説明

有価シートを払い出す方法、および有価シート取扱い装置

【課題】積重ね収納部から正しくない状態で供給された紙幣を認識し、それに適切に対処することにより、使用者への誤った支払いを防止し、取扱い装置のつまりを防止する。
【解決手段】取扱い装置が使用中でない時間に補充を予定するとともに、取扱い装置によって実行された取引および取引が行なわれた時間の記録を維持し、補充を予定する最適の時間を判断する工程含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン、小切手、および紙幣などの価値のあるシート(有価シート)の取扱いに関し、それらのシートは本明細書で単に「紙幣」と呼ばれる。特に、本発明は、紙幣の収納部からの紙幣を払い出す方法、およびその方法を実現する有価シート取扱い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣が両替機または自動販売機などの自動払い出しをする目的で収納される場合、複数の異なるタイプの収納が使用される可能性があり、そのタイプは意図される収納の目的に依存する。
【0003】
収納の1つの形式では、紙幣が積重ねて収納され、そこでは、紙幣が重畳される。この配置は、コンパクトなので有利であるが、紙幣の摩擦および/または汚れにより、最も上にある紙幣が積重ねから払い出される場合、複数の紙幣が払い出される可能性がある欠点を持っている。
【0004】
そのような収納は、当分野でよく知られており、たとえば欧州特許出願第323656号および欧州特許出願第244075号に記載されている。参照を容易にするために、このタイプの収納部は、本明細書で「積重ね収納部(スタッカー)」と呼ばれる。
積重ね収納部から複数の紙幣が払い出されるのを最小限に抑えるため、収納部に組み込まれるいくつかの機構が提唱されている(たとえば、欧州特許出願第244075号を参照されたい)。しかし、こうした機構は、存在しない可能性があり、また存在するとしても完全に効果的なものでない可能性がある。
【0005】
紙幣取扱い装置は、使用者から紙幣を受け入れ、紙幣を収納し、使用者に紙幣を払い出す。そのような取扱い装置は、複数の用途を有するが、一般的には自動販売機などの自動取引処理用に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願第323656号
【特許文献2】欧州特許出願第244075号
【特許文献3】欧州特許出願第321408号
【特許文献4】欧州特許出願第321904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
紙幣を払い出すために紙幣取扱い装置に積重ね収納部が使用される場合、積重ね収納部から正しい状態でなく供給(ミスフィード)された紙幣を認識し、それに適切に対処することが必要である。これにより、使用者への誤った支払いを防止し、取扱い装置のつまりを防止することができる。
【0008】
紙幣が積重ね収納部からミスフィードされる少なくとも2つの形がある。それは第1に、2つ(またはそれより多く)の紙幣が収納から払い出されそれらが重畳される場合であり、第2に、2つ(またはそれより多く)の紙幣が収納から払い出され、少なくとも1つの紙幣が別の紙幣に部分的に重なる場合である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の側面によれば、本発明は、部分的に重なる紙幣を重畳する手段を含む紙幣取扱い装置に及ぶ。重畳された(実質上全体的に重なっている)紙幣は、部分的に重なる紙幣よりも容易に収納し、移送することができる。部分的に重なる紙幣を重畳する手段はさらに、たとえば紙幣のバンドラ(束ね器)に、またはそこから移送中に、滑りによって束の位置ずれが生じて部分的に重なる紙幣を紙幣の束に重畳するのに利用することができる。
重畳手段は、ストッパおよび押し当て手段を備えることができ、そこでは押し当て手段が紙幣を重畳するためにストッパに押し当てる。
【0010】
部分的な重なりがまったくないように紙幣を重畳させることが望ましいが、その他の設計上の問題により、これは必ずしも可能なことではないかもしれない。紙幣の束をより容易に収納し、移送できるように、重なりの程度が低減されることが重要である。
紙幣が収納(積重ね収納部など)からミスフィードされた場合、紙幣を使用者に払い出すことができず、したがってミスフィードされた紙幣を収納することが望ましい。
さらなる態様によれば、本発明は、紙幣が払い出される第1の紙幣の収納部と、第1の収納部から紙幣が誤って払い出された場合に判断する手段と、重畳された紙幣を収納するための第1の収納部および第2の収納部から誤って払い出された紙幣を重畳する手段とを備える紙幣取扱い装置に及ぶ。
【0011】
紙幣が第1の収納部から誤って払い出された場合に判断する手段は、部分的に重なる紙幣が、たとえば、払い出された紙幣の長さを測定することによって、第1の積重ね収納部から払い出されたかどうか判断する手段を含むことができる。
紙幣が第1の収納部から誤って払い出された場合に判断する手段は、重畳された紙幣が第1の積重ね収納部から払い出されたかどうか判断する手段を含むことができる。重畳された紙幣が第1の収納部から払い出される場合、第2の収納部に貯える前にそれを重畳させる必要はない。
【0012】
第2の収納部はさらに、使用者によって供給される、偽造と認識される紙幣を収納することができる。第2の収納部は、着脱可能な積重ね収納部であることができ、それは紙幣を受け取るが取扱い装置内に装着されても紙幣を払い出さないようになされるようにすることができる。そのような収納は、当分野で知られており、本明細書では「キャッシュ・ボックス」と呼ばれる。キャッシュ・ボックスは、それが取扱い装置から紙幣を受け取ることができるような構造であり、取扱い装置から取り外された後、収納された紙幣が権限を与えられた者によってのみアクセスできるような追加のセキュリティ機能を有している。
【0013】
別のタイプの紙幣の収納部は、それが紙幣取扱い装置に装着される場合、紙幣を受け取り、収納し、払い出すことができるように配置される。そのような収納の特定の例では、紙幣は支持部材に順次に配列され、その支持部材は、たとえば螺旋状に巻かれることができる。この配列は、一度に1枚ずつ紙幣が払い出されるようにするが、上述の積重ね収納部よりも単位体積当たりにより少ない紙幣しか収納することができない。この収納部は、収納の中の任意の特定の紙幣にアクセスできるようにもして、異なる額面の紙幣を要求に応じて収納し、払い出すことができるようにする。このような収納は、当分野で良く知られており、たとえば欧州特許出願第321408号に記載されている。参照を容易にするために、自動的に個々の紙幣によって補充し、個々の紙幣を払い出すことができるこのような収納部は、本明細書で「リサイクラ」と呼ばれる。
【0014】
紙幣を受け入れ、収納し、払い出し、使用者から紙幣を受取り、使用者に払い出される紙幣を収納するリサイクラを備える、紙幣取扱い装置を提供することが提唱されている。
取扱い装置の動作中に、紙幣が受け取られ、払い出されると、たとえば、紙幣がつり銭として払い出されたことによって、払い出される紙幣の収納部を補充することが必要になる。この作業は、取扱い装置を定期的に立ち寄る管理者(ルートパーソン)によって行われる。リサイクラを使用して取扱い装置を補充することが可能であってもよいが、この収納部の容量がより大きいことにより、管理者が取扱い装置に立ち寄ることが求められる回数が減るので、これを積重ね収納部として供給することが好ましい。
【0015】
本発明の別の側面は、第1および第2の紙幣の収納部を備える紙幣取扱い装置に拡大し、第1の紙幣の収納部は、使用者に紙幣を払い出し、使用者から受け取った紙幣を収納するのに使用され、第2の積重ね収納部は、第1の紙幣の収納部に再供給するのに使用される。
【0016】
第1の収納部は、リサイクラであることができる。
「ペイアウト(支払い部)」は、紙幣を払い出すようになされている積重ね収納部であるが、取扱い装置に装着された場合、紙幣を受け取らない。ペイアウトは、しばしば、ルート・パーソン(または権限を与えられていない者)により、収納された紙幣が、取扱い装置に装着された後で取扱い装置に送られる紙幣を除いて、アクセスされるのを防止する、追加のセキュリティ機能を有する。
【0017】
第2の紙幣の収納部は、好ましくはペイアウトである。
その他の積重ね収納部と共通して、ペイアウトは、一度に複数枚の紙幣がそこから払い出される可能性があり、過払いになる可能性がある欠点を持っている。
したがって、取扱い装置は、第2の収納部から複数の紙幣が払い出されたかどうか判断する手段を備えることができ、それによって、第1の収納部を再供給するために第2の収納部が使用される場合、一度に1枚の紙幣のみが第1の収納部に送られるようにする。
取扱い装置は、第2の収納部によって第1の収納部に供給される紙幣を認証し、額面を識別する手段を備えることができる。次いで、第1の収納部の内容が分かり、第2の収納部の払い出し量が評価される。
【0018】
この技術を使用することにより、装置は、第2の収納部からの紙幣が払い出しに適している(すなわち、ミスフィードされたものでなく、または間違った額面のものではない)ことを証明するように動作可能であり、それに続く払い出しのために第1の収納部に送られ、したがって従来技術の収納部の問題を回避する。
【0019】
第2の収納部に収納された紙幣を用いた第1の収納部の再供給は、取扱い装置が取引に対処していない間(すなわち「ダウン・タイム」中)、たとえば、使用者がほとんど、または全くいない夜間、または第2の収納部が装着された直後に行なうことができる。これが行われる時間は予定可能である。これは、取引中に紙幣を認証し、および/または紙幣が使用者に払い出されるときにミスフィードされたかどうか調べることに時間を費やす必要がなく、本発明の利点を達成することができる。
【0020】
第1の収納部の内容が分かったとき、第1の収納部にある紙幣が所定の数よりも少ない場合に、第1の収納部への紙幣の再供給が遂行できる。
第2の収納部から第1の収納部に供給される紙幣を認証し、額面を識別する手段は、使用者から受け取った紙幣を認証し、額面を識別することもできる。
紙幣を認証し、額面を識別する手段は、重畳された紙幣が払い出されたかどうか判断することによって、第2の収納部から複数の紙幣が払い出されたかどうか判断するようになされることができる。
【0021】
取扱い装置は、第2の収納部から不正確に払い出された(たとえば、一度に複数の紙幣が払い出された場合の)紙幣を収納する第3の収納部を備えることができる。取扱い装置はさらに、部分的に重なる紙幣を重畳する手段を含むことができる。紙幣は、第3の収納部に収納される前に好ましくは重畳される。第3の収納部はさらに、使用者から受け取った、偽造と認識された、紙幣を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の紙幣取扱い装置の概略図である。
【図2】図1の取扱い装置で使用する移送部の詳細の斜視図である。
【図3】図2の移送部の詳細の側面図である。
【図4A】移送部、バンドラ、およびキャッシュ・ボックスの詳細を示す、図1に示された取扱い装置に装着された移送部の別の実施形態の斜視図である。
【図4B】移送部の様々な構成を示す、図4Aの移送部の側面図である。
【図4C】移送部の様々な構成を示す、図4Aの移送部の側面図である。
【図4D】移送部の様々な構成を示す、図4Aの移送部の側面図である。
【図4E】移送部の様々な構成を示す、図4Aの移送部の側面図である。
【図5】動作の第1のモードを示す図2の移送部の詳細の概略側面図である。
【図6A】移送部の動作の第2のモードを示す図2の移送部の詳細の概略側面図である。
【図6B】移送部の動作の第2のモードを示す図2の移送部の詳細の概略側面図である。
【図7A】移送部の別の動作モードを示す、図2の移送部の端面図である。
【図7B】移送部の別の動作モードを示す、図2の移送部の端面図である。
【図7C】移送部の別の動作モードを示す、図2の移送部の端面図である。
【図7D】移送部の別の動作モードを示す、図2の移送部の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施する装置を、添付の図面を参照して、例として説明する。
図1は、リサイクラ12、ペイアウト14、およびキャッシュ・ボックス16を備える紙幣取扱い装置10の概略図である。取扱い装置10はさらに、紙幣入口20、位置調整装置22、認証装置24、移送部26、バンドラ28、および紙幣出口31を備える。
【0024】
認証装置24は、そこを通過する紙幣を認証し、額面を識別するように働く。そのような認証装置は、当分野で良く知られており、示される実施形態で使用される1つは、欧州特許出願第321904号に記載されているタイプのものである。移送部26は、図2から7を参照してさらに詳細に説明される。
【0025】
移送部26は、紙幣を1つの位置から別の位置に運ぶ、図1に示された唯一の手段であるが、取扱い装置10は、当分野でよく知られた多くのその他の移送手段を備えることが理解される。ただしここでは、1つの位置から別の位置に紙幣を移動させるものとして示されていない。
【0026】
取扱い装置10の動作は、制御装置37によって制御される。制御装置37は、紙幣が認証に不合格になり、または認証に合格するとどの動作を取るかを判断し、紙幣の収納部のリサイクラ12、ペイアウト14、およびキャッシュ・ボックス16(様々な紙幣の収納部による、紙幣による払い出しおよび紙幣の受け取り)の動作を制御する。制御装置37は、取扱い装置10の様々な位置の間の紙幣の移送も制御し、同時に位置調整装置22、認証装置24、移送部26、およびバンドラ28の動作も制御する。
【0027】
紙幣取扱い装置の動作中に、使用者は、入口20の中に紙幣を挿入し、紙幣は通路40に沿って通過し、位置調整装置22に行き、その位置調整装置は、紙幣が通路42に沿って通過して認証装置24に行く前に、正確な向きを有するようにする。認証装置24は、紙幣が有効であるかそうでないか判断する。紙幣が有効でない場合、通路44に沿って移送部26に運ばれる。次いで、紙幣は、通路46に沿って使用者に戻されるか、別の動作モードでは、以下に論じられるように、通路48を通ってキャッシュ・ボックス16に転送される。国によっては、偽造紙幣を保管することが法的要件とされている。
【0028】
紙幣は、認証を通過すると、通路50に沿って運ばれ、リサイクラ12に収納され、または移送部26および通路48を通ってキャッシュ・ボックス16に送られる。制御装置37は、認証された紙幣をどこに収納するか判断し、リサイクラ12がその特定の額面の紙幣を必要とすると判断すると、リサイクラ12のみに送る。制御装置37は、その額面の紙幣が必要であるかどうか判断するために、リサイクラ12の中に収納され、またリサイクラ12から払い出される紙幣の記録を保持することが理解される。
【0029】
紙幣は同様に、取扱い装置の要求にしたがって、通路54、52、44、および46を通ってリサイクラ12から使用者に払い出される。たとえば、取扱い装置が自動販売機の一部分として働く場合、取扱い装置は、支払いとして紙幣を受取り、つり銭として紙幣を払い出す。したがって、つり銭に関して適切な額面で十分な紙幣が利用できるようにするために、取扱い装置の紙幣の供給を補充することが必要になる。
【0030】
ルート・パーソンは、取扱い装置10に定期的に立ち寄り、紙幣を予め装填したペイアウト14を配給し、空の、または部分的に空のペイアウトを取り外す。ルート・パーソンは、キャッシュ・ボックスも取り外し、それを空のキャッシュ・ボックスと取り替える。ペイアウト14は、ルート・パーソンが収納された紙幣にアクセスできないが、挿入された後に、収納された紙幣が取扱い装置10に利用可能になるようにする、追加のセキュリティ機能を備える。ペイアウト14は、取扱い装置10に挿入された後、リサイクラ12を以下のように補充するために使用される。
【0031】
紙幣は、通路54に沿ってペイアウト14から払い出される。2つのセンサ30および32が、通路54に沿って配置される。センサ32は、紙幣が通路54に沿って移動すると、その前縁部を検出し、センサ30はその後縁部を検出する。
【0032】
センサ30と32の間の距離は既知であり、したがって制御装置37は、ペイアウト14から払い出された紙幣の長さを計算する。制御装置37は、センサ30および32によって出された測定値を紙幣の予測される長さと比較する。測定された長さが予想される長さを超える場合、制御装置37は、部分的に重なる紙幣が払い出されたことを判断する。
【0033】
通貨は、その特徴が様々である。米ドルなど、通貨によっては、全ての紙幣が同じ寸法を有するのに対し、ユーロなどのその他の通貨は、異なる額面の紙幣に対して異なる寸法を用いている。
【0034】
取扱い装置10が全て同じ寸法の紙幣に対処する場合、異なる紙幣の額面に対して、改造が全く必要にならない。しかし、取扱い装置が額面によって寸法が異なる紙幣に対処している場合、制御装置37は、ペイアウト14から払い出された紙幣の長さを知らされる必要がある。
【0035】
この実施形態では、図示のペイアウトは、電子タグ(図示せず)を備え、その電子タグは、ペイアウト14に収納された貨幣、および紙幣の額面を識別するために制御装置37と連絡する。取扱い装置10は、紙幣の各寸法ごとに1つ、別のペイアウト(図示せず)を備える。このペイアウトのそれぞれは、ペイアウト14を参照して説明される様式で取扱い装置10と共に動作することが理解される。
【0036】
上記に示し、論じた装置は、部分的に重なる紙幣が払い出されたかどうか判断するために、払い出された紙幣の長さを測定するが、その他の寸法の測定も可能であり、適切な測定は、積重ね14での紙幣の向き、およびこれらがその積重ねから払い出される様式に依存することが理解される。
【0037】
通路54は、通路52に通じ、次いで、紙幣はこの通路に沿って認証装置24に送られる。部分的に重なる紙幣がペイアウト14から払い出されたことが判断される場合、制御装置37は、示される実施形態では認証装置24と一体であるゲート60を操作して、部分的に重なる紙幣を通路44に沿って移送部26に送り、移送部26は、部分的に重なる紙幣を(下記に示すように)通路48に沿ってキャッシュ・ボックス16内に転送する。これは、紙幣を認証または額面を識別せずに行われる。
【0038】
払い出された紙幣の長さが予測される値と一致すると、制御装置37はゲート60を操作し、紙幣が通路42に沿って位置調整装置22に運ばれ、そこで紙幣が位置調整され、次いで通路42に沿って認証装置24にもどるようにする。認証装置24は、紙幣の光反射および伝達特性を測定することによって紙幣を認証し、額面を識別する。ペイアウト14から払い出された紙幣にこれらの測定を行なうことによって、認証装置は、1枚の紙幣を確証し、額面を識別するのに加えて、重畳された紙幣が払い出されたかどうか判断することができる。
【0039】
認証装置24が、重畳された紙幣がペイアウト14から払い出されたと判断すると、その紙幣は移送部26に送られ、その移送部はそれをキャッシュ・ボックス16内に転送する。
【0040】
キャッシュ・ボックス16は、取扱い装置から紙幣を受け取り、紙幣を払い出さないようになされる。キャッシュ・ボックスは、一杯になると、管理者によって取り外され、したがって管理者が権限を与えられない限り、収納された内容にアクセスできないようにするセキュリティ機能を備える。
【0041】
ペイアウト14から1枚の紙幣が払い出されたと制御装置37が判断すると、制御装置37によって額面が判断され、記録され、紙幣は通路52に沿って通過し、リサイクラ12に着く。
【0042】
この手順は、ペイアウト14から受け取った、リサイクラ12に収納されたどの紙幣も認証されるようにし、複数の紙幣がペイアウト14から誤って払い出されると、その紙幣はリサイクラ12ではなくキャッシュ・ボックス16に収納される。認証装置24がペイアウト14から受け取った紙幣を認証し、または額面を識別することができない場合、紙幣はキャッシュ・ボックス16に送られる。
【0043】
制御装置37は、リサイクラが補充されるまで、またはペイアウトが空になるまでこの過程を継続する。
【0044】
これは、払い出す前に紙幣を認証し、または額面を識別する必要なしに、リサイクラ12に収納された紙幣が、通路54、44、および46に沿って使用者に直接的に払い出されることもできるようにする。
【0045】
リサイクラ12を補充するためにペイアウト14を使用することは重要な利点を有するが、リサイクラ12にペイアウト14から1枚の紙幣だけが送られるようにする過程は、いくらかの時間を費やし、これを取引のときに行なうのは不利である。したがって、制御装置37は、時計装置(図示せず)を備え、取扱い装置が取引の遂行に使用されていない時間に補充を予定するように設定される。これは、取扱い装置が行なう特定の取引によって異なるが、一般に夜間あるいは早朝になる。
【0046】
補充を行なうのに最適の時間を判断するには、制御装置37は、全ての過去の取引およびそれが行なわれた時間の記録を保持する。この記録を分析することによって、制御装置は、取扱い装置の使用が最も少ないのがいつか判断し、この間に補充を予定する。これは週のそれぞれの日の同じ時間でなくてもよく、したがって、制御装置は、異なる日の異なる時間に補充を予定できることが理解される。
【0047】
制御装置は、特定の時間に補充を設定するように手動で調整することもできる。
さらに、制御装置37は、リサイクラ12によって収納され、リサイクラ12から払い出された紙幣を監視するので、リサイクラ12に収納された特定の額面の紙幣が所定の数より少ない場合、またはつり銭を払い出すリサイクラの能力が、特定の額面の紙幣が不足したことにより影響を受けると補充が行われるように設定することができる。
【0048】
別の実施形態では、制御装置37は、ペイアウト14が挿入されるとすぐにペイアウト14からリサイクラ12に補充する。
【0049】
前述したように、制御装置37は、取扱い装置10によって実施された取引の記録、およびリサイクラ12に収納された紙幣の記録を保持する。この情報は、たとえばコンピュータ・ネットワーク(図示せず)によってルート・パーソンに連絡される。
【0050】
ある通貨の紙幣は、(クーポンなどのその他の有価シートがそうであるように)異なる額面に対して同じ寸法を有する。取扱い装置がそのような紙幣と共に動作する場合、ペイアウト14は、異なる額面の紙幣によって満たすことができる。
【0051】
リサイクラ12の内容は、特定の額面の紙幣に対する要求を反映することができる。これが行われる場合、ペイアウトは、補充が行われる場合、これらの紙幣をリサイクラ12に迅速に搬送できるように、要求される額面によって上部を満たされる。これができる限り迅速に行われるようにするために、制御装置37は、ペイアウト14が装着されるとすぐに補充が行われるように設定する。
【0052】
異なる寸法を有する紙幣を収納することができる紙幣の収納部が、ペイアウト14に代わりに使用することができる。
【0053】
制御装置37は、リサイクラ12およびペイアウト14を空にし、キャッシュ・ボックス16にそれらの内容を収納することもできる。次いでキャッシュ・ボックス16は、取り外され、金庫などの安全な収納場所の中に配置することができる。これは、取扱い装置10が安全でない環境に置かれ、たとえば夜間などに警備されないままにされる場合、特に有利である。
【0054】
図2は、図1の取扱い装置10で使用される移送部26を示す。移送部26は、複数のローラ72a、72b、72c、および72dが第1の側に取り付けられる可動シャーシ70を備え、対応する対置されるローラ74a、74b、74c、および74d(図示せず)が、反対側に取り付けられる。図2に部分的に詳細に示されたベルト76および78が、それぞれのローラ、72a、72b、72c、および72d、ならびに74a、74b、74c、および74dと係合し、ローラが回転すると紙幣を運ぶように働く。
【0055】
移送部26はさらに、非可動シャーシ80を備える。レバー82、84、86、および88は、たとえば、点90で可動シャーシ70に連結され、点92で非可動シャーシ80に連結されたレバー84を使用して可動シャーシ70を非可動シャーシ80に連結し、レバー82は、同様に点92で非可動シャーシに連結され、点94で可動シャーシに連結される。レバー86および88は同様に、非可動および可動シャーシに取り付けられている。図2には示されていないが、シャフトはレバーを可動シャーシに連結する。
【0056】
ローラ120および122は、非可動シャーシ80に取り付けられている。ベルト121および123(図4を参照されたい)は、それぞれのローラ120および122と係合し、紙幣が、移送部26の1つの側でベルト76と121の間で挟持され、反対側でベルト78と123の間で挟持されることによって移送される。
【0057】
移送部26は、パンタグラフ102に連結されたピストン100も備える。
図2および3に示されるように、パンタグラフ102は、コグ(歯を備えた部材)108を有するアーム106が取り付けられたクロス・バー104を備える。コグ108は、歯車110と係合する。歯車110は、駆動シャフト112に配置され、そのシャフトは、それぞれのレバー82および86の凹部116および118に配置される2つのカム114も備える。カム114のうちの1つが図3に示される。
【0058】
駆動シャフト112が回転すると、歯車110が回転し、それによって、回転の方向によりアーム106を非可動シャーシ80に対して(図3を参照した場合)上下に移動させる。これによって、ピストン100が上昇しまたは下降する。
【0059】
図4Aは、図1に示された紙幣取扱い装置10に装着された移送部27の別の実施形態を示す。キャッシュ・ボックス16の一部分が、フレーム163と、紙幣の積重ねを支持し、紙幣の積重ねの高さに応じてフレーム163に対して移動する圧力プレート167とを備えて示される。
【0060】
移送部27は、ベルト76に張力を持たせるように働く、非可動シャーシ80に取り付けられた追加のローラ72eを加えることで、図2および3に示された移送部26とは異なるものになっている。対応するローラ74eが移送部27の反対側に設けられる(この図では見えない)。紙幣バンドル160がベルト76および121によって係合される。
【0061】
移送部27は、機能的に移送部26と異ならず、特別に述べない限り、全ての開示は、両方に等しく適用されることが理解される。同様の数字が同様の要素(feature)を示すのに使用される。
【0062】
図4Aに、移送部27から紙幣を受け取り、移送部27に紙幣の束を提供するバンドラ28も示される。ダイバータ57は、紙幣をバンドラ28に送り、もしくはそこから送り、または出口31に送るために制御装置37によって動作される。
【0063】
移送部27は、それぞれが異なる動作モードに対応する、3つの構成を有する。駆動シャフト112の回転は、構成の間で移送部27を移動させる。これは、図4Bから4Dを参照して説明される。
【0064】
図4Bおよび4Cは、移送部27、バンドラ28、およびキャッシュ・ボックス16の側面図であり、第1の構成で移送部を示す。この構成では、アーム106はレスト・ポジション(休止位置)にあり、可動シャーシは、ベルト76および121(および図示しないが、ベルト78および123)が互いに接触するように、ローラ72b、72c、および72d(図示しないが、ローラ74b、74c、および74dも同様に)配置されるような位置にある。
【0065】
各ローラ72b、72c、72d、74b、74c、および74dは、ばね(図示されない)によって下方に付勢されるが、これらのばねの作用に逆らって上方に移動する。その結果、移送部27が図4Bに示されるような構成にあるとき、紙幣の束と同様に1枚の紙幣を移送することができ、上方のローラへのばねによって与えられる付勢によってさらなる高さの束が受け入れ可能になり、一方で上方のベルト76および78が束を移送するために十分な力によって束の上方の紙幣を係合するようにする。
【0066】
図4Cは、移送部27が紙幣の束を移送する場合の、上方のローラ72b、72c、および72dの配置を示すが、束は示されていない。アーム106は図4Bに示される構成に対して移動していない。
【0067】
図4Dは、カム114がそれぞれの凹部116および118の中で回転し、それによって点94が点92に対して持ち上がるように、駆動シャフト112が回転された場合の移送部27の第2の構成を示す。これによって、可動シャーシ70が点92に対して回動し、ローラ72dを下降させ、ローラ72a、72b、および72cを上昇させる。可動シャーシの当接部124が非可動シャーシ80のプレート81と接触するようになるまで、可動シャーシ70は点92の周りで回動し続ける。
【0068】
制御装置37は、当接部124がプレート81と接触するようになる点で可動シャーシの動作を停止させる。図示の実施形態では、これは所定の回転の間で駆動シャフト112を回転させることによってなされる。別の実施形態では、移送部27は、当接部124がプレート81と接触するようになる場合に感知するセンサを備える。
【0069】
取扱い装置10は、その動作位置でここに示されるストッパ150も備える。これは、図6を参照して以下に論じられる。
【0070】
図4Eは移送部27の第3の構成を示す。駆動シャフト112が回転し続けると、凹部116および118の中の回転カム114が当接部124とプレート81の間で接触して、可動シャーシ70を当接部124とプレート81の間の接触点の周りで回動させ、それによって可動シャーシ70が図4Eに示された配置に達するまでバック・ローラ72dを上方に移動させる。この駆動シャフト112の連続する回転によってピストン100の下降も行われる。
【0071】
駆動シャフト112の回転によって、移送部27は、図4Bから4Eに示される構成の間で移動できる。
【0072】
可動シャーシ70が上昇および下降できるように、レバー82および84が非可動シャーシ80に対して移動できるようにするために点94でロスト・モーションが可能になる。
【0073】
上記の議論では、移送部の一方の側に配置されたローラ72b、72c、72d、および120に最初に参照がなされた。上述の付属装置および表現は移送部の他方の側に取り付けられたローラ74および122にも適用される。
【0074】
次に図5から7を参照して、移送部の動作が説明される。
移送部は、次の動作モードを有する。第1のモードでは、図4Bおよび4Cに示された構成に対応して、ピストン100がレスト・ポジションにあるとき、移送部は、1枚の紙幣を通路46および出口31を介して使用者に、またはバンドラ28に移送するように動作する。このモードでは、移送部は、バンドラ28から紙幣の束も受け取り、その束を使用者に搬送する。
【0075】
第2のモードでは、図4Dに示される第1の構成に対応して、移送部26は、ストッパ150に束を押し当てることによって部分的に重なる紙幣を重畳させるように働く。
【0076】
第3のモードでは、図4Eに示された第1の構成に対応して、移送部26は、キャッシュ・ボックス16に重畳された紙幣の束(または1枚の紙幣)を搬送するように働く。
【0077】
図5は、ピストン100がレスト・ポジションにある(第1の動作モード)時の移送部26を示す。この位置では、ローラ72b、72c、および72d、ならびにローラ120は、移送部26がローラの回転方向に応じて、方向140または142に紙幣200を運ぶように配置される。この構成では、移送部26は通路46および出口31(図1)を介して使用者に1枚の紙幣を運ぶ。
【0078】
取扱い装置10は、移送部26から個々の紙幣を受け取り、つり銭が1度の動作で使用者に払い出されることが可能なようにそれらを束に配置するバンドラ28を備える。移送部26は、対応するローラ72b、72c、および72dに取り付けられ、ローラ72b、72c、72dを下方に付勢するばね73b、73c、および73dを備える(図示されないが、ローラ74も同様に付勢される)。したがって、図5に示されるモードでは、移送部は1枚の紙幣をバンドラ28に送ることができ、通路56を介してバンドラ28から紙幣の束を受け取り、束を使用者に送る(同様に、1枚の紙幣を使用者に移送する)。ばね73b、73c、および73dは、ベルト76および78が1枚の紙幣と係合し、また紙幣の束と係合するようにする。
【0079】
図6Aおよび6Bは、移送部26の第2の動作モードを示し、それは移送部が図4Dに示される構成にあるとき行われる。
【0080】
センサ30および32が部分的に重なる紙幣が収納部14から払い出されたことを示すと、制御装置37は、駆動シャフト112の回転を操作して移送部26をこの構成に配置する。制御装置37は、紙幣の束がバンドラ28から受け取られた場合、および滑りによって束の位置ずれが生じた場合にも移送部26をこの構成に配置する。
【0081】
取扱い装置10は、紙幣の移動を遮断する(図4D、6Aおよび6Bに示される)動作位置と、紙幣を出口31に移動できるようにする非動作位置との間で移動可能であるストッパ150を備える。
【0082】
図1を参照すると、ストッパ150は、取扱い装置10の紙幣の出口31の近くに配置される。ストッパは、動作位置にあるとき紙幣の通路46が遮断されるような寸法にされる。これは、取扱い装置10に異物が挿入されるのを防止する。損傷と盗難の危険を減らすために、制御装置37は、紙幣が使用者に払い出されない限りストッパ150を動作位置に維持する。
【0083】
移送部26が積重ね14から払い出された部分的に重なる紙幣の束160を受け取ると、制御装置37は、ストッパ150を動作位置に移動させる。
【0084】
最初に、ローラ72dは束160の最も上の紙幣に係合し、この紙幣がストッパ150に当接するまで移動させる。ローラ72dは、部分的な重なりに応じて1つまたは2つの様式で紙幣を重畳させるように、束の紙幣に作用する。
【0085】
最も上の紙幣が(紙幣が運ばれる方向に関して)後縁部で下にある紙幣に部分的に重なると、下にある紙幣は、それがストッパに当接するまで摩擦によって最も上の紙幣と共に運ばれる(摩擦によって運ばれない場合、下にある紙幣は、下記の様式で運ばれる)。下にある紙幣は、ストッパによって定位置に保持され、最も上の紙幣に接するローラ72dの動作は、紙幣の間の摩擦を克服し、2つの紙幣が重ねられるまで、最も上の紙幣が下にある紙幣に対して移動する。
【0086】
最も上の紙幣が前縁部で下にある紙幣に部分的に重なると、ローラ72dは、最も上の紙幣に作用し、それがストッパ150に当接するまで移動させる。ローラ72dとストッパ150の間の距離は、最も上の紙幣がストッパ150に当接した後、ローラ72dが次に下にある紙幣と係合し、それがストッパに当接するまで移動させるように設定される。最も上の紙幣はストッパ150によって定位置に保持され、そうすることで下にある紙幣が最も上の紙幣に対して移動する。この過程は、束160で連続する部分的に重なる紙幣のそれぞれに対して繰り返される。ばね73dは、ローラ72dが束160の連続する紙幣と係合するようにする。
【0087】
このようにして、ローラ72dは、束160を重畳させるように連続する部分的に重なる紙幣に作用する。
【0088】
移送部26は、ローラ72dの近くに配置された光トランスミッタ、および対応するセンサ(図示せず)を備え、移送部内に導入された紙幣がセンサへの光を妨げ、それによって検出できるようにする。トランスミッタおよびセンサは、制御装置37に接続され、そうすることで制御装置37は、紙幣が重畳されたか否かを判断することができる(紙幣があることは、それらが全く整列されていないことを示す)。トランスミッタおよびセンサは、バンドラ28から移送部26によって受けられた紙幣の束が滑りによって位置ずれしたかどうか判断するようにも働く。
【0089】
制御装置37が、センサの読み取りから紙幣の部分的な重なりの程度があまりにも大きいと判断すると、制御装置は移送部26を(以下に論じる様式で)操作して、部分的に重なる紙幣をまず重畳させるように試みずに、キャッシュ・ボックス16に直接的に送る。
【0090】
いくつかの通貨の紙幣は、その額面によって異なる寸法を有する。全ての紙幣を受け入れることができるように、ストッパ150とローラ72dの間の距離は、取扱い装置10が対応する可能性のある最も大きな紙幣の長さよりもわずかに長い。したがって、最も大きな紙幣よりも小さい紙幣の束が受けられ、ストッパ150に押し当てられた場合、紙幣は上述した過程によって完全に重畳されない可能性がある。しかし、これは、その結果生じる束をより収納し、移送しやすいようにするので、部分的な重なりの程度の低減は重要である。
【0091】
部分的に重なる紙幣が重畳されたことを制御装置37が検出した後、移送部26の第3の動作モードで駆動シャフト92がもう一度回転して、ピストン100を下降させる。移送部26のこの動作モードは、図7Aから7Dに示され、図4Eに示された構成に一致する。
【0092】
駆動シャフト112の回転が、カム114を凹部116および118内で回転させ、それによって矢印158の方向に(前述したように)可動シャーシ70、ならびに取り付けられたローラ74b、74c、74d、72b、72c、および72dを持ち上げる。ピストン100が下降すると、ピストンは、重畳された紙幣160の束に係合する。ピストン100は、紙幣の束と摩擦的に係合し、それを下方に運ぶゴム被覆を有する。可動シャーシ70が、ピストン100の下方への移動と同時に上方に移動させられると、移送部のベルトと紙幣の間の摩擦係合がかなり低減される。上方ローラと下方ローラの間の距離が増加すると、それによって紙幣が曲げられるが量が減少し、同時に紙幣を下方に移動させるのがより容易になる。
【0093】
図7Cおよび7Dに示されるように、ピストン100は、束160がキャッシュ・ボックス16に収納された紙幣の積重ね164と係合するまで、キャッシュ・ボックス16の開口162を通って下方に移動し続ける。キャッシュ・ボックス16は、圧力プレート167に取り付けられたばね166を備える。紙幣の積重ね164は、圧力プレート167によって支持され、ばね166は、圧力プレート167の移動を上方に付勢し、それによって積重ね164の最も上の紙幣がキャッシュ・ボックス16の天井部168に当接するようにする。
【0094】
束160が紙幣の積重ね164に面すると、ピストン100は、ばね166に対して作用し、紙幣110を下方に移動させ、束160をキャッシュ・ボックス16内に搬送する。ピストンが上昇した後、ばね166は、今度は紙幣の積重ね164の一部分になった束160をそれが天井部168に係合するまで上方に移動させる。
【符号の説明】
【0095】
10 取扱い装置、12 リサイクラ、14 ペイアウト、16 キャッシュ・ボックス、20 紙幣入口、22 位置調整装置、24 認証装置、26 移送部、28 ハンドラ、31 紙幣出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の有価シートの収納部、および第2の有価シートの収納部を有する有価シート取扱い装置を使用して有価シートを払い出す方法であって、前記第2の有価シートの収納部が、前記有価シート取扱い装置に装着される場合、有価シートを払い出すが、有価シートを受け取らないようになされ、
使用者から有価シートを受け取り、それらを前記第1の有価シートの収納部に収納する工程と、
前記第1の有価シートの収納部から使用者に有価シートを払い出す工程と、
前記第2の有価シートの収納部から前記第1の有価シートの収納部を補充する工程と、
前記取扱い装置が使用中でない時間に前記補充を予定する工程と、
前記取扱い装置によって実行された取引および前記取引が行われた時間の記録を維持し、補充を予定する最適の時間を判断する工程と含む、方法。
【請求項2】
前記第1の有価シートの収納部内の有価シートの数が所定の量より少ない場合、前記第1の有価シートの収納部の前記補充が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補充の時間が手動で調整可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記取扱い装置が制御装置を備え、前記補充の時間が前記制御装置によって自動的に計算される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の有価シートの収納部の装着のすぐ後に前記第1の有価シートの収納部を補充する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
異なる額面の有価シートによって前記第2の有価シートの収納部を装填する準備の工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の有価シートの収納部に収納された前記有価シートの記録を維持し、前記第1の有価シートの収納部の前記内容に応じて異なる額面の有価シートによって前記第2有価シートの収納部を装填する工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数の有価シートを含む束が前記第2の有価シートの収納部(14)から供給されたかどうか判断する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記束を第3の有価シートの収納部に収納する工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1および第2の有価シートの収納部と、制御装置とを備える有価シート取扱い装置であって、
前記第1の有価シートの収納部が使用者からシートを受け取り、前記使用者にシートを払い出すようにようになされ、前記第2の有価シートの収納部が、前記取扱い装置に装着された場合、シートを払い出すがシートを受け取らないようになされ、前記取扱い装置が前記第2の有価シートの収納部からの有価シートによって前記第1の有価シートの収納部を補充するように配置され、
前記制御装置は、補充を行なうのに最適な時間を判断するために、すべての過去の取引を記録する、有価シート取扱い装置。
【請求項11】
前記第2の有価シートの収納部が前記取扱い装置から脱着可能である、請求項10に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項12】
前記第2の有価シートの収納部が、前記取扱い装置から取り外された場合のみ、シートを受け取るようになされた、請求項11に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項13】
前記第1の有価シートの収納部がリサイクラである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項14】
有価シートがいつ誤って払い出されたか判断する手段と、誤って払い出された有価シートを収納する第3の有価シートの収納部とをさらに備える、請求項10〜13のいずれか1項に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項15】
有価シートがいつ誤って払い出されたか判断する前記手段が、有価シートがいつ前記第2の有価シートの収納部から誤って払い出されたか判断する、請求項14に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項16】
複数の有価シートの束が有価シートの収納部から払い出されたかどうか判断する手段をさらに備える、請求項10に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項17】
前記有価シートの束の寸法を測定する手段を備える、請求項16に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項18】
前記測定手段が、前記有価シートの束の長さを測定する、請求項17に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項19】
有価シートの収納部から1度の払い出し動作で払い出された重畳された有価シートを検出する手段を備える、請求項16乃至18のいずれか1項に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項20】
重畳された有価シートを検出する前記手段が有価シートを認証するようになされた、請求項19に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項21】
偽造と認識された有価シート、および払い出している有価シートの収納部から誤って払い出された有価シートを収納するために1つの有価シートの収納部が使用される、請求項20に記載の有価シート取扱い装置。
【請求項22】
前記1つの有価シートの収納部がさらに、認証を通過した、使用者から受け取った有価シートを収納するのに使用される、請求項21に記載の有価シート取扱い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公開番号】特開2012−146344(P2012−146344A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108457(P2012−108457)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2006−204467(P2006−204467)の分割
【原出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】