説明

有効物質を含むマイクロ粒子の製造方法

本発明の目的は、有効化合物を含むマイクロ粒子Mの調製方法であって、A)酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成によるマイクロ粒子Aの粗懸濁液の形成;およびB)マイクロ粒子Aの粗懸濁液中での、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよび/またはポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーの重合を含む、前記方法である。本発明はまた、本発明の方法により得られるマイクロ粒子M、ならびにマイクロ粒子Mを含む農薬製剤に関する。本発明はまた、本発明に従って調製されたマイクロ粒子Mの、着色剤、化粧品、医薬品、殺生物剤、植物保護剤、肥料、食品用もしくは飼料用添加物、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、洗剤用もしくは清浄剤用の助剤の成分としての使用に関する。最後に、本発明はまた、望ましくない植物の成長を防除する方法、植物上での望ましくない昆虫またはダニの繁殖を防除する方法および/または植物病原菌を防除する方法、ならびに前記農薬製剤により処理された種子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効化合物を含むマイクロ粒子Mの調製方法であって、A)酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成によるマイクロ粒子Aの粗懸濁液の形成;およびB)マイクロ粒子Aの粗懸濁液中での、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよびポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーの重合を含む、前記方法に関する。さらに、本発明は、本発明の方法により得られるマイクロ粒子M、ならびにマイクロ粒子Mを含む農薬製剤に関する。それに加えて、本発明は、本発明に従って調製されたマイクロ粒子Mの、着色剤、化粧品、医薬品、殺生物剤、植物保護剤、肥料、食品用もしくは飼料用添加物、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、洗剤用もしくは清浄剤用の助剤の成分としての使用に関する。最後に、本発明は、望ましくない植物の成長を防除する方法、植物上での望ましくない昆虫またはダニの繁殖を防除する方法および/または植物病原菌を防除する方法、ならびに前記農薬製剤により処理された種子に関する。
【0002】
本発明は、好ましい特徴と他の好ましい特徴との組合せを包含する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ粒子は非常に多様な実施形態で知られており、カプセル壁の不浸透性に応じてさまざまな目的に使用される。例えば、それらは、カプセル外皮の選択的な機械的破壊によってのみ放出されるコア材料の保護、例えばコピー用紙の色素前駆物質またはカプセル化された芳香成分の保護に使用される。上記のような応用分野において、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂およびポリアクリレートをベースとするカプセル外皮材料が知られている。植物活性または医薬活性化合物のための壁材料にはコア材料とは異なる要求があり、そこで重要なのは、活性化合物の制御放出および目的にかなった輸送を可能にするためにカプセル外皮が多孔性を有することである。ここでは、化学的方法により調製されるカプセルの他に、機械的/物理的調製法も知られている。
【0004】
一般的に、マイクロ粒子の調製法として化学的または物理的方法が知られている。物理的方法では、通常、溶解したポリマーをカプセル化されるべき材料に加え、噴霧乾燥または溶媒除去などの物理的方法により固体のカプセル壁に変換する。化学的方法では、カプセル化されるべき材料の上に、化学反応により、例えばモノマーの重合により、固体のカプセル壁を形成する。固体のマイクロ粒子を形成するためにさらなる物理的工程は必要でない。
【0005】
ポリエステルを含むマイクロ粒子およびその調製方法は一般に公知である。このようなマイクロ粒子は、カプセル外皮用のポリマー原料から調製することができる。ここで、EP 1 421 990には、ポリオール中に分散されたポリエステルをポリオール中に分散された有効化合物である酵素と共に乳化する、マイクロ粒子の調製方法が公開されている。US 4,637,905には、ポリ乳酸と有効化合物であるタンパク質との分散物を調製し、溶媒の一部を蒸発させ、最後に濃縮された分散物を有効化合物をカプセル化するための第3の溶媒に加える、1〜2000μmの粒径を有するマイクロ粒子の調製方法が開示されている。WO 2002/069922には、酸化還元酵素を含む水性コアおよびポリエステルを含む外皮を有するマイクロ粒子が公開されている。調製は、水性酵素溶液を有機溶媒に溶解したポリエステルと共に乳化した後、最初のエマルションを水性溶媒中に導入し、次いで有機溶媒を除去することにより実施する。DE 102005007374には、コア-シェル型のナノ粒子が公開されており、疎水性および生体適合性のポリマーがシェルとして定義されている。ポリマーは、例えばポリアクリレート、ポリエポキシド、ポリウレタンまたはポリエステルである。シェルのポリマーにより封入された活性化合物がコアとして定義されている。調製は、ラジカル重合、重付加、重縮合または酵素的もしくはアニオン重合により実施する。方法の詳細および実施例は記載されていない。PCT/EP2008/054702には、有効化合物を含むカプセルコアおよびポリマーを含むカプセル外皮を含むマイクロカプセルの調製方法であって、逆相ミニエマルション中に存在するモノマーの酵素触媒重合によるカプセル外皮の形成を含む前記方法が公開されている。公知の方法の欠点は、例えば、マイクロ粒子を形成するポリマーが重合により別に調製されること、マイクロ粒子が十分に安定でないこと、または有効化合物の放出速度を制御することができないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 1 421 990
【特許文献2】US 4,637,905
【特許文献3】WO 2002/069922
【特許文献4】DE 102005007374
【特許文献5】PCT/EP2008/054702
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、有効化合物を含むマイクロ粒子を調製するための改善された方法を提供することであった。本発明の目的は、特に、カプセル構造の安定性が改善されたポリエステルを含むマイクロ粒子を製造する方法を提供することであった。目的の別の側面は、上記のマイクロ粒子を穏やかな反応条件下で調製することにより、反応性の高い有効化合物であってもカプセル化できるようにすることであった。さらなる側面は、調製方法およびモノマーの組成により、有効化合物がよりゆっくりと放出されるように制御することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、A)酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成によるマイクロ粒子Aの粗懸濁液の形成;およびB)マイクロ粒子Aの粗懸濁液中での、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよびポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーの重合を含む、有効化合物を含むマイクロ粒子Mを調製する方法により達成された。
【発明を実施するための形態】
【0009】
マイクロ粒子Mの集合体は、一般に本発明の方法により調製される。本発明の方法により、一般に同一のまたは類似の形状のマイクロ粒子が得られる。本発明により調製されたマイクロ粒子はいかなる形を取ることも可能である。好ましくは、それらは、基本的に球状に、例えば、完全な球状に構築される。
【0010】
本発明に従って調製された有効化合物を含むマイクロ粒子Mは、通常、カプセル粒子またはマトリックス粒子の構造を有し、好ましくはカプセルの構造を有する。カプセルは典型的にはポリマーを含むカプセル外皮および有効化合物を含むカプセルコアから形成される。マトリックス粒子は、一般に、ポリマーを含む粒子コアから形成され、その中に有効化合物が微細に分散した形で存在する。
【0011】
本発明によれば、カプセルは、少なくとも1つのカプセル外皮および少なくとも1つのカプセルコアを含むものでなければならない。したがって、カプセルは、例えば、1つのカプセルコアおよび2つのカプセル外皮を有するものであってよい。同様に、カプセルは、例えば、複数のカプセルコア(例えば互いに隣接するまたは一方が他方の中に入っている2つのカプセルコア)および1つのカプセル外皮(例えば互いに隣接するまたは一方が他方の中に入っている2つのカプセル外皮)を有するものであってもよい。好ましくは、カプセルは1つのカプセル外皮および1つのカプセルコアを含む。カプセル外皮の厚さはさまざまであってよい。それは一般にカプセル半径の0.1〜90%、好ましくは0.5〜20%である(光/電子顕微鏡または光散乱により測定可能)。
【0012】
マイクロ粒子Mの平均直径(マイクロ粒子懸濁液を水により希釈し、適切な場合には有機相を分離することにより得られるマイクロ粒子の1重量%水性分散物の光散乱によりZ平均として測定可能)は広範囲に変化し得る。それは、一般に0.1μmより大きく、好ましくは0.6μmより大きく、特に好ましくは0.8μmより大きい。好ましくは、直径は0.1〜2000μm、好ましくは0.6〜1000μm、特に0.8〜800μmの範囲である。マイクロ粒子に比較的高い機械的安定性が求められる場合には、小さめの直径が好ましい。可能な限り少ない壁材料の中に可能な限り多くのカプセル内容物を充填するためには、大きめの直径が好ましい。
【0013】
通常、マイクロ粒子Mは少なくとも1種の有効化合物を含む。ここで、有効化合物は粒子コアまたはカプセルコア中に、一般に固体の、溶解した、乳化したまたは分散した形で存在する。好ましい実施形態において、カプセルコアは少なくとも1種の有効化合物および少なくとも1種の不活性化合物(好ましくは液体である)を含む。不活性化合物としては、例えば、本発明の方法において存在するすべての化合物、すなわち、分散剤、極性および/または無極性液体、水または触媒効果を有する酵素が好適である。カプセルコアは、特に、少なくとも1種の有効化合物および少なくとも1種の極性溶媒を含む。粒子コアまたはカプセルコアはまた、不完全に重合したモノマーを含んでもよい。好ましい実施形態によれば、カプセルコアは、少なくとも、逆相ミニエマルションの分散相を形成する極性液体を含む。
【0014】
本発明によれば、マイクロ粒子Mの調製方法において、ポリエステルモノマーの重合を触媒する酵素を使用する。酵素の記載に関しては国際生化学・分子生物学連合の命名法委員会(Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology (NC-IUBMB))が作成したECクラスを使用する。当然ながら、個々の加水分解酵素または異なる加水分解酵素の混合物を使用することが可能である。遊離型および/または固定化型の加水分解酵素を使用することも可能である。
【0015】
好適な加水分解酵素[EC 3.x.x.x]の例は、エステラーゼ[EC 3.1.x.x]、プロテアーゼ[EC 3.4.x.x]、ペプチド結合以外のC-N結合と反応する加水分解酵素[EC 3.5.x.x]または酸無水物と反応する加水分解酵素[EC 3.6.x.x]である。本発明によれば、特にカルボキシエステラーゼ[EC 3.1.1.1]、リパーゼ[EC 3.1.1.3]またはクチナーゼ[EC 3.1.1.47]を使用することが有利である。これらの例は、アクロモバクター属の種(Achromobacter sp.)、アスペルギルス属の種(Aspergillus sp.)、カンジダ属の種(Candida sp.)、カンジダ・アンタークティカ(Candida Antarctica)、ムコール属の種(Mucor sp.)、ペニシリウム属の種(Penicillium sp.)、ゲオトリクム属の種(Geotricum sp.)、リゾプス属の種(Rhizopus sp.)、バークホルデリア属の種(Burkholderia sp.)、シュードモナス属の種(Pseudomonas sp.)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)、サーモミセス属の種(Thermomyces sp.)、ブタ膵臓またはコムギ胚芽に由来するリパーゼ、およびバチルス属の種(Bacillus sp.)、シュードモナス属の種、バークホルデリア属の種、ムコール属の種、サッカロミセス属の種(Saccharomyces sp.)、リゾプス属の種、サーモアナエロビウム属の種(Thermoanaerobium sp.)、ブタ肝臓またはウマ肝臓に由来するカルボキシエステラーゼである。好ましくは、シュードモナス・セパシア、バークホルデリア・プラタリイ(Burkholderia platarii)またはカンジダ・アンタークティカB型に由来する遊離型または固定化型のリパーゼを使用する(例えば、Novozymes A/S、Denmark製のNovozym(登録商標) 435)。
【0016】
使用する酵素の総量は、いずれの場合にもポリエステルモノマーの総量に対して、一般に0.001〜40重量%、しばしば0.1〜15重量%、多くの場合0.5〜10重量%である。量は使用する酵素の純度に依存する。工業用または固定化された酵素は一般に精製された酵素よりも多量に使用する。当業者はまた、触媒の量に応じて、反応が終了するまでの速さを予想することができる。
【0017】
好適なポリエステルモノマーは、例えば、ヒドロキシカルボン酸化合物、ジアルコール化合物または二酸化合物、特にヒドロキシカルボン酸化合物である。前記モノマーの組合せも同様に可能であり、ジアルコール化合物と二酸化合物の組合せが好ましい。
【0018】
好ましい実施形態において、ポリエステルモノマーを、水素酸化合物である開始剤モノマー、例えばヒドロキシまたはアミノ官能性化合物または水と組み合わせる。好適な開始剤モノマーは、ヒドロキシカルボン酸化合物、ジアルコール化合物または二酸化合物である。開始剤モノマーは、好ましくは下記のジアルコール化合物、特にエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール、単糖、二糖、多糖または2,2-ジメチロールプロピオン酸に基づくヒドロキシ官能性樹枝状ポリエステル(Perstorpより市販されているBoltorn(登録商標)等級)である。
【0019】
ヒドロキシカルボン酸化合物として、少なくとも1個の遊離アルコール基および少なくとも1個の遊離カルボン酸基を有する遊離ヒドロキシカルボン酸、それらのC1〜C5アルキルエステルならびに/またはそれらのラクトンを使用する。例として、グリコール酸、D-、L-、またはD,L-乳酸、6-ヒドロキシヘキサン酸(6-ヒドロキシカプロン酸)、3-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシバレリン酸、3-ヒドロキシカプロン酸、またはそれらの環状誘導体、例えばグリコリド(1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、D-、L-、またはD,L-ジラクチド(3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、ε-カプロラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、ω-ドデカノリド(オキサシクロトリデカン-2-オン)、ω-ウンデカノリド(オキサシクロドデカン-2-オン)またはω-ペンタデカノリド(オキサシクロヘキサデカン-2-オン)が挙げられる。2または3個のラクトン基を含むビスまたはトリスラクトンも好適なラクトンである。例として、(2,2’-ビス(ε-カプロラクトン-4-イル)プロパンを使用することができる。ビスラクトンは、例えば、Palmgren et al., Journal of Polymer Science A, 1997, 35, 1635-1649に従って合成することができる。炭酸のエステル(カーボネート)、特に直鎖および脂環式カーボネート、好ましくは炭酸のC1〜C8-アルキルエステル、特にトリメチレンカーボネートも同様に好適である。それぞれの酵素と反応しないカーボネート、例えばプロピレンカーボネートはモノマーとして好適でない。ヒドロキシカルボン酸化合物として、上記のヒドロカルボン酸化合物に類似するチオカルボン酸およびそのエステルならびにチオラクトンも使用し得る。異なるヒドロキシカルボン酸化合物の混合物も当然使用することができる。好ましいヒドロキシカルボン酸化合物は、ラクトン、特にC2〜C18-アルキレンラクトン、特に好ましくはε-カプロラクトンである。
【0020】
ジカルボン酸化合物として、原則として少なくとも2個のカルボン酸基(カルボキシ基;-COOH)を有するあらゆるC2〜C40脂肪族、C3〜C20脂環式、芳香族または芳香族複素環化合物またはその誘導体を使用し得る。誘導体として、特に、上記のジカルボン酸の、C1〜C10-アルキル(好ましくはメチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピル)モノまたはジエステル、ならびに対応するジカルボン酸無水物を使用する。ジカルボン酸化合物の例は、エタン二酸(シュウ酸)、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸(ブラシル酸)、C32ダイマー脂肪酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸(イソフタル酸)またはベンゼン-1,4-ジカルボン酸(テレフタル酸)、それらのメチルエステル、例えばエタン二酸ジメチル、プロパン二酸ジメチル、ブタン二酸ジメチル、ペンタン二酸ジメチル、ヘキサン二酸ジメチル、ヘプタン二酸ジメチル、オクタン二酸ジメチル、ノナン二酸ジメチル、デカン二酸ジメチル、ウンデカン二酸ジメチル、ドデカン二酸ジメチル、トリデカン二酸ジメチル、C32二量体脂肪酸ジメチルエステル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸ジメチル、およびそれらの無水物、例えば無水ブタンジカルボン酸、無水ペンタンジカルボン酸または無水フタル酸である。当然ながら、上記のジカルボン酸化合物の混合物も使用することができる。少なくとも2個の遊離カルボキシ基とのオリゴエステルおよびポリエステル、特にカルボキシ末端オリゴおよびポリエステルも同様にジカルボン酸成分として使用することができる。同様に、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸およびブタンテトラカルボン酸のエステルも使用することができる。好ましくは、遊離ジカルボン酸、特にC4〜C36脂肪族ジカルボン酸、特にブタン二酸、ヘキサン二酸、デカン二酸またはドデカン二酸またはそれらの対応するジメチルおよびジエチルエステルを使用する。
【0021】
ジオール化合物として、少なくとも2個のアルコール基を含む、2〜18個の炭素原子、好ましくは4〜14個の炭素原子を有する分枝鎖もしくは直鎖アルカン、5〜20個の炭素原子を有するシクロアルカンまたは芳香族化合物を使用し得る。好適なアルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、2,4-ジメチル-2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオールまたは2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオールである。エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオールまたは1,12-ドデカンジオールが特に好適である。シクロアルカンジオールの例は、1,2-シクロペンタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール(1,2-ジメチロールシクロヘキサン)、1,3-シクロヘキサンジメタノール(1,3-ジメチロールシクロヘキサン)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(1,4-ジメチロールシクロヘキサン)または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールである。好適な芳香族ジオールの例は、1,4-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,2-ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレンまたは1,7-ジヒドロキシナフタレンである。しかしながら、ジオール化合物として、ポリエーテルジオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(4よりも多いエチレンオキシド単位を有する)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(4よりも多いプロピレンオキシド単位を有する)およびポリテトラヒドロフラン(ポリ-THF)、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール(4よりも多いエチレンオキシド単位を有する)を使用してもよい。ポリ-THF、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールとして、一般に200〜10000 g/mol、好ましくは600〜5000 g/molの範囲の数平均分子量(Mn)を有する化合物を使用する。少なくとも2個の遊離アルコール基を有するオリゴエステルおよびポリエステル、好ましくはジヒドロキシ末端オリゴおよびポリエステルも同様に好適である。少なくとも2個の遊離の第一級または第二級アルコール基を有するデンドリマーも好適である。少なくとも2個の遊離の第一級または第二級アルコール基を有するポリカーボネートも好適である。2個よりも多いアルコール基を有する好適なジオール化合物のさらなる例は、グリセリン、ソルビトール、トリメチルプロパン、ペンタエリスリトール、単糖、例えばフルクトース、グルコースまたはマンノース、二糖、例えばスクロース、オリゴ糖およびそれらの置換生成物、または酢酸エステルなどのセルロース誘導体である。ジオール化合物として、上記のジオール化合物のジチオール類似物も使用することができる。当然ながら、上記のジオール化合物またはジチオールの混合物も使用することができる。好ましいジオールは、脂肪族アルカンジオールおよびポリエーテルジオール、特に好ましくは2〜18個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖脂肪族アルカンジオール、特に、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ソルビトールおよびネオペンチルグリコールである。
【0022】
二官能基モノマーまたはより多くの官能基を有するモノマーのいずれを使用するかに依存して、上記のモノマーから直鎖、分枝鎖または架橋ポリエステルを製造することができる。
【0023】
ポリエステルモノマーは、工程A)の反応混合物中に、総投入量に対して、一般に0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の量で存在する。好ましい実施形態において、少なくとも1種のラクトンが、工程A)の総投入量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の量で存在する。
【0024】
本発明の方法により分散剤を使用することができる。これらは、原則として、保護コロイド、乳化剤またはそれらの混合物であってよい。ここで、当然ながら、乳化剤および/または保護コロイドは、特に使用する酵素と共存可能であり、酵素を不活性化しないように選択される。
【0025】
重合は、保護コロイドの存在下で、適切な場合には乳化剤も加えて実施することができる。それらは一般に500 g/molを超える、好ましくは1000 g/molを超える平均分子量Mwを有する。保護コロイドの例は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルのポリエチレングリコール上のグラフトポリマー、一方または両方の末端がアルキル、カルボキシまたはアミノ基により閉じられたポリエチレングリコール、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)および/または多糖(例えば特に水溶性デンプンまたはデンプン誘導体)である。
【0026】
分散剤としてしばしば乳化剤のみを使用する。一般に、保護コロイドとは異なり、通常1000 g/mol未満の相対分子量を有する乳化剤を使用する。それらは、アニオン性、カチオン性または非イオン性の性質であってよい。界面活性物質の混合物を使用する場合には、当然ながら個々の成分は互いに共存可能でなければならず、疑いがある場合には、少しの予備試験により確認することができる。一般に、アニオン性乳化剤は、互いに共存可能であり、また非イオン性乳化剤と共存可能である。カチオン性乳化剤についても同じことが当てはまるが、アニオン性とカチオン性乳化剤とは一般に互いに共存可能ではない。
【0027】
重合は、適切な場合には、微細に粉砕された水不溶性無機乳化剤(「ピッカリング乳化剤」)、例えば硫酸バリウムの存在下で実施することも可能である。
【0028】
従来の非イオン性乳化剤は、例えば、エトキシ化モノ、ジおよびトリアルキルフェノール(エトキシ化度3〜50;アルキルラジカル:C4〜C12)およびエトキシ化脂肪アルコール(エトキシ化度3〜80:アルキルラジカル:C8〜C36)である。これらの例は、BASF SE製のLutensol(登録商標) Aブランド(エトキシ化C12〜C14脂肪アルコール、エトキシ化度3〜8)、Lutensol(登録商標) AOブランド(エトキシ化C13〜C15オキソアルコール、エトキシ化度3〜30)、Lutensol(登録商標) ATブランド(エトキシ化C16〜C18脂肪アルコール、エトキシ化度11〜80)、Lutensol(登録商標) ONブランド(エトキシ化C10オキソアルコール、エトキシ化度3〜11)およびLutensol(登録商標) TOブランド(エトキシ化C13オキソアルコール、エトキシ化度3〜20)である。
【0029】
従来のアニオン性乳化剤は、例えば、アルキルサルフェート(アルキルラジカル:C8〜C12)の、エトキシ化アルカノール(エトキシ化度4〜30、アルキルラジカル:C12〜C18)およびエトキシ化アルキルフェノール(エトキシ化度3〜50、アルキルラジカル:C4〜C12)の硫酸モノエステルの、アルキルスルホン酸(アルキルラジカル:C12〜C18)の、およびアルキルアリールスルホン酸(アルキルラジカル:C9〜C18)の、アルカリ金属ならびにアンモニウム塩である。さらに一般式(I)
【化1】

【0030】
[式中、R1およびR2は、水素原子またはC4〜C24-アルキルを表し、同時に水素原子ではなく、M1およびM2はアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンであってよい]
の化合物もまたアニオン性乳化剤であることが証明されている。一般式(I)において、R1およびR2は、好ましくは、6〜18個の炭素原子、特に6、12および16個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルラジカルまたは水素を表し、R1およびR2は同時に水素原子ではない。M1およびM2は、好ましくはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであり、ナトリウムが特に好ましい。M1およびM2がナトリウムであり、R1が12個の炭素原子を有する分枝鎖アルキルラジカルであり、R2が水素原子またはR1である化合物(I)が特に有利である。しばしば、50〜90重量%の割合のモノアルキル化生成物を有する工業用混合物、例えば、Dowfax(登録商標) 2A1(Dow Chemical Company製)を使用する。
【0031】
好適なカチオン性乳化剤は、一般にC6〜C18-アルキル、C6〜C18-アルキルアリールまたは複素環ラジカルを有するカチオン塩、例えば第一級、第二級、第三級または第四級アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、オキサゾリニウム塩、モルホリニウム塩、チアゾリニウム塩およびアミンオキシドの塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、トロピリウム塩、スルホニウム塩およびホスホニウム塩である。例として、ドデシルアンモニウム酢酸塩または対応する硫酸塩、種々の2-(N,N,N-トリメチルアンモニオ)エチルパラフィン酸エステルの硫酸塩または酢酸塩、N-セチルピリジニウム硫酸塩、N-ラウリルピリジニウム硫酸塩、N-セチル-N,N,N-トリメチルアンモニウム硫酸塩、N-ドデシル-N,N,N-トリメチルアンモニウム硫酸塩、N-オクチル-N,N,N-トリメチルアンモニウム硫酸塩、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウム硫酸塩、ジェミニ界面活性剤であるN,N’-ジラウリル-N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン二硫酸塩、エトキシ化(獣脂脂肪アルキル)-N-メチルアンモニウム硫酸塩およびエトキシ化オレイルアミン(例えば、BASF Aktiengesellschaft製のUniperol(登録商標) AC、約12エチレンオキシド単位)が挙げられる。対になるアニオン基が可能な限り低い求核性を有することが不可欠であり、例として、過塩素酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオンおよびカルボン酸アニオン(例えば酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、トリクロロ酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、シュウ酸アニオン、クエン酸アニオンまたは安息香酸アニオン)、ならびに有機スルホン酸の共役アニオン、例えばメチルスルホン酸アニオン、トリフルオロメチルスルホン酸アニオンおよびパラフィントルエンスルホン酸アニオン、さらにテトラフルオロホウ酸アニオン、テトラフェニルホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、テトラキス[ビス(3,5-トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ酸アニオンまたはヘキサフルオロアンチモン酸アニオンが挙げられる。
【0032】
好ましい乳化剤は非イオン性乳化剤、特にエトキシ化アルコールおよびソルビタンエステル、特に好ましくはエトキシ化脂肪アルコールおよびソルビタン脂肪酸エステルである。とりわけ好ましい混合物はエトキシ化アルコールおよびソルビタンエステルを含む。好ましい実施形態において、混合物はエトキシ化アルコールおよびソルビタンエステルを含む。
【0033】
別の好ましい実施形態において、ポリイソブチレンと無水マレイン酸の最終反応生成物(PIBSA)およびジ(アルキル)エタノールアミンに基づくポリマーが好適である。別の好ましい実施形態において、Macromolecules 38 (16), 6882-6887に記載されるもののようなブロックコポリマー、WO 2008/009424に記載されるもののようなイソプレンおよびメタクリル酸メチルに基づくブロックコポリマー、またはポリ((エチレン-コ-ブチレン)-ブロック-エチレンオキシド)が好適である。
【0034】
好ましくは、分散剤として使用される乳化剤は、いずれの場合にも工程A)の総投入量に対して0.005〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%、特に0.1〜10重量%の総量で使用することが有利である。乳化剤に加えて、または乳化剤の代わりに分散剤として使用される保護コロイドの総量は、いずれの場合にも工程A)の総投入量に対して、多くの場合0.1〜10重量%、しばしば0.2〜7重量%である。
【0035】
多くの場合にポリエステルモノマーが存在する本発明の逆相ミニエマルションは、無極性連続相および極性分散相を含む。極性相は極性液体を含み、無極性相は無極性液体を含む。有効化合物は基本的に、固体の、溶解した、乳化したまたは分散した形で分散相に存在する。ポリエステルモノマー、分散剤または酵素は二つの相の一方のみに存在することも両方の相に存在することも可能であり、または二つの相の界面に存在することも可能である。好ましい実施形態において、ポリエステルモノマーは、いずれの場合にも工程A)におけるポリエステルモノマーの総量に対して、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に90重量%以上が極性相に存在する。別の好ましい実施形態において、極性液体は少なくとも1種のポリエステルモノマーおよび少なくとも1種の有効化合物から構成される。
【0036】
本発明の逆相ミニエマルションの分散相の小滴の平均サイズは、好ましくは、逆相ミニエマルションを対応する連続相により希釈し、適切な場合には有機相を分離することにより得られる1重量%ミニエマルションの準弾性動的光散乱の原理により測定することができる(自己相関関数の単峰型解析のZ平均液滴径dzとして知られるもの)。さらなる測定法としては、光学または電子顕微鏡、ならびにフィールドフロー分画(field flow fractionation)がある。本発明によれば、このような方法で逆相ミニエマルションについて測定されたdzの値は、通常10000 nm未満、しばしば1000 nm未満、一般に500 nm未満である。本発明によれば、dz範囲は、有利には2000 nm〜1000 nmである。通常、本発明に従って用いられる逆相ミニエマルションのdzは40 nmよりも大きい。
【0037】
好適な極性液体は、反応条件下で無極性連続相に40重量%未満、好ましくは10重量%未満、特に1重量%未満の溶解度を有するものであり(いずれの場合にも連続層の総量に対して)、その結果、分離した極性分散相が存在する。好ましい実施形態において、極性液体は、20℃で、ポリエステルモノマーを、いずれの場合にもポリエステルモノマーの総重量に対して10重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に0.5重量%以下しか溶解しない。
【0038】
好適な極性液体は、例えば、モノオール、例えばC3〜C6-アルカノール、特にtert-ブタノールおよびtert-アミルアルコール、ピリジン、ポリ-C1〜C4-アルキレングリコールジ-C1〜C4-アルキルエーテル、特にポリエチレングリコールジ-C1〜C4-アルキルエーテル、例えばジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルまたはポリエチレングリコールジメチルエーテル500、C2〜C4-アルキレンカーボネート、特にプロピレンカーボネート、C3〜C6-アルキル酢酸エステル、特に酢酸t-ブチル、アセトン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、水性緩衝液または水である。当然ながら、上記溶媒の混合物を使用することも可能である。上記のポリエステルモノマーまたはそれらの混合物も好適な極性液体である。
【0039】
極性液体は、例えば、使用する有効化合物を含んでもよく、または有効化合物からなってもよい。好ましい極性液体は、プロピレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートを含む混合物である。別の好ましい実施形態において、極性液体はポリエステルモノマーである。
【0040】
ポリエステルモノマーとしてラクトンを使用する場合、極性液体は、水を5重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に0.1重量%未満しか含まない。極性液体が水を含む場合、室温(20〜25℃)での水性反応媒体のpHは2〜11、しばしば3〜9、多くの場合6〜8であることが有利である。特に、水性反応媒体においては、酵素が高い触媒活性および長い有効寿命を示すような値にpHを調節する。pHを調整するための適切な手段、すなわち、適切な量の酸(例えば、硫酸)、塩基(例えば、アルカリ金属水酸化物の水溶液、特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液)、または緩衝剤(例えば、リン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム/塩化アンモニウム、リン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム、ホウ砂/塩酸、ホウ砂/水酸化ナトリウム、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩酸)の添加は、当業者に公知である。
【0041】
極性相の極性をさらに高めるために、極性相にさらに「親水性物質」を加えることが可能である。好適な親水性物質は、例えば、有機もしくは無機塩類、または高極性の中性化合物である。無機塩の例は、亜硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムまたは塩化ルビジウムである。有機塩の例は、トリアルキルアンモニウム塩、イオン性の液体、例えばエチルメチルイミダゾリウム塩、または主鎖もしくは側鎖中に化学量論的な比率でアニオン基およびカチオン基を有するオリゴマーである。酵素の触媒活性を低下させない親水性物質が好ましい。
【0042】
好適な無極性液体は、反応条件下で極性分散相に10重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に0.1重量%未満の溶解度を有するものであり(いずれの場合にも連続層の総量に対して)、その結果、分離した極性連続相が存在する。
【0043】
好適な無極性液体は、例えば、5〜30個の炭素原子を有する液状の脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、n-ペンタンおよびその異性体、シクロペンタン、n-ヘキサンおよびその異性体、シクロヘキサン、n-ヘプタンおよびその異性体、n-オクタンおよびその異性体、n-ノナンおよびその異性体、n-デカンおよびその異性体、n-ドデカンおよびその異性体、n-テトラデカンおよびその異性体、n-ヘキサデカンおよびその異性体、n-オクタデカンおよびその異性体、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、o-、m-もしくはp-キシレンまたはメシチレンである。30〜250℃の沸点範囲を有する炭化水素混合物、例えば、部分水素化鉱油蒸留物(例えば、Isopar(登録商標)ブランド、Exxon Mobil)も好適である。オレフィン類、例えばポリイソブチレンまたはC6〜C30-α-オレフィンも好適である。同様に、ヒドロキシ化合物、例えば10〜28個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪アルコール(例えば、n-ドデカノール、n-テトラデカノール、n-ヘキサデカノールおよびその異性体、またはセチルアルコール)、またはエステル、例えば脂肪酸エステル(酸部分に10〜28個の炭素原子を有し、アルコール部分に1〜10個の炭素原子を有する)もしくはカルボン酸と脂肪アルコールのエステル(カルボン酸部分に1〜10個の炭素原子を有し、アルコール部分に10〜28個の炭素原子を有する)も使用することができる。さらなる好適な無極性液体は、液体パラフィン(直鎖炭化水素の混合物)、シリコーン油(ポリシロキサン)、過フッ化炭化水素、フルオロシリコーン油、過フッ化ポリエーテル、フルオロシランまたはシロキサン(例えば、ジメチルシロキサン)である。好適な無極性液体は、5〜30個の炭素原子を有する液状の脂肪族および芳香族炭化水素、特に部分水素化鉱油蒸留物である。別の実施形態において、無極性液体は液体パラフィンである。当然ながら、上記溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0044】
極性および無極性液体の総量は、工程A)の総投入量が100重量%となるように選択される。それは、総投入量に対して、一般に10〜90重量%、好ましくは40〜70重量%である。
【0045】
ここで、極性液体の無極性液体に対する重量比は、基本的に極性液体を含む分散相が形成されるように選択する。好ましい実施形態において、いずれの場合にも総投入量に対して、20〜80重量%、好ましくは40〜70重量%の無極性液体を使用する。別の好ましい実施形態において、いずれの場合にも総投入量に対して、20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%の極性液体を使用する。別の好ましい実施形態において、いずれの場合にも総投入量に対して、20〜80重量%、好ましくは35〜55重量%の炭化水素混合物および20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%のプロピレンカーボネートを使用する。これに関して、ミニエマルションが転相しないように、すなわち疎水性連続相が分散相にならないように注意しなければならない。
【0046】
本発明において、用語「有効化合物」は、本発明の製品の工業への応用において使用者が望む効果を引き起こす化合物を意味すると理解すべきである。有効化合物は、例えば、着色剤、化粧品、医薬品、殺生物剤、植物保護剤、農薬アジュバント、肥料、食品用もしくは飼料用添加物、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、洗剤用もしくは清浄剤用の助剤である。当業者は、望まれる応用分野に応じて、一般的な専門知識に基づいて適切な有効化合物を選択することができる。
【0047】
着色剤の例は、染料、印刷用インク、顔料、UV吸収剤、蛍光増白剤またはIR染料である。有機染料は400〜850nmの波長域に吸収極大を有するが、蛍光増白剤は250〜400nmの範囲に1つ以上の吸収極大を有する。蛍光増白剤は、紫外線を照射すると、可視域の蛍光を発することが知られている。蛍光増白剤の例は、ビススチリルベンゼン、スチルベン、ベンズオキサゾール、クマリン、ピレンおよびナフタレンのカテゴリーに属する化合物である。さらに、液体用のマーカー化合物、例えば鉱油マーカーも適している。用語「UV吸収剤」は、一般に、紫外線を吸収する化合物であって、その吸収した放射線を非放射的に失活させる化合物を意味すると理解される。このような化合物は、例えば、サンスクリーン剤中で、また、有機ポリマーを安定化するために、使用される。
【0048】
さらなる好適な有効化合物は化粧品である。化粧品は、洗浄、手入れ、保護、良好な状態の維持、芳香の付与または外観の変更のために、または体臭に影響を与えるために、人の身体もしくは口腔に外部から適用することを単一のまたは主要な目的とする化合物または化合物の組成物である。例えば、昆虫忌避剤、例えばイカリジン(Icaridin(登録商標))またはN,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET(登録商標))も好適である。
【0049】
さらに、すべての医薬品を有効化合物として使用することができる。
【0050】
殺生物剤として、以下のものを含み得る:重金属を含む殺生物剤、例えば、(N-シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)トリブチルスズまたはビス(N-シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)銅(CuHDO);金属石鹸、例えばナフテン酸、オクチル酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、リン酸または安息香酸のスズ、銅または亜鉛塩;金属塩、例えば塩基性炭酸銅、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、クロム酸カリウム、硫酸銅、塩化銅、ホウ酸銅、ケイフッ化亜鉛、ケイフッ化銅または2-ピリジンチオール1-オキシドの銅塩;酸化物、例えば、酸化トリブチルスズ、Cu2O、CuOまたはZnO;またはAg、ZnまたはCuを単独でもしくは重合した活性化合物中に封入されて含むゼオライト。好適な殺生物剤は、好ましくは殺藻剤、例えばジウロン(diuron)、ジクロロフェン(dichlorophen)、エンドタール(endothal)、酢酸フェンチン(fentin acetate)またはキノクラミン(quinoclamine)、軟体動物駆除剤、例えば酢酸フェンチン、メタアルデヒド(metaldehyde)、メチオカルブ(methiocarb)、ニクロサミド(niclosamide)、チオジカルブ(thiodicarb)およびトリメタカルブ(trimethacarb)、殺菌剤、例えばジチアノン(dithianon)、ブロノポール(bronopol)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、ヨードプロパルギル・ブチルカルバメート(iodopropargyl butylcarbamate)、フルオロホルペット(fluorofolpet)、およびアゾール、例えばテブコナゾール(tebuconazole)、または従来の防汚活性化合物、例えば2-(N,N-ジメチルチオカルバモイルチオ)-5-ニトロチアゾール、テトラブチルジスタノキサン(tetrabutyldistannoxane)、2-(tert-ブチル)アミノ-4-シクロプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン、4,5-ジクロロ-2-(n-オクチル)-4-イソチアゾリン-3-オン、2,4,5,6-テトラクロロ-イソフタロジニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド、2,4,6-トリクロロフェニルマレイミド、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジン、ジヨードメチルp-トリルスルホン、チアベンダゾール(thiabendazole)、テトラフェニルホウ酸ピリジニウム、または2-ピリジンチオール1-オキシドのナトリウム塩である。さらなる例は、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)または2,4-ジクロロベンジルアルコール(DCBA)である。好ましい殺生物剤は、ビス(N-シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)銅、ジチアノン(dithianon)、ブロノポール(bronopol)、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)または2,4-ジクロロベンジルアルコールである。
【0051】
殺生物剤を含む本発明のマイクロカプセルは、表面に細菌、藻類および菌類が可能な限り存在しないこと(すなわち殺微生物表面)、または表面が非粘着性であることが重要である場合に使用することができる。それらは以下の分野で使用することができる。
【0052】
- 海;船体、桟橋、ブイ、掘削基地、バラスト水タンク;
- 家屋:屋根、土台、壁、正面壁面、温室、太陽からの保護、庭の柵、木の防腐;
- 衛生設備:公衆トイレ、浴室、シャワーカーテン、洗面用品、水泳プール、サウナ、ジョイント、目地材(jointing compounds);
- 調理用品:機械、台所、台所用品、スポンジ、おもちゃ、食品包装、乳加工、飲料水システム、化粧品;
- 機械部品:空調システム、イオン交換器、プロセス水、太陽光装置、熱交換機、バイオリアクター、膜、冷却水処理;
- 医用工学:コンタクトレンズ、おむつ、膜、インプラント;
- 商品:自動車座席、衣類(靴下、スポーツウェア)、病院設備、ドアハンドル、電話受話器、公共交通、動物ケージ、レジ、絨毯、壁紙。
【0053】
植物保護剤および肥料もまた有効化合物として使用することができる。好適な植物保護剤は、殺ダニ剤、殺藻剤、アブラムシ駆除剤、殺微生物剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、発芽阻害剤、薬害軽減剤または成長調節剤である。殺菌剤とは、菌類およびその胞子を破壊する、またはその成長を阻害する化合物である。殺虫剤とは、その作用が特に昆虫およびその発達形態に向けられる化合物である。用語「除草剤」は、一般にその個別の場所において望ましくない全ての野生植物および作物(有害植物)に対して活性である化合物を意味すると理解される。
【0054】
肥料の例は、無機単栄養もしくは多栄養(multi-nucleant)肥料、有機および有機/無機肥料、または微量元素を含む肥料である。
【0055】
好ましい実施形態において、有効化合物は植物保護剤または植物保護剤の混合物である。別の好ましい実施形態において、植物保護剤は好ましくは除草剤、成長調節剤、殺虫剤または殺菌剤である。望ましくない植物、昆虫または菌類に対して植物保護剤を有利に使用することができることが一般に知られている。以下の植物保護剤のリストは可能な活性化合物を示すものであり、これらに限定するものではない。
【0056】
殺菌剤として、例えば以下のものを使用し得る。
【0057】
A) ストロビルリン系
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチルフェノキシ)-5-フルオロピリミジン-4-イルオキシ)フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド、メチル2-(オルト-(2,5-ジメチルフェニルオキシメチレン)フェニル)-3-メトキシアクリレート、メチル3-メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシイミドイルスルファニルメチル)フェニル)アクリレート、2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチルアリリデンアミノオキシメチル)フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド;
【0058】
B) カルボキシアミド系
- カルボキシアニリド系:ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M、ベノダニル(benodanil)、ビキサフェン(bixafen)、ボスカリド(boscalid)、カルボキシン(carboxin)、フェンフラム(fenfuram)、フェンヘキサミド(fenhexamide)、フルトラニル(flutolanil)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、イソチアニル(isotianil)、キララキシル(kiralaxyl)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(メフェノキサム(mefenoxam))、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、テクロフタラム(tecloftalam)、チフルザミド(thifluzamide)、チアジニル(tiadinil)、2-アミノ-4-メチルチアゾール-5-カルボキシアニリド、2-クロロ-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ニコチンアミド、N-(2',4'-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2',4'-ジクロロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2',5'-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2',5'-ジクロロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',5'-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',5'-ジクロロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3'-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3'-クロロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2'-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2'-クロロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2-(1,3,3-トリメチルブチル)フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(4'-クロロ-3',5'-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(4'-クロロ-3',5'-ジフルオロビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',4'-ジクロロ-5'-フルオロビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',5'-ジフルオロ-4'-メチルビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(3',5'-ジフルオロ-4'-メチルビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[2-(ビシクロプロピル-2-イル)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[2-(cis-ビシクロプロピル-2-イル)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[2-(trans-ビシクロプロピル-2-イル)フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフト-5-イル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド;
- カルボン酸モルホリド系:ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph);
- ベンズアミド系:フルメトベル(flumetover)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)、N-(3-エチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)-3-ホルミルアミノ-2-ヒドロキシベンズアミド;
- 他のカルボキシアミド系:カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、マンジプロパミド(mandipropamid)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、シルチオファム(silthiofam)、N-(6-メトキシピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボキシアミド;
【0059】
C) アゾール系
- トリアゾール系:アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、ウニコナゾール(uniconazole)、1-(4-クロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘプタノール;
- イミダゾール系:シアゾファミド(cyazofamid)、イマザリル(imazalil)、硫酸イマザリル、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole);
- ベンズイミダゾール系:ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole);
- その他:エタボキサム(ethaboxam)、エトリジアゾール(etridiazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、2-(4-クロロフェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシフェニル)イソキサゾール-5-イル]-2-(プロプ-2-イニルオキシ)アセトアミド;
【0060】
D) 含窒素複素環化合物
- ピリジン系:フルアジナム(fluazinam)、ピリフェノックス(pyrifenox)、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メタンスルホニル)ピリジン、3,4,5-トリクロロピリジン-2,6-ジカルボニトリル、N-(1-(5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)エチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド、N-((5-ブロモ-3-クロロピリジン-2-イル)メチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド;
- ピリミジン系:ブピリメート(bupirimate)、シプロジニル(cyprodinil)、ジフルメトリム(diflumetorim)、フェナリモル(fenarimol)、フェリムゾン(ferimzone)、メパニピリム(mepanipyrim)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ヌアリモル(nuarimol)、ピリメタニル(pyrimethanil);
- ピペラジン系:トリホリン(triforine);
- ピロール系:フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil);
- モルホリン系:アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph);
- ピペリジン系:フェンプロピジン(fenpropidine);
- ジカルボキシイミド系:フルオリミド(fluorimid)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin);
- 非芳香族5員複素環系:ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フルチアニル(flutianil)、オクチリノン(octhilinone)、プロベナゾール(probenazole)、5-アミノ-2-イソプロピル-3-オキソ-4-o-トリル-2,3-ジヒドロピラゾール-1-チオカルボン酸S-アリルエステル;
- その他:アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、アミスルブロム(amisulbrom)、アニラジン(anilazine)、ブラスチシジン-S(blasticidin-S)、カプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、チノメチオナット(chinomethionat)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン(diclomezine)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコートメチルサルフェート(difenzoquat-metilsulfate)、フェノキサニル(fenoxanil)、ホルペット(folpet)、オキソリン酸(oxolinic acid)、ピペラリン(piperalin)、プロキナジド(proquinazid)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、6-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-(4-tert-ブチルフェニル)-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メチル-6-(3,5,5-トリメチルヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-メチル-5-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-エチル-5-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-エチル-6-(3,5,5-トリメチルヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-オクチル-5-プロピル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メトキシメチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-オクチル-5-トリフルオロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミンおよび5-トリフルオロメチル-6-(3,5,5-トリメチルヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
【0061】
E) カルバメート系およびジチオカルバメート系
- チオおよびジチオカルバメート系:フェルバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、メタム(metam)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram);
- カルバメート系:ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、塩酸プロパモカルブ、バリフェナル(valiphenal)、4-フルオロフェニルN-(1-(1-(4-シアノフェニル)エチルスルホニル)ブタ-2-イル)カルバメート;
【0062】
F) 他の殺菌剤
- グアニジン系:ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基、グアザチン(guazatine)、酢酸グアザチン、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジン三酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジン三アルベシル酸塩(iminoctadine tris(albesilate));
- 抗生物質:カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩水和物、ポリオキシン(polyoxins)、ストレプトマイシン(streptomycin)、バリダマイシンA(validamycin A);
- ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)、ジクロラン(dicloran)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカップ(dinocap)、ニトロタールイソプロピル(nitrothalisopropyl)、テクナゼン(tecnazene);
- 有機金属化合物:フェンチン塩(fentin salts)、例えば酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
- 含硫黄複素環化合物:ジチアノン(dithianon)、イソプロチオラン(isoprothiolane);
- 有機リン化合物:エディフェンホス(edifenphos)、ホセチル(fosetyl)、ホセチル-アルミニウム、イプロベンホス(iprobenfos)、亜リン酸およびその塩、ピラゾホス(pyrazophos)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl);
- 有機塩素化合物:クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルスルファミド(flusulfamide)、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン(pencycuron)、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フタリド(phthalide)、キントゼン(quintozene)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
- 無機活性化合物:亜リン酸およびその塩、ボルドー液、銅塩、例えば、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
- その他:ビフェニル、ブロノポール(bronopol)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ジフェニルアミン、メトラフェノン(metrafenone)、ミルディオマイシン(mildiomycin)、オキシン銅(oxine-copper)、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium)、スピロキサミン(spiroxamine)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(シクロプロピルメトキシイミノ(6-ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-(トリメチルシラニル)プロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル)プロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル)アセチル]-ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボン酸メチル(1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル)アミド、2-{1-[2-(5-メチル-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボン酸メチル(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル)アミド、6-(tert-ブチル)-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イルアセテート、6-(tert-ブチル)-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イルメトキシアセテート。
【0063】
成長調節剤として、例えば以下のものを使用し得る。
【0064】
アブシジン酸、アミドクロル(amidochlor)、アンシミドール(ancymidol)、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノライド(brassinolide)、ブトラリン(butralin)、クロルメコート(chlormequat)(クロルメコートクロリド)、コリンクロリド(choline chloride)、シクラニリド(cyclanilide)、ダミノジド(daminozide)、ジケグラック(dikegulac)、ジメチピン(dimethipin)、2,6-ジメチルプリジン(2,6-dimethylpuridine)、エテホン(ethephon)、フルメトラリン(flumetralin)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルチアセット(fluthiacet)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、ジベレリン酸、イナベンフィド(inabenfide)、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド(mefluidide)、メピコート(mepiquat)(メピコートクロリド)、メトコナゾール(metconazole)、ナフチル酢酸、N6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、プロヘキサジオン(prohexadione)(プロヘキサジオン-カルシウム)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、チジアズロン(thidiazuron)、トリアペンテノール(triapenthenol)、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリヨード安息香酸、トリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl)、およびウニコナゾール(uniconazole)。
【0065】
除草剤として、例えば、以下のものを使用し得る。
【0066】
- アセトアミド系:アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)、メトラクロール(metolachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロアニリド(naproanilide)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、テニルクロール(thenylchlor);
- アミノ酸類似体:ビラナフォス(bilanafos)、グリフォセート(glyphosate)、グルホシネート(glufosinate)、スルホセート(sulfosate);
- アリールオキシフェノキシプロピオン酸系:クロジナホップ(clodinafop)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フルアジホップ(fluazifop)、ハロキシホップ(haloxyfop)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップ-P-テフリル(quizalofop-P-tefuryl);
- ビピリジル系:ジクワット(diquat)、パラコート(paraquat);
- カルバメート系およびチオカルバメート系:アシュラム(asulam)、ブチレート(butylate)、カルベタミド(carbetamide)、デスメディファム(desmedipham)、ジメピペレート(dimepiperate)、エプタム(eptam)(EPTC)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、フェンメディファム(phenmedipham)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、トリアレート(tri-allate);
- シクロヘキサンジオン系:ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim);
- ジニトロアニリン系:ベンフルラリン(benfluralin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、プロジアミン(prodiamine)、トリフルラリン(trifluralin);
- ジフェニルエーテル系:アシフルオルフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、ビフェノックス(bifenox)、ジクロホップ(diclofop)、エトキシフェン(ethoxyfen)、ホメサフェン(fomesafen)、ラクトフェン(lactofen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen);
- ヒドロキシベンゾニトリル系:ブロモキシニル(bromoxynil)、ジクロベニル(dichlobenil)、イオキシニル(ioxynil);
- イミダゾリノン系:イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr);
- フェノキシ酢酸系:クロメプロップ(clomeprop)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ(dichlorprop)、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ(mecoprop);
- ピラジン系:クロリダゾン(chloridazon)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルチアセット(fluthiacet)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ピリデート(pyridate);
- ピリジン系:アミノピラリド(aminopyralid)、クロピラリド(clopyralid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジチオピル(dithiopyr)、フルリドン(fluridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、チアゾピル(thiazopyr);
- スルホニル尿素系:アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン(halosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロン(tribenuron)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、1-((2-クロロ-6-プロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)尿素;
- トリアジン系:アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(dimethametryn)、エチオジン(ethiozin)、ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzin)、プロメトリン(prometryn)、シマジン(simazine)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、トリアジフラム(triaziflam);
- 尿素系:クロロトルロン(chlorotoluron)、ダイムロン(daimuron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、リヌロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、テブチウロン(tebuthiuron);
- 他のアセト乳酸シンターゼ阻害剤:ビスピリバック-ナトリウム(bispyribac-sodium)、クロランスラム-メチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、オルソスルファムロン(ortho-sulfamuron)、ペノクスラム(penoxsulam)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、ピリバムベンズ-プロピル(pyribambenz-propyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam);
- その他:アミカルバゾン(amicarbazon)、アミノトリアゾール、アニロホス(anilofos)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンゾカルバゾン(benzocarbazone)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンタゾン(bentazone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ブロマシル(bromacil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、クロルタール(chlorthal)、シンメチリン(cinmethylin)、クロマゾン(clomazone)、クミルロン(cumyluron)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ジカンバ(dicamba)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ドレクスレラ・モノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール(endothal)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、フェントラザミド(fentrazamide)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルポキサム(flupoxam)、フルオロクロリドン(fluorochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、インダノファン(indanofan)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、メソトリオン(mesotrione)、メチルヒ酸(methylarsenic acid)、ナプタラム(naptalam)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、キノクラミン(quinoclamine)、サフルフェナシル(saflufenacil)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、ターバシル(terbacil)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、トプラメゾン(topramezone)、4-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシエトキシメチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-2-オン、エチル-(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)フェノキシ]ピリジン-2-イルオキシ)アセテート、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピルピリミジン-4-カルボキシレート、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレートおよびメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-カルボキシレート。
【0067】
殺虫剤として、例えば以下のものを使用し得る。
【0068】
- 有機(チオ)リン酸系:アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンフォス(chlorfenvinphos)、ジアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジクロトフォス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、エチオン(ethion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メチルパラチオン(methyl-parathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、オキシデメトンメチル(oxydemeton-methyl)、パラオキソン(paraoxon)、パラチオン(parathion)、フェントエート(phenthoate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprophos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、テルブホス(terbufos)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon);
- カルバメート系:アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メトミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポクスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、トリアザメート(triazamate);
- ピレスロイド系:アレスリン(allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、イミプロトリン(imiprothrin)、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrin)IおよびII、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、プロフルトリン(profluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin);
- 昆虫成長阻害剤:a) キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、シロマジン(cyromazine)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ブプロフェジン(buprofezin)、ジオフェノラン(diofenolan)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)、クロフェンテジン(clofentezine);b) エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、アザジラクチン(azadirachtin);c) 幼若ホルモン類似体:ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb);d) 脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat);
- ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト:クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、1-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-1,3,5-トリアジナン;
- GABAアンタゴニスト:エンドスルファン(endosulfan)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、バニリプロール(vaniliprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-チオカルボキシアミド;
- 大環状ラクトン系:アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、レピメクチン(lepimectin)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram);
- ミトコンドリア電子伝達系阻害剤(METI)I殺ダニ剤:フェナザキン(fenazaquin)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルフェネリム(flufenerim);
- METI IIおよびIII物質:アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon);
- アンカプラー:クロルフェナピル(chlorfenapyr);
- 酸化的リン酸化阻害剤:シヘキサチン(cyhexatin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、プロパルギット(propargite);
- 昆虫脱皮阻害剤:シロマジン(cyromazine);
- 混合機能オキシダーゼ阻害剤:ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide);
- ナトリウムチャネル遮断剤:インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone);
- その他:ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、カルタップ(cartap)、フロニカミド(flonicamid)、ピリダリル(pyridalyl)、ピメトロジン(pymetrozine)、硫黄、チオシクラム(thiocyclam)、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、アミドフルメット(amidoflumet)、イミシアホス(imicyafos)、ビストリフルロン(bistrifluron)およびピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)。
【0069】
好ましい実施形態において、植物保護剤は好ましくは除草剤である。別の好ましい実施形態において、植物保護剤は好ましくは殺虫剤である。別の好ましい実施形態において、植物保護剤は好ましくは殺菌剤である。別の好ましい実施形態において、殺菌剤は好ましくはアゾールである。別の好ましい実施形態において、アゾールは好ましくはトリチコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾールまたはメトコナゾールである。
【0070】
さらなる好適な有効化合物は農薬アジュバントである。アジュバントは、それ自体では殺有害生物効果を持たないが、殺有害生物剤の有効性を高める化合物または化合物の混合物である。浸透促進剤がその例である。農薬活性化合物の植物への浸透を改善するために従来使用されるすべての物質が浸透促進剤として好適である。ここで、浸透促進剤は、それらが水性噴霧混合物および/または噴霧コーティングから植物のクチクラの中に浸透し、これにより活性化合物のクチクラへの移動性を増大することができることを特徴とする。この特性を測定するために、文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131-152)に記載される一側脱離(unilateral desorption)の方法を用いることができる。さらなる好適な方法は、葉の上に測定する混合物の液滴を置き、数日後に葉に残った残渣を測定することからなる。
【0071】
さらなる好適な有効化合物は、食品用または飼料用添加物、例えば、食品着色剤、アミノ酸、ビタミン、保存料、酸化防止剤、芳香剤または香味料である。
【0072】
ポリマー用の助剤の例は、分散相中で使用することができるような、難燃剤、粘度改良剤または極性液体である。紙用の助剤の例は、アルケニルコハク酸無水物またはジアルキルジケテンである。洗剤用および清浄剤用の助剤の例は、逆相ミニエマルション中で分散剤として使用することもできる界面活性剤または乳化剤である。ヒドロラーゼまたはアミダーゼなどの酵素も同様に助剤として使用することができる。
【0073】
好ましい有効化合物は、殺生物剤、植物保護剤および肥料である。一実施形態において、有効化合物は植物保護剤である。別の実施形態において、有効化合物は殺生物剤である。別の実施形態において、有効化合物は農薬アジュバントである。
【0074】
有効化合物は、純粋な形で、工業等級で、抽出物として、または他の有効化合物との混合物として、使用することができる。有効化合物は溶解した状態または固体の状態で分散相中に存在する。有効化合物の総量は、工程A)の総投入量に対して0.1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0075】
有効化合物は、マイクロ粒子からの拡散により、またはマイクロ粒子の崩壊によりマイクロ粒子から放出され得る。放出速度は拡散または崩壊に作用する内的および外的影響により選択的に制御することができる。
【0076】
さらなる添加剤、例えば本発明の方法において使用することができるもののような、保存剤、増粘剤、剥離剤または保護コロイドおよび乳化剤は当業者に公知であり、マイクロ粒子の製造後に目的とする使用法に応じた通常の量で加える。
【0077】
壁モノマーは、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよび/またはポリエポキシドからなる群より選択される。ポリイソシアネートは、好ましくはさらなる壁モノマーと組み合わせて使用され、例えばエチレン性不飽和モノマーとポリイソシアネート、ポリイソシアネートとポリオール、またはポリイソシアネートとポリアミンのように組み合わせて使用される。壁モノマーとして、エチレン性不飽和モノマー、エチレン性不飽和モノマーとポリイソシアネート、エチレン性一不飽和および多不飽和モノマー、ポリイソシアネートとポリオール、ポリイソシアネートとポリアミン、ならびにポリエポキシドとポリアミンが好ましい。壁モノマーとして、エチレン性不飽和モノマー、およびエチレン性不飽和モノマーとポリイソシアネートが特に好ましい。壁モノマーとして、エチレン性不飽和モノマーが格別好ましい。
【0078】
好適なエチレン性不飽和モノマーは、少なくとも1個、好ましくは1個の炭素-炭素二重結合を有するラジカル重合性モノマーである。好ましいエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはビニルラクタム、特にアクリル酸、メタクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。例として、アクリル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステル、マレイン酸およびそのエステル、スチレン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピリジン、塩化ビニル、二塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリルアミド、イタコン酸、無水マレイン酸、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。好ましいアクリル酸またはメタクリル酸のエステルは、C1〜C24-アルキルエステル、特にヒドロキシ官能性アルキルエステル、とりわけヒドロキシ官能性C2〜C6-アルキルエステル、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0079】
好ましい実施形態において、5重量%以上の水溶性を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーが好適である。例として、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3-ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。特に好ましいエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシ官能性C2〜C6-アルキルエステル、およびビニルピロリドンであり、とりわけ、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0080】
好適なポリイソシアネートは、少なくとも2個、好ましくは2〜4個、特に好ましくは2〜3個のイソシアネート基を有する脂肪族および芳香族イソシアネートである。ポリイソシアネートの例は、芳香族イソシアネート、例えば2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'-MDI)および「TDI混合物」(2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートの混合物)である。脂肪族イソシアネートとして、例えば、1,4-ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、1,10-デカメチレンジイソシアネート、2-ブチル-2-エチルペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2-イソシアナートプロピルシクロヘキシルイソシアネート、2,4'-メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネートおよび4-メチルシクロヘキサン1,3-ジイソシアネート(H-TDI)を挙げることができる。さらなる好適なポリイソシアネートは、オリゴイソシアネートおよびそれらの混合物である。オリゴイソシアネートに関して、イソシアネート基の数は、通常NCO含有量、およびそれから計算されたイソシアネート基の平均数により決定される。このイソシアネート基の平均数は、典型的には少なくとも2個、好ましくは2〜4個、特に好ましくは2〜3個である。好ましいオリゴイソシアネートは、上記の芳香族および/または脂肪族ポリイソシアネート、特にジフェニルメタンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートに基づくものである。このようなオリゴイソシアネートは、例えば、BASF SEよりLupranat(登録商標) M20Sとして市販されている。好ましいポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'-MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、およびオリゴイソシアネートである。オリゴイソシアネートが特に好ましい。
【0081】
ポリイソシアネートは、少なくとも1種のポリウレタン触媒を、加えずに、または好ましくは加えて調製することができる。例えば、ポリウレタン化学において従来使用されるすべての触媒がポリウレタン触媒として好適である。例えば、有機アミン、特に第三級脂肪族、脂環式または芳香族アミン、およびルイス酸有機金属化合物が好適である。例えば、ルイス酸有機金属化合物としてスズ化合物を使用することができ、例として、有機カルボン酸のスズ(II)塩(例えば酢酸スズ(II)、オクチル酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)およびラウリン酸スズ(II))、ならびに有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)誘導体(例えばジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジブチレート、ジブチルスズビス(2-エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジオクチルスズジラウレートおよびジオクチルスズジアセテート)が挙げられる。金属錯体、例えば、鉄、チタン、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、ニッケルおよびコバルトアセチルアセトネートも使用可能である。
【0082】
好適なポリエポキシドは、少なくとも2個、好ましくは2〜3個のエポキシド基を有する化合物である。これらの例は、ビスフェノールAから誘導されるエポキシド、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、またはエピクロロヒドリン置換ビスまたはポリフェノールタイプのエポキシド(1〜2の重合度を有するエポキシド、Shell製のEpikote(登録商標) E 828として市販されている)またはテトラグリシジルメチレンジアニリン(例えば、Ciba製のLY 1802)である。
【0083】
さらに、エチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネートを含む組合せが壁モノマーとして好ましい。好適なエチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネートは上記の通りである。ポリイソシアネートとの組合せに好ましいエチレン性一不飽和モノマーは、ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシ官能性C2〜C6-アルキルエステル、特に、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0084】
さらに、エチレン性一不飽和および多不飽和モノマーを含む組合せが壁モノマーとして好ましい。用語「エチレン性一不飽和モノマー」は、正確に1個のラジカル重合性炭素-炭素二重結合を有するモノマーを意味するものと理解される。用語「エチレン性多不飽和モノマー」は、少なくとも2個、好ましくは2〜3個、特に2個のラジカル重合性炭素-炭素二重結合(好ましくは非共役である)を有するモノマーを意味するものと理解される。
【0085】
好適なエチレン性一不飽和モノマーは、上にエチレン性不飽和モノマーとして挙げたものである。好ましいエチレン性一不飽和モノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシ官能性C2〜C6-アルキルエステル、およびビニルピロリドン、特に好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0086】
好適なエチレン性多不飽和モノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸とジオールのジエステル、ならびにこれらのジオールのジアリルおよびジビニルエーテルである。例として、エタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート(ジメタクリレート)(一般に、アルキレンとしてエチレンおよび/またはプロピレンを使用する)、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、メタリルメタクリルアミド、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレートが挙げられる。また、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンおよびジビニルシクロヘキサンおよびトリビニルシクロヘキサン、ポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とのポリエステル、ならびにこれらのポリオールのポリアリルおよびポリビニルエーテルも好適である。プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオールジアクリレートおよび対応するメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレート、ペンタエリスリチルトリアリルエーテル、ペンタエリスリチルテトラアリルエーテル、ペンタエリスリチルトリアクリレートおよびペンタエリスリチルテトラアクリレートまたは対応するメタクリレート、ならびにそれらの工業的混合物が好ましい。プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオールジアクリレートおよび対応するメタクリレートが特に好ましい。
【0087】
エチレン性一不飽和および多不飽和モノマーを含む好ましい組合せは、2-ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)とペンタエリスリチルトリアクリレート;2-ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)とブタンジオールジアクリレート(メタクリレート);および2-ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)とポリアルキレングリコールジアクリレート(メタクリレート)である。
【0088】
さらに、ポリイソシアネートおよびポリオールを含む組合せが壁モノマーとして好ましい。好適なポリイソシアネートは上に記載した通りである。好適なポリオールは、少なくとも2個のアルコール基を有するアルコール、例えばエタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-または1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、グリセリンおよびトリメチロールプロパン、ならびに芳香族環系または脂環系を含むジアルコール、例えば、1,4-ビスジヒドロキシメチルベンゼンまたは1,4-ビスジヒドロキシエチルベンゼンである。さらに、ラクトンに属するポリエステルポリオール、例えばカプロラクトン、またはヒドロキシカルボン酸、例えばヒドロキシカプロン酸も使用することができる。少なくとも2個のアルコール基を有するポリマー、例えばポリビニルアルコールまたは部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルも同様に使用することができる。上記のポリオールの混合物も同様に可能である。好ましいポリアルコールは、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールである。
【0089】
さらに、ポリイソシアネートおよびポリアミンを含む組合せが壁モノマーとして好ましい。好適なポリイソシアネートは上に記載した通りである。ポリアミンとして、少なくとも2個、好ましくは2〜4個、特に2〜3個のアミノ基を有する化合物を使用することができる。可能なポリアミンは、好ましくは第一級および第二級脂肪族ポリアミンである。例えば、1,2-エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(2-メチルアミノエチル)メチルアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、3-アミノメチルアミノプロパン、N-メチル-ビス(3-アミノプロピル)アミン、1,4-ジアミノ-n-ブタン、1,6-ジアミノ-n-ヘキサン、ポリビニルアミンまたはアミノ末端を有するポリエーテルを挙げることができる。好ましいポリアミンは、1,2-エチレンジアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンである。
【0090】
さらに、ポリエポキシドおよびポリアミンを含む組合せが壁モノマーとして好ましい。好適なポリエポキシドおよびポリアミンは上に記載した通りである。
【0091】
壁モノマーは、一般に、壁モノマーのポリエステルモノマーに対する重量比が、1:5〜10:1、好ましくは1:3〜7:1、特に好ましくは1:1〜4:1となるように使用する。
【0092】
有効化合物を含むマイクロ粒子Mを調製するための本発明の方法は、A)酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成によるマイクロ粒子Aの粗懸濁液の形成;およびB)マイクロ粒子Aの粗懸濁液中でのエチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよび/またはポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーの重合を含む。工程A)およびB)は通常記載された順序で実施する。
【0093】
工程A)において、マイクロ粒子Aの粗懸濁液は、酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成により形成される。ここで、一般に、少なくとも1種の分散剤、少なくとも1種の無極性液体、少なくとも1種の極性液体、少なくとも1種のポリエステルモノマー、少なくとも1種の重合を触媒する酵素、および少なくとも1種の有効化合物を任意の順序で混合し、そこから逆相ミニエマルションを形成する。個々の成分のプレミックスを調製することも可能である。好ましくは、あらかじめ調製された逆相ミニエマルション中に、ポリエステルモノマーの重合を触媒する少なくとも1種の酵素を導入する。
【0094】
本発明の方法において、好ましくは、少なくとも1種の分散剤を、液体の少なくとも一部およびポリエステルモノマーの一部の中に導入する。有効化合物およびポリエステルモノマーの一部は、それとは別に液体の少なくとも一部の中に導入する。2つの混合物を混合し、逆相ミニエマルションを調製する。次に、ポリエステルモノマーの一部および酵素をミニエマルションの中に導入する。ここで、用語「ポリエステルモノマーの一部」は、反応投入物中に存在する全ポリエステルモノマーの0〜100%の間を意味する。用語「少なくとも一部」は、全投入物中に存在する量の0%よりも多いことを意味する。好ましい実施形態において、ポリエステルモノマーの一部をミニエマルションに導入し、その割合は1%よりも大きく、好ましくは10%よりも大きい。
【0095】
さらなる添加剤、例えば保存剤も、任意の加工工程において導入することができる。
【0096】
本発明の方法は、一般に、5〜100℃、多くの場合20〜80℃、しばしば30〜65℃の反応温度で実施する。一般に、本発明の方法は、一般に0.8〜10 bar、好ましくは0.9〜2 bar、特に1 bar(大気圧)の圧力(絶対値)で実施する。当業者は、目的とするマイクロ粒子の特性、例えば重合度に合わせて反応時間を選択する。所望の反応時間の後、酵素を破壊もしくは再使用するか、マイクロ粒子を単離するか、または他の方法により反応混合物を単離または再加工することができる。好ましくはマイクロ粒子Aの粗懸濁液を直接工程B)に使用する。
【0097】
本発明により存在する必要がある逆相ミニエマルションは、先行技術に従って調製することができる。この場合、相の混合物中にエネルギーを導入することにより(例えばWO 2006/053712に記載されるように、振とう、叩打、撹拌または乱流混合により;一方の液体を他方の液体中に射出することにより;混合物の振動およびキャビテーションにより(例えば、超音波);乳化遠心分離機を用いることにより;コロイドミルおよびホモジナイザーを用いることにより;またはジェットノズルを用いることにより)、マクロエマルションを調製する。このマクロエマルションをホモジナイズすることにより1000 nm未満の液滴サイズを有するミニエマルションに変換する。好ましくは、超音波、高圧ホモジナイザー、または他の高エネルギーホモジナイズ装置(例えば、放出ノズル)を用いて0〜100℃でホモジナイズする。
【0098】
一般的に、固体のマイクロ粒子は、逆相ミニエマルション中で、酵素の触媒により反応時間内にポリエステルモノマーから形成される。固体のマイクロ粒子の形成により、マイクロ粒子Aの粗懸濁液が逆相ミニエマルションから形成される。
【0099】
工程B)において、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよび/またはポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーをマイクロ粒子Aの粗懸濁液中で重合する。好ましくは、調製されたマイクロ粒子Aの粗懸濁液に少なくとも1種の壁モノマーを導入した後、重合する。特に好ましくは、少なくとも1種の壁モノマーおよび少なくとも1種の分散剤を粗懸濁液に加える。壁モノマーは、従来通りに、例えば重合触媒または物理的方法により重合することができる。壁モノマーがエチレン性不飽和モノマーを含む場合、一般に重合触媒としてラジカル開始剤を加え、かつ/または反応温度を上げる。壁モノマーがポリイソシアネートを含む場合、一般に重合触媒として上記のポリウレタン触媒を加える。
【0100】
工程B)において、好ましくは、工程A)の粗懸濁液を少なくとも1種の分散剤および少なくとも1種の壁モノマーにより処理する。好ましくは、粗懸濁液を壁モノマーおよび分散剤を含むエマルションにより処理する。ここで、好ましくは、マイクロ粒子Aの粗懸濁液中に壁モノマーのエマルションを形成する。次に、少なくとも1種の重合触媒を加える。壁モノマー、分散剤および重合触媒は、1回で、数回に分けて、または連続的に加えることができる。壁モノマー、分散剤および重合触媒は、粗懸濁液に加える前に、極性または無極性溶媒に溶解または分散することができる。
【0101】
別の好ましい実施形態において、工程A)において少なくとも1種の壁モノマーを既に加えておき、工程B)においては重合のみをおこなう。好ましくは、この目的で、第一級または第二級ヒドロキシ基を持たない壁モノマーを使用する。第一級または第二級ヒドロキシ基を持たないエチレン性不飽和モノマーが特に好適である。
【0102】
本発明の方法は、一般に、20〜120℃、多くの場合40〜90℃、しばしば50〜80℃の反応温度で実施する。一般に、本発明の方法は、一般に0.8〜10 bar、好ましくは0.9〜2 bar、特に1 bar(大気圧)の圧力(絶対値)で実施する。当業者は、目的とするマイクロ粒子の特性、例えば重合度に合わせて反応時間を選択する。反応投入物は、通常連続的に攪拌することにより混合する。
【0103】
一般に、工程B)において、有効化合物を含むマイクロ粒子Mはマイクロ粒子Aおよび重合した壁モノマーから形成される。さらに、工程B)において、全マイクロ粒子の総量に対して好ましくは20重量%未満、特に5重量%未満の少量の本発明によらないマイクロ粒子が、重合した壁モノマーのみから製造され得る。この二次的な核形成は広範な副反応であるが、当業者が従来の手段により、例えば壁モノマーの添加速度を遅くすること、または連続相における壁モノマーの濃度を低くすることにより、減少させることが可能である。
【0104】
マイクロ粒子Mは、それ以上再加工することなくさらに使用することが可能である。本発明のマイクロ粒子の調製の後、必要な場合にはそれらを単離すること、すなわち、溶媒を除去することができる。好適な方法は、例えば、蒸発、噴霧乾燥、凍結乾燥、遠心分離、濾過または減圧乾燥である。好ましい実施形態において、調製の後にマイクロ粒子を単離しない。
【0105】
さらに、マイクロ粒子Mを、例えば相転移プロセスまたはフラッシング(flushing)に類似の転移プロセスにより、または、好ましくは粒子を乾燥して粉末とした後に再分散することにより、マイクロ粒子が水または水溶液中に分散している本発明の分散物に変換することができる。
【0106】
本発明に従って調製されたマイクロ粒子Mを含む分散物またはさらに再加工された製品は、着色剤、化粧品、医薬品、植物保護剤、肥料、食品用または飼料用添加物の成分として、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、コーティング材料用、洗剤用または洗浄剤用の助剤として使用することができる。特にポリエステル分解酵素が遍在する生物圏において、有効化合物を選択的に再放出することができるようにすることが有利である。
【0107】
好ましい実施形態において、本発明は本発明のマイクロ粒子Mまたは本発明に従って調製されたマイクロ粒子Mを含む、農薬製剤に関する。
【0108】
農薬製剤はさらなる製剤助剤を含んでいてもよい。本発明において、「製剤助剤」という表現は、農薬活性化合物の製剤に好適な助剤を意味し、例えば、溶媒、担体、界面活性剤(イオン性もしくは非イオン性界面活性剤、アジュバント、分散剤)、保存剤、消泡剤および/または凍結防止剤である。また、種子処理用の助剤は、場合により、染料、結合剤、ゲル化剤および/または増粘剤であってもよい。
【0109】
一般的に、農薬製剤は0〜90重量%、好ましくは1〜85重量%、さらに好ましくは5〜80重量%、特に5〜65重量%の製剤助剤を含むことができる。
【0110】
さらに、本発明は、望ましくない植物、望ましくない植物が成長する土壌、またはそれらの種子を本発明の農薬製剤により処理することを含む、望ましくない植物の成長を防除するための方法に関する。
【0111】
それに加えて、本発明は、菌類/昆虫、それらの生息環境、または菌類もしくは昆虫の繁殖から保護すべき植物もしくは土壌、または植物、植物が成長する土壌、またはそれらの種子を本発明の農薬製剤により処理することを含む、植物上での望ましくない昆虫もしくはダニの繁殖を防除するための、および/または植物病原菌を防除するための方法に関する。
【0112】
それに加えて、本発明は、種子を本発明の農薬製剤により処理するための方法、および本発明の農薬製剤により処理された種子に関する。
【0113】
全体として、本発明の方法は、従来のマイクロ粒子の調製方法と比較して多くの利点を有する。すなわち、反応温度が低くかつpH値が主として中性であることから、温度感受性およびpH感受性の有効化合物を使用することが可能であり;マイクロ粒子のポリマーをその場で直接調製することができ、費用のかかる保管を必要としない。
【0114】
同様に、本発明に従って調製されたマイクロ粒子も次の利点を有する。すなわち、他の調製方法よりもマイクロ粒子の密度が高い。特に、マイクロ粒子は酵素的方法のみにより調製されたマイクロ粒子よりも機械的安定性が高い。マイクロ粒子は温度に不安定なまたは他の反応性の高い有効化合物を含むことが可能である。それらはまた、極性溶媒に溶解された有効化合物を含むことが可能である。さらに、マイクロ粒子からの有効化合物の放出速度を壁モノマーのタイプおよび/または量により制御することが可能である。放出速度は、壁モノマーの重合により、ポリエステルのみから形成された粒子と比較して有利に遅くすることができる。
【0115】
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0116】
部分水素化石油蒸留物:260〜280℃の沸点を有する部分水素化石油蒸留物(例えば、Exxon Mobil ChemicalよりIsopar(登録商標) Vとして市販されている)。
酵素:球形ポリマービーズに固定化されたカンジダ・アンタークティカ(Candida Antarctica)B型リパーゼ(例えば、Novozymes(Denmark)よりNovozym(登録商標) 435として市販されている)。
分散剤:1000 g/molよりも大きいモル質量を有するポリエステル/ポリエチレンオキシド/ポリエステルブロックコポリマーであって、EP 424 B1の教示に従って縮合12-ヒドロキシステアリン酸をポリエチレンオキシドと反応させることにより調製したもの(CrodaよりHypermer(登録商標) B-246として市販されている)。
カプロラクトン:99%よりも大きい純度を有するε-カプロラクトン。
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(BASF SEより市販されている)。
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル。
DBTL:ジブチルスズジラウレート。
イソシアネートA:オリゴマー4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートであって、NCO含有量が31.8 g/100 g(ASTM D 5155-96 A)であり、酸性度が150 mg/kg(HClとして、ASTM D 1638 74)であり、粘度が210 mPa.s(DIN 53018)であるもの(例えば、BASF SEよりLupranat(登録商標) M20Sとして市販されている)。
【0117】
有効化合物として、植物保護用殺菌剤、例えば、トリチコナゾールを使用した。あるいは、着色剤、例えばBasacid(登録商標) Blue 756(C.I. Acid Blue 9、トリフェニルメタン染料、例えばBASF SEより入手可能)を有効化合物として使用した。Basacid Blue 756はIsopar(登録商標) Vに不溶性であるが、プロピレンカーボネートおよびカプロラクトンに溶解する。あるいは、プロピレンカーボネートを有効化合物として使用した。
【0118】
染料Sudan(登録商標) Blue(アントラキノン染料、C.I.Solvent Blue 79、例えばBASF SEより入手可能)を光学顕微鏡用の染色に使用した。これは、Isopar(登録商標) Vおよびポリカプロラクトンなどの非常に疎水性の高い媒体にのみ溶解する。これは水またはプロピレンカーボネートには難溶性である。
【0119】
実施例1(本発明によらない)
逆相ミニエマルションを調製するために下記の量を使用した。
120 gの部分水素化石油蒸留物
24.0 gのプロピレンカーボネート
6.0 gのε-カプロラクトン
19.2 mgのD-ソルビトール
1.65 gのトリチコナゾール
3.0 gの分散剤
0.6 gの酵素
【0120】
分散剤をサンプル容器に導入し、攪拌しながら部分水素化石油蒸留物に溶解した。別の容器でトリチコナゾールおよびD-ソルビトールをカプロラクトンとプロピレンカーボネートの混合物に溶解した。次に、均質な溶液を互いに混合し、マグネチックスターラーを用いて室温で60分間攪拌することによりプレ乳化した。これを氷浴で冷却しながら超音波処理(Hielscher製のultrasonic processor UP 400S;5分間、Sonotrode H7で100%)することにより、逆相ミニエマルションを調製し、100 mgの酵素を加えた後、60℃で48時間重合した。マイクロ粒子の粗懸濁液が得られた。
【0121】
光学顕微鏡写真(倍率1000倍)により、完全な球形の粒子であることが明らかになった(図1)。
【0122】
SEM(走査電子顕微鏡)写真を作成するために、得られた生成物を遠心分離し、固体をイソブタノールおよびヘキサンにより洗浄し、空気中で乾燥した。5.00 kVでのSEM写真は大部分が分解したマイクロ粒子を示した(図2)。
【0123】
実施例2:300%のヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を用いる重合
まず、実施例1に記載した通りにマイクロ粒子の粗懸濁液を調製した。次に、3.6 gの分散剤を加えて、混合物を15分間攪拌した。分散剤が油相に完全に溶解した後に、18.0 gのHEMAを加えて、混合物をさらに30分間攪拌した。次に、72 gのIsopar Vと0.36 gのAIBNの混合物を加えることにより、重合反応を開始した。完全な変換を保証するために、60℃で6時間反応させた後に24 gのIsopar V中の同量のAIBNを再度加え、変換が完了するまで重合を続けた。
【0124】
SEM(走査電子顕微鏡)写真を作成するために、こうして得られた生成物を実施例1と同様にして遠心分離し、こうして得られた固体をイソブタノールおよびヘキサンにより洗浄し、空気中で乾燥した。次に、乾燥した固体を乳鉢で微細に粉砕して、粉末にした。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが示された(図3)。
【0125】
粒子の安定性をさらにモニターするために、超音波(氷を用いて冷却しながら1分間、Sonotrode H7で100%)を用いて粉末を1重量% SDS水溶液中に分散した。光学顕微鏡写真(倍率1000倍)により、完全な球形の粒子であることが明らかになった。
【0126】
実験により、特に実施例1の粒子と比較した場合の、高い機械的安定性が明らかになった。
【0127】
実施例3:200%のヒドロキシエチルメタクリレートを用いる重合
まず、実施例1に記載した通りにマイクロ粒子の粗懸濁液を調製した。次に、2.4 gの分散剤を加えて、混合物を15分間攪拌した。分散剤が油相に完全に溶解した後に、12.0 gのHEMAを加えて、混合物をさらに30分間攪拌した。次に、24 gの部分水素化石油蒸留物と0.24 gのAIBNの混合物を加えることにより、重合反応を開始した。完全な変換を保証するために、60℃で6時間反応させた後に24 gの部分水素化石油蒸留物中の同量のAIBNを再度加え、変換が完了するまで重合を続けた。SEM写真を作成するために、得られた生成物を実施例2と同様に調製した。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが明らかになった。
【0128】
実施例4:3回の100%のヒドロキシエチルメタクリレートを用いる重合
まず、実施例1に記載した通りにマイクロ粒子の粗懸濁液を調製した。次に、1.2 gの分散剤を加えて、混合物を15分間攪拌した。分散剤が油相に完全に溶解した後に、6.0 gのHEMAを加えて、混合物をさらに30分間攪拌した。次に、24 gの部分水素化石油蒸留物と0.12 gのAIBNの混合物を加えることにより、重合反応を開始した。60℃で6時間反応させた後に、6.0 gのHEMAを加え、さらに20時間後に、追加の6.0 gのHEMAを加えた。いずれの場合にも、1.2 gの分散剤および24 gのIsopar V中の0.12 gのAIBNの添加と組み合わせた。最後のHEMAの添加の後、変換が完了するまで、60℃で12時間重合を続けた。SEM写真を作成するために、得られた生成物を実施例2と同様に調製した。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが明らかになった。
【0129】
実施例5:プロピレンカーボネートを使用しない粒子、300% HEMAを用いる重合
逆相ミニエマルションを調製するために下記の量を使用した。
114.0 gの部分水素化石油蒸留物
30.0 gのε‐カプロラクトン
96 mgのD-ソルビトール
0.82 gのトリチコナゾール
6.0 gの分散剤
3.0 gのNovozym 435
【0130】
分散剤をサンプル容器に導入し、攪拌しながら部分水素化石油蒸留物に溶解した。別の容器でトリチコナゾールをカプロラクトンとソルビトールの混合物に溶解した。次に、均質な溶液を互いに混合し、マグネチックスターラーを用いて攪拌することによりプレ乳化した(室温で60分間)。これを氷浴で冷却しながら超音波処理(Hielscher製のultrasonic processor UP 400S;5分間、Sonotrode H7で100%)することにより、逆相ミニエマルションを調製し、酵素を加えた後、60℃で48時間重合した。
【0131】
次に、得られた93.0 gの生成物を10.8 gの分散剤により処理して、混合物を15分間攪拌した。分散剤が油相に完全に溶解した後、54.0 gのHEMAを加えて、混合物をさらに30分間攪拌した。次に、50 gのIsopar Vと1.1 gのAIBNの混合物を加えることにより、重合反応を開始した。完全な変換を保証するために、60℃で6時間反応させた後に50 gのIsopar V中の同量のAIBNを再度加えて、変換が完了するまで12時間重合を続けた。SEM写真を作成するために、得られた生成物を実施例2と同様に調製した。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが明らかになった。
【0132】
実施例6:300%のHEMAおよびイソシアネートAを用いる重合
237.5 gの実施例5で得られた最終生成物を攪拌しながら13.7 gのイソシアネートAにより処理した。触媒としてDBTLを加えた後、変換が完了するまで反応混合物を60℃で4時間攪拌した(反応をFTIRによりモニターした)。SEM写真を作成するために、得られた生成物を実施例2と同様に調製した。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが明らかになった。
【0133】
実施例7:HEMAおよびイソシアネートAを用いる重合 - NCO/OH比
この実施例において、HEMAのOH基を、さまざまなOH対NCOの比でイソシアネートAにより架橋した。
【0134】
30.0 gの実施例2で得られた最終生成物をイソシアネートAにより処理して、マグネチックスターラーにより攪拌しながら60℃に加熱した。触媒として0.01 gのDBTLを加えた後、NCO変換が完了するまで反応混合物を一晩攪拌した。
【0135】
使用したイソシアネートAの量は下記の通りである。
a) 0.5 g(NCO/OH = 0.25に相当する)
b) 1.02 g(NCO/OH = 0.5に相当する)
c) 1.52 g(NCO/OH = 0.75に相当する)
d) 2.03 g(NCO/OH = 1.0に相当する)
SEM写真を作成するために、いずれの場合にも得られた生成物を実施例2と同様に調製した。SEM写真により完全な球形のマイクロ粒子であることが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効化合物を含むマイクロ粒子Mの調製方法であって、
A) 酵素、有効化合物およびポリエステルモノマーを含む逆相ミニエマルション中での酵素的ポリエステル合成によるマイクロ粒子Aの粗懸濁液の形成;および
B) マイクロ粒子Aの粗懸濁液中での、エチレン性不飽和モノマー、ポリイソシアネートおよびポリエポキシドからなる群に属する壁モノマーの重合
を含む、前記方法。
【請求項2】
壁モノマーとして、
エチレン性不飽和モノマー;
エチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネート;
エチレン性一不飽和および多不飽和モノマー;
ポリイソシアネートおよびポリオール;
ポリイソシアネートおよびポリアミン;または
ポリエポキシドおよびポリアミン
を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
壁モノマーとして、
エチレン性不飽和モノマー;または
エチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネート
を使用する、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
エチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ポリイソシアネートとして、2〜3.5の平均官能基数を有する脂肪族または芳香族ポリイソシアネートを使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ポリエステルモノマーとしてヒドロキシ酸を使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
有効化合物が、着色剤、化粧品、医薬品、殺生物剤、作物保護剤、農薬アジュバント、肥料、食品用もしくは飼料用添加物、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、洗剤用もしくは清浄剤用の助剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
有効化合物が植物保護剤または肥料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法を用いて得られるマイクロ粒子M。
【請求項10】
請求項1〜10のいずれか1項に従って得られるマイクロ粒子Mの、着色剤、化粧品、医薬品、作物保護剤、肥料、食品用もしくは飼料用添加物、またはポリマー用、紙用、布地用、革用、洗剤用もしくは清浄剤用の助剤の成分としての使用。
【請求項11】
請求項9に記載のマイクロ粒子Mまたは請求項1〜8のいずれか1項に従って調製されたマイクロ粒子Mを含む、農薬製剤。
【請求項12】
望ましくない植物の成長を防除する方法であって、望ましくない植物、望ましくない植物が成長する土壌またはそれらの種子を、請求項11に記載の製剤により処理することを含む、前記方法。
【請求項13】
植物上での望ましくない昆虫またはダニの繁殖を防除する方法および/または植物病原菌を防除する方法であって、菌類/昆虫、それらの生息環境、または菌類もしくは昆虫の繁殖から保護すべき植物もしくは土壌、または植物、植物が成長する土壌、またはそれらの種子を請求項11に記載の製剤により処理することを含む、前記方法。
【請求項14】
請求項11に記載の製剤により処理された種子。

【公表番号】特表2012−508090(P2012−508090A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532593(P2011−532593)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063379
【国際公開番号】WO2010/046286
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】