説明

有害生物防除組成物

【課題】有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法を提供する。
【解決手段】スピネトラムと、ピリフルキナゾンとを含有する有害生物防除組成物、好ましくは、スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である有害生物防除組成物、及びスピネトラムと、ピリフルキナゾンとの有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を有する有害生物の防除方法、好ましくは、スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である請求項3記載の有害生物の防除方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、有害生物の防除を目的として、種々の化合物が見出され、あるいは開発されており、これらを有効成分とした有害生物防除剤が用いられている。有害生物防除剤の有効成分としては、例えば、スピネトラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ピリフルキナゾンも有害生物防除剤の有効成分として知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】国際公開第97/00265号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第1097932号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、有害生物に対する優れた防除効力を有する有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法を見出すべく鋭意研究の結果、スピネトラムとピリフルキナゾンとを含有する有害生物防除組成物が有害生物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は以下のものである。
[1] スピネトラムとピリフルキナゾンとを含有する有害生物防除組成物。
[2] スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である[1]記載の有害生物防除組成物。
[3] スピネトラムとピリフルキナゾンとの有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を有する有害生物の防除方法。
[4] スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である[3]記載の有害生物の防除方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有害生物に対して優れた防除効力を有する有害生物防除組成物及び有害生物防除方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の有害生物防除組成物は、スピネトラムとピリフルキナゾンとを含有するものである。
【0009】
スピネトラムは、スピネトラムJ((2R,3aR,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシロキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イロキシ]−9−エチル−2,3,3a,4,5,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−ヘキサデカヒドロ−14−メチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオン)と、スピネトラムL((2R,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bS)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシロキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イロキシ]−9−エチル−2,3,3a,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−テトラデカヒドロ−4,14−ジメチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオン)との混合物として知られる化合物である。スピネトラムにおけるスピネトラムJとスピネトラムLとの混合割合は、重量比で50:50〜90:10、通常70:30〜90:10である。スピネトラムは例えば国際公開第97/00265号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0010】
ピリフルキナゾンは、1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−3−[(3−ピリジルメチル)アミノ]−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]キナゾリン−2−オンとして知られる化合物である。ピリフルキナゾンは例えば欧州特許出願公開第1097932号に記載の方法により製造することができる。
【0011】
本発明の有害生物防除組成物において、スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比は、通常500:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:10の範囲である。
【0012】
本発明の有害生物防除組成物は、スピネトラムとピリフルキナゾンとの単なる混合物でもよいが、通常は、スピネトラム、ピリフルキナゾン及び不活性担体を混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化される。
本発明の有害生物防除組成物には、スピネトラムとピリフルキナゾンとが、合計量で通常0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜80重量%含有される。
【0013】
製剤化の際に用いられる不活性担体としては、固体担体、液体担体及びガス状担体が挙げられる。
固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられる。
液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及び水が挙げられる。
ガス状担体としては、例えば、フルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル及び炭酸ガスが挙げられる。
【0014】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物、スチレン−アクリル酸共重合体、メチルオレイルタウレートナトリウム塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
【0015】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、アルミナゾル等の無機物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等の防腐剤、着色剤、及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)等の安定化剤が挙げられる。
【0016】
本発明の有害生物防除組成物が防除効力を有する有害生物としては、例えば、昆虫、ダニ等の節足動物及び線虫等の線形動物が挙げられる。有害生物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0017】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ターニッシュッドプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacapsis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
【0018】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilaris)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等;
【0019】
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)等のアザミウマ類等;
【0020】
双翅目害虫:イエバエ(Musca domestica)、アカイエカ(Culex popiens pallens)、ウシアブ(Tabanus trigonus)、タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等;
【0021】
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワーム(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシ(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等;
【0022】
直翅目害虫:トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等;
膜翅目害虫:カブラハバチ(Athalia rosae)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)等;
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
【0023】
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、オリゴニカス属等のハダニ類、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ヒメハダニ類、ケナガハダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)等のツメダニ類等;
線虫類:イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)等。
【0024】
本発明の有害生物防除方法は、スピネトラムとピリフルキナゾンとの有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を有する。
有害生物の生息場所としては、例えば、作物及び作物が生育する土壌が挙げられる。
【0025】
本発明の有害生物防除方法は、本発明の有害生物防除組成物を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することで行うことができる。また、本発明の有害生物防除方法は、スピネトラムとピリフルキナゾンとを別々に有害生物又は有害生物の生息場所に施用することによっても行うことができる。
【0026】
本発明の有害生物防除方法において、施用されるスピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比は、通常500:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:10の範囲であり、具体的に好ましくは10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、3:2、2:1、4:3、5:4、1:1、4:5、3:4、1:2、2:3、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10などの重量比が挙げられる。
【0027】
本発明の有害生物防除方法において、スピネトラムとピリフルキナゾンとを有害生物の生息場所に施用する方法としては、例えば、スピネトラムとピリフルキナゾンとを作物の茎葉に散布する方法、スピネトラムとピリフルキナゾンとを作物が生育する土壌に灌注する方法、及びスピネトラムとピリフルキナゾンとを作物の種子に処理する方法が挙げられる。
【0028】
スピネトラムとピリフルキナゾンとを作物の茎葉又は作物が生育する土壌に施用する場合、その施用量は、防除対象作物である作物等の種類、防除対象有害生物の種類、防除対象有害生物の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、スピネトラムとピリフルキナゾンとの合計量で10000m2あたり通常0.1〜1000g、好ましくは1〜200gである。
【0029】
スピネトラムとピリフルキナゾンとが乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合、これらの製剤は通常、水で希釈して散布することにより施用される。
この場合、スピネトラム及びピリフルキナゾンとの合計濃度は、通常1〜10000ppm、好ましくは10〜500ppmに希釈される。
スピネトラムとピリフルキナゾンとが粉剤、粒剤等に製剤化されている場合、これらの製剤は通常、希釈することなくそのまま施用される。
【0030】
スピネトラムとピリフルキナゾンとを作物の種子に処理する場合、その処理量は、スピネトラムとピリフルキナゾンとの合計量で種子1kgあたり通常0.001〜20g、好ましくは0.01〜10gである。
【0031】
本発明の有害生物防除組成物は、下記の「作物」に包含される植物の有害生物防除に使用することができる。ただし、これらの植物は例示であり、これらに限定されるものではない。
【0032】
「作物」:
農作物:トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、イネ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉:アカンサス、アサガオ、アザレア、アジサイ、アズマイチゲ、アッツザクラ、アネモネ、アマドコロ、アマリリス、アヤメ、アリッサム、アルメリア、アークトチス、エゾギク、エディブル・フラワー、エリカモドキ、オオツルボ、オオバギボウシ、オオハルシャギクオシロイバナ、オトギリソウ属、オニゲシ、オヤマリンドウ、オーレオマルギナータ、カキツバタ、カザグルマ、ガザニア、カサブランカ、カーネーション、カノコユリ、ガーベラ、カランコエ、カルセオラリア、カレープラント、カロライナジャスミン、カンナ、キク、キダチチョウセンアサガオ属、キバナコスモス、ギボウシ、金正日花、ギョリュウバイ、キンセンカ、ギンバイカ、キンレンカ、グラジオラス、クルクマ・シャローム、クレマチス、ケイトウ、コエビソウ、ゴジカ、コスモス、コバギボウシ、コンボルブルス・アルベンシス、サガエギボウシ、サクラソウ、サフラン、サルビア、シクラメン、シバザクラ、シャクヤク、シュウメイギク、シラン、スイートピー、スズラン、スノーフレーク、スベリヒユ、スミレ、セイヨウキンシバイ、セイヨウノコギリソウ、セキチク、ゼフィランサス、テンジクアオイ属、ダイコンソウ属、タマスダレ、ダリア、チトニア、チューリップ、チョコレートコスモス、ツルニチニチソウ、ツルボ属、テンニンカ、ドイツアヤメ、トケイソウ、ナデシコ、ナノハナ、ニチニチソウ、ニリンソウ、ネモフィラ、ネリネ属、ノースポール、ノハナショウブ、バーベナ、ハイビスカス、ハゲイトウ、ハゼラン、ハナショウブ、ハナズオウ、ハナニラ、ハナハマサジ、ハナビシソウ、パンジー、バージニア、ストック、ヒナギク、ヒナゲシ、ヒマラヤユキノシタ、ヒマワリ、ヒヤシンス、ビヨウヤナギ、フウロソウ属、フクシア、フリージア、プリムラ、ホウセンカ、ホオズキ、ボタン、ホトトギス属、マーガレット、マリーゴールド、ミヤコワスレ、ムギワラギク、ムスカリ、ヤマブキ、ユリ、ラナンキュラス、ランタナ、リンドウ、ルピナス属、ロベリア等、
観葉植物:アイビー、アカリファ、アグラオネマ、アジアンタム、アスパラガス、アスプレニウム、アナナス類、アフェランドラ、アロカシア、アンスリウム、インドゴムノキ、ウツボカズラ、ウエクメア、エスキナンサス、エピスシア、オーガスタ、オリヅルラン、ガジュマル、カポック、カラジューム、カラテア、ギヌラ、グズマニア、クテナンテ、ゴムの木、クラッスラ、クロトン、クワズイモ、ゲッキツ、コーヒーノキ、幸福の木・マッサン、コニファー類、コリウス、コルディリーネ、コルムネア、サンスベリア、サンセベリア、サンタンカ、シェフレラ、シッサス、シペラス、シュロチク、シルクジャスミン、シンゴニウム、ストレリチア、スパティフィラム、セネキオ、ゼブリナ、ソテツ、チランジア、ツピダンサス、デイコ、ディジゴセカ、ディフェンバキア、デュランタ、トックリラン、ドラセナ、トラデスカンティア、ネオレゲリア、ネフロレピス、ハートカズラ、ハイビスカス、パキポディウム、パキラ、ポニーテール、ビカクシダ、ピレア、ファッツヘデラ、フィカス・プミラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、フェニックス、フィットニア、プテリス、ブライダルベール、フリーセア、プレクトランサス、ベゴニア、ペペロニア、ヘリコニア、ベンジャミン(ベンジャミナ)、ポインセチア、ポトス、ホヤマランタ、ミリオンバンブー、ミルクブッシュ、ムラサキオモト、モンステラ、ヤシ類、ユッカ、ランタナ等、
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹:チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0033】
前記植物は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
【0034】
さらに、本発明は、有害生物防除剤を製造するためのスピネトラムとピリフルキナゾンとの組み合わせの使用に関する。
また、有害生物防除に使用されるスピネトラムとピリフルキナゾンとの組み合わせに関する。
【0035】
本発明では、除草剤、植物ホルモン剤、植物成長調節物質等の有害生物防除剤等、共力剤、薬害軽減剤、色素、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等を併用していてもよい。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を製剤例及び試験例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、製剤例を示す。尚、部は重量部を表す。
【0037】
製剤例1
スピネトラム5部;ピリフルキナゾン5部;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部;リグニンスルホン酸ナトリウム3部;及び珪藻土70部をジェットエアーミルで粉砕して水和剤を得る。
【0038】
製剤例2
スピネトラム1部;ピリフルキナゾン0.5部;タルク48.5部;及びクレー50部を混合して粉剤を得る。
【0039】
製剤例3
スピネトラム1部;ピリフルキナゾン4部;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部;ベントナイト30部;及びクレー60部を混合する。次いで、この混合物に適量の水を加えて攪拌し、これを造粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
【0040】
製剤例4
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート5部;1%ザンサンガム水溶液20部;スメクタイト鉱物3部;及び水60部を混合する。この混合物に、スピネトラム5部;及びピリフルキナゾン5部を加えて攪拌した後、サンドミルで湿式粉砕してフロアブル剤を得る。
【0041】
製剤例5
スピネトラム0.02部とピリフルキナゾン0.1部とをアセトン10部に溶解する。この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉末CE−2:日本クレア株式会社製)99.88部と均一に混合した後、アセトンを風乾し、毒餌を得る。
【0042】
次に、本発明による有害生物防除について、試験例を示す。
試験例1
スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が2.88ppmになるように、展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水で希釈した。
ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、クミアイ化学工業株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が0.00616ppmになるように、展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水で希釈した。
スピネトラムの水希釈液と、ピリフルキナゾンの水希釈液とを等量ずつ混合し、試験用薬液を調製した。
また、上記スピネトラムの水希釈液および上記ピリフルキナゾンの水希釈液を、それぞれ上記展着剤0.02容量%を含有する水と等量ずつ混合し、スピネトラムの1.44ppm濃度の水希釈液およびピリフルキナゾンの0.00313ppm濃度の水希釈液を調製した。
860mlのポットにキュウリを植え、4葉期まで生育させた。そのキュウリの葉にワタアブラムシを30〜100頭放飼した。このポット植えキュウリに試験用薬液を3ポットあたり50ml散布した。また、試験用薬液の代わりに、スピネトラムの2.88ppm濃度の水希釈液またはピリフルキナゾンの0.00616ppm濃度の水希釈液を単独で用いて同様に処理した。これらを処理区とした。
一方、ワタアブラムシを放飼したのち試験用薬液を散布しなかったポット植えキュウリを無処理区とした。
5日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生存数を調査し、下記式により防除率を求めた。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理区における放飼虫数
N1:処理区における生存虫数
M0:無処理区における放飼虫数
M1:無処理区における生存虫数
なお、試験は3反復で行った。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
試験例2
スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が1.83ppmになるように、展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水で希釈した。
ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、クミアイ化学工業株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が12.5ppmになるように、展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水で希釈した。
スピネトラムの水希釈液と、ピリフルキナゾンの水希釈液とを等量ずつ混合し、試験用薬液を調製した。
また、上記スピネトラムの水希釈液および上記ピリフルキナゾンの水希釈液を、それぞれ上記展着剤0.02容量%を含有する水と等量ずつ混合し、スピネトラムの0.92ppm濃度の水希釈液およびピリフルキナゾンの6.25ppm濃度の水希釈液を調製した。
容量860mlのポットにキャベツを植え、4葉期まで生育させた。そのキャベツの葉を1枚ずつ切り取った。このキャベツの葉1枚を試験用薬剤液に60秒間浸漬した。キャベツの葉を風乾した後、そのキャベツの葉を濾紙を敷いた容量500mlカップに入れた。そのカップの中にハスモンヨトウの2齢幼虫を10頭ずつ放った。2日後に供試した虫の生死を観察した。その結果を、下記式によって補正して殺虫率を算出した。なお、試験は3反復で行った。その結果を表2に示す。
死虫率(%)=100×((供試虫数−生存虫数)/供試虫数)
その結果を、下記式によって補正して殺虫率を算出した。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)
【0045】
【表2】

【0046】
試験例3
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が50ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が50ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
860mlのポットにトマトを植え、タバココナジラミを寄生させ、8葉期まで生育させる。このポット植えトマトに試験用薬液を3ポットあたり100ml散布する。
一方、試験用薬液を散布しなかったポット植えトマトを無処理区とする。
処理前、及び処理7日後に処理区および無処理区のそれぞれで、トマト葉に寄生しているタバココナジラミの幼虫数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理前の処理区における幼虫数
N1:処理7日後の処理区における生存幼虫数
M0:処理前の無処理区における幼虫数
M1:処理7日後の無処理区における生存幼虫数
【0047】
試験例4
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が50ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が75ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
6号鉢に植えた茶にチャノミドリヒメヨコバイを50頭放飼する。このポット植え茶に試験用薬液を3ポットあたり200ml散布し、このポット植え茶をナイロンゴースで囲う。
一方、試験用薬液を散布しなかったポット植え茶を無処理区とする。
処理7日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生存数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理区における放飼虫数
N1:処理区における生存虫数
M0:無処理区における放飼虫数
M1:無処理区における生存虫数
【0048】
試験例5
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))25重量%を含有する顆粒水和製剤をスピネトラムの濃度が25ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が75ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
6号鉢に植えたミカンにチャノキイロアザミウマを100頭放飼する。このポット植えミカンに試験用薬液を3ポットあたり200ml散布し、このポット植えミカンをナイロンゴースで囲う。
一方、試験用薬液を散布しなかったポット植えミカンを無処理区とする。
処理7日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生存数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理区における放飼虫数
N1:処理区における生存虫数
M0:無処理区における放飼虫数
M1:無処理区における生存虫数
【0049】
試験例6
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))25重量%を含有する顆粒水和製剤をスピネトラムの濃度が25ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が100ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
6号鉢に植えたミカンに試験用薬液を3ポットあたり200ml散布し、風乾させる。このポット植えミカンにアカマルカイガラムシの孵化幼虫100頭放飼する。
一方、試験用薬液を散布せず、アカマルカイガラムシの孵化幼虫を100頭放飼したポット植えミカンを無処理区とする。
処理7日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生存数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理区における放飼虫数
N1:処理区における生存虫数
M0:無処理区における放飼虫数
M1:無処理区における生存虫数
【0050】
試験例7
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が50ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が50ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
860mlのポットにイチゴを植え、タバココナジラミを寄生させ、8葉期まで生育させる。このポット植えイチゴに試験用薬液を3ポットあたり100ml散布する。
一方、試験用薬液を散布しなかったポット植えイチゴを無処理区とする。
処理前、及び処理7日後に処理区および無処理区のそれぞれで、イチゴ葉に寄生しているタバココナジラミの幼虫数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理前の処理区における幼虫数
N1:処理7日後の処理区における生存幼虫数
M0:処理前の無処理区における幼虫数
M1:処理7日後の無処理区における生存幼虫数
【0051】
試験例8
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))25重量%を含有する顆粒水和製剤をスピネトラムの濃度が25ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、日本農薬株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が50ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
6号鉢に植えたリンゴにリンゴコカクモンハマキの孵化幼虫100頭放飼し、試験用薬液を3ポットあたり500ml散布する。
一方、試験用薬液を散布しなかったポット植えリンゴを無処理区とする。
処理10日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生存数を調査し、下記式により防除率を求める。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い防除率を示す。
防除率(%)=100×((N0×M1/M0−N1)/(N0×M1/M0))
N0:処理区における放飼虫数
N1:処理区における生存虫数
M0:無処理区における放飼虫数
M1:無処理区における生存虫数
【0052】
試験例9
展着剤(商品名:シンダイン(登録商標)、住友化学株式会社)0.02容量%を含有する水に、スピネトラム(スピネトラムJ:スピネトラムL=75:25(重量比))11.7重量%を含有するフロアブル製剤をスピネトラムの濃度が50ppmになるように加え、ピリフルキナゾン20.0重量%含有する顆粒水和剤(商品名:コルト(登録商標)顆粒水和剤、クミアイ化学工業株式会社)をピリフルキナゾンの濃度が25ppmになるように加え、よく混和し、試験用薬液を作製する。
容量860mlのポットにキャベツを植え、4葉期まで生育させる。そのキャベツの葉を1枚ずつ切り取る。このキャベツの葉1枚を試験用薬液に60秒間浸漬する。キャベツの葉を風乾した後、そのキャベツの葉を濾紙を敷いた容量500mlカップに入れる。そのカップの中にコナガの3齢幼虫を10頭ずつ放飼する(これを処理区とする。)。
一方、キャベツの葉1枚を試験用薬液に浸漬および風乾しないで、濾紙を敷いた容量500mlカップに入れる。そのカップの中にコナガの3齢幼虫を10頭ずつ放飼し、これを無処理区とする。4日後に処理区および無処理区のそれぞれで、供試した虫の生死を観察し、下記式により死虫率を求める。
死虫率(%)=100×(死亡虫数/供試虫数)
その結果を、下記式によって補正して殺虫率を算出する。なお、試験は3反復で行う。
試験の結果、当該試験用薬液は高い殺虫率を示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピネトラムと、ピリフルキナゾンとを含有する有害生物防除組成物。
【請求項2】
スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である請求項1記載の有害生物防除組成物。
【請求項3】
スピネトラムと、ピリフルキナゾンとの有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を有する有害生物の防除方法。
【請求項4】
スピネトラムとピリフルキナゾンとの重量比が500:1〜1:10である請求項3記載の有害生物の防除方法。

【公開番号】特開2013−32310(P2013−32310A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169136(P2011−169136)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】