最小侵襲インプラントおよび圧着システム
骨を治療する装置は、ケーブルブロックの近位面内の第1の近位開口からケーブルブロックの遠位面内の第1の遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結ケーブルを受けるように構成されている第1のルーメンを含むケーブルブロックを備える。ケーブルブロックは、近位面内の第2の近位開口から遠位面内の第2の遠位開口まで延在し、拡大端部から延在するケーブルの部分を受けると同時に拡大端部がそこを通り抜けるのを防ぐように構成されている第2のルーメンを更に含む。ケーブルブロックは、第1および第2のルーメンの遠位部分を連結し、拡大端部から延在するケーブルの部分を受けるように構成された導管を含む圧着可能な固定部材と組み合わさった第2のルーメンと少なくとも同程度の大きさを有するスロットを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2008年7月25日に出願された、「Minimally Invasive Implant for Periprosthetic Fractures」という名称の米国仮出願第61/083,546号、2008年7月29日に出願された、「Minimally Invasive Crimp and Cable, Its Crimping-Cutting Tool and the System to Do it」という名称の米国仮出願第61/084,298号、および2008年8月1日に出願された、「Minimally Invasive Crimp and Cable, Its Crimping Tool and the System to Do it」という名称の米国仮出願第61/085,437号の優先権を主張するものである。前述の各出願の全明細書は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は骨の治療に関し、詳細には、小皮膚切開を介してケーブルを所定の位置に保持するために、骨折骨の周りにケーブルを巻き付け、このケーブルに被せてクリンプを圧着することによる骨折の最小限に侵襲的な治療に関する。
【背景技術】
【0003】
大腿骨(femur)の補綴周囲骨折(peri−prosthetic fracture)は、治療が非常に困難となる場合もある一般的な外傷である。例えば、以前に配置されたインプラントが治癒または他の骨固定要素の配置を妨げることもある。補綴周囲骨折を治療する一方式では、骨の周りにケーブルを輪にして巻いて骨の骨折部分を固定する。これらのケーブルは多くの場合、骨を安定させるために骨に沿って位置決めされ得るインプラントと併用される。しかし、これらのケーブルはしばしばインプラントに沿ってスライドし、そのために骨の所望の領域の周りにケーブルを位置決めするのが困難になることもある。加えて、ケーブルを骨の周りに輪にして巻いた後で固定するには、多くの場合、大がかりな手術進入路を必要とし、それが患者にとってより大きなリスクを生じることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5702399号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、骨を治療するための装置であって、ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口からケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結(cerclage)ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、ケーブルブロックの近位面内の第2のルーメン近位開口からケーブルブロックの遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部から延在するケーブルの部分を通して受けると同時に拡大端部が通り抜けるのを防ぐがサイズおよび形状を有する第2のルーメンをさらに含み、第1および第2のルーメンの遠位部分を連結し、前記第2のルーメンと少なくとも同程度の大きさの直径を有するスロットを含むケーブルブロックが、拡大端部から延在するケーブルの部分をスライド自在に受けるサイズの導管(channel)、および第2のルーメン近位開口を取り囲むケーブルブロックの近位面の部分と突き当たるように構成された近位当接面を含み、ケーブル上の所望の位置で固定部材を固定するためにケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている固定部材と組み合わさったものを備える装置を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一例示的実施形態によるシステムを示す斜視図である。
【図2】図1のシステムの部分を示す拡大斜視図である。
【図3】図1のシステムの部分を示す拡大斜視図である。
【図4】図1のシステムの骨板を示す斜視図である。
【図5】図1のシステムのケーブルを示す斜視図である。
【図6】図5のケーブルの第1の端部を示す拡大斜視図である。
【図7】図1のシステムのケーブルブロックを示す上面斜視図である。
【図8】図7のケーブルブロックを示す底面斜視図である。
【図9】図7のケーブルブロックを示す上面図である。
【図10】図7のケーブルブロックを示す側面図である。
【図11】図7のケーブルブロックを示す別の側面図である。
【図12】図7のケーブルブロックを示す底面図である。
【図13】図1のシステムのケーブルおよびクリンプを示す斜視図である。
【図14】図1のシステムのケーブルおよびクリンプを示す側面図である。
【図15】本発明の第1の例示的実施形態による圧着装置を開いた構成として示す斜視図である。
【図16】図15の圧着装置を開いた構成として示す側面図である。
【図17】図15の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図18】図17の第1のスリーブを示す上面図である。
【図19】図17の第1のスリーブを示す側面図である。
【図20】図15の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図21】図20の第2のスリーブを示す上面図である。
【図22】図20の第2のスリーブを示す側面図である。
【図23】図15の圧着装置の第3のスリーブを示す斜視図である。
【図24】図23の第3のスリーブを示す上面図である。
【図25】図23の第3のスリーブを示す側面図である。
【図26】図15の圧着装置を圧着構成として示す側面図である。
【図27】図26の圧着構成としての圧着装置の遠位端を示す斜視図である。
【図28】図16の圧着装置を切断構成として示す側面図である。
【図29】図28の切断構成としての圧着装置の遠位端を示す斜視図である。
【図30】本発明の第2の例示的実施形態による圧着装置を開いた構成として示す斜視図である。
【図31】図30の圧着装置を開いた構成として示す側面図である。
【図32】図30の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図33】図32の第1のスリーブを示す側面図である。
【図34】図32の第1のスリーブの遠位端を示す平面図である。
【図35】図30の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図36】図35の第2のスリーブを示す側面図である。
【図37】図35の第2のスリーブの遠位端を示す平面図である。
【図38】図30の圧着装置の遠位端を開いた構成として示す斜視図である。
【図39】図38の開いた構成としての圧着装置の遠位端を示す平面図である。
【図40】図30の圧着装置の遠位端を圧着構成として示す斜視図である。
【図41】図40の圧着構成としての圧着装置の遠位端を示す平面図である。
【図42】本発明の第3の例示的実施形態による圧着装置を示す斜視図である。
【図43】図42の圧着装置を示す側面図である。
【図44】図42の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図45】図43の第1のスリーブを示す側面図である。
【図46】図43の第1のスリーブの遠位端を示す拡大斜視図である。
【図47】図42の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図48】図47の第2のスリーブを示す側面図である。
【図49】図47の第2のスリーブを示す拡大斜視図である。
【図50】図42の圧着装置を開いた構成として示す拡大斜視図である。
【図51】図43の圧着装置を圧着構成として示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照すればさらに理解することができる。図面において類似の要素は同じ参照番号で示されている。本発明は骨の治療に関し、詳細には、骨折の最小侵襲治療に関するものである。本発明の例示的実施形態では、小皮膚切開を介してケーブルを所定の位置に保持するために骨折した骨の周りにケーブルを巻き付け、ケーブルに被せてクリンプを圧着することによって骨の骨折を治療するシステムおよび方法を説明する。本発明の例示的実施形態では補綴周囲骨折を具体的に説明するが、本発明は他の骨折を治療するのにも使用され得ること、およびこの処置は例示のためのものにすぎないことを当業者は理解するであろう。また、近位および遠位という用語は、本明細書で使用する場合、外科医その他のユーザに向かう方向(近位)およびユーザから遠ざかる方向(遠位)を示すものであることも当業者は理解するであろう。
【0008】
図1〜図14に示すように、本発明の一例示的実施形態によるシステム100は、骨108に沿って位置決めすることのできる板102と、板102および骨108の周りに巻き付けるケーブル104と、板102および骨108の周りに所望の張力でケーブル104を固定するクリンプ105とを備える。図1〜図3に示すように、板102は、骨108の骨折部分110を安定させるために、補綴112を含み得る骨108の長手に沿って位置決めすることができる。ケーブル104は、骨折部分110を固定するために、板102および/または骨108を両方とも囲んで巻き付けることができる。クリンプ105は、ケーブル104の部分を通して受けるケーブルブロック106と、ケーブルに被せて圧着させてケーブル104を所望の位置と張力で骨108の周りに固定するようにケーブルブロック106に隣接して位置決めすることのできる変形可能部材150とをさらに備える。
【0009】
図4に示すように、板102は第1の端部114から第2の端部116まで長手方向に延在し、骨108から見て外方を向いた第1の面118と、骨108の方を向いた第2の面120とを含む。骨板102は、その長手に沿って、それぞれが骨固定要素124を受けるように適合され、構成されている複数の開口122を含んでいてもよい。骨固定要素124は例えば、図2に示すように可変角止めねじ(variable−angle locking screw)とすることもでき、図3に示すように非止めねじとすることもできる。第1の面118の縁部126は、ケーブル104が骨108の周りに巻き付けられるときに、ケーブル104が板102の長手に沿ってスライドするのを防ぐようにケーブル104の幅を受けるために縁部126の長手に沿った溝128を含む。
【0010】
ケーブル104は、図5〜図6に示すように、第1の端部130から第2の端部132まで長手方向に延在する。第1の端部130は、ケーブル104が骨108の周りに固定されるように第1の端部がケーブルブロック106を通り抜けるのを防ぐためのストッパとして機能する拡大端部134を含む。拡大端部134は、その直径が、ケーブルブロック106をスライド自在に通り抜けるサイズを有するケーブル104の残りの長さ部分より大きい、略円筒形のものとすることができる。しかし、拡大端部134は、端部134がケーブル104の残りの長さ部分をスライド自在に受ける開口を通り抜けるのを防ぐように拡大端部134の最大幅がケーブル104の残りの長さ部分の幅より大きい限りにおいて、例えば球体などといった様々な形状のいずれを取ってもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0011】
図7〜図12に示すように、ケーブルブロック106は第1の面136と第2の面138とを含む。第1の面136は骨108の方を向くものとして、第2の面138は骨108から見て外方を向くものとして示されている。しかし、ケーブルブロック106は、第1の面136が骨108から見て外方を向き、第2の面138が骨108の方を向くように位置決めされてもよいことを当業者は理解するであろう。ケーブルブロック106は、第1および第2の面136、138と略平行に、その中を貫通して近位端140から遠位端142まで延在する第1のルーメン144および第2のルーメン146を更に含む。第1および第2のルーメン144、146は、互いに対して、遠位端142に隣接して交差するような角度を有する。ケーブルブロック106は、遠位端142の面まで延在し、第1および第2のルーメン144、146を連結するスロット148を更に含む。スロット148は、第1のルーメン144と第2のルーメン146の間の隔たりを横断して遠位端142まで近位方向に延在し、スロット148の幅は第2のルーメン146の直径とほぼ等しい。すなわち、スロット148の幅は、ケーブル104は通すが、ケーブル104の拡大端部134は通さないように選択される。よって、第1および第2のルーメン144、146は、第1および第2のルーメン144、146の遠位端とその間に延在するスロット148とによって定義される1つの開口を介して遠位端142に開く。
【0012】
第1のルーメン144は、そこを通して、拡大端部134を含むケーブル104を収容するサイズおよび形状を有する。第2のルーメン146は、拡大端部134を除くケーブル104の残りの長さ部分だけを通すサイズおよび形状を有する。スロット148は、拡大端部134を通すサイズおよび形状を有する第1のルーメンと位置合わせされた第1の部分と、第2のルーメン146の直径と略等しい幅を有し、第1の部分から第2のルーメン146の方へ側方に延在する第2の部分とを含む。よって拡大端部134はスロット148の第1の部分だけを通り抜けることができる。以下で説明するように、固定位置において拡大端部は、スロット148の第2の部分に突き当たるように側方に移動され、拡大端部134が第1のルーメン144を通り抜けて戻るのを防ぐ。
【0013】
図13〜図14に示すように、ケーブルブロック106は、骨108に被せてケーブル104を圧着するための変形可能部材150と併用されてもよい。変形可能部材150は、近位端158から遠位端156まで延在し、その中にケーブル104をスライド自在に受けるサイズおよび形状を有する導管152が貫通して延在する、短い、略管状の部材とすることができる。使用に際して変形可能部材150は、ケーブルブロック106の近位端140において第2のルーメン146の開口に隣接して位置決めされ、変形可能部材150の遠位端156は近位端140に突き当たり、ケーブル104に被せて押しつぶされて、骨108の周りに所望の張力で変形可能部材150を固定する。当業者には理解されるはずであるが、変形可能部材150は好ましくは、導管152を通って延在するケーブル104に被せて押しつぶすことのできる生体適合性金属といった変形可能材料で形成される。
【0014】
ケーブル104は、最初に骨108と板102の周りに巻き付けられてもよい。ケーブル104は、様々な締結用器具のいずれかを使用して骨108の周りに巻き付けることができることを当業者は理解するであろう。ケーブル104が望み通りに巻き付けられると、拡大端部134を含むケーブル104の第1の端部130が第1のルーメン144に挿入され、近位端140から入って遠位端142を通り越して遠位方向に延在する。次いで、拡大端部134の近位端154がスロット148の第2の部分と係合するように拡大端部134を側方に移動させて、拡大端部134がスロット148を近位方向に通り抜けないようにすることができる。拡大端部134とスロット148の第2の部分との係合により開口が遠位端142において第2のルーメン146に露出し、ケーブル104の第2の端部132を、遠位端142から第2のルーメンを通して挿入して近位端140を通り越して近位方向に延在させることが可能になる。次いで、近位端140を通り越して延在する第2の端部132を、変形可能部材150の遠位端156がケーブルブロック106の近位端140に突き当たるまで変形可能部材150の導管152に通すことができる。
【0015】
次いでユーザは、ケーブル104に張力を加えて骨108の周りでケーブル104をしっかりと引き、変形可能部材150の遠位端156をケーブルブロック106の近位端140に押し付ける。ケーブル104に所望の張力が加えられた後で、ユーザは、後述する圧着装置200、300、400のうちの1つを使用して変形可能部材150を圧着し、中を通るケーブル104の部分に対して変形可能部材150を押しつぶし、所望の張力で骨108の周りにケーブルブロック106を通してケーブル104を固定する。
【0016】
図15〜図29に示すように、本発明の第1の例示的実施形態による圧着装置200は、変形可能部材140の部分を保持するための第1のスリーブ202と、変形可能部材150を圧着するための第2のスリーブ204と、変形可能部材150の近位端158に近接してケーブル104を切断するための第3のスリーブ206とを備える。図15〜図16に示すように、第1、第2、第3のスリーブ202、204、206は、各スリーブ202、204、206が圧着装置200の長手方向軸を中心として他のスリーブに対して回転可能であるように、同軸上に次々に入れ子状に重なっている。第1のスリーブ202は、ケーブル104が中を通って延在する変形可能部材150をクリンプ106に対して保持し、第2および/または第3のスリーブ204、206は、それぞれ、ケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着し、続いてケーブル104を変形可能部材150の近位で切断するために第1のスリーブ202に対して動かすことができる。
【0017】
図17〜図19に示すように、第1のスリーブ202は、近位端210から遠位端212まで延在し、第2のスリーブ204の第2の長手方向の円筒部226を収容するサイズおよび形状を有する第1のルーメン214が中を貫通して延在する第1の長手方向の円筒部208を含む。第1のルーメン214の遠位開口216は、第1の長手方向の円筒部208の長手方向軸に対して中心がずれている。第1のスリーブ202は、長手方向の円筒部208の近位端210から側方に延在するハンドル218を更に含む。ハンドル218の側面220からは、その周囲に沿った歯224を含む四分円歯車222延在する。歯車222は、第1の長手方向の円筒部208の長手方向軸を中心として略半径方向に延在する。
【0018】
図20〜図22に示すように、第2のスリーブ204は、近位端228から遠位端230まで延在し、第3のスリーブ206の第3の長手方向の円筒部242を受けるサイズおよび形状を有する第2のルーメン232が中を貫通して延在する第2の長手方向の円筒部226を含む。第2の長手方向の円筒部226は、第1のスリーブ202の第1のルーメン214内に受けられるサイズおよび形状を有する。第2のルーメン232の遠位開口234は、第2の長手方向の円筒部226の長手方向軸から中心がずれている。第2のスリーブ204は、ハンドル236および爪歯止238を更に含む。ハンドル236は近位端228から側方に延在し、爪歯止238はハンドル236の遠位面240に取り付けられている。第2の長手方向の円筒部226の長さは第1のスリーブの長手方向の円筒部208の長さより長く、そのため、第2の長手方向の円筒部226が第1のルーメン214に挿入されると、遠位端230が第1の長手方向の円筒部208の遠位端212に突き当たり、第2のスリーブ204のハンドル236が第1のスリーブ202のハンドル218に突き当たって、爪歯止238が四分円歯車222の歯224と係合する。よって、第1のスリーブ202と第2のスリーブ204は、圧着装置200の長手方向軸を中心として互いに対して回転可能であることが当業者には理解されるであろう。しかし、爪歯止238と四分円歯車の歯224との係合が、第1および第2のスリーブ202、204が互いに対して制御できないほど回転するのを防ぐ。
【0019】
図23〜図25に示すように、第3のスリーブ206は、近位端244から遠位端246まで延在し、変形可能部材150およびケーブル104を受け入れるサイズおよび形状を有する第3のルーメン248が中を貫通して延在する第3の長手方向の円筒部242を含む。第3の長手方向の円筒部242は、第2のルーメン232内に受けられるサイズおよび形状とすることができる。第3のルーメン248は、第3の長手方向の円筒部242の長手方向軸から中心がずれていてもよい。第3のスリーブ206は、第3の長手方向の円筒部242の近位端244から側方に延在するハンドル250を更に含む。第3の長手方向の円筒部242の長さは第2の長手方向の円筒部226の長さより長く、そのため、第3の長手方向の円筒部242が第2のルーメン232内に受けられると、遠位端246は第2のスリーブ204の遠位端230に突き当たり、ハンドル250は第2のスリーブ204のハンドル236に突き当たる。
【0020】
図15〜図16には、開いた構成としての圧着装置200が示されており、この構成では、第1、第2、第3のスリーブ202、204、206は前述のように入れ子状態にあり、第1のスリーブ202および第2のスリーブ204の偏心遠位開口216、234はそれぞれ、ケーブル104が中に通っている変形可能部材150を受け入れるように、第3のスリーブ206の偏心ルーメン248と位置合わせされている。開いた構成では、第1のスリーブ202のハンドル218は、第2および第3のスリーブ204、206のハンドル236、250に対してそれぞれ略直角とすることができる。ケーブル104に張力が加えられた後、図26〜図27に示すように、圧着装置200は動かされて圧着構成になる。圧着構成では、圧着スリーブおよび第3のスリーブ204、206のハンドル236、250を第1のスリーブ202に対して回転させることができ、そのため、ハンドル236、250は第1のスリーブ202のハンドル218とおおむね位置合わせされており、圧着スリーブおよび第3のスリーブ204、206の遠位開口234およびルーメン248は第1のスリーブ202の遠位開口216とは位置合わせされなくなり、これによって、ケーブル104に被せて変形可能部材150が圧着され、ケーブル104がケーブルブロック106および変形可能部材150に対して固定される。
【0021】
変形可能部材150が圧着装置200によって圧着されて骨108の周りにケーブル104を固定した後で、図28〜図29に示すように、圧着装置200を動かして切断構成にし、変形可能部材150の近位端158の近くでケーブル104を切断して、ケーブル104の余分な長さを除去することができる。切断構成では、第3のスリーブ206は第1のスリーブ202と第2のスリーブ204に対して回転されて、ハンドル250が第1および第2のスリーブ202、204のハンドル218、236に対してそれぞれ略半径方向に反対側に位置するようになる。第3のルーメン248は、遠位開口216、234のどちらとも完全にずれるため、ケーブル104が変形可能部材150と同じ高さで切断される。変形可能部材150が圧着され、ケーブル104が切断された後で、圧着装置200は、余分なケーブル104と一緒に円筒部から除去することができる。
【0022】
圧着装置200と同様に、圧着装置300も、図30〜図41に示すように、ケーブル104に被せて、前述のシステム100の変形可能部材150を圧着するのに使用することができる。図30〜図31に示すように、圧着装置300は、第1のスリーブ302と、おおむね第1のスリーブ302内に収容される第2のスリーブ304とを備える。第1および第2のスリーブ302、304は、開いた構成と圧着構成の間でそれらの長手方向軸を中心として互いに対して回転させることができ、圧着構成では、第1および第2のスリーブ302、304の第1および第2の圧着面318、336がそれぞれ互いの方へ動かされて、それらの間でケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着する。第1および第2のスリーブ302、304は、ピン306によって相互に結合され、第1および第2のスリーブ302、304をそれぞれ互いに対して回転させると同時に、第1および第2のスリーブ302、304が互いに対して長手方向に移動するのを防ぐように適合され、構成されていてもよい。しかし、圧着装置300は切断機構を含まない。よって、圧着装置300を使用して望み通りにケーブル104を切断するときには、任意の公知の別個の切断装置が利用され得ることを当業者は理解するであろう。
【0023】
図32〜図34に示すように、第1のスリーブ302は、近位端310から遠位端312まで延在し、その中を貫通して第1のルーメン314が延在する第1の長手方向の円筒部308を含む。第1のルーメン314は、第2のスリーブ304の第2の長手方向の円筒部324を受けるサイズおよび形状とすることができる。第1のルーメン314の遠位開口316は、略半円形であり、変形可能部材150を中に通っているケーブル104と一緒に受け入れることを可能にするサイズのものとすることができる。遠位開口316は、遠位開口316の残りの部分と比べて細くなっている第1の圧着縁部318を含む。第1の長手方向の円筒部308の近位端310は、ピン306を受ける横穴320を更に含む。ピン306と横穴320には、ピン306と横穴320とが互いにねじによって係合し、圧着装置300の使用時にピン306が弛むのを防ぐように対応してねじが切られていてもよいことを当業者は理解するであろう。第1のスリーブ302は、近位端310から側方に延在するハンドル322をさらに含んでいてもよい。
【0024】
図35〜図37に示すように、第2のスリーブ304は、近位端326から遠位端328まで延在し、第2のルーメン330がその中を貫通して延在する第2の長手方向の円筒部324を含む。第2の長手方向の円筒部324は、第1のルーメン314内に受けられるサイズおよび形状を有する。第2のルーメン330は、それを通してケーブル104および変形可能部材150を収容するサイズおよび形状とされ、第2のルーメン330の遠位開口332が第2のスリーブ304の長手方向軸と同軸にならないように第2のスリーブ304の長手方向軸の中心からずれている。遠位開口332より近位に、第2のスリーブ304は、遠位端328から遠位方向に延在する突出部334を更に含む。突出部334は、突出部334が変形可能部材150と一緒に第1のルーメン314の遠位開口316を通して受けられるように、半円の部分として形成することができる。突出部334は、第2のルーメン330の遠位開口332を向いたその側面に第2の圧着縁部336を含み、第2の圧着縁部336は、変形可能部材150の圧着を容易にするために、突出部334の残りの部分と比べて細くなっていてもよい。第2のスリーブ304は、第2の長手方向の円筒部324の近位端326から側方に延在するハンドル338をさらに含んでいてもよい。
【0025】
第2のスリーブ304は、ピン306の部分を受ける溝340をさらに含み、溝304は、第2の長手方向の円筒部324の近位端326のところのハンドル338より近位にあり、第2の長手方向の円筒部324の外周の少なくとも部分の周りに延在し、そのため、第2の長手方向の円筒部324が第1のルーメン314に挿入されると、横穴320と溝340とが長手方向に位置合わせされる。よって、第1のスリーブ302と第2のスリーブ304とがピン306によって結合されると、第1および第2のスリーブ302、304は互いに対して回転させることはできるが、互いに対して長手方向に移動するのを妨げられることを当業者は理解するであろう。第2の長手方向の円筒部324の長さは、好ましくは、第2の長手方向の円筒部324が第1のスリーブ302の第1のルーメン314に挿入されると、第2の長手方向の円筒部324の遠位端328が第1のスリーブ302の遠位端312に突き当たり、第2のスリーブ304のハンドル338が第1のスリーブ302のハンドル322に突き当たるように選択される。
【0026】
開いた構成では、図38〜図39に示すように、第1のスリーブ304の半円形の遠位開口316は、突出部334および第2のスリーブのルーメン330の遠位開口332とおおむね位置合わせされ、そのため、突出部334は第1のスリーブ304の遠位開口316を通って延在し、第2のスリーブ304の遠位開口332は変形可能部材150を受け入れるように完全に露出される。第1のスリーブ302の第1の圧着縁部318と第2のスリーブ304の第2の圧着縁部336は、遠位開口332のおおむね対向する側に位置決めされる。第1および第2のスリーブ302、304のハンドル322、338はそれぞれ、互いに対して角度を有していてもよい。開いた構成では、変形可能部材150は遠位開口316、332に挿入され、変形可能部材150を近位方向に通るケーブル104の部分は、ルーメン330を通って近位方向に延在する。
【0027】
所望の張力がケーブル104に加えられた後で、ハンドル322、338は、図40〜図41に示すように互いの方へ引かれて、圧着装置300を動かして圧着構成にする。ハンドル322、338を互いの方へ引くことにより、第1のスリーブ302と第2のスリーブ304が互いに対して回転して、第1および第2の圧着縁部318、336を互いの方へ移動させる。第1の圧着縁部318は遠位開口332上に寄り、第1および第2の圧着縁部318、336の間でケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着し、骨108の周りにケーブル104を固定する。
【0028】
図42〜図51に示すように、第3の例示的実施形態による圧着装置400は、以下に示すことを除いて前述の圧着装置300と略同一のものである。図42〜図43に示すように、圧着装置400は、第1のスリーブ402と、第1のスリーブ402内で入れ子状態にある第2のスリーブ404とを備え、第1および第2のスリーブ402、404が、開いた構成と圧着構成との間で、圧着装置400の長手方向軸を中心として互いに対して回転させることができる。第1のスリーブ302と同様に、第1のスリーブ402は、図44〜図46に示すように、近位端410から遠位端412まで延在する第1の長手方向の円筒部408と、近位端410から側方に延在するハンドル422とを含む。また第1の長手方向の円筒部408は、第2のスリーブ404の第2の長手方向の円筒部424を収容するための、中を貫通して延在する第1のルーメン414も含む。しかし、第1のルーメン414は、変形可能部材150やケーブル104のいかなる部分も収容しない。
【0029】
第1の長手方向の円筒部408は遠位端412のところに溝416を更に含む。溝416は、第1のルーメン414の部分の周りに半径方向に延在する。変形可能部材150およびケーブル104を収容するために、第1のスリーブ402は、第2のルーメン442が溝416を貫通して延在するように第1のルーメン414と略平行に、第1の長手方向の円筒部408を貫通して長手方向に延在する第2のルーメン442を更に含む。第2のルーメン442は長手方向の円筒部424を貫通して延在し、第2のルーメン444の遠位端444が溝416の第1の側方面418に隣接していてもよい。
【0030】
図47〜図49に示すように、第2のスリーブ404は第2のスリーブ304と略同一のものとすることができる。第2のスリーブ404は、近位端426から遠位端428まで延在する第2の長手方向の円筒部424と、近位端424から側方に延在するハンドル438とを含む。しかし、長手方向の円筒部424は、その中を貫通して延在するルーメンを含まない。むしろ、第2のスリーブ404は、ハンドル438を貫通する開口430を含み、開口430は、圧着装置400がケーブル104を中に通して受けるための開いた構成にあるときに、第2のルーメン442と位置合わせされる。第2の長手方向の円筒部424は、遠位端428から半径方向に外方に延在する突出部434を更に含む。突出部434は、圧着装置400が開いた構成にあるときに、突出部434が第1のスリーブ402の溝416内に受けられると同時に、第2のルーメン442を露出させるようなサイズおよび形状を有する。よって、突出部434の第2の側方面436は第2のルーメン442の遠位開口444のどの部分も覆わない。
【0031】
開いた構成では、図50に示すように、第2のルーメン442は、変形可能部材150が遠位開口444内に受けられるように、第1の側方面418と第2の側方面436の間で露出される。ケーブル104は、変形可能部材150の導管152を通って延在し、第1のスリーブ402の第2のルーメン442を近位方向に通って、第2のスリーブ404のハンドル438内の開口430を通り越して近位方向に延在する。圧着構成では、図51に示すように、第1のスリーブ402と第2のスリーブ404は、長手方向軸を中心として互いに対して回転され、第2の側方面436が第1の側方面418の方へ移動されて、変形可能部材150がこれらの間で押しつぶされ、それによってケーブル104に被せて変形可能部材150が圧着される。第1のスリーブ402と第2のスリーブ404は、例えば、ハンドル422、438を互いの方へ引くなどによって、互いに対して回転させることができる。
【0032】
本発明の構造および方法においては、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、様々な改変および変形が加えられ得ることが、当業者には明らかであろう。よって、本発明は、それらの本発明の改変および変形が、添付の特許請求の範囲およびその均等物に含まれる限りにおいて、それらの改変および変形を包含するものである。
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2008年7月25日に出願された、「Minimally Invasive Implant for Periprosthetic Fractures」という名称の米国仮出願第61/083,546号、2008年7月29日に出願された、「Minimally Invasive Crimp and Cable, Its Crimping-Cutting Tool and the System to Do it」という名称の米国仮出願第61/084,298号、および2008年8月1日に出願された、「Minimally Invasive Crimp and Cable, Its Crimping Tool and the System to Do it」という名称の米国仮出願第61/085,437号の優先権を主張するものである。前述の各出願の全明細書は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は骨の治療に関し、詳細には、小皮膚切開を介してケーブルを所定の位置に保持するために、骨折骨の周りにケーブルを巻き付け、このケーブルに被せてクリンプを圧着することによる骨折の最小限に侵襲的な治療に関する。
【背景技術】
【0003】
大腿骨(femur)の補綴周囲骨折(peri−prosthetic fracture)は、治療が非常に困難となる場合もある一般的な外傷である。例えば、以前に配置されたインプラントが治癒または他の骨固定要素の配置を妨げることもある。補綴周囲骨折を治療する一方式では、骨の周りにケーブルを輪にして巻いて骨の骨折部分を固定する。これらのケーブルは多くの場合、骨を安定させるために骨に沿って位置決めされ得るインプラントと併用される。しかし、これらのケーブルはしばしばインプラントに沿ってスライドし、そのために骨の所望の領域の周りにケーブルを位置決めするのが困難になることもある。加えて、ケーブルを骨の周りに輪にして巻いた後で固定するには、多くの場合、大がかりな手術進入路を必要とし、それが患者にとってより大きなリスクを生じることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5702399号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、骨を治療するための装置であって、ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口からケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結(cerclage)ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、ケーブルブロックの近位面内の第2のルーメン近位開口からケーブルブロックの遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部から延在するケーブルの部分を通して受けると同時に拡大端部が通り抜けるのを防ぐがサイズおよび形状を有する第2のルーメンをさらに含み、第1および第2のルーメンの遠位部分を連結し、前記第2のルーメンと少なくとも同程度の大きさの直径を有するスロットを含むケーブルブロックが、拡大端部から延在するケーブルの部分をスライド自在に受けるサイズの導管(channel)、および第2のルーメン近位開口を取り囲むケーブルブロックの近位面の部分と突き当たるように構成された近位当接面を含み、ケーブル上の所望の位置で固定部材を固定するためにケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている固定部材と組み合わさったものを備える装置を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一例示的実施形態によるシステムを示す斜視図である。
【図2】図1のシステムの部分を示す拡大斜視図である。
【図3】図1のシステムの部分を示す拡大斜視図である。
【図4】図1のシステムの骨板を示す斜視図である。
【図5】図1のシステムのケーブルを示す斜視図である。
【図6】図5のケーブルの第1の端部を示す拡大斜視図である。
【図7】図1のシステムのケーブルブロックを示す上面斜視図である。
【図8】図7のケーブルブロックを示す底面斜視図である。
【図9】図7のケーブルブロックを示す上面図である。
【図10】図7のケーブルブロックを示す側面図である。
【図11】図7のケーブルブロックを示す別の側面図である。
【図12】図7のケーブルブロックを示す底面図である。
【図13】図1のシステムのケーブルおよびクリンプを示す斜視図である。
【図14】図1のシステムのケーブルおよびクリンプを示す側面図である。
【図15】本発明の第1の例示的実施形態による圧着装置を開いた構成として示す斜視図である。
【図16】図15の圧着装置を開いた構成として示す側面図である。
【図17】図15の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図18】図17の第1のスリーブを示す上面図である。
【図19】図17の第1のスリーブを示す側面図である。
【図20】図15の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図21】図20の第2のスリーブを示す上面図である。
【図22】図20の第2のスリーブを示す側面図である。
【図23】図15の圧着装置の第3のスリーブを示す斜視図である。
【図24】図23の第3のスリーブを示す上面図である。
【図25】図23の第3のスリーブを示す側面図である。
【図26】図15の圧着装置を圧着構成として示す側面図である。
【図27】図26の圧着構成としての圧着装置の遠位端を示す斜視図である。
【図28】図16の圧着装置を切断構成として示す側面図である。
【図29】図28の切断構成としての圧着装置の遠位端を示す斜視図である。
【図30】本発明の第2の例示的実施形態による圧着装置を開いた構成として示す斜視図である。
【図31】図30の圧着装置を開いた構成として示す側面図である。
【図32】図30の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図33】図32の第1のスリーブを示す側面図である。
【図34】図32の第1のスリーブの遠位端を示す平面図である。
【図35】図30の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図36】図35の第2のスリーブを示す側面図である。
【図37】図35の第2のスリーブの遠位端を示す平面図である。
【図38】図30の圧着装置の遠位端を開いた構成として示す斜視図である。
【図39】図38の開いた構成としての圧着装置の遠位端を示す平面図である。
【図40】図30の圧着装置の遠位端を圧着構成として示す斜視図である。
【図41】図40の圧着構成としての圧着装置の遠位端を示す平面図である。
【図42】本発明の第3の例示的実施形態による圧着装置を示す斜視図である。
【図43】図42の圧着装置を示す側面図である。
【図44】図42の圧着装置の第1のスリーブを示す斜視図である。
【図45】図43の第1のスリーブを示す側面図である。
【図46】図43の第1のスリーブの遠位端を示す拡大斜視図である。
【図47】図42の圧着装置の第2のスリーブを示す斜視図である。
【図48】図47の第2のスリーブを示す側面図である。
【図49】図47の第2のスリーブを示す拡大斜視図である。
【図50】図42の圧着装置を開いた構成として示す拡大斜視図である。
【図51】図43の圧着装置を圧着構成として示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照すればさらに理解することができる。図面において類似の要素は同じ参照番号で示されている。本発明は骨の治療に関し、詳細には、骨折の最小侵襲治療に関するものである。本発明の例示的実施形態では、小皮膚切開を介してケーブルを所定の位置に保持するために骨折した骨の周りにケーブルを巻き付け、ケーブルに被せてクリンプを圧着することによって骨の骨折を治療するシステムおよび方法を説明する。本発明の例示的実施形態では補綴周囲骨折を具体的に説明するが、本発明は他の骨折を治療するのにも使用され得ること、およびこの処置は例示のためのものにすぎないことを当業者は理解するであろう。また、近位および遠位という用語は、本明細書で使用する場合、外科医その他のユーザに向かう方向(近位)およびユーザから遠ざかる方向(遠位)を示すものであることも当業者は理解するであろう。
【0008】
図1〜図14に示すように、本発明の一例示的実施形態によるシステム100は、骨108に沿って位置決めすることのできる板102と、板102および骨108の周りに巻き付けるケーブル104と、板102および骨108の周りに所望の張力でケーブル104を固定するクリンプ105とを備える。図1〜図3に示すように、板102は、骨108の骨折部分110を安定させるために、補綴112を含み得る骨108の長手に沿って位置決めすることができる。ケーブル104は、骨折部分110を固定するために、板102および/または骨108を両方とも囲んで巻き付けることができる。クリンプ105は、ケーブル104の部分を通して受けるケーブルブロック106と、ケーブルに被せて圧着させてケーブル104を所望の位置と張力で骨108の周りに固定するようにケーブルブロック106に隣接して位置決めすることのできる変形可能部材150とをさらに備える。
【0009】
図4に示すように、板102は第1の端部114から第2の端部116まで長手方向に延在し、骨108から見て外方を向いた第1の面118と、骨108の方を向いた第2の面120とを含む。骨板102は、その長手に沿って、それぞれが骨固定要素124を受けるように適合され、構成されている複数の開口122を含んでいてもよい。骨固定要素124は例えば、図2に示すように可変角止めねじ(variable−angle locking screw)とすることもでき、図3に示すように非止めねじとすることもできる。第1の面118の縁部126は、ケーブル104が骨108の周りに巻き付けられるときに、ケーブル104が板102の長手に沿ってスライドするのを防ぐようにケーブル104の幅を受けるために縁部126の長手に沿った溝128を含む。
【0010】
ケーブル104は、図5〜図6に示すように、第1の端部130から第2の端部132まで長手方向に延在する。第1の端部130は、ケーブル104が骨108の周りに固定されるように第1の端部がケーブルブロック106を通り抜けるのを防ぐためのストッパとして機能する拡大端部134を含む。拡大端部134は、その直径が、ケーブルブロック106をスライド自在に通り抜けるサイズを有するケーブル104の残りの長さ部分より大きい、略円筒形のものとすることができる。しかし、拡大端部134は、端部134がケーブル104の残りの長さ部分をスライド自在に受ける開口を通り抜けるのを防ぐように拡大端部134の最大幅がケーブル104の残りの長さ部分の幅より大きい限りにおいて、例えば球体などといった様々な形状のいずれを取ってもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0011】
図7〜図12に示すように、ケーブルブロック106は第1の面136と第2の面138とを含む。第1の面136は骨108の方を向くものとして、第2の面138は骨108から見て外方を向くものとして示されている。しかし、ケーブルブロック106は、第1の面136が骨108から見て外方を向き、第2の面138が骨108の方を向くように位置決めされてもよいことを当業者は理解するであろう。ケーブルブロック106は、第1および第2の面136、138と略平行に、その中を貫通して近位端140から遠位端142まで延在する第1のルーメン144および第2のルーメン146を更に含む。第1および第2のルーメン144、146は、互いに対して、遠位端142に隣接して交差するような角度を有する。ケーブルブロック106は、遠位端142の面まで延在し、第1および第2のルーメン144、146を連結するスロット148を更に含む。スロット148は、第1のルーメン144と第2のルーメン146の間の隔たりを横断して遠位端142まで近位方向に延在し、スロット148の幅は第2のルーメン146の直径とほぼ等しい。すなわち、スロット148の幅は、ケーブル104は通すが、ケーブル104の拡大端部134は通さないように選択される。よって、第1および第2のルーメン144、146は、第1および第2のルーメン144、146の遠位端とその間に延在するスロット148とによって定義される1つの開口を介して遠位端142に開く。
【0012】
第1のルーメン144は、そこを通して、拡大端部134を含むケーブル104を収容するサイズおよび形状を有する。第2のルーメン146は、拡大端部134を除くケーブル104の残りの長さ部分だけを通すサイズおよび形状を有する。スロット148は、拡大端部134を通すサイズおよび形状を有する第1のルーメンと位置合わせされた第1の部分と、第2のルーメン146の直径と略等しい幅を有し、第1の部分から第2のルーメン146の方へ側方に延在する第2の部分とを含む。よって拡大端部134はスロット148の第1の部分だけを通り抜けることができる。以下で説明するように、固定位置において拡大端部は、スロット148の第2の部分に突き当たるように側方に移動され、拡大端部134が第1のルーメン144を通り抜けて戻るのを防ぐ。
【0013】
図13〜図14に示すように、ケーブルブロック106は、骨108に被せてケーブル104を圧着するための変形可能部材150と併用されてもよい。変形可能部材150は、近位端158から遠位端156まで延在し、その中にケーブル104をスライド自在に受けるサイズおよび形状を有する導管152が貫通して延在する、短い、略管状の部材とすることができる。使用に際して変形可能部材150は、ケーブルブロック106の近位端140において第2のルーメン146の開口に隣接して位置決めされ、変形可能部材150の遠位端156は近位端140に突き当たり、ケーブル104に被せて押しつぶされて、骨108の周りに所望の張力で変形可能部材150を固定する。当業者には理解されるはずであるが、変形可能部材150は好ましくは、導管152を通って延在するケーブル104に被せて押しつぶすことのできる生体適合性金属といった変形可能材料で形成される。
【0014】
ケーブル104は、最初に骨108と板102の周りに巻き付けられてもよい。ケーブル104は、様々な締結用器具のいずれかを使用して骨108の周りに巻き付けることができることを当業者は理解するであろう。ケーブル104が望み通りに巻き付けられると、拡大端部134を含むケーブル104の第1の端部130が第1のルーメン144に挿入され、近位端140から入って遠位端142を通り越して遠位方向に延在する。次いで、拡大端部134の近位端154がスロット148の第2の部分と係合するように拡大端部134を側方に移動させて、拡大端部134がスロット148を近位方向に通り抜けないようにすることができる。拡大端部134とスロット148の第2の部分との係合により開口が遠位端142において第2のルーメン146に露出し、ケーブル104の第2の端部132を、遠位端142から第2のルーメンを通して挿入して近位端140を通り越して近位方向に延在させることが可能になる。次いで、近位端140を通り越して延在する第2の端部132を、変形可能部材150の遠位端156がケーブルブロック106の近位端140に突き当たるまで変形可能部材150の導管152に通すことができる。
【0015】
次いでユーザは、ケーブル104に張力を加えて骨108の周りでケーブル104をしっかりと引き、変形可能部材150の遠位端156をケーブルブロック106の近位端140に押し付ける。ケーブル104に所望の張力が加えられた後で、ユーザは、後述する圧着装置200、300、400のうちの1つを使用して変形可能部材150を圧着し、中を通るケーブル104の部分に対して変形可能部材150を押しつぶし、所望の張力で骨108の周りにケーブルブロック106を通してケーブル104を固定する。
【0016】
図15〜図29に示すように、本発明の第1の例示的実施形態による圧着装置200は、変形可能部材140の部分を保持するための第1のスリーブ202と、変形可能部材150を圧着するための第2のスリーブ204と、変形可能部材150の近位端158に近接してケーブル104を切断するための第3のスリーブ206とを備える。図15〜図16に示すように、第1、第2、第3のスリーブ202、204、206は、各スリーブ202、204、206が圧着装置200の長手方向軸を中心として他のスリーブに対して回転可能であるように、同軸上に次々に入れ子状に重なっている。第1のスリーブ202は、ケーブル104が中を通って延在する変形可能部材150をクリンプ106に対して保持し、第2および/または第3のスリーブ204、206は、それぞれ、ケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着し、続いてケーブル104を変形可能部材150の近位で切断するために第1のスリーブ202に対して動かすことができる。
【0017】
図17〜図19に示すように、第1のスリーブ202は、近位端210から遠位端212まで延在し、第2のスリーブ204の第2の長手方向の円筒部226を収容するサイズおよび形状を有する第1のルーメン214が中を貫通して延在する第1の長手方向の円筒部208を含む。第1のルーメン214の遠位開口216は、第1の長手方向の円筒部208の長手方向軸に対して中心がずれている。第1のスリーブ202は、長手方向の円筒部208の近位端210から側方に延在するハンドル218を更に含む。ハンドル218の側面220からは、その周囲に沿った歯224を含む四分円歯車222延在する。歯車222は、第1の長手方向の円筒部208の長手方向軸を中心として略半径方向に延在する。
【0018】
図20〜図22に示すように、第2のスリーブ204は、近位端228から遠位端230まで延在し、第3のスリーブ206の第3の長手方向の円筒部242を受けるサイズおよび形状を有する第2のルーメン232が中を貫通して延在する第2の長手方向の円筒部226を含む。第2の長手方向の円筒部226は、第1のスリーブ202の第1のルーメン214内に受けられるサイズおよび形状を有する。第2のルーメン232の遠位開口234は、第2の長手方向の円筒部226の長手方向軸から中心がずれている。第2のスリーブ204は、ハンドル236および爪歯止238を更に含む。ハンドル236は近位端228から側方に延在し、爪歯止238はハンドル236の遠位面240に取り付けられている。第2の長手方向の円筒部226の長さは第1のスリーブの長手方向の円筒部208の長さより長く、そのため、第2の長手方向の円筒部226が第1のルーメン214に挿入されると、遠位端230が第1の長手方向の円筒部208の遠位端212に突き当たり、第2のスリーブ204のハンドル236が第1のスリーブ202のハンドル218に突き当たって、爪歯止238が四分円歯車222の歯224と係合する。よって、第1のスリーブ202と第2のスリーブ204は、圧着装置200の長手方向軸を中心として互いに対して回転可能であることが当業者には理解されるであろう。しかし、爪歯止238と四分円歯車の歯224との係合が、第1および第2のスリーブ202、204が互いに対して制御できないほど回転するのを防ぐ。
【0019】
図23〜図25に示すように、第3のスリーブ206は、近位端244から遠位端246まで延在し、変形可能部材150およびケーブル104を受け入れるサイズおよび形状を有する第3のルーメン248が中を貫通して延在する第3の長手方向の円筒部242を含む。第3の長手方向の円筒部242は、第2のルーメン232内に受けられるサイズおよび形状とすることができる。第3のルーメン248は、第3の長手方向の円筒部242の長手方向軸から中心がずれていてもよい。第3のスリーブ206は、第3の長手方向の円筒部242の近位端244から側方に延在するハンドル250を更に含む。第3の長手方向の円筒部242の長さは第2の長手方向の円筒部226の長さより長く、そのため、第3の長手方向の円筒部242が第2のルーメン232内に受けられると、遠位端246は第2のスリーブ204の遠位端230に突き当たり、ハンドル250は第2のスリーブ204のハンドル236に突き当たる。
【0020】
図15〜図16には、開いた構成としての圧着装置200が示されており、この構成では、第1、第2、第3のスリーブ202、204、206は前述のように入れ子状態にあり、第1のスリーブ202および第2のスリーブ204の偏心遠位開口216、234はそれぞれ、ケーブル104が中に通っている変形可能部材150を受け入れるように、第3のスリーブ206の偏心ルーメン248と位置合わせされている。開いた構成では、第1のスリーブ202のハンドル218は、第2および第3のスリーブ204、206のハンドル236、250に対してそれぞれ略直角とすることができる。ケーブル104に張力が加えられた後、図26〜図27に示すように、圧着装置200は動かされて圧着構成になる。圧着構成では、圧着スリーブおよび第3のスリーブ204、206のハンドル236、250を第1のスリーブ202に対して回転させることができ、そのため、ハンドル236、250は第1のスリーブ202のハンドル218とおおむね位置合わせされており、圧着スリーブおよび第3のスリーブ204、206の遠位開口234およびルーメン248は第1のスリーブ202の遠位開口216とは位置合わせされなくなり、これによって、ケーブル104に被せて変形可能部材150が圧着され、ケーブル104がケーブルブロック106および変形可能部材150に対して固定される。
【0021】
変形可能部材150が圧着装置200によって圧着されて骨108の周りにケーブル104を固定した後で、図28〜図29に示すように、圧着装置200を動かして切断構成にし、変形可能部材150の近位端158の近くでケーブル104を切断して、ケーブル104の余分な長さを除去することができる。切断構成では、第3のスリーブ206は第1のスリーブ202と第2のスリーブ204に対して回転されて、ハンドル250が第1および第2のスリーブ202、204のハンドル218、236に対してそれぞれ略半径方向に反対側に位置するようになる。第3のルーメン248は、遠位開口216、234のどちらとも完全にずれるため、ケーブル104が変形可能部材150と同じ高さで切断される。変形可能部材150が圧着され、ケーブル104が切断された後で、圧着装置200は、余分なケーブル104と一緒に円筒部から除去することができる。
【0022】
圧着装置200と同様に、圧着装置300も、図30〜図41に示すように、ケーブル104に被せて、前述のシステム100の変形可能部材150を圧着するのに使用することができる。図30〜図31に示すように、圧着装置300は、第1のスリーブ302と、おおむね第1のスリーブ302内に収容される第2のスリーブ304とを備える。第1および第2のスリーブ302、304は、開いた構成と圧着構成の間でそれらの長手方向軸を中心として互いに対して回転させることができ、圧着構成では、第1および第2のスリーブ302、304の第1および第2の圧着面318、336がそれぞれ互いの方へ動かされて、それらの間でケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着する。第1および第2のスリーブ302、304は、ピン306によって相互に結合され、第1および第2のスリーブ302、304をそれぞれ互いに対して回転させると同時に、第1および第2のスリーブ302、304が互いに対して長手方向に移動するのを防ぐように適合され、構成されていてもよい。しかし、圧着装置300は切断機構を含まない。よって、圧着装置300を使用して望み通りにケーブル104を切断するときには、任意の公知の別個の切断装置が利用され得ることを当業者は理解するであろう。
【0023】
図32〜図34に示すように、第1のスリーブ302は、近位端310から遠位端312まで延在し、その中を貫通して第1のルーメン314が延在する第1の長手方向の円筒部308を含む。第1のルーメン314は、第2のスリーブ304の第2の長手方向の円筒部324を受けるサイズおよび形状とすることができる。第1のルーメン314の遠位開口316は、略半円形であり、変形可能部材150を中に通っているケーブル104と一緒に受け入れることを可能にするサイズのものとすることができる。遠位開口316は、遠位開口316の残りの部分と比べて細くなっている第1の圧着縁部318を含む。第1の長手方向の円筒部308の近位端310は、ピン306を受ける横穴320を更に含む。ピン306と横穴320には、ピン306と横穴320とが互いにねじによって係合し、圧着装置300の使用時にピン306が弛むのを防ぐように対応してねじが切られていてもよいことを当業者は理解するであろう。第1のスリーブ302は、近位端310から側方に延在するハンドル322をさらに含んでいてもよい。
【0024】
図35〜図37に示すように、第2のスリーブ304は、近位端326から遠位端328まで延在し、第2のルーメン330がその中を貫通して延在する第2の長手方向の円筒部324を含む。第2の長手方向の円筒部324は、第1のルーメン314内に受けられるサイズおよび形状を有する。第2のルーメン330は、それを通してケーブル104および変形可能部材150を収容するサイズおよび形状とされ、第2のルーメン330の遠位開口332が第2のスリーブ304の長手方向軸と同軸にならないように第2のスリーブ304の長手方向軸の中心からずれている。遠位開口332より近位に、第2のスリーブ304は、遠位端328から遠位方向に延在する突出部334を更に含む。突出部334は、突出部334が変形可能部材150と一緒に第1のルーメン314の遠位開口316を通して受けられるように、半円の部分として形成することができる。突出部334は、第2のルーメン330の遠位開口332を向いたその側面に第2の圧着縁部336を含み、第2の圧着縁部336は、変形可能部材150の圧着を容易にするために、突出部334の残りの部分と比べて細くなっていてもよい。第2のスリーブ304は、第2の長手方向の円筒部324の近位端326から側方に延在するハンドル338をさらに含んでいてもよい。
【0025】
第2のスリーブ304は、ピン306の部分を受ける溝340をさらに含み、溝304は、第2の長手方向の円筒部324の近位端326のところのハンドル338より近位にあり、第2の長手方向の円筒部324の外周の少なくとも部分の周りに延在し、そのため、第2の長手方向の円筒部324が第1のルーメン314に挿入されると、横穴320と溝340とが長手方向に位置合わせされる。よって、第1のスリーブ302と第2のスリーブ304とがピン306によって結合されると、第1および第2のスリーブ302、304は互いに対して回転させることはできるが、互いに対して長手方向に移動するのを妨げられることを当業者は理解するであろう。第2の長手方向の円筒部324の長さは、好ましくは、第2の長手方向の円筒部324が第1のスリーブ302の第1のルーメン314に挿入されると、第2の長手方向の円筒部324の遠位端328が第1のスリーブ302の遠位端312に突き当たり、第2のスリーブ304のハンドル338が第1のスリーブ302のハンドル322に突き当たるように選択される。
【0026】
開いた構成では、図38〜図39に示すように、第1のスリーブ304の半円形の遠位開口316は、突出部334および第2のスリーブのルーメン330の遠位開口332とおおむね位置合わせされ、そのため、突出部334は第1のスリーブ304の遠位開口316を通って延在し、第2のスリーブ304の遠位開口332は変形可能部材150を受け入れるように完全に露出される。第1のスリーブ302の第1の圧着縁部318と第2のスリーブ304の第2の圧着縁部336は、遠位開口332のおおむね対向する側に位置決めされる。第1および第2のスリーブ302、304のハンドル322、338はそれぞれ、互いに対して角度を有していてもよい。開いた構成では、変形可能部材150は遠位開口316、332に挿入され、変形可能部材150を近位方向に通るケーブル104の部分は、ルーメン330を通って近位方向に延在する。
【0027】
所望の張力がケーブル104に加えられた後で、ハンドル322、338は、図40〜図41に示すように互いの方へ引かれて、圧着装置300を動かして圧着構成にする。ハンドル322、338を互いの方へ引くことにより、第1のスリーブ302と第2のスリーブ304が互いに対して回転して、第1および第2の圧着縁部318、336を互いの方へ移動させる。第1の圧着縁部318は遠位開口332上に寄り、第1および第2の圧着縁部318、336の間でケーブル104に被せて変形可能部材150を圧着し、骨108の周りにケーブル104を固定する。
【0028】
図42〜図51に示すように、第3の例示的実施形態による圧着装置400は、以下に示すことを除いて前述の圧着装置300と略同一のものである。図42〜図43に示すように、圧着装置400は、第1のスリーブ402と、第1のスリーブ402内で入れ子状態にある第2のスリーブ404とを備え、第1および第2のスリーブ402、404が、開いた構成と圧着構成との間で、圧着装置400の長手方向軸を中心として互いに対して回転させることができる。第1のスリーブ302と同様に、第1のスリーブ402は、図44〜図46に示すように、近位端410から遠位端412まで延在する第1の長手方向の円筒部408と、近位端410から側方に延在するハンドル422とを含む。また第1の長手方向の円筒部408は、第2のスリーブ404の第2の長手方向の円筒部424を収容するための、中を貫通して延在する第1のルーメン414も含む。しかし、第1のルーメン414は、変形可能部材150やケーブル104のいかなる部分も収容しない。
【0029】
第1の長手方向の円筒部408は遠位端412のところに溝416を更に含む。溝416は、第1のルーメン414の部分の周りに半径方向に延在する。変形可能部材150およびケーブル104を収容するために、第1のスリーブ402は、第2のルーメン442が溝416を貫通して延在するように第1のルーメン414と略平行に、第1の長手方向の円筒部408を貫通して長手方向に延在する第2のルーメン442を更に含む。第2のルーメン442は長手方向の円筒部424を貫通して延在し、第2のルーメン444の遠位端444が溝416の第1の側方面418に隣接していてもよい。
【0030】
図47〜図49に示すように、第2のスリーブ404は第2のスリーブ304と略同一のものとすることができる。第2のスリーブ404は、近位端426から遠位端428まで延在する第2の長手方向の円筒部424と、近位端424から側方に延在するハンドル438とを含む。しかし、長手方向の円筒部424は、その中を貫通して延在するルーメンを含まない。むしろ、第2のスリーブ404は、ハンドル438を貫通する開口430を含み、開口430は、圧着装置400がケーブル104を中に通して受けるための開いた構成にあるときに、第2のルーメン442と位置合わせされる。第2の長手方向の円筒部424は、遠位端428から半径方向に外方に延在する突出部434を更に含む。突出部434は、圧着装置400が開いた構成にあるときに、突出部434が第1のスリーブ402の溝416内に受けられると同時に、第2のルーメン442を露出させるようなサイズおよび形状を有する。よって、突出部434の第2の側方面436は第2のルーメン442の遠位開口444のどの部分も覆わない。
【0031】
開いた構成では、図50に示すように、第2のルーメン442は、変形可能部材150が遠位開口444内に受けられるように、第1の側方面418と第2の側方面436の間で露出される。ケーブル104は、変形可能部材150の導管152を通って延在し、第1のスリーブ402の第2のルーメン442を近位方向に通って、第2のスリーブ404のハンドル438内の開口430を通り越して近位方向に延在する。圧着構成では、図51に示すように、第1のスリーブ402と第2のスリーブ404は、長手方向軸を中心として互いに対して回転され、第2の側方面436が第1の側方面418の方へ移動されて、変形可能部材150がこれらの間で押しつぶされ、それによってケーブル104に被せて変形可能部材150が圧着される。第1のスリーブ402と第2のスリーブ404は、例えば、ハンドル422、438を互いの方へ引くなどによって、互いに対して回転させることができる。
【0032】
本発明の構造および方法においては、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、様々な改変および変形が加えられ得ることが、当業者には明らかであろう。よって、本発明は、それらの本発明の改変および変形が、添付の特許請求の範囲およびその均等物に含まれる限りにおいて、それらの改変および変形を包含するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を治療する装置であって、
ケーブルブロックであって、該ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの部分を通して受けると同時に前記拡大端部が通り抜けるのを防ぐサイズおよび形状を有する第2のルーメンをさらに含み、前記第1および第2のルーメンの遠位部分を連結し、前記第2のルーメンと少なくとも同程度の大きさの直径を有するスロットを含む、前記ケーブルブロックと、
固定部材であって、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの前記部分をスライド自在に受けるサイズの導管、及び前記第2のルーメン近位開口を取り囲む前記ケーブルブロックの近位面の部分に突き当たるように構成された近位当接面を含み、前記ケーブル上の所望の位置で前記固定部材を固定するために前記ケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている、前記固定部材と、
を備える装置。
【請求項2】
前記第2のルーメンは、前記スロットの近位端以上の遠位にはない交点において前記ケーブルブロック内で前記第1のルーメンと交差する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スロットの直径が前記第2のルーメンと略等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
骨を治療するシステムであって、
ケーブルブロックであっって、該ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの部分を通して受けると同時に前記拡大端部が通り抜けるのを防ぐサイズおよび形状を有し、前記ケーブルブロック内で前記第1のルーメンと交差する第2のルーメンをさらに含み、前記第1および第2のルーメンの部分を前記ケーブルブロックの前記遠位面から、前記第1および第2のルーメンが交差する点以上の遠位にはないスロット終点まで連結するスロットを含む、前記ケーブルブロックと、
固定部材であって、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの前記部分をスライド自在に受けるサイズの導管、及び前記第2のルーメン近位開口を取り囲む前記ケーブルブロックの近位面の部分に突き当たるように構成された近位当接面を含み、前記ケーブル上の所望の位置で固定部材を固定するために前記ケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている、前記固定部材と、
中を貫通して長手方向に延在する第3のルーメンを有する第1の長手方向の円筒部を含む第1のスリーブ、及び前記第1のルーメン内におおむね収容されるサイズの、中を貫通して延在する第4のルーメンを定義する第2の長手方向の円筒部を含む第2のスリーブを含み、変形可能部材および前記ケーブルを中にスライド自在に受けることのできる開いた構成と、前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するために、前記第1および第2の長手方向の円筒部が圧着装置の長手方向軸を中心として互いに対して回転される圧着構成との間で動かすことのできる圧着装置と、
を備えるシステム。
【請求項5】
前記骨に対して所望の位置に保持されるべき骨板であり、締結ケーブルが前記板に沿って長手方向にスライドするのを防ぐようにそれぞれが前記ケーブルの幅を受け入れるサイズおよび形状を有する、前記板の近位面の縁部に沿った複数の溝を含む前記板をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第4のルーメンの遠位開口の直径が、前記遠位開口から近位方向に延在する前記第4のルーメンの部分の直径より小さく、前記長手方向軸に対して中心がずれており、
前記第3のルーメンの遠位開口の直径が、前記遠位開口から近位方向に延在する前記第3のルーメンの部分の直径より小さく、前記長手方向軸に対して中心がずれており、
前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口は、前記開いた構成では前記変形可能部材通して受けるために位置合わせされ、前記圧着構成では前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するためにずらされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧着装置は、前記第2のルーメン内におおむね収容され、前記第2のルーメンに対して回転させて切断構成にすることのできる第3の長手方向の円筒部であって、前記開いた構成にあるときには前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口とおおむね位置合わせされており、前記変形可能部材から近位方向に延在する前記ケーブルの部分を切断するために第5のルーメンと前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口との位置合わせがずらされる切断構成へと動かすことのできる、中を貫通して延在する前記第5のルーメンを含む前記第3の長手方向の円筒部、
を含む第3のスリーブを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のスリーブは前記第1の長手方向の円筒部の前記近位端から側方に延在する四分円歯車を含み、
前記第2のスリーブは、前記第1および第2のスリーブが互いに対して選択的に回転可能なように固定されるように、前記四分円歯車の爪歯止係合歯を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の長手方向の円筒部は前記第2の長手方向の円筒部の遠位端から遠位方向に延在する突出部を含み、前記突出部の縁部が前記第4のルーメンの遠位開口に隣接しており、前記第3のルーメンの遠位開口が前記開いた構成で前記突出部を受け、前記第4のルーメンを露出させるサイズおよび形状を有し、前記変形可能部材は、前記第1および第2の長手方向部材が動かされて前記圧着構成になる際に、前記遠位開口の縁部と前記突出部の前記縁部の間で圧着される、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の長手方向の円筒部は第6のルーメンと、前記第3のルーメンの部分の周りで半径方向に延在する前記第1の長手方向の円筒部の遠位端部のくぼみとを含み、
前記第6のルーメンは、前記第6のルーメンが前記くぼみの側方面に隣接して前記くぼみを貫通して延在するように前記第3のルーメンと平行に延在し、前記変形可能部材および前記ケーブルを受け入れるサイズおよび形状を有し、前記第2の長手方向の円筒部は、前記開いた構成にあるときに、突出部が前記くぼみ内に受けられ、前記第6のルーメンを露出させるように位置決めされる、前記第2の長手方向の円筒部の遠位端から外方に半径方向に延在する突出部を含み、前記第1および第2の長手方向部材の前記圧着位置への移動によって前記突出部の側方面と前記くぼみの前記側方面の間で前記変形可能部材が圧着される、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のスリーブは前記第1の長手方向の円筒部の近位端から側方に延在する第1のハンドルを含み、
前記第2のスリーブは前記第2の長手方向の円筒部の近位端から側方に延在する第2のハンドルを含み、
前記第1および第2のハンドルは、前記第1および第2のハンドルを互いに他方の方へ近づけたり他方から離したりすることによって前記開いた構成と前記圧着構成との間で前記第1および第2のスリーブを回転させるように配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
骨を治療する方法であって、
治療されるべき目標の骨の周りに、拡大された第1の端部から遠位端まで延在するケーブルを巻き付けるステップと、
前記ケーブルの前記拡大された第1の端部を、ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在する前記ケーブルブロックの第1のルーメンに通して挿入し、前記第2の端部を、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在する前記ケーブルブロックの第2のルーメンに通すステップであって、前記ケーブルブロックが、前記ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズの幅を有する、前記第1および第2のルーメンの遠位部分を連結するスロットを更に含む前記ステップと
前記ケーブルの前記拡大端部が通り抜けることのできない前記スロットの部分に前記ケーブルの前記拡大端部が突き当たるように、前記スロットを通して前記ケーブルの前記拡大端部を側方に移動させるステップと、
前記ケーブルの前記第2の端部を固定部材のルーメンに通し、前記固定部材の端部が前記ケーブルブロックに突き当たるまで前記ケーブルに被せて前記固定部材をスライドさせるステップと、
前記ケーブルに所望の張力を加えるステップと、
前記所望の張力で前記目標の骨の周りに前記ケーブルを固定するために前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記目標の骨の目標の部分に対して板を保持するために前記骨と前記板両方とも囲んで前記ケーブルが巻き付けられた前記目標の骨の前記目標の部分に沿って前記板を位置決めするステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記板は、前記ケーブルが前記板に沿って長手方向にスライドするのを防ぐようにそれぞれが前記ケーブルの幅を受け入れるサイズおよび形状を有する、前記目標の骨から見て外方を向いた前記板の表面の縁部に沿った複数の溝を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項1】
骨を治療する装置であって、
ケーブルブロックであって、該ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの部分を通して受けると同時に前記拡大端部が通り抜けるのを防ぐサイズおよび形状を有する第2のルーメンをさらに含み、前記第1および第2のルーメンの遠位部分を連結し、前記第2のルーメンと少なくとも同程度の大きさの直径を有するスロットを含む、前記ケーブルブロックと、
固定部材であって、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの前記部分をスライド自在に受けるサイズの導管、及び前記第2のルーメン近位開口を取り囲む前記ケーブルブロックの近位面の部分に突き当たるように構成された近位当接面を含み、前記ケーブル上の所望の位置で前記固定部材を固定するために前記ケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている、前記固定部材と、
を備える装置。
【請求項2】
前記第2のルーメンは、前記スロットの近位端以上の遠位にはない交点において前記ケーブルブロック内で前記第1のルーメンと交差する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スロットの直径が前記第2のルーメンと略等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
骨を治療するシステムであって、
ケーブルブロックであっって、該ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在し、拡大端部を含む締結ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズおよび形状を有する第1のルーメンを含み、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在し、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの部分を通して受けると同時に前記拡大端部が通り抜けるのを防ぐサイズおよび形状を有し、前記ケーブルブロック内で前記第1のルーメンと交差する第2のルーメンをさらに含み、前記第1および第2のルーメンの部分を前記ケーブルブロックの前記遠位面から、前記第1および第2のルーメンが交差する点以上の遠位にはないスロット終点まで連結するスロットを含む、前記ケーブルブロックと、
固定部材であって、前記拡大端部から延在する前記ケーブルの前記部分をスライド自在に受けるサイズの導管、及び前記第2のルーメン近位開口を取り囲む前記ケーブルブロックの近位面の部分に突き当たるように構成された近位当接面を含み、前記ケーブル上の所望の位置で固定部材を固定するために前記ケーブルに被せて圧着することのできる材料で形成されている、前記固定部材と、
中を貫通して長手方向に延在する第3のルーメンを有する第1の長手方向の円筒部を含む第1のスリーブ、及び前記第1のルーメン内におおむね収容されるサイズの、中を貫通して延在する第4のルーメンを定義する第2の長手方向の円筒部を含む第2のスリーブを含み、変形可能部材および前記ケーブルを中にスライド自在に受けることのできる開いた構成と、前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するために、前記第1および第2の長手方向の円筒部が圧着装置の長手方向軸を中心として互いに対して回転される圧着構成との間で動かすことのできる圧着装置と、
を備えるシステム。
【請求項5】
前記骨に対して所望の位置に保持されるべき骨板であり、締結ケーブルが前記板に沿って長手方向にスライドするのを防ぐようにそれぞれが前記ケーブルの幅を受け入れるサイズおよび形状を有する、前記板の近位面の縁部に沿った複数の溝を含む前記板をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第4のルーメンの遠位開口の直径が、前記遠位開口から近位方向に延在する前記第4のルーメンの部分の直径より小さく、前記長手方向軸に対して中心がずれており、
前記第3のルーメンの遠位開口の直径が、前記遠位開口から近位方向に延在する前記第3のルーメンの部分の直径より小さく、前記長手方向軸に対して中心がずれており、
前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口は、前記開いた構成では前記変形可能部材通して受けるために位置合わせされ、前記圧着構成では前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するためにずらされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧着装置は、前記第2のルーメン内におおむね収容され、前記第2のルーメンに対して回転させて切断構成にすることのできる第3の長手方向の円筒部であって、前記開いた構成にあるときには前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口とおおむね位置合わせされており、前記変形可能部材から近位方向に延在する前記ケーブルの部分を切断するために第5のルーメンと前記第3および第4のルーメンの前記遠位開口との位置合わせがずらされる切断構成へと動かすことのできる、中を貫通して延在する前記第5のルーメンを含む前記第3の長手方向の円筒部、
を含む第3のスリーブを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のスリーブは前記第1の長手方向の円筒部の前記近位端から側方に延在する四分円歯車を含み、
前記第2のスリーブは、前記第1および第2のスリーブが互いに対して選択的に回転可能なように固定されるように、前記四分円歯車の爪歯止係合歯を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の長手方向の円筒部は前記第2の長手方向の円筒部の遠位端から遠位方向に延在する突出部を含み、前記突出部の縁部が前記第4のルーメンの遠位開口に隣接しており、前記第3のルーメンの遠位開口が前記開いた構成で前記突出部を受け、前記第4のルーメンを露出させるサイズおよび形状を有し、前記変形可能部材は、前記第1および第2の長手方向部材が動かされて前記圧着構成になる際に、前記遠位開口の縁部と前記突出部の前記縁部の間で圧着される、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の長手方向の円筒部は第6のルーメンと、前記第3のルーメンの部分の周りで半径方向に延在する前記第1の長手方向の円筒部の遠位端部のくぼみとを含み、
前記第6のルーメンは、前記第6のルーメンが前記くぼみの側方面に隣接して前記くぼみを貫通して延在するように前記第3のルーメンと平行に延在し、前記変形可能部材および前記ケーブルを受け入れるサイズおよび形状を有し、前記第2の長手方向の円筒部は、前記開いた構成にあるときに、突出部が前記くぼみ内に受けられ、前記第6のルーメンを露出させるように位置決めされる、前記第2の長手方向の円筒部の遠位端から外方に半径方向に延在する突出部を含み、前記第1および第2の長手方向部材の前記圧着位置への移動によって前記突出部の側方面と前記くぼみの前記側方面の間で前記変形可能部材が圧着される、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のスリーブは前記第1の長手方向の円筒部の近位端から側方に延在する第1のハンドルを含み、
前記第2のスリーブは前記第2の長手方向の円筒部の近位端から側方に延在する第2のハンドルを含み、
前記第1および第2のハンドルは、前記第1および第2のハンドルを互いに他方の方へ近づけたり他方から離したりすることによって前記開いた構成と前記圧着構成との間で前記第1および第2のスリーブを回転させるように配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
骨を治療する方法であって、
治療されるべき目標の骨の周りに、拡大された第1の端部から遠位端まで延在するケーブルを巻き付けるステップと、
前記ケーブルの前記拡大された第1の端部を、ケーブルブロックの近位面内の第1のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの遠位面内の第1のルーメン遠位開口まで延在する前記ケーブルブロックの第1のルーメンに通して挿入し、前記第2の端部を、前記ケーブルブロックの前記近位面内の第2のルーメン近位開口から前記ケーブルブロックの前記遠位面内の第2のルーメン遠位開口まで延在する前記ケーブルブロックの第2のルーメンに通すステップであって、前記ケーブルブロックが、前記ケーブルをスライド自在に通して受けるサイズの幅を有する、前記第1および第2のルーメンの遠位部分を連結するスロットを更に含む前記ステップと
前記ケーブルの前記拡大端部が通り抜けることのできない前記スロットの部分に前記ケーブルの前記拡大端部が突き当たるように、前記スロットを通して前記ケーブルの前記拡大端部を側方に移動させるステップと、
前記ケーブルの前記第2の端部を固定部材のルーメンに通し、前記固定部材の端部が前記ケーブルブロックに突き当たるまで前記ケーブルに被せて前記固定部材をスライドさせるステップと、
前記ケーブルに所望の張力を加えるステップと、
前記所望の張力で前記目標の骨の周りに前記ケーブルを固定するために前記ケーブルに被せて前記変形可能部材を圧着するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記目標の骨の目標の部分に対して板を保持するために前記骨と前記板両方とも囲んで前記ケーブルが巻き付けられた前記目標の骨の前記目標の部分に沿って前記板を位置決めするステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記板は、前記ケーブルが前記板に沿って長手方向にスライドするのを防ぐようにそれぞれが前記ケーブルの幅を受け入れるサイズおよび形状を有する、前記目標の骨から見て外方を向いた前記板の表面の縁部に沿った複数の溝を含む、請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
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【図51】
【図2】
【図3】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
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【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【公表番号】特表2011−528944(P2011−528944A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520154(P2011−520154)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/051356
【国際公開番号】WO2010/011718
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(508111279)シンセス ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/051356
【国際公開番号】WO2010/011718
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(508111279)シンセス ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
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