説明

有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法

【課題】有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物組成物及び有害生物の防除方法を提供すること。
【解決手段】式(1)で示されるシアナミド化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の有害節足動物防除化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害生物防除組成物。


群(A):シアントラニリプロール、クロラントラニリプロール、スピネトラム、カルタップ塩酸塩及びクロチアニジンからなる群。群(B):イソチアニル、ジクロシメット、トリシクラゾール、オリサストロビン、フラメトピル及びペンフルフェンからなる群。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有害生物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978-1-901396-18-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物を見出すべく検討した結果、下記式(1)で示されるシアナミド化合物と、下記群(A)より選ばれる1種以上の有害節足動物防除化合物と、下記群(B)より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する組成物が、有害生物に対する優れた防除効力を有することを見出した。
すなわち、本発明とは以下の[1]〜[5]のものである。
[1] 式(1)

で示されるシアナミド化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の有害節足動物防除化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害生物防除組成物。
群(A):式(2)

〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物と、スピネトラム、カルタップ塩酸塩及びクロチアニジンからなる群。
群(B):イソチアニル、ジクロシメット、トリシクラゾール、オリサストロビン、フラメトピル及び式(3)

で示されるアミド化合物からなる群。
[2] シアナミド化合物と、有害節足動物防除化合物との重量比が、100:1〜1:100である[1]記載の有害生物防除組成物。
[3] シアナミド化合物と、植物病害防除化合物との重量比が、100:1〜1:500である[2]記載の有害生物防除組成物。
[4] [1]〜[3]いずれか一項記載の有害生物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害生物の防除方法。
[5] 植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である[4]記載の有害生物の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、有害生物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の有害生物防除組成物とは、下記式(1)で示されるシアナミド化合物(以下、本シアナミド化合物と記す場合がある。)と、下記群(A)より選ばれる1種以上の有害節足動物防除化合物(以下、本有害節足動物防除化合物と記す場合がある。)と、下記群(B)より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物(以下、本植物病害防除化合物と記す場合がある。)とを含有するものである。

群(A):式(2)

〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物と、スピネトラム、カルタップ塩酸塩及びクロチアニジンからなる群。
群(B):イソチアニル、ジクロシメット、トリシクラゾール、オリサストロビン、フラメトピル及び式(3)

で示されるアミド化合物からなる群。
【0008】
本発明に用いられるシアナミド化合物は公知の化合物であり、たとえば国際公開第2007/095229号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0009】
また、本発明に用いられるカルタップ塩酸塩、クロチアニジン、ジクロシメット、トリシクラゾール、オリサストロビン及びフラメトピルはいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の168、229、340、1163、840及び580ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0010】
本発明に用いられるスピネトラムは公知の化合物であり、例えば「The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の1040ページに記載されており、該化合物は市販の製剤から得るか、国際公開第97/00265号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0011】
本発明に用いられる式(2)で示される化合物のうち、式(2)において、R1がメチル基であり、R2が塩素原子である化合物(以下、本アントラニルアミド化合物(1)と記す。)は、例えば「The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の175ページに記載されており、該化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0012】
本発明に用いられる式(2)で示される化合物のうち、式(2)において、R1がメチル基であり、R2がシアノ基である化合物(以下、本アントラニルアミド化合物(2)と記す。)は、例えば「The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の251ページに記載されており、該化合物は国際公開第2004/067528号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0013】
本発明に用いられるイソチアニルは公知の化合物であり、例えば国際公開第99/024413号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0014】
本発明に用いられる式(3)で示される化合物(以下、本アミド化合物と記す。)は公知の化合物であり、例えば国際公開第2003/010149号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0015】
本発明の有害生物防除組成物における、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、本シアナミド化合物100重量部に対して、本有害節足動物防除化合物が、通常0.1〜100000重量部、好ましくは1〜10000重量部であり、本植物病害防除化合物が、通常0.1〜500000重量部、好ましくは1〜50000重量部である。
【0016】
本発明の有害生物防除組成物は、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物とを単に混合したものでもよいが、通常は、本シアナミド化合物、本有害節足動物防除化合物及び本植物病害防除化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものが用いられる。
また、前記の製剤化された有害生物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して有害生物防除組成物として使用することができる。
本発明の有害生物防除組成物における、本シアナミド化合物、本有害節足動物防除化合物及び本植物病害防除化合物の合計量は、通常0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜70重量%の範囲である。
【0017】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロ−ス(CMC)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及び酸性リン酸イソプロピル(PAP)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0018】
本発明の有害生物防除組成物は、植物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害生物(例えば、有害昆虫、並びに、植物病害)による加害から植物を保護するために用いることができる。
【0019】
本発明の有害生物防除組成物が防除効力を有する有害節足動物としては、例えば次のものが挙げられる。
【0020】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、ホソハリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ターニシュトプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類、ペアシラ(Cacopsylla pyricola)等のキジラミ類等。
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon),タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella),アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類、トゥタアブソリュータ(Tuta absoluta)等。
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)、オニオンスリップス(Thrips tabaci)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等のアザミウマ類等;
双翅目害虫:タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等;
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワームの仲間(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシの仲間(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等;
直翅目害虫:ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等。
【0021】
前記有害節足動物の中でも、好ましい例として、ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、メイガ類、ヤガ類等を挙げることができる。
【0022】
本発明の有害生物防除組成物は植物病害を防除する目的で用いてもよく、例えばイネのいもち病(Magnaporthe grisea)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、ごま葉枯れ病(Cochliobolus miyabeanus)等の穂枯れ性病害、白葉枯病(Xanthomonas campestris pv. oryzae)、内頴褐変病(Erwinia ananas)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、
疑似紋枯症(褐色菌核病菌、赤色菌核病菌等)等を防除することができる。
【0023】
本発明の有害生物防除組成物は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて用いることができる。また、本発明の有害生物防除組成物は、「植物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の有害生物を防除するために使用することができる。
【0024】
本発明の有害生物防除組成物を用いることができる植物としては、例えば次のものが挙げられる。
【0025】
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー、アブラナ等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【0026】
前記植物の中でも、好ましい例として、トウモロコシ、コムギ、イネ等を挙げることができる。その中でも、特にイネが好ましい。
【0027】
上記「植物」は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
【0028】
本発明の有害生物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、有害生物を防除するために用いられる。ここで植物としては、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子等が挙げられる。
【0029】
本発明の有害生物の防除方法は、本発明の有害生物防除組成物を処理することにより行われるが、具体的には、例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への処理、植物の種子への処理、土壌処理や水面施用などの植物の栽培地への処理等が挙げられる。
【0030】
本発明における茎葉散布などの植物の茎葉への処理としては、具体的には、例えば、人力噴霧機、動力噴霧機、動力散粉機、ブームスプレーヤ若しくはパンクルスプレーヤを用いて行う地上散布や、航空防除若しくは無人ヘリコプターを用いて行う空中散布等により、栽培されている植物の表面に処理する方法が挙げられる。
【0031】
本発明における植物の種子への処理としては、具体的には、例えば、本発明の有害生物防除用組成物の懸濁液を霧状にして種子表面に吹きつける吹きつけ処理、本発明の有害生物防除用組成物の水和剤、乳剤又はフロアブル剤等に少量の水を加えるか又はそのままで種子に塗付する塗沫処理、本発明の有害生物防除組成物の溶液に一定時間種子を浸漬する浸漬処理、フィルムコート処理、ペレットコート処理等が挙げられる。
【0032】
本発明における土壌処理や水面施用などの植物の栽培地への処理としては、具体的には、例えば、植穴処理、株元処理、植溝処理、作条処理、播種時作条処理、全面処理、側条処理、水面処理、湛水散布、畦部地表面散布、株間散布、土壌灌注、育苗期灌注、薬液注入処理、薬液ドリップイリゲーション、ケミゲーション、育苗箱処理(育苗箱散布、育苗箱灌注、育苗箱薬液湛水)、苗床処理(苗床散布、苗床灌注、水苗代苗床散布、苗浸漬)、床土混和処理(床土混和、播種前床土混和、播種時覆土前散布、播種時覆土後散布、覆土混和)、培土混和、ペースト肥料混和が挙げられ、好ましくは育苗箱処理(育苗箱散布、育苗箱灌注、育苗箱薬液湛水)、床土混和処理(床土混和、播種前床土混和、播種時覆土前散布、播種時覆土後散布、覆土混和)が挙げられる。なお、上記の植物の栽培地への処理では、本発明の有害生物防除組成物が植物の栽培地に処理されると同時に植物に処理されてもよい。
【0033】
本発明の有害生物防除組成物を、植物又は植物の栽培地に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害生物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との合計量として、当該植物を栽培する場所1000m2あたり通常0.05〜10000g、好ましくは0.5〜1000gである。
【0034】
本発明の有害生物防除組成物を、イネの育苗箱に施用する場合、その処理量は、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との合計量として育苗箱1箱(横 約60cm、縦 約30cm)あたり通常0.1〜35g、好ましくは0.2〜20gであり、イネを栽培する場所1000m2あたり育苗箱20箱を用いる場合、その処理量は、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との合計量として、移植後のイネを栽培する場所1000m2あたり通常2〜700g、好ましくは4〜400gである。
【0035】
本発明の有害生物防除組成物を、植物の種子に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害生物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との合計量として、種子1kgあたり通常0.001〜100g、好ましくは0.05〜50gである。
【0036】
本発明の有害生物防除組成物は、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本シアナミド化合物と本有害節足動物防除化合物と本植物病害防除化合物との合計での濃度は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0037】
本発明の有害生物防除組成物を、イネ又はイネの栽培地にて使用する際には、例えば、イネの播種前、播種時、播種後、移植前、移植時若しくは移植後に施用することができる。施用する時期は、イネの生育状態、病虫害雑草の発生状況、気象条件等によって変わりうるが、通常、イネの播種あるいは移植の日を基準として、播種30日前から移植20日後までを挙げることができ、好ましくは、播種時から移植前であり、更に好ましくは、移植3日前から移植前である。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0039】
まず、製剤例を示す。
【0040】
製剤例1
本シアナミド化合物4部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0041】
製剤例2〜4
製剤例1のイソチアニル2部に代えて、表1記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例1と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0042】
【表1】

【0043】
製剤例5〜8
製剤例1〜4のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例1〜4と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0044】
製剤例9〜12
製剤例1〜4のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、クロチアニジン1.5部を適用した以外は製剤例1〜4と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0045】
製剤例13
本シアナミド化合物4部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、フラメトピル4部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0046】
製剤例14〜15
製剤例13のイソチアニル2部に代えて、表2記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例13と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0047】
【表2】

【0048】
製剤例16〜18
製剤例13〜15のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例13〜15と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0049】
製剤例19〜21
製剤例13〜15のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.75部を適用した以外は製剤例13〜15と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0050】
製剤例22〜24
製剤例13〜15のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.75部を適用した以外は製剤例13〜15と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0051】
製剤例25〜27
製剤例13〜15のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、クロチアニジン1.5部を適用した以外は製剤例13〜15と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0052】
製剤例28
本シアナミド化合物4部、クロチアニジン1.5部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、フラメトピル4部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0053】
製剤例29〜30
製剤例28のイソチアニル2部に代えて、表3記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例28と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0054】
【表3】

【0055】
製剤例31〜33
製剤例28〜30のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例28〜30と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0056】
製剤例34〜36
製剤例28〜30のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.75部を適用した以外は製剤例28〜30と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0057】
製剤例37〜39
製剤例28〜30のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.75部を適用した以外は製剤例28〜30と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0058】
製剤例40〜66
製剤例13〜39のフラメトピル4部に代えて、本アミド化合物2部を適用した以外は製剤例13〜39と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0059】
製剤例67
本シアナミド化合物12部、カルタップ塩酸塩13部及びイソチアニル4部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末15部及び珪藻土残部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤100部を得る。
【0060】
製剤例68〜70
製剤例67のイソチアニル4部に代えて、表4記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例67と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0061】
【表4】

【0062】
製剤例71〜74
製剤例67〜70のカルタップ塩酸塩13部に代えて、スピネトラム1部を適用した以外は製剤例67〜70と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0063】
製剤例75〜78
製剤例67〜70のカルタップ塩酸塩13部に代えて、クロチアニジン3部を適用した以外は製剤例67〜70と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0064】
製剤例79
本シアナミド化合物12部、カルタップ塩酸塩13部、イソチアニル4部及びフラメトピル8部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末15部及び珪藻土残部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤100部を得る。
【0065】
製剤例80〜81
製剤例79のイソチアニル4部に代えて、表5記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例79と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0066】
【表5】

【0067】
製剤例82〜84
製剤例79〜81のカルタップ塩酸塩13部に代えて、スピネトラム1部を適用した以外は製剤例79〜81と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0068】
製剤例85〜87
製剤例79〜81のカルタップ塩酸塩13部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)1.5部を適用した以外は製剤例79〜81と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0069】
製剤例88〜90
製剤例79〜81のカルタップ塩酸塩13部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)1.5部を適用した以外は製剤例79〜81と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0070】
製剤例91〜93
製剤例79〜81のカルタップ塩酸塩13部に代えて、クロチアニジン3部を適用した以外は製剤例79〜81と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0071】
製剤例94
本シアナミド化合物12部、クロチアニジン3部、カルタップ塩酸塩13部、イソチアニル4部及びフラメトピル8部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末15部及び珪藻土残部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤100部を得る。
【0072】
製剤例95〜96
製剤例94のイソチアニル4部に代えて、表6記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例94と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0073】
【表6】

【0074】
製剤例97〜99
製剤例94〜96のカルタップ塩酸塩13部に代えて、スピネトラム1部を適用した以外は製剤例94〜96と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0075】
製剤例100〜102
製剤例94〜96のカルタップ塩酸塩13部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)1.5部を適用した以外は製剤例94〜96と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0076】
製剤例103〜105
製剤例94〜96のカルタップ塩酸塩13部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)1.5部を適用した以外は製剤例94〜96と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0077】
製剤例106〜132
製剤例79〜105のフラメトピル8部に代えて、本アミド化合物4部を適用した以外は製剤例79〜105と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0078】
製剤例133
本シアナミド化合物2部、カルタップ塩酸塩5部、イソチアニル4部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水残部を混合した混合物100部を湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0079】
製剤例134〜136
製剤例133のイソチアニル4部に代えて、表7記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例133と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0080】
【表7】

【0081】
製剤例137〜140
製剤例133〜136のカルタップ塩酸塩5部に代えて、スピネトラム3部を適用した以外は製剤例133〜136と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0082】
製剤例141〜144
製剤例133〜136のカルタップ塩酸塩5部に代えて、クロチアニジン3部を適用した以外は製剤例133〜136と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0083】
製剤例145
本シアナミド化合物2部、カルタップ塩酸塩5部、イソチアニル4部、フラメトピル5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水残部を混合した混合物100部を湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0084】
製剤例146〜147
製剤例145のイソチアニル4部に代えて、表8記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例145と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0085】
【表8】

【0086】
製剤例148〜150
製剤例145〜147のカルタップ塩酸塩5部に代えて、スピネトラム3部を適用した以外は製剤例145〜147と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0087】
製剤例151〜153
製剤例145〜147のカルタップ塩酸塩5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)3部を適用した以外は製剤例145〜147と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0088】
製剤例154〜156
製剤例145〜147のカルタップ塩酸塩5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)3部を適用した以外は製剤例145〜147と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0089】
製剤例157〜159
製剤例145〜147のカルタップ塩酸塩5部に代えて、クロチアニジン3部を適用した以外は製剤例145〜147と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0090】
製剤例160
本シアナミド化合物2部、クロチアニジン3部、カルタップ塩酸塩5部、イソチアニル4部、フラメトピル5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水残部を混合した混合物100部を湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0091】
製剤例161〜162
製剤例160のイソチアニル4部に代えて、表9記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例160と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0092】
【表9】

【0093】
製剤例163〜165
製剤例160〜162のカルタップ塩酸塩5部に代えて、スピネトラム3部を適用した以外は製剤例160〜162と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0094】
製剤例166〜168
製剤例160〜162のカルタップ塩酸塩5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)3部を適用した以外は製剤例160〜162と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0095】
製剤例169〜171
製剤例160〜162のカルタップ塩酸塩5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)3部を適用した以外は製剤例160〜162と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0096】
製剤例172〜198
製剤例145〜171のフラメトピル5部に代えて、本アミド化合物5部を適用した以外は製剤例145〜171と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤100部を得る。
【0097】
製剤例199
本シアナミド化合物0.35部、カルタップ塩酸塩2部、イソチアニル0.5部、タルク10部及びカオリンクレー残部をよく粉砕混合することにより粉剤100部を得る。
【0098】
製剤例200〜202
製剤例199のイソチアニル0.5部に代えて、表10記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例199と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0099】
【表10】

【0100】
製剤例203〜206
製剤例199〜202のカルタップ塩酸塩2部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例199〜202と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0101】
製剤例207〜210
製剤例199〜202のカルタップ塩酸塩2部に代えて、クロチアニジン0.15部を適用した以外は製剤例199〜202と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0102】
製剤例211
本シアナミド化合物0.35部、カルタップ塩酸塩2部、イソチアニル0.5部、フラメトピル0.5部、タルク10部及びカオリンクレー残部をよく粉砕混合することにより粉剤100部を得る。
【0103】
製剤例212〜213
製剤例211のイソチアニル0.5部に代えて、表11記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例211と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0104】
【表11】

【0105】
製剤例214〜216
製剤例211〜213のカルタップ塩酸塩2部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例211〜213と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0106】
製剤例217〜219
製剤例211〜213のカルタップ塩酸塩2部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.5部を適用した以外は製剤例211〜213と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0107】
製剤例220〜222
製剤例211〜213のカルタップ塩酸塩2部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.5部を適用した以外は製剤例211〜213と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0108】
製剤例223〜225
製剤例211〜213のカルタップ塩酸塩2部に代えて、クロチアニジン0.15部を適用した以外は製剤例211〜213と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0109】
製剤例226
本シアナミド化合物0.35部、クロチアニジン0.15部、カルタップ塩酸塩2部、イソチアニル0.5部、フラメトピル0.5部、タルク10部及びカオリンクレー残部をよく粉砕混合することにより粉剤100部を得る。
【0110】
製剤例227〜228
製剤例226のイソチアニル0.5部に代えて、表12記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例226と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0111】
【表12】

【0112】
製剤例229〜231
製剤例226〜228のカルタップ塩酸塩2部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例226〜228と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0113】
製剤例232〜234
製剤例226〜228のカルタップ塩酸塩2部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.5部を適用した以外は製剤例226〜228と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0114】
製剤例235〜237
製剤例226〜228のカルタップ塩酸塩2部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.5部を適用した以外は製剤例226〜228と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0115】
製剤例238〜264
製剤例211〜237のフラメトピル0.5部に代えて、本アミド化合物0.5部を適用した以外は製剤例211〜237と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
【0116】
製剤例265
本シアナミド化合物2部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0117】
製剤例266〜268
製剤例265のイソチアニル2部に代えて、表13記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例265と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0118】
【表13】

【0119】
製剤例269〜272
製剤例265〜268のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例265〜268と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0120】
製剤例273〜276
製剤例265〜268のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、クロチアニジン1.5部を適用した以外は製剤例265〜268と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0121】
製剤例277
本シアナミド化合物2部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、フラメトピル4部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0122】
製剤例278〜279
製剤例277のイソチアニル2部に代えて、表14記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例277と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0123】
【表14】

【0124】
製剤例280〜282
製剤例277〜279のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例277〜279と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0125】
製剤例283〜285
製剤例277〜279のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.75部を適用した以外は製剤例277〜279と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0126】
製剤例286〜288
製剤例277〜279のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.75部を適用した以外は製剤例277〜279と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0127】
製剤例289〜291
製剤例277〜279のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、クロチアニジン1.5部を適用した以外は製剤例277〜279と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0128】
製剤例292
本シアナミド化合物2部、クロチアニジン1.5部、カルタップ塩酸塩6.5部、イソチアニル2部、フラメトピル4部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイトを30部及びカオリンクレーを残部の割合でよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤100部を得る。
【0129】
製剤例293〜294
製剤例292のイソチアニル2部に代えて、表15記載のそれぞれの化合物及び使用量を適用した以外は製剤例292と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0130】
【表15】

【0131】
製剤例295〜297
製剤例292〜294のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、スピネトラム0.5部を適用した以外は製剤例292〜294と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0132】
製剤例298〜300
製剤例292〜294のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(1)0.75部を適用した以外は製剤例292〜294と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0133】
製剤例301〜303
製剤例292〜294のカルタップ塩酸塩6.5部に代えて、本アントラニルアミド化合物(2)0.75部を適用した以外は製剤例292〜294と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0134】
製剤例304〜330
製剤例277〜303のフラメトピル4部に代えて、本アミド化合物2部を適用した以外は製剤例277〜303と同様の操作を行い、それぞれの粒剤100部を得る。
【0135】
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
【0136】
試験例1
本シアナミド化合物、スピネトラム、クロチアニジン、本アントラニルアミド化合物(1)、本アントラニルアミド化合物(2)、イソチアニル、フラメトピル及び本アミド化合物を、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)にそれぞれ溶解した後、所定濃度になるように水で希釈する。
本シアナミド化合物の水希釈液と、スピネトラム、クロチアニジン、本アントラニルアミド化合物(1)、本アントラニルアミド化合物(2)、イソチアニル、フラメトピル又本アミド化合物の水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製する(混合薬量は表16及び表17に記載)。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗1株の株元土壌に前記試験用の薬液0.6mlを施用する。2時間静置した後、1/10000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置く。移植1日後、イネの株元をプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼する。これらを処理区とする。なお、処理区は2反復とする。
一方、2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗1株の株元土壌に、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)を含有する水0.6mlを施用する。2時間静置した後、1/10000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置く。移植1日後、イネの株元をプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼する。これを無処理区とする。なお、無処理区は2反復とする。
放飼6日後に供試した幼虫の生死を観察する。その観察結果から、式1)によって死虫率、式2)によって補正死虫率を算出する。
その結果、処理区においてはトビイロウンカが防除されていることが確認できる。
【0137】
式1);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
【0138】
式2);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
【0139】
【表16】

【0140】
【表17】

【0141】
試験例2
育苗箱(横 約60cm、縦 約30cm)で栽培した2.5葉期イネ(Oryza sativa、品種:ヒノヒカリ)に、製剤例16、19、22、31、43、46、49又は58に記載の粒剤を、1箱当たり50gで施用する。2時間静置した後、1/5000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置く。移植7日後、イネの株元をプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼する。これらを処理区とする。なお、処理区は2反復とする。
一方、育苗箱(横 約60cm、縦 約30cm)で栽培した2.5葉期イネ(Oryza sativa、品種:ヒノヒカリ)を、1/5000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置く。移植7日後、イネの株元をプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼する。これを無処理区とする。なお、無処理区は2反復とする。
放飼6日後に供試した幼虫の生死を観察する。その観察結果から、式3)によって死虫率、式4)によって補正死虫率を算出する。
その結果、処理区においてはトビイロウンカが防除されていることが確認できる。
【0142】
式3);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
【0143】
式4);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
【0144】
試験例3
育苗箱(横 約60cm、縦 約30cm)で栽培した2.5葉期イネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)に、製剤例13〜27、31、40〜54又は58に記載の粒剤を、1箱当たり50gで施用する。2時間静置した後、1/5000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置いて栽培する。約3週間後、第6本葉が完全に展開したイネの株元に、PDA培地にて3日間培養して9cmシャーレ上に進展した紋枯病菌の菌叢ディスク1cm2程度を接種し、28℃の湿室(湿度95〜100%)内で7日間栽培し、病斑高(処理区の病斑高とする。)を測定する。なお、処理区は2反復とする。
一方、育苗箱(横 約60cm、縦 約30cm)で栽培した2.5葉期イネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)を、1/5000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置いて栽培する。約3週間後、第6本葉が完全に展開したイネの株元に、PDA培地にて3日間培養して9cmシャーレ上に進展した紋枯病菌の菌叢ディスク1cm2程度を接種し、28℃の湿室(湿度95〜100%)内で7日間栽培し、病斑高(無処理区の病斑高とする。)を測定する。なお、無処理区は2反復とする。
その観察結果から、下記の式5)により防除価を算出する。
その結果、処理区においては紋枯病が防除されていることが確認できる。
【0145】
式5); 防除価=100×(A−B)/A
A:無処理区の病斑高
B:処理区の病斑高

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

で示されるシアナミド化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の有害節足動物防除化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害生物防除組成物。
群(A):式(2)

〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物と、スピネトラム、カルタップ塩酸塩及びクロチアニジンからなる群。
群(B):イソチアニル、ジクロシメット、トリシクラゾール、オリサストロビン、フラメトピル及び式(3)

で示されるアミド化合物からなる群。
【請求項2】
シアナミド化合物と、有害節足動物防除化合物との重量比が、100:1〜1:100である請求項1記載の有害生物防除組成物。
【請求項3】
シアナミド化合物と、植物病害防除化合物との重量比が、100:1〜1:500である請求項2記載の有害生物防除組成物。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項記載の有害生物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害生物の防除方法。
【請求項5】
植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である請求項4記載の有害生物の防除方法。

【公開番号】特開2013−107861(P2013−107861A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255837(P2011−255837)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】