説明

有害揮発性有機化合物を含む水の浄化装置

【課題】近年環境省から出されている土壌汚染防止法で規制値を超える汚染が続出しており、その汚染土壌の浄化に種々の方法として、微生物にで分解又は曝気が行われているが、前者は高額長時間を要し、後者の曝気は浄化が完全か否か、常に検査しなければならず自動化が困難等の欠点がある。
【解決手段】本発明によれば、水中の揮発性有機化合物は高温水中では存在できない原理を応用して、汚水を加熱槽で高温に加熱して完全浄化する。その浄化水を排出の途中、上流の槽の汚水に設けた熱交換器で放熱して外部に冷水として放水する。空になった加熱槽に上流槽で熱交換にて温められた汚水を規定の水面まで満たし再び加熱して水中の化合物を発散して水を浄化した後、排水する。この動作を反復実施することにより、熱経済の内に汚水の浄化が連続運転実現できる。
高温加熱による浄化方法は、ほぼ完全浄化して規制値をクリヤーするので一々浄化が完全か否か検査の必要なく排水できるので自動運転が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中に溶解した揮発性有機化合物を除去する事に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水中の揮発性有機化合物の排除に主に採用されている方法にバクテリヤによる分解、又圧搾空気で曝気に依る浄化方法があるがこれらの浄化法では長期間を要し、又バクテリヤ法ではその現場を占用されるの等の難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は従来の方法が持つ長期間を要する、現場を専用される等の問題を解決せんとするもので、簡易な装置にて、短期間で熱経済を行いながら大量に又場所を選ばずに実施可能とするものである。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
揮発性有機化合物を含む水(以下汚水と称す)を槽に溜めて加熱すると水が高温になるに従い、揮発性有気化合物は水中から容易に離脱してその存在が無くなる。この性質を応用して、これに熱経済、連続稼動、を付加して汚水を浄化しようとするものである。
【0005】
以下本発明の実施の形態を図1、図2、に基いて説明する
【0006】
図1は装置の総組立図で、1は汚水の加熱槽、2、3は未処理水の熱交換槽、4は処理済水の排水ポンプ、5は処理済み送水管、6、7はリレーで 7a、7bはリレー7に属して、槽1の液面の上限下限の調節センサー、10は加熱ヒーター、11は温度センサーでリレー6に属し、12は汚水給水ポンプである。而してリレー6,7は連携してポンプ4、ヒーター10、ポンプ12を制御する。
【0007】
8、9は未処理水の送水管、13は処理済み浄水の放水口、14は曝気する為の圧搾空気の送気管、E15はポンプ4の電線、E16はポンプ12の電線 E17は加熱ヒーター10の電線、E18はリレー6とリレー7が排水ポンプ4、ヒーター10、揚水ポンプ12が連動のための連携電線
【0008】
8は槽3から槽2への送水管、9は槽2から槽1への送水管である
【0009】
図2は各槽の内部説明の断面図である。図2に基いて説明する。
19は処理中の水、20、21は揚水されて処理を待つ汚水、22,23は排水管5に依って送られてきた熱水が汚水20,21に熱を放熱する熱交換器で,24は曝気筒で、多数の穴25を持ちこの穴から圧搾空気を噴出し気泡を発生して水中の有害物質の除去に働く。
【0010】
次に作用について説明する。加熱ヒーター10にて水の温度が上昇して、所定温度に達すると温度センサー11の信号により、リレー6は、ヒーター10の送電を止め、化合物の蒸発を確かにする為規定時間経過して後、排水ポンプ4に通電して排水を始める。
【0011】
排水は管5を通り、槽2、槽3の熱交換器で放熱、汚水に熱を伝達して外部に放水される。排水により水が減じて、槽1が空になり、水面センサー7bが水面から離れるとリレー7が作動して、排水ポンプ4を止め、同時に揚水ポンプ12が起動して 新しい汚水が槽3に送り込まれて槽3の水が溢れて槽2に流れ込み、又槽2も溢れて、空になった槽1に汚水が流れ込む、
【0012】
加熱槽1に注がれた汚水が上昇して水位センサー7aに接するとリレー7が作動して給水ポンプ12の通電をとめ給水が止まり、同時にリレー6と連携してヒーター10に通電して加熱が始まる。
以上のプロセスを繰り返すことにより連続運転が行われ汚水浄化を実現できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は揮発性有機化合物が高温になると加速的に発散する性質を利用して、これを現場の状況と汚水の処理量に合わせた適当な規模の装置と加熱電力が選べ、また配管を伸ばして離れた所で浄化処理できる。
【0014】
また浄化済み水の熱を次回浄化の汚水に熱交換加熱して自動連続運転する事よって、大量の汚水を経済的に処理し、又装備の槽で加熱槽以外は有り合わせの缶等を利用出来て経費を大幅に軽減できる。
【発明の実施する為の最良の形態】
【0015】
例として。槽3個を階段状にならべて、高い槽から汚水を流して順に下の槽に流れ落ちる構造とする。
最下段の槽に加熱器、温度センサー、水面調節センサー、排水ポンプをそなえ、汚水を加熱、規定温度に達した後、一定時間経過させて浄化後、排水ポンプにて、上流の槽内に設けられた熱交換器を通して熱を後続の未処理の汚水に伝達して外部に浄化水として放水する、
【0016】
浄化済みの浄化水19が槽1から排出されて槽が空に近くなった所で揚水ポンプ12が起動して送水するので2回目以後は温熱水が槽1に注がれ、順を重ねる毎に槽2から流れ込む汚水の温度が高くなり加熱の熱量が少なくなる。
この操作を水面センサー、温度センサー,排水ポンプ、給水ポンプの運用で連続運転して汚水の浄化をする。
【0017】
この他、各槽の底部に多数の穴を持つ曝気筒を沈めて常時空気を送り、化合物の除去を加速させて、除去効果を上げる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の姿図
【図2】本発明の水槽の断面図
【符号の説明】
【0019】
1 加熱槽
2、3 熱交換槽
4 排水ポンプ
5 浄化水送水管
6、 温度センサー
7 液面センサー
7a, 水面上限センサー
7b 水面下限センサー
8,9 汚水送水管
10 加熱ヒーター
11 温度センサー
12 揚水ポンプ
13 浄化済み水放水口
14 圧搾空気送気管
E15→E18 各端末機器への送電線
19 加熱処理水
20 21 処理準備汚水
22、23 熱交換器
24、25 曝気装置
26 地下汚水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害揮発性有機化合物を含む汚水を複数の槽に溜め、汚水を順に流し、流れの端末の槽に、加熱装置、温度センサー、排水ポンプ、液面調整装置を設けて加熱槽とし、溜められた汚水を加熱し、有害物質を蒸発せしめて水を浄化する。浄化済水は管を通して前記上流の槽の水中を逆流送水して、未浄化水に熱交換して外部に放水、空になった加熱槽に、前記の各センサーの操作にて給水ポンプを起動して最初の槽に汚水を給水し、それによって順に押し出された直前槽の熱交換で暖められた汚水を流し込み、繰り返し加熱、浄化、排水して汚水を連続浄化することを特徴とする汚水清浄装置
【請求項2】
請求項1の各槽に圧搾空気を送り槽内にて気泡を発生して、熱と曝気による汚水清浄装置

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−12448(P2010−12448A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194104(P2008−194104)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(500159853)
【Fターム(参考)】