説明

有害生物の防除に有用な1,2−ベンゾイソチアゾール化合物

本発明は請求項1に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、ならびにそのN-オキシドおよび塩に関する。これらの化合物は有害生物を防除するのに有用である。また本発明は、これらの化合物の調製方法、および前記方法で用いられる中間体化合物に関する。さらに、本発明は、式(I)で表される化合物、そのN-オキシドまたはそれらの塩を植物繁殖物質に用いることにより有害生物を防除する方法、また前記化合物、そのN-オキシドまたはそれらの塩を含む農業用組成物および動物用組成物に関する。
【化1】


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
R1は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択され;
R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択されるか;または
R2は、R3と一緒になって、またそれらが結合している炭素原子と一緒になって、縮合5員もしくは6員炭素環または縮合5員もしくは6員複素環(これは、環員としてO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する)を形成しており、この場合、それぞれの縮合炭素環または複素環は非置換であるか、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される1、2、3または4個の置換基を有しており;
R4は、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルスルフィニルおよびC1-C6-ハロアルキルスルホニルから選択され;
nは、0、1、2または3であり;
R5は、フェニルおよび5員または6員複素環Het(これは、環員としてO、NおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する)から選択され、この場合、フェニルおよびHetは非置換であるか、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルフィニル、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルスルフィニルおよびC1-C6-ハロアルキルスルホニルから選択される1、2、3または4個の置換基を有しており;
Xは、OまたはNRxであり、この場合、Rxは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C1-C6-アルキルカルボニルおよびC1-C6-アルキルカルボニルオキシから選択され;
Yは、NまたはC(Ry)であり、この場合、Ryは、水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C3-C7-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルキニルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択され;
Zは、化学結合、OまたはN(Rz)であり、この場合、Rzは、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C1-C6-アルキルカルボニルおよびC1-C6-アルキルカルボニルオキシから選択される)
で表されるスルホンアミド化合物、ならびにそのN-オキシドおよび塩。
【請求項2】
R1が水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される、請求項1に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項3】
R2およびR3が、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから独立して選択される、請求項2または3に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項4】
R2がR3と一緒になって、またそれらが結合している炭素原子と一緒になって、縮合5員もしくは6員炭素環または縮合5員もしくは6員複素環(これは環員としてO、NおよびSから選択される1個のヘテロ原子を含有する)を形成しており、この場合、それぞれの縮合炭素環または複素環が非置換であるか、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される1または2個の置換基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項5】
YがC(Ry)であり、Ryが水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項6】
XがOまたはNHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項7】
R4がハロゲン、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-ハロアルキルから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項8】
nが0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項9】
Zが化学結合またはOである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項10】
R5が、非置換であるか、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルスルフィニルおよびC1-C4-ハロアルキルスルホニルから選択される1または2個の置換基を有するフェニルから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項11】
Zが化学結合である、請求項10に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項12】
R5が、結合位置に対して2位または4位に1個の置換基を有するフェニルから選択されるか、結合位置に対して2位および4位に2個の置換基、または2位および5位に2個の置換基を有するフェニルから選択される、請求項10または11に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項13】
R5が5員または6員の複素環Het(これは環員としてO、NおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する)から選択され、この場合、Hetが非置換であるか、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルスルフィニルおよびC1-C4-ハロアルキルスルホニルから選択される1または2個の置換基を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項14】
Hetがフリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルから選択され、この場合、前述のそれぞれの基が非置換でるか、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C3-C7-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルスルフィニルおよびC1-C4-ハロアルキルスルホニルから選択される1または2個の置換基を有する、請求項13に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項15】
ZがOである、請求項13または14に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項16】
式(II):
【化2】

の化合物を、式:R5-(Z)-B(ORb1)(ORb2)のボロン酸誘導体と、塩基および遷移金属触媒の存在下で反応させ、式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、Zおよびnは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物に関して定義した通りであり、また、L1は適切な脱離基であり、Rb1およびRb2は、それぞれ独立して、水素またはC1-C4-アルキルであるか、またはRb1およびRb2は、一緒になって、1,2-エチレン部分を形成しており、その炭素原子は、非置換であるか、メチル基で全部または一部が置換されていてもよい)で表されるスルホンアミド化合物を得ることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物の調製方法。
【請求項17】
式(VII):
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Y、Zおよびnは請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物に関して定義した通りであり、WはCNまたは-C(=O)L2(式中、L2は脱離基である)である)
で表される化合物を分子内環化させて請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物を得ることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物の調製方法。
【請求項18】
式(VIII):
【化4】

で表されるピリジンまたはピリミジン化合物を式(IX):
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、Zおよびnは請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物に関して定義した通りであり、L4は適切な脱離基である)
で表されるサッカリンまたはイミノサッカリン誘導体と反応させることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物の調製方法。
【請求項19】
式(II):
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、n、XおよびYは請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物に関して定義した意味の1つを有し、L1はハロゲンである)
で表されるスルホンアミド化合物。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、そのN-オキシドおよび/または塩と、少なくとも1種の液体担体または固体担体とを含む組成物。
【請求項21】
有害生物(animal pest)を防除する方法であって、有害生物、それらの餌供給源、それらの生育地もしくはそれらの繁殖場所、あるいは有害生物が成長しているか成長し得る植物、植物繁殖物質、土壌、区域、材料または環境、あるいは有害生物の攻撃または侵入から保護すべき材料、植物、植物繁殖物質、土壌、表面または空間を、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、そのN-オキシドおよび/もしくは塩、または請求項20に記載の組成物で処理することを含む、前記方法。
【請求項22】
植物繁殖物質および/またはそれから成長する植物を保護するための請求項21に記載の方法であって、植物繁殖物質を請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、そのN-オキシドおよび/もしくは農業上許容可能な塩、または請求項20に記載の農業用組成物で処理することを含む、前記方法。
【請求項23】
有害生物が無脊椎有害生物から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
有害生物が齧歯類有害生物から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、そのN-オキシドおよび/または農業上許容可能な塩を含む、植物繁殖物質。
【請求項26】
寄生生物による侵入および感染に対して動物を処置または保護する方法であって、前記動物またはその生育地に、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物、そのN-オキシドおよび/もしくは獣医学上許容可能な塩、または請求項20に記載の組成物を投与または適用することを含む、前記方法。
【請求項27】
有害生物を防除するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の式(I)で表されるスルホンアミド化合物、そのN-オキシドおよび/もしくは獣医学上許容可能な塩、または請求項20に記載の組成物の使用。
【請求項28】
有害生物が無脊椎有害生物から選択される、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
有害生物が齧歯類有害生物から選択される、請求項27に記載の使用。

【公表番号】特表2011−524877(P2011−524877A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514031(P2011−514031)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057531
【国際公開番号】WO2009/153285
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】