説明

有害排ガス除去装置及びこれを含む有害排ガス除去システム{ReducingapparatusofVOCandReducingsystemofVOCincludingthesame}

【課題】大きさが小型になり、触媒を直接加熱できる有害排ガス除去装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、大きさが小型になり、触媒を直接加熱できる有害排ガス除去装置及びこれを含む有害排ガス除去システムに関する。このための有害排ガス除去装置は、有害排ガスを含む気体を供給されて、有害排ガスを除去する装置として、有害排ガスを含む気体をハウジングの一方に配置されている流入孔を通して一方向に移送して、前記一方向に移送した気体を有害排ガスと反応する触媒と反応させた後、前記触媒と反応した気体を前記一方向の反対方向に移送して、前記ハウジングの一方に配置された排出孔を通して外部に排出することを特徴とする。本発明によると、有害排ガス除去装置の全体の大きさを小型にしながらも気体に含まれている有害排ガスを効率的に除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
産業用設備から発生する有害排ガスを除去する有害排ガス除去装置及びこれを含む有害排ガス除去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、製品を塗色するための塗装工程などの産業用設備から発生する揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compound)或いは、車両運行時に発生するNOxのような物質が含まれている有害排ガスは、人体にとても有害な成分なので作業者が吸入しないように迅速に除去するべきであり、また室外に放出しないようにすることが正しい。前記有害排ガスの除去には吸着性能に優れた活性炭(以下「触媒」という)を使用することが一般的である。
【0003】
従来の有害排ガス除去装置は触媒を含むハウジングと、ヒーターと、濃縮機と、を備えることが一般的である。ハウジングは複数の触媒を含む。ヒーターは前記ハウジングに含まれている触媒に熱を掛ける。これは触媒を利用して有害排ガスを除去するためには、前記触媒を特定温度以上にする必要があるからである。濃縮機は、気体に含まれている有害排ガスを濃縮して特定以上の濃度にする。
【0004】
前記のような構造で作られている従来の有害排ガス除去装置において、有害排ガスは前記触媒に捕集されて除去される。即ち、前記触媒を含むハウジング内部に有害排ガスを含む気体を通過させると、前記触媒に有害排ガスが捕集される。有害ガスが除去された気体は再び室内に放出されるか、大気中に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/93136号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
尚、前記濃縮機によって気体内の有害排ガスの含量を多くすることで有害排ガスを除去が容易になることが一般的である。しかし、気体内の有害排ガスの含量が多くなればなるほど有害排ガスを除去するための触媒を含むハウジングも大きくしないといけない。そして、前記ハウジングの大きさが大きくなればなるほど前記触媒を加熱するためのヒーターの大きさも大きくしないといけない。したがって、有害排ガス除去装置の大きさが大きくなると製造費用が多くかかるだけではなく、前記ヒーターを動作させるための維持費用が高くなる問題点がある。尚、前記ヒーターは、前記ハウジングと一定の距離に離れて、前記触媒を間接的に加熱するため、前記ヒーターから発生した熱が前記ハウジングまで効率的に伝達されることが難しいという問題点もある。
【0007】
加えて有害排ガスが除去された気体は、前記触媒から熱が伝達して特定温度の熱を持つようになるが、これを有害排ガス除去過程に再利用する必要性がある。
【0008】
従って、本発明の目的は大きさが小型になり、触媒を直接加熱できる有害排ガス除去装置を提供することである。
【0009】
また、本発明のほかの目的は、触媒によって加熱された気体により有害排ガスを含む気体を加熱できる有害排ガス除去システムを提供することである。
【0010】
また、本発明のもう1つの別の目的は、触媒と気体との化学反応時間及び温度均一性が確保できる構造を持つ有害排ガス除去装置及びこれを含む有害排ガス除去システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するために、本発明による有害排ガス除去装置は、有害排ガスを含む気体をが供給され、この有害排ガスを含む気体をハウジングの一方に配置された流入孔を通して一方向に移送して、この一方向に移送した気体を有害排ガスと反応する触媒と反応させてから前記触媒と反応した気体を前記一方向の反対方向に移送して、前記ハウジングの一方に配置された排出孔を通して外部に排出することを特徴とする。
【0012】
この場合、前記ハウジングの内部空間には、一端面が開口し、他端面が閉口したシリンダー形状をなして、前記他端面及び側面の一部が前記流入孔を通して前記ハウジング内部に挿入された流入管が形成され、前記側面には多数の連通ホールが形成された前記流入管と、前記流入管の径方向外側に形成され、その外側面と前記ハウジング内側面との間に前記排出孔と連通する排出通路と持つように配置されたことで、前記流入管の連通ホール及び前記排出通路に各々連通するように形成された外側面の連通ホールを通して流入された有害排ガスを捕集する触媒を含むフィルター部と、が含まれる。
【0013】
本発明のほかの態様での有害排ガス除去装置は、流入管、第1フィルター部、加熱部、第2フィルター部、中間混合部及び排出通路を含む。流入管は一方に有害排ガスを含む気体が流入される流入孔が形成され、他方は塞がっているシリンダー形状を有する。第1フィルター部は、前記流入通路の径方向外側に前記流入管の側面と連通するように配置され、前記流入管の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する触媒を含む。加熱部は、前記第1フィルター部の内部空間に配置され前記触媒を加熱する。中間混合部は、前記第1フィルター部の径方向外側に前記第1フィルター部と連通するように配置される。第2フィルター部は、前記中間混合部の径方向外側に前記中間混合部と連通するように配置され、前記中間混合部の外側面を通して流入した有害排ガスを捕集する。排出通路は、前記第2フィルター部と連通するように配置され、一方には前記第2フィルターを通過した気体を外部に排出する排出孔が形成される。
【0014】
本発明のもう一つのほかの態様での有害排ガス除去装置は、有害排ガスを含む気体が流入する流入管と、前記流入管の径方向外側に前記流入管と連通するように形成されて、有害排ガスが除去された気体を排出する排出通路と、前記流入管及び排出通路の間にこれらと連通するように配置されたフィルターケースと、前記フィルターケースの内部空間に配置され有害排ガスを捕集する複数の触媒を含むフィルター部と、前記フィルター部の内部空間に前記フィルター部の長手方向に沿って棒状をなして配置され、前記触媒に直接熱を掛ける加熱部材と、前記フィルター部を取り囲むように配置されて前記フィルター部から抜け出た無機物粒子性物質を捕集する無機物フィルターと、を含む。
【0015】
一方、本発明の有害排ガス除去システムは、前述した構造で作られた有害排ガス除去装置と、前記有害排ガス除去装置によって浄化された気体と有害排ガスを含む気体とが各々分離された状態で移送されながらも互いに熱伝達ができるようにするもので、前記有害排ガス除去装置によって浄化された気体に含まれている熱を浄化される前の気体に伝達する熱交換部と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明による有害排ガス除去装置は、加熱部によって触媒を直接的に加熱することで、前記加熱部で発生した熱を前記触媒に効率的に伝達することができる。また、上述のように、ハウジング内に加熱部と触媒とを配置し、触媒を直接加熱する構造によって、有害排ガス除去装置の全体の大きさを小型化しながらも気体に含まれている有害排ガスを効率的に除去することができる。
【0017】
また、本有害排ガス除去システムは、特定温度の熱を持つ浄化された気体を浄化される前の気体の予熱に再利用することによって、前記触媒で発生される熱損失を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の望ましい一実施例における有害排ガス除去装置の斜視図である。
【図2】図1に図示した有害排ガス除去装置の長手方向に沿った断面図である。
【図3】図1に図示した有害排ガス除去装置の短手方向に沿ったハウジング部の断面図である。
【図4】図3に図示した有害排ガス除去装置の触媒を拡大した斜視図である。
【図5】図1の有害排ガス除去装置の正面図である。
【図6】本発明の望ましい一実施例における有害排ガス除去システムの概略図である。
【図7】本発明の望ましい一実施例における有害排ガス除去システムの斜視図である。
【図8】本発明のほかの一実施例における有害排ガス除去システムの概略図である。
【図9】本発明のもう一つのほかの実施例における有害排ガス除去システムの概略図である。
【図10】図9に図示した本発明のもう一つのほかの実施例における有害排ガス除去システムのスクライバーの一例の概略図である。
【図11】図9に図示された本発明のもう一つのほかの実施例における有害排ガス除去システムでスクライバーのほかの例の概略図である。
【図12】本発明のほかの実施例における有害排ガス除去装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付されている図面に従って本発明の技術的な構成を詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の望ましい実施例による有害排ガス除去装置を図示し、図2は図1に図示した有害排ガス除去装置の長手方向に沿った断面図である。
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明による有害排ガス除去装置(100)は、ハウジング(110)と、流入管(120)と、フィルターケース(130)と、フィルター部(140)と、を含む。
【0022】
ハウジング(110)は空洞のケース形状である。前記ハウジング(110)の前方には、有害排ガスが含まれている気体が流入する流入孔(114)と、浄化した気体が排出される排出孔(117)と、が形成される。産業現場で発生した有害排ガスを含む気体は流入孔(114)に流入する。前記排出孔(117)は第2連結管(1230)と連結し浄化された気体を外部に移送する。尚、前記流入孔(114)は、第1連結管(1220)と連結しており、有害排ガスを含む気体は、有害排ガス除去装置内に強制循環あるいは自然循環で流入する。
【0023】
流入管(120)は、前記流入孔(114)を通して前記ハウジング(110)内に横方向に挿入される。前記流入管(120)は前方面(121)が開口し、後方面(122)が閉口したシリンダー形状をなす。前記流入管(120)の後方面(122)及び側面(123)の一部が、前記流入孔(114)を通して前記ハウジング(110)内部に挿入される。前記側面(123)には多数の連通ホール(124)が形成される。流入管(120)の内部空間は有害排ガスを含む気体の流入通路(R1)になる。
【0024】
フィルターケース(130)は前記ハウジング(110)の内部に位置する。前記フィルターケース(130)は前記流入管(120)の径方向外側に形成される。前記フィルターケース(130)の外側面(132)は、ハウジング内側面(111)との間に前記排出孔(117)と連通する排出通路(R2)を持つように配置される。前記フィルターケース(130)の前端面及び後端面は、気体がこれらを通して外部に抜け出ることができないように密閉されていることが望ましい。
【0025】
前記フィルターケース(130)は前記流入通路(R1)及び前記排出通路(R2)と各々連通できるように形成される。即ち、前記フィルターケース(130)は外側面及び内側面において、気体が通り抜けることができるような構造あるいは材料で作られている。
【0026】
フィルター部(140)は前記フィルターケース(130)内に配置されたもので、触媒(150)を含む。前記触媒(150)は前記流入管(120)の連通ホール(124)を通して流入した有害排ガスを捕集する。前記触媒(150)の一例としては白金系酸化触媒がある。前記白金系酸化触媒は低温系酸化触媒として、酸化アルミニウム(Al)と白金(Pt)とを混合した材料で作ることができる。このような触媒は主に100℃から300℃で反応する。この他に前記触媒(150)はニッケル/コバルト系酸化触媒であってもよい。前記ニッケル/コバルト酸化触媒は高温系酸化触媒として、酸化アルミニウム(Al)とニッケル/コバルト(Ni/Co)とを混合した材料で作ることができる。このような触媒は主に300℃以上で反応する。
【0027】
尚、前記触媒(150)はセラミック材質で作ることもできる。セラミックは高温で焼いて製造した非金属無機質固体材料として多くの気孔が形成されたものである。このようなセラミック材質で作られた触媒は前記気孔によって気体と接触する面積が増加して、より多くの有害排ガスを捕集することができる。
【0028】
このような構造を持つ本発明では、有害排ガスを含む気体をハウジング(110)の前方側に配置された流入孔(114)を通して後方に移送して、後方に移送した気体を有害排ガスと反応する前記触媒(150)と反応させた後、前記触媒と反応した気体を前方に移送して、前記ハウジングの前方に配置された排出孔(117)を通して外部に排出する。
【0029】
前記流入通路(R1)を通る気体の流入経路と、前記排出通路を通る気体の排出経路と、は相互に反対方向である。これによって、気体が混合する時間及び有害排ガスと触媒とが反応する時間が増加するようになる。
【0030】
即ち、前記流入管(120)を通して流入する気体は、前記流入管(120)の後方面(122)に衝突するぐらいの圧力によって流入される。前記気体は、流入管内より圧力が低いフィルターケースを通過しながら移送方向が排出孔の方向に曲がるようになる。これによってフィルターケース内部を通過する時間が長くなり、結果的に触媒との接触時間が長くなる。
【0031】
尚、排出通路(R2)の後端面は塞がっている。これによって前記排出通路の後方は負圧が発生するようになる。これによって前記排出通路(R2)に気体が流入すれば、排出通路の後方から前方への圧力によって気体の流れに対流が発生するようになって気体の混合が促進される。これによって気体の温度が均一になって、より安定的に有害なガスを除去することができる。
【0032】
尚、排出孔(117)及び流入孔(114)が同心上の位置にあるので有害排ガス除去装置のサイズを小さくでき、これによって前記有害排ガス除去装置を含む有害排ガス除去システムも小型化できる。前記流入孔(114)は第1連結管(1220)と連結し、排出孔(117)は第2連結管(1230)と連結する。これについては後に、詳細に説明する。
【0033】
又、本発明の有害排ガス除去装置は加熱部(160)をより多く含むことができる。加熱部(160)は、前記フィルターケース(130)内に挿入されて前記触媒(150)に直接的に熱伝達する。このような加熱部(160)の形状は、前記フィルターケース(130)の横方向に沿って長く形成された棒状(bar)である。前記触媒(150)は特定温度、例えば、100℃から600℃になって初めて有害排ガスの捕集ができる。前記加熱部(160)に電源が供給されると熱を発散して触媒(150)を直接的に加熱する。このような加熱部(160)の一例として発熱コイルがあげられる。
【0034】
前記のような構造でつくられた有害排ガス除去装置(100)は前記加熱部(160)によって触媒(150)が直接的に加熱されることで、前記加熱部(160)で発生した熱を前記触媒(150)に効率的に伝達することができる。尚、前記のようにハウジング(110)内にフィルター部(140)と触媒(150)とを配置して、触媒(150)を直接的に加熱する構造によって、有害排ガス除去装置(100)全体の大きさを小型化しながらも気体に含まれている有害排ガスを効率的に除去することができる。
【0035】
また、本発明の有害排ガス除去装置は、さらに無機物フィルター(149)を具備することができる。前記無機物フィルター(149)は、例えば、1600℃の高温でも耐えられる素材で、無機物有害排ガス及び/あるいは粒子性物質を捕集する機能を有する。前記無機物フィルター(149)の一例として不繊布などの素材があげられる。前記無機物フィルターは無機物粒子性物質を捕集しながら、加熱して無機物粒子性物質を燃焼させる役割を果たす。
【0036】
また、図2を参照すると、前記フィルター部(140)の詳細構造の一例として、前記フィルター部(140)の径方向内側には、フィルター部(140)の内側面と接するように流入通路(R1)が形成されている。そして、前方は前記流入孔(114)を通して流入した気体が前記流入通路(R1)に流入できるように開口しており、前記フィルター部の後方は気体が排出しないように密閉される。
【0037】
このような構造によって、有害排ガスを含む気体は流入通路(R1)に流入し、有害排ガスは触媒(150)に捕集された後、前記フィルター部(140)の外周面を通過して排出通路(R2)及び排出孔(117)を通して外部に排出される。
【0038】
前記フィルターケース(130)の外周面は図3で図示されているように、円形であるか、断面積をより広くするためしわが寄るように形成されることがある。このようなしわが寄るフィルターケース(130)の形状は、前記触媒(150)と反応した気体がフィルター部(140)と接触する面積をより広くして単位時間当たりに多量の気体をフィルタリングできるようにするためである。尚、前記フィルターケース(130)にしわが多くなればなるほど浸透圧の差が大きくなり、このような浸透圧の差は配合条件に有利に働く。
【0039】
この場合、図2及び図3に図示したように、フィルター部(140)は、第1フィルター部(141)と第2フィルター部(142)と中間混合部(146)とを含む。第1フィルター部(141)は流入管(120)の径方向外側に前記流入管の側面と連通できるように配置される。前記第1フィルター部(141)は触媒(150)を含む。前記触媒(150)は前記流入管の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する。
【0040】
この場合、加熱部(160)は特に図3に図示した通り、前記第1フィルター部(141)内部空間に配置されて、前記触媒及び前記第1フィルター部(141)を通過する気体を加熱する。
【0041】
この場合、前記加熱部(160)は、一群の第1加熱部材(160a)と他の一群の第2加熱部材(160b)とを備える。第1加熱部材(160a)は、前記第1フィルター部(141)の内部空間で中心から同距離の径方向位置に、相互に離隔して、前記流入部の流入通路(R1)を取り囲むように配置される。隣り合う前記第1加熱部材(160a)の間にスペースを置く理由は、前記第1加熱部材(160a)に起因して気体が通過するスペースが減少して、前記第1フィルター部(141)での圧力が増加することを防止するためである。前記第1フィルター部(141)での圧力が増加すると、負圧のために流入管に流入した気体が流入管から径方向にに位置した第1フィルター部(141)に流入されずに再び流入孔に戻ってしまう現象が発生する。
【0042】
尚、隣り合う前記第1加熱部材(160a)間の離隔距離は、これらの間に配置される第2加熱部材(160b)との隔離距離と等しいか、該隔離距離より少し小さいことが望ましいが、これは後述する通り、第2加熱部材(160b)とともに前記第1フィルター部(141)に流入される気体全体を加熱するためである。
【0043】
前記第2加熱部材(160b)は前記第1加熱部材の径方向外側に、前記第1加熱部材と離隔して、前記流入部を取り囲むように配置される。この場合、隣り合う前記第2加熱部材(160b)間の離隔距離は、これらの間に配置される第1加熱部材(160a)との隔離距離と等しいか、該隔離距離より少し小さいことが望ましい。これによって第1フィルター部に流入した気体は、第1加熱部材(160a)及び第2加熱部材(160b)によって全体が加熱されることになる。
【0044】
この場合、前記第1加熱部材(160a)は前記第1フィルター部(141)の内側面から適切に離隔するように形成され、前記第1加熱部材(160a)及び第2加熱部材(160b)と、前記第1フィルター部(141)の内側面と、の間に触媒(150)の一部が配置されるようにすることが望ましい。これは気体が、第1加熱部材(160a,160b)と直接的に接触すると自然発火する危険が発生するが、本発明では気体が触媒に触れて化学反応を起こすようにして、自然発火しないようにしている。
【0045】
中間混合部(146)は前記第1フィルター部(141)の径方向外側に、前記第1フィルター部(141)と連通するように配置される。前記中間混合部(146)は前記加熱部(160)を備えないので加熱することはなく、温度が低い気体と、前記加熱部(160)を通って完全に加熱された気体と、が均一に混合して気体を均一に加熱する。前記中間混合部(146)には気体がよく混合するように空気層が形成される。この場合、該空気層をつくる空気が混合するための対流を持つことができる。
【0046】
前記第2フィルター部(142)は前記中間混合部(146)の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する。気体が中間混合部(146)を通して十分に加熱されることによって有害排ガスが前記触媒との反応が活発になり、これによって触媒の捕集能力が向上する。
【0047】
尚、前記第2フィルター部(142)の外側面には無機物フィルター(149)が配置される。前記無機物フィルターは、前記第2フィルター部の外側面を取り囲むように配置されて、前記第2フィルター部(142)を通過した気体の中から無機物及び粒子性粒子を捕集する。
【0048】
これは、前記第1フィルター部及び第2フィルター部内に配置された触媒には、前述通り、白金系酸化触媒及び/あるいはニッケル/コバルト酸化触媒を使うことができるが、この場合、前記第1フィルター部及び第2フィルター部を通過しながら有機性発火物質は捕集されるが、無機物及び粒子性粒子は捕集されないためである。これによって前記第2フィルター部の外郭を取り囲んで無機物フィルターを設置すると、例えば1600℃のような高温でも耐えられる素材であり、無機物有害排ガス及び/あるいは粒子性粒子を捕集できる。
【0049】
これによって、本発明は発火性有機物有害排ガスとともに無機物有害排ガス及び/あるいは粒子性粒子をもフィルタリングすることができるようになる。
【0050】
尚、図示されてはいないが、前記排出孔の外側面を取り囲むように配置される断熱部をさらに含むことができる。前記断熱部は前記有害排ガス除去装置内部の温度を高温の状態に維持しながら、その外部の温度は適正温度に下げて使用者の火傷を防止する機能を有する。
【0051】
尚、前記触媒(150)の形状の一例として、図4に図示した通り、中空(151)のシリンダー形状であってもよい。このような触媒(150)の形状によって、有害排ガスと接触する面積が増加することによって前記触媒(150)での有害排ガス捕集性能を向上させることができる。ここで、前記触媒(150)の形状の他の一例として、前記中空が☆形であってもよい。これは触媒(150)と有害排ガスとが接触する面積をさらに増加するためである。前記触媒(150)の中空の形状は星形に限定はされず、触媒(150)と有害排ガスとが接触する面積をさらに増加できる形状なら、どのような形状でもかまわない。
【0052】
この場合、前記触媒(150)の一例が白金系酸化触媒であってもよい。前記白金系酸化触媒は低温系酸化触媒として、酸化アルミニウム(Al)と白金(Pt)とを混合した材料で作られる。このような触媒は主に100℃から300℃で反応する。
【0053】
これとは違って前記触媒はニッケル/コバルト系酸化触媒であってもよい。前記ニッケル/コバルト酸化触媒(150)は高温系酸化触媒として、酸化アルミニウム(Al)とニッケル/コバルト(Ni/Co)とを混合した材料でつくられる。このような触媒は主に300℃以上で反応する。
【0054】
つまり前記触媒は白金系酸化触媒(150)及びニッケル/コバルト系酸化触媒をどちらも含むことがより望ましい。
【0055】
尚、触媒(150)はセラミック材質で作られる。セラミックは高温で焼いて製造した非金属無機物固体材料として多数の気孔が形成されたものである。このようなセラミック材質で作られた触媒(150)は前記気孔によって気体と接触する面積が増加し、より多い量の有害排ガスを捕集することができる。
【0056】
尚、図2に戻って有害排ガス除去装置(100)は、さらに温度調節モジュールを具備することができる。
【0057】
温度調節モジュールは触媒を加熱する温度を制御する。このような温度調節モジュールは、有害排ガス除去装置(100)内部が過度に加熱されることを防止する。
【0058】
このような温度調節モジュールの一例として、温度センサー(170)と、図示していない制御部と、を具備することができる。
【0059】
温度センサー(170)は、触媒(150)の温度を測定する為のものである。ここで、温度センサー(170)は、ハウジング(110)内で触媒(150)に接触しないように設置されてもよい。この場合、温度センサー(170)は有害排ガスが触媒(150)に流入する方か、触媒(150)から有害排ガスが排出される方に設置することができる。
【0060】
前述の位置に設置された温度センサー(170)は、ハウジング(110)内の温度を測定して触媒(150)の温度を間接的に測定する。ここで、ハウジング(110)内の温度と触媒(150)の温度との相関を実験から予め設定しておくことにより、触媒(150)の温度を正確に測定することができる。他の例として、温度センサー(170)を触媒(150)に接触させて触媒(150)の温度を直接的に測定することもできる。温度センサー(170)には、熱電対(thermo couple)が利用される。
【0061】
制御部には温度センサー(170)で測定された温度情報が提供される。制御部は提供された温度情報を基づいて、触媒の温度が設定温度を超過しないように触媒(150)に熱をかける加熱部(160)の動作を制御する。即ち、制御部は温度センサー(170)で測定された値と設定された値とを比較する。このとき、制御部は測定された温度値が設定されている温度値より低いと判断されると、加熱部(160)に供給する電源をオン(On)にして触媒(150)を加熱することができる。そして、制御部は測定された温度値が設定されている温度値に到達したと判断されると加熱部(160)に供給する電源をオフ(Off)にして触媒(150)がそれ以上加熱されないようにする。これは、触媒(150)が限界温度を超過して加熱されて破損することを防止する。
【0062】
図5は、図1の有害排ガス除去装置の前方の正面図である。図5に図示した通り、前記有害排ガス除去装置の排出孔(117)は、前記有害外ガス除去装置の流入孔(114)の外郭を取り囲むように配置されている。この場合、排出孔(117)は一定な間隔で離隔されて配置されてもよいし、一つに連結されていてもよい。
【0063】
図6は、本発明の望ましい実施例における有害排ガス除去システムの概略図であり、図7は、本発明の望ましい実施例における有害排ガス除去システムの斜視図である。
【0064】
図6及び図7を参照すると、本発明の望ましい実施例における有害排ガス除去システム(1000)は前述した有害排ガス除去装置(100)と熱交換部(1210)とを含む。
【0065】
有害排ガス除去装置(100)は有害排ガスを除去する。このような有害排ガス除去装置(100)は前述したので、詳細な説明は省略する。
【0066】
熱交換部(1210)は、前記有害排ガス除去装置(100)によって浄化された気体と有害排ガスを含む気体とが相互に熱伝達することができるようにしながら各々隔離した状態で移動することができる。このために、熱交換部(1210)は前記浄化された気体と有害排ガスを含む気体とが、熱伝導性に優れた金属を間に置いて、相互に混合しないように形成される。これによって、熱交換部(1210)は、前記有害排ガス除去装置(100)によって浄化された気体に含まれている熱を有害排ガスが含まれている気体に伝達する。
【0067】
ここで、前記の浄化された気体は、有害排ガス除去装置(100)に含まれた触媒(150)と反応しながら触媒(150)から熱伝達され加熱された状態にある。従って、前記浄化された気体は有害排ガスを含む気体より温度が高いため、有害排ガスを含む気体は前記の加熱された気体からの熱伝達により加熱される。これによって、有害排ガスを含む気体は加熱されて有害排ガス除去装置(100)に流入し前記触媒(150)と接触する。
【0068】
前記のような有害排ガス除去システム(1000)では、浄化された気体が持つ熱を、有害排ガスを含む気体の予熱に再利用することによって、前記触媒(150)から発生する熱損失が最小化できる。
【0069】
前記熱交換部(1210)は、チャンバー(1211)と熱交換管(1213)とを包含する。
【0070】
チャンバー(1211)では、有害排ガスを含む気体が通過して前記有害排ガス除去装置(100)に移送される。チャンバーの一側には、有害排ガスを含む気体が流入される第1流入ホール(1215)が形成されている。そして、チャンバー(1211)の他側には、有害排ガス除去装置(100)と前記チャンバー(1211)との間を連結する第1連結管(1220)が配置される。これによって、前記第1流入ホール(1215)に流入した気体は第1連結管(1220)へ移送される。
【0071】
熱交換管(1213)は、その一部が前記チャンバー(1211)内に配置される。このことよって、前記浄化された気体は、前記チャンバー(1211)内部の有害排ガスを含む気体と混合されることなく、前記チャンバー(1211)の外部へ排出される。このために熱交換管(1213)の一端は前記第2連結管(1230)と連通し、他端はチャンバー(1211)外部に開口されるように形成される。このような熱交換管(1213)の材質は、熱伝導性に優れたアルミニウム類または銅類から選ばれたどちらか一つとなる。そして、前記熱交換管(1213)の形状の一例として、ジグザグと何度か折り曲げられるように形成されたものがある。尚、前記熱交換管(1213)の外面に複数の図示されていない放熱板を作って前記熱交換管(1213)に含まれている熱が前記チャンバー(1211)内により多く伝わるようにもできる。
【0072】
このような熱交換管(1213)とチャンバー(1211)とは互いに密閉されることが望ましい。これは熱交換管(1213)内の気体とチャンバー(1211)内の気体とが一緒に混合されないようにするためである。よって、前記熱交換部(1210)では、チャンバー(1211)と熱交換管(1213)とが互いに密閉され、チャンバー(1211)内の有害排ガスを含む気体が、熱交換管(1213)を通って浄化されないまま外部に流出されることはない。
【0073】
即ち、第1連結管(1220)は、熱交換部(1210)の排出ホール(1217)と、有害排ガス除去装置(100)の流入孔(114)と、の間を連結する。この第1連結管(1220)は、前記熱交換部(1210)に流入された有害排ガスを含む気体を前記有害排ガス除去装置に移送する。
【0074】
第2連結管(1230)は、熱交換管(1213)の第2流入ホール(1218)と有害排ガス除去装置(100)の排出孔(117)との間を連結する。この第2連結管(1230)は、前記有害排ガス除去装置(100)で浄化された気体を前記熱交換部(1210)に移送する。
【0075】
この場合、前記有害排ガス除去装置を通過し浄化された気体の熱交換管(1213)での移送経路は、有害排ガス除去装置を通過する前の気体のチャンバー(1211)での移送経路とは互いに反対方向であることが望ましい。それは、熱交換の対象になる気体が熱交換管を隔てて隣接する時間が長くなり、熱交換効率が向上するためである。
【0076】
そのために、熱交換部で、有害排ガスを含む気体がチャンバー(1211)に流入する第1流入ホール(1215)の位置が、浄化された気体が熱交換管へ流入する第2流入ホール(1218)の位置と反対側にある方が望ましい。
【0077】
これを言い換えれば、熱交換部(1210)で、有害排ガスを含む気体がチャンバー(1211)から排出される排出ホール(1217)の位置が、浄化された気体が熱交換管へ流入する第2流入ホール(1218)の位置と同じ側にある方が望ましい。
【0078】
本発明にでは、前記有害排ガス除去装置の流入孔(114)及び排出孔(117)は皆同じ側に位置する。これによって前記排出孔と熱交換部との間を連結する第2連結管(1230)の長さが短くなり、その構造もシンプルになり、熱損失も少なくなる。
【0079】
この場合、前記有害排ガス除去装置の排出孔(117)は、前記有害排ガス除去装置の流入孔(114)の外郭を取り囲むように配置され、前記第2連結管(1230)は、前記第1連結管(1220)を包むように配置される。また、前記有害排ガス除去システムは、さらに予熱部(1240)を具備する。前記予熱部(1240)は第1連結管(1220)に形成される。前記予熱部は有害排ガスが含まれている気体を加熱する。前記の加熱された気体が触媒(150)と接触することで、触媒(150)の温度が低くなることを防止するだけでなく、触媒(150)が有害排ガスを捕集する温度まで加熱することがより容易になる。
【0080】
前記熱交換部(1210)及び有害排ガス除去装置(100)は、ベースフレーム(1201)によりモジュール化されている。
【0081】
一方、図8は図5の変更例として、より見やすいように単純化した概念図である。図8に図示した通り、有害排ガス除去システム(2000)の前記第1連結管(1220)は複数に分岐するように形成され、前記有害排ガス除去装置(100)は、前記第1連結管の分岐管(1220a、1220b)において各々配置される。そして、前記第1連結管(1220)には、有害排ガスを含む気体を分岐した前記第1連結管の分岐管(1220a、1220b)のいずれか一方に案内するバルブ(2010)が配置される。前記バルブ(2010)は、有害排ガスを含む気体の流れを制御するものとして、前記第1連結管の分岐管のいずれか1つに有害排ガスを含む気体を案内する。
【0082】
このようなバルブの一例として、三方弁がある。前記三方弁は、流入する有害排ガスを含む気体を、複数の分岐管(1220a、1220b)のいずれか1つ選択して案内する。尚、前記分岐管(1220a、1220b)それぞれにバルブを設置して有害排ガス除去装置(100)のいずれか一つに有害排ガスを含む気体を案内することもできる。
【0083】
1つの有害排ガス除去装置(100)が長時間使われる場合、有害排ガス除去装置(100)内のフィルター部の触媒が、有害排ガスを含む気体により冷却され捕集能力が落ちると、フィルター部の触媒の温度を上げるために多くの電力が消耗される可能性がある。このような場合、前記有害排ガス除去システムでは、捕集能力が落ちた有害排ガス除去装置へ有害排ガスを含む気体を案内しないようにバルブを制御して、有害排ガスを含む気体を他の有害排ガス除去装置へ案内するようにする。即ち、前記有害排ガス除去システムでは、1つの有害排ガス除去装置(100)の捕集能力が落ちたとしても、別の有害排ガス除去装置を代わりに稼動して、有害排ガスを含む気体に含まれている有害排ガスを捕集できるので、有害排ガス除去システムの稼動を一時的に停止しなくても済むという特長がある。
【0084】
これとは逆に、バルブを全部開放して前記分岐管(1220a、1220b)へ有害排ガスを含む気体を案内し、複数の有害排ガス除去装置(100a、100b)を全部稼動して、有害排ガスを含む気体から有害排ガスを速く捕集することもできる。
【0085】
一方、図9に図示した通り、別の変更例である有害排ガス除去システム(3000)は、さらに捕集手段(3100)を含む。前記捕集手段(3100)は、有害排ガスを含む気体から水溶性有害物質を捕集する役を担う。前記捕集手段(3100)の一例としてスクライバーがある。前記スクライバーは流入ラインに形成される。このようなスクライバーは、有害排ガスを含む気体から水溶性有害物質を捕集する役を担う。
【0086】
前記有害排ガス除去装置(100)の触媒は、およそ600℃まで加熱される。有害排ガスを含む気体には、揮発性有機化合物、NOxだけでなく、硫黄(S)或いは塩素(Cl)のような水溶性有害物質も含まれている。硫黄(S)及び塩素(Cl)は触媒が600℃以上の場合、容易に捕集できる。しかし、触媒が600℃以上に加熱されると、高温によって有害排ガス除去装置(100)が破損する可能性がある。ただし、硫黄(S)或いは塩素(Cl)のような水溶性有害物質は、水に吸収されやすい性質を持っている。従って、有害排ガスを含む気体が、有害排ガス除去装置(100)に流入される前に、スクライバーに水溶性有害物質を捕集させる。即ち、水溶性有害物質をスクライバーで捕集することで、有害排ガスを含む気体内に含まれている全ての有害物質を、前記有害排ガス除去システム(3000)によって捕集することができる。
【0087】
図10に図示した通り、前記捕集手段(3100)の一例として、水を反応タンク(3110)内に流すことができる。有害排ガスを含み気体が流入ラインを通じて反応タンク(3110)内に流入され、前記気体に含まれている硫黄(S)或いは塩素(Cl)のような水溶性有害物質は、流れる水に吸収される。
【0088】
図11を参照すると、前記捕集手段(3100)の別の例として、流入ラインと連通されるように形成された管(3220)を反応タンク(3210)内に形成し、前記管(3220)の先端が水面の下に浸るように設置する。硫黄(S)或いは塩素(Cl)のような水溶性有害物質は、反応タンク(3210)内部に満たされた水に吸収される。一方、前記管(3220)にはポンプ(3230)が配置される。前記ポンプ(3230)は、有害排ガスを含む気体を反応タンク(3210)の内部に強制的に送ることによって、有害排ガスを含む気体を反応タンク(3210)内部の水面下に容易に供給できるようにする。
【0089】
図12は、本発明の別の実施例における有害排ガス除去装置(200)を図示した断面図である。図12に図示された有害排ガス除去装置(200)は、図1に図示した有害排ガス除去装置とは逆に、流入孔(214)と排出孔(217)との位置が互いに反対である。
【0090】
より詳しく説明すると、ハウジング(210)の一方には、有害排ガスが含まれている気体が流入される流入孔(214)が形成される。そして、ハウジング(210)の他方、即ち前記流入孔と反対側には、浄化された気体が排出される排出孔(217)が形成される。産業現場から発生された有害排ガスを含む気体は、流入孔(214)へ流入される。このようなハウジング(210)の両側には、管が連通するように設置される構造も可能である。
【0091】
これによって、流入孔(214)を通じて流入通路(R1)に流入された有害排ガスを含む気体が、径方向に移動しながら、フィルターケース(230)内のフィルター部(240)により有害排ガスがフィルタリングされ、その後浄化された気体が排出通路(R2)を通じて前記流入孔(214)の反対方向に形成された排出孔(217)に抜け出す。
【0092】
この場合、前記フィルター部(240)は、図1と同一に、第1フィルター部と、第2フィルター部と、中間混合部と、から形成される。尚、前記フィルター部(240)内には、触媒(150)及び加熱部(160)が含まれ、前記ハウジング(210)内部には、温度センサー(170)が配置されてもよい。前記の触媒(150)、加熱部(160)及び温度センサー(170)の構造及び機能は、図4に説明された通りなので、これについての詳しい説明は省略する。
【0093】
本発明について図面に図示した実施例を参考に説明したが、これは例示的なものに過ぎなく、本発明が属する技術分野の当業者であれば、誰でもこれより多様な変更及び均等なほかの実施例が可能であることが分かる。それゆえ、本発明の本当の技術的な保護範囲は添付された特許請求範囲の技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0094】
100:有害排ガス除去装置
110:ハウジング
114:流入孔
117:排出孔
120:流入管
130:フィルターケース
140:フィルター部
150:触媒
160:加熱部
1000:有害排ガス除去システム
1210:熱交換部
R1:流入通路
R2:排出通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害排ガスを含む気体が供給され、該有害排ガスを除去する装置であって、
有害排ガスを含む気体を、ハウジングの一方に配置された流入孔を通して一方向に移送し、前記一方向に移送した気体を有害排ガスと反応する触媒と反応させた後、前記触媒と反応した気体を前記一方向の反対方向に移送して、前記ハウジングの一方に配置された排出孔を通して外部に排出することを特徴とする有害排ガス除去装置。
【請求項2】
前記ハウジングの内部空間は、
一端面が開口し、他端面が閉じたシリンダー形状をなして、他端面及び側面の一部が前記流入孔を通して前記ハウジング内部に挿入されるように形成され、前記側面に複数の連通ホールが形成された流入管と、
前記流入管の径方向外側に形成され、その外側面と前記ハウジングの内側面との間に前記排出孔と連通する排出通路を持つように配置されたもので、前記流入管の連通ホール及び前記排出通路と各々に連通できるように形成されたフィルターケースと、
前記フィルターケース内に配置されたもので、前記流入管の連通ホールを通して流入した有害排ガスを捕集する触媒を含むフィルター部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項3】
前記フィルター部は、
前記フィルターケース内に収納され、前記フィルター部を通過する気体及び/あるいは前記触媒を加熱する加熱部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項4】
前記加熱部は、
前記フィルター部の内部空間で同心円状に互いに離隔して、前記流入管の長さ方向に沿って配置された複数の第1加熱部材と、
前記第1加熱部材の径方向外側で、前記第1加熱部材の径方向外側で互いに離隔して、流入管の長さ方向に沿って配置された複数の第2加熱部材と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項5】
前記フィルター部は、
前記流入管の径方向外側に、前記流入管の側面と連通するように配置され、前記流入管の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する触媒を含む第1フィルター部と、
前記第1フィルター部の内部空間に配置され、前記触媒を加熱する加熱部と、
前記第1フィルター部の径方向外側に、前記第1フィルター部と連通するように配置された中間混合部と、
前記中間混合部の径方向外側に、前記中間混合部と連通するように配置され、前記中間混合部の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する第2フィルター部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項6】
前記第2フィルター部の外側面を取り囲むように配置され、前記第2フィルター部を通過した気体の無機物及び粒子性粒子を捕集する無機物フィルターをさらに含むことを特徴とする請求5に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項7】
流入する気体から有害排ガスを除去して浄化させる請求項1から6のいずれか1項に記載の有害排ガス除去装置と、
前記有害排ガス除去装置によって浄化された気体と、有害排ガスを含む気体と、が各々隔離した状態で移送しながら互いに熱伝達できるようにすることによって、前記有害排ガス除去装置に浄化された気体に含まれている熱を浄化される前の気体に伝達する熱交換部と、
を含むことを特徴とする有害排ガス除去システム。
【請求項8】
前記有害排ガス除去装置の排出孔は、前記有害排ガス除去装置の流入孔の外郭を取り囲むように配置され、
前記熱交換部に流入した有害排ガスを含む気体を、前記有害排ガス除去装置の流入孔へ移送する第1連結管と、
前記有害排ガス除去装置の排出孔と連結し前記有害排ガス除去装置で浄化された気体を前記熱交換部に移送するために前記第1連結管を包むように配置された第2連結管と、を含み、
前記熱交換部は、
前記第1連結管と連通し、有害排ガスを含む気体が通過して前記有害排ガス除去装置に移送できるチャンバーと、
前記第2連結管と連通し、前記チャンバー内を貫通するように配置され、前記第2連結管を通して流入した浄化された気体を移送しながら、前記チャンバー内の有害排ガスを含む気体と熱交換させる熱交換管と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項9】
一端に有害排ガスを含む気体が流入する流入孔が形成され、
他端は閉じているシリンダー形状の流入管と、
前記流入管の径方向外側に前記流入管の側面と連通できるように配置され、前記流入管の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する触媒を含む第1フィルター部と、
前記第1フィルター部の内部空間に配置され、前記触媒を加熱する加熱部と、
前記第1フィルター部の径方向外側に前記第1フィルター部と連通できるように配置された中間混合部と、
前記中間混合部の径方向外側に前記中間混合部と連通できるように配置され、前記中間混合部の側面を通して流入した有害排ガスを捕集する第2フィルター部と、
前記第2フィルター部と連通するように配置され、一端には前記第2フィルター部を通過した気体が外部に排出される排出孔が形成された排出通路と、
を含むことを特徴とする有害排ガス除去装置。
【請求項10】
前記加熱部は、
前記第1フィルター部の内側空間で円状に互いに離隔して前記流入管を取り囲むように配置された複数の第1加熱部材と、
前記第1加熱部材の径方向外側で、前記第1加熱部材の外側で互いに離隔して前記流入管を取り囲むように配置された複数の第2加熱部材と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項11】
前記第2フィルター部の外側面を取り囲むように配置され、前記第2フィルター部を通過した気体の無機物及び粒子性粒子を捕集する無機物フィルターをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項12】
前記排出通路の外側面を取り囲むように配置される断熱部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有害排ガス除去装置。
【請求項13】
流入する気体から有害排ガスを除去して浄化する請求項9から12のいずれか1項に記載の有害排ガス除去装置と、
前記有害排ガス除去装置によって浄化した気体と、有害排ガスを含む気体を各々隔離された状態で移送しながら、互いに熱伝達できるようにすることによって、前記有害排ガス除去装置で浄化された気体に含まれている熱を浄化される前の気体に伝達する熱交換部と、を含むことを特徴とする有害排ガス除去システム。
【請求項14】
前記熱交換部に流入した有害排ガスを含む気体を、前記有害排ガス除去装置に移送する第1連結管と、前記有害排ガス除去装置で浄化された気体を前記熱交換部へ移送する第2連結管と、を含み、
前記熱交換部は、
前記第1連結管と連通して有害排ガスを含む気体が通過して前記有害排ガス除去装置に流入するチャンバーと、
前記第2連結管と連通して前記チャンバー内を貫通するように配置され、前記第2連結管を通して流入した前記浄化された気体を移送しながら、前記チャンバー内の有害排ガスを含む気体と熱交換させる熱交換管と、を含むことを特徴とする請求項13に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項15】
さらに、前記第1連結管に形成され、有害排ガスを含む気体を加熱する予熱部を含むことを特徴とする請求項14に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項16】
前記第1連結管は複数に分岐するように形成され、前記有害排ガス除去装置は前記分岐した第1連結管各々に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項17】
さらに、前記熱交換部のチャンバーで、有害排ガスを含む気体を流入する流入ラインが形成され、
前記流入ライン及び前記第1連結管の少なくともいずれか1つに形成され、有害排ガスを含む気体から水溶性有害物質を捕集する捕集手段を含むことを特徴とする請求項14に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項18】
前記捕集手段は、スクライバーであることを特徴とする請求項17に記載の有害排ガス除去システム。
【請求項19】
有害排ガスを含む気体が流入する流入管と、
前記流入管の径方向外側に、前記流入管と連通されるように形成され、有害排ガスが浄化された気体を排出する排出通路と、
前記流入管及び排出通路との間に、これらと連通するように配置されたフィルターケースと、
前記フィルターケースの内部空間に配置され、前記有害排ガスを捕集する複数の触媒を含むフィルター部と、
前記フィルターケースの内部空間に前記フィルター部の長手方向に沿って配置され、棒形状で、前記触媒に直接熱を掛ける加熱部材と、
前記フィルター部を取り囲むように配置され、前記フィルター部から抜け出た無機物粒子性物質を捕集する無機物フィルターと、
を含むことを特徴とする有害排ガス除去装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−25227(P2011−25227A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130026(P2010−130026)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(510158727)ネオード・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】