説明

有効化合物を含む洗浄耐久性の合成ポリマー組成物

合成熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物が開示され、ここで、ブレンドから製造される製品が有効化合物を含む。糸は合成ポリマーブレンドから形成され、次に網または布帛のような製品に編まれ、または織られることができる。製品は香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤および、製品上に機能性を与えるような他の化合物、のような有効化合物で処理することができる。本発明の処理製品は多数回の洗浄後でも有効量を超える有効化合物を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許の開示は、繊維、糸、布帛およびこのような繊維を含む衣類を含む、洗浄耐久性の合成ポリマー組成物に関する。これらの組成物は殺虫剤(insecticides)、忌虫剤、香料、薬剤および他の有効(active)添加物のような有効化合物の担体として有用な機能を有する。これらのポリマー組成物は、とりわけ、伝統的な意味の洗浄または洗濯により基材から容易には落ちない添加物に親和性を有する。それはとりわけ、長期持続性の殺虫性の蚊帳(mosquito nets)に関する。
【背景技術】
【0002】
PVCおよび熱可塑性エラストマーのような担体は、微生物、カビ・真菌、ダニ、等を抑制するための農薬(pesticides)、殺虫剤および他の化合物のような有効化合物の緩徐な放出のためのポリマーマトリックス中に使用される。
【0003】
特許文献1は、殺虫剤として合成ピレスロイドを含む、有効化合物のための担体としてのコポリエステルの使用を開示している(特許文献1参照)。Brandt等は、イヌの首輪のような製品中への射出成形用にこの樹脂を直接使用する工程を対象としている。このような有効化合物はコポリエステルの射出温度で、熱に安定であることが当業者により期待される。これらの射出成形製品は洗浄耐久性であることを要しない。
【0004】
特許文献2は、紡糸の直前にポリエーテルーエステルをポリエステルポリマーに添加された、殺虫剤のような有効化合物のブレンドを開示している(特許文献2参照)。好ましいポリエーテルーエステルはテレフタル酸とポリテトラメチレングリコールから調製される。殺虫剤は熱に安定であることが期待される。Watanabe等はこれらの繊維から製造された製品の洗浄堅牢性についてのどんな情報をも与えていない。
【0005】
特許文献3は抗微生物/抗カビ・真菌剤のための担体としてポリエーテル/ポリエステルのブロックコポリマーを使用している(特許文献3参照)。これらは他のポリマーとブレンドすることができる。有機添加物は一般に加工温度(processing temperature)で不安定なので、それは主として無機物質を対象にしている。Kuratsuji等はこれらの組成物から調製された製品の洗浄堅牢性に関して何の情報をも与えていない。
【0006】
特許文献4は抗微生物および防ダニ用ポリエステル繊維を対象にしている(特許文献4参照)。薬剤(第四級アンモニウム塩)が配合される(またはポリエーテル/ポリエステル重合の最終工程で添加される)。これは延伸後の仕上げとしてのエマルションとして使用される。Kenji等はこれらの繊維から製造される製品の洗浄堅牢性の情報を何も提供していない。
【0007】
特許文献5は香りおよび特定の忌虫調合物を送達するように適合させることができるポリウレタン/尿素マトリックスの調製法を開示している(特許文献5参照)。これらの射出成形製品は洗浄耐久性である必要はない。
【0008】
世界保健機構の統計によると、マラリヤは毎年約3〜5億人が感染し、約150〜270万人が死亡する疾患である。マラリヤ並びに西ナイル熱、脳炎、黄熱病およびデング熱のような、関連した、蚊に刺されることにより伝染される疾患は、重大なヒトの健康の結果を有するために、蚊の繁殖を攻撃し、排除するすべての手段が正当とされる。殺虫剤の空中(アエゾール)適用に加えて、蚊を抑制するための知られた手段は、室内の生活空間
の部分および寝室領域を隔離するために使用される網、カーテン、および窓のスクリーン、並びに防護服:のような製品の殺虫剤処理を含む。殺虫剤で前以て処理された寝具用網または防護服の洗浄は、殺虫剤処理の耐久性の更なる問題を提供する。一般に殺虫剤処理された蚊帳は、洗浄後に殺虫剤で再含浸する必要がある。これは現地ではめったに実施されない。従って、洗浄後の殺虫剤処理蚊帳の耐久性を改善する多数の試みが実施されてきた。
【0009】
特許文献6は殺虫剤(ペルメトリン(permethrin))上でパジングする(padding)前にPVA溶液で網を処理する(特許文献6参照)。対照の事例では20回の洗浄(140°F(60℃))後、ペルメトリンは残存しなかったが、PVA処理により20%未満が残存した。
【0010】
特許文献7はペルメトリンおよび、アクリルコポリマーのようなポリマー結合剤の溶液の使用、またはPVA結合剤に対する架橋剤の添加を開示している(特許文献7参照)。双方のアプローチがPVA単独に比較して殺虫剤の耐久性を改善した。
【0011】
特許文献8は殺虫剤または他の揮発性化合物と反応するエトキシル化グリセロールの使用を開示している(特許文献8参照)。これは、殺虫剤の蒸気圧を減少させて、その効力を持続させる。これらの繊維から製造された製品の洗浄堅牢度についての情報はない。
【0012】
特許文献9は洗浄耐久性処理および汚れ耐久性処理(集中的洗浄の必要を最少にするため)の使用を開示している(特許文献9参照)。殺虫剤の含浸後に添加されたこれらの処理物は、ポリシロキサンおよびフルオロカーボンに基づく。耐久性は殺虫剤としてアルファシペルメトリンを使用して12回の洗浄に対して持続した。
【0013】
特許文献10はシクロデキストリンおよびPVAの結合剤系を開示している(特許文献10参照)。殺虫剤としてペルメトリンを使用して、10回の洗浄に対して耐久性が維持されたことが見いだされた。
【0014】
特許文献11は殺虫剤、コポリマーの疎水性結合剤(スチレン2−エチルヘキシルアクリレート・コポリマー)および分散剤(ナトリウムシリケート)の組成物を開示している(特許文献11参照)。該特許は、該分散剤が、洗浄時に、より多くの殺虫剤を網の表面にもたらすと主張している。殺虫剤の放出速度を制御することにより、50回の洗浄(WHOの標準法)後でも、網が有効のままであることができると主張している。
【0015】
特許文献12はポリウレタンの布帛上への殺虫剤および結合剤系の使用を開示している(特許文献12参照)。これらは5回の洗浄に耐久性であった。
【0016】
前記の開示はいずれも、洗浄耐久性の製品に形成することができる有効化合物を含む組成物の必要を満たさない。この点で、我々の特許開示物は、殺虫剤および他の有効化合物を含む製品をそれから製造することができる合成繊維組成物の必要に対処する。本明細書の教示に加えて、長期持続性蚊帳のための世界保健機構の必要条件を満たす、固有の、高度な洗浄堅牢度および忌虫性および虫死亡率をもつ、殺虫剤および忌虫剤を含む繊維および布帛が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】欧州特許第0 542 081 A1号明細書(Brandt等に対する)
【特許文献2】特開平8−109516号公報(Watanabe等に対する)
【特許文献3】米国特許第6,120,790号明細書(Kuratsuji等に対する)
【特許文献4】特開平11−140775号公報(Kenji等に対する)
【特許文献5】米国特許第6,375,966号明細書(Maleeny等に対する)
【特許文献6】米国特許第5,303,918号明細書(Samson等に対する)
【特許文献7】米国特許第5,631,072号明細書(Samson等に対する)
【特許文献8】米国特許第5,733,560号明細書(Davister等に対する)
【特許文献9】国際公開出願第01/37662号パンフレット(Skovmandに対する)
【特許文献10】国際公開出願第01/58261号パンフレット(Mount等に対する)
【特許文献11】国際公開出願第03/034823号パンフレット(Baekerに対する)
【特許文献12】特開平8−296171号公報(Takahi等に対する)
【発明の概要】
【0018】
発明の要約
本明細書の教示は、そのブレンドから製造される製品が有効化合物を含む、合成熱可塑性ポリマーおよび構成要素(constituent)(担体(carrier))としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物に関する。熱可塑性ポリマーはポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドから選択される。担体はポリオキシアルキレンあるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーから選択される。製品は一般に連続的な糸または不連続的ステープルヤーンであってもよい繊維からの織物または編み物構造物を含んでなる。製品は有効化合物で含浸される。
【0019】
本明細書の教示が対象とする合成ポリマー組成物は、その組成物から調製される製品が有効化合物を含んでなり、そしてその製品が洗浄耐久性である、熱可塑性ポリマーおよび構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーのブレンドを含んでなる。
【0020】
より具体的には、合成ポリマー組成物はポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドのいずれかから選択される熱可塑性化合物である。
【0021】
合成ポリマー組成物は、構成要素として、ポリオキシアルキレンあるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーから選択されるポリエーテルの鎖を含んでもよい。
【0022】
合成ポリマー組成物は構成要素として、ポリエーテル/エステル・ブロックコポリマーから選択されるポリエーテルの鎖を含んでもよい。
【0023】
合成ポリマー組成物は更に、有効化合物:香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物を含んでなる。
【0024】
合成ポリマー組成物は更に、合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物またはこれらの混合物よりなる群から選択される殺虫剤を含んでなることができる。
【0025】
合成ポリマー組成物は更に、構成要素として、総組成物の0.5〜15重量パーセントの量のポリエーテルの鎖を含んでなることができる。
【0026】
合成ポリマー組成物は更に、総組成物の0.05〜1重量パーセントの量の有効化合物を含んでなることができる。
【0027】
本明細書の教示は更に、熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物を溶融紡糸することにより調製されるマルチフィラメント糸に関する。
【0028】
本明細書の教示が更に対象とするマルチフィラメント糸はポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドから選択される熱可塑性化合物を含んでなることができる。
【0029】
本明細書の教示が更に対象とするマルチフィラメント糸は、構成要素としてポリエーテルの鎖、ポリオキシアルキレン、あるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーを含んでなることができる。
【0030】
本明細書の教示が更に対象とするマルチフィラメント糸は、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーまたはポリエーテル/エステル・ブロックコポリマーを含んでなることができる。
【0031】
本明細書の教示は更に、本明細書に開示されたマルチフィラメント糸から調製される織物または編み物製品を対象とする。
【0032】
本明細書の教示が対象とする製品は、有効化合物で含浸されたものを含んでなることができる。
【0033】
本明細書の教示が更に対象とする製品は、香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物から選択される有効化合物で含浸されるものを含んでなることができる。
【0034】
本明細書の教示が更に対象とする製品は、合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物またはこれらの混合物の中から選択される殺虫剤で含浸されるものを含んでなることができる。
【0035】
網製品、網、上着、寝具、防護服、下着、衣類およびテントから選択される、本明細書の教示が更に対象とする製品は、殺虫剤で含浸されるものを含んでなることができる。
【0036】
本明細書の教示が更に対象とする製品は、5回の洗浄周期後にその0.1重量%超を含んでなる殺虫剤で含浸されるものを含んでなることができる。
【0037】
本明細書の教示は更に、合成熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーのブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物から、有効化合物がその中に含浸される製品を調製する方法に関する。
【0038】
本明細書の教示は更に、熱可塑性ポリマーを、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーとブレンドし;構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーとブレンドされた熱可塑性ポリマーから複数の繊維を形成し;複数の繊維から製品を形成し;そして製品を有効化合物の溶液で処理し、ここで処理された製品は5サイクルの洗浄の後に0.1重量%を超える有効化合物を含む、工程:を含んでなる、有効化合物の担体として適する製品を製造する方法に関する。
【0039】
本発明のこれらの教示は更に、前記熱可塑性ポリマーがポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドである、製品を製造する方法に関する。
【0040】
本発明のこれらの教示は更に、構成要素としてポリエーテルの鎖を含む前記の熱可塑性ポリマーがポリオキシアルキレン、あるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーである、製品を製造する方法に関する。
【0041】
本発明のこれらの教示は更に、構成要素としてポリエーテルの鎖を含む前記の熱可塑性ポリマーがポリエーテル/エステル・ブロックコポリマーである、製品を製造する方法に関する。
【0042】
本発明のこれらの教示は更に、製品を有効化合物の溶液で処理する工程において香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物から選択される有効化合物が含まれる、製品を製造する方法に関する。
【0043】
本発明のこれらの教示は更に、製品を有効化合物の溶液で処理する工程において、合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物またはこれらの混合物から選択される殺虫剤が含まれる、製品を製造する方法に関する。
【0044】
本発明のこれらの教示は更に、熱可塑性ポリマーと、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーとをブレンドする工程において、総組成物の0.5〜15重量パーセントの量を含んでなる、製品を製造する方法に関する。
【0045】
本発明のこれらの教示は更に、製品を有効化合物の溶液で処理する工程において、総組成物の0.05〜3重量パーセントの量を含んでなる、製品を製造する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
発明の詳細な説明
本明細書の教示は、そのブレンドから製造される製品が有効化合物を含む、合成熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物に関する。製品は「洗浄耐久性」であり、それは、有効化合物が、175:1の液体比率、10のpHの、撹拌された0.2重量%の洗剤(1993年米国織物化学者および色素学者協会の標準参考洗剤)溶液中で10分間、少なくとも約5回洗浄し、すすぎそして乾燥後にその機能性を保持することを意味する。
【0047】
合成ポリマー組成物
ポリエステル、コポリエステル、ポリカーボネート、コポリカーボネート、ポリアミド、コポリアミド、ポリ(アルファ)オレフィンまたはこれらの混合物がもっとも一般的な合成熱可塑性ポリマーである。
【0048】
一般にポリエステルまたはコポリエステルは2方法:すなわち(1)エステル法および(2)酸法、の一方により調製することができる。エステル法は、少なくとも1種のジカルボン酸エステル(例えばジメチルテレフタレート)が少なくとも1種のジオール(例えばエチレングリコール)とエステル交換反応で反応される方法である。反応は可逆性であるため、一般に原料物質をモノマーに完全に転化させるためにはアルコール(ジメチルテレフタレートが使用される時はメタノール)を除去することが必要である。そのようにして調製されたモノマーは短鎖オリゴマーの混合物および、場合により少量の出発物質を含む。エステル交換反応に使用のためには特定の触媒が周知である。これまでは、その場合、エステル交換反応の最後にリン化合物、例えばポリリン酸を導入することにより、触媒
の活性を抑えた。エステル交換触媒は、主として、ポリマー中で黄色度(yellowness)が起ることを妨げるために抑えられた。
【0049】
次に、モノマーが重縮合を受け、この反応に使用される触媒は一般にアンチモン、ゲルマニウムまたはチタン化合物、あるいはこれらの混合物である。
【0050】
ポリエステルまたはコポリエステルを製造する第2の方法においては、少なくとも1種のジカルボン酸(例えばテレフタル酸)を直接的エステル化反応により、少なくとも1種のジオール(例えばエチレングリコール)と反応させて、モノマーおよび水を生成する。そのように調製されたモノマーは短鎖オリゴマーの混合物および場合により少量の出発物質を含む。この反応もまた、エステル法のように可逆性であり、従って、反応を終結させるためには水を除去しなければならない。大部分の場合は、直接的エステル化法は触媒を必要としない。次にモノマーが重縮合を受けて、エステル法におけるのと同様にポリエステルを形成し、そして使用される触媒および条件は一般にエステル法に対するものと同様である。
【0051】
適切なポリエステルは少なくとも65モル%、好ましくは少なくとも70モル%、より好ましくは少なくとも75モル%、更により好ましくは少なくとも95モル%のテレフタル酸またはC〜Cジアルキルテレフタレートを含んでなる二酸またはジエステル構成要素、および、少なくとも65モル%、好ましくは少なくとも70モル%、より好ましくは少なくとも75モル%、更により好ましくは少なくとも95モル%のエチレングリコールまたはC〜C20ジグリコールを含んでなるジオール構成要素、の反応から生成される。更に、二酸構成要素がテレフタル酸であり、ジオール構成要素がエチレングリコールであり、それによりポリエチレンテレフタレート(PET)を形成することが好ましい。すべての二酸構成要素のモルパーセントは合計で100モル%であり、すべてのジオール構成要素のモル百分率は合計で100モル%である。
【0052】
ポリエステル構成要素がエチレングリコール以外の1種または複数のジオール構成要素により修飾される場合は、記載のポリエステルの適当なジオール構成要素は1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール(2MPDO);1,6−ヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール;1,3−シクロヘキサンジメタノール;および鎖中に1個以上の酸素原子を含むジオール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはこれらの混合物等から選択することができる。一般に、これらのジオールは2〜18個、好ましくは2〜8個の炭素原子を含む。脂環式ジオールはそれらのシスまたはトランス配置、あるいは両形態の混合物として使用することができる。好ましい修飾ジオール構成要素は1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはジエチレングリコールあるいはこれらの混合物である。
【0053】
ポリエステル構成要素がテレフタル酸以外の1個以上の酸構成要素により修飾される場合は、直線状ポリエステルの適当な酸構成要素(脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸)を、例えば、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジオン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、二安息香酸(bibenzoic acid)またはこれらの混合物等から選択することができる。ポリマー調製において、しばしば、ジカルボン酸のジメチル、ジエチルまたはジプロピルエステルのようなそれらの官能酸誘導体を使用することが好ましい。実際的な場合には、これらの酸の無水物または酸ハロゲン化物もまた使用することができる。
【0054】
テレフタル酸(またはジメチルテレフタレート)およびエチレングリコールから製造されるポリエステル、または前記のような修飾ポリエステルに加えて、本発明はまた、100%の、2,6−ナフタレンジカルボン酸または二安息香酸またはそれらのジエステルのような芳香族二酸並びに、前記のいずれかのコモノマーと、少なくとも85モル%の、これらの芳香族二酸/ジエステルからのジカルボキシレートを反応させることにより製造される修飾ポリエステル、の使用を含む。
【0055】
本明細書に使用されるポリカーボネートはコポリマーおよびポリエステルカーボネートを含む。もっとも一般的なポリカーボネートはビスフェノールAに基づく。ポリカーボネートは商業的には2種の方法:アミン触媒界面縮合反応におけるホスゲンと芳香族ジオールのショッテン−バウマン反応;またはモノマーカーボネートとのビスフェノールの塩基触媒エステル交換反応、により調製される。
【0056】
ナイロン6,6のようなポリアミド、またはコポリアミドは、一般に、インサイチューでまたは別の工程で調製することができる少なくとも1種の二酸−ジアミン塩から、溶融相重合により調製される。いずれの方法でも、出発物質として二酸およびジアミンが使用される。二酸−ジアミン塩が使用される時は、混合物を加熱溶融し、平衡するまで撹拌する。重合または共重合は大気圧または高圧または真空下のいずれかで実施することができる。ナイロン6のようなアミノ酸から形成されるポリアミドは一般に、対応するラクタムの開環により生成される。もっとも一般的な方法は、ラクタムをポリアミドの融点を超える温度で、水の存在下で加熱する加水分解重合である。加水分解開環は酸または塩基により触媒することができる。次に、生成されるアミノ酸が段階的方法で縮合して、伸長するポリマー鎖を形成する。アニオン重合においては、反応は強塩基、例えば金属水素化物、アルカリ金属酸化物、有機金属化合物または水酸化物により開始されて、ラクタメートを形成する。次にラクタメートが2段階反応を開始して、ポリマー鎖にラクタムの1分子を付加する。ラクタムはまた、強プロトン酸、それらの塩、ルイス酸並びにアミンおよびアンモニアにより開始されるカチオン性機序により無水条件下で重合されることができる。本発明のポリアミドは好ましくは、ポリマーの各アミド結合間に少なくとも約85モル%の脂肪族部分を含み、一般にナイロンと呼ばれる。ナイロン6、ナイロン66、ナイロン7、ナイロン6,10;ナイロン6,12;ナイロン12およびコポリアミド並びに通常市販されている熱可塑性ナイロンが本明細書の教示を実施するのに有用である。
【0057】
他の熱可塑性ポリマーは、それらが当該技術分野で一般に認められているような脂肪族モノ−1−オレフィン(アルファオレフィン)の通常の固形のホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーを含む、ポリ(アルファ)オレフィンである。より高分子のモノマーは時々、コモノマーとして使用されるが、このようなポリ(アルファ)オレフィンを製造する際に使用されるモノマーは通常、1分子当たり2〜10個の炭素原子を含む。機械的にまたはインサイチューで調製されルポリマーおよびコポリマーのブレンドも使用することができる。本発明に使用することができるモノマーの例はエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1およびオクテン−1の、単独またはそれらの混合物または連続的重合系を含む。好ましい熱可塑性ポリ(アルファ)オレフィンポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン/エチレンコポリマー、ポリブチレンおよびそれらのブレンドを含む。ポリエチレンおよびポリプロピレンは本発明における使用に特に好ましい。
【0058】
本発明に使用される前記の熱可塑性ポリマーに加えて、更に添加物を添加することもできる。このような添加物は静電気抑制剤、着色剤(染料および顔料)、カップリング剤、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、潤滑剤、可塑化剤および複数のこれらの混合物であることができる。
【0059】
担体
本発明における担体は「構成要素単位としてポリエーテルの鎖を含むポリマー」である。これはポリオキシアルキレンの鎖がもう1つの高分子の鎖に結合されているブロックコポリマー、またはポリオキシアルキレンの鎖が結合部分を介して結合されているポリマーであることができる。本明細書のポリオキシアルキレンの例は、ポリオキシエチレン、ポリ(1,2−および1,3−オキシプロピレン)、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシヘキサメチレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックおよびランダムコポリマー、並びにエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックおよびランダムコポリマー、等を含む。アルキレン部分は特に好ましくは、2−4炭素を有し、そしてポリオキシエチレンおよびポリオキシテトラメチレンがもっとも好ましい。
【0060】
ポリオキシアルキレンの数平均分子量は好ましくは300〜6000、そしてもっとも好ましくは500〜4000の範囲内にある。
【0061】
本発明の範囲内では、ポリエーテル/ポリエステル・ブロックコポリマー、ポリエーテル/ポリアミド・ブロックコポリマーおよびポリエーテルウレタンが好ましくは「構成要素単位としてポリエーテルの鎖を含むポリマー」として使用される。
【0062】
本発明の範囲内の、ポリエーテル/ポリエステルのブロックコポリマーは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖(a)が、6個の炭素のオキシカルボン酸または2個の炭素のジヒドロキシ化合物および芳香族ジカルボン酸のポリマーであるポリエステルの鎖(c)と結合されているポリマーである。2個以上の前記の構成要素(c)もまた一緒に使用することができる。これらのポリマーは例えば、米国特許第4,739,012号明細書(DuPont Co.)に詳細に考察されている。市販の例は、(DuPont)、Pelprene(R)Pシリーズ(Toyobo)およびRekuse(R)(Teijin)を含む。本発明に使用されるブロックコポリマー中の前記の構成要素(a)および構成要素(c)の重量百分率は目的および最終使用に従って決定することができる。
【0063】
本発明の範囲内の、「ポリエーテル/ポリアミドのブロックコポリマー」は、ポリ(アルキレンオキシド)の鎖(a)が、アミノカルボン酸または6個の炭素のラクタム、またはジカルボン酸と6個の炭素のジアミンの塩のポリマーであるポリアミドの鎖(b)と結合されているコポリマーである。(a)および(b)が4〜20個の炭素のジカルボン酸により結合されているコポリマーは、一般にポリエーテルエステルアミドと呼ばれる。これらのポリマーは例えば、日本審査特許(Japanese Examined Patent)56−45419号の方法により製造することができる。市販の例は、Pebax(R)(Elf−Atochem)、Ely(R)(Ems)およびVestamide(R)(Huls)を含む。本発明に使用されるブロックコポリマー中のポリアミド構成要素およびポリエーテル構成要素の種類および割合は、目的および最終使用に従って選択することができる。
【0064】
アミノカルボン酸または6個の炭素のラクタム、またはジカルボン酸と6個炭素のジアミンの塩としては、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、カプロラクタム、ラウロラクタム、エナサラクタム、ヘキサメチレンジアミンアジピン酸塩およびヘキサメチレンジアミンセバシン酸塩が好ましく使用される。2個以上の前記の構成要素(a)もまた、同時に使用することができる。
【0065】
本発明の範囲内の、「ポリエーテルウレタン」は、ポリエーテルが軟質(soft)セグメントとして使用される熱可塑性ポリウレタンである。これらのポリウレタンは通常、500〜6000の分子量の、そして場合により触媒の存在下で伸長されたポリエーテル
と、有機ジイソシアネートを反応させることにより得られる。イソシアネートとしては、好ましくはトルイレン・ジイソシアネートおよびジフェニルメタン・ジイソシアネート、等が使用され、そしてポリエーテルとしてはポリテトラメチレングリコールおよびポリ(プロピレンオキシド)、等が使用される。
【0066】
本発明の範囲内の、これらのポリエーテル/ポリアミド・ブロックコポリマー、ポリエーテル/ポリエステル・ブロックコポリマーおよびポリエーテルウレタンは、単独でまたは混合物として、または樹脂中の軟質セグメント/硬質セグメントの比率の異なる2種以上のブロックコポリマーの混合物中で使用することができ;更に、本発明の目的が達成される範囲内で、他の樹脂とのブレンドを使用することもできる。
【0067】
好ましい担体は約0.5〜約15%の重量レベルで熱可塑性ポリマーとブレンドされたポリエーテル/エステル・ブロックコポリマーである。
【0068】
有効化合物
有効化合物は香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤および、製品に機能性を与えるような他の化合物、のような有機化合物であることができる。本発明はとりわけ、殺虫剤を対象とする。
【0069】
殺虫剤溶液/エマルションに使用される殺虫剤は好ましくは(ヒトの安全性の理由で)、それらに限定はされないが、ペルメトリン、デルタメトリン、シフルトリン、アルファ−シペルメトリン、エトフェンプロックスおよびラムダ−シハロトリンを含むピレスロイド群の殺虫剤の1員である。これらは単独でまたは組み合わせて使用することができる。この群の殺虫剤は特に、マラリヤ感染蚊に対して有効であり、ヒトに対し比較的安全で無毒である。この後者の特徴が、これらの殺虫剤を、皮膚または身体に近接または隣接して装着される布帛または衣類への使用に特に望ましいものにさせる。
【0070】
ペルメトリンは環境保護機関(EPA)および世界保健機構(WHO)により、使用に承認されてきた第3世代の合成ピレスロイドである。それは多数の家庭および農業用殺虫剤調合物の構成要素であり、更に、現場において陸軍戦闘服の制服を含浸するために使用されてきた。近年利用可能な調合物および適用法は、それが3〜4回の洗浄以内に処理布帛から洗い落とされる事実のために、ペルメトリンの使用をごく限定されたものにした。本明細書に記載の調合物および適用法はこの重大な欠点を克服する。
【0071】
デルタメトリンもまた、合成ピレスロイド基剤の殺虫剤である。それがずっと長期の作用期間を有し、その殺虫作用が、他の、一般に市販されている殺虫剤よりずっと強力である点で、合成ピレスロイド中でユニークな殺虫剤である。この特性のために、蚊よけに必要な用量は、一般に3〜18gの範囲で極めて低く、この殺虫剤を極めて経済的なものにさせる。デルタメトリンはまた、その作用が広範な温度にわたり持続するために有利である。この化学薬品の低い毒性が、それを皮膚に隣接してまたは食品等に密接して装着される、コートされた衣類の一部としての使用に特に望ましいものにさせる。
【0072】
シペルメトリンは、その乳化可能な濃厚調合物とともに、非植物毒性であり、そして非常に低い次元の皮膚毒性を有する、更に他の合成ピレスロイドである。それは、もっとも毒性の低い合成ピレスロイド殺虫剤の仲間であると考えられる。アルファ−シペルメトリンはその親化合物よりも殺虫作用についてずっと有効な、シペルメトリンのラセミ誘導体である。
【0073】
当業者が認めるように、本発明の調合物は前記のピレスロイドに限定されない。シフルトリンおよびラムダ−シハロトリンのような、より新しい合成ピレスロイドを使用するこ
ともできる。単独でまたは組み合わせて使用することができる他の殺虫剤は、アラニカルブ、ベンジオカルブ、カルバリル、イソプロプカルブ、カルボスルファン、フェノキシカルブ、インドキサカルブ、プロポクスル、ピリミカルブ、チオカルブ、メトミル、エチオフェンカルブ、カルタプ、キシリルカルブのようなカルバメート化合物である。有機リン化合物のような殺虫剤の他の群を本発明に従って使用することができる。このような化合物はフェニトロチオン、ジアジノン、ピリダフェンチオン、ピリミホス−エチルおよび−メチル、エトリムホス、フェンチオン、フォキシム、クロロピリフォス、シアノフォス、ピラクロフォス、アザメチホス、マラチオン、テメフォス、ジメトエート、フォルモチオン、フェントエートを含む。
【0074】
更に、当業者が認めるように、ヒトに対して安全で、害虫に対して所望のレベルの有効度をもつあらゆる殺虫剤を使用することができる。
【0075】
合成ポリマー組成物および担体のブレンドから製造される製品中に最初に含浸される殺虫剤のレベルは、使用される特定の殺虫剤に応じてばらつくであろう。一連の洗浄後に残留するレベルは、殺虫剤としてまだ有効でなければならない。合成ピレスロイドの範囲は40〜500mgの有効殺虫剤/mである。
【0076】
ブレンディング
合成ポリマー組成物および担体は、市販のブレンダーを使用して一緒にブレンドするかまたは、担体の量を制御するための検量または容量測定システムを使用して別のホッパーを通して、押し出し装置に供給することができる。
【0077】
溶融紡糸
マルチフィラメント糸を溶融紡糸する方法は当該技術分野で周知である。溶融ポリマーブレンドを、押し出し機を通して、高圧下で紡糸パックを収納する加熱ハウジングに供給する。濾過された溶融ポリマーを、紡糸口金中に提供された多数の紡糸出口を通して押し出す。フィラメントが紡糸口金から束として現れる。フィラメントの束は遅延区域(加熱または非加熱)を通過し、次にクエンチ区域に通過し、そこで束は室温の空気で冷却され、それが、束の移動方向を横切ってフィラメント上に吹き出される。次にフィラメントの束は仕上げ計測ユニットと接触させられ、そこで、通常の方法で、適当な潤滑剤が束のフィラメントに適用される。次に、糸の束に正確な速度を与えるための最初の前進ローラーに、マルチフィラメントの束が到達する。供給ローラーの円周速度が、フィラメントが紡糸される速度を決定するので、それは紡糸速度と呼ばれる。紡糸されたマルチフィラメント糸がローラーを出ると、パッケージとして巻き取られる。糸が巻き取られる速度は紡糸速度とほぼ等しいであろう。糸が巻き取られた後に、それは別の機械上で所望の比率に延伸される。しかし、原則的には、延伸もまた、連続的紡糸−延伸工程で紡糸機上で実施することができる。適用されている、それ自体知られている紡糸−延伸工程の事象において、1種以上の駆動ローラーよりなる延伸装置は第1の駆動ローラーと巻き取りボビンの中間に提供することができる。
【0078】
糸のデシテックスおよびフィラメント数は、布帛の種類およびそれが意図する適用に左右されるであろう。典型的なデシテックスの値は約40〜300の範囲内にあり、フィラメント数は約1〜75である。糸の強度は、約20%を超える破断伸びを伴って、約35cN/texを超えなければならない。引っ張り特性はASTM D2256−02に従って測定される。
【0079】
布帛の形成
有効構成要素で含浸される布帛は、種々の異なる布帛および布帛様物質を含む。蚊帳に好ましい実施態様において、布帛は緩く織られたまたはワープニットされた物質である。
この種類の布帛は、夜間の虫刺されを防ぐために、もっとも好ましくは、就寝中のヒトを覆う、緩いテント様形態に配置された網であるベッドの網として特に有用である。約1.5〜約5mmの範囲の網のメッシュサイズが好ましい。布帛はまた、衣料品および、防水シートまたは囲いのような屋外の覆い物のためのテント、を含む種々の異なる物質に織り、または縫うことができる。衣料品はまた、陸軍の戦闘服の衣類および物質を含むことができる。布帛はまた、使い捨て可能な物質に織ることができる。更に、布帛は家具等の外側カバーを形成するようにさせることができる。
【0080】
殺虫剤−含浸布帛の1つの特に好ましい実施態様は、蚊の蔓延が風土的な領域および従来の衣類の上に装着することができる寝室の網タイプの材料でできた上着衣料に特に有用である。この上着衣料は、ウオーキング、ハイキング、農作業等のような活動に従事するヒトのための日中の蚊避けを提供するであろう。
【0081】
更に、布帛を頭部、首および顔面領域を覆うためのフードまたは帽子物質に構成することができることは認識されるべきである。この種の布帛は身体のこれらの極めて敏感な部分を保護するために有用である。
【0082】
含浸法
有効化合物の溶液またはエマルションは、それらに限定はされないが、1回以上、布帛を溶液中にさっと浸す(dipping)、特定の期間、布帛を溶液中に浸す(soaking)、または布帛上に溶液を噴霧するような、当業者に周知の方法を使用して布帛に適用される。1つの有効な方法は、布帛上に有効な化合物をパジングし(padding)、次に絞って、布帛上の有効化合物の量を調節することである。次に布帛を洗浄し、乾燥する。更に、有効化合物溶液の調合物を種々のエアゾール噴霧法並びに非エアゾール噴霧法により使用することができる。このような噴霧装置はそれらに限定はされないが、携帯噴霧装置および噴霧びん並びに工業サイズの適用装置を含むことができる。
【0083】
試験法
1.洗浄
試験に使用される洗浄法は世界保健機構(WHO)の指針に従って実施された:6グラムの1993年米国織物化学者および色素学者(AATCC)協会の標準参考洗剤またはL’Amande洗濯石鹸を3リットルの脱イオン水に溶解する。NaPOを添加して、この洗剤溶液のpHを約10に調整する。洗浄される布帛試料を秤量し、次に前以て調製されたAATCC洗剤溶液をビーカー中の布帛試料に添加する。洗剤溶液量を布帛重量の約175倍であるように調整する。ビーカーを震盪装置中に置き、毎分約160回の震盪運動において室温で10分間震盪する。
【0084】
布帛試料を取り出し、スクリーンおよび乳棒を使用して溶液を布帛試料から絞る。洗剤溶液と同量の脱イオン水を使用して、布帛試料を震盪装置上で更に10分間すすぎ、次にすすぎサイクルを反復する。2回のすすぎの中間にはスクリーンと乳棒処理を使用しない。2回のすすぎ後、スクリーンと乳棒を使用して布帛試料から水を絞り、次にペーパータオルを使用して布帛試料を乾燥する。次に布帛試料を100℃の真空オーブン中に10分間入れる。
【0085】
2.有効化合物
製品中の有効化合物の濃度を以下のように決定した。有効化合物を、知られた量の内部基準物が添加された適当な溶媒中の製品の秤量片から抽出した。製品および溶媒を含むバイアルを室温で18時間震盪した。この溶液のサンプルをガスクロマトグラフィーにより分析して、有効化合物の含量を決定した。これは製品の重量%または製品1g当たりの有効化合物のmgとして表す。
【0086】
殺虫剤の場合には、溶媒はジクロロメタンであり、内部基準溶液はトルエン中のオクタコサンである。
【0087】
本発明は更に、以下の、限定しない例により具体的に示されるが、それらはいかなる方法でもそれらの範囲に対して制約を与えるものと解釈してはならない。反対に、本明細書の説明を読後、本発明の精神または付記の請求項の範囲から逸脱せずに、当業者に示唆を与えるかも知れない種々の、それらの他の実施態様、修飾物および同等物に訴えることができることは明白に理解することができる。
【0088】
実施例
【実施例1】
【0089】
約5重量%のポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(HYTREL(R)3078,DuPont Wilmington DE,USA)を含むナイロン66のポリマーブレンドを溶融紡糸、延伸(draw)すると17フィラメントを含む111dtexの糸を与えた。この糸をストッキングの脚に筒編みした。13.7グラムの本布帛を100℃の549ミリリッターの0.05%のラムダ−シハロトリンエマルション中で10分間、処理した。エマルションは脱イオン水にラムダ−シハロトリン殺虫剤を添加することにより調製した。本布帛試料をすすぎ、100℃の真空オーブン中で10分間乾燥した。洗浄前の布帛で測定されたラムダ−シハロトリンの量は0.39重量パーセントであった。次に、前記の世界保健機構(WHO)の洗浄法に従って、本試料を30回洗浄した。布帛中のラムダ−シハロトリン量を5回、10回、20回および30回洗浄後に測定し、結果は表1に示される。
【実施例2】
【0090】
実施例1の方法に従って布帛を製造し、試験した。本布帛は111dtexおよび17フィラメントの糸を含み、ナイロン66および15重量パーセントのポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(HYTREL(R)3078)のポリマーのブレンドから調製した。15.2グラムの本布帛を100℃の、608ミリリッターの0.03%のラムダ−シハロトリンエマルション中で20分間、処理した。エマルションは脱イオン水に13.1%のラムダ−シハロトリン溶液を添加することにより調製した。布帛試料をすすぎ、100℃の真空オーブン中で10分間乾燥した。洗浄前の布帛上で測定されたラムダ−シハロトリンの量は0.61重量パーセントであった。布帛中のラムダ−シハロトリン量を5回、10回、20回および30回洗浄後に測定し、結果は表1に示される。
【実施例3】
【0091】
実施例1の方法に従って布帛を製造し、試験した。本布帛は111dtexおよび17フィラメントの糸を含み、ナイロン66および、5重量パーセントのポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(HYTREL(R)3078)のポリマーのブレンドから調製した。布帛の重量は11.64グラムであり、100℃の脱イオン水中、465.6グラムの0.03%のラムダ−シハロトリンエマルション中で10分間、処理した。本試料をすすぎ、100℃の真空オーブン中で10分間乾燥した。本試料を前記のWHO洗浄法を使用して5回洗浄した。洗浄前の布帛上のラムダ−シハロトリンの量は0.22重量パーセントであった。5回洗浄後のラムダ−シハロトリンの量は表1に示される。
【0092】
【表1】

【実施例4】
【0093】
約5重量%のポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(HYTREL(R)3078,DuPont Wilmington DE,USA)を含むポリエチレンテレフタレート(PET)のポリマーブレンドを溶融紡糸し、延伸すると17フィラメントを伴う111dtexの糸を与えた。本糸をストッキングの脚に筒編みした。布帛を潅流温度で、異なる濃度のラムダ−シハロトリンエマルション中で20分間処理した。エマルションは脱イオン水にラムダ−シハロトリン殺虫剤を添加することにより調製した。布帛試料をすすぎ、100℃の真空オーブン中で間乾燥し、次に前記の世界保健機構(WHO)の洗浄法に従って30回洗浄した。布帛中のラムダ−シハロトリン量を5回、10回、20回および30回洗浄後に測定し、結果は表2に示される。
【0094】
【表2】

【比較例1】
【0095】
実施例1の方法に従って布帛を製造し、試験した。本実施例においてはポリエーテル/エステルのブロックコポリマーを添加しなかった。このナイロン66布帛は111dtexおよび17フィラメントの糸を含んだ。8.8グラムの本ナイロン布帛を100℃の、352グラムの0.03%ラムダ−シハロトリンエマルション中で10分間、処理した。本布帛をすすぎ、100℃の真空オーブン中で10分間乾燥した。洗浄前に、本試料は0.15重量パーセントのラムダ−シハロトリンを含んだ。5回洗浄後のラムダ−シハロトリンの量は表1に示される。
【0096】
本発明の実施例は30回の洗浄後に少なくとも0.04重量%のラムダ−シハロトリンを保持する。これは、ラムダ−シハロトリンに対するWHO推奨レベルである20mg/布帛1mに相当する、0.04%の最低有効量より高い。
【実施例5】
【0097】
実施例1の方法を、異なるモル%のエステルおよびエーテルを含むポリエーテル/エステルのブロックコポリマーを使用して反復した。ポリブチレンテレフタレートに基づくエ
ステル部分およびテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)に基づくエーテル部分、各洗浄周期後に残留するラムダ−シハロトリンの量が測定され、結果は表3に示される。
【0098】
【表3】

【0099】
本実施例から、構成要素単位としてポリエーテルの鎖を含むポリマーが有効な担体であることが明白である。
【実施例6】
【0100】
ポリエーテル/エステルのブロックコポリマーを3重量%のポリエーテルジオールを使用して、PETに基づき調製した。これらは分子量450および1500のポリエチレングリコール、並びに分子量650、2000のPTMEGジオールおよびPEGとPTMEGの混合物を含む。
【実施例7】
【0101】
繊維(111dtex、17フィラメント)を、8重量%のポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(Hytrel(R)3078)とのナイロン66のポリマーブレンドおよび5重量%のポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(Hytrel(R)3078)とのPETのポリマーブレンドから調製した。布帛を編み、11.6グラムの各布帛を、100℃の、465グラムの0.2%のラムダ−シハロトリンエマルション中で20分間処理した。布帛をすすぎ、100℃の真空オーブン中で10分間乾燥した。洗浄後のラムダ−シハロトリン量は表4に示される。
【0102】
【表4】

【0103】
本実施例は、PETが殺虫剤の洗浄堅牢性に対してナイロン66より良い熱可塑性ポリマーであることを示す。
【実施例8】
【0104】
ラムダシハロトリン処理の効果の生物学的検定を、約5重量%のポリエーテル/エステルのブロックコポリマー(HYTREL(R)3078、DuPont Wilmington DE,USA)を含むポリエチレンテレフタレート(PET)のポリマーブレン
ドから調製された布帛を使用して実施し;溶融紡糸し、延伸すると、17フィラメントを伴う111dtexの糸を与えた。本糸を使用して布帛試料を調製した。各布帛を潅流温度で、異なる濃度のラムダ−シハロトリンエマルション中で20分間処理した。本エマルションは前記のように調製した。布帛試料(10cm×10cm)をすすぎ、100℃の真空オーブン中で乾燥し、次に、前記の世界保健機構(WHO)の洗浄法に従って複数回洗浄した。効力の生物学的検定は、生後5日令の非血液飼料を与えられた蚊(キュレックス・クインクエファスシアトス(Culex quinquefasciatus);「S−LAB」として知られる参考種)を布帛試料に3分間暴露する工程よりなった。5回の暴露反復を伴う各試料布帛に対し5匹のS−LAB蚊、すなわち各試料当たり25匹の蚊の実験を実施した。未処理試料布帛に暴露された蚊が対照を含んだ。生物学的検定は25±℃および75±10%の相対湿度で実施された。
【0105】
生物学的検定の結果は表5に示される。S−LAB参考種の蚊の死亡率は、少なくとも0.025%のラムダシハロトリンエマルションで処理した試料に対して、30回洗浄後でも、少なくとも80%である。
【0106】
【表5】

【実施例9】
【0107】
24.7%のポリウレタン繊維(LYCRA(R))を含むナイロン(TACTEL(R))布帛のN,N−ジエチルトルアミド(しばしば”DEET”忌虫剤と呼ばれる)処理を実施して、布帛に対するDEETの洗浄保持を検定した。3.8グラムのナイロン/ポリウレタン繊維を含んでなる布帛試料を100℃の、152グラムの0.5%DEETエマルション中で20分間処理した。本試料をすすぎ、空中乾燥した。本試料をAATCC 135標準洗浄法を使用して10回洗浄した。洗浄後、本試料は最初の対照試料と同等に強力な匂いをもつと判定された。調製試料上のガスクロマトグラフィー(GC)を使用する機器分析法が、布帛上の忌避剤の良好な保持を示し、表6に要約される。
【0108】
【表6】

【実施例10】
【0109】
第1部
24.7%のポリウレタン繊維を含むナイロン布帛に対する香料処理を,香料Dynascone10(MOELLHAUSEN S.p.A.;Via Torri Bianche,9;20059 Vimercate(MI),Italyから入手可能;CAS:56973−85−4)を使用して実施した。本法において、実施例9と同様な3グラムの布帛試料を、脱イオン水中0.5%のDynascone10混合物に添加した。少量の界面活性剤、2%Emcol(R)4500(Chemtura Corporation,Middlebury CT,USA)を使用してDynascone10の溶解を補助した。混合物を90〜100℃の間に20分間加熱した。布帛試料を取り出し、脱イオン水ですすぎ、空中乾燥した。AATCC135の洗浄法を使用して10回洗浄後に、布帛試料はまだ40%のDynascone10を含んでいた。Dynascone10の強力な匂いはヒトの被験者に明白であった。布帛上のDynascone10の保持はGC分析を使用することにより測定した。これらの結果は表7に要約される。
【0110】
【表7】

【0111】
第2部
第2のナイロン布帛に対する香料処理を実施した。12%のHYTREL(R)3078を含むナイロン((TACTEL(R))布帛試料を秤量し、以前に調製された脱イオン水中のDynascone10に添加した。混合物を激しく撹拌し、それにアニオン界面活性剤(DOWFAX(R)2A1;DOW Chemical Co.,North America)を緩徐に添加してDynascone10を乳化させた。布帛試料をこのエマルションに添加し、加熱沸騰させ、20分間沸騰を維持した。布帛試料を取り出し、それから過剰液体を絞るために乳棒を使用して絞った(strained)。布帛試料をその重量の40倍の脱イオン水中に入れ、室温で2分間撹拌した。布帛試料を取り出し、再度、乳棒を使用して絞って、過剰液体をそれから絞りだした。この布帛試料をAATCC135法を使用して洗浄し、布帛上のDynascone10の保持を前記のようにGC法により測定した。GC分析の結果は表8に報告される。
【0112】
【表8】

【0113】
第3部
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートまたはPET)の布帛に香料処理を実施した。12%のHYTREL(R)3078を含むPET布帛試料を秤量し、以前に調製された脱イオン水中のDynascone10に添加した。混合物を激しく撹拌し、それにアニオン界面活性剤(DOWFAX(R)2A1;DOW Chemical Co.,North America)を緩徐に添加してDynascone10を乳化させた。PET布帛試料をこのエマルションに添加し、加熱沸騰させ、20分間沸騰を維持した。布帛試料を取り出し、それから過剰液体を絞るために乳棒を使用して絞った(strained)。布帛試料をその重量の40倍の脱イオン水中に入れ、室温で2分間撹拌した。布帛試料を取り出し、再度、乳棒を使用して絞って、過剰液体をそれから絞りだした。この布帛試料をAATCC135法を使用して洗浄し、布帛上のDynascone10の保持を前記のようにGC法により測定した。GC分析の結果は表9に報告される。
【0114】
【表9】

【0115】
従って、本明細書の教示に従って、前記の目的、目標および利点を完全に満たす有効化合物を含む、洗浄耐久性の組成物およびそれからの製品が提供されたことは明白である。本発明はその特定の実施態様に関連して説明されてきたが、前記の説明を考慮すると、多数の代替物、修飾物および変更物が当業者に明白であろうことは明らかである。従って、すべてのこのような代替物、修飾物および変更物を、付記の請求項の精神および広範な範囲内に入るものとして含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物であって、ここで該組成物から調製される製品が有効化合物を含んでなり、そして該製品が洗浄耐久性である、合成ポリマー組成物。
【請求項2】
熱可塑性化合物がポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドである、請求項1の合成ポリマー組成物。
【請求項3】
熱可塑性化合物がポリエステルである、請求項2の合成ポリマー組成物。
【請求項4】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリオキシアルキレンあるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーである、請求項1の合成ポリマー組成物。
【請求項5】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリエーテル/エステルのブロックコポリマーである、請求項4の合成ポリマー組成物。
【請求項6】
有効化合物が香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物である、請求項1の合成ポリマー組成物。
【請求項7】
殺虫剤が合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項6の合成ポリマー組成物。
【請求項8】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーが総組成物の0.5〜15重量パーセントの量にある、請求項1の合成ポリマー組成物。
【請求項9】
有効化合物が総組成物の0.05〜1重量パーセントの量にある、請求項1の合成ポリマー組成物。
【請求項10】
熱可塑性ポリマーおよび、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマー、のブレンドを含んでなる合成ポリマー組成物を溶融紡糸することにより調製されるマルチフィラメント糸。
【請求項11】
熱可塑性化合物がポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドである、請求項10のマルチフィラメント糸。
【請求項12】
熱可塑性化合物がポリエステルである、請求項11のマルチフィラメント糸。
【請求項13】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリオキシアルキレンあるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーである、請求項10のマルチフィラメント糸。
【請求項14】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリエーテル/エステルのブロックコポリマーである、請求項13のマルチフィラメント糸。
【請求項15】
請求項10〜14のマルチフィラメント糸から調製される、織物または編み物製品。
【請求項16】
有効化合物で含浸された請求項15の製品。
【請求項17】
有効化合物が香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物である、請求項16の製品。
【請求項18】
殺虫剤が合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項17の製品。
【請求項19】
製品が網製品、網、上着、寝具、防護服、下着、衣類およびテント:を含んでなる、請求項18の製品。
【請求項20】
殺虫剤が5回の洗浄サイクル後に0.1重量%超を構成してなる、請求項19の製品。
【請求項21】
熱可塑性ポリマーを、構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーとブレンドする工程:
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーとブレンドされた熱可塑性ポリマーから複数の繊維を形成する工程;
複数の繊維から製品を形成する工程;および
製品を有効化合物の溶液で処理する工程;
を含んでなる、有効化合物のための担体として適する製品を製造する方法であって、
そこで、処理された製品が、5回の洗浄サイクル後に0.1重量%を超える有効化合物を含んでなる、
方法。
【請求項22】
熱可塑性化合物がポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(アルファ)オレフィンまたはポリアミドを含んでなる、請求項21の方法。
【請求項23】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリオキシアルキレンあるいはアミド、エステルまたはウレタンとのポリエーテルのブロックコポリマーを含んでなる、請求項21の方法。
【請求項24】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーがポリエーテル/エステルのブロックコポリマーである、請求項23の方法。
【請求項25】
有効化合物が香水、布帛柔軟剤、日焼け防止剤、抗菌剤、農薬、殺虫剤または、機能性を与えるような他の化合物を含んでなる、請求項21の方法。
【請求項26】
殺虫剤が合成ピレスロイド、カルバメート化合物、有機リン化合物およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項25の方法。
【請求項27】
構成要素としてポリエーテルの鎖を含むポリマーが総組成物の0.5〜15重量パーセントで含まれてなる、請求項21の方法。
【請求項28】
有効化合物が総組成物の0.05〜3重量パーセントの量で含まれてなる、請求項21の方法。

【公表番号】特表2010−522813(P2010−522813A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501172(P2010−501172)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/058172
【国際公開番号】WO2008/121629
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】