説明

月経困難症の治療用のPDE阻害剤及びバソプレッシン受容体アンタゴニストを含んでなる療法組合せ

PDE阻害剤とバソプレッシン受容体ファミリーのアンタゴニストの相乗的な組合せについて記載する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、PDE阻害剤とバソプレッシン受容体ファミリーのアンタゴニストの相乗的な組合せ、月経困難症の治療におけるそのような組合せの使用、そのような組合せを使用して月経困難症を治療する方法、及びそのような組合せを含有する医薬品に関する。
【0002】
月経異常症の分野には高い未充足ニーズがあり、月経があるすべての女性の90%までが幾分か影響を受けると推定されている。42%までの女性が月経痛により仕事や他の活動に支障をきたし、この結果、米国では年間約6億の労働時間が失われていると評価されている{Coco, A. S. (1999).「本態性月経困難症(Primary dysmenorrhoea)」[概説][30 refs].American Family Physician, 60, 489-96}。
【0003】
月経困難症は、本態性と続発性の2つのクラスへ分類される場合がある。一般に、本態性月経困難症は、同定可能な骨盤疾患がないのに月経の開始時に生じる下腹部の痙攣痛と定義される。女性人口のほぼ50%がこれに罹患している{Coco, A. S. (1999).「本態性月経困難症(Primary dysmenorrhoea)」[概説][30 refs].American Family Physician, 60, 489-96;Schroeder, B. & Sanfilippo, J. S. (1999).「青年期の月経困難症と骨盤痛(Dysmenorrhoea and pelvic pain in adolescents)[概説][78 refs].Pediatric Clinics of North America, 46, 555-71}。
【0004】
続発性月経困難症は、子宮内膜症、骨盤炎症疾患、子宮平滑筋腫、子宮内避妊用具、等のような特定の病理学的状態と関連した、月経痛と定義される。月経困難症の発生病理は不明であるが、これらの女性が感じる疼痛に伴った子宮筋層の機能亢進と子宮血流の減少の間には密接な関連があるようだ。続発性月経困難症は、月経困難症に罹患している女性のほぼ25%でしか診断されない。月経困難症は、月経過多に伴って生じる場合もある。
【0005】
健常な女性では、月経周期の間に子宮収縮性が変動する{Akerlund, M. (1997).「非妊娠子宮における収縮性(Contractility in the non-pregnant uterus)」[概説]Annals of the New York Academy of Sciences, 828, 213-22}。この変化は、卵巣ホルモンの血漿濃度の変動に従うわけではないが、両者の間にはタイムラグがあるので、組織レベルに関連する可能性がある。月経周期の最初の数日間、子宮収縮性は、子宮全体を通して調整され、規則的で、比較的高い振幅の収縮を伴い、収縮の間には十分に画定された弛緩がある。卵胞期の間、特に排卵期のあたりでは、より調整されない子宮収縮性が生じ、相対的に高い頻度で、低い振幅で、高い基底緊張の収縮を伴う。これが黄体期を通して、月経開始の2〜3日前まで続き、その後で子宮の活動は再びより調整される。この時点で、頚部の方向において、同時に子宮底に向かって、収縮の周期的な伝播が生じる。この方向は、ある患者では数分以内に変化する場合がある。頚部へ向かう伝播は、月経時の子宮内膜及び血液の排出に重要となる場合がある。対照的に、月経困難症の女性は、顕著な子宮の機能亢進を有する。彼女らの収縮パターンは不規則である。また、子宮血流が減少して、本質的には主として虚血性になる{Akerlund, M. (1997).「非妊娠子宮における収縮性(Contractility in the non-pregnant uterus)」[概説]Annals of the New York Academy of Sciences, 828, 213-22}。血流の減少は、おそらくは以下の両方の効果であろう:
・子宮圧力の増加により引き起こされる血管の圧縮(このことは、これらの女性が体験する仙痛の疼痛と関連する可能性があると考えられている)。
・より長く持続する血流の低下を引き起こす、動脈壁の平滑筋に対する血管作用剤の影響(このことは、これらの女性が経験する連続した疼痛の原因であるかもしれない)。
【0006】
現在入手可能な月経困難症治療薬の中では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が、避妊も望まれる場合(この症例では、経口避妊薬を使用する)を除けば、第一選択薬となる傾向がある。
【0007】
本態性月経困難症は、月経付近ではなく{Lundstrom, V. & Green, K. (1978).「正常及び月経困難症の女性の血漿及び子宮内膜中のプロスタグランジンF2αとその主要代謝産物の内因性レベル(Endogenous levels of prostaglandin F2alpha and its main metabolites in plasma and endometrium of normal and dysmenorrheic women)」American Journal of Obstetrics and Gynecology, 130, 640-6}、月経時のプロスタグランジンF2α(PGF2α)の増加と関連づけられてきた{Pickles, V. Hall, W. & Best F. (1965).「正常及び月経困難症の被検者由来の子宮内膜及び月経血中のプロスタグランジン(Prostaglandins in endometrium and menstrual fluid from normal and dysmenorrheic subjects)」BJOG: an International Journal of Obstetrics & Gynecology, 72, 185-}。PGF2αは、子宮収縮性を高めて、月経困難症様の疼痛を引き起こすことが知られている{Roth-Brandel, J., Bygdeman, M. & Wiqvist, N. (1970). 「非妊娠ヒト子宮の in vivo 収縮に対するプロスタグランジンE1及びF2の静脈内投与の効果(Effect of intravenous administration of Prostaglandin E1, and F2 on the contractility of the non-pregnant human uterus in vivo)」Acta Obstetricia et Gynecologia Scandinavica - Supplement, 5, 19-25}。プロスタグランジンはまた、疼痛受容体を増感させることによって直接の疼痛産生特性を有することも知られているが、これも月経時に感じられる疼痛に関与している可能性がある{「プロスタグランジンとトロンボキサン:NATO先端試験研究所によるプロスタグランジンの先端研究(Prostaglandins and Thromboxanes: NATO advanced study institute on advances on prostaglandins)」中 433-442 頁 Ferreira, S. (1976)「疼痛と発熱(Pain and Fever)」ニューヨーク:プレナム・プレス}。NSAIDは、臨床試験において、ある種の月経困難症患者で疼痛を軽減して子宮運動性を回復させることが示された{Pulkkinen, M. O. & Csapo A. I. (1978). 「月経困難症患者の子宮内圧及び月経痛に対するイブプロフェンの効果(The effect of ibuprofen on the intrauterine pressure and menstrual pain of dysmenorrhoeic patients)」Prostaglandins, 15, 1055-62}。しかしながら、それはすべての月経困難症罹患者、特に重篤な月経困難症の罹患者に有効であるわけではない。さらに、それには、上部消化管症状、眠気、及び耳鳴が含まれる副作用がつきものである。これらの薬剤は、経口避妊薬に対して、1ヶ月に2〜3日間だけ投与するという利点を確かに有し、それらは、月経困難症に関連した副作用(めまい、吐き気、及び嘔吐)のいくらかを抑制する。
【0008】
経口避妊薬は、避妊も望まれる場合であれば、ほとんどの女性にとって第二選択の療法である。それらは、月経周期を通して連続的に服用しなければならず、月経痛を顕著に消失させるには、3周期までかかる場合がある。NSAIDとは対照的に、経口避妊薬は、月経血の量を低下させること{Nakano, R. & Takemura, H. (1971). 「機能性月経困難症の治療:二重盲検試験(Treatment of functional dysmenorrhoea; a double-blind study)」Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica, 18, 41-4}、排卵を抑制すること、及び子宮内膜量を減少させることによって月経痛を予防する。このようにしてプロスタグランジン産生の減少をもたらす{Chan, W. Y. & Hill, J. C. (1978). 「非月経困難症被検者及び月経困難症被検者における月経プロスタグランジンレベルの定量(Determination of menstrual prostaglandin levels in non-dysmenorrheic and dyamenorrheic subjects)」Prostaglandins, 15, 365-75}。しかしながら、NSAIDと経口避妊薬では、特に重篤な月経困難症の患者で、不変の失敗率(10〜15%)があるという認知された問題がある{Coco, A. S. (1999).「本態性月経困難症(Primary dysmenorrhoea)」[概説].American Family Physician, 60, 489-96;Schroeder, B. & Sanfilippo, J. S. (1999).「青年期の月経困難症と骨盤痛(Dysmenorrhoea and pelvic pain in adolescents)[概説].Pediatric Clinics of North America, 46, 555-71}。現在、より新しい、さほど十分に特性決定されていない治療法が研究されているが、それらはまだ現行の療法オプションとして利用可能ではない。これらには、V1AアンタゴニストとNOドナーを用いた治療が含まれる。
【0009】
バソプレッシンに対する子宮の生理学的な応答は、月経周期を通して変化して、最大の感受性が月経前に観察される{Bossmar, T., Akerlund, M., Szamatowicz, J., Laudanski, T., Fantoni, G. & Maggi, M. (1995).「非妊娠女性におけるバソプレッシン及びオキシトシンの受容体仲介性の子宮効果(Receptor-mediated uterine effects of vasopressin and oxytocin in non-pregnant women)」British Journal of Obstetrics & Gynaecology, 102, 907-12}。血漿バソプレッシンレベルは、対照患者の月経周期の間、有意に変化しない{Forsling, M. L., Akerlund, M. & Stromberg, P. (1981).「月経周期の間のバソプレッシン血漿濃度の変動(Variations in plasma concentrations of vasopressin duting the menstrual cycle)」Journal of Endocrinology, 89, 263-6}。しかしながら、月経困難症の女性では、月経の前もその間もバソプレッシンレベルが上昇する{Hauksson, A., Akerlund, M., Forsling, M. L. & Kindahl, H. (1987).「本態性月経困難症の女性における、組み合わせた経口避妊薬での治療の前とその間のバソプレッシン及びプロスタグランジンF2α代謝産物の血漿濃度(Plasma concentrations of vasopressin and a prostaglandin F2 alpha metabolite in women with primary dysmenorrhoea before and during treatment with a combined oral contraceptive)」Journal of Endocrinology, 115, 355-61}。これは、疼痛の増加、子宮筋層の機能亢進、そして子宮血流の減少に伴って生じる{Ekstrom, P., Akerlund, M., Forsling, M., Kindahl, H., Laudanski, T. & Mirugacz, G. (1992).「本態性月経困難症の女性における経口避妊薬治療後のバソプレッシン放出の刺激が子宮収縮に及ぼす効果(Stimulation of vasopressin release in women with primary dysmenorrhoea and after oral contraceptive treatment--effect on uterine contractility)」British Journal of Obstetrics & Gynaecology, 99, 680-4}。月経及び月経困難症の機序におけるバソプレッシンの貢献の正確な詳細は依然として不明である。しかしながら、このペプチドは、V型の腎臓調節機能とは異なるバソプレッシンV1A受容体を介して、子宮筋層{Bossmar, T., Brouard, R., Doberi, A. & Akerlund, M. (1997).「バソプレッシン誘発性の子宮収縮に対するSR49059、経口活性V1aバソプレッシン受容体アンタゴニストの効果(Effects of SR49059, an orally active V1a vasopressin receptor antagonist, on vasopressin-induces uterine cntractions)」British Journal of Obstetrics & Gynecology, 104, 471-7}と子宮動脈{Kostrzewska, A., Laudanski, T., Steinwall, M., Bossmar T., Serradeli-Le Gal, C. & Akerlund, M. (1998).「バソプレッシンや他の血管活性物質へのヒト子宮動脈の応答に対するバソプレッシンV1a受容体アンタゴニスト、SR49059の効果(Effects of the vasopressin V1a receptor antagonist, SR49059, on the response of human uterine arteries to vasopressin and other vasoactive substances)」Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica, 77, 3-7}のいずれの平滑筋活性に対しても、顕著な収縮効果を有する。
【0010】
経口活性V1Aアンタゴニストが月経困難症の予防において有意な治療利益を有するという臨床証拠がある{Akerlund, M. (1987).「本態性月経困難症はバソプレッシンアンタゴニストにより緩和し得るか? パイロット試験の結果(Can primary dysmenorrhoea be alleviated by a vasopressin antagonist? Results of a pilot study)」Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica, 66, 459-61}。二重盲検の無作為プラセボ対照交差試験において、Relcovaptan(SR49059)は、月経を調節する機序に影響することなく、月経困難症の女性の疼痛の強度を用量依存的に抑制した{Brouard, R., Bossmar, T., Fournie-Lioret, D., Chassard D., & Akerlund, M. (2000).「月経困難症の予防におけるSR49059、経口活性V1aバソプレッシン受容体アンタゴニストの効果(Effect of SR49059, an orally active V1a vasopressin receptor antagonist, in the prevention of dysmenorrhoea)」BJOG: an international Journal of Obstetrics & Gynaecology, 107, 614-9}。この化合物はまた、オキシトシン受容体で活性を明示する。ペプチドバソプレッシンV1Aアンタゴニスト/オキシトシン受容体アンタゴニストの1−デアミノ−2−D−Tyr (Oet)−4−Thr−8−Orn−オキシトシンは、静脈内で投与するとき、月経困難症の治療にも有効である{Akerlund, M. (1987).「本態性月経困難症はバソプレッシンアンタゴニストにより緩和し得るか? パイロット試験の結果(Can primary dysmenorrhoea be alleviated by a vasopressin antagonist? Results of a pilot study)」Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica, 66, 459-61}。
【0011】
酸化窒素は、平滑筋の弛緩及び血管拡張に仲介する。臨床試験は、早産{Lees, C., Campbell, S., Jauniaux, E., Brown, R., Ramsay, B., Gibb, D., Moncada, S. & Martin, J. F. (1994).「三硝酸グリセリン、酸化窒素ドナーでの早産の阻止と妊娠の延長(Arrest of preterm labour and prolongation of gestation with glyceryl trinitrate, a nitric oxide donor)」[論評].Lancet, 343, 1325-6}と月経困難症{Pittrof, R., Lees, C., Thompson, C., Pickles, A., Martin, J. F. & Campbell, S. (1996).「重症月経困難症の女性の疼痛を制御する三硝酸グリセリンパッチ製剤の交差試験(Crossover study of glyceryl trinitrate patches for controlling pain in women with severe dysmenorrhoea)」Bmj, 312, 884.}の両方で子宮筋層の収縮を阻害することに対するNOドナーの有益な効果を示した。しかしながら、NOドナーでは副作用が報告されていて、最も一般的であるのは、頭痛、めまい、及び潮紅である{Ghazizaceh, S., Dadkhah, T. & Modarres, M. (2002).「本態性月経困難症への三硝酸グリセリン軟膏剤の局所適用(Local application of glyceryl trinitrate ointment for primary dysmenorrhoea)」International Journal of Gynaecology & Obstetrics, 79, 43-4}。患者の10%で適用部位に局所紅斑が見られ、収縮期及び弛緩期の血圧のわずかな降下が報告されているが、低血圧症や頻脈が注目された症例はない{Ghazizadeh, S., Dadkhah, T. & Modarres, M. (2002).「本態性月経困難症への三硝酸グリセリン軟膏剤の局所適用(Local application of glyceryl trinitrate ointment for primary dysmenorrhoea)」International Journal of Gynaecology & Obstetrics, 79, 43-4}。NOドナーは、in vitro で非妊娠子宮筋層の自発収縮を阻害することが示されているが、可溶性のグアニル酸シクラーゼ阻害剤がNOドナー仲介性の弛緩を遮断することができないので、この応答は、cGMP経路を介して仲介されるわけではない。故に、cGMPレベルを上昇させること(PDE阻害剤を投与することによって)により子宮筋層の広汎な弛緩を引き起こすことはあり得ないと思われるので、それが月経困難症を治療するための明快なアプローチを提供することはないだろう。しかしながら、この応答は、カルシウム依存性カリウムチャネルブロッカーによって遮断することができる{Bradley, K. K., Buxton, I. L., Barber, J. E., McGaw, T. & Bradley, M, E. (1998).「酸化窒素は、cGMP非依存性の機序によりヒト子宮筋層を弛緩させる(Nitric oxide relaxes human myometrium by a cGMP-independent mechanism)」American Journal of Physiology, 275, C1668-73;Buxton, I. L., Kaiser, R. A., Malmquist, N. A. & Tichenor, S. (2001).「分娩又は非分娩ヒト子宮筋層のNO誘発性弛緩は、サイクリックGMPにより仲介されない(NO-induced relaxation of labouring and non-labouring human myometrium is not mediated by cyclic GMP)」British Journal of Pharmacology, 134, 206-14}。
【0012】
eNOSとiNOSの両方がヒトの子宮筋層に存在することを示す免疫組織化学データはあるが{Chwalisz, K. & Garfield, R. E. (2000).「着床及び月経における酸化窒素の役割(Role of nitric oxide in implantation and menstruation)」[概説].Human Reproduction, 15, 96-111}、機能組織実験では、自発性収縮とアゴニスト誘発性収縮の両方に対するNOの弛緩効果が、cGMP非依存性の経路を介することが示されている{Bradley, K. K., Buxton, I. L., Barber, J. E., McGaw, T. & Bradley, M, E. (1998).「酸化窒素は、cGMP非依存性の機序によりヒト子宮筋層を弛緩させる(Nitric oxide relaxes human myometrium by a cGMP-independent mechanism)」American Journal of Physiology, 275, C1668-73;Buxton, I. L., Kaiser, R. A., Malmquist, N. A. & Tichenor, S. (2001).「分娩又は非分娩ヒト子宮筋層のNO誘発性弛緩は、サイクリックGMPにより仲介されない(NO-induced relaxation of labouring and non-labouring human myometrium is not mediated by cyclic GMP)」British Journal of Pharmacology, 134, 206-14}。故に、cGMPレベルを上昇させること(PDE阻害剤を投与することによって)により子宮筋層の広汎な弛緩を引き起こすことはあり得ないと思われるので、それが月経困難症を治療するための明快なアプローチを提供することはないだろう。このような仮説は、PDE阻害剤(例えば、IBMX、ザプリナスト、ロリプラム、及びMilrinone)が100μMほどの高い濃度でさえ、帝王切開施行中の女性より採取した子宮筋層由来の子宮収縮に対して可変の抑制活性(21〜93%)を有することが示された知見により支持される{Bardou, M., Cortijo, J., Loustalot, C., Taylor, S., Perales-Marin, A., Mercier, F. J., Dumas, M., Deneux-Tharaux, C., Frydman, R., Morcillo, E. J. & Advenier, C. (1999).「ヒト末端子宮筋層に対する選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤の効果に関する薬理学的及び生化学的研究(Pharmacological and biochemical study on the effects of selective phoshodiesterase inhibitors on human term myometrium)」Naunyn-Schmiedebergs Archives of Pharmacology, 360, 457-63}。
【0013】
我々は、子宮筋層への血流の低下に関連した低酸素疼痛が、動脈そのもの、並びに子宮平滑筋の収縮に対する血管作用剤(AVPのような)の直接効果の結果であり、子宮筋層の血管の閉塞を引き起こす可能性があるという仮説を設けた。従って、子宮の血流を高めること(PDE阻害剤及び/又はV1Aアンタゴニストを用いて)を介した低酸素状態の抑制と同時に子宮筋層の収縮を抑制(PDE阻害剤及び/又はV1Aアンタゴニストを用いて)することは、使用する薬剤の組合せの用量についてより低い必要量をもたらすだろう。換言すると、子宮筋層に見られるものに優るそれ以上の相加相乗効果が観察される可能性がある。
【0014】
驚くべきことに、バソプレッシン受容体ファミリーのアンタゴニストとPDE阻害剤を用いた組合せ療法が月経困難症の治療において予想外の相乗的な改善をもたらすことが今回見出された。同時的、連続的、又は分離的に投与するとき、バソプレッシンアンタゴニストとPDE阻害剤には、有効成分間の相乗的な相互作用により、先行技術の化合物及び組合せよりも、それらがより強力で、より長い作用時間を有し、疾患進行とそれ故に外科的介入の必要性をより有効に抑え、より広範囲の活性を有し、より安定であり、より少ない副作用を有するか又はより選択的である(特に、それらは月経困難症において有益な効果を有する場合がある)、又は他のより有用な特性を有するという利点があるかもしれない。
【0015】
本発明の組合せは、子宮筋層の過剰収縮、子宮動脈の血管収縮、そして後続の疼痛の治療法を提供するだけでなく、子宮筋層及び子宮動脈の基底緊張を抑えて、それらがより弛緩した状態であり続けることを可能にする治療法を提供する。月経困難症は周期性であるが、子宮筋層と子宮動脈がより弛緩した状態を毎月維持すれば、長期的には、これにより将来の症状緩和に必要とされる治療が抑えられる可能性があるという仮説を我々は設けている。
【0016】
従って、本発明によれば、(A)PDE阻害剤又はその医薬的に許容される誘導体と(B)バソプレッシン受容体アンタゴニスト又はその医薬的に許容される誘導体の組合せの、月経困難症の治療用医薬品の製造における使用が提供される。
【0017】
さらに、上記に定義される(A)及び(B)の組合せの、月経困難症の治療への使用が提供される。
なおさらに、上記に定義される(A)及び(B)の組合せの、月経困難症の治療における(A)及び(B)の同時、連続、又は分離投与による組合せ療法用医薬品の製造への使用が提供される。
【0018】
あるいは、一緒になって有効である、上記に定義される(A)及び(B)の量をそのような治療の必要な被検者へ投与することを含んでなる、月経困難症を治療する方法が提供される。
【0019】
さらに、月経困難症を治療するときの同時、分離、又は連続使用のための組合せ調製物として、上記に定義される(A)及び(B)を含有する医薬品が提供される。
月経困難症は、本態性又は続発性の月経困難症であり得る。続発性月経困難症は、子宮平滑筋腫又は子宮内避妊用具のような、増加した子宮緊張の結果であり得る。
【0020】
本発明の1つの側面において、PDE標的は、以下のPDE酵素:PDE1、PDE2、PDE3、PDE4、PDE5、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、PDE11のいずれかの1以上より選択される。
【0021】
本発明の1つの側面において、バソプレッシン受容体アンタゴニストは、バソプレッシン受容体ファミリーメンバーを阻害して、ここで該受容体は、以下のバソプレッシン受容体サブタイプ:V1a、V1b、V2、及びオキシトシンのいずれかの1以上より選択される。好ましくは、受容体は、V1a又はオキシトシンより選択される。より好ましくは、受容体はV1aである。
【0022】
目的の特別なPDE酵素は、以下の通りである:
【0023】
【表1】

【0024】
好ましくは、PDE阻害剤は、PDE4又はPDE5阻害剤である。より好ましくは、PDE阻害剤は、PDE5阻害剤である。
cGMP PDE5酵素の阻害剤(「PDE5阻害剤」)は、PDE5酵素への高いアフィニティー及び選択性を有し、他のホスホジエステラーゼアイソフォームにはほとんど又は全くアフィニティーがない化合物を特徴とする。それらは、いくつかの適応症について記載されてきた。特に、シルデナフィル:(5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン)(VIAGRA(登録商標))は、いくつかの心臓血管障害について記載されて、男性の勃起不全(MED)に経口で有効な最初の治療薬として奏功することが証明されている。
【0025】
ある特定のPDE5阻害剤の適格性は、標準の創薬実践に従った、文献の方法を使用するその効力及び選択性の評価に続く、その毒性、吸収、代謝、薬物動態、等の評価によって容易に決定することができる。
【0026】
PDE5阻害剤は、好ましくは100ナノモル濃度未満、より好ましくは50ナノモル濃度未満、なおより好ましくは10ナノモル濃度未満のIC50を有する。
好ましくは、本発明による医薬組合せに使用するPDE5阻害剤は、PDE5酵素に選択的である。それらは、好ましくは100より高い、より好ましくは300より高い、PDE3に対するPDE5の選択性を有する。より好ましくは、PDE5阻害剤は、PDE3とPDE4の両方に対して100より高い、より好ましくは300より高い選択性を有する。選択性の比は、当業者によって容易に決定することができる。PDE3及びPDE4酵素へのIC50値は、確立された文献の方法論を使用して決定することができる。S. A. Ballard et al, Journal of Urology, 1998, 159巻, 2164-2171頁と以下の記載を参照のこと。
【0027】
PDE5、PDE2、等の阻害の測定は、以下のアッセイによって例示する。
本発明による使用に適した化合物は、強力で選択的なPDE5阻害剤である。サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)及びサイクリックアデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)ホスホジエステラーゼに対する in vitro PDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要とされる化合物の濃度)の測定によって決定することができる。
【0028】
必要とされるPDE酵素は、本質的には W. J. Thompson and M. M. Appleman (Biochem., 1971, 10, 311) の方法によって、ヒト海綿体、ヒト及びウサギの血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋、及びウシ網膜が含まれる多様な供給源より、単離することができる。特に、cGMP特異的PDE(PDE5)とcGMP阻害性cAMP PDE(PDE3)は、ヒト海綿体組織、ヒト血小板、又はウサギ血小板より入手することができて;cGMP刺激性PDE(PDE2)は、ヒト海綿体より入手することができて;カルシウム/カルモジュリン(Ca/CAM)依存性PDE(PDE1)は、ヒト心室より;cAMP特異的PDE(PDE4)は、ヒト骨格筋より;そして光受容体PDE(PDE6)は、ウシ網膜より入手することができる。ホスホジエステラーゼ7〜11は、SF9細胞へトランスフェクトした全長のヒト組換えクローンより産生することができる。
【0029】
アッセイは、W. J. Thompson et al. (Biochem., 1979, 18, 5228) の「バッチ」法の改良法を使用して実施しても、製品コードTRKQ7090/7100のもとにアマーシャム社により記載されるプロトコールの改良法を使用するAMP/GMPの直接検出のシンチレーション近似アッセイを使用して実施してもよい。要約すると、PDE阻害剤の効果は、様々な阻害剤濃度と少量の基質(cGMP又はcAMP、3:1比の非標識:[H]標識、IC50≡Kとなるように、約1/3Kの濃度)の存在下に、一定量の酵素をアッセイすることによって検討することができる。最終アッセイ量は、100μlまでのアッセイ緩衝液[20mM Tris−HCl(pH7.4),5mM MgCl,1mg/ml ウシ血清アルブミン]からなる。酵素で反応を開始して、30℃で30〜60分間インキュベートして、<30%の基質代謝回転を得て、50μlのケイ酸イットリウムSPAビーズ(PDE9及び11についてそれぞれ3mMの非標識サイクリックヌクレオチドを含有する)で終了させる。プレートを再びシールして、20分間振り混ぜ、その後でこのビーズを暗所に30分間静置してから、TopCountプレートリーダー(パッカード、コネティカット州メリデン)で計数する。放射活性単位を非阻害対照(100%)の%活性へ変換し、阻害剤濃度に対してプロットし、「Fit Curve」マイクロソフト Excel拡張プログラム(extension)を使用して、阻害剤のIC50値を得る。
【0030】
機能アッセイ
これは、S. A. Ballard et al. (Brit. J. Pharmacol., 1996, 118 (suppl.), 抄録 153P)又は S. A. Ballard et al. (J. Urology, 1998, 159巻, 2164-2171) に記載されるように、予め収縮したウサギの海綿体組織切片のナトリウムニトロプルシド又は電場刺激誘導性の弛緩を高める、本発明のPDE5阻害剤の能力を決定することによって、in vitro で評価することができる。
【0031】
in vitro PDE阻害活性
サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)ホスホジエステラーゼに対する in vitro PDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要とされる化合物の濃度)の測定によって決定することができる。
【0032】
本発明による使用に適したPDE5阻害剤は、上記に示す定義を満足させるものであればよく、国際特許出願公開公報番号WO03/000691;WO02/64590;WO02/28865;WO02/28859;WO02/38563;WO02/36593;WO02/28858;WO02/00657;WO02/00656;WO02/10166;WO02/00658;WO01/94347;WO01/94345;WO00/15639;及びWO00/15228;並びに米国特許第6,143,746;6,143,747;及び6,043,252号に言及されるPDE5阻害剤;EP−A−0463756に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0526004に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;国際特許出願公開公報WO93/06104に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;国際特許出願公開公報WO93/07149に開示される異性体のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;国際特許出願公開公報WO93/12095に開示されるキナゾリン−4−オン;国際特許出願公開公報WO94/05661に開示されるピリド[3,2−d]ピリミジン−4−オン;国際特許出願公開公報WO94/00453に開示されるプリン−6−オン;国際特許出願公開公報WO98/49166に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;国際特許出願公開公報WO99/54333に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0995751に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン;国際特許出願公開公報WO00/24745に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0995750に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン;国際特許出願公開公報WO95/19978に開示されるヘキサヒドロピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン;WO00/27848に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン;EP−A−1092719と国際特許出願公開公報WO99/24433に開示されるイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−オンと、国際特許出願公開公報WO93/07124に開示される二環系化合物;国際特許出願公開公報WO01/27112に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;国際特許出願公開公報WO01/27113に開示されるピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−1092718に開示される化合物とEP−A−1092719に開示される化合物;EP−A−1241170に開示される三環系化合物;国際特許出願公開公報WO02/074774に開示されるアルキルスルホン化合物;国際特許出願公開公報WO02/072586に開示される化合物;国際特許出願公開公報WO02/079203に開示される化合物と、WO02/074312に開示される化合物を含めてよい。
【0033】
上記の特許出願公開公報と学術論文の内容と、特にその中の特許請求項の治療活性化合物と例示化合物の一般式は、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。
本発明による使用に好ましいV型ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE5阻害剤)には:
1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンとしても知られる、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル、例えば、Viagra(登録商標)として販売されている)(EP−A−0463756を参照のこと); 5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照のこと);
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO98/49166を参照のこと);
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照のこと);
3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られる(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照のこと);
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジニルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られる5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例8を参照のこと);
5−[2−イソブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例15を参照のこと);
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例66を参照のこと);
5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例124を参照のこと);
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例132を参照のこと);
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、Cialis(登録商標))、即ち国際特許出願公開公報WO95/19978の実施例78及び95の化合物、並びに実施例1、3、7、及び8の化合物;
1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られる2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、LEVITRA(登録商標))、即ち国際特許出願公開公報WO99/24433の実施例20、19、337、及び336の化合物;
国際特許出願公開公報WO93/07124(エーザイ)の実施例11の化合物;
Rotella D P, J. Med. Chem., 2000, 43, 1257 からの化合物3及び14;
4−(4−クロロベンジル)アミノ−6,7,8−トリメトキシキナゾリン;
N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル]スルホニル]−1−メチル−2−ピロリジンプロパンアミド[「DA−8159」(WO00/27848の実施例68)];及び
7,8−ジヒドロ−8−オキソ−6−[2−プロポキシフェニル]−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン、及び1−[3−[1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−7.8−ジヒドロ−8−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン−6−イル]−4−プロポキシフェニル]カルボキサミドが含まれる。
【0034】
本発明と組み合わせて有用であり得るなお他のタイプのcGMP PDE5阻害剤には:4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キノゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸、一ナトリウム塩;(+)−cis−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペント−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4(3H)オン;フラズロシリン;cis−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート;4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3(2H)ピリダジノン;1−メチル−5−(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩;Pharmaprojects No.4516(グラクソウェルカム);Pharmaprojects No.5051(バイエル);Pharmaprojects No.5064(協和発酵;WO96/26940を参照のこと);Pharmaprojects No.5069(シェーリングプラウ);GF−196960(グラクソウェルカム);E−8010及びE−4010(エーザイ);Bay−38−3045及び38−9456(バイエル);FR229934及びFR226807(藤沢薬品);及びSch−51866が含まれる。
【0035】
より好ましくは、PDE5阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、DA−8159、及び5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンより選択される。
【0036】
最も好ましくは、PDE5阻害剤は、シルデナフィルとその医薬的に許容される塩である。クエン酸シルデナフィルが好ましい塩である。
バソプレッシン受容体ファミリーは、V1a、V1b、V2、及びオキシトシン受容体を含む{Thibonnier M., Exp. Opin. Invest. Drugs (1998) 7(5), 729-740}。本発明での使用のためのバソプレッシン受容体アンタゴニストは、好ましくは、V1a受容体とその近縁のオキシトシン受容体に選択的である。オキシトシン受容体での活性は、有益である場合がある。より好ましくは、本発明での使用のためのバソプレッシン受容体アンタゴニストは、V1a受容体に選択的である。
【0037】
本発明における使用に適したバソプレッシン受容体アンタゴニストの例は、US6,090,818;EP0873309;WO98/25901;WO02/083685;JP2000−63363;及びWO02/32864に開示される。
【0038】
本発明での使用のためのV1a受容体アンタゴニストの例は、SR49049(Relcovaptan)、アトシバン(Tractocile(登録商標))、コニバプタン(YM−087)、及びOPC21268である。さらに、WO01/58880に記載されるV1a受容体アンタゴニストは、本発明における使用に適している。
【0039】
本発明での使用のためのV1aアンタゴニストのさらなる例は、PCT/IB03/04587(未公開)とGB特許出願番号0202852.8(未公開)に開示され、特に、8−クロロ−5−メチル−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアゾ−ベンゾ[e]アズレン、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物が好ましい。
【0040】
GB特許出願番号0202852.8は、式(I):
【0041】
【化1】

【0042】
の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を開示する[式中、
Wは、O、S、又はNRであり;
は、H、C1−6アルキル、−(CH−[C3−8シクロアルキル]、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリミジル、−COR、−CO、−CO−(CH−NR、−SO、−(CH−OR、−(CH−NR、又はO、N、及びSより選択される1以上のヘテロ原子を含有する3〜8原子の飽和複素環を表し;
XとYは、独立して、H、ハロゲン、OH、CF、OCF、R、−(CH−CONR、−(CH−CN−、−(CH−SONR、−(CH−NRSOMe、−(CH−COR、−(CH−OCOR、−(CH−NHCOR、−(CH−NRCOR、−(CH−OR、又は−(CH−COを表し;
環Aは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、又はアゼチジニル基を表し;
環Bは、フェニル、ピリジニル、又はピリミジニル基(ハロゲン、CN、CONH、CF、OCF、R、及び−(CH−ORより独立して選択される1以上の基で随意に置換される)を表し;
、R、R、R、及びRは、独立して、H、直鎖又は分岐鎖C1−6アルキル、−(CH−[C3−8シクロアルキル]、フェニル、ベンジル、ピリジル、又はピリミジルを表すか;
又は、RとR、又はRとRは、それらが付く窒素原子と一緒に、独立して、3〜8原子の複素環を表し;
とRは、独立して、H、直鎖又は分岐鎖C1−6アルキル、−(CH−[C3−8シクロアルキル]、−(CH−NR、−(CH−OR、フェニル、ベンジル、ピリジル、又はピリミジルを表し;
n=0、1、又は2であり;
a、c、d、及びfは、いずれも独立して、0、1、2、又は3より選択され;
bとeは、独立して、2又は3より選択される]。
【0043】
以下のスキームは、式(I)の化合物の製法を例示し、その全体を通して、環A及びBと基:W、X、Yとnは、他に述べなければ、上記に定義される通りである。(I’)は、WがNRであるときの(I)を表す。
【0044】
【化2】

【0045】
工程(a):オキサジアゾール(II)を酸触媒と反応させて、式(V)の化合物を得る。典型的には、この反応は、p−TSAのような好適な酸性触媒、又は塩化マグネシウムのようなルイス酸触媒とともに、キシレンのような高沸点溶媒を随意に使用して、出発材料を100〜150℃のような上昇温度まで1〜48時間加熱することによって行う。
【0046】
好ましい条件は:アミン(II)と触媒P−TSA、キシレン中、140℃で48時間である。
W=NRであるとき:
【0047】
【化3】

【0048】
[Z’は、OH又はハロ、典型的にはClである]。
化合物(VI)としての使用に適した化合物は、市販されているか又は文献に知られている。
【0049】
工程(b):アミン(V)の化合物(VI)との反応は、標準法によって行なうことができる。
=COR、CO、CO−(CH−NR、SOであるとき、典型的には、このカップリングは:
(i)好適な溶媒においてアシル/スルホニル/クロリド(VI)+アミン(V)を過剰の酸アクセプターとともに;又は
(ii)好適な溶媒において、随意に触媒の存在下の酸(VI)と慣用のカップリング剤+アミン(V)を過剰の酸アクセプターとともに;及び
(iii)Rがアリール基を表すときは、好適な溶媒において、随意に触媒の存在下のハロゲン化アリール(VI)+アミン(V)を過剰の酸アクセプターとともに使用することによって実行することができる。
【0050】
典型的には、条件は、以下の通りである:
アシル化/スルホニル化、Z=Cl
(i)過剰の塩化アシル/スルホニル(VI)(in situ 生成)、1当量のアミン(V)、随意に過剰の3級アミン(EtN、ヒューニッヒ(Hunig)塩基、又はNMMのような)とともに、DCM又はTHF中、加熱せずに1〜24時間。
好ましい条件は:アミン(V)、1.5当量の酸/塩化スルホニル(VI)、1.5当量のNMM、DCM中、室温で16時間。
【0051】
アミド結合形成、Z=OH
(ii)過剰の酸(VI)、WSCDI/DCC、及びHOBT/HOAT、1当量のアミン(V)、過剰のNMM、EtN、ヒューニッヒ塩基とともに、THF、DCM、又はEtOAc中、室温で4〜48時間;又は
過剰の酸(VI)、PYBOP(登録商標)/PyBrOP(登録商標)/Mukaiyama(向山)試薬、1当量のアミン(V)、過剰のNMM、EtN、ヒューニッヒ塩基とともに、THF、DCM、又はEtOAc中、室温で4〜24時間。
【0052】
アリール化(R=アリール、ヘテロアリール)、Z=ハロ
(iii)化合物(V)のアリール化は、好適な塩基(t−BuONa)、触媒量の好適な添加剤(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルのような)と好適なパラジウム触媒を、トルエン中、上昇温度で1〜24時間、不活性気体下に使用するパラジウム触媒化交差カップリング反応によって行って、化合物(I’)を得ることができる。あるいは、化合物(I’)は、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、又はヒューニッヒ塩基のような塩基とともに、DMF、NMP、又は1,4−ジオキサンのような好適な溶媒中、50℃〜140℃のような上昇温度で約1〜48時間加熱することによって、アミン(I)の化合物(VI)との反応により製造してよい。
【0053】
好ましい条件は:1〜2.5当量のハロゲン化物(VI)、1〜2当量の炭酸カリウム、N,N−ジメチルホルムアミド中、50℃で4〜18時間;又は
1〜2.5当量のハロゲン化物(VI)、2〜3当量のヒューニッヒ塩基、1,4−ジオキサン又はNMP中、還流で18〜48時間;又は
1当量のハロゲン化物(VI)、3.5当量のNaOt−Bu、0.08当量のBINAP、0.4当量のPd(dba)、トルエン中、70℃で8時間である。
【0054】
あるいは、化合物(I’)は、以下のスキーム1.3に示す経路により製造してよい:
【0055】
【化4】

【0056】
化合物(VII)としての使用に適した化合物は、市販されているか又は文献に知られている。
工程(c):トリアセトキシホウ水素化ナトリウム又はシアノホウ水素化ナトリウムのような還元剤の存在下にアミン(V)を過剰のアルデヒド/ケトン(VII)と反応させて、式(I’)の化合物を得る。この反応は:
ジクロロメタンのような好適な溶媒において20℃〜80℃のような温度で1〜48時間、出発材料を撹拌すること、又は
四塩化チタン又はチタンテトライソプロポキシドのような好適なルイス酸触媒とともに、ジクロロメタン又はエタノールのような好適な溶媒中50℃〜100℃のような温度で1〜18時間アミン(V)を過剰の化合物(VII)と加熱することに続く、ホウ水素化ナトリウムのような好適な還元剤での中間体イミン/イミニウム分子種の還元、又は酸化白金又はパラジウム担持カーボンのような好適な触媒上での水素化分解によって行なうことができる。
【0057】
好ましい条件は:アミン(V)、1.5当量のアルデヒド/ケトン(VII)、2.0当量のトリアセトキシホウ水素化ナトリウム、ジクロロメタン中、室温で2時間である。
環BがN原子を介して環Aへ連結して、WがO又はSを表すときは:
【0058】
【化5】

【0059】
[Protは、窒素に適した保護基、例えば、Boc、CBz、又はアリルカルバメートを表す。教科書(例えば、「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」T. W. Greene 及び P. Wutz 著)に見出されるような、窒素保護基の標準的な方法論を使用する。Zは、ハロゲンのような脱離基を表す]。
【0060】
化合物(IV)としての使用に適した化合物は、市販されているか又は文献に知られている。
化合物(III)のアリール化は、上記の工程(b)に記載のように行なってよい。好ましい条件は:
1〜2.5当量のハロゲン化物(IV)、1〜2当量の炭酸カリウム、N,N−ジメチルホルムアミド中、50℃で4〜18時間;又は
1〜2.5当量のハロゲン化物(IV)、2〜3当量のヒューニッヒ塩基、1,4−ジオキサン又はNMP中、還流で18〜48時間;又は
1当量のハロゲン化物(IV)、3.5当量のNaOt−Bu、0.08当量のBINAP、0.4当量のPd(dba)、トルエン中、70℃で8時間である。
【0061】
工程(d):化合物(IX)の脱保護化は、「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」T. W. Greene 及び P. Wutz 著に記載されるような、標準の方法論を使用して行う。
【0062】
ProtがBocであるとき、好ましい方法は:
塩化水素、1,4−ジオキサンのような好適な溶媒中、室温で1〜16時間;又は
トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液中、1〜2時間である。
【0063】
ProtがCBzであるとき、好ましい方法は、エタノールのような溶媒において好適なパラジウム触媒を使用する水素化分解である。
Protがアリルカルバメートであるとき、好ましい条件は、チオ安息香酸とPd(Dba)のような好適なパラジウム触媒、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンのような好適なホスフィン添加剤とともに、テトラヒドロフラン中20分間である。
【0064】
環BがN原子を介して環Aへ連結して、WがNRを表すときは:
【0065】
【化6】

【0066】
[Protは、窒素に適した保護基、例えば、Boc、CBz、又はアリルカルバメートを表す。教科書(例えば、「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」T. W. Greene 及び P. Wutz 著)に見出されるような、窒素保護基の標準的な方法論を使用する。Zは、ハロ(典型的には、Cl)を表す。Z’は、脱離基(典型的には、Cl又はOHを表す]。
【0067】
化合物(IV)としての使用に適した化合物は、市販されているか又は文献に知られている。
化合物(IX’’)は、典型的には、上記の工程(b)及び工程(c)に記載の方法論を使用して、化合物(IX’)より製造することができる。
【0068】
化合物(III’)は、典型的には、上記の工程(d)に記載の方法論を使用して、化合物(IX’’)より製造することができる。
化合物(I’)は、典型的には、上記の工程(b)に記載の方法論を使用して、化合物(III’)のアリール化によって製造することができる。
【0069】
化合物(II)及び(VIII)としての使用に適した化合物は、文献に知られているか、又は以下のスキーム3.1及び3.2に示すように製造することができる。
【0070】
【化7】

【0071】
環A及びBがN原子により連結するとき:
【0072】
【化8】

【0073】
化合物(XI)としての使用に適した化合物は、文献に知られているか、又は標準の方法論:例えば、安息香酸又はベンゾニトリルの還元を使用して製造することができる。
WがNRを表すとき:
工程(e):化合物(X)/(XII)を、随意にトリエチルアミン、ヒューニッヒ塩基、又は炭酸カリウムのようなプロトンアクセプターとしての過剰の塩基の存在下に、THF、トルエン、又はDMFのような好適な高沸点溶媒において、50℃〜100℃の温度で1〜48時間、過剰の化合物(XI)と反応させて、それぞれ化合物(II)/(VIII)を得る。
【0074】
好ましい条件は:2.5当量の化合物(XI)、THF中、50℃で48時間である。
WがO又はSを表すとき:
工程(e):化合物(X)/(XII)を、水素化ナトリウム、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム、又は塩化マグネシウムイソプロピルのような塩基の存在下に、THF、トルエン、又はNMPのような好適な溶媒において、0℃〜50℃の温度で1〜24時間、過剰の化合物(XI)と反応させて、それぞれ化合物(II)/(VIII)を得る。
【0075】
好ましい条件は:3当量の化合物(XI)と2.5当量のNaH、THF中、20℃で2時間である。
化合物(X)及び(XII)としての使用に適した化合物は、文献に知られているか、又はスキーム4.1及び4.2に示すように製造することができる。
【0076】
【化9】

【0077】
[X’は、OH又はハロを表し、好ましくはClを表す。LGは、脱離基、典型的にはハロ、好ましくはクロロ又はブロモを表す]。
環A及びBがN原子により連結するとき:
【0078】
【化10】

【0079】
[X’は、OH又はハロを表し、好ましくはClを表す。LGは、脱離基、典型的にはハロ、好ましくはクロロ又はブロモを表す]。
化合物(XIV)は、市販されているか、又は文献に知られている。
【0080】
工程(f):化合物(XIV)とヒドラジド(XIII/XIII’)の反応は、標準法によって行なうことができる。
カップリングは:
(i)好適な溶媒において、塩化アシル(XIV)+ヒドラジド(XIII/XIII’)を過剰の酸アクセプターとともに;又は
(ii)好適な溶媒において、随意に触媒の存在下の酸(XIV)と慣用のカップリング剤+ヒドラジド(XIII/XIII’)を過剰の酸アクセプターとともに使用して、行ってよい。
【0081】
典型的には、条件は、以下の通りである:
(i)酸クロリド(XIV)(in situ 生成)、過剰のヒドラジド(XIII/XIII’)、随意にEtNのような三級アミン、ヒューニッヒ塩基、又はNMMの過剰とともに、DCM又はTHF中、加熱せずに1〜24時間;又は
(ii)酸(XIV)、WSCDI/DCC、及びHOBT/HOAT、過剰のヒドラジド(XIII/XIII’)、過剰のNMM、EtN、ヒューニッヒ塩基とともに、THF、DCM、又はEtOAc中、室温で4〜48時間;又は
(iii)酸(XIV)、PYBOP(登録商標)/PyBrOP(登録商標)/Mukaiyama試薬、過剰のヒドラジド(XIII/XIII’)、過剰のNMM、EtN、ヒューニッヒ塩基とともに、THF、DCM、又はEtOAc中、室温で4〜24時間。
【0082】
好ましい条件は:ヒドラジド(XIII/XIII’)、1.5当量の塩化クロロアセチル(XIV)、1.5当量のNMM、DCM中、室温で16時間である。
工程(g):化合物(XV/XV’)の環化は、好適な脱水条件下に、上昇温度で18時間まで行う。典型的には、ポリリン酸、オキシ塩化リン、無水トリフル酸のような脱水剤を20〜120℃の温度で5分〜12時間使用する。随意に、この反応は、ピリジンのような塩基やジクロロメタン及びアセトニトリルのような好適な溶媒の存在下に行ってよい。あるいは、Rigo et al. Synth. Commun. 16(13), 1665, 1986 の方法に従ってオキサジアゾール(XII/X)を製造してよい。
【0083】
好ましい条件は:オキシ塩化リン、100℃で8時間、又は2.5当量の無水トリフル酸、5当量のピリジン、ジクロロメタン中、20℃で3時間である。
化合物(XIII/XIII’)としての使用に適した化合物は、文献に知られているか、又はスキーム5.1及び5.2に示すように製造することができる。
【0084】
【化11】

【0085】
環A及びBがN原子により連結するとき:
【0086】
【化12】

【0087】
化合物(XVI)/(XVI’)と保護化ヒドラジンは、市販されているか、又は対応するエステルの加水分解のような標準の方法論に知られている。
(XV/XV’)の製法について上記に記載の条件を使用してカルボン酸(XVI)/(XVI’)と保護化ヒドラジン(ここで、protは、典型的にはBocである)をカップリングして、それぞれ化合物(XVII/XVII’)を得ることができて、次いで、上記に記載のような工程(d)に記載の標準の方法論を使用してprotを外して、(XIII/XIII’)を得る。
【0088】
化合物(XIII/XIII’)への代替経路を以下のスキーム6.1及び6.2に示す。
【0089】
【化13】

【0090】
環A及びBがN原子により連結するとき:
【0091】
【化14】

【0092】
工程(h):エステル(XVIII/XVIII’)をメタノールのような好適な溶媒中のヒドラジンと上昇温度で反応させて、ヒドラジド(XVII/XVII’)を得ることができる。
【0093】
好ましい条件は:3当量のヒドラジン、メタノール中、還流で18時間である。
本発明に使用のバソプレッシン受容体アンタゴニストは、以下に説明するスクリーニングで試験することができる。
【0094】
1.0 V1Aフィルター結合アッセイ
1.1 膜調製
ヒトV1A受容体を安定的に発現するCHO細胞(CHO−hV1A)より調製する細胞膜で受容体結合アッセイを実施した。CHO−hV1A細胞系は、ライセンス契約の下で、Marc Thibonnier(オハイオ州クリーブランド Case Western Reserve University 医学校、医学部)の厚意により提供された。10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、15mM HEPES、及び400μg/ml G418を補充したDMEM/Hams F12栄養混合物において、5% CO入り加湿空気中37℃でCHO−hV1A細胞を定常的に維持した。細胞ペレットのバルク産生のために、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、及び15mM HEPESを補充したDMEM/Hams F12栄養混合物の培地を含有する850cmローラーボトルにおいて、付着性のCHO−hV1A細胞を90〜100%の集密度まで増殖させた。集密したCHO−hV1A細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、氷冷PBS中へ採取して、1,000rpmで遠心分離した。細胞ペレットを使用まで−80℃に保存した。細胞ペレットを氷上で融かし、50mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM MgClからなり、プロテアーゼ阻害剤カクテル(ロッシュ)を補充した膜調製緩衝液においてホモジェナイズした。この細胞ホモジェネートを1000rpm、10分、4℃で遠心分離して、上清を除いて、氷上に保存した。残るペレットを、先と同じようにホモジェナイズして遠心分離した。上清をプールして、25,000xgで、4℃で30分間遠心分離した。50mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM MgCl、及び20%グリセロールからなる凍結緩衝液にペレットを再懸濁させて、使用まで少量ずつ−80℃に保存した。Bradford試薬と標準品としてのBSAを使用して、タンパク濃度を決定した。
【0095】
1.2 V1Aフィルター結合
それぞれの新しい膜のバッチに対して、タンパク線形性に続いて飽和結合試験を実施した。曲線の直線部分で特異的な結合を与える膜濃度を選択した。次いで、様々な濃度の[H]−アルギニンバソプレッシン、[H]−AVP(0.05nM〜100nM)を使用する飽和結合試験を実施して、KとBmaxを決定した。
【0096】
CHO−hV1A膜への[H]−AVP結合に対する効果を化合物について試験した(H−AVP;比活性65.5Ci/ミリモル;NEN Life Sciences)。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化し、50mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM MgCl、及び0.05% BSAを含有するアッセイ緩衝液で10% DMSOの作業濃度へ希釈した。25μlの化合物と25μlの[H]−AVP(膜バッチで定量したK以下の最終濃度、典型的には0.5nM〜0.6nM)を96ウェルの丸底ポリプロピレンプレートへ加えた。200μlの膜の添加により結合反応を開始して、プレートを室温で60分間穏やかに振り混ぜた。ペプチド粘着を防ぐために0.5%ポリエチレンイミンに予め浸漬した96ウェルGF/B UniFilter Plateを通すFiltermate Cell Harvester(パッカード・インスツルメンツ)を使用する迅速濾過によって、この反応を止めた。50mM Tris−HCl(pH7.4)及び5mM MgClを含有する1mlの氷冷洗浄緩衝液でフィルターを3回洗浄した。このプレートを乾燥させ、各ウェルへ50μlのMicroscint−0(パッカード・インスツルメンツ)を加えた。プレートにシールして、TopCount Microplate Scintillation Counter(パッカード・インスツルメンツ)で計数した。非特異結合(NSB)は、1μMの非標識d(CH2)5Tyr(Me)AVP([β−メルカプト−β,β−シクロペンタメチレンプロピオニル、0−Me−Tyr,Arg]−バソプレッシン)(βMCPVP)(シグマ)を使用して定量した。放射リガンド結合データは、最小値を0%へ強制する4変数ロジスティック式を使用して解析した。傾きを自由に適合させ、有効(valid)曲線用に−0.75と−1.25の間に落とした。特異結合は、平均トータルcpmより平均NSB cpmを差し引くことによって計算した。試験化合物では、受容体へ結合したリガンドの量を、結合(%)=[(試料cpm−平均NSB cpm)/特異結合cpm]x100として表現した。試験化合物の濃度に対して結合(%)をプロットして、S字状曲線を適合させた。Cheng−Prusoff式:K=IC50/(1+[L]/K)(ここで[L]は、ウェル中に存在するリガンドの濃度であり、Kdは、スキャッチャードプロット解析より得られる放射リガンドの解離定数である)を使用して、阻害解離定数(K)を計算した。
【0097】
2.0 V1A機能アッセイ:AVP/V1A−R仲介性Ca2+可動化の阻害、FLIPR(蛍光造影プレートリーダー)(モレキュラー・デバイス)による
FLIPRを使用して、CHO−hV1A細胞における細胞内カルシウム放出を測定した。これにより、受容体活性化に続くカルシウムの迅速な検出が可能になる。CHO−hV1A細胞系は、ライセンス契約の下で、Marc Thibonnier(オハイオ州クリーブランド Case Western Reserve University 医学校、医学部)の厚意により提供された。10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、15mM HEPES、及び400μg/ml G418を補充したDMEM/Hams F12栄養混合物において、5% CO入り加湿空気中37℃でCHO−hV1A細胞を定常的に維持した。アッセイ前の午後に、各ウェルの底からの細胞視察と蛍光測定を可能にする、底が澄明な黒い無菌の96ウェルプレートへ、20,000細胞/ウェルの密度で細胞をプレート培養した。ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(DBPS)及び2.5mMプロベネシドを含有する洗浄緩衝液と、4μM Fluo−3−AM(DMSO及びプルロン酸に溶かす)(モレキュラー・プローブズ)及び2.5mMプロベネシドを含有する細胞培養基からなるローディング色素をアッセイの当日に用時調製した。化合物をDMSOに可溶化し、1% DMSO、0.1% BSA、及び2.5mMプロベネシドを含有するDPBSからなるアッセイ緩衝液に希釈した。5% CO入り加湿空気中37℃で1時間、ウェルあたり100μlのローディング色素とともに細胞をインキュベートした。色素ローディングの後で、Denleyプレート洗浄器を使用して、100μlの洗浄緩衝液に細胞を3回洗浄した。100μlの洗浄緩衝液を各ウェルに残した。FLIPRを使用して、細胞内の蛍光を測定した。50μlの試験化合物を30秒後に加えて、2秒間隔で蛍光読み取りを得た。次いで、さらに155回の測定を2秒間隔で行って、化合物のアゴニスト活性を検出した。次いで、50μlのアルギニンバソプレッシン(AVP)を加えて、最終アッセイ量を200μlとした。さらなる蛍光読み取りを1秒間隔で120秒間収集した。ピーク蛍光強度(FI)として応答を測定した。薬理学的な特性決定では、各蛍光応答より基底FIを差し引いた。AVP用量応答曲線では、その系列のAVPの最高濃度に対する応答の百分率(%)として各応答を表した。IC50決定では、AVPに対する応答の百分率(%)として各応答を表した。アゴニスト濃度、[A]、アゴニストEC50、及び傾きを考慮するCheng−Prusoff式:K=IC50/(2+[A]/A501/n−1(ここで、[A]はAVPの濃度であり、A50は用量応答曲線からのAVPのEC50であり、nはAVP用量応答曲線の傾きである)を使用して、IC50値を修正K値へ変換した。
【0098】
本組合せ発明に使用の化合物は、非溶媒和型だけでなく、水和型が含まれる溶媒和型で存在する場合がある。一般に、水和型が含まれる溶媒和型は、同位体置換(例、DO、d6−アセトン、d6−DMSO)を含有する場合があるが、非溶媒和型と同等であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0099】
本発明に使用の化合物は、1以上のキラル中心を保有する場合があり、各中心は、R(D)又はS(L)配置で存在する場合がある。本発明には、すべてのエナンチオマー型とエピマー型、並びにこれらの適切な混合物が含まれる。ジアステレオマー又はcis及びtrans異性体の分離は、慣用の技術、例えば、本発明の化合物又はその好適な塩又は誘導体の立体異性混合物の分画結晶化、クロマトグラフィー、又はH.P.L.C.によって達成することができる。
【0100】
本発明に使用の化合物の本範囲内にまた含まれるのは、その多形である。
さらなる側面において、上記に定義される(A)と上記に定義される(B)の有効量の混合物を医薬的に許容される担体と随意に一緒に含んでなる、予防的に、又は疼痛が始まったときに投与するための医薬組成物が提供される。
【0101】
本発明の医薬組成物において、(A)は、用量につき1mg〜1000mgまでの量で存在して、(B)は、用量につき1mg〜1000mgの量で存在する。どんな場合でも医師が個別の患者に最も適する実際量を決定し、それは、特別な患者の年齢、体重、及び応答で変動するものである。上記の投与量は、平均的な症例の例示である。当然ながら、より高いか又はより低い投与量の範囲が有利である個別の事例があり得て、そのような事例も本発明の範囲内にある。
【0102】
本発明の医薬組成物は、単独で投与してよいが、一般的には、1以上の医薬的に許容される賦形剤と一緒の製剤として投与される。用語「賦形剤」は、本明細書において、本発明の化合物以外のあらゆる成分を記載するために使用する。賦形剤の選択は、大部分は投与の特別な形式に依存するものである。
【0103】
本発明に使用の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を伴っても、又は化合物が口から直接血流に入る頬内又は舌下投与を利用してもよい。
【0104】
経口投与に適した製剤には、錠剤、粒子を含有するカプセル剤、液剤、又は散剤、甘味入り錠剤(液体充填剤が含まれる)、噛み剤(chews)、多粒子剤及びナノ粒子剤、ゲル剤、フィルム剤(粘接着剤が含まれる)、丸剤(ovules)、スプレー剤のような固体製剤と液体製剤が含まれる。
【0105】
液体製剤には、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟又は硬カプセル剤中の充填剤として利用してよく、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適なオイルと、1以上の乳化剤及び/又は懸濁剤を含む。液体製剤は、固形物の復元によって、例えば、サシェ剤より調製してもよい。
【0106】
本発明に使用の化合物は、Liang and Chen による Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11(6), 981-986 (2001) に記載されるような速溶解性、速崩壊性の剤形で使用してもよい。
【0107】
典型的な錠剤は、製剤化学者に知られた標準法を使用して、例えば、直接圧縮、造粒(乾式、湿式、又は融解)、融解凝結、又は押出しによって調製することができる。錠剤製剤は、1以上の層を含む場合があり、被覆しても被覆しなくてもよい。
【0108】
経口投与に適した賦形剤の例には、担体(例えば、セルロース、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、マンニトール、及びクエン酸ナトリウム)、造粒結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びゼラチン)、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコラート、及びケイ酸塩)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、保存剤、抗酸化剤、芳香剤、及び着色剤が含まれる。
【0109】
経口投与用の固体製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。高エネルギー分散剤、浸透及び被覆粒子のような好適な修飾放出技術の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14 (2001) に見出すことができる。他の修飾放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。
【0110】
本発明に使用の化合物は、血流、筋肉、又は内臓へ直接投与してもよい。非経口投与に適した手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、及び皮下投与が含まれる。非経口投与に適したデバイスには、針(ミクロ針が含まれる)注射器、無針注射器、及び注入技術が含まれる。
【0111】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくは、3〜9のpHへ)のような賦形剤を含有し得る水溶液剤であるが、いくつかの応用では、それらは、より好適には、無菌の非水性溶液剤として、又は無菌の発熱物質を含まない水のような好適な担体と一緒に使用すべき乾燥型として製剤化してよい。
【0112】
非経口製剤の無菌条件下での、例えば凍結乾燥による調製は、当業者によく知られた標準の製剤技術を使用して、容易に達成することができる。
非経口溶液剤の調製に使用する式(I)の化合物の溶解性は、好適な処理、例えば高エネルギースプレー乾燥分散の使用(WO01/47495を参照のこと)によって、及び/又は溶解促進剤の使用のような適切な製剤技術の使用によって高めてよい。
【0113】
非経口投与用の製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。
【0114】
本発明に使用の化合物はまた、皮膚又は粘膜へ、皮膚からか又は経皮的に局所投与してよい。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤、粒子散剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、カシェ剤、インプラント、スポンジ、ファイバー、包帯、及びミクロエマルジョンが含まれる。リポソームも使用してよい。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、及びプロピレングリコールが含まれる。浸透エンハンサーを取り込んでよく、例えば、Finnin 及び Morganによる J Pharm Sci, 88(10), 955-958 (1999年10月) を参照のこと。
【0115】
局所投与の他の手段には、イオン導入、エレクトロポレーション、ホノフォレーシス(phonophoresis)、超音波導入(sonophoresis)、及び、無針又はミクロ針注射による送達が含まれる。
【0116】
局所投与用の製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。このように、本発明に使用の化合物は、この活性化合物の長期放出を提供する埋込みデポー剤としての投与のためにより硬い形態に製剤化してよい。
【0117】
本発明に使用の化合物はまた、典型的には乾燥粉末の形態で(例えば乳糖との乾燥混和物中の混合物として単独で、又は、例えばリン脂質と混合した混合成分粒子として)、乾燥粉末吸入器からか、又は加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を利用して微細粒子を産生するアトマイザー)、又はネブライザーより、ジクロロフルオロメタンのような好適な推進剤の使用を伴うか又は伴わずに、エアゾールスプレーとして鼻腔内又は吸入により投与してよい。
【0118】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーは、例えば、エタノール(場合により、水性エタノール)、又は活性化合物を分散、可溶化、又はその放出を拡張するのに適した他の薬剤、溶媒としての推進剤、及びソルビタントリオレエート又はオリゴ乳酸のような随意の界面活性剤を含んでなる、活性化合物の溶液剤又は懸濁液剤を含有する。
【0119】
乾燥粉末又は懸濁製剤における使用に先立って、医薬生成物は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には、5ミクロン未満)へ微小化する。このことは、らせんジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を形成する超臨界流体処理、高圧均質化、又はスプレー乾燥のような、どの適切な粉砕法によっても達成してよい。
【0120】
電気水力学を利用して微細粒子を産生するアトマイザーにおける使用に適した溶液製剤は、1回の作動につき本発明の化合物の1μg〜10mgを含有してよく、この作動量は、1μl〜1001μlへ変動してよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、及び塩化ナトリウムを含む場合がある。プロピレングリコールの代わりに使用してよい代替溶媒には、グリセロールとポリエチレングリコールが含まれる。
【0121】
吸入器又は通気器における使用のカプセル剤、ブリスター剤、及びカートリッジ剤(例えば、ゼラチン又はHPLCより作製する)は、本発明の化合物の粉末混合物、乳糖又はデンプンのような好適な粉末基剤、及び、l−ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムのような性能修飾剤を含有するように製剤化してよい。
【0122】
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。
【0123】
本発明に使用の化合物は、例えば、坐剤、ペッサリー、又は浣腸剤の形態で、直腸、膣内、又は子宮内経路により投与してよい。ココア脂が従来の坐剤基剤であるが、様々な代替物を適宜使用してよい。
【0124】
直腸/膣投与用の製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。
【0125】
本発明に使用の化合物は、典型的には、pH調節した等張の無菌生理食塩水中の微小化した懸濁液又は溶液の滴剤の形態で、眼又は耳へ直接投与してもよい。眼及び耳への投与に適した他の製剤には、軟膏剤、生物分解性(例、吸収ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生物分解性(例、シリコーン)のインプラント、カシェ剤、レンズ、及び粒子や、ニオソーム又はリポソームのような小胞系が含まれる。架橋結合性ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースのポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はメチルセルロース)、又はヘテロ多糖ポリマー(例えば、ゼラチンゴム)のようなポリマーを、塩化ベンザルコニウムのような保存剤と一緒に取り込んでよい。このような製剤は、イオン導入によって送達してもよい。
【0126】
眼/耳からの投与用の製剤は、即時及び/又は修飾放出であるように製剤化してよい。修飾放出製剤には、遅延、持続、拍動、制御二重、標的化、及びプログラムされた放出が含まれる。
【0127】
本発明に使用の化合物は、シクロデキストリン又はポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性の高分子実体と組み合わせて、その可溶性、溶解速度、味のマスキング、バイオアベイラビリティ、及び/又は安定性を改善してよい。
【0128】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの剤形及び投与経路に概ね有用であることが見出されている。封入と非封入の両方の複合体を使用してよい。薬物との直接複合化に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助添加剤として、即ち、担体、希釈剤、又は可溶化剤として使用してよい。これらの目的に最も一般的に使用されるのは、α、β及びγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願番号WO91/11172、WO94/02518、及びWO98/55148に見出すことができる。
【0129】
本発明の組成物は、直接注射により投与してよい。ある適用では、好ましくは薬剤を経口投与する。ある適用では、好ましくは薬剤を局所投与する。
本発明による医薬組成物は、本発明の化合物の0.1%〜95%、好ましくは1%〜70%を含有してよい。
【0130】
本明細書に使用する「有効量」は、求められる生物学的又は医学的応答を引き起こす(A)及び(B)の量である。治療の方法に利用する(A)及び(B)の1日用量は、上記に記載の医薬組成物における使用に記載の用量に類似している。本発明による治療の方法において、(A)と(B)は単一の剤形で一緒に組み合わせて投与しても、それらは、それぞれがそれ自身の剤形であるが、同じ療法治療プログラムの一部として、別々に、本質的には同時に投与してもよく、(A)と(B)を異なる時期に、異なる経路により別々に投与する場合があると想定される。
【0131】
実施例:
子宮筋層シナジー試験
方法論:
1Aアンタゴニスト/PDE阻害剤の組合せ治療の子宮筋層収縮性に対する効果は、in vitro 機能臓器浴試験を使用して検討することができる。子宮摘出術を受けている女性より入手した子宮平滑筋(又は、V1A受容体を含有するヒト又は動物の平滑筋調製物)、例えば、子宮摘出術を受けている女性より入手した子宮平滑筋にクレブス緩衝液中37℃で1gの張力をかける(試験によっては、この組織の自発収縮を抑えるために、異なる実験条件、例えば32℃で、あるいは異なる変数でカルシウムを減らして実施する必要があり得ることに留意すること)。各組織においてその生存能力を確認するためにKClに対する収縮応答を得て、今後のデータをこの収縮応答の百分率として表すことができる。次いで、2種類の実験を実施することができる:
1.PDE阻害剤(例、3−エチル−5−{5−[(4−エチルピペラジノ)スルホニル]−2−プロポキシフェニル}−2−(2−ピリジルメチル)−6,7−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン)を単独で、又はV1Aアンタゴニスト(例、SR49059)と組み合わせて投与して、基底の緊張に対する効果を検査する。引き続き、アルギニンバソプレッシン(AVP)に対する濃度依存性の用量応答曲線を作成する。後続のAVP用量応答曲線を解析するときには、基底の緊張におけるあらゆる変化を考慮する。この実験の各部分に適切な調整を含める。
【0132】
2.組織をAVPで収縮させる。定常的な収縮応答に達したときに、単一用量、又はPDE阻害剤に対する濃度応答曲線、V1Aアンタゴニスト又は2剤の組合せを投与することができる。この実験の各部分に適切な調整を含める。
【0133】
【化15】

【0134】
ヒト子宮筋層は、内因性の収縮活性を有する。AVPの存在下で、固有の子宮収縮の回数は、患者で有意に増加する(Akerlund, 1997)。AVPを子宮平滑筋切片上へ ex vivo 投与するとき、子宮収縮の増加も見られる(曲線下面積により測定されるように)。100nMのPDE5阻害剤の存在下ではADP誘発収縮の回数に有意な変化はないが、V1Aアンタゴニストの存在下では、AUCの76%低下がある(患者でも見られる効果(Bossmar et al 1997))。PDE5iとV1Aアンタゴニストを組み合わせて投与するとき、子宮収縮を阻害することに対して顕著な相乗効果がある。アゴニスト(AVP)誘発性の収縮活性がすべて阻害されるだけでなく、基底の子宮筋層収縮の緊張も抑制される。故に、V1AアンタゴニストとPDE阻害剤の組合せが、月経困難症の女性に見られるような子宮筋層の過剰収縮を有効に抑制するだけでなく、基底の子宮筋層緊張を予想外に減少させることが明瞭に証明されている。従って、疾患進行を遅らせる、長期の有益な効果がもたらされる。
【0135】
上記の組合せにより明示される相乗作用により、そのような療法は、最も重篤な症例における効力の増加が含まれる、効力の増加の可能性に加えて、効果をもたらすのに必要とされるそれぞれの個別薬剤の用量を減らすことができて、それにより副作用の機会を減少させるという可能性を開く。さらに、子宮筋層と子宮動脈がその弛緩状態を維持するならば、必要とされる治療の期間の短縮も起こり得る。
【0136】
子宮動脈シナジー試験
動脈シナジー試験の方法論:
前臨床的に、in vitro 機能臓器浴試験を使用して、増加血流に対するPDE5iの効果と子宮平滑筋収縮を抑えるV1Aアンタゴニストの効果を示すことができる。
【0137】
1.子宮摘出術を受けている女性由来の子宮動脈(又は、V1A受容体を含有するヒト又は動物の動脈調製物)にクレブス緩衝液中37℃ではじめは2gの張力をかけて、次いで1gへ再調整する。この組織をフェニレフリンで収縮して、アセチルコリンに対する濃度用量応答曲線を得る。動脈が>60%弛緩するならば、動脈の内皮は、インタクトであるとみなされる。インタクトな内皮のある動脈輪をフェニレフリンで再収縮させて、PDE阻害剤に対する濃度応答曲線を得る。
【0138】
2.子宮摘出術を受けている女性より入手した子宮平滑筋(又は、V1A受容体を含有するヒト又は動物の平滑筋調製物)にクレブス緩衝液(カルシウムを減らした)中32℃で1gの張力をかける(この組織の自発収縮を低下させるには、温度とカルシウムの抑制が必要とされる)。各組織においてその生存能力を確認するためにKClに対する収縮応答を得て、今後のデータをこの収縮応答の百分率として表すことができる。V1Aアンタゴニストを投与した後で、AVPに対する濃度応答曲線を得る。あるいは、子宮筋層シナジー試験の方法論を使用してよい。
【0139】
子宮筋層及び子宮動脈におけるシナジーを検討する臨床試験:
本態性月経困難症に罹患している女性において経口療法を使用して、個別成分と組合せ療法をともに臨床的に試験する。本態性月経困難症の履歴がある12名の女性を活用する、無作為二重盲検プラセボ対照試験において、PDE阻害剤又はV1Aアンタゴニスト(例、SR49059)のそれ自身の効果、又は組合せにおける効果を検証する。実験は、3回の、通常は連続した月経周期の最初の3日以内の3回の場合に実施しなければならない。3次元ドップラー速度測定、2次元色ドップラー(出力ドップラーシグナル強度として測定する)、又は対比増強MRIのいずれかを使用して子宮動脈の血流を測定して、子宮内子宮圧カテーテル(子宮内圧曲線下の面積(AUC)として測定する)の挿入、3次元超音波検査法、又は虚血バイオマーカーのいずれかによって子宮平滑筋収縮を測定する。患者への薬物投与の前及び後の時間間隔で子宮血流と子宮筋層収縮の両方を試験する。下腹部の疼痛も、「痛みなし」〜「最大の痛み」へ段階付ける10cm目視アナログ尺度(VAS)で連続的に記録することができる。
【0140】
8−クロロ−5−メチル−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアゾ−ベンゾ[e]アズレンの合成
製法1:3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボン酸ヒドラジド
【0141】
【化16】

【0142】
ヒドラジン水和物(620μl,20ミリモル)を含有するメタノール(20ml)に3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(1g,4.3ミリモル)(参考文献、Farmaco, 1993, 48(10), 1439 を参照のこと)を溶かし、還流で18時間加熱した。この混合物を室温へ冷やし、減圧で蒸発させた。生じた固形物をプロパン−2−オールで摩砕して、表題化合物(493mg)を白い固形物として得た。
【0143】
APCI MS m/z 221[M+H]
製法2:3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボン酸N’−(2−クロロ−アセチル)−ヒドラジド
【0144】
【化17】

【0145】
製法1のヒドラジド(23.6g,0.11モル)をジクロロメタン(500ml)に懸濁させて、4−メチルモルホリン(17.7ml,0.16モル)を加えた。氷浴を使用してこの混合物を冷やして、塩化クロロアセチル(12.8ml,0.16モル)を滴下した。この反応物を室温へ温めて、3時間撹拌した。生じた固形物を濾過により単離し、ジクロロメタンとジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて、表題化合物(20.4g)を得た。
【0146】
LCMS:m/z ES 297[M+H]
製法3:4−(5−クロロメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル
【0147】
【化18】

【0148】
製法2のヒドラジド(20.4g,69ミリモル)をオキシ塩化リン(150ml)に100℃で4時間懸濁させた。この混合物を冷やして、溶媒を減圧で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶かして、水へ加えた。水層を固体炭酸水素ナトリウムの添加により塩基性にして、相を分離させた。水相を酢酸エチル(x2)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させて、減圧で蒸発させた。単離した材料をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物(15g)をベージュ色の固形物として得た。
【0149】
【化19】

【0150】
製法4:2−アミノメチル−4−クロロ−フェニルアミン
【0151】
【化20】

【0152】
水素化アルミニウムリチウムの氷冷1モル濃度テトラヒドロフラン溶液(100ml)へテトラヒドロフラン(100ml)中の2−アミノ−5−クロロ−ベンゾニトリル(9.0g,59ミリモル)を滴下して、この反応混合物を室温で18時間撹拌した。水(10ml)を滴下した。生じるエマルジョンを硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧で蒸発させて、表題化合物(4.56g)を白い固形物として得た。
【0153】
【化21】

【0154】
製法5:4−クロロ−2−({[5−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルアミン
【0155】
【化22】

【0156】
製法3のオキサジアゾール(4.56g,16ミリモル)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液へ製法4のアミン(6.4g,41ミリモル)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を加えて、この混合物を50℃まで18時間加熱した。この反応混合物を減圧で蒸発させて、ジクロロメタン中メタノール(5:95)を溶出液として使用するシルカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を精製して、表題化合物(4.65g)を白い固形物として得た。
【0157】
【化23】

【0158】
製法6:8−クロロ−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
【0159】
【化24】

【0160】
製法5のオキサジアゾール(4.65g,12ミリモル)の溶液へトルエン−4−スルホン酸(100mg,0.58ミリモル)を加えて、140℃まで18時間加熱した。この混合物を冷やし、ジクロロメタン中メタノール及び水酸化アンモニウム(5:0.5:95)を溶出液として使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.0g)をオフホワイトの固形物として得た。
【0161】
【化25】

【0162】
実測値;C,59.90;H,5.48;N,20.50;C2021Cl・0.33CHClの理論値;C,59.72;H,5.34;N,20.55%.
【0163】
実施例1:8−クロロ−5−メチル−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン三塩酸塩
【0164】
【化26】

【0165】
製法6のアミン(200mg,0.53ミリモル)のジクロロメタン(5ml)溶液へホルムアルデヒド(37%(w/v)水溶液、0.1ml,1.2ミリモル)を加えた。この混合物を室温で0.25時間撹拌した後で、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(500mg,2.4ミリモル)を加え、この反応混合物をさらに18時間撹拌した。この反応混合物を2N水酸化ナトリウム水溶液(10ml)とジクロロメタン(10ml)の間に分画した。有機層を減圧で蒸発させ、ジクロロメタン中メタノール(5:95)を溶出液として使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。残渣をジクロロメタン(2ml)に溶かし、塩酸(ジエチルエーテル中1M,2ml)を加えた。溶媒を減圧で蒸発させて、表題化合物(96mg)を茶褐色のフォームとして得た。
【0166】
【化27】

【0167】
実測値;C,44.30;H,5.52;N,14.65;C2123Cl・0.33CHCl・3HCl・2.5HOの理論値;C,44.37;H,5.53;N,14.53%.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)PDE阻害剤又はその医薬的に許容される誘導体と(B)バソプレッシン受容体ファミリーアンタゴニスト又はその医薬的に許容される誘導体の組合せの、月経困難症の治療用医薬の製造における使用。
【請求項2】
請求項1に定義される組合せの、月経困難症の治療への使用。
【請求項3】
請求項1に定義される(A)及び(B)の組合せの、月経困難症の治療における(A)及び(B)の同時、連続、又は分離投与による組合せ療法用医薬の製造への使用。
【請求項4】
(A)がPDE5阻害剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
PDE5阻害剤が:
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、DA−8159、及び5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンより選択される、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
(B)がV1a受容体アンタゴニストである、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
(B)が、SR49049(Relcovaptan)、アトシバン(Tractocile(登録商標))、コニバプタン(YM−087);OPC21268、及び8−クロロ−5−メチル−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアゾ−ベンゾ[e]アズレン、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物より選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
月経困難症が本態性月経困難症である、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
月経困難症が続発性月経困難症である、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
続発性月経困難症が、子宮平滑筋腫又は子宮内避妊用具のような、増加した子宮緊張の結果である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
月経困難症を治療するときの同時、分離、又は連続使用のための組合せ調製物として請求項1〜7に定義される(A)及び(B)を含有する医薬品。
【請求項12】
請求項1〜7に定義される(A)及び(B)の有効量の混合物を医薬的に許容される担体と随意に一緒に含んでなる、予防的にか又は疼痛が始まったときのいずれかで投与するための医薬組成物。
【請求項13】
月経困難症を治療する方法であって、一緒になって有効である、請求項1〜7に定義される(A)及び(B)の量をそのような治療の必要な対象へ投与することを含んでなる、前記方法。

【公表番号】特表2006−527257(P2006−527257A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516506(P2006−516506)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001848
【国際公開番号】WO2004/108138
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】