説明

最上層の柱梁接合部のせん断補強構造

【課題】鉄筋コンクリート構造等の最上層の柱梁接合部で、柱主筋1の定着板20を梁上端筋10の下部に配置する場合、無筋コンクリート部となっていた柱梁接合部の上部(定着板20の直下の帯筋6から上方の部分)のせん断耐力を向上させる。
【解決手段】少なくとも四隅に位置する柱主筋1を定着板20の上方に突出させ上端突出部8を形成する。上端突出部8の外周を囲って、上端部帯筋6A、6Bの配筋をして、柱梁接合構造50を構成する。上端部帯筋6A、6Bは、作用する柱梁接合部のせん断力に応じて、必要量を配筋する。上端部帯筋6Bは梁上端筋10の直上に配筋し、上端部帯筋6Aは梁上端筋10の下方、定着板20の直上近傍に配筋し、夫々必要量に応じて選択して配筋する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造などの鉄筋コンクリート系構造物において、最上階及びその階より上方に層が形成されない最上層に適用される、最上層の柱梁接合部のせん断補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄筋コンクリート構造では、鉄筋をコンクリート内で定着させるために鉄筋の端部を折り曲げて処理していた。最上層の柱梁接合部における梁主筋10の端部は、下方に折り曲げて先端折り曲げ部55を形成して、柱30の断面内に納めていた(図7参照)。
【0003】
また、最上層に位置する柱では、柱主筋の最上端部を180°下方に折り曲げて、U字状のフックを形成していた(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。この場合、フック直下の帯筋から上部の接合部は「無筋コンクリート(柱頭無筋区間)」となり、必要な接合部せん断耐力を担保できない問題があった(以下、「無筋コンクリート部の問題」という)。非特許文献1では、その問題を解決する2つの提案(柱定着スタブとする提案を除く)をしている(以下、「第1の提案」という)。
【0004】
しかし、それらの提案では、通常の梁せいでは、柱主筋に必要な定着長さを確保することがほとんど困難であった。また、仮に、必要な定着長さを確保できる場合であっても、柱梁の接合部は交差する鉄筋の数も多く、過密となりすぎ、有効に配筋することが難しかった。
【0005】
これを避けるために、例えば、定着スタブ53と称する部分を、梁40の上方(屋根スラブ上)に突出させて、柱30の上端部の折り曲げを梁の上方で処理することにより必要な定着長さを確保してきた(以下、「第2の提案」という)。この場合には屋根スラブ上に定着スタブ(柱の上端部)が大きく突出するので、屋根スラブの防水処理状好ましくなく、また屋上の利用勝手が悪くなり、さらに屋根のデザインの幅を狭める問題点があった(定着板20を使用した場合であるが、図7参照)。
【0006】
そこで、定着長さをできるだけ少なくする試みもなされていた。例えば、柱主筋1の上端部に定着板20(鉄筋に直角な方向への突起物)を設けて、柱主筋1の端部の折り曲げを省略する、いわゆる機械式定着法がいくつか提案されてきた(図5〜図7、特許文献2〜6)。
【0007】
非特許文献2においても、必要な定着長さを短くすることができる機械式定着法を使用した提案をしている(以下、「第3の提案」という)。
【0008】
(1) この機械式定着方法を採用した場合に、最上層の柱梁接合部に適用する際に、定着板を梁上端筋の最上段筋より上方に配置することも提案されている(以下、「第4の提案」という。特許文献2の図12、特許文献3)。
【0009】
(2) また、機械式定着方法を採用した場合に、最上層の柱梁接合部に適用する際に、定着板20の上方のかぶり厚さを梁せい内で確保しようとすると定着板20を、梁上端筋の最上段筋(梁40の最上に位置する主鉄筋)の下方に位置させる必要があった。その結果、定着板20の直下の帯筋より上方にはせん断補強筋のない「無筋コンクリート部分56」(図5、図6)が生じる。そこで、当該部のせん断補強筋として、梁上端筋の上方から略逆U字状の補強筋22を、接合部を包含するように配筋することも提案されている(以下、「第5の提案」という。図5、特許文献4、特許文献5)。
【0010】
(3) また、機械式定着方法を採用した場合に、最上層の柱梁接合部に適用する際に、柱30が降伏するような外力が柱梁接合部に働き、大きいせん断力が作用する場合には、柱梁接合部の上部に無筋コンクリート部があれば、その下部にいくら帯筋を配筋しても必要とする接合部せん断耐力を確保できないため、柱梁接合部全体にせん断補強筋である帯筋を配筋することが求められていた。それを実現するために、柱主筋1を梁40の上方(屋根スラブ上部)に突出させて定着スタブ53を形成しなければならなかった(以下、「第6の提案」という。図7)。
【特許文献1】特開2003−253753
【特許文献2】特開平6−57952
【特許文献3】特開平4−68149
【特許文献4】特開2003−105923
【特許文献5】特開2004−100369
【特許文献6】特開2002−276078
【非特許文献1】日本建築学会 編集、「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」、日本建築学会、1986年9月5日、第2版、p.166−175
【非特許文献2】日本建築学会 編集、「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」、日本建築学会、2003年11月1日、第4版(2003年版)、p.136、p.196−199
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(1) 「無筋コンクリート部」の問題を解決した第1の提案(非特許文献1の改善案)では、通常の建物においては、必要な定着長さが確保できない場合が殆どであり、仮に確保できたとしても施工上の問題があった。
【0012】
(2) 必要な定着長さが確保するための第2および第6の提案(定着スタブ53を設ける)では、定着板20を使用しない従来例で示したように、屋上の利用勝手が悪くなり、施工上および防水上も問題が大きかった。
【0013】
(3) 第3の提案(機械式定着法)では、定着板を梁上端筋の下方に配置した場合には、「無筋コンクリート」の問題が解決されていない。さらに、外柱の最上層の柱梁接合部においては、隅角部からの割裂亀裂(図4(b)符号61)が発生することから、柱梁接合部のせん断耐力が大幅に低下する。
【0014】
(4) 従来の技術の第4の提案(定着板を梁上端筋の最上段筋より上方に配置する)では、必要な定着長さが確保され、かつ接合部全体に帯筋を配筋することができ、「無筋コンクリート」の問題は解決されるが、定着板の上方に所定のコンクリートかぶり厚さを確保するために、梁せいを大きくする必要があり、実施には採用が困難であった。梁せいを大きくすると、コンクリートの無駄を生じると共に建造物の高さを不要に高くせざるを得ないからである。
【0015】
(5) また、第5の提案(略逆U字状の補強筋を配筋)では、定着板20の直下の帯筋より上方の「無筋コンクリート部分56」(図5、図6)には、柱主筋が無いため、せん断補強として効果のある帯筋を配筋できず「無筋コンクリート」部分となる。そこで、当該部のせん断補強筋として略逆U字状の補強筋22を配筋しているが、そのせん断補強効果は帯筋ほど期待できず、設計で要求される柱梁接合部全体のせん断耐力が不足するという問題があった。特に、梁上端筋が2段配筋の場合には、帯筋6が配置されない「無筋コンクリート部分56」の範囲が大きくなることから、柱梁接合部のせん断耐力不足は顕著であった(図6)。
必要なせん断耐力を確保するためには、定着板20の下方の帯筋6と略逆U字状の補強筋22をかなり多く配筋する、すなわち、それらの鉄筋径を大きくし、その本数をかなり増やすことが必要となることから、配筋作業が困難となり、コンクリートの充填上も問題があり、実際の採用は困難であった。
【0016】
(6) 本願発明は、上記の課題、すなわち、以下のa〜dの総ての課題をもれなく解決することを課題とする。
a.定着スタブなどを使用することなく、通常の梁せい内で柱主筋の定着長さを確保する。
b.通常の梁上端筋のコンクリートかぶり厚さ内で、柱主筋のかぶり厚さを確保する。
c.定着板を梁上端筋の下方に設けた構造で、定着板直下の帯筋から上方が「無筋コンクリート」となり、接合部のせん断力が低下する問題を解決する。
d.隅角部からの割裂亀裂による接合部の耐力低下を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、柱筋上端部の定着板を梁上端筋の下部に配置する場合において、従来、無筋コンクリート部となっていた柱梁接合部の上部(定着板20の直下の帯筋から上方の部分)をせん断補強するために、少なくとも四隅に位置する柱主筋を定着板の上方に突出させ上端突出部を形成することにより、その上端突出部の外周を囲って必要数量の「上端部帯筋」を配筋することである。なお、必要に応じて、他の柱主筋(例えば、四隅以外の外周柱主筋や外周以外の柱主筋など)に上端突出部を形成して「上端部帯筋」を配筋する。
【0018】
通常設計される梁せい内で定着長さを確保した上で、「無筋コンクリートの問題」を解決することは、日本建築学会においても長年の懸案の課題であった(非特許文献1、非特許文献2)が、本願発明は、無筋コンクリートとなる部分に必要数量の帯筋(せん断補強筋)を配筋できることを可能としたことにより、すべての課題を解決した。
【0019】
また、「上端部帯筋」は、作用する柱梁接合部せん断力に応じて、必要数量(2組以上の組数)の帯筋を配筋する。その位置は、梁上端筋の直上近傍、梁上端筋の直下近傍、定着板の直上近傍から選択して、あるいは全部の箇所で配筋する。
【0020】
即ちこの発明は、柱主筋が配置された鉄筋コンクリート系構造物の最上層における柱と梁との接合部において、以下の条件を総て満たしたことを特徴とする最上層の柱梁接合部のせん断補強構造である。
(1) 前記柱主筋の上端部に定着板が取り付けられている。
(2) 前記定着板は、前記梁の「梁上端筋の最上段筋」より下方に位置させる。
(3) 前記柱主筋は、その上端を前記定着板より上方に突出させて「上端突出部」を形成し、該「上端突出部」の上端を前記「梁上端筋の最上段筋」より距離Hだけ上方に突出させる。
(4) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋の最上段筋」の直上近傍で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「第1の上端部帯筋」を配筋する。
(5) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋」の下方であってかつ前記定着板の上方で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「第2の上端部帯筋」を配筋する。
(6) 前記所定距離Hを、前記「第1の上端部帯筋」を配筋できる程度の長さに形成し、かつ前記所定距離Hの部分に定着板を設けない。
(7) 前記柱主筋に沿って配置される2本の垂直筋の両端を水平筋で連結してなる略逆U字状の補強筋を、平面視で前記「第1の上端部帯筋」内であって、前記水平筋が、前記梁上端筋の最上段筋の上方に位置し、前記梁上端筋と直交方向または前記梁上端筋と平行方向に少なくとも一方向に配置する。
(8) 前記梁は、前記梁上端筋の通常のかぶり厚さ内で梁せいを設定する。
【0021】
また、前記において、柱主筋の「上端突出部」において、定着板と梁上端筋の下面との間に、前記「上端突出部」の外周側を囲って他の「第3の上端部帯筋」を配筋することを特徴とする最上層の柱梁接合部のせん断補強構造である。
【0022】
また、他の発明は、柱主筋が配置された鉄筋コンクリート系構造物の最上層における柱と梁との接合部において、以下の条件を総て満たしたことを特徴とする最上層の柱梁接合部のせん断補強構造である。
(1) 前記柱主筋の上端部に定着板が取り付けられている。
(2) 前記定着板は、前記梁の「梁上端筋の最上段筋」より下方に位置させる。
(3) 前記柱主筋は、その上端を前記定着板より上方に突出させて「上端突出部」を形成する。
(4) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋」の下方であってかつ前記定着板の上方で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「一の第2の上端部帯筋」を配筋する。
(5) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋の最上段筋」の直下近傍又は「他の梁上端筋」の直下近傍で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「他の第2の上端部帯筋」を配筋する。
(6) 前記上端突出部に他の定着板を設けない。
(7) 前記柱主筋に沿って配置される2本の垂直筋の両端を水平筋で連結してなる略逆U字状の補強筋を、平面視で、前記水平筋が、前記梁上端筋の最上段筋の上方に位置し、前記梁上端筋と直交方向または前記梁上端筋と平行方向に少なくとも一方向に配置する。
(8) 前記梁は、前記梁上端筋の通常のかぶり厚さ内で梁せいを設定する。
前記における各鉄筋類は、所定のコンクリートかぶり厚さを確保させることは前提である。
【0023】
また、前記における「定着板」は、コンクリートとの定着力を増すために、柱主筋の軸と直角な方向に突出した部分を有すれば、その形状又は構造は問わない。
【0024】
また、前記における「梁上端筋」は、通常梁せい方向で上端側及び下端側に配筋される梁主筋の内、上端側に配置される梁主筋を指す。また、梁上端筋が上下2段(上段筋、下段筋)に配筋される場合もあり、「梁上端筋」の下方は、主に下段筋の下方あるいは直下近傍を指すが、上段筋の直下近傍とすることもできる。
【0025】
また、前記における「梁上端筋の最上段筋」は、梁上端筋が1段の場合にはその梁上端筋を指し、2段の場合には上段筋を指し、3段以上の場合には最上段筋を指す。
【0026】
また、前記における「梁上端筋」の下方は、梁上端筋が構造鉄筋として機能を発揮している水平方向の部分を指し、例えば定着用に下方に折り曲げている場合には折り曲げ部分を除く趣旨である。
【0027】
また、前記において、「梁上端筋の最上段筋」の直下近傍又は「他の梁上端筋」の直下近傍、とは、
・梁上端筋が1本の場合には、その梁上端筋(=最上段筋)の直下近傍
・梁上端筋が2本の場合には、上側の梁上端筋(=最上段筋)の直下近傍
・梁上端筋が3本の場合には、上側の梁上端筋(=最上段筋)の直下近傍又は真ん中の梁上端筋の直下近傍
を指す。
【発明の効果】
【0028】
定着板を取り付けた柱主筋で、定着板の上方に上端突出部を形成し、上端突出部にせん断補強として効果的な「上端部帯筋」を配置することにより、従来、無筋コンクリート部分56となっていた柱梁接合部の上部(定着板20の直下の帯筋から上方の部分)をせん断補強することができ、更に、「上端部帯筋」のみならず上端突出部の柱筋も、定着板の上部の柱梁接合部に生じるせん断亀裂60、60に抵抗して、柱梁接合部のせん断耐力が増大して、設計で要求される柱梁接合部のせん断耐力が確保できる(図4(a))。また、このような上端突出部を形成した柱主筋と「上端部帯筋」は、外柱の最上層の柱梁接合部においては、隅角部からの割裂亀裂61、61にも抵抗し、接合部耐力を向上させることができる。(図4(b))。
【0029】
なお、柱筋の上端突出部を形成することにより、接合部のせん断耐力を確保するに必要な数量(2組以上の組数)の「上端部帯筋」を配筋することができる。
【0030】
また、この発明によれば、柱定着板を梁上端筋の上に配置する必要が無いことから、鉄筋のかぶり厚さを確保するために梁せいを大きくしないでも良い。
【0031】
また、柱梁接合部で、柱主筋の上端突出部を含めて接合部の全体に帯筋を配筋することができるため、従来に比べ、定着板の下方の帯筋および略逆U字状の補強筋を大幅に低減できることから、コスト低減およびコンクリート充填性向上などの効果がある。
【0032】
また、接合部全体にせん断補強筋である帯筋を配筋できるため、屋根スラブの上方に定着スタブを突出させる必要がないので、屋上の使い勝手も支障なく、施工上、防水上の諸問題が解消できる。
【0033】
また、略逆U字状の補強筋を併用することにより、さらにせん断耐力を増加できることから、より適切な設計ができる。この場合、略逆U字状の補強筋は、梁上端筋10の軸方向と直交する方向に水平筋24を配置して補強筋22を配筋した場合には、主に、せん断亀裂60、60の防止を高める効果があり(図4(a))、梁上端筋10の軸方向と平行な方向に水平筋24を配置して補強筋22を配筋した場合には、隅角部からの割裂亀裂61、61の防止を高める効果がある(図4(b))。
【0034】
総じて、本発明により、従来の諸課題を解決した上で、少ない補強筋量と簡単な施工で、必要な接合部せん断耐力を容易に確保でき、かつ、コンクリートの充填性も良い最上層の柱梁接合部を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1〜図4に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0036】
[1]柱梁接合部50の構成
【0037】
柱梁接合部(最上層の柱梁接合部のせん断補強構造)50を構成する施工手順の一例を示す。施工手順はこの例に限らず、従来の任意の施工手順を採用することができる。
【0038】
(1) 通常の方法により、柱主筋1、1他の柱の鉄筋を建て込む。
【0039】
(2) 通常の方法により、柱主筋1、1に交差するように、梁下端筋14、14(梁の主鉄筋の内、梁せいの下端側に位置する主鉄筋)、あばら筋16、16(梁のせん断補強筋)を配筋する。
【0040】
(3) 通常の方法により、柱梁接合部で、帯筋(柱のせん断補強筋)6、6を束ねて梁下端筋14、14の上に仮置きする。
【0041】
(4) 通常の方法により、柱主筋1、1の上端部に定着板20を装着し、定着板20を所定の高さ、即ち、これから配筋予定の梁上端筋(梁主鉄筋の内、梁せいの上端側に位置する主鉄筋)10の下に位置するようにする。この場合、定着板20、20は柱主筋1の上端2より所定長さ下方に位置させ、また、定着板20、20は仮止め状態にあり、位置調節可能となっている。
【0042】
(5) 通常の方法により、予め配筋しておいたあばら筋16、16の中に、梁上端筋10、10を配筋して、柱主筋1、1に交差させる。
【0043】
(6) 定着板20、20が所定の高さにあり、柱主筋1、1の上端2、2の高さ位置が、梁上端筋10の上面11から高さHになるように、柱主筋1、定着板20の位置を調節し(図3)、その位置を確認して、定着板20内にグラウトを注入して、柱主筋1、1に定着板20を固定する。ここで、定着板20は所定のコンクリートかぶり厚を確保できて、かつできるだけ梁上端筋10の近く(梁上端筋10の下面12の近く)に配置されることが好ましい。
また、高さHは、後述するように、梁上端筋10の上方に上端部帯筋6を配筋できる程度の量が必要で、かつコンクリートかぶり厚を確保するためにできるだけ短くすることが好ましい。従って、柱主鉄筋1の上端突出部8の上端は、コンクリートかぶり厚内に納まり、従来のような定着スタブ53(図7)のようなスラブ上面からの突起物が形成されることない(図1、図2)。従って、図7のように、柱主鉄筋1の上端突出部8に、更に定着板20が取り付けられることもない(図1、図2)。
【0044】
なお、コンクリートかぶり厚は、通常、法令で定められる最低限の量を確保できていれば良い。ただ、コンクリートスラブ上面を伸ばして、通常の施工の範囲でいわゆる“フカシ”でスラブ厚さ厚くする場合もあるが、それを妨げるものではなく、コンクリートかぶり厚の範囲に属する。
【0045】
(7) 通常の方法により、梁上端筋10、10の下方で、柱梁接合部に帯筋6、6を配筋し所定の方法(例えば、結束線等)で柱主筋1、1に固定する。この場合、柱主筋1の上端突出部8で、定着板20の直上近傍にも帯筋6を配筋し、この帯筋を上端部帯筋6Aとする(図3(a))。尚、上端部帯筋6Aは梁上端筋10の直下近傍に位置させることもできる(図3(b)(c))。 また、この場合、梁上端筋10と定着板20との間隔を狭くして、1本の上端部帯筋6Aが、定着板20の直上近傍に位置し、かつ梁上端筋10の直下近傍に位置する状態にすることもできる。
【0046】
(8) 柱主筋1、1の上端突出部8で、梁上端筋10の上方に帯筋6を配筋する。この帯筋6を上端部帯筋6Bとする。上端部帯筋6Bは、梁上端筋10の上面11から上方に突出する量を少なくして、できるだけ低い位置に配筋することが望ましく、例えば、梁上端筋10の上面11に当接するように配置する。
【0047】
(9) このような配筋により、梁上端筋10を挟んで、その上(直上近傍)に帯筋6Bが配置され、その下(直下近傍)に帯筋6Aが配筋されることになる(図1、図2)。
【0048】
(10) 尚、前記における梁上端筋10の直上近傍に配置される上端部帯筋6B、定着板20の直上近傍に配置される上端部帯筋6A及び定着板20の下方に配筋される帯筋6、6は、せん断補強の観点から、全体として等間隔(等ピッチ)に配筋することが望ましい。そこで、定着板20の直上近傍に配置される上端部帯筋6Aは、定着板20に接触させるか離して配筋するか、その配筋位置は任意である。
【0049】
(11) 続いて、柱主筋1の上方から、上端部帯筋6B内に略逆U字状の補強筋22、22を配筋する。補強筋22は、柱主筋1に沿って垂直に配置される2本の垂直筋23、23を並列して、この垂直筋23、23の上端を、略水平に配置される水平筋24の両端を連結して、逆略U字状に構成されている(図1、図2)。従って、垂直筋23、23及び水平筋24はいずれも平面視で、上端部帯筋6Bの内側に位置する(図1(a))。
また、この補強筋22、22は、水平筋24を梁上端筋10の軸方向に平行な方向に配筋した後に、梁上端筋10の軸方向に水平筋24が直交する方向に梁上端筋10の上から落とし込む(図1、図2)。従って、梁上端筋10の軸方向に平行な方向の水平筋24の上に、梁上端筋10の軸方向に垂直な方向の水平筋24が位置する(図1、図2)。尚、補強筋22の配筋位置や数、外径などは求められるせん断耐力などにより選択する。通常は、あばら筋16と同等程度(同径又は1〜2サイズ大径)でよい。
【0050】
(12) 以上のようにして、配筋し、さらに必要な壁や屋根スラブの配筋をし、これと同時に又は前後して必要な型枠(図示していない)を建て込んで、コンクリート28を打設して、コンクリート28が固化発現後に、不要な型枠を取り外して、柱梁の接合構造(最上層の柱梁接合部のせん断補強構造)50を構成する(図1、図2)。図中30は最上層の柱、40は最上層の梁である。
【0051】
[2]他の実施形態
【0052】
(1) 前記実施形態において、略逆U字状の補強筋22は、柱梁接合部に作用するせん断力に応じて、適宜本数を調節して配筋する。また、補強筋22の配筋方向は、それぞれの効果を考慮し作用する応力状態などにより選択する。従って、補強筋22は、水平筋24が「梁上端筋10の軸方向と直交する方向」「梁上端筋10の軸方向と平行な方向」の一方又は両方に配筋する。また、大きなせん断力の作用が予想されない場合には、補強筋22を省略することもできる(図示していない)。
【0053】
(2) また、前記実施形態において、定着板20は、異形鉄筋の外周に装着して、グラウトで固定する構造のものを採用したが、柱主筋1に上端突出部8を構成できれば、ねじ式の場合など構造は任意である(図示していない)。
【0054】
(3) また、前記実施形態において、外周に位置する柱主筋1、1の全体に上端突出部8を形成したが、少なくとも四隅に位置する柱主筋1A、1Aにのみ(図1、図2参照)、上端突出部8を夫々形成して、他の柱主筋1、1には上端突出部8を省略することもできる(図示していない)。
【0055】
(4) また、前記実施形態において、上端突出部8で、定着板20と梁上端筋10の下面12との間に、上端部帯筋6Aを1つ配置したが、上端部帯筋6Aを2つ配置することもできる(図3(b))。この場合、上側の上端部帯筋6A(第2の上端部帯筋)は梁上端筋10の下面12に接触し、あるいは下面12の近傍に配置する。また、下側の上端部帯筋6A(第3の上端部帯筋)は、定着板20の直上近傍に配筋する。さらに、上端突出部8で、定着板20と梁上端筋10の下面12との間に、3つ以上の上端部帯筋6Aを配置することもできる(図示していない)。
尚、柱梁接合部50に求められるせん断耐力によっては、上端部帯筋6Bがあれば、上端部帯筋6Aを省略することもできる(図示していない)。
【0056】
(5) また、前記実施形態において、必要とされる組数の上端部帯筋6Aがあれば、上端部帯筋6Bを省略することもできる(図3(c))。この場合には、柱主筋1の上面2は、梁上端筋10より上方に突出させる必要はなく、梁上端筋10の下面12の近傍に位置していればよい。また、この場合、上端部帯筋6Aは、梁上端筋10の下面12の近傍に位置するので、上端部帯筋6Aは、上端突出部8の上面2の近傍に配置される。
また、この場合には、定着板20の直上近傍に上端部帯筋6Aを配置すると共に、さらに梁上端筋10の下面12の近傍に(好ましくは梁上端筋10の下面12に接触させて)、上端部帯筋6Aを配置する(図3(c))。従って、上端部帯筋6Bを省略した場合には、定着板20の上端と梁上端筋10の下面12との間に、2つの上端部帯筋6Aが配置される。
また、この場合には、補強筋22、22は、水平筋24が梁上端筋10の軸方向と直交する方向の補強筋22、水平筋24が梁上端筋10の軸方向と平行な方向の補強筋22、の両方向に補強筋22を配筋することが望ましい(図1)。尚、求める性能によっては、水平筋24が梁上端筋10の軸方向と直交する方向又は平行な方向のいずれか一方向のみに補強筋22、22を配筋することもできる。
【0057】
(6) また、前記実施形態において、梁上端筋10が1段の場合について説明したが、梁上端筋10が上下2段以上の場合に適用することもできる(図3(d)(e))。この場合には、上端部帯筋6Bは梁上端筋10の内、最上段に位置する梁上端筋10B(=梁上端筋10の最上段筋)の直上近傍に位置させる。上端部帯筋6Aは定着板20の直上近傍に配筋することを基本とするが、下側の梁上端筋10Aの下面12近傍に配筋することもできる(図3(d))。また、上下2段に配筋した梁上端筋10A、10Bの間に上端部帯筋6Aを配置し(図3(d)鎖線図示6A)、また、定着板20を配置することもできる(図示していない)。
【0058】
また、上端部帯筋6Bを省略する場合には、上端部帯筋6Aを梁上端筋10Bの下面12近傍に配置することが望ましい(図3(e))。
【試験例】
【0059】
[1]試験体
【0060】
図8に試験体A、Bを示す。
【0061】
(1)試験体A
「非特許文献2」の199頁の参考図9.8(d)の構造に、更に本願発明と同等の逆U字状の補強筋を梁軸に平行方向にも入れた構造である(非特許文献1を強化した構造)。
・柱:400×400mm
・柱筋:D19−SD345
・梁筋:D19−SD390
・帯筋比pjw=0.33%
・逆U字状の補強筋比pwv=0.33%)
【0062】
(2)試験体B
図1に記載の実施例の構造である。
・柱:500×500mm
・柱筋:D22−SD345
・梁筋:D22−SD345
・帯筋比pjw=0.35%
・逆U字状の補強筋比pwv=0.34%
【0063】
(3) 試験体A、Bともに、梁上端筋の下部で定着板を使用している点で共通しているが、試験体Bでは、第1上端部帯筋・第2上端部帯筋があるが、試験体Aでは、無い。
帯筋比pjw と逆U字形補強筋比pwvとを実質同一とした。
ここで、
帯筋比=接合部の帯筋全断面積/(上下の梁主筋間の距離×柱の幅)
逆U字形補強筋比=逆U字形補強筋の全断面積/柱の断面積
柱断面積あたりの柱主筋、梁主筋の(径×強度)はほぼ同一である。
【0064】
[2]試験方法
【0065】
最上階T形柱梁接合部の約1/2縮尺試験体を用い、加力は、層間変形角がR(5,10,20,30,40)×10−3rad.の2サイクルずつの繰返し載荷および60×10−3rad.の1サイクルとした。
【0066】
[3]評価内容
【0067】
(1) 柱の終局曲げ耐力(Qcmax)が計算値(Qcu)に対し、何倍の安全率を有するかについて評価した。
ア.「実物の建物において、終局曲げ耐力が計算値(要求される耐力)以上あることを保証できるか」を検証できる。
【0068】
(2) 最大耐力以降において、耐力の低下が少ないか、すなわち、十分な靭性能を有するかを評価した。
ア.最大耐力後も大きい強制変形に対して、耐力があまり低下しないことが安全な建物となる。その性能を判断する尺度に「R80」が使用される。「R80」とは、耐力が最大耐力の80%に低下した時の層間変形角であり、その数値が大きい方が、耐力低下の少ない優れた靭性能を有することを示す。
イ.接合部がせん断破壊すると急激に耐力が低下するので、せん断破壊を避け曲げ降伏させることが、耐力の維持と変形性能の確保に結びつく。
【0069】
(3)接合部の破壊状況より接合部せん断破壊状況を分析する。
【0070】
[4]試験結果
【0071】
(1)図9に試験結果で、荷重−層間変形角のグラフを示す。
柱の終局曲げ耐力(Qcmax)は計算値(Qcu)に対して、
・試験体A(非特許文献1を強化した構造)は「1.0倍(同等)」であったのに対して、
・試験体B(本願工法)では「約1.15倍」の高い安全率を有した。
試験体Bの試験結果から、本願工法は予想以上の高い効果を有することが確認でき、実物の建物においても、終局曲げ耐力が計算値以上あることを保証できる。
一方、試験体Aにおいて、計算値と実験値とが同一ということは、実際に建設される総ての建物で耐力が計算値以上であることを保証できない。
試験体A(非特許文献1を強化した構造)では層間変形角R=0.032rad.で接合部せん断破壊(特に接合部上部すなわち柱頭無筋区間での破壊)により耐力が急激に低下しているのに対して、試験体B(本願工法)では層間変形角R=0.04rad.で接合部せん断破壊の現象は見られず、耐力をほぼ維持している。その後の耐力の低下も非常に緩やかである。
R80の数値に着目すると、試験体B(0.05rad.)が、試験体A(0.032rad.)に対して、約1.5倍高い変形性能があることを示していることから、本願工法により、地震に対してより粘り強い靭性能を有する安全な建物になることがわかる。
【0072】
(2)図10に試験結果で、接合部の破壊状況の写真を示す。
試験体の破壊状況をみると、試験体A(非特許文献1を強化した構造)では接合部上部「柱頭無筋区間」の破壊および隅角部からの割裂破壊が激しいのに対して、試験体B(本願工法)では、接合部せん断破壊の程度は小さく、「柱頭無筋区間(無筋コンクリート部分)」を含む接合部全体がせん断力に十分抵抗していることが分かる。
【0073】
[5]試験の結論
【0074】
試験体B(本願工法)が、試験体A(非特許文献1を強化した構造)に比べて、接合部せん断耐力が高いことにより、曲げ耐力の安全率が高く、耐力低下の少ない優れた靭性能を有していることから、本願工法が柱梁接合部のせん断補強に非常に効果的であり、耐震性の高い建物を提供することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施例で、柱の両側に梁が接続された場合を表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図2】同じくこの発明の実施例で、柱の一側に梁が接続された場合を表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】(a)〜(e)は、同じくこの発明の実施例で、柱主筋、上端突出部、上端部帯筋、梁上端筋の関係を表す一部拡大縦断面図である。
【図4】(a)(b)はこの発明の効果を説明する正面図である。
【図5】この発明の従来例で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】同じくこの発明の他の従来例の正面図である。
【図7】同じくこの発明の他の従来例の正面図である。
【図8】試験例で、試験体A、Bの構造を表す。
【図9】試験例で、実験結果グラフで、荷重−層間変形角曲線を表す。
【図10】試験例で、実験結果写真で、接合部の破壊状況を表す。
【符号の説明】
【0076】
1 柱主筋
2 柱主筋の上端
6 帯筋
6A 上端部帯筋(第2の上端部帯筋、第3の上端部帯筋)
6B 上端部帯筋(第1の上端部帯筋)
8 柱主筋の上端突出部
10 梁上端筋
10B 梁上端筋の最上段筋
10A 梁上端筋の下段側筋
11 梁上端筋の上面
12 梁上端筋の下面
14 あばら筋
20 定着板
22 略逆U字状の補強筋
23 補強筋の垂直筋
24 補強筋の水平筋
28 コンクリート
30 柱
40 梁
50 柱梁接合構造
53 定着スタブ
55 先端屈曲部(従来例)
56 無筋コンクリート部分
60 柱梁接合部のせん断亀裂
61 柱梁接合部の割裂亀裂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱主筋が配置された鉄筋コンクリート系構造物の最上層における柱と梁との接合部において、以下の条件を総て満たしたことを特徴とする最上層の柱梁接合部のせん断補強構造。
(1) 前記柱主筋の上端部に定着板が取り付けられている。
(2) 前記定着板は、前記梁の「梁上端筋の最上段筋」より下方に位置させる。
(3) 前記柱主筋は、その上端を前記定着板より上方に突出させて「上端突出部」を形成し、該「上端突出部」の上端を前記「梁上端筋の最上段筋」より距離Hだけ上方に突出させる。
(4) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋の最上段筋」の直上近傍で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「第1の上端部帯筋」を配筋する。
(5) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋」の下方であってかつ前記定着板の上方で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「第2の上端部帯筋」を配筋する。
(6) 前記所定距離Hを、前記「第1の上端部帯筋」を配筋できる程度の長さに形成し、かつ前記所定距離Hの部分に定着板を設けない。
(7) 前記柱主筋に沿って配置される2本の垂直筋の両端を水平筋で連結してなる略逆U字状の補強筋を、平面視で前記「第1の上端部帯筋」内であって、前記水平筋が、前記梁上端筋の最上段筋の上方に位置し、前記梁上端筋と直交方向または前記梁上端筋と平行方向に少なくとも一方向に配置する。
(8) 前記梁は、前記梁上端筋の通常のかぶり厚さ内で梁せいを設定する。
【請求項2】
柱主筋の「上端突出部」において、定着板と梁上端筋の下面との間に、前記「上端突出部」の外周側を囲って他の「第3の上端部帯筋」を配筋することを特徴とする請求項1に記載の最上層の柱梁接合部のせん断補強構造。
【請求項3】
柱主筋が配置された鉄筋コンクリート系構造物の最上層における柱と梁との接合部において、以下の条件を総て満たしたことを特徴とする最上層の柱梁接合部のせん断補強構造。
(1) 前記柱主筋の上端部に定着板が取り付けられている。
(2) 前記定着板は、前記梁の「梁上端筋の最上段筋」より下方に位置させる。
(3) 前記柱主筋は、その上端を前記定着板より上方に突出させて「上端突出部」を形成する。
(4) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋」の下方であってかつ前記定着板の上方で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「一の第2の上端部帯筋」を配筋する。
(5) 前記柱主筋の「上端突出部」において、前記「梁上端筋の最上段筋」の直下近傍又は「他の梁上端筋」の直下近傍で、前記各「上端突出部」の外周側を囲って「他の第2の上端部帯筋」を配筋する。
(6) 前記上端突出部に他の定着板を設けない。
(7) 前記柱主筋に沿って配置される2本の垂直筋の両端を水平筋で連結してなる略逆U字状の補強筋を、平面視で、前記水平筋が、前記梁上端筋の最上段筋の上方に位置し、前記梁上端筋と直交方向または前記梁上端筋と平行方向に少なくとも一方向に配置する。
(8) 前記梁は、前記梁上端筋の通常のかぶり厚さ内で梁せいを設定する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−144500(P2009−144500A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299637(P2008−299637)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2008年7月20日 社団法人 日本建築学会発行の「2008年度大会(中国)学術講演梗概集 建築デザイン発表梗概集(DVD)」に発表
【出願人】(392027933)朝日工業株式会社 (7)