説明

最短時間経路の決定方法及び決定システム

【課題】 複数の経路から最短時間経路を決定し運転者に提供する方法とシステムの提供。
【解決手段】 複数の経路の中から最短時間経路を決定し、ユーザに通知する方法であって、該方法が複数の経路セグメント各々の平均運転時間を取得する第1工程と、該複数の経路それぞれにおける該複数の経路セグメント各々の該平均運転時間を累計する第2工程と、累計平均運転時間が最短の経路を選択する第3工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の通行経路決定の方法及びシステムに関し、詳細には、最短時間経路の決定方法及び決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、自動車の位置表示に使用されている。従来技術である衛星ナビゲーションシステムや「PaPaGO!(登録商標)」といった電子地図シリーズは、ユーザの出発地と目的地に基づき最短経路を計画することができる。ただし、最短経路とは2つの地点間を結ぶ複数の経路のうち距離が最短の経路を示すものであるため、最短時間で到達できる経路を保証するものではない。このため、最短経路でありながら、他の経路より長い時間を要することもある。ある経路における自動車の運転時間の決定には、交通状況も重要な要素となる。
【0003】
特許文献1で提案されているシステムは、自動車が指定された地域に入るとき、その指定された地域の情報をワイヤレス受信機を備えた自動車に伝送することができるものである。また、特許文献2で提案されているシステムは、複数のワイヤレスステーションを設置して各自動車の交通情報を受信・収集することにより、現在の交通状態を取得することができるものである。
【特許文献1】米国特許第6611687号
【特許文献2】米国特許第6804524号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムは指定された地域について、その町や市の駅等の情報のみを伝送するものであり、経路全体の情報を提供することはできない。また、特許文献2のシステムは、最短時間で到達できる経路と、最短時間経路における運転時間の見積りを運転者に提供することはできない。このため、最短時間経路を決定し、その情報をユーザに提供することができるシステムと方法が必要とされている。
【0005】
本発明の目的は、複数の経路から最短時間経路を決定し、その情報を運転者に提供することができる方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例においては、第一地点と第二地点を結ぶ複数の経路の中から自動車が最短時間で到達できる経路を決定する方法を提供する。複数の経路のうち各経路は複数の経路セグメントから成る。この最短時間経路の決定方法は、a)複数の経路セグメント各々の平均運転時間を取得する、b)複数の経路それぞれにおける複数の経路セグメント各々の平均運転時間を累計する、そしてc)累計平均運転時間が最短の経路を選択する、という工程から構成される。本発明の別の実施例においては、第一地点と第二地点を結ぶ複数の経路の中から自動車が最短時間で到達できる経路を決定するシステムを提供する。複数の経路のうち各経路は複数の経路セグメントから成る。このシステムは、複数のワイヤレスステーション、コンピュータデバイス、最適経路決定システムから構成される。この複数のワイヤレスステーションは、複数の経路セグメント各々の第一端及び第二端に設置され、これら複数の経路セグメント各々を通行する自動車に設置されたワイヤレス通信デバイスから伝送される識別情報を受信する。コンピュータデバイスは、ワイヤレスステーションと通信し、各自動車が複数の経路セグメントのそれぞれの第一地点及び第二地点に到達する時間情報を記録する。最適経路決定システムは、コンピュータデバイスから情報を取得し、自動車のユーザにより入力された情報とデータに基づき、複数の経路のうちから最短時間経路を決定し、ユーザに通知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明である最短時間経路の決定方法及び決定システムによれば、第一地点及び第二地点を結ぶ複数の経路のうち、最短時間となる経路をユーザに通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明についてより理解を深めるため、図面に基づき詳細に説明する。本発明の主な概念は、各経路セグメントにおける即時の交通量または予測される交通量を検出し、運転時間を予測すると共に、複数の経路セグメントから成る最適な運転経路、即ち、最短運転時間経路を提供することである。交通量の検出方法にはさまざまなものがあり、例えば、検出器またはモニタを各経路セグメントに設置し、その経路セグメントの交通量を確認する方法や、直接その経路セグメントの通行にかかる運転時間を検出する方法がある。検出器またはモニタを備えた経路セグメントに対しては、運転時間を即時に且つ正確に予測することができる。検出器またはモニタを備えていない経路セグメントに対しては、その経路セグメントの運転時間の履歴に基づき運転時間を予測することができる。
【0010】
図1に本発明の実施例を示す。この実施例においては、検出器としてワイヤレスステーションが設けられ、最短時間経路を決定する。図1に示すように、第一地点10と第二地点20を結ぶ複数の経路が存在する。各経路は複数の経路セグメントを含む。例えば、経路セグメント11、12、16、18は第一経路を構成し、経路セグメント14、15、13、18は第二経路を構成し、経路セグメント14、15、16、18は第三経路を構成し、経路セグメント17と18は第四経路を構成する。本発明は、これら4つの経路のうち、自動車5を第一地点10から第二地点20へ運転するための最短時間経路を決定するシステム及び方法を提供するものである。複数のワイヤレスステーション1が複数の経路セグメント各々の第一端及び第二端に設置され、複数の経路セグメント各々を通行する自動車5に設置されたワイヤレス通信デバイス2から伝送される識別情報を受信する。コンピュータデバイス6は、ワイヤレスステーション1と無線通信し、自動車5が複数の経路セグメント各々の第一端と第二端に到達する時間の情報を記録する。このコンピュータデバイス6は、ワイヤレスステーション1とケーブルを介して通信することもできる。コンピュータデバイス6はデータベースを備え、ワイヤレスステーション1のいずれかに、または個別の場所に設置することができる。自動車5内部のワイヤレス通信デバイス2は、固有の識別情報を備え、識別情報はワイヤレス通信デバイス2により伝送される信号と共に伝送され、自動車5がワイヤレスステーション1を通過するとき各ワイヤレスステーション1により受信される。
【0011】
固有の識別情報を持つデバイスには、GPSデバイスや携帯電話、PDA(personal digital assistants:携帯情報端末)、ブルートゥース通信デバイス、RFIDタグ等、さまざまなものがあり、これらデバイスは往々にして自動車内で用いられ、ワイヤレス通信デバイス2としての使用に適している。例えば、GSM方式の携帯電話は固有のIMEI(International Mobile Equipment Identity:国際携帯端末識別子)コードと個別のSIMカードを備えている。CDMA方式の携帯電話は固有のENSコードを有する。このため、ワイヤレスステーション1が通信サービスプロバイダにより設置された携帯電話の基地局である場合、このワイヤレスステーション1はSIMカード番号、IMEIコードまたはESNコードを受信することができる。また別の例では、RFIDタグが自動車のナンバープレートに設置され、ワイヤレスステーション1が沿道に設置されたRFリーダである場合、RFIDタグのIDコードを読み取ることができる。
【0012】
図2に示すように、ワイヤレス通信デバイス2は自動車5内に設置され、自動車5が第一端と第二端を結ぶ経路セグメント11を走行する場合、第一ワイヤレスステーション1aが第一端に、第二ワイヤレスステーション2aが第二端にそれぞれ位置する。
【0013】
図3に本発明の方法のフローチャートを示す。ステップ31では、第一ワイヤレスステーション1aが自動車5からの識別情報を受信すると、第一ワイヤレスステーション1aが第一時間(時刻を含む)T1を記録する。ステップ32では、第二ワイヤレスステーション2aが自動車5からの識別情報を受信すると、第二ワイヤレスステーション2aが第二時間(時刻を含む)T2を記録する。自動車5から識別情報を受信するタイミングは、自動車5内のワイヤレス通信デバイス2が第一ワイヤレスステーション1aと第二ワイヤレスステーション2aそれぞれの範囲内にあるとき、または第一ワイヤレスステーション1a及び第二ワイヤレスステーション2aに検出された信号が最も強いときと定義することができる。
【0014】
実際の使用においては、経路セグメント11を走行している自動車は一台以上であることがある。このため、ステップ31、32は、経路セグメント11を走行するワイヤレス通信デバイス2を備えた各自動車に対し、ステップ33で上記の定義するサンプリング条件が満たされると判断されるまで繰り返し実行される。サンプリング条件は、20分や1時間等のサンプリング時間とすることができる。あるいは、このサンプリング条件は、100回や1000回等サンプリングの実行回数を示すサンプリング数としてもよい。ステップ34では、第一ワイヤレスステーション1a及び第二ワイヤレスステーション2aが各自動車から取得した第一時間T1及び第二時間T2それぞれの情報を一時的に保存し、その情報をサンプリング条件が満たされるまでコンピュータデバイス6に伝送する。さらに、サンプリング条件はなくてもよく、つまりこの場合、第一ワイヤレスステーション1a及び第二ワイヤレスステーション2aは経路セグメント11上を走行するワイヤレス通信デバイス2を備えたすべての自動車をいつでも記録し、第一時間T1及び第二時間T2のすべての情報がコンピュータデバイス6に同時に伝送される。
【0015】
上述の説明のように、コンピュータデバイス6は各ワイヤレスステーション1を介して識別情報を受信し、第一端の第一時間T1及び第二端の第二時間T2をデータベースに記録する。
【0016】
ステップ35では、コンピュータデバイス6が各識別情報の第一時間T1と第二時間T2の差を計算し、その差を経路セグメント11を走行するその識別情報を備えた自動車の運転時間Tとして記録する。経路セグメント11を走行する平均運転時間は、経路セグメント11を走行する各自動車の記録された各運転時間Tを合計し、その合計時間を平均することで得ることができる。加えて、経路セグメント11の交通量(即ち、経路セグメント11上を走行する自動車の台数)は、記録された運転時間Tの数に基づき算出することができる。運転時間T、平均運転時間、交通量は、コンピュータデバイス6を介してデータベースに前もって記録されるか、必要時に算出・記録されるようにすることができる。
【0017】
運転時間Tの一部は、合理的な平均運転時間の判断を行うために除外する必要がある。例えば、通常の状況において自動車が特定の経路セグメントを通行するための運転時間Tは30分であるが、第一ワイヤレスステーション1aまたは第二ワイヤレスステーション2aのどちらかが誤って算出され、その特定の経路セグメントの通行について算出された運転時間が10秒と示された場合や、自動車が何らかの理由でその特定の経路セグメントの途中で停車し、その後走行を続け、その特定の経路セグメントの通行における運転時間Tが3時間と算出された場合などである。これらの例のような非合理的な運転時間Tは篩い分け条件により除外されなければならない。篩い分け条件は、運転時間Tが予め定めた上限値と下限値の間に位置する場合、または運転時間Tが予め定めた上限パーセント値と下限パーセント値の間に位置する場合のみ記録されるとすることができる。例えば、算出された運転時間のうち、上(最長時間)から3%及び下(最短時間)から3%内の運転時間は除外されるものとすることができる。
【0018】
より短い平均運転時間は、その経路セグメントの平均運転速度がより速く、交通状況が良いことを示す。反対に、長い平均運転時間は、その経路セグメントが渋滞していることを意味する。したがって、経路状況放送システムは、経路セグメントの情報をデータベースからインターネットアクセスを介して取得し、運転速度を公式V=D/T(V:走行速度、D:距離、T:時間)に基づき算出することができる。運転者がその経路セグメントに進入しようとしており、交通状況放送システムからその経路セグメントの平均運転速度が時速10キロメートルであると聞けば、運転者は事前に交通渋滞を避けることを決めることができる。
【0019】
図3に示すように、ステップ37では、最適経路決定システムがコンピュータデバイスから情報を取得し、複数の経路の中からその情報と自動車のユーザにより入力されたデータに基づき最短時間経路を決定し、ステップ38でユーザに最短時間経路を通知する。ユーザにより入力されるデータは、出発地、目的地、出発時間(または希望到着時間)を含む。最適経路決定システムは、どの経路が出発地と目的地を結んでいるか、及び、どの経路セグメントが各経路を構成しているかを割り出す。これらは従来の電子地図技術により達成することができる。そして最適経路決定システムは、経路セグメントの平均運転時間をデータベースから取得し、各経路を構成する経路セグメントの平均運転時間を累計する。累計された平均運転時間が最も短い経路が最適経路、または最短時間経路である。ステップ38では、どの経路が最短時間経路であるかをユーザに通知する。
【0020】
図1に示すように、ユーザが最適経路サービスを午前7:00に要求し、出発時間を午前8:00と入力した場合、システムが午前8:00に対応する経路セグメント11の平均運転時間をデータベースから取得する。その経路セグメント11の平均運転時間が30分である場合、第二端への予想到着時間は午前8:30となり、この予想到着時間午前8:30が経路セグメント12の出発時間となる。さらにシステムが出発時間午前8:30に対応する経路セグメント12の平均運転時間をデータベースから取得する。同様に、経路セグメント12の平均運転時間が20分である場合、第二端への予想到着時間は午前8:50となり、この予想到着時間午前8:50が経路セグメント16の出発時間となる。経路セグメント16の平均運転時間が10分の場合、第二端への予想到着時間は午前9:00となり、この予想到着時間午前9:00が経路セグメント18の出発時間となる。経路セグメント18の平均運転時間が8分の場合、第二端、即ち、その経路の目的地への予想到着時間は午前9:08となる。システムは経路セグメント11、12、16、18を通る運転時間を30+20+10+8=68分と予想する。つまり、第一経路の平均運転時間は68分となる。同じ方法で第二経路、第三経路、第四経路の予想平均運転時間を簡単に予想することができる。
【0021】
当然、本発明のシステムは、各経路セグメントの運転時間の予測に各第一端の各出発時間を直接適用し、最短時間経路を決定することもできる。上述の説明を例とすると、各経路セグメントの運転時間は、午前8:00に設定された出発時間に基づき予測される。この方法では、経路セグメントの運転時間は正確でないことがあるが、本発明の運転時間の演算時間を効果的に短縮できる。複数の経路について比較した後、最短時間経路を決定することができる。最適経路決定システムは、インターネットサーバまたはパソコン、PDA、図1及び図2に示したワイヤレス通信デバイス2に設置することができる。
【0022】
運転者により運転の習慣が異なるため、自動車の実際の運転時間はデータベースが提供する平均運転時間と異なることがあるが、特定の運転者について、データベースが実際の運転時間を記録し、個人的変数に基づき経路セグメントの予測運転時間を調整することができる。例えば、ある運転者のある経路セグメントの実際運転時間が30分で、データベース内のその経路セグメントの平均運転時間が40分であるとする。これは、その運転者の運転速度が他の平均的運転者より速いことを意味し、そのためその運転者はその経路セグメントの第二端に10分速く到着することができる。この10分の違いがデータベースにこの特定の運転者の個人的変数として記録され、その経路セグメントの予測運転時間は、次回40-10=30分に調整される。
【0023】
前述の説明に基づき、複数の経路セグメント各々の交通量と平均運転時間の対応関係を記録した変換表を作成することができる。従って、ある経路セグメントの特定の時間における交通量(その経路セグメント上を走行する自動車の台数)が分かれば、 作成された変換表に基づき、その経路セグメントのその時間における対応する平均運転時間が取得できる。この場合、最適経路決定システムは、データベースに基づきその経路セグメントのその特定の時間における交通量を取得し、変換表に基づいてその経路セグメントの予測平均運転時間を取得する。こうして、システムは複数の経路それぞれについて、複数の経路セグメント各々の第一端と第二端を結ぶ各平均運転時間を累計し、累計平均運転時間が最も短い経路を最短時間経路として選択する。
【0024】
さらに、本発明の交通量は、次のように取得することができる。前に述べたように、本発明は、検出器またはモニタを適用し、各経路セグメントに検出器またはモニタを設置することで、経路セグメントの交通量の確認及び予測を行うことができる。経路セグメントの交通量は、自動車が検出器のセンサに感知されたとき、またはモニタを確認したときに検知することができる。この方法では、経路セグメントの実際の運転時間は提供されないが、最適経路を判断するための経路セグメントの運転時間は変換表を適用して変換することができる。
【0025】
加えて、本発明の予測運転時間は、次の例のように得ることもできる。2005年12月20日にユーザBが2006年1月1日に帰省しようと計画し、その日の正午に到着したいと考えているとする。そこでユーザBは、出発時間を見積もるため、出発地、目的地、到着時間をシステムに入力する。また、ユーザBが別の場所で働く家族の一人Aを途中で迎えに行き、一緒に帰省するため回り道をする必要がある場合、本発明のシステムはこの要求を2つの経路計画の要求に変換する。即ち、第一経路計画は、ユーザBの出発地から人Aがいる位置までを計画し、第二経路計画は人Aの位置からユーザBの目的地である実家までを計画する。
【0026】
本発明において、予測交通量は次に説明するようにワイヤレスステーション1から取得することができる。最適経路決定システムはインターネットサーバにインストールされているものとする。多くのユーザが最短時間経路の提供サービスを求めている場合、システムはデータベースに基づき交通量Mを取得し、ユーザの数が特定の時間に経路セグメントに進入する自動車Nとして見積もられる。理論的には、経路セグメントの特定の時間における調整された交通量はMとNの合計となるはずである。
【0027】
しかしながら、Nは予測数であり、特定の時間にその経路セグメントに進入する実際の自動車数Kとは異なる。そこでNを付加的調整値Cで調整し、より正確な予測値Pを得る必要がある。従って、正確な予測交通量は、M+Pとなる。例えば、100人のユーザがサービスの利用を要求した場合、その経路セグメントに進入すると予測される自動車の台数は100となる。しかし、実際には40台のみがその経路セグメントに進入したとする。この状況においては、N=100、K=40、そして付加的調整値Cは40/100=0.4となる。従って、データベースの交通量Mが500台で、その経路セグメントに進入すると予測される自動車数Nが200台の場合、より正確な予測値Pは、P=200*0.4=80となる。従って、正確な予想交通量は、500(M)+80(P)=580(台)となる。
【0028】
交通状況は時間帯によってさまざまである。ラッシュ時や休日には平常時や休日より交通量が増加する。このため、システムで予想される平均交通時間の調整に時間調整値を用いる。
【0029】
このほか、すべての自動車がワイヤレス通信デバイス2を備えているわけではないため、交通量Mは実際の計測割合値Eで調整する必要がある。例えば、実際には100台の自動車が経路セグメント上にあるが、ワイヤレス通信デバイス2を備えている自動車は5台のみであるため、ワイヤレスステーション1は5台のみ検知したとする。従って、実際の計測割合値Eは、100/5=20である。ワイヤレスステーション1が交通量Mを6台と検知した場合、正確な予測交通量は6*20=120台となる。
【0030】
特定の時間における経路セグメントの平均運転時間は、最終調整交通量(自動車の台数)から見た変換表に基づき取得することができる。異なるユーザが異なる時間にサービスを要求したとき、現在のユーザと前のユーザが同じ出発地、同じ目的地、同じ出発時間(または希望到着時間)を入力したとしても、現在のユーザより前に他のユーザがシステムを利用し、交通量の調整が行われると、異なる経路が最短時間経路として決定されることがあるため、システムは異なる経路を最短時間経路として提供することがある。交通量に対する最新の調整は、以前に最短時間経路を取得した以前のユーザに影響を与えることがある。 このため、以前に最短時間経路を取得したユーザは、最新の最短時間経路を得るため最短時間経路の更新を選択することができる。
【0031】
以上において、本発明の方法と機能の詳細と共に数々の特徴と利点を説明し、本発明の新規的特徴を請求項においても示すが、これらの説明は例示のみであり、本発明の要旨の範囲内で、特許請求の範囲が意味するところの最大限において、特に形状や大きさ、部材の配置、材料及びそれらの組み合わせなどの詳細を変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明である最短時間経路の決定システムを示す模式図である。
【図2】本発明である最短時間経路の決定システムを示す別の模式図である。
【図3】本発明である最短時間経路の決定方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
10 第一地点
20 第二地点
11、12、13、14、15、16、17、18 経路セグメント
5 自動車
1 ワイヤレスステーション
1a 第一ワイヤレスステーション
2a 第二ワイヤレスステーション
2 ワイヤレス通信デバイス
6 コンピュータデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの参考用に、第一地点と第二地点を結ぶ複数の経路の中から最短時間経路を決定する方法であって、該複数の経路各々が複数の経路セグメントから成り、該方法が、
該複数の経路セグメント各々の平均運転時間を取得する第1工程と、
該複数の経路における該複数の経路セグメント各々の該平均運転時間を累計する第2工程と、
該複数の経路の中から、累計の平均運転時間が最も短い経路を選択する第3工程とを含むことを特徴とする最短時間経路の決定方法。
【請求項2】
前記第1工程においては、該複数の経路セグメント各々を通行する自動車に設置されたワイヤレス通信デバイスから伝送される識別情報を受信するための第一ワイヤレスステーションと第二ワイヤレスステーションを該複数の経路セグメント各々の第一端と第二端にそれぞれ設け、該第一ワイヤレスステーションが該各識別情報を受信したときの第一時間を記録し、該第二ワイヤレスステーションが該各識別情報を受信したときの第二時間を記録し、該各識別情報の該第一時間及び該第二時間の差を算出し、該差を運転時間として記録し、該第一時間が対応する一定時間内の該運転時間を篩い分け、該複数の経路セグメント各々における有効な運転時間を選択し、さらに、該有効な運転時間すべてを平均して該複数の経路セグメント各々の平均運転時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項3】
前記有効な運転時間が、上限値と下限値、または上限パーセント値と下限パーセント値の間に位置する運転時間であることを特徴とする請求項2に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項4】
前記複数の経路セグメント各々の該平均運転時間が、自動車が該第一端にあり、該複数の経路セグメント各々の該第一端から該第二端へ走行する初回における予測平均運転時間であることを特徴とする請求項2に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項5】
前記複数の経路セグメント各々の該平均運転時間が、時間調整値または個人的変数により調整されることを特徴とする請求項1または4に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項6】
ユーザの参考用に、第一地点と第二地点を結ぶ複数の経路の中から最短時間経路を決定する方法であって、該複数の経路各々が複数の経路セグメントから成り、該方法が、
該複数の経路セグメント各々における交通量と平均運転時間の対応関係を記録した変換表を作成する第1工程と、
該ユーザの出発時間に基づき該複数の経路セグメント各々における交通量を取得する第2工程と、
該変換表に基づき平均運転時間を取得する第3工程と、
該複数の経路の該複数の経路セグメント各々の該平均運転時間を累計する第4工程と、
累計された平均運転時間が最短の経路を選択する第5工程とを有することを特徴とする最短時間経路の決定方法。
【請求項7】
前記第1工程においては、該複数の経路セグメント各々を通行する自動車に設置されたワイヤレス通信デバイスから伝送される識別情報を受信するための第一ワイヤレスステーションと第二ワイヤレスステーションを該複数の経路セグメント各々の第一端と第二端にそれぞれ設け、該第一ワイヤレスステーションが該各識別情報を受信したときの第一時間を記録し、該第二ワイヤレスステーションが該各識別情報を受信したときの第二時間を記録し、該各識別情報の該第一時間及び該第二時間の差を算出し、該差を運転時間として記録し、該第一時間が対応する一定時間内の該運転時間を篩い分け、該複数の経路セグメント各々における有効な運転時間を選択し、さらに、該有効な運転時間の数を算出し、該第一時間が対応する一定時間内の該複数の経路セグメント各々の交通量を取得することを特徴とする請求項6に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項8】
前記有効な運転時間が、上限値と下限値、または上限パーセント値と下限パーセント値の間に位置する運転時間であることを特徴とする請求項7に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項9】
前記複数の経路セグメント各々の該平均運転時間が、自動車が該第一端にあり、該複数の経路セグメント各々の該第一端から該第二端へ走行する初回における予測平均運転時間であることを特徴とする請求項7に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項10】
該ユーザの該出発時間の前記複数の経路セグメント各々における該交通量が、該方法を利用しているユーザ数、付加的調整値、個人的変数またはこれらの組み合わせにより調整されることを特徴とする請求項6に記載の最短時間経路の決定方法。
【請求項11】
ユーザの参考用に、第一地点と第二地点を結ぶ複数の経路の中から最短時間経路を決定するシステムであって、該複数の経路各々が複数の経路セグメントから成り、
該システムが、該複数の経路セグメント各々の第一端及び第二端に設置され、該複数の経路セグメント各々を通行する自動車に設置されたワイヤレス通信デバイスから伝送される識別情報を受信するための複数のワイヤレスステーションと、
該ワイヤレスステーションと通信し、該各自動車が該複数の経路セグメント各々の該第一端及び該第二端に到着する時間情報を記録するコンピュータデバイスと、
該コンピュータデバイスから情報を取得し、該情報と該ユーザにより入力されたデータに基づき該複数の経路の中から最短時間経路を判別し、該ユーザに該最短時間経路を通知する最適経路計画システムとを含むことを特徴とする最短時間経路の決定システム。
【請求項12】
前記コンピュータデバイスが、該情報に基づき、該複数の経路セグメント各々にある該各自動車の運転時間を記録及び算出することを特徴とする請求項11に記載の最短時間経路の決定システム。
【請求項13】
前記ユーザにより入力された該データが、出発地、目的地、出発時間または希望到着時間を含むことを特徴とする請求項11に記載の最短時間経路の決定システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−189415(P2006−189415A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202478(P2005−202478)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(504037461)ギガ−バイト テクノロジー カンパニー リミテッド (28)
【出願人】(505264381)ギガ−バイト コミュニケーションズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】