説明

有効な医療機関清掃及び消毒実施

有効な医療機関の清掃及び消毒システムは、病院又は他の医療機関にて清掃及び消毒実施への包括的かつ系統的アプローチを提供する。有効な病院清掃システムは汚染の病院運搬体;つまり、院内感染(HAI)が蔓延する可能性がある供給源を特定する。有効なシステムは、医療機関内の複数のモジュールを画定し、各々は、特定の清掃及び/又は消毒の必要性、並びにそのモジュールによって直面した課題を満たすように設計された関連清掃プロセスマップを有する。清掃プロセスマップの種々の段階は検証ポイントを含み、そこでは、モジュールの適切な清掃及び/又は消毒が検証されることを確認するように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院又は他の医療機関での清掃及び消毒実施に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンド衛生、厳格な順守要件、及び分離実施を最適化するための努力にもかかわらず、病院及び他の医療機関は、院内発症(nosocomial)及び院内感染(HAI)に対する闘いを失いつつある。院内感染は、特定の感染というよりはむしろいくつかの理由で認められた患者によって、病院又は他の医療機関において陥った感染である。病院で陥った感染は、入院後の48時間以上又は退院後の30日以内出現する感染を含むことができる。また、最近感染した医療機関従事者からの移動、又はその機関のスタッフ間の感染への職業上の曝露からの感染による感染症を含むことができる。多数の病院で陥った感染は回避可能であるが、不幸にもそれらの発症率は単に増加していた。
【0003】
院内感染は、抗生物質耐性が広がるため、より蔓延するようになる。多くの因子が、病院患者のうち院内感染の発生率の増加に寄与する。例えば、病院は、病気であり、したがって免疫系が弱まった患者数を増やす。医療スタッフは、患者から患者へと移動し、毎日、多くの患者を診て、病原体を広める方法を提供する。研究は、ハンド衛生の実施が、徹底的なプロセス改善及びトレーニング努力後でさえ、医療従事者による当時のほんの40%にすぎないこと示す。多くの医療手段、例えば、外科的処置、注入及び他の侵襲的治療は、成体の自然の保護バリヤーを回避し、病原体に進入ポイントを与える。抗生物質の広範な使用は、医療機関、同様に地域における微生物の耐性菌の出現に寄与している。
【0004】
患者室の平面の約4分の3が、ハウスキーピングが完了した後でさえ、汚染されている。患者室内での多くの手で触れた対象、例えば、ドアノブ、ベッドの横板、電話などが、絶え間なく再度汚染される。このようにして、患者及び医療従事者は、病院の部屋内で潜在的な病原体の伝染に関する多くの供給源に晒される。
【0005】
さらに、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)又はバンコマイシン耐性腸球菌を担持する外来患者の70%〜90%が特定されず、分離されない。多くの病院は、入院患者の退院後の長期間、患者室の平面上にMRSAが居すわることに気付いていない。医師及び看護士は、彼らの白衣やユニフォームを65%の時間着ており、他の患者又は環境にこの生物を通過させる可能性がある。
【0006】
20人の患者ごとに1人が、院内感染していると推定されている。これは、毎年、ほぼ2,000,000人であると解釈される。1995年までに、文書化された院内感染からの死亡は、毎年ほぼ90,000人に増加し、病院あたり平均345人に相当する。院内感染に関連する費用は顕著である。院内感染を治療するための費用は、1年あたり300億ドルから500億ドルに達していると推定されている。院内感染している患者の平均の追加の病院費用は、15,275ドルである。
【0007】
ある種の個体、例えば、重病、老年、幼児、免疫系不全を有するものは危険性が高いが、医師の訪問又は入院中での感染の危険性から免除された患者いない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
全般に、本発明は、病院又は他の医療機関での清掃及び消毒への包括的かつ系統的なアプローチに関する。
【0009】
一態様では、本発明は、医療機関から回収したデータを受け入れるサーバーコンピュータを含むシステムに関し、回収したデータは、医療機関のための複数の検証プロセス内でモニターされた検証ポイントに基づいており、サーバーコンピュータに連結されたデータベースは、医療機関を独自に特定する病院データと関連した医療機関からの回収したデータを記録し;該データベースは、医療機関内のモジュールを定義するモジュールデータ、及び医療機関内の各モジュールのための少なくとも1つの検証プロセスを定義するプロセスマップデータをさらに記録し、サーバーコンピュータには、回収したデータを分析し、1以上の医療機関の清浄を示す検証データをそこから生じさせる分析アプリケーションが存在し、該サーバーコンピュータには、回収したデータ、検証データ、病院データ、及びモジュールデータに基づく医療機関の清浄を特徴付けるレポートを生じさせるレポートアプリケーションが存在する。
【0010】
別の態様では、本発明は、医療機関内の院内感染の汚染運搬体を特定し、医療機関内の複数のモジュールを定義し、各モジュールは医療機関内の物理的領域と関連し、及び医療機関内で行われる機能と関連しており、複数の清掃プロセスマップの異なるものと複数のモジュールの各々とを関連させ、清掃プロセスマップの1以上において特定される検証ポイントをモニターし、並びにモニターされた各検証ポイントと関連したプロセスパラメータが満たされるかどうかを確認することを含む方法に関する。
【0011】
本方法は、患者部屋モジュール、救命救急領域モジュール、中枢無菌プロセッシングモジュール、手術室モジュール、救急処置室モジュール、理学療法モジュール、食事サービスモジュール、大衆浴場モジュール、手続室モジュール、又は洗濯室モジュールの1以上を定義することをさらに含んでもよい。本方法は、患者スキンケアモジュール、傷洗浄モジュール、又はハンド衛生モジュールの1以上を定義することをさらに含んでもよい。本方法は、複数のモジュールの各々と汚染運搬体の1以上とを相関させることをさらに含んでもよい。関連したモジュールと該関連したモジュールと相関した汚染運搬体に基づく、複数の清掃プロセスマップの1つを生じさせることをさらに含んでもよい。本方法は、清掃プロセスマップに関して、医療機関のスタッフをトレーニングすることをさらに含んでもよい。本方法は、ある種のモニターされた検証ポイントと関連したプロセスパラメータが満足しない場合に、医療機関のスタッフを再度トレーニングすることをさらに含んでもよい。本方法は、モニターされた各検証ポイントと関連したプロセスマップが満足しているかどうかに基づいた検証データを生じさせることをさらに含んでもよい。本方法は、検証データに基づくレポートを生じさせることをさらに含んでもよい。別の態様では、本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体に関し、該媒体は、検証される病院のコンピュータで実行されると、清掃処理システムは医療機関から回収したデータをコンピュータが受け入れるようにさせ、ここで、回収されたデータは、医療機関のための複数の検証プロセス内でモニターされた検証ポイントに基づいており、医療機関を独自に特定する病院データと関連した医療機関から回収されたデータを記録し、医療機関内でモジュールを特定するモジュールデータを記録し、医療機関内の各モジュールのための少なくとも1つの検証プロセスを特定するプロセスマップデータを記録し、該プロセスマップデータに関して回収したデータを分析し、1以上の医療機関の清浄を示す検証データをそこから生じさせ、そして、回収したデータ、検証データ、病院データ及びモジュールデータに基づいて、医療機関の清浄を特徴付ける少なくとも1つのレポートを生じさせる。
【0012】
本発明の1以上の態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴及び利点は、これらの説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】患者を中心にした投影から汚染運搬体を記載する運搬体の車輪を説明する図である。
【0014】
【図2A】有効な病院清掃システムを使用してもよい例示の環境を説明するブロック図である。
【図2B】図2Bは、例示の病院又は医療機関を説明するブロック図である。
【図2C】モジュール内の病院の例示の機能停止、及び各mRNAと関連したプロセスを説明するブロック図である。
【0015】
【図3】生じた検証プロセスフローマップの例を説明するブロック図である。
【0016】
【図4A】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4B】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4C】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4D】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4E】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4F】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【図4G】患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。
【0017】
【図5】患者室モジュールのための例示の記録プロセスマップを説明するフローチャートである。
【0018】
【図6A】患者室モジュールのための例示の検証プロセスを説明するチャートである。
【図6B】患者室モジュールのための例示の検証プロセスを説明するチャートである。
【図6C】患者室モジュールのための例示の検証プロセスを説明するチャートである。
【0019】
【図7】患者室モジュールのための例示の手で触れた対象を清掃する検証プロセス300を説明するフローチャートである。
【0020】
【図8A】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8B】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8C】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8D】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8E】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8F】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8G】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8H】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8I】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8J】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8K】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8L】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【図8M】患者室モジュールのためのモジュール230をレポートすることによって生じる場合がある例示のレポートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
全般に、本発明は、病院又は他の医療機関の清掃及び消毒の実施への包括的かつ系統的なアプローチに関する。有効な病院清掃プロセスは、病院の汚染の運搬体;即ち、院内感染(HAI)が広がり得る可能な供給源を特定する。有効なプロセスは、病院又は他の医療機関内の複数のモジュールを定義し、各々は、特定の清掃及び/又は消毒の必要性、並びにそのモジュールによって直面したチャレンジを満たすように設計された関連した清掃プロセスマップを有する。各モジュールのための清掃プロセスは、例えば、明確に定義された清掃プロセスの科学的に有効な最良の実施に基づいていてもよい。清掃プロセスマップの様々な段階には、モジュールの適切な清掃及び/又は消毒を確実にするように設計されたある種のパラメータが実証される検証ポイントが含まれる。
【0022】
有効病院清掃プロセスは、病院内で多くのフロントを横切る臨床及び清掃手法を扱ってもよい。有効プロセスは、以下のいくつか又は全てを含んでもよい:目的分析、監査及び測定;データ回収、危険分析及び重要管理点特定;効率的及び効果的プロセス及びプロトコール;行動を変更するトレーニング及び介入;一貫した、自動化された、及び目に見えないモニタリング;画期的な製品及び技術;臨床専門家及び個人のサポートサービス;品質管理実施;最良の実施の実行;そして、HAIの発生を低減可能な臨床改善を通じた清掃。
【0023】
図1は、患者を中心にした投影からの病院汚染の運搬体を記載する運搬体の車輪を説明する図である。運搬体の車輪の中心に患者いる。中心から運搬体の車輪の外側への移動は、他の患者、医療従事者及び/又は大衆によって次第に共有される病院の領域に、患者のすぐ身の回り(例えば、患者から患者ベッドから患者室)から動く。図1の運搬体の車輪は、例えば、中心にいる患者から、患者ベッド、患者室、共通領域(例えば、ナースステーション)、処置室(例えば、放射線又は理学療法)、一般的な施設(例えば、待合室、カフェテリア、玄関など)、最終的に患者の自宅及び世界全体に移動する。
【0024】
また、運搬体の車輪は、本発明の有効プロセスによって特定され得る病院又は他の医療機関内の汚染運搬体を説明する。汚染運搬体は、運搬体の車輪上の「薄片」として表され、順不同で以下を含んでもよい:
(1)皮膚:医療従事者のハンド衛生及びスキンケア
(2)硬表面:恒常的なもの(ベッドの横板、ハンドル、床、壁など;動くもの(自動車、静脈内注射用スタンド、車椅子など)
(3)軟表面:装飾的なものであり、たまに清掃されるもの(間仕切カーテン、ドレープ、カーペット、壁紙など)
(4)装置:外科手術用装置;診断方法用装置(内視鏡など)、一般的な装置(聴診器、体温計など)
(5)ヒトの伝染:患者、訪問者&非医療従事者、医療従事者&専門家。また、これは、サービス及び治療動物を含むように拡張可能である。
(6)大気環境:臨床的患者ケア、並びに建設及び改築のための一般的、特別の配慮
(7)水質:患者ケア及び接触、清掃及び/又は消毒
(その他)建物のインフラ&建設:壁、ダクトなどのカビや汚染物;害虫駆除;患者のパーソナルケア用の軟表面:リネン、タオル、ガウンなど。
【0025】
病院の異なる領域は、清掃及び/又は消毒の異なるレベルを必要とする場合がある。これらは、例えば、「臨床」及び「清潔」として分類されてもよい。図1の運搬体の車輪は、臨床又は清潔として指定されてもよい医療機関内の例示の領域の分布を示す。例えば、「臨床」は、EPA登録殺菌剤などの抗菌製品、又は外科用医療衣若しくは医療従事者の手洗いなどの抗菌性皮膚ケア製品が使用されるべき領域として定義することができる。「清潔」は、一般的な目的の洗剤製品やハンドソープが使用され得る領域として定義することができる。例えば、運搬体マップの「清潔」領域は暗い灰色で陰が付けられ、一方、例示の「臨床」領域は明るい灰色で陰が付けられている。
【0026】
図1の運搬体の車輪の他の領域は、品質保証実勢を必要とする場合がある。例えば、ハンド衛生順守のモニタリングは医療従事者にとって重要であり、滅菌コントロールは外科用装置及び大気環境にとって重要であり、並びに粒子数は建物インフラ及び建設に重要である。
【0027】
図2Aは、本発明の有効な病院清掃システムが使用され得る例示の通信環境20を説明するブロック図である。1以上の病院又は他の医療機関22A〜22Nは、ネットワーク24を介してサーバーコンピュータ30に連結される。ネットワーク24は、例えば、ダイヤルアップ接続、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどであってもよい。接続は配線させるか又は無線であってもよい。サーバーコンピュータ30は、各病院でローカル記録媒体に記録される有効な病院清掃システムに関連したデータを受け入れるために、ネットワーク24を介して、各病院22A〜22Nでローカルサーバーコンピュータに連結される。また、サーバーコンピュータ30は、ネットワーク24を介して各病院にコマンド、命令、ソフトウェアアップデートなどを送信してもよい。サーバーコンピュータ30は、周期的な基準で、リアルタイムに、サーバーコンピュータ30の要求に応じて、又は任意の他の適切な時間でデータ又は他には病院との通信を受け入れてもよい。
【0028】
病院22A〜22Nから受け取ったデータ、並びに有効か病院清掃システムの操作と関連した他のデータは、データベース40に記録されてもよい。データベース40は、例えば、病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれの病院データ42A〜42N;病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれのモジュールデータ43A〜43N;病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれのプロセスマップデータ43A〜43N;病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれのユーザーデータ43A〜43N;病院22A〜22Nの各々と関連した記録データ43A〜43N;病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれの検証データ43A〜43N;及び、病院22A〜22Nの各々と関連したそれぞれの回収したデータを記録してもよい。
【0029】
病院データ41A〜41Nは、それぞれの病院又は他の医療機関22A〜22Nを独自に特定するデータ、又はそれらと関連したデータが含まれてもよい。そのようなものとして、病院データ41A〜41Nには、例えば、病院特定上方、従業員上方、日付及び時間印、介護人特定、訪問者特定、及び法人又は事業の他の局面と関連している追加上方、並びに各病院22A〜22Nに特異的な他の情報が含まれてもよい。
【0030】
モジュールデータ42A〜42Nは、例えば、各病院22A〜22Nの各モジュール特定情報を含んでもよい。モジュールは、病院の物理的領域と関連した物理的モジュールであってもよく、又は病院内で実行される機能と関連した機能的モジュールであってもよい。物理的モジュールには、例えば、患者室、救命救急領域、中枢無菌プロセッシング、手術室、食事サービス、浴室、洗濯室、床などが含まれてもよい。機能的モジュールには、例えば、患者のスキンケア、傷洗浄、ハンド衛生などが含まれてもよい。各病院又は医療機関は、異なる機能を行ってもよく、医療機関内の異なる物理的領域を有してもよいので、モジュールデータ42A〜42Nは、各医療機関22A〜22Nに特異的であってもよい。
【0031】
プロセスマップデータ43A〜43Nは、例えば、それぞれの病院22A〜22N内の各モジュールのための清掃及び/又は消毒の要件を扱う情報を含んでもよい。ユーザーデータ44A〜44Nは、例えば、それぞれの病院22A〜22Nのための有効な病院清掃システムによって生じるレポートを扱うように承認された人々又は実在物に関する情報を含んでもよい。記録データ45A〜45Nは、例えば、それぞれの病院22A〜22Nのための各モジュールと関連した装置、ツール、清掃及び/又は消毒のための適切な記録及び評価プロセスを扱う情報を含んでもよい。回収したデータ46A〜46Nは、有効な病院清掃システムに関連したそれぞれの病院22A〜22Nで回収された任意のデータを含んでもよい。また、回収したデータ46A〜46Nは、有効な病院清掃システム/方法の実行前に、モニターされる検証ポイントの状況に対応する基準データを含んでもよい。検証データ48A〜48Nは、例えば、それぞれの病院22A〜22Nから受け入れた回収したデータ46A〜46Nの任意の分析の結果を含んでもよい。
【0032】
サーバーコンピュータ30は、病院22A〜22Nの各々から受け入れた回収したデータ46A〜46Nを分析し、検証データ48A〜48Nとしてそれぞれ、各々の病院22A〜22Nのための結果を記録する分析アプリケーション32を含む。レポートアプリケーション34は、分析アプリケーション34によって生じた検証データを提示する様々なレポートを生じさせる。レポートアプリケーション34は、それらの病院の清浄度に関する定性的及び定量的データの両方をユーザーに提供し、改善が起こったどうかを決定するために経時的にデータを比較する様々なレポートを生じさせてもよい。また、レポートアプリケーションは、複数の病院又は他の医療機関を基準に従って評価するようにユーザーに提供してもよい。また、有効な清掃システム/プロセスの使用の有効性を評価し、及び適切な手法が行われているかどうかを決定するために、清掃後に使用されるのが評価ツールであってもよい。
【0033】
レポート49A〜49Nは、データベース40に記録されてもよい。レポートアプリケーション34によって生じてもよいレポートの例は、図8A〜8Mについて記載されている。レポート49A〜49Nは、ネットワーク52全体で、種々の承認されたユーザー54によって評価されてもよい。ネットワーク52は、ネットワーク24(例えば、インターネットの場合)と同じであってもよく、又は異なるネットワークであってもよい。
【0034】
図2Bは、例示の病院又は他の医療機関を説明するブロック図である。各病院22は、複数のモジュール124A〜124N(以下、概してモジュール124と称する)を含む。上記で検討したように、モジュール124は、病院の物理的領域と関連した物理的モジュールであってもよく、又は病院内で実行される機能と関連した機能的モジュールであってもよい。各病院22はまた、サーバーコンピュータ30と通信した病院サーバーコンピュータ28を含む。病院22はまた、有効な病院清掃システムに関連した回収されたデータがこのシステムに入る様々な入力デバイス26を含んでもよい。入力デバイス26には、例えば、ネットワークコンピュータステーション、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタル端末、携帯電話又は電子的形態で回収されたデータを入れる任意の他の手段が挙げられる。回収されたデータは、局所的な病院データベース24に記憶されてもよい。あるいは、回収されたデータは、データベース40に記憶されるべきサーバーコンピュータ30に直接送信されてもよい。
【0035】
一態様では、局所的な病院データベース24は、特定の病院22と関連したデータベース40に関して、上述したデータタイプの全てを記憶してもよい。病院サーバーコンピュータ28(又は他のローカルコンピュータ)はまた、分析及び報告アプリケーション32及び34に関して、上記されるものなどの局所的分析及び報告アプリケーションを含んでもよい。その場合、特定の病院と関連した報告は、必要に応じて、局所的に生じて、見られてもよい。別の態様では、全ての分析及び報告機能は、サーバーコンピュータ30にて離れて実行され、レポートはインターネットなどのネットワーク52を通じて離れて見られる。他の態様では、いくつかの病院22は、局所的記憶及び/又は分析を含むことができ、一方、他の病院22は、遠隔記憶及び/又は分析と報告に依存する。このように、サーバデータベース40に記憶されるデータの一般的場合、及びサーバーコンピュータ30によって実行される分析/報告は本明細書に記載されているが、これらの記憶、分析及び報告機能は、局所的又はいくつかの他の区域にて実行されてもよく、本発明はこの点において限定されないことは理解されよう。
【0036】
図2Cは、病院又は他の医療機関内のモジュール124A〜124N、及び各モジュールと関連したプロセスを説明するブロック図である。本発明の有効な病院清掃プロセス120(以下、概して「検証プロセス」と称する)は、病院内の複数のモジュール124A〜124Nを定義する。モジュール124A〜124Nは、病院の物理的領域と関連した物理的モジュールであってもよく、又は病院内で実行される機能と関連した機能的モジュールであってもよい。物理的モジュールは、例えば、患者室、救命救急領域、中枢無菌処理、手術室、食事サービス、浴室、洗濯室、床などが含まれてもよい。機能的モジュールは、例えば、患者スキンケア、創傷洗浄、ハンド衛生などが含まれてもよい。
【0037】
各モジュール124A〜124Nは、それぞれ、清掃プロセスマップ126A〜126Nと関連付けられる。関連付けられた清掃プロセスマップ126A〜126Nは、そのモジュールに関連した汚染運搬体(図1)に対処する。例えば、患者室清掃モジュールに関して、対処される運搬体は、他のものの中で、皮膚(医療従事者のハンド衛生及びスキンケア)、硬質表面(移動及び永久的表面の消毒)、軟質表面(清掃、及びプライバシーカーテンの適切な公衆衛生の場所)などを含んでもよい。
【0038】
各清掃プロセスマップ126A〜126Nは、関連付けられたモジュールの清掃及び/又は消毒要件に対処する。例えば、患者室清掃プロセスマップは、患者室清掃ステーションを貯蔵するためのプロセス、どのようにして清掃従業員が患者退院を気付くか、清掃のための部屋の準備、ごみの除去、リネンの除去、浴室の清掃、患者室の清掃、床清掃、及び清掃ステーションの補充などを含んでもよい。病院内の他のモジュール(単数又は複数)と関連付けられたプロセスマップ(単数又は複数)は、適切な清掃及び/又は衛生化実施を目的したそのモジュールに独特なプロセス、並びにそのモジュール内の関連した汚染運搬体の考察を含む。
【0039】
各清掃プロセスマップ126A〜126Nは、清掃プロセスにおいて全ての成分及びステップを列挙する。検証ポイントは、各モジュールについてのプロセスフローマップにおいてある種の特定されたプロセスステップにて挿入される。検証ポイントは、適切に実施されない場合、汚れた部屋又はHAI感染リスクの発生が潜在的に高まるという特定されたプロセスステップについて挿入される。
【0040】
図2Cにも示されるように、各清掃プロセスマップ126A〜126Nは、それぞれ、貯蔵プロセス128A〜128Nと検証プロセス130A〜130Nと関連付けられる。貯蔵プロセス128A〜129Nは、各モジュールに関連付けられた備品、ツール、清掃及び/又は消毒製品のための適切な貯蔵条件を指す。例えば、患者室モジュールのための貯蔵プロセスマップは、患者室清掃ステーション及びツール、第四紀消毒液(quat)、繊維製品、雑多なステーション供給品、例えば、ごみ袋など、トイレボウルブラシ等を含んでもよい。病院内の他のモジュール(単数又は複数)に関連付けられた貯蔵プロセスマップ(単数又は複数)は、そのモジュール内の適切な清掃及び/又は衛生化実施を目的としたそのモジュールに独特な製品/備品貯蔵プロセスを含む。
【0041】
検証プロセス130A〜130N は、清掃プロセス中の特定の重要管理点を実行されるプロセスを指し、以下、検証ポイントと呼ぶ。これらの検証ポイントは、モジュールの適切な清掃及び/又は衛生化を確認してもよいある種のパラメータが実証される清掃プロセス中の特定ポイントである。
【0042】
例えば、患者室モジュールのための検証プロセスは、分配された消毒液が適した濃度の有効成分を含むことの確認、ある種の硬質表面が所定期間、消毒液に浸った布と接触されることの確認、手洗い中の水なしの殺菌剤の使用、部屋清掃、ステーション清掃などの前後の手洗いを含んでもよい。病院内の他のモジュール(単数又は複数)に関連付けられた検証プロセスマップ(単数又は複数)は、そのモジュール内の適切な清掃及び/又は衛生化実施を目的としたそのモジュールに独特の検証プロセスを含む。
【0043】
各モジュールのための検証プロセスは、以下の考慮を用いて開発されてもよい。適切な清掃は、有効な製品と実施、トレーシング及び監視を必要とする。有効な消毒及び衛生化は、適切な清掃と補完、有効な製品と実施、トレーシング、順守及び監視を必要とする。臨床解決は、適切な清掃、有効な消毒及び衛生化、画期的な商品と技術、プロセス改善、データ解析、トレーシング、順守及び監視を必要とする。モジュール及びそのモジュールに影響を及ぼす運搬体に依存して、任意の数のこれらの考察は、得られる検証プロセスに影響を及ぼす可能性がある。
【0044】
図3は、一般化された検証プロセスフローマップ130の例を説明するブロック図である。清掃プロセスマップ中の各検証ポイントは、その関連した検証プロセスフローマップ130を含む。検証プロセスフローマップ130は、検証プロセス中に満たされなければならないパラメータ134を特定する。例えば、患者室モジュール清掃プロセスフローマップは、消毒剤が配分される場合に検証ポイントを含んでもよい。満たされなければならないパラメータは、例えば、消毒剤中の有効成分の濃度がある種の制限内にあるという要件、適切な消毒剤濃度が関連する表面に送達される要件、交差汚染の排除などを含んでもよい。他の検証ポイントは、モジュール清掃/衛生プロセスにおけるその特定ポイントに関連したパラメータを含んでもよい。
【0045】
また、プロセスフローマップは、パラメータが満足されることを確認するために使用され得る監視手順135を含んでもよい。これらの監視手順136は、以下の1以上の定義を含むことができる:
何を(136A):パラメータが満足されるかどうかを決定するために使用され得る監視手順(単数又は複数)(例えば、消毒剤を分配する場合の有効成分の滴定又は検定)。
どのようにして(136B):パラメータが満足されるかどうかを決定するために使用され得る検定又は検証手順(例えば、滴定手順又は検定の定義、視覚的指標の使用、表面培養などの検証法、経時的監視など)。
頻度(136C):どのくらいの程度、監視手順が行われるべきか(例えば、各清掃後、毎日、毎週、毎月など)。
誰が(136D):誰が監視手順を行うか(例えば、病院環境サービスマネージャー、サービス技術者、清掃従業員、独立して業者など)。
【0046】
例えば、消毒剤が分配される検証ポイントのための監視手順は、消毒剤内の有効成分の濃度がある種の限定内にあることを確認するための通常のディスペンサー及び実験室ディスペンサーの信頼性試験、適切な消毒剤濃度が関連表面に送達されること(換言すると、布は多すぎる消毒剤を吸収しないこと)を確かめるためのマイクロファイバー又は他の清掃布に対する実験室試験、色分けされた布、「奇麗」及び「汚れた」領域と指定されたカート、及び交差汚染を排除するための使い捨てモップの使用を含む。
【0047】
監視手順(単数又は複数)136の結果は、本明細書では回収されたデータと呼ばれる。回収されたデータは、サーバーコンピュータ30に送信されるような時間まで、局所的な病院データベース24(図2B参照)に記憶されてもよい(図2A参照)。サーバーコンピュータ30が受信すると、各病院46A〜46Nから回収されたデータはサーバーデータベース40に記憶される。回収されたデータの例には、限定されないが、1以上のデータタイプが含まれる:滴定又は他の試験結果;消毒剤/殺菌剤又は他の化学製品濃度;分配された界面活性剤量;分配時間、日付、及び順番;水温;オートクレーブ温度;化学製品タイプ;湿式接触時間;微生物培養の結果(試料中の生物の種類及び数を含む);バイオルミネッセンス読み取り、タンパク質検出、粒子カウント;及び/又は各モジュールにて監視手順に関連した他の情報。
【0048】
さらに図3に示されるように、検証手順140は、検証ポイントのパラメータが満足されるかどうかを確認するために回収されたデータに対して実施される。検証手順は、サーバーコンピュータ30に存在する分析アプリケーション32などの分析アプリケーションによって行われる(図2A参照)。他の例では、局所的な病院サーバー28(図2B)又は他の局所的な病院コンピュータは、検証プロセス140を実行する局所的な分析アプリケーションを含んでもよい。検証手順は、回収されたデータと所定のパラメータとの比較を含んでもよい。
【0049】
検証手順の結果は、本明細書では検証データと呼ばれる。検証データは、局所的な病院サーバー又は他の局所的な病院コンピュータが局所的な分析アプリケーションを含むそれらの設置のための局所的病院データベース上に記憶されてもよい。また、各病院22A〜22Nについての検証データ48A〜48Nは、サーバーデータベース40上に記憶されてもよい(図2A参照)。
【0050】
分析アプリケーション32検証手順が、検証パラメータが満足しなかったことを指示する場合、検証プロセスフローマップは、是正措置プロセス142を含んでもよい。是正措置142は、トラブルシューティング、適切な清掃/衛生化手順における個人の再トレーシングなどを含むことができる。
【0051】
有効な病院清掃システム/プロセスは、病院データ41A−41N、モジュールデータ42A−42N、プロセスマップデータ43A−43N、ユーザーデータ44A−44N、貯蔵データ45A−45N、回収データ46A−46N、及び検証データ48A−48Nを分析することができ、単独で又は互いに組み合わせて、病院又は医療機関22A〜22Nの清浄度を特徴付ける。また、有効な病院清掃システム/プロセスは、種々のフォーマットにおけるデータを示し、サイトマネージャー、企業若しくは政府機関、又は医療機関若しくは有効な病院清掃プロセスの監視に責任のある他の団体による検討のための分析を示す報告49A〜49Nを生じさせてもよい。
【0052】
図4A〜4Gは、患者室モジュールのための例示の検証プロセスフローマップを説明するフローチャートである。図4Aにおいて記号(164)で示されるように、プロセスフローマップは、例えば、プロセスメインステップ、プロセスサブステップ、ツール及びアイテムリスト、オプション、ツール又はガイドリスト、特定のステップで評価されるべきものの特定、及び評価ポイントを含むことができる。
【0053】
図4Aは、「清掃スケジュールの決定」のメインプロセスステップ(152)の例を示す。これは、病院の現在の清掃実施を単に追随するべきであり得て、又は最良の実施又は他の手段によって決定される別の清掃スケジュールであり得る。このスケジュール及び部屋情報(例えば、大きさ、部屋の備品、部屋の家具など)に基づく清掃に必要とされるツール及び製品(154)のリストが含まれてもよい。また、各患者に提供されるべき病院の部屋清掃冊子/入院患者歓迎キット(156)が含まれ得る。
【0054】
また、図4Aは、「在庫清掃ステーション」プロセスステップ(158)の例を示す。これには、いくつかのサブステップが含まれてもよい。各スケジュールされた清掃中に必要とされる種々のツール、消耗品、繊維製品は、清掃ステーションに保管されてもよく、及び洗濯ネットが設定されてもよい。ツールのリスト/チェックリスト(図4Aを参照)、及び他の補助製品が提供されてもよい。
【0055】
ダストパンは、新しいダスト袋を用いて調製され得る。個人的な保護備品(PPE)、例えば、手袋、マスク、眼保護、ガウンなどは、清掃ステーションに保管される。適切な清掃液が分配され、測定される。布及びモップは、清掃液で飽和される。部屋の清掃チェックリスト及び/又はスケジュールは、清掃ステーションに積まれてもよい。部屋清掃チェックリストは、患者の部屋清掃プロセス中に清掃されるべきもの及び点検されるべきものを含むことができる。繊維製品の在庫管理計画はまた、患者室の中又は外に出る繊維製品(シーツ、タオル、ガウンなど)の経過を追うために適所にあってもよい。
【0056】
図4Aに示される患者室検証プロセスの部分は2つの検証ポイントを含む:清掃液(単数又は複数)が分配され、測定される場合に検証ポイント(159A)が発生する。この検証ポイントにて、清掃溶液(単数又は複数)の関連パラメータ、例えば、分配される製品の量、分配される製品の種類、製品濃度、及び/又はディスペンサー精度が監視され、パラメータが満たされる場合に確認され得る。検証ポイント(159B)は、清掃ステーションに部屋清掃チェックリストが積まれる場合に発生する。この検証ポイントにて、清掃従業員は、全てのツール/備品が清掃ステーションの清掃サイドにあることを確認してもよい。
【0057】
メインステップでは、「患者退院の通知」(160)は、清掃従業員への患者が退院されたことのいくつかの種類の通知を含む。その部屋が患者退院する前に清掃されるべき場合は、このステップをスキップしてもよい。次に、清掃ステーションは、清掃のための患者室(162)に輸送される。
【0058】
図4Bは、「清掃のための部屋の準備」のメインプロセスステップ(170)の例を示す。これはいくつかのサブステップを含んでもよい。例えば、清掃従業員は、PPE必需品を決定するために、接触予防措置のためにドアカード又はサインを検討してもよい。例えば、清掃従業員は、ある種の条件を有する患者が、部屋を占有し、又は現に占有している場合に、個人的な接触予防措置が採択されることを通知されてもよい。「清掃のための部屋の準備」プロセス(170)は、清掃従業員に彼らの手洗い及び/又は消毒を促し、関連するPPEを置くように促進してもよい。検証ポイント(171)は、この部屋清掃前の手清浄ステップにて発生する。
【0059】
図4Bはまた、「ごみ除去」メインプロセスステップ(172)の例を示す。主要プロセスステップ「ごみ除去」は、現病院手順又は他の最良の実施の通り、感染性廃棄物の除去、非感染性廃棄物の除去、及びごみの処分を含んでもよい。
【0060】
図4Cは、「リネン除去」メイン(180)の例を示す。メインプロセスステップ「リネン除去」は、現病院手順又は他の最良の実施の通り、汚れたリネン及びリネンの処分を含んでもよい。汚染されたリネン及び/又は他の洗濯プロトコール及び手順はまた含まれてもよい。検証ポイント(181)は洗濯にて発生し、そこでは、洗濯が適切に清掃され、消毒されていることを確認するために、種々の洗濯パラメータが検証される。
【0061】
図4Cは、「浴室清掃」メインプロセスステップ(182)の例を示す。メインプロセスステップ「浴室清掃」は、いくつかのサブステップを含むことができる。このプロセスは、清掃ステーションから飽和した布及びブラシ/容器、並びにトイレ製品を得ること、鏡を清掃すること、石鹸及び紙タオルディスペンサーを清掃すること、並びにライトスイッチ及びドアノブを清掃することを含んでもよい。また、清掃製品は、飽和した布を用いるというよりはむしろ、表面に噴霧されるか又は他には適用されてもよい。タブ/シャワーが目に見えて汚れている場合、このプロセスは、所定の期間、熱水を流すことを含んでもよい。適切なトイレ清掃/衛生化製品は、トイレに設置され、特定の期間、放置される。シンク、浴室装備品、例えば、ハンディキャップレール、タブ/シャワー、シャワーカーテン、及びトイレシート/ボウル/外装/装備品が清掃される。いくつかの重要管理点は、本明細書では概して検証ポイント(183A〜183D)と呼ばれ、「浴室清掃」プロセスステップ中に起こり得る。これらの検証ポイントは、適切な硬質及び/又は軟質表面清掃手順の検証、例えば、湿式接触時間、培養結果、光ルミネッセンス又はケミルミネッセンス指標などが含まれてもよい。
【0062】
「浴室清掃」プロセスステップ(182)はまた、浴室内外のごみ箱の清掃/拭き取りを含むことができる。トイレは洗い流されてもよく、あるいは、トイレは、洗い流されないままであってもよく、すなわち、トイレが清掃されたことを目に見える指標としてボウルに存在するトイレクリーナーによって生じる着色された水を入れておいてもよい。浴室の清掃後、鏡などを清掃するために使用された布は、汚い布バッグに入れられる。トイレの容器/ブラシは、清掃ステーションにその貯蔵スポットに戻される。鏡清掃などからの紙タオルはごみ箱に入れられる。浴室が清掃されたことの通知は、例えば、トイレボウル内の着色水、トイレシート上のラップがまた含まれてもよい。
【0063】
図4Cに示される検証ポイント(183A〜183D)に加えて、現に又は将来に、重要な汚染運搬体となり得ると決定される他の表面と関連した他の検証ポイントはまた、「浴室清掃」プロセスステップ(又は、その問題に関して、モジュールのいずれかと関連した他の検証プロセス)に取り込まれてもよい。
【0064】
このようにして、「浴室清掃」プロセス捨てプロセス(180)は、複数の握手ポイント(HTP)(又は、本明細書中では握手対象物(HTO)と呼ばれる)のいくつか又は全部を清掃/拭き取りを含む。浴室の握手ポイントは、例えば、浴室ライトスイッチ、浴室のドアノブ、シンク、トイレ上部、トイレハンドル、トイレハンドホールド/レール、ベッドパンクリーナー、及び/又は頻繁に再汚染され得る患者浴室の任意の他の物理的アイテム又は領域を含んでもよい。
【0065】
図3Dは、「患者室の清掃」メインプロセスステップ(190)の例を示す。このプロセスステップは、患者がなお変化を占有している(左枝)か、又は患者が退院した(右枝)かに依存して分岐され得る。患者はなお部屋を占有している場合(患者が清掃時間に物理的に部屋にいるかどうかに関わらず)、このプロセスは、視覚的に部屋をスキャンすること、使い捨て雑巾又は他の適切な汚れ清掃法を用いて、任意の目に見える汚れ、例えば、血液スポット又は他の菌/汚れを除去することを含んでもよい。この時点で、プロセスは、清掃ステーションから飽和された布を得て、鏡、石鹸及びペーパータオルディスペンサーを清掃し、任意の器具、ベッド及びベッドレールを拭き取ることを含み得る。また、他の清掃法、例えば、清掃/消毒製品を噴霧又は他の手段によって表面に適用することが使用され得た。
【0066】
また、「患者室の清掃」プロセスステップ(患者は部屋にいる)は、複数の握手ポイント(HTP)のいくつか又は全部の清掃/拭き取りを含んでもよい。握手ポイントは、例えば、光スイッチ、ドアノブ、電話機、TV、コールボックス、トレイテーブル、ベッドのサイドテーブル、ベッドのレール、及び/又は頻繁に再汚染され得る患者室の任意の他の物理的アイテム若しくは領域を含んでもよい。また、「患者室の清掃」プロセスステップ(患者は部屋にいる)は、スツール、テーブル、椅子、カウンターなどを含む全ての家具の拭き取りを含むことができる。
【0067】
検証ポイント(単数又は複数)(191A〜191C)は、「患者室の清掃」プロセスステップ中に発生する。ここで、患者室が適切に清掃され、消毒されることを確認するために、種々の清掃手段パラメータの検証が監視される。例えば、検証ポイント(単数又は複数)(191A〜191C)は、全ての関連表面が消毒剤に浸った布と接触され、少なくとも10分間消毒剤で湿ったままにすることを必要とし得る。監視は、どのくらい表面が湿ったままであるのかの視覚的点検、光又はケミルミネッセンス指標、アデノシン三リン酸(ATP)、培養などを介して、適切な清掃/消毒手順が十分に行われたことを確認するために達成され得る。
【0068】
また、「患者室の清掃」プロセスステップ(患者は部屋にいる)は、使用された布(単数又は複数)を使用された布バッグに入れ、清掃ステーションからごみ袋を得て、新しいごみ袋を挿入し(感染性廃棄物缶、使用されたリネン缶、ごみの缶など)、部屋リネン及び必要に応じて他の部屋の供給品を補充する、並びに別の患者のために部屋を準備するために必要な他のプロセスステップを含んでもよい。異なる領域又はモジュールのための布は、色分けされ、例えば、浴室用に黄色の布、患者室用に青色の布などであり、領域間又はモジュール間での交差汚染を低減することもできる。
【0069】
図4Eは、「患者室の清掃」メインプロセスステップの患者退院の枝の例を示す。この枝は、図4Dに示される部屋の枝における患者としてのサブステップの多くのを含む。しかしながら、ある種のステップは、患者が退院した後に行われ、部屋が患者によって占有されている場合には望ましくなく、例えば、硬質表面領域(天井、天井証明器具など)のモップ掛け、壁やベースボードの拭き取りが挙げられる。検証ポイント(単数又は複数)(193A〜193C)は、患者室が適切に清掃及び消毒されていることを確認するために監視される。
【0070】
また、「患者室の清掃」は、患者室が清掃されたという通知、例えば、ノートカード、ホールウェイサイン、スウィングアウトなど(194)が含まれ得る。
【0071】
図4Fは、「床の清掃」メインプロセスステップ(200)の例を示す。このステップはいくつかおサブステップを含むことができ、例えば、ダストパン又はスクイージーを有する大型対象物の整頓、湿った床のサインの設定、モップヘッドのモップへの組立て、床をモップ掛けするための特別な手順、汚れた洗濯ネットに使用したモップを戻し、モップハンドルを洗濯ステーションに置くこと、スクイージー/ダストパンの保管などが挙げられる。
【0072】
また、図4Fは、「部屋からの退出」メインプロセスステップ(202)の例を示す。このステップは、部屋清掃点検チェックリストの完了、部屋に清掃された通知を残すこと、PPEの除去、及び部屋清掃後に手洗い/消毒のサブステップを含んでもよい。検証ポイント(203A〜203B)は、適切な操作及び/又はPPEの処分を確認し、部屋の清掃後の適切な手洗いが行われることを裏付けるために、PPEの除去及び手洗いステップ中に発生する。
【0073】
図4Gは、「ステーション機能停止/貯蔵」メインプロセスステップ(210)の例を示す。このステップは、清掃ステーションの拭き取り、使用された清掃布の使用されたリネン袋に入れること、残りの繊維製品(未使用)を使用されたリネン袋に入れること、汚れた繊維製品を洗濯に送ること、適切なごみの廃棄を含むことができる。また、これは、モップ及び布容器の濯ぎ、それらを乾燥させること、ボウルブラシ及び容器の濯ぎ、それらを乾燥させることを含んでもよい。ステーションはクローゼット又は貯蔵室に保管されてもよい。クローゼットは、必要に応じて補充され得る。また、このプロセスは、事務処理及び/又はチェックリストをファイルするために清掃従業員を必要としてもよい。
【0074】
検証ポイント(211A)は、清掃ステーションは消毒剤で拭き取られる場合に発生する。ここで、患者室が適切に清掃及び消毒されることを確認するための種々の清掃手順パラメータの検証が監視される。例えば、検証ポイント(211A)は、清掃ステーションの全ての関連表面が消毒剤を浸した布と接触され、消毒剤で少なくとも10分間(製品の殺菌時間と対応する他の適切な時間)湿ったままにすることを必要とする場合がある。監視は、どのくらい表面が湿ったままであるのかの視覚的点検、光又はケミルミネッセンス指標、アデノシン三リン酸(ATP)、培養などを介して、適切な清掃/消毒手順が清掃ステーションに十分に行われたことを確認するために達成され得る。
【0075】
検証ポイント(単数又は複数)(211B〜211C)は、適切な洗濯手順の監視及び検証が洗濯用品の適切な処理/清掃/殺菌を確かめるために行われる場合、洗濯部位で発生する。異なる洗濯用品、例えば、洗濯布、ベッドリネン、タオル、ガウンなどは、異なる洗濯検証手順を有してもよい。
【0076】
図5は、患者室モジュール(220)のための例示の貯蔵プロセスマップを説明するフローチャートである。各モジュールのための貯蔵プロセスマップは、そのモジュールのための清掃プロセスステップ中に使用される製品、ツール及び器具の全てに対する適切な/処理手順を含む。このようにして、患者室モジュールのための貯蔵プロセスステップは、患者室清掃ステーション及びツールのための貯蔵/処理手順、患者室洗濯プロセス中に使用されるいずれかのクリーナー及び/又は消毒剤、部屋清掃プロセス中に必要とする繊維製品、部屋清掃プロセス中に使用される雑多ステーション供給品、並びに部屋清掃プロセス中に使用されるモップ又は他の清掃器具を含んでもよい。貯蔵プロセスは、各アイテムのための貯蔵条件、例えば、貯蔵場所、状態、温度、最大貯蔵時間などを含んでもよい。
【0077】
図6A〜6Bは、患者室モジュール(230)のための例示的な検証プロセスを列挙するチャートである。一番左のカラムにおける検証ポイントは、図4A〜4Gのフローチャートに示される検証ポイントに対応する。図6は、左から右へ、検証ポイントの特定(図4A〜4Gにおいて番号付けされた検証ポイントに対応する)、検証ポイントが発生するプロセスステップの特定、何を、どのようにして、どのくらいの頻度で、及び誰が監視手順を行うのかを含む、監視手順の既述、並びにプロセスパラメータが満たされないことを検証が指示すべき可能な是正措置の特定を示す。図6のフローチャートは、これらの検証ポイントのための検証プロセスを説明するが、他の又は異なる検証ポイント、及びそれらの関連したプロセスはまた、患者室モジュールに使用されてもよいこと、並びに本発明は本明細書に与えられる実施例に又はそれによって限定されないことが理解されよう。
【0078】
図7は、患者室モジュールのための例示的な握手対象物清掃検証プロセスを説明するフローチャートである。このプロセスは、特定の握手対象物と共に使用されてもよい一例であること、他の握手対象物が各握手対象物のための特定の要件に依存して類似の又は異なる検証プロセスを有してもよいこと、並びに発明がこの点に限定されないことは理解されるべきである。
【0079】
プロセス300は、部屋清掃の有効性を評価するために使用されてもよい種々の試験法を含む。試験は、患者室が清掃される前後で行われてもよい。プロセス300は、関与される特別の握手対象物の特定(302)から開始する。例えば、患者室モジュールのための握手対象物は、シンク、トイレハンドル、トイレシート、ベッドパンクリーナー、トイレハンドホールド/レール、浴室ドアハンドル、ベッドレール、コールボタン、トレイテーブル、ベッド横のテーブル、電話機、及び部屋のドアノブを含むことができる。
【0080】
1つのこのような試験は、清掃前の握手ポイントに対する画定された場所(304)に適用される指標、例えば、光ルミネッセンス又はケミルミネッセンス指標の提供を含んでもよい。清掃後の指標の検査は、握手対象物が清掃になったかどうかを決定するために使用され得る。例えば、患者室モジュールにおいて、指標は、そのモジュールに対して画定される握手対象物の各々に明確にやり方で提供される。清掃手順(310)の完了後、表面は、指標が清掃プロセス(312)によって阻害されたかどうかを決定するために不可視光線を用いて検査されてもよい。トレーニングは、何が「通過」の結果又は「失敗」の結果を構成するのかに対して、病院職員に施される。例えば、通過の結果は、指標又は循環旋回パターンの傷害の完全な除去を含んでもよい。失敗の結果は、未使用の指標及び/又は拭き取りの痕跡がないことを含んでもよい。
【0081】
別の試験は、清掃有効性の指標として培養カウントの調査を含むことができる。好気性培養カウントの表面試料は、清掃プロセスの完了の前(306)及び後(314)での握手対象物の表面上の所定の場所で回収される。好気性細菌の存在は、清掃有効性を定量するために使用され得る。「通過」又は「失敗」の好気性培養カウントのための閾値を設定してもよく、又は全好気性培養カウントを記憶し、報告してもよい。
【0082】
別の試験は、清掃有効性の指標としてアデノシン三リン酸(ATP)レベルの調査を含んでもよい。握手対象物の表面上の所定の場所が、清掃手順(310)の前(308)及び後(316)に拭き取られる。ATPの存在は、微生物の存在と相関し、したがって、清掃有効性を定量するために使用されてもよい。「通過」又は「失敗」のAEPレベルのための閾値は設定されてもよく、又は全ATPレベルは記憶され、報告されてもよい。
【0083】
トレーニング/認証は、有効な病院清掃方法の方法論が追随されているという確認を助ける関連職員に提供されてもよい。
本明細書に記載された方法論のトレーニングされた職員による一貫した応答は、有効な病院清掃方法の正確性及び信頼性を増すのに役立つ。例えば、指標の応用に関連する詳細な指示は、指標が適用される送達方法(ゲルペン、拭き取りなど)を含んでもよく、指標がどのようにして適用されるか(旋回パターン、ドットなど)が提供されてもよい。同様にまた、ATP又は培養試料の回収に関する詳細な指示(拭き取りサイズ又は培養など)も提供されてもよい。指標が提供されるべき特定の場所、又はATP若しくは培養が行われるべき特定の場所(蛇口ポスト対蛇口ハンドル;蛇口ハンドルの近端対蛇口ハンドルの遠端;トイレフラッシュのフランゲの上部又は下部;トイレシートの後ろ、左又は右側;トイレハンドレールの位置など)に関する情報が提供されてもよい。
【0084】
検証プロセス300、並びに有効な病院清掃方法の他の検証プロセスの全てから回収したデータは、手動で入力する(例えば、指標又はATP若しくは培養カウントの視覚的検査のため)、又は自動化装置から得られたデータの断片に対して自動的に入力されてもよい。
【0085】
図8A〜8Lは、架空の医療機関であるABC病院の患者室モジュールについての応答34を報告することによって生じ得る例示の報告を示す。
これらの報告は、例えば、主要な評価指標、例えば、清掃結果、一般行動、部屋清掃効率、製品/ツール概説、ディスペンサー分析、スタッフ知識、従業員満足、患者満足などに関する詳細な分析及び報告を含むことができる。報告は、全データベースを横切って、又は病院若しくは他の医療機関を横切って現在のモジュール実施を評価し得る。報告は、経時的に種々の主要な評価指標の動向を含み、実施可能な改善計画を提供し、最良の実施と比較した現剤の実施を評価し、重要管理点を処理してもよい。図8A〜8Lに示される報告は例示のためだけであること、他の報告もまた患者室モジュールについて生じ得ることが理解されるべきであり、各々は、それらのモジュールに関連したデータについての報告を含む、本発明はこの点に限定されない。
【0086】
図8Aは、例えば、機能的医療機関についての例示的な概要報告を説明する。概要報告は、継続的な改善と教育、操作プロセス、衛生結果効率、及び満足の各々について行を有する表を示す。これらの列の各々に関するデータは、施設広域基準、前期、及び当期についての列を横切って示される。
【0087】
図8Bは、例えば、握手対象物が清掃された時間率を指示する、マーキングソリューションについての衛生結果に関するデータを含む例示的な報告を説明する。この具体例では、データは、全握手ポイント清掃、患者室清掃及び浴室清掃における機能停止であり、列は施設広域基準、前期及び当期に関する。また、最も清掃された握手ポイント、最も頻繁に失った握手ポイント及び全ての握手ポイントが清掃された時間率に関するデータも示される。
【0088】
図8Cは、例えば、握手ポイントが清掃された時間率の詳細な分析を含む例示的な報告を説明する。この表は、施設広域基準、前期及び当期についての各個別の握手ポイントについてのデータを与える。
【0089】
図8Dは、例えば、握手対象物が、グラフ形式で各個別の握手対象物について清掃された時間率の詳細な分析を示す。
【0090】
図8Eは、例えば、握手ポイントの培養についての衛生結果に関するデータを含む例示的な報告を説明する。表は、清掃後の読み取りが清掃前の読み取りよりも低い発生率を示す。また、報告は、どの握手ポイントが、最低の平均培養カウントを有し、どれが高い平均培養カウントを有するのかを示す。
【0091】
図8Fは、例えば、清掃後の読み取りが、各個別の握手ポイントについての清掃前の読み取りよりも低い場合の発生率の解析を表形式で示す例示的な報告を説明する。この例示的な報告は、グラフ及び表形式のデータを含む。
【0092】
図8Gは、例えば、清掃後の読み取りが各個別の握手ポイントについての清掃前の読み取りよりも低い発生率の分析をグラフ形式で示す例示的な報告を説明する。
【0093】
図8Hは、例えば、期間中に付きごとに院内感染数を詳述する例示的な報告を説明する。この例では、機関2008年9月を基準にしてもよく(即ち、有効な病院清掃方法前に採取されたデータは、適所に、比較のための基準を確率するためにある)、2008年1月は当期である。
【0094】
図8Iは、例えば、退院に応じて、清掃の業務効率を詳述する例示的な報告を説明する。この表により、ユーザーは、有効な病院清掃方法と関連した業務効率が許容される制限の範囲内であるか、又は基準の業務効率と比較して引けを取らないかどうかを決定するために、基準業務効率と現業務効率を比較することができる。
【0095】
図8Jは、従来の清掃布及びディスペンサー、並びに現在の清掃布及びディスペンサーについての、表面に適用される消毒剤濃度の業務効率を詳述する例示的な報告を説明する。
【0096】
図8Kは、例えば、現在のディスペンサーによって分配された消毒剤濃度についての業務効率を詳述する例示的な報告を説明する。報告は、消毒剤濃度が許容される制限内にあるか、及び標的濃度を満たすかどうかを指示する。
【0097】
図8Lは、例えば、清掃従業員の行動観察に関する業務効率を詳述する例示的な報告を説明する。この情報は、特定の行動が有効な病院清掃方法の方法論に合っている場合、追加トレーニングが必要であり得る場所を特定するのに役立つ可能性がある。
【0098】
図8Mは、例えば、病院が将来の結果を改善することに専念し得る推奨される次のステップの概要を提供する例示的な報告を説明する。示唆された次のステップは、継続的な改善と教育、業務プロセス、衛生結果効率、及び満足の各々について与えられる。
【0099】
本明細書に記載される有効な病院清掃システム/方法の種々のモジュール及び評価プロセスには、化学、器具、分配、包装、効果的な利用プロセス、検証及び監査法、並びに使い易い自動化技術を含む感染防止ソリューションが挙げられる。これらには、例えば、
高レベルの消毒剤、患者入浴/拭き取り/洗浄、器具ドレーピング、部位調製、創傷清掃、カート洗浄、床粘着性マット、患者スクリーニング/ID、患者入院前キット、部屋除染、長期の硬質表面消毒剤、軟質表面ミスト/蒸気清掃、製氷機調節、空気ろ過、訪問者障壁/スクリーニング/キット、手術室清掃ソリューション、患者室清掃ソリューション、一般的装置清掃/消毒、GIデバイス清掃/消毒、流体管理/廃棄、清掃/消毒のためのシステム、センサー/モニター/追跡装置などが挙げられる。
【0100】
有効な病院清掃システム/方法は、データ利用及びプロセス改善のためのツール、例えば、プロセス改善を達成するためのデータ回収、分析、利用及び解釈、行動変化並びに結果測定を組み込むことができる。例えば、有効な病院清掃方法は、情報、結果データ回収、データ分析及び利用、同等の病院比較、産業評価指標/標準を集め/管理するためのツール及び技術を含んでもよい。
【0101】
有効病院清掃システム/方法はまた、品質保証、例えば、HAIの蔓延を減少させるために病院全域で清掃及び消毒の質を確実にする労働提供者(病院スタッフ、外部供給従業員、契約者など)の管理及び監視を含むことができる。また、品質管理は、消毒剤中の有効成分又は他の化学物質の濃度がある種の制限内にあること、適切な量が分配されていることなどを確実にするために、種々の清掃ソリューションを分配する化学ディスペンサーなどの様々な自動化機械からの入力を受け入れてもよい。
【0102】
有効な病院清掃プロセスは、多くの人口動態を捕らえ、並びに有効な清掃プロセスに続く有効性を測定してもよい。データは、例えば、部屋清浄度、患者満足スコア、HAI感染リスクなどに関する情報を含んでもよい。データは、これらの3つの領域における改善された結果を生むことが示された有効プロセスにおいて指示されるように、システムが従っていることを確実にするためのフィードバックループとして使用されてもよい。有効な病院清掃システム/プロセスは、病院又は他の医療器官内の部屋の清浄度又は各モジュールの清浄度の基準状況を捕捉することを含んでもよい。
【0103】
本明細書に記載されるように、有効な病院清掃プロセスの一部がコンピュータによって実現されてもよく、例えば、コンピュータソフトウェア又はハードウェアに組み込まれてもよい。例えば、コンピュータシステムは、検証プロセスの実行中に生じたデータを回収し、分析してもよい。コンピュータによって実行されるシステムは、特定の検証ポイントが満足されたかどうかを決定するためにデータを分析してもよく、プロセス、モジュール又は病院広域基準における統計分析を実行してもよい。この情報を記憶及び分析し、報告が施設管理者又は企業にフィードバックを与えるように生じさせてもよい。さらに、分析は、複数のアカウント全域で行われてもよく、例えば、ある企業の病院と同一企業内の他の病院とを比較し、複数の病院のモジュールを比較するために、単一の企業又は組織領域内の複数のアカウントが挙げられる。
【0104】
本明細書に記載されている技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又は任意のその組み合わせにおいて実施されてもよい。ソフトウェアにおいて実施される場合、この技術は、有効な医療プロセスシステムのコンピュータによって実行される場合、1以上の技術をコンピュータに起こさせる命令を含むコンピュータに読み取り可能な媒体によって少なくとも一部で実現され得る。コンピュータに読み取り可能なデータソフトウェア媒体は、包装材料を含んでもよいコンピュータプログラム製造物の一部を形成され得る。コンピュータに読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリー(RAM)、例えば、同期型ランダムアクセスメモリー(SDRAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリー(NVRAM)、電気的消去可能読み取り専用メモリー(EEPROM)、フラッシュメモリー、磁気若しくは光学データ記憶媒体、磁気ディスク若しくは磁気テープ、光学ディスク若しくは磁気光学ディスク、CD、CD−ROM、DVD、ホログラフィック媒体などを含んでもよい、命令は、それ自体によって又は他のソフトウェアと組み合わせて実行され得る1以上のソフトウェアモジュールとして実施されてもよい。
【0105】
コンピュータに読み取り可能な命令は、1以上のプロセッサー、汎用マイクロプロセッサー、ASIC、FPGAまたは他の同等の組み込まれた若しくは別個の論理回路によって、システムのコンピュータで実行されてもよい。
【0106】
命令及び媒体は、任意の特定のコンピュータ又は他の装置と必ずしも関連付けられないが、種々の汎用又は専門の機械によって実行され得る。命令は、2以上の媒体の中で分布されてもよく、2以上の機械によって実行されてもよい。機械は、直接的に互いに連結されてもよく、又はネットワーク、例えば、ローカルアクセスネットワーク(LAN)、若しくはグローバルネットワーク、例えば、インターネットを介して連結されてもよい。したがって、用語「プロセッサー」とは、本明細書中で使用するとき、本明細書に記載された技術の実行に適した任意の構造を意味してもよい。
【0107】
また、本発明は、本明細書に記載された機能又は方法を実行するための論理回路を含む1以上のデバイスとして具体化されてもよい。論理回路は、汎用のためにプログラム可能であるか又は専念され得るプロセッサーを含んでもよく、例えば、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、デジタルシグナルプロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などが挙げられる。
【0108】
本明細書に記載された1以上の技術は、ソフトウェアにおいて部分的に又は全体的に実施され得る。例えば、コンピュータに読み取り可能な媒体は、コンピュータに読み取り可能な命令、即ち、上述された技術の1以上を実施するためのプロセッサーによって実行され得るプログラムコードを記憶し又は他には含まれてもよい。
【0109】
有効な病院清掃方法はまた、医療従事者のトレーニング及び継続的な教育を組み込んでもよく、例えば、新しい又は進行中の技術の教示、及び病院内での実例及び行動が挙げられる。これらは、例えば、中枢殺菌現地プロセストレーニング/検証/使用、順守/手続トレーニング、トレーニング管理/監視/介入、結果に影響を及ぼす包括的トレーニング、医大及び関連カリキュラム、認証トレーニングなどを含んでもよい。これは、最新の及び周期的なリフレッシュトレーニングの両方、ハウスキーパーが最良の実施プロセスに従っていることを確認するための各モジュールについて作り出されたトレーニングマテリアル及びトレーニングプロセス、並びに有効プロセスの使用が清潔な部屋又はモジュールの結果、及び可能には低減したHAIリスクを生じることを確認するための適切なツール及び製品を含んでもよい。
【0110】
このようにして、有効な病院清掃システム及び方法は、清掃に取り組む包括的な病院広域清掃及び消毒の実施、病院の清浄度を増加させ、HAIの蔓延を低減させ得る消毒衛生及び臨床ソリューションを提供する。有効な病院清掃システム及び方法の利点は、環境衛生、目に見えるほどの部屋の清浄度、患者満足スコア、並びにHAIリスク低減及び関連したコスト削減における確認された改善であってもよい。また、利点は、HAIによる患者の死亡及び患者の合併症の低下を含んでもよい。有効な病院清掃システム及び方法はまた、改善された業務効率を介したコスト削減、並びに医療従事者のエラー及び不一致の定価を提供してもよい。
【0111】
有効な病院清掃システム及び方法は病院又は他の医療機関について説明されてきたが、この概念は、施設の一部又は施設の全体の清掃及び/又は消毒に組み込まれたアプローチが望まれる多くの異なる企業において、清掃及び消毒の最良の実施に適用されてもよい。さらに、モジュールの有効な病院清掃システム及び方法は、ホテルの部屋清掃、教育施設、長期医療、レストラン、食事サービス、食品飲料施設、飲食場所、休憩室、調理領域、料理領域などの用途における使用に適合され得る。
【0112】
本発明の種々の態様が望まれていた。これらの態様及び他の態様は、以下の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関からの回収したデータを受け入れるサーバーコンピュータであって、該回収されたデータが医療機関のための複数の検証プロセス内のモニターされた検証ポイントに基づいているサーバーコンピュータ;
医療機関を独自に特定する病院データと関連した医療機関から回収したデータを記録するサーバーコンピュータと連結されたデータベースであって、医療機関内のモジュールを定義するモジュールデータと医療機関内の各モジュールのための少なくとも1つの検証プロセスを定義するプロセスマップとをさらに記録するデータベース;
回収したデータを分析し、そこから、1以上の医療機関の清浄度を示す検証データを生じさせるサーバーコンピュータに存在する分析アプリケーション;そして
回収したデータ、検証データ、病院データおよびモジュールデータに基づいて、医療機関の清浄度を特徴付けるレポートを生じさせるサーバーコンピュータに存在するレポーティングアプリケーション
を含むシステム。
【請求項2】
サーバーコンピュータが医療機関から遠隔に位置している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
サーバーコンピュータが医療機関に近い、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの検証ポイントが、検証プロセスの1つのコンポーネントに対して所望の登頂を特定する標的パラメータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの検証ポイントが、最小消毒濃度を特定する標的パラメータを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項6】
分注された消毒剤が最小消毒濃度の対する標的パラメータを満たす、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
分析アプリケーションが、第1の検証データを生じさせる第1期間から回収したデータ、及び第2の検証データを生じさせる第2期間から回収したデータを分析する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
レポーティングアプリケーションが、第1の検証データと第2の検証データを比較するレポートを生じさせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
データベースが、検証プロセスの実行前にモニターされた検証ポイントの状態に対応する基準データを記録する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
レポーティングアプリケーションが、現在の期間から回収したデータと基準データとを比較するレポートを生じさせる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
レポーティングアプリケーションが、各モジュールの検証ポイントが満足するかどうかを特定するレポートを生じさせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
レポーティングアプリケーションが、モジュールにおけるどの検証ポイントを満足しているのかを特定するレポートを生じさせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
医療機関内の院内感染の汚染媒介物を特定し;
医療機関内の複数のモジュールを定義し、各モジュールは医療期間内の物理的領域又は医療機関内で実行された機能と関連付けられ;
複数のモジュールの各々と複数のプロセスマップの異なるものと関連付け;
1以上の洗浄プロセスマップにおいて特定された検証ポイントをモニターし;そして
各々のモニターされた表現ポイントと関連したプロセスパラメータが満たされるかどうかを確認する
ことを含む方法。
【請求項14】
医療機関内でモジュールを定義することが、少なくとも1つの患者部屋モジュール、救命救急モジュール、中枢無菌プロセッシングモジュール、手術室モジュール、食事サービスモジュール、浴室モジュール、又は洗濯室モジュールを定義することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
モジュールを定義することが、少なくとも1つの患者スキンケアモジュール、傷洗浄モジュール、又はハンド衛生モジュールを定義することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
複数のモジュールの各々と1以上の汚染運搬体とを相関させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
関連モジュールと関連モジュールと相関された汚染運搬体に基づく複数の洗浄プロセスマップの1つを生じさせることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
洗浄プロセスマップに関する医療機関のスタッフをトレーニングすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ある種のモニターされた検証ポイントと関連したプロセスパラメータが満たされない場合に、医療機関のスタッフを再度トレーニングすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
各々のモニターされた検証ポイントと関連したプロセスパラメータが満たされるかどうかに基づいて、検証データを生じさせることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
検証データに基づいてレポートを生じさせることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
検証される病院洗浄プロセッシングシステムのコンピュータにおける実行により、コンピュータが、
医療機関から回収したデータを受け入れ、回収したデータが医療機関に対する複数の検証プロセス内でモニターされた検証ポイントに基づき;
医療機関を独自に特定する病院データと関連した医療機関から回収したデータを彫像し;
医療機関内のモジュールを定義するモジュールデータを記録し;
医療機関内の各モジュールについて少なくとも1つの検証プロセスを定義するプロセスマップを記録し;
プロセスマップに関連した回収されたデータを分析し、そこから1以上の医療機関の清浄度を示す検証データを生じさせ;そして
回収データ、検証データ、病院データ及びモジュールデータに基づいて、医療機関の清浄度を特徴付ける少なくとも1つのレポートを生じさせる
ように引き起こさせる指示を含むコンピュータ読み込み可能な媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図8K】
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【図8L】
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【図8M】
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【公表番号】特表2011−519457(P2011−519457A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506819(P2011−506819)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051751
【国際公開番号】WO2009/133527
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)