断面形状は楕円形に限定されない。
【0021】
アーム7,8はステンレス等の細長い金属板を折り曲げることにより一体に形成されている。アーム7,8の厚みは約1.5mmである。また、アーム7,8はハンドル6から延びる3つの結合ピンの先端を溶接することによりハンドル6に結合されている。アーム7は、その中ほどの屈曲部9で曲げられており、付け根12から屈曲部9に延びる傾斜部13と、さらに屈曲部9から端部10に延びる垂直部11とから成る。傾斜部13は直線状に延びておらず、上方に凸の弧状をなしている。アーム7の端部10には軸孔14が設けられている。軸孔14は替刃1のジャーナル軸4を受けるためのものである。
【0022】
アーム8もアーム7と同様にその中ほどの屈曲部15で曲げられており、付け根18から屈曲部15に延びる傾斜部19と、さらに屈曲部15から端部16に延びる垂直部17とから成る。傾斜部19は直線状に延びておらず、上方に凸の弧状をなしている。アーム8の端部16には軸孔20が設けられている。軸孔20は替刃1のジャーナル軸4を受けるためのものである。アーム7の垂直部11とアーム8の垂直部17間の距離は約91mmである。
【0023】
アーム8の端部16の先端に凹部21が設けられ、さらにこの凹部21から軸孔20に連なるガイド溝22がアーム8の内面に設けられている。凹部21は、替刃1のジャーナル軸4を軸孔20に挿入する際にジャーナル軸4の位置決めをするために設けられている。また、ガイド溝22はジャーナル軸4を軸孔20まで案内するために設けられている。
【0024】
図2に示すように、細長い金属板で形成した操作部23が支軸24を中心に回動可能にアーム8の垂直部17の下方に取り付けられている。操作部23の厚みは約1.5mmである。操作部23の一端を折り曲げて指掛部25が形成されている。指掛部25の表面をエラストマー等の柔軟性に富む樹脂で被覆すると使用時に指が痛くない。図2に示すように、操作部23を折り曲げて指掛部25を形成したときの折り曲げた部分は操作部23の長さ方向に対して垂直である。本発明の指掛部25はこのような曲げ方に限定されるものでなく、例えば操作部23をねじるように折り曲げて形成してもよい。このときは、折り曲げた部分は操作部23の長さ方向に対して傾斜する。指掛部25と反対側の端部も折り曲げられており、操作部23を回動するときに指を引っ掛けると操作部23を容易に回動することができる。支軸24は操作部23の中央を支持しておらず、指掛部25と反対側の端部寄りに偏倚している。図2は、操作部23の指掛部25が垂直部17の下方に突き出た状態を示している。この状態の操作部23が使用状態位置であって、アーム8を外側に撓ませるときの状態である。アーム8を撓ませるときはハンドル6を手で握り、例えばハンドル6を握った手の人差し指を指掛部25に掛けて引き金を引くように引くとアーム8を外側に撓ませることができる。前述したように、本実施例はハンドル6が従来よりも長く形成されているので、ハンドル6をしっかり握ることにより指掛部25を強い力で引くことが可能である。操作部23は支軸24でアーム8に取り付けられているので、常にアーム8と一体的であり操作部23のみを紛失することがない。操作部23は、長いアーム8の垂直部17に取り付けず、それよりも短いアーム7の垂直部11に取り付けてもよい。
【0025】
なお、操作部や指掛部はこのような形状に限定されないことは勿論である。例えばリング状にして指を挿入する構成であってもよく、指掛部がアーム8の縁からはみ出るように突出する構成であってもよい。また、操作部は可動でなくてもよい。このほかに、操作部23には係止突部27が設けられている。操作部23のサイズは、長さが約50mmであり、指掛部25の端から支軸24の中心を通る直線までの垂直距離は約37mmである。支軸24の中心から軸孔20の中心までの距離は約35mmである。また、ハンドル6の中心軸から操作部23の距離は約45mmであるが、25mm〜60mmが好ましい距離である。
【0026】
また、前述したようにハンドル6は断面が楕円形の棒状に形成されているが、これに限定されることはなく矩形等の板状に形成されているものであってもよい。例えばハンドルをほぼ正方形の板状に形成してもよい。この場合は、板状ハンドルの一方の面の中央部にアーム7,8を取り付ける。そして、他方の面に指挿通用のリングを取り付ける。板状ハンドルの大きさは手の平全体でつかむことができる程度の大きさが好ましく、実際使用するときは板状ハンドルを包むようにして使用する。リングは少なくとも1本の指が挿入できるサイズであればよい。リングの挿通孔の長さは5mm〜15mmが好ましい。リングは、その挿通孔の方向が取り付けられている替刃と平行であってもよく、垂直であってもよい。平行の場合は、使用時に皮むき器を体に対して前後又は左右方向に移動させることによって野菜の皮などを剥く。垂直の場合は、体に対して前後方向に移動させることによって野菜の皮などを剥く。板状ハンドルを包むように持って使用するから、野菜などを撫でるようにして皮をむく。板状ハンドルであるから、使用時にその板状ハンドルが替刃のガードとして作用するので指が替刃に触れることがなく安全である。
【0027】
アーム8の撓み方は1つに限定されるものでない。アーム8の弾性によって全体的に撓むようにしてもよく、図4に示すようにアーム8を途中で分断して板バネ26で結合してもよい。板バネ26を用いるときは板バネ26の部分でアーム8が撓みアーム8の他の部分は撓まない。このような構成に限らず、例えばアーム8の一部を薄肉に形成してこの部分を撓ませる構成であってもよい。
【0028】
次に、図2に示すホルダー5に替刃1を取り付ける方法について説明する。まず、一方の手でハンドル6を握り他方の手で替刃1をつかむ。本発明の皮むき器を販売するときは危険防止のために替刃1にキャップが着脱自在に取り付けられている。したがって、替刃1をつかむときはキャップの上からつかむので切刃3で指を傷付けることがない。それから、替刃1の一方のジャーナル軸4をアーム7の軸孔14に差し込む。次いで、替刃1の他方のジャーナル軸4をアーム8の凹部21に宛がって位置決めする。それから、操作部23の指掛部25に人差し指を掛け引き金を引くように引くとアーム8が外側に撓み軸孔20が外側に移動する。次いで、替刃1の他方のジャーナル軸4の端部をガイド溝22内に沿わせながら下方に移動させ、ジャーナル軸4の端部が軸孔20の位置に達したときに指掛部25に加えていた力を抜く。そうすると、撓んでいたアーム8は元の状態に復帰するから、それと同時にジャーナル軸4は軸孔20に差し込まれる。これにより、替刃1はアーム7,8の間に掛け渡されるから皮むきなどの作業をすることができるが、操作部23の指掛部25がアーム8の屈曲部15を越えて下方に突き出しており作業のときに邪魔になる。そこで、作業をする前に支軸24を中心に操作部23を回動して指掛部25をアーム8の垂直部17の外側に沿わせることにより、操作部23を不使用状態位置に置いて指掛部25が突出しないようにする。このように、操作部23はその使用状態位置と不使用状態位置とに置くことが可能であり、それらの位置の間を移動させることができる。操作部23を不使用状態位置に置いた際、操作部23の係止突部27がアーム8の係止孔28に係合して固定される。図1はこの状態を示したものであって、この図が本発明の皮むきなどの作業をするときの使用状態を示している。なお、本発明の皮むきなどの作業をするときの使用状態において操作部23は不使用状態位置に置かれる。しかし、多少指掛部25が邪魔であるが操作部23を使用状態位置においたままで皮むき作業をしてもよいことは勿論である。以上、指掛部25を指で引くことによってアーム8を撓ませる方法について述べたが、ハンドル6を握ったその手の親指で指掛部25を押してアーム8を撓ませることも可能である。また、アーム8にジャーナル軸を設け、替刃1にその軸孔を設けて結合する構成であってもよい。実施例のジャーナル軸4と軸孔14,20は共に円形であるから、替刃1はジャーナル軸を中心に揺動可能である。しかし、軸と軸孔の形状をそれとは別の形状にしてもよく、或いはそれにより替刃1を揺動不能にしてもよい。なお、アーム7の垂直部11よりもアーム8の垂直部17の方が長いので、アーム7,8間に掛け渡された替刃1はハンドル6に対して斜めである。本発明はこのような構成に限定されるものでなく垂直部11,17の長さを同じにして替刃1をハンドル6に対して垂直に掛け渡してもよい。また、アーム7,8をハンドル6の上端に取り付けず、ハンドル6の側面に取り付けてもよい。この場合、替刃1とハンドル6とは平行になる。
【0029】
上述した方法で替刃1をホルダー5に取り付けることができるが別の方法でも取り付けることができるのでその方法についても説明する。まず、一方の手でハンドル6を握り他方の手でキャップ付の替刃1をつかむ。それから、替刃1の一方のジャーナル軸4をアーム7の軸孔14に差し込む。次いで、替刃1の他方のジャーナル軸4をアーム8の凹部21に宛がって位置決めする。この他方のジャーナル軸4の端を斜めにカットした形状に形成しておくと、位置決めをした状態で替刃1を下方に押せばジャーナル軸4の端がガイド溝22に入り、ジャーナル軸4の端がガイド溝22内を下方に移動しアーム8を自動的に外側に撓ませる。そして、ジャーナル軸4の端が軸孔20に達したときに、ジャーナル軸4が軸孔20に差し込まれて、撓んでいたアーム8は元の状態に復帰する。これにより、替刃1をホルダー5に取り付けることができる。この方法は、操作部23を使わなくても替刃1を取り付けることができる方法である。なお、アーム8を自動的に撓ませる構造として他の構造が考えられる。例えば、ガイド溝22の深さを下方に行くに従って浅くする構造としたり、凹部21の底面を斜めにカットする構造としたり、アーム8の端部を外側に少し曲げる構造としたりしてもよい。
【0030】
図1の状態から替刃1を取り外すときは、まず替刃1にキャップを付け、操作部23を回動して図2のように指掛部25を屈曲部15の下方に突き出す。そして、ハンドル6を手で握り、その手の人差し指を指掛部25に掛け引き金を引くように引くと、アーム8が外側に撓み軸孔20が移動してジャーナル軸4が軸孔20から抜け出て替刃1を外すことができる。なお、図1中の符号29は替刃1のストッパーであって、替刃1の回動を途中で阻止するためのものである。また、符号30は芽取りであって、じゃがいもなどの芽を取ったり窪みに残った皮を取り除くためのものである。
【0031】
図4は、アーム8と操作部23の他の実施例を示した図である。板バネ26を取り付けてアーム8を撓ませる構造については前述した通りである。この実施例における操作部31は、前述した操作部23のように回動させるのではなく、上下に摺動させる構成である。すなわち、アーム8の垂直部17の外側面に操作部31を摺動させるためのガイド部32が設けられている。ガイド部32には上下方向にガイド孔33が設けられており、このガイド孔33の中を操作部31が上下に摺動する。ガイド孔33の中に板バネ(図示せず。)が取り付けられており、この板バネが操作部31を弾性的に押圧するので操作部31は任意の高さに留め置くことができる。したがって、指掛部34を使用者の手及び指の大きさに合った使い易い高さに調節可能である。なお、本発明の操作部の構成はここに開示したものに限定されるものでなく、操作部に加えた力がアーム8の軸孔20を移動させるいかなる構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の皮むきなどの作業をするときの使用状態を示す斜視図
【図2】ホルダーの斜視図
【図3】替刃の正面図
【図4】アームの他の実施例を示す一部正面図
【符号の説明】
【0033】
1 替刃
2 長孔
3 切刃
4 ジャーナル軸
5 ホルダー
6 ハンドル
7 アーム
8 アーム
9 屈曲部
10 端部
11 垂直部
12 付け根
13 傾斜部
14 軸孔
15 屈曲部
16 端部
17 垂直部
18 付け根
19 傾斜部
20 軸孔
21 凹部
22 ガイド溝
23 操作部
24 支軸
25 指掛部
26 板バネ
27 係止突部
28 係止孔
29 スットパー
30 芽取り
31 操作部
32 ガイド部
33 ガイド孔
34 指掛部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
替刃と替刃のホルダーとから成り、ホルダーは、ハンドルと、該ハンドルから延びる一対のアームとを有し、アーム側結合構造と替刃側結合構造の係合によって替刃がアームに取り付けられ、少なくとも一方のアームに設けられたアーム側結合構造を移動することによって替刃を着脱する替刃式皮むき器であって、前記アーム側結合構造を移動するための少なくとも1つの操作部が設けられていることを特徴とする替刃式皮むき器。
【請求項2】
操作部は指掛部を有し、指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる請求項1記載の替刃式皮むき器。
【請求項3】
ハンドルを握った手の少なくとも1つの指が届く位置に指掛部が存在し、その指で指掛部に加えた力がアーム側結合構造と替刃側結合構造の係合を解除する方向にアーム側結合構造を移動させる請求項2記載の替刃式皮むき器。
【請求項4】
操作部は、使用状態位置と不使用状態位置に置くことが可能であり、使用状態位置と不使用状態位置との間を移動可能にホルダーに設けられている請求項1乃至請求項3記載の替刃式皮むき器。
【請求項5】
アーム側結合構造はそれが設けられているアームと共に移動し、操作部は当該アームに設けられている請求項1乃至請求項4記載の替刃式皮むき器。
【請求項6】
アーム側結合構造の移動はそれが設けられているアームを撓ませることによって行う請求項5記載の替刃式皮むき器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−313144(P2007−313144A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147645(P2006−147645)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】