説明

最適な通信方式又は通信方式の組合せを提供するネットワーク複合機、通信方式検索サーバ及び通信方式検索

【課題】料金と時間の兼ね合いでユーザに最も適した通信方式を提供する。
【解決手段】複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機が、前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う。或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける。前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する。前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信方式を利用可能なネットワーク複合機における通信方式の選択に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発達と共に、ユーザが使用可能な通信方式は多岐に及んでいる。また、複数種類の通信方式に準拠して通信が可能であり、これらの通信方式のなかから任意の通信方式を選択して通信をすることができる機器も出現するようになってきた。ここで、以下の説明においては、このような機器を「ネットワーク複合機」と呼ぶものとする。なお、ネットワーク複合機は、複数の中継機を経由して複数の通信方式を組み合わせて通信することも可能である。
【0003】
ネットワーク複合機の一例が特許文献1に記載されている。
【0004】
具体的には、複数の通信機能を備えた複合機能通信装置であって、ファクシミリ(登録商標)機能、電子メ−ル機能、インタ−ネツトFAX機能、LANによる通信機能などの機能のうち、幾つかの複数の通信機能を備えた複合機能通信装置が記載されている。なお、ファクシミリ(登録商標)を以下の説明及び図面において適宜「FAX」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−252279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、任意の通信方式により又は任意の方式を組み合わせて、通信を実現することが可能である。しかしながら、一般的なネットワーク複合機には後述するような問題点が存在していた。
【0007】
上述した各通信方式にはそれぞれの意義があるが、その利用にかかる料金や、通信に要する時間はそれぞれ通信方式毎に異なる。もっとも、一般的なネットワーク複合機では、ユーザが、通信料金や通信時間を直接把握できないという問題があった。また、把握できない以上、通信方式による通信料金や通信時間の比較ができないという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明は、料金と時間の兼ね合いでユーザに最も適した通信方式を提供することが可能な、最適な通信方式又は通信方式の組合せを提供するネットワーク複合機、通信方式検索サーバ及び通信方式検索を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、を備え、前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機が提供される。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、を備え、前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機が提供される。
【0011】
本発明の第3の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバであって、前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、を備えることを特徴とする通信方式検索サーバが提供される。
【0012】
本発明の第4の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、を備え、前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラムが提供される。
【0013】
本発明の第5の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、を備え、前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラムが提供される。
【0014】
本発明の第6の観点によれば、複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバに組み込まれる通信方式検索プログラムであって、前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、を備える通信方式検索サーバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、料金と時間の兼ね合いでユーザに最も適した通信方式が何なのかを提供して、その通信方式で通信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態の基本的動作を表す図である。
【図3】本発明の実施形態における宛先入力時の表示画面の一例を表す図である。
【図4】本発明の実施形態における送信方式別料金時間表の一例を表す図である。
【図5】本発明の実施形態における通信方式検索時の動作を表す図である。
【図6】本発明の実施形態における通信方式候補の表示画面の一例を表す図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例の基本的構成を表す図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例における送信方式別料金時間表の一例を表す図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例における基本的動作を表す図である。
【図10】本発明の実施形態の変形例における通信方式候補の表示画面の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態1を示す機能ブロック図である。
【0018】
図1を参照すると本実施形態は、ネットワーク複合機100、第1の通信網210及び第2の通信網220を有する。
【0019】
ネットワーク複合機100は、制御部101と、記憶装置102と、表示部103と、操作部104と、通信検索部105と、送信データ取得部106と、第1の通信方式制御部107と、第2の通信方式制御部108と、を含む。
【0020】
制御部101は、ネットワーク複合機100に含まれる各部を制御する。
【0021】
記憶装置102は、通信方式別料金時間表データ等の、各種データを記憶するための記憶装置である。具体的には、この記憶装置は、HDD(Hard disk drive)やFlash SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。また、この記憶装置はネットワーク複合機100に含まれていてもよいが、外部の記憶装置(図示を省略する)を利用するようにしてもよい。この場合記憶装置を別のコンピュータとして実現し、バスやUSB規格に準拠したケーブル、インターネット等の手段を用いて接続するようにしてもよい。更に、単一の記憶装置により実現されてもよいが、複数の記憶装置の組合せにより実現されていてもよい。
【0022】
表示部103は、ネットワーク複合機100の通信方式を表示する部分である。また、操作部104は、ユーザがネットワーク複合機100の操作に必要とされる情報の入力を受け付ける部分である。操作部104は、例えば或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける。具体的にはEmailによる通信方式に準拠したEmailアドレスや、FAXによる通信方式に準拠したFAX番号を宛先として受け付ける。
【0023】
なお、表示部103及び操作部104をまとめ、タッチパネルとして実現するようにしてもよい。また、外部のディスプレイや外部キー等により表示部103や操作部104を実現するようにしてもよい。
【0024】
通信検索部105は、通信方式の検索を行う部分である。検索方法の具体的な内容は後述する。
【0025】
送信データ取得部106は、今回送信する送信データを取得する部分である。そして、送信データ106は、受け付けたデータのデータ量を算出する。送信データは、例えば、文章データや画像データである。この送信データの取得方法には特に限定は無い。例えば、ネットワーク複合機100にスキャナを搭載し、このスキャナで文章や画像を読み取り、データ化してもよい。他にも、送信データは記憶装置102より読み込まれてもよく、ネットワーク複合機100と有線又は無線により接続された外部の装置より受信してもよい。更に、送信データはネットワーク複合機100に着脱可能な記憶媒体(例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したフラッシュメモリ)から読み込んでもよい。また、送信データは操作部104が受け付けた操作により作成されてもよい。
【0026】
第1の通信方式制御部107は、第1の通信方式により通信を行うための制御部である。また、第2の通信方式制御部108は、第2の通信方式により通信を行うための制御部である。
【0027】
また、第1の通信方式制御部107は、第1の通信方式伝送経路110を使用して第1の通信網201を利用し、他のネットワーク複合機と通信を行う。ここで、通信方式とは、例えば、電話線を用いたFAXやインターネットのことである。
【0028】
また、第2の通信方式伝送経路120を使用して第2の通信網202を利用し、他のネットワーク複合機と通信を行う。第1の通信網と、第1の通信網とは異なる種別の通信網であるとする。また、1つの通信網で利用できる通信方式が複数種類存在することもありえる。
【0029】
なお、今回の説明では、便宜上2つの方式の通信網を図示するが、これは一例に過ぎない。3つ以上の方式の通信網と接続されていてもよい。この場合は、3つめ以降の通信網に対応するように、通信方式制御部の個数も増える。また、ネットワーク複合機100は1つのみ図示されているが、ネットワーク複合機100は任意の台数存在していてもよい。
【0030】
更に、ネットワーク複合機100は、ハードウェアにより実現されてもよいが、ソフトウェアとハードウェアの組合せにより実現されてもよい。この場合、例えば記憶装置102にネットワーク複合機100を実現するためのプログラムを格納し、演算処理装置である制御部101が、記憶装置102に格納されているプログラムを読み込んで演算処理を行うことによりネットワーク複合機100の有する各部を実現してもよい。また、ネットワーク複合機100は、専用の機器により実現されてもよいが、汎用のパーソナルコンピュータ等に、ネットワーク複合機100を実現するためのプログラムを組み込むことにより実現してもよい。
【0031】
次に、図2のフローチャートを参照しながら本実施形態の動作について説明する。
【0032】
まず、送信データ取得部106が送信データを取得する(ステップS10)。
【0033】
続いて操作部104が、表示部103の表示画面を参照したユーザから、FAX番号、IPアドレス及びEmailアドレスの入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11における表示部103の表示画面の一例が、図3に表されている。図3を参照すると、FAX番号、IPアドレス及びEmailアドレスのそれぞれを入力する欄が設けられている。なお、今回の説明ではFAX番号、IPアドレス及びEmailアドレスの全てについて入力しているが、このうちの何れかだけを入力するようにしてもよい。
【0034】
次に、制御部101は記憶装置102に格納されている送信方式別料金時間表を読み込み、ユーザの入力した各通信方式のパケット料金と送信に要する時間を取得する(ステップS12)。
【0035】
続いて、取得したデータから、通信方式検索部105で通信方式を検索する(ステップS13)。ここで、図5のフローチャートを参照して通信方式検索部105における、通信方式検索について詳細に説明する。
【0036】
図5のフローチャートでは、全ての通信方式の何れか或いはその組み合わせについて時間と料金の算出を行う。例えば、今回の送信データの送信を第1の通信方式のみで行った場合、第2の通信方式のみで行った場合、第1の通信方式と第3の通信方式を組み合わせて送った場合、等の全ての通信方式の何れか或いはその組み合わせについて算出を行う。
【0037】
まず、通信検索部105は、全ての通信方式の何れか或いはその組み合わせの確認を行ったか確認する(ステップS20)。
【0038】
全ての組み合わせについて確認を行っていない場合(ステップS20においてNo)、通信検索部105は、図4のような通信方式別料金時間表から料金と時間を取得する。また、送信データ取得部106から今回送信する送信データと、そのデータ量を取得する。そして、今回の送信データの送信に要する料金の合計値と時間の合計値を計算する(ステップS21)。
【0039】
次に、通信検索部105は、今回検索した通信方式の何れか或いはその組み合わせを列挙する(ステップS22)。
【0040】
その後、ステップS20に戻る。ステップS20では、全ての組み合わせの確認を行った後(ステップS20においてYes)、通信方式検索を終了する。
【0041】
次に、検索結果を表示部103に表示する(ステップS14)。検索結果の表示方法の一例を表す図が図6である。図6を参照すると、3つの候補が例示されている。そして、各候補ごとに、送信データをするために要する時間及び料金が示されている。なお、候補3では第1の通信方式及び第2の通信方式を組み合わせて通信を実現することが候補として示されている。
【0042】
続いて、ユーザは、検索結果から料金や時間を考える。そして、操作部104は、ユーザからの自分に合った通信方式の選択を受け付ける(ステップS15)。
【0043】
その後、制御部101は、ユーザにより選択された通信方式により、第1の通信方式制御部107または第2の通信方式制御部108を用いて、通信を行う(ステップS16)。
【0044】
以上説明した本実施形態は、料金と時間の兼ね合いでユーザに最も適した通信方式が何なのかを提供して、その通信方式で通信を行うことができるという効果を奏する。
【0045】
次に、上述した実施形態を変形した変形例について図面を参照しながら説明する。図7は上述した実施形態を変形した変形例を示す機能ブロック図である。本実施形態ではネットワーク複合機300と、通信方式検索サーバ500が協働して動作を行う。
【0046】
図7を参照すると、ネットワーク複合機300は、制御部301と、記憶装置302と、表示部303と、操作部304と、送信データ取得部305と、FAX通信部306と、LAN通信の制御を行うLAN通信部307と、を含む。
【0047】
記憶装置302は、各種データを記憶する装置である。表示部303は、通信方式を表示する装置である。
【0048】
操作部304は、ユーザがネットワーク複合機に通信方式を入力する際や検索結果を選択する際に用いるタッチパネルや外部キー等である。
【0049】
FAX通信部は、FAX通信の制御を行う。一方、LAN通信部307は、LAN通信の制御を行う。制御部301は、上述した各部を制御する。
【0050】
また、FAX通信部306は、電話回線411を使用して公衆電話網410を利用し、他のネットワーク複合機と通信を行う。また、LAN通信部307は、LAN421を使用してインターネット420を利用し、他のネットワーク複合機と通信を行う。更に、LAN通信部307は、LAN421を使用して通信方式検索サーバ500と通信を行う。
【0051】
ネットワーク複合機300は、LAN通信部307からFAX番号、IPアドレス、Emailアドレスを通信方式検索サーバ500に送信し、通信方式検索サーバ500から、検索結果を受信する。
【0052】
また、通信方式検索サーバ500は、通信方式別料金時間表データ501と通信方式検索プログラム502を有するネットワークサーバである。通信方式別料金時間表データ501の一例を表すのが図8である。図8を参照するとパケット料金毎の値段及び送信に要する時間が記載されている。なお、便宜上パケット料金の文言を用いているが通信方式毎にパケットの概念は異なるものとする。例えばどの程度のデータ量を1つのパケットとして扱うかは通信方式毎に任意に定められる。また、同一の通信方式であっても、通信先により異なる料金が設定されているような場合も考えられる。
【0053】
例えば、一般的にインターネットを利用するのであればデータ量が同じであれば送信先が国内であろうと外国であろうと同じである。一方、FAXであれば、同じデータを送信するのであっても宛先が国内の場合と国外の場合では料金が異なるということが考えられる。この場合は、宛先から通信先の存在する場所(例えば、国内か否か)を判別し、この判別した通信先に応じた料金を算出することとなる。判別は、例えばFAXであれば、市外局番等で判別する。このような判別等を行いながら通信方式検索を実現するプログラムが通信方式検索プログラム502である。
【0054】
次に、図7及び図8のフローチャートを参照しながら本発明のその他の形態の動作について説明する。
【0055】
まず、送信データ取得部106が送信データを取得する(ステップS30)。
【0056】
ユーザは、操作部304から、FAX番号、IPアドレス、Emailアドレスを入力する(ステップS31)。
【0057】
続いて操作部304が、表示部303の表示画面を参照したユーザから、FAX番号、IPアドレス及びEmailアドレスの入力を受け付ける(ステップS32)。
【0058】
その後、ネットワーク複合機500のLAN制御部307から、通信方式検索サーバ500へFAX番号、IPアドレス、Emailアドレスを送信する(ステップS32)。
【0059】
次に、通信方式検索サーバ500は、通信方式検索を行う(ステップS33)。通信方式検索の具体的な方法は、図5を参照して説明した通信方式検索部105と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0060】
通信方式検索サーバ500は、通信方式検索が終了すると、通信結果をネットワーク複合機300に送信する。そして、ネットワーク複合機300のLAN制御部307は、通信方式検索サーバ500から、検索結果を受信する(ステップS34)。
【0061】
次に、ネットワーク複合機300は、検索結果を表示部303に表示する(ステップS35)。検索結果の表示方法の一例を表す図が図6である。図6を参照すると、3つの候補が例示されている。そして、各候補ごとに、送信データをするために要する時間及び料金が示されている。なお、候補3ではFAX及びインターネットを組み合わせて通信を実現することが候補として示されている。
【0062】
続いて、ユーザは、検索結果から料金や時間を考える。そして、操作部304は、ユーザからの自分に合った通信方式の選択を受け付ける(ステップS36)。
【0063】
次に、ネットワーク複合機300の制御部301は、ユーザから選択された通信方式で通信する(ステップS37)。
【0064】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0065】
また、上記のネットワーク複合機や通信方式検索サーバは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記のネットワーク複合機や通信方式検索サーバにより行なわれる通信方式検索方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0066】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0067】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0068】
(付記1) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機。
【0069】
(付記2) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、
前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機。
【0070】
(付記3) 付記1又は2に記載のネットワーク複合機であって、
送信すべき送信データを取得し、該取得した送信データのデータ量を算出する送信データ取得手段を更に備え、
前記取得した送信データのデータ量に基づいて前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金が列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【0071】
(付記4) 付記1乃至3の何れか1に記載のネットワーク複合機であって、
一つの前記通信網を用いて複数の異なる種別の通信方式による通信が可能であり、該異なる種別の通信方式のそれぞれについて前記宛先を受け付けることが可能なことを特徴とするネットワーク複合機。
【0072】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載のネットワーク複合機であって、
前記宛先に対応する通信方式毎の所要時間及び料金の列挙は、通信方式の何れか一つにより通信を行う場合だけではなく、複数の通信方式を組み合わせて通信を行った場合の所要時間及び料金も列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【0073】
(付記6) 付記1乃至5の何れか1に記載のネットワーク複合機であって、
同一の通信方式であっても、通信先により異なる料金が設定されており、前記宛先から通信先を判別し、該判別した通信先に応じた料金が前記列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【0074】
(付記7) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバであって、
前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、
前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、
を備えることを特徴とする通信方式検索サーバ。
【0075】
(付記8) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。
【0076】
(付記9) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、
前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。
【0077】
(付記10) 複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバに組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、
前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、
を備える通信方式検索サーバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。
【符号の説明】
【0078】
100、300 ネットワーク複合機
101、301 制御部
102、302 記憶装置
103、303 表示部
104、304 操作部
105 通信検索部
106、305 送信データ取得部
107 第1の通信方式制御部
108 第2の通信方式制御部
210 第1の通信網
220 第2の通信網
306 FAX通信部
307 LAN通信部
410 公衆電話網
411 電話回線
420 インターネット
421 LAN
500通信方式検索
501 通信方式別料金時間表データ
502 通信方式検索プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項2】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機であって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、
前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信することを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワーク複合機であって、
送信すべき送信データを取得し、該取得した送信データのデータ量を算出する送信データ取得手段を更に備え、
前記取得した送信データのデータ量に基づいて前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金が列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のネットワーク複合機であって、
一つの前記通信網を用いて複数の異なる種別の通信方式による通信が可能であり、該異なる種別の通信方式のそれぞれについて前記宛先を受け付けることが可能なことを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のネットワーク複合機であって、
前記宛先に対応する通信方式毎の所要時間及び料金の列挙は、通信方式の何れか一つにより通信を行う場合だけではなく、複数の通信方式を組み合わせて通信を行った場合の所要時間及び料金も列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のネットワーク複合機であって、
同一の通信方式であっても、通信先により異なる料金が設定されており、前記宛先から通信先を判別し、該判別した通信先に応じた料金が前記列挙されることを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項7】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバであって、
前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、
前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、
を備えることを特徴とする通信方式検索サーバ。
【請求項8】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先に対応する通信方式を利用して通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。
【請求項9】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機に組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記複数の通信網のそれぞれに対応し、対応した通信方式により通信を行う通信方式制御手段と、
或る通信相手の宛先を複数の通信方式それぞれに準拠した形式で受け付ける宛先受付手段と、
前記受け付けた宛先を通信方式検索サーバに送信する第1の通信手段と、
前記第1の通信手段による送信の返信として、該通信方式検索サーバから、該宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙したデータを受信する第2の通信手段と、
を備え、
前記列挙した通信方式毎の所要時間及び料金を参照したユーザからの通信方式の選択に応じて、該選択された通信方式によって通信データを送信するネットワーク複合機としてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。
【請求項10】
複数の通信網を利用可能なネットワーク複合機と接続される通信方式検索サーバに組み込まれる通信方式検索プログラムであって、
前記ネットワーク複合機がユーザから受け付けた或る通信相手の宛先を、前記ネットワーク複合機から受信する第1の通信手段と、
前記受信した宛先に対応する通信方式を利用して前記ネットワーク複合機が通信データを送信した場合の、所要時間及び料金を検索し、前記宛先に対応する通信方式毎に所要時間及び料金を列挙する通信検索手段と、
前記列挙された通信方式毎の所要時間及び料金を前記ネットワーク複合機に送信する第2の通信手段と、
を備える通信方式検索サーバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする通信方式検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−74497(P2013−74497A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212695(P2011−212695)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】