説明

有害節足動物、腹足類及び線虫類を駆除するための殺虫剤組成物

【課題】土壌生息性有害生物を駆除するための吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物を提供する。
【解決手段】水を除く組成物の全重量を基準として、i)0.001〜10重量%の少なくとも1つの土壌生息性有害節足動物に対して活性な殺虫剤化合物、ii)80〜99.999重量%の少なくとも1つの顆粒状超吸収性ポリマー、及びiii)水、を含有し、前記成分i)及びii)は水を除く組成物の少なくとも90重量%を占め、前記顆粒状超吸収性ポリマーを少なくとも1つの殺虫剤化合物を含有する液体水性組成物で処理することにより得られる吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害節足動物、腹足類(snail)及び線虫類を駆除するため、特に土壌生息性有害生物を駆除するために適した吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物に関する。本発明は、殺虫有効量の少なくとも1つの殺虫剤組成物を土壌に対して施用することを含む、前記有害生物の駆除方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
土壌生息性有害節足動物や線虫類を含めた土壌生息性有害生物はしばしば有効量の適当な殺虫剤化合物を土壌に対して施用することにより駆除されている。殺虫剤化合物は固体または液体組成物として、特にクレーのような不活性担体を含む粉剤または粒剤として施用され得る。前記方法は幾つかの欠点を有している。例えば、土壌に施用される殺虫剤は大抵浸出する可能性がある。従って、地表水及び地下水の汚染を最小限とするように注意を払わなければならない。更に、殺虫剤の有効性は環境条件に依存して異なり得る。例えば、土壌中で化学物質をうまく機能させるためにはほどよい時に雨が降らなければならないが、雨が多すぎると有効性が低下したり、浸出が生ずる恐れがある。土壌生息性有害生物に対して持続性効果を達成することは難しい。
【0003】
更に、土壌生息性有害生物を駆除するための従来方法、特にシロアリを駆除する方法の多くは時間がかかり、労働集約的であるため費用がかかる。シロアリを駆除するための標準的な方法の例にはトレンチング、ロッディングまたはドリリングが含まれる。トレンチングは、土台の周りに深い溝を掘り、その溝に大量の液体殺シロアリ剤組成物を土壌と一緒に注ぐ必要がある。ロッディングは、土台の周りの溝の底に貫入棒を挿入することを意味する。土台の周りに密閉バリアを形成するためには棒を15〜30cm以上離して挿入してはならない。ドリリングは、土台に穴をあけ、土台の下に例えば土壌注入ノズルを用いて液体殺シロアリ剤を施用しなければならない。
【0004】
国際特許出願公開第98/28937号は、有効量の殺虫活性化合物、好ましくは1−アリールピラゾール化合物を建築物の周りまたはその下のばらばらの場所に散布することにより昆虫による被害から建築物を保護するための方法を開示している。活性化合物は、慣用の製剤の希釈物として施用されるため、この方法は上記の欠点を有している。
【0005】
国際特許出願公開第89/12450号は、1つ以上の固体超吸収性ポリマー及び1つ以上の農薬(例えば、除草剤、殺菌剤または殺虫剤)を含む農薬のためのデリバリー組成物を記載している。このデリバリー組成物は通常、活性成分の放出速度を遅らすために大量の追加物質、例えばフィルム形成性物質または油を含有している。前記組成物の有効性は完全に満足できるほどではない。この文献は、土壌生息性有害節足動物の駆除に関連する問題を扱っていない。
【0006】
ドイツ特許出願公開第10124297号は、活性成分の植物毒性を低下させるために植物に対する栄養素培地中に使用するのに適している超吸収性ポリマーを含む活性成分の製剤を開示している。この製剤は、超吸収性ポリマー及び活性成分を水の存在下で混練することにより得られる。この製剤の有効性は完全に満足できるほどではない。この文献は、土壌生息性有害節足動物または線虫類の駆除に関連する問題を扱っていない。
【0007】
ドイツ特許出願公開第10157350号は、超吸収性ポリマー及び活性成分を水の存在下で混練することにより得られる超吸収性ポリマーを含む活性成分の製剤を開示している。試験にかけられた製剤は殺菌剤を含有している。この組成物の有効性は完全に満足できるほどではない。この文献は、土壌生息性有害節足動物の駆除に関連する問題を扱っていない。
【0008】
国際特許出願公開第01/10212号は、活性成分及び水膨潤性ポリマーを油相中に含有している油中水型ポリマー分散液を含む組成物を開示している。この文献は、土壌生息性有害節足動物の駆除に関連する問題を扱っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際特許出願公開第98/28937号
【特許文献2】国際特許出願公開第89/12450号
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第10124297号
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第10157350号
【特許文献5】国際特許出願公開第01/10212号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、土壌生息性有害生物を駆除するのに適しており、公知技術に関連する問題を解消する組成物を提供することである。特に、この組成物は容易に施用できなければならず、土壌生息性有害生物に対して持続作用を与えなければならない。更に、環境条件が殺虫剤の有効性に対して悪影響を及ぼしてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
今回、土壌を殺虫剤処理することによる土壌生息性有害生物の駆除に関連する問題が本明細書中に記載されている吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物により解消され得ることが知見された。
【0012】
従って、本発明は、本明細書中に記載されている吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物及び有害節足動物(特に、土壌生息性有害節足動物)、腹足類及び線虫類、特に好ましくは土壌生息性害虫を駆除するための前記組成物の使用に関する。
【0013】
本発明の殺虫剤組成物は、
i)0.001〜10重量%の少なくとも1つの有機殺虫剤化合物、特に土壌生息性有害節足動物に対して活性な殺虫剤化合物、
ii)80〜99.999重量%の少なくとも1つの顆粒状超吸収性ポリマー、及び
iii)水
を含有する吸水性顆粒状物質であり、重量%は水を除く組成物の全重量を基準とし、前記した成分i)及びii)は水を除く組成物の少なくとも90重量%を占め、前記吸水性顆粒状物質は超吸収性ポリマー顆粒を少なくとも1つの殺虫剤化合物を含有する液体水性組成物で処理することを含む方法により得ることができる。
【0014】
本発明は、有害節足動物及び線虫類から選択される有害生物、前記有害生物が生育しているかまたは生育する恐れがあるその生育場所、繁殖地、食糧、植物、種子、土壌、地区、材料または環境、或いは前記有害生物の攻撃または侵入から保護すべき材料、植物、種子、土壌、表面またはスペースを殺虫有効量の少なくとも1つの本明細書中に定義されている殺虫剤組成物と接触させることを含む、前記有害生物の駆除方法にも関する。
【0015】
本発明は特に、殺虫有効量の少なくとも1つの本明細書中に定義されている殺虫剤組成物を土壌に対して施用することを含む、土壌生息性有害節足動物及び有害線虫類の駆除方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
用語「土壌生息性」は、有害生物または寄生虫が生育しているかまたは生育する恐れがある生育場所、繁殖地、地区または環境が土壌であることを意味する。
【0017】
用語「有機殺虫剤化合物」は、有害動物、特に有害節足動物、腹足類及び有害線虫類を駆除するのに適している有機化合物を意味する。
【0018】
用語「顆粒状物質」は、組成物が顆粒の形態を有していることを意味する。顆粒は少なくとも殺虫剤化合物を含有している。
【0019】
本発明の方法は、有害生物(特に、土壌生息性有害節足動物及び線虫類)を駆除する従来の方法に比して幾つかの利点を提供する。特に、本発明の方法は従来方法よりも時間がかからず、有害生物を効果的に防除するために必要な殺虫剤化合物の量が少なくてすむ。更に、本発明の組成物は、土壌生息性有害生物及び線虫類に対して持続作用を与え、環境条件の殺虫剤の有効性に及ぼす影響がより小さい。殺虫剤が浸出するリスクは最小であるため、環境汚染、特に地表水及び地下水汚染は本明細書中に定義されている組成物により最小限となる。
【0020】
本発明の顆粒状殺虫剤組成物は、水を除く組成物の全重量に基づいて好ましくは85〜99.998重量%、特に90〜99.995重量%の少なくとも1つの顆粒状超吸収性ポリマーを含む。
【0021】
超吸収性ポリマーは、固体であり、親水性であり、水に溶解せず、自重の数倍の水または水溶液を吸収することができるため水を含有するポリマーゲルを形成するが、乾燥すると再び粒子を形成する公知の合成粒状有機ポリマーである。本発明の超吸収性ポリマーは通常、超吸収性ポリマー1重量部あたり少なくとも100重量部の水(25℃,pH7.5,1バールでの脱イオン水)を吸収することができる。超吸収性ポリマーが吸収することのできる水または水溶液の量は吸収能力または最大吸収とも称されている。本発明の目的で、脱イオン水(pH7.5,25℃,1バール)に対する吸収能力が少なくとも150g/g超吸収性ポリマー(例えば、150〜500g/g超吸収性ポリマー)、特に200〜500g/g超吸収性ポリマー、より好ましくは300〜500g/g超吸収性ポリマーである超吸収性ポリマーが好ましい。本発明の目的で、0.1重量% 塩化ナトリウム水溶液(pH7.5,25℃,1バール)に対する吸収能力が少なくとも100g/g超吸収性ポリマー、特に100〜300g超吸収性ポリマーである超吸収性ポリマーが好ましい。最大吸収または吸収能力は、例えばF.L.Buchholzら,“Modern Superabsorbent Polymer Technology”,Wiley−VCH 1998,p.153(absorbent capacity method)または欧州特許出願公開第993337号の実施例6から公知のルーチン方法により測定され得る。
【0022】
好ましい超吸収性ポリマー顆粒は、最大吸収の60%に達するのに要する時間が少なくとも10分、特に10〜100分という適度の膨潤速度を有するもの、すなわち超吸収剤である。これらの値は、F.L.Buchholzらの上掲文献中p.154(swelling kinetics methods)に記載されている標準方法に従って測定され得る。
【0023】
超吸収性ポリマーはノニオン性またはイオン性架橋ポリマーであり得る。本発明の目的で、超吸収性ポリマーを架橋アニオン性超吸収性ポリマー、特に共有結合による架橋アニオン性超吸収性ポリマーから選択することが好ましい。適当な超吸収性ポリマーの考察は、例えばF.L.Buchholzらの上掲文献中p.11−14に記載されている。
【0024】
架橋アニオン性超吸収性ポリマーは、水中で中和され得るアニオン性官能基または酸性基、例えばスルホン酸基(SOHまたはSO)、ホスホン酸基(POまたはPO2−)、またはカルボン酸基(COHまたはCO)を含む架橋ポリマーである。これらのポリマーは、原則としてモノエチレン性不飽和酸性モノマー及び架橋モノマーを場合によりグラフト化ベースの存在下、場合により1つ以上の更なる中性モノエチレン性不飽和モノマーの存在下で共重合することを含む方法により得られ得る。好ましい超吸収性ポリマーにおいて、カルボン酸基は酸性基の少なくとも80モル%、特に少なくとも95モル%を占めている。
【0025】
適当な酸性モノマーには、好ましくは3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸);4〜10個、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル、例えばマレイン酸のモノエステル(例えば、マレイン酸モノメチル);モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸(例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸)、並びにこれらの酸の塩(特に、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩)が含まれる。酸性モノマーは、酸性形態のアニオン性超吸収性ポリマーに基づいて超吸収性ポリマーの通常少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも20重量%(例えば、15〜99.9重量%、特に20〜99.8重量%)を占めている。
【0026】
重合酸性モノマーが少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CAまたはその塩を含む架橋アニオン性超吸収性ポリマーが好ましい。モノエチレン性不飽和カルボン酸CAまたはその塩が重合酸性モノマーの全量の少なくとも80モル%、特に少なくとも95モル%を占めていることが好ましい。
【0027】
有用な架橋モノマーには、分子中に少なくとも2個(例えば、2、3、4または5個)のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が含まれる。これらの化合物は架橋剤モノマーとも称されている。架橋剤モノマーの例は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、各々が106〜8500、好ましくは400〜2000の分子量を有するポリエチレングリコールから誘導されるポリエチレングリコールジアクリレート及びポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーのジアクリレート及びジメタクリレート、ジ−、トリ−、テトラ−またはペンタアクリル化または−メタクリル化多価アルコール(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたはジペンタエリトリトール)、モノエチレン性不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和アルコール(例えば、アリルアルコール、シクロヘキセノール及びジシクロペンテニルアルコール)のエステル(例えば、アリルアクリレート及びアリルメタクリレート)、トリアリルアミン、ジアルキルジアリルアンモニウムハライド(例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びジエチルジアリルアンモニウムクロリド)、テトラアリルエチレンジアミン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、106〜4000の分子量を有するポリエチレングリコールのポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、1モルのエチレングリコールジグリシジルエーテルまたはポリエチレングリコールジグリシジルエーテルと2モルのペンタエリトリトールトリアリルエーテルまたはアリルアルコールの反応生成物、及びジビニルエチレン尿素である。架橋剤モノマーの量は、酸性形態の超吸収性ポリマーの重量に基づいて通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の範囲である。
【0028】
適当なグラフト化ベースは天然または合成起源のものであり得る。これらには、オリゴ糖及び多糖(例えば、デンプン)、すなわちコーン(トウモロコシ)デンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、ソルガムデンプン、マニオカデンプン、エンドウマメデンプンまたはその混合物からなる群から選択される天然デンプン、加工デンプン、デンプン分解産物(例えば、酸化、酵素または加水分解により分解させたデンプン)、デキストリン(例えば、ばい焼デキストリン)、並びに低オリゴ糖及び多糖(例えば、4〜8環員を有するシクロデキストリン)が含まれる。有用なオリゴ糖及び多糖にはセルロース、デンプン及びセルロース誘導体も含まれる。グラフト化ベースとしてポリビニルアルコール、N−ビニルピロリドンのホモ−及びコポリマー、ポリアミン、ポリアミド、親水性ポリエステルまたはポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを使用することも可能である。グラフト化ベースの量は、酸形態の超吸収性ポリマーの重量の50重量%以下(例えば、1〜50重量%)であり得る。
【0029】
超吸収性ポリマーを形成するモノマーは、重合可能な基も酸性基も持たない中性のモノエチレン性不飽和モノマーをも含み得る。モノエチレン性不飽和親水性モノマー、すなわち25℃、1バールで少なくとも80g/lの水溶解度を有するモノマーの例には、モノエチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばヒドロキシアルキルアクリレート及びメタクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート)、モノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド(例えば、アクリルアミド及びメタクリルアミド)、ポリエーテル基を有するモノマー(例えば、ポリエチレングリコールのビニル、アリル及びメタリルエーテル)、及びモノエチレン性不飽和モノカルボン酸とポリエーテルのエステル(例えば、ポリエチレングリコールアクリレート及びポリエチレングリコールメタクリレート)が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、中性モノマーは酸形態の超吸収性ポリマーの10〜84.9重量%、特に20〜79.9重量%を占めている。
【0030】
好ましいアニオン性超吸収性ポリマーは適度な電荷密度を有している。すなわち、超吸収性ポリマー中の酸性基の量は、酸形態の超吸収性ポリマーの重量に基づいて、好ましくは0.1〜1.1モル/100g超吸収性ポリマー、特に0.2〜1モル/100g超吸収性ポリマーである。
【0031】
本発明の非常に好ましい実施形態において、吸水性ポリマーは、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CAまたはその塩、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和酸のアミド(モノマーAM)及び重合形態の架橋モノマーを含むエチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマーまたはグラフトコポリマーである。
【0032】
適当なモノエチレン性不飽和カルボン酸CAは、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸)及び4〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸)を含む。モノエチレン性不飽和カルボン酸CAの適当な塩はアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、特にカリウム塩またはナトリウム塩からなる。好ましいモノエチレン性不飽和カルボン酸CAには、3〜8個の炭素原子を有するモノカルボン酸(特に、アクリル酸及びメタクリル酸)及びその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のアルカリ金属塩、特にアクリル酸のナトリウム塩及びカリウム塩が含まれる。
【0033】
適当なモノエチレン性不飽和酸のアミドは、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、特にアクリルアミド及びメタクリルアミドである。
【0034】
この実施形態において、吸水性ポリマーが共有結合による架橋コポリマーである、すなわち上記で定義されている架橋モノマーを含有していることが好ましい。
【0035】
カルボン酸CA及びアミドAMは、超吸収性ポリマーを形成するエチレン性不飽和モノマーMの好ましくは少なくとも80重量%(例えば、80〜99.95重量%)、より好ましくは少なくとも90重量%(例えば、90〜99.9重量%)を占める。この実施形態において、架橋モノマーは、モノマーMの通常0.05〜20重量%、特に0.1〜10重量%を占める。
【0036】
特に好ましい実施形態において、モノマーMはモノマーMの全重量に基づいて、アクリル酸またはその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩とアクリルアミドの少なくとも90重量%(例えば、90〜99.9重量%)の混合物を含む。
【0037】
特に、超吸収性ポリマーは、
−(酸形態で計算して)15〜89.9%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1つのカルボン酸CAまたはその塩、好ましくはアクリル酸またはその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩、
−10〜84.9%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1つのアミドAM、好ましくは3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、特にアクリルアミド、及び
−0.1〜10%、特に0.2〜5重量%の少なくとも1つの架橋剤モノマー
を重合形態で含み、重量%は酸形態の超吸収性ポリマーを基準とし、モノマーAM及びCAの量は超吸収性ポリマーを形成するモノマーの少なくとも90%(例えば、90〜99.9%)を占めている。
【0038】
このタイプの適当な超吸収性ポリマーは、例えば米国特許第4,417,992号、米国特許第3,669,103号及び国際特許出願公開第01/25493号から当業界で公知である。これらの超吸収性ポリマーは、例えばフランスのSNF SAからAquasorb(登録商標)、例えばAquasorb(登録商標)3005 KL、3005 KM、3005 L及び3005 Mの商標でも市販されている。
【0039】
本発明の別の非常に好ましい実施形態において、吸水性ポリマーは、モノマーMの全量に基づいて、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CA、好ましくはアクリル酸と少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CAのアルカリ金属塩、好ましくはそのカリウム塩またはナトリウム塩、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩またはナトリウム塩の少なくとも80重量%(例えば、80〜99.95重量%)、好ましくは少なくとも90重量%(例えば、90〜99.9重量%)の混合物を含むエチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマーまたはグラフトコポリマーである。この実施形態において、吸水性ポリマーは好ましくは共有結合による架橋コポリマーである。この実施形態において、架橋モノマーは、モノマーMの通常0.05〜20重量%、特に0.1〜10重量%を占めている。
【0040】
特に、この実施形態の超吸収性ポリマーは、
−15〜89.9%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1つのカルボン酸CA、好ましくはアクリル酸、
−(酸形態で計算して)10〜84.9%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1つのまたはその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩、及び
−0.1〜10%、特に0.2〜5重量%の少なくとも1つの架橋剤モノマー
を重合形態で含み、重量%は酸形態の超吸収性ポリマーを基準とし、カルボン酸CA及びCAの塩の量は超吸収性ポリマーを形成するモノマーの少なくとも90%(例えば、90〜99.9%)を占めている。
【0041】
このタイプの適当な超吸収性ポリマーは、例えばBASF AGからLuquasorb(登録商標)、例えばLuquasorb(登録商標)1280、Luquasorb(登録商標)1060、Luquasorb(登録商標)1160、Luquasorb(登録商標)1061及びHySorb(登録商標)の商標で市販されている。
【0042】
好ましくは、超吸収性ポリマー顆粒の平均粒子サイズは0.1〜5mm、好ましくは0.2〜5mm、特に0.5〜4mmの範囲である。平均粒子サイズは、顕微鏡または篩分け分析により測定され得る直径の重量平均である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、殺虫剤組成物を製造するために使用される超吸収性ポリマー顆粒は表面架橋されている(上に掲載されているF.L.Buchholz,p.97〜103及びここに引用されている文献参照)。表面架橋されているポリマー顆粒では、超吸収性ポリマー顆粒の表面域中の官能基の幾つかが多官能性化合物との反応により架橋されている。表面架橋は共有結合性またはイオン性架橋であり得る。
【0044】
表面架橋とは別に、殺虫剤組成物を製造するために使用される超吸収性ポリマー顆粒の表面は、埃っぽさを減らすため及び/または流動を容易とするために添加剤で処理してもよく、その処理には場合によりポリオールと組み合わせて凝固防止添加剤(例えば、粒状シリカ、特にヒュームドシリカ)または第4級界面活性剤を用いる処理が含まれる。
【0045】
吸水性組成物は、有害節足動物及び/または線虫類に対して活性な少なくとも1つの有機殺虫剤化合物も含む。通常、殺虫剤化合物は150〜1000ダルトンの範囲の分子量を有する非重合有機化合物である。適当な殺虫剤化合物は室温で固体または液体であり得る。通常、殺虫剤化合物は室温で揮発性でない。すなわち、298Kで1mbar以下、特に0.1mbar以下の蒸気圧を有している。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、殺虫剤化合物は土壌生息性有害節足動物に対して活性な化合物から選択される。当業者はそうした化合物を熟知しており、いずれの化合物が具体的標的生物に対して活性であるかを知っている。
【0047】
本発明の組成物中で使用され得る適当な殺虫剤化合物には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
【0048】
A.1. 有機(チオ)ホスフェート:アセフェート、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クマホス、シアノホス、デメトン−S−メチル、ジアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、チェンチオン、フルピラゾホス、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトンメチル、パラチオン、パラチオンメチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロペタンホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
【0049】
A.2. カルバメート:アルジカルブ、アラニカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシルイルカルブ、トリアザメート;
【0050】
A.3. ピレスロイド:アクリナトリン、アレスリン、d−cis−trans‐アレスリン、d−trans‐アレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS−シクロペンテニル、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、ガンマ−シハロトリン、シペルメトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シペルメトリン、シータ−シペルメトリン、ゼータ−シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ−フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901;
【0051】
A.4. 成長調節剤:a)キチン合成インヒビター:例えばベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクジソンアンタゴニスト:例えばハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;c)ジュベノイド:例えばピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン;d)脂質生合成インヒビター:例えばスピロジクロフェン、スピロメシフェンまたはスピロテトラマト;
【0052】
A.5. ニコチン酸受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物(ニコチノイド殺虫剤またはネオニコチノイド):例えばベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、スピノサド、アセタミプリド、チアクロプリド、チオシクラム、チオスルタップナトリウム及びAKD 1022;
【0053】
A.6. GABAアンタゴニスト化合物:例えばアセトプロール、クロルダン、ガンマ−HCH、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、または式P2(5−アミノ−3−(アミノチオカルボニル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)−ピラゾール):
【化1】

【0054】
を有するフェニルピラゾール化合物;
【0055】
A.7. 大環状ラクトン殺虫剤(クロライドチャネルアクチベーター):アバメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド;
【化2】

【0056】
A.8. ミトコンドリア複合体I電子伝達インヒビター(METI I化合物):例えばフェナザキン、エンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、ロテノン;
【0057】
A.9. ミトコンドリア複合体II及び/または複合体III電子伝達インヒビター(METI II及びIII化合物):例えばアセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
【0058】
A.10. 脱共役化合物:例えばクロルフェナピルまたはDNOC;
【0059】
A.11. 酸化的リン酸化インヒビター化合物:アゾシクロチン、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン;
【0060】
A.12. 脱皮攪乱化合物:例えばシロマジン、クロマフェノジド、ハロゲノジド、メトキシフェノジド、テブテノジド;
【0061】
A.13. 混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:例えばピペロニルブトキシド、トリブホス;
【0062】
A.14. ナトリウムチャネルブロッカー化合物:例えばインドキサカルブ、メタフルミゾン;
【0063】
A.15. 選択的摂食ブロッカー:クリロタイ、ピメトロジン、フロニカミド;
【0064】
A.16. ダニ成長インヒビター:クロフェンテジン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール;
【0065】
A.17. キチン合成インヒビター:ブプロフェジン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロスクロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;
【0066】
A.18. 脂質生合成インヒビター:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
【0067】
A.19. オクタパミン作動性アゴニスト:アミトラズ;
【0068】
A.20. リアノジン受容体モジュレーター:フルベンジアミド;
【0069】
A.21. 各種:亜リン酸アルミニウム、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ホウ砂、ブロモプロピレート、シアニド、シエノピラフェン、シフルメトフェン、キノメチオネート、ジコホル、フルオロアセテート、ホスフィン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、硫黄、酒石酸アンチモニルカリウム;
【0070】
A.22. 式P5:
【化3】

【0071】
[式中、
X及びYは各々独立してハロゲン(特に、塩素)であり、
WはハロゲンまたはC−C−ハロアルキル(特に、チオフルオロメチル)であり、
は各々が1、2、3、4または5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキル(特に、Rはメチルまたはエチル)であり、
及びRはC−C−アルキル(特に、メチル)であるか、または隣接炭素原子と一緒になって1、2または3個のハロゲン原子を有していてもよいC−C−シクロアルキル部分(特に、2,2−ジクロロシクロプロピル及び2,2−ジプロモシクロプロピルを含めたシクロプロピル部分)を形成していてもよく、
は水素またはC−C−アルキル(特に水素、メチルまたはエチル)である]
を有する化合物;
【0072】
A.23. 式P6:
【化4】

【0073】
[式中、
はCH、Cl、Br、Iであり、
XはC−H、C−Cl、C−FまたはNであり、
Y’はF、ClまたはBrであり、
Y”はH、F、ClまたはCFであり、
は水素、Cl、Br、I、CNであり、
はCl、Br、CF、OCHCF、OCFHであり、
は水素、CHまたはCH(CHである]
を有するアントラニルアミド化合物、特にAがCHであり、BがCNであり、RがCHであり、BがBrであり、XがNであり、Y’がClであり、Y”がHである化合物;
【0074】
A.24. マロノニトリル化合物:CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)(CHC(CFF、CF(CHC(CN)(CH(CFCF、CFH(CFCHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCF、CF(CFCHC(CN)CH(CFCFH、CFCFCHC(CN)CH(CFCFH、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−マロノジニトリル及びCFHCFCFCFCHC(CN)CHCHCFCF
【0075】
適当な殺虫剤化合物は微生物(微生物攪乱剤)、例えばバシラス・チュリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)亜種、Israelensi亜種、Aizawai亜種、Kurstaki亜種、Tenebrionis、バシラス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)及び枯草菌(Bacillus subtilis)をも含む。
【0076】
適当な殺虫剤化合物は、他の刊行物の中で“The Pesticide Manual”,第13版,British Crop Protection Council(2003)に記載されている。式P2を有するチアミド及びその製造は、国際特許出願公開第98/28279号に記載されている。レピメクチオンは、Agro Project, PJB Publications Ltd(2004年11月)から公知である。ベンクロチアズ及びその製造は、欧州特許出願公開第454621号に記載されている。メチダチオン及びパラオキソン並びにその製造は、Farm Chemicals Handbook,88巻,Meister Publishing Company(2001)に記載されている。アセトプロール及びその製造は、国際特許出願公開第98/28277号に記載されている。メタフルミゾン及びその製造は、欧州特許出願公開第462456号に記載されている。フルピラゾホスは、Pesticide Science,54,p.237−243(1988)及び米国特許第4822779号に記載されている。ピラフルプロール及びその製造は、日本国特許第2002193709号及び国際特許出願公開第01/00614号に記載されている。ピリプロール及びその製造は、国際特許出願公開第98/45274号及び米国特許第6335357号に記載されている。アミドフルメト及びその製造は、米国特許第6221890号及び日本国特許第21010907号に記載されている。フルフェネリム及びその製造は、国際特許出願公開第03/007717号及び国際特許出願公開第03/007718号に記載されている。シフルメトフェン及びその製造は、国際特許出願公開第04/080180号に記載されている。式P6を有するアントラニルアミド及びその製造は、国際特許出願公開第01/70671号、国際特許出願公開第02/48137号、国際特許出願公開第03/24222号、国際特許出願公開第03/15518号、国際特許出願公開第04/67528号、国際特許出願公開第04/33468号及び国際特許出願公開第05/118552号に記載されている。マロジニトリル化合物は、国際特許出願公開第05/063694号に記載されている。
【0077】
好ましくは、土壌生息性有害節足動物を駆除するために特に有用である殺虫剤化合物は、
有機ホスフェート、特にクロルピリホス、ジアジノン、ジスルホトン、ホレート、ピリミホスメチルまたはテルブホス;
カルバメート、特にアラニカルブ、ベンフラカルブ、カルボスルファン、フラチオカルブ;
ピレスロイド、特にビフェントリンまたはテフルトリン;
ネオニコチノイド、特にアセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサムまたはジネトフラン;
GABAアンタゴニスト化合物、特にエチプロールまたはフィプロニル;
メタフルミゾン、クロルフェナピル、アバメクチン、エンドスルファン、スピノサド、式P5を有する化合物、並びにその混合物からなる群から選択される。
【0078】
本明細書中に挙げられている殺虫剤化合物の中で、標的生物に対して忌避活性を有していない化合物が好ましい。また、標的生物に対して遅効性毒素を与える化合物が好ましい。
【0079】
土壌生息性有害節足動物を駆除するのに特に有用な特に好ましい殺虫剤化合物には、フィプロニル、メタフルミゾン、クロルフェナピル及び式Iを有する化合物、特に式I(式中、X及びYは塩素であり、Zはトリフルオロメチルであり、Rはメチルまたはエチルであり、R及びRはメチルであるか、またはR及びRは隣接炭素原子と一緒に2,2−ジクロロシクロプロピルまたは2,2−ジブロモシクロプロピルであり、Rは水素、メチルまたはエチルである)を有する化合物が含まれる。
【0080】
よって、本発明の非常に好ましい実施形態は、フィプロニルを含有する組成物に関する。
【0081】
本発明の別の好ましい実施形態は、メタフルミゾンを含有する組成物に関する。
【0082】
本発明の別の好ましい実施形態は、クロルフェナピルを含有する組成物に関する。
【0083】
本発明の更に好ましい実施形態は、少なくとも本明細書中に定義されている式P5を有する化合物を含有する組成物に関する。
【0084】
本発明の組成物は、水を除く組成物の全重量に基づいて好ましくは0.005〜8重量%、特に0.01〜5%、最も好ましくは0.01〜1重量%の少なくとも1つ(例えば、1〜3つ)の殺虫剤化合物を含有している。
【0085】
本発明の組成物では、少なくとも1つの殺虫剤化合物が超吸収性ポリマーの顆粒に吸収されている。少なくとも1つの殺虫剤化合物が殺虫剤組成物の顆粒内に不均一に分布しており、少なくとも1つの殺虫剤化合物の大部分、好ましくは少なくとも80重量%が顆粒の外側部分、特に顆粒の表面または表面近くに存在していると推測される。従って、組成物の顆粒は少なくとも1つの殺虫剤化合物の大部分を含有しているシェル領域及び前記殺虫剤化合物を全くまたは少量しか含有していないコア領域からなると推測される。
【0086】
殺虫剤化合物を含有する顆粒の平均粒子サイズは製造に使用される超吸収性ポリマー顆粒のサイズと類似しており、通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜5mm、より好ましくは0.5〜4mmの範囲である。
【0087】
本発明の殺虫剤組成物は水も含む。水の量は広範囲で変更可能である。殺虫剤組成物は通常乾燥状態で土壌に施用されるが、組成物の活性を高める(バイオ増強状態)ために一定量の水が必要である。乾燥状態とは、殺虫剤組成物が少量の水、例えば該組成物中の超吸収性ポリマーの重量に基づいて0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%の水しか含有しておらず、顆粒が機械的に安定であり、長期間にわたり貯蔵可能であることを意味する。バイオ増強状態では、吸水性組成物は、組成物中の超吸収性ポリマーの重量に基づいて通常少なくとも5重量%、しばしば少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも50重量%の水を含有しているが、水の量は組成物中の超吸収性ポリマーの重量に基づいて100重量%くらい多くてもよく、それ以上でもよく、上限は組成物中の超吸収性ポリマーの膨潤容量である(例えば、組成物中の超吸収性ポリマーの重量の最高150、300または500倍)。
【0088】
更に、殺虫剤組成物は製剤助剤(添加剤)、すなわち慣用の殺虫剤製剤中に存在しているかまたはその特性を修正するために殺虫剤製剤中に配合されている化合物を含み得る。製剤助剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常10重量%以下または5重量%以下である。多くの場合、製剤助剤は水を除く組成物の全重量に基づいて0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%の範囲の量で存在している。
【0089】
適当な製剤助剤(添加剤)には、
a)分散剤、湿潤剤及び乳化剤を含めた界面活性剤、
b)有機溶媒、
c)脱泡剤(消泡剤)、
d)増粘剤、
e)保存剤、
f)染料または顔料、
g)中和剤、及び
h)誘引剤
が含まれる。
【0090】
界面活性剤はノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性であってもよい。本発明の液体製剤中に含めてもよい適当な界面活性剤は、例えば「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual」,米国ニュージャージ州リッジウッドに所在のMC Publishing Corp.,1981年発行;H.Stache,「Tensid−Taschenbuch」,第2版,ウィーンのミュンヘンに所在のC.Hanser,1981年発行;M.and J.Ash,「Encyclopedia of Surfactants」,I−III巻,米国ニューヨーク州ニューヨークに所在のChemical Publishing Co.,1980−1981年発行に開示されている。界面活性剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常1重量%未満であり得る。
【0091】
適当な界面活性剤には、
a1)アニオン性界面活性剤、例えば通常アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩の形態、特にナトリウム、カリウム、カルシウムまたはアンモニウム塩の形態の、
−アルキルスルホネート(例えば、ラウリルスルホネートまたはイソトリデシルスルホネート)、
−アルキルスルフェート、特に脂肪アルコールスルフェート(例えば、ラウリルスルフェート、イソトリデシルスルフェート、セチルスルフェート、ステアリルスルフェート)、
−アリール−及びアルキルアリールスルホネート(例えば、ナフチルスルホネート、ジブチルナフチルスルホネート、ドデシルジフェニルエーテルスルホネート、クミルスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート)、
−脂肪酸及び脂肪酸エステルのスルホネート、
−脂肪酸及び脂肪酸エステルのスルフェート、
−アルコキシル化アルカノールのスルフェート(例えば、エトキシル化ラウリルアルコールのスルフェート)、
−アルコキシル化アルキルフェノールのスルフェート、
−アルキルホスフェート、C−C16アルキルホスフェート、
−ジアルキルホスフェート、C−C16ジアルキルホスフェート、
−スルホコハク酸のジアルキルエステル(例えば、ジオクチルスルホスクシネート)、
−アシルサルコシネート、
−脂肪酸(例えば、ステアレート)、
−アシルグルタメート、及び
−リグニンスルホネート;
a2)ノニオン性界面活性剤、例えば
−アルコキシル化アルカノール、特にエトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化オキソアルコール(例えば、エトキシル化ラウリルアルコール、エトキシル化イソトリデカノール、エトキシル化セチルアルコール、エトキシル化ステアリルアルコール)及びそのエステル(例えば、アセテート)、
−アルコキシル化アルキルフェノール(例えば、エトキシル化ノニルフェニル、エトキシル化ドデシルフェニル、エトキシル化イソトリデシルフェノール)及びそのエステル(例えば、アセテート)、
−アルキルグルコシド及びアルキルポリグルコシド、
−コポリマー、特にエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、
−エトキシル化アルキルグルコシド及びアルキルポリグルコシド、
−エトキシル化脂肪アミン、
−エトキシル化脂肪酸、
−部分エステル、例えば脂肪酸とグリセリンまたはソルビタンのモノ−、ジ−及びトリエステル(例えば、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレート)、
−脂肪酸とグリセリンまたはソルビタンのエトキシル化部分エステル(例えば、エトキシル化グリセリンモノステアレート)、
−植物油または獣脂のエトキシレート(例えば、コーン油エトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、獣油エトキシレート)、
−脂肪アミン、脂肪アミドまたは脂肪酸ジエタノールアミドのエトキシレート;
a3)カチオン性界面活性剤、例えば
−第4級アンモニウム化合物、特にアルキルトリメチルアンモニウム塩及びジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びアルキルスルフェート)、
−ピリジニウム塩、特にアルキルピリジニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びC−C−アルキルスルフェート)、及び
−イミダゾリニウム塩、特にN,N’−ジアルキルイミダゾリニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びメトキシスルフェート);
が含まれる。
【0092】
界面活性剤に関して、本明細書中で使用されている用語「アルキル」は他の方法で定義されていない限り4〜30個、好ましくは6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、例えばn−ヘキシル、1−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、1−メチルノニル、2−プロピルヘプチル、n−ドデシル、1−メチルドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル等である。用語「アルコキシル化」及び「アルコキシレート」は、OH−官能基がオリゴアルキレンオキシド基を形成するようにアルキレンオキシド、特にC−C−アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物と反応していることを意味する。また、用語「エトキシル化」は、OH−官能基がオリゴエチレンオキシド基を形成するようにエチレンオキシドと反応していることを意味する。アルコキシル化(またはエトキシル化)度はアルキレンオキシド(エチレンオキシド)反復単位の数平均を指し、通常1〜50、特に2〜30の範囲である。界面活性剤の量は、顆粒状殺虫剤組成物の全重量に基づいて、通常5重量%以下であり、組成物の全重量に基づいて0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、或いは組成物中に存在する殺虫剤化合物の全重量に基づいて1〜100重量%、特に5〜50重量%であり得る。
【0093】
有機溶媒には、芳香族溶媒類(例えば、Solvesso製品、キシレン)、パラフィン類(例えば、鉱油留分)、アルコール類(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えば、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトン)、ピロリドン類(NMP、NOP)、アセテート類(グリコールアセテート及びグリコールジアセテート)、グリコール類(例えば、エチレングリコール及びプロピレングリコール)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、カルボン酸のジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリド及びメチルエステル)が含まれる。溶媒の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常5重量%以下、特に3重量%以下である。
【0094】
適当な脱泡剤には、ポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)及びワックスが含まれる。脱泡剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常1重量%以下であり、脱泡剤は0.001〜1重量%、特に0.001〜0.8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0095】
適当な増粘剤(シックナー)には、無機増粘剤(例えば、クレー、水和ケイ酸マグネシウム)及び有機増粘剤(例えば、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガムのような多糖ガム及びセルロース誘導体)が含まれる。増粘剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常1重量%以下であり、増粘剤は0.001〜1重量%、特に0.001〜0.8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0096】
本発明の製剤の微生物損害を予防するのに適した保存剤には、ホルムアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、安息香酸ナトリウム、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、o−フェニルフェノール、チアゾリノン(例えば、ベンズイソチアゾリノン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリノン)、ペンタクロロフェノール、2,4−ジクロロベンジルアルコール及びその混合物が含まれる。保存剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常0.1重量%以下である。
【0097】
適当な顔料または染料には、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108が含まれる。染料及び/または顔料の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常1重量%以下であり、染料または顔料は0.001〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%の範囲の量で存在し得る。
【0098】
適当な中和剤には、緩衝剤、有機及び無機の酸及び塩基、特に有機カルボン酸(例えば、クエン酸、マレイン酸、ピルビン酸,グリコール酸等)が含まれる。中和剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常2重量%以下であり、中和剤は0.01〜1重量%、特に0.1〜1重量%の範囲の量で存在し得る。
【0099】
適当な誘引剤には、摂食刺激物質、並びにパラフェロモン及び/または性フェロモンが含まれる。適当な摂食刺激物質は、例えば動物タンパク質及び植物タンパク質(肉粉、魚粉または血粉、昆虫部分、コオロギ粉、卵黄)から;動物及び/または植物起源の油脂、或いはモノ−、オリゴ−またはポリオルガノサッカライド、特にスクロース、ラクトース、フルクトース、デキストロース、グルコース、デンプン、ペクチン、或いは糖蜜または蜂蜜から;塩(例えば、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウムまたは酢酸アンモニウム)から選択される。果実、作物、植物、動物、昆虫またはその特定部分の新鮮部分または腐敗部分は摂食刺激物質としても役立ち得る。フェロモンがより昆虫特異的であることは知られている。具体的なフェロモンは文献に記載されており、当業者に公知である。誘引剤を超吸収性ポリマーに吸着または吸収させてもよい。誘引剤の量は、水を除く組成物の全重量に基づいて通常10重量%以下であり、誘引剤は0.0001〜10重量%、特に0.001〜1重量%の範囲の量で存在し得る。
【0100】
本発明の吸水性殺虫剤組成物は、超吸収性ポリマーを殺虫剤化合物の水性液体組成物、特に慣用の殺虫剤製剤の水性希釈物で処理することを含む方法により製造される。この方法では、超吸収性ポリマー材料を0.1〜5mm、特に0.2〜5mmまたは0.5〜4mmの平均粒子サイズを有するポリマー顆粒の形態で使用する。
【0101】
本明細書中で使用されており、当業者が容易に理解しているように、希釈物は製剤を希釈剤、特に水または水と有機溶媒の混合物で希釈することにより得られる組成物である。
【0102】
超吸収性ポリマー顆粒の処理は、固体顆粒を液体材料で処理する従来方法と同様にして実施され得る。適当な技術には、超吸収性ポリマー顆粒に対して少なくとも1つの殺虫剤化合物及び水性液体担体を含有する水性液体組成物を噴霧することを含む。超吸収性ポリマー顆粒を流動状態の液体水性殺虫剤組成物、好ましくは慣用の殺虫剤製剤の水性希釈物で処理することを含む方法(流動層技術)が好ましい。また、ドラム造粒機、パン造粒機、高剪断造粒機、ミキサー造粒機、Nautaミキサー、プローシェアミキサー、パドルミキサー等を含めたミキサーまたは造粒機での処理も適当である。
【0103】
超吸収性ポリマー顆粒は、殺虫剤化合物または殺虫剤化合物を含有する組成物で処理するとき膨潤状態にあってもよいが、好ましくは乾燥状態である。乾燥状態とは、超吸収性ポリマー顆粒がその自重の15重量%以下、特に10重量%未満の水しか含有していないことを意味する。顆粒、特にその自重の10%未満の水しか含有していない乾燥顆粒の形態の超吸収性ポリマーが好ましい。
【0104】
超吸収性ポリマー顆粒を処理するのに適した液体組成物には慣用の水性液体製剤、すなわち水または水と有機溶媒の混合物であり得る水性液体担体中に溶解、懸濁または乳化されている殺虫剤化合物を含有する製剤、または必ずしも水性製剤でなくてもよい慣用の製剤の水性希釈物が含まれる。水性希釈物を作成するのに適した慣用の製剤には、通常殺虫剤化合物及び場合により固体または液体担体を含有する液体製剤及び固体製剤を含めた慣用の製剤が含まれる。水性希釈物を作成するために使用され得る液体製剤の例には、液剤、水溶液剤(SL)、分散性製剤(DC)、水性及び非水性サスペンジョン製剤(SC、FS、OD)、エマルション製剤(EC)、水中油型エマルション製剤(EW)、油中水型エマルション製剤(EO)、マイクロエマルション製剤、マルチプルエマルション製剤、オイル増量懸濁製剤(OESC)、サスポエマルション製剤等が含まれる。水性希釈物を作成するために使用され得る適当な固体製剤の例には、水和剤(WP)、顆粒水和剤(WG)及び水和性錠剤(TB)が含まれる。慣用の製剤中の殺虫剤化合物の濃度は、慣用の製剤の重量に基づいて0.5〜80重量%、特に、1〜60重量%、特に5〜50重量%の範囲で変更可能である。
【0105】
超吸収性ポリマー顆粒を少なくとも1つの殺虫剤化合物を含有する水性液体組成物、特に慣用の製剤の水性希釈物で処理することが好ましい。超吸収性ポリマー顆粒に適用される組成物は水性液体組成物であり、この場合液体担体は水または水と有機溶媒の混合物である。好ましい水性液体組成物中の水は、液体担体の全容量に基づいて通常少なくとも50容量%、好ましくは少なくとも80容量%、特に少なくとも90容量%を占めている。特に、水性液体組成物は慣用の製剤の希釈物、すなわち水性希釈剤で希釈した組成物である。水性希釈剤は水、または少なくとも50v/vの水と有機溶媒の混合物である。好ましい水性希釈剤中の水は、水性希釈剤の全容量に基づいて通常少なくとも60%v/v、好ましくは少なくとも99%v/vを占めている。
【0106】
超吸収性ポリマーを処理するのに適した水性液体組成物中の殺虫剤化合物の濃度は、組成物の全重量に基づいて好ましくは0.01〜20重量%、特に0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。超吸収性ポリマーの処理中または処理後に液体担体の少なくとも一部を例えば蒸発により除去することが好ましい。
【0107】
超吸収性ポリマーに適用される液体組成物は、液体担体及び少なくとも1つの殺虫剤化合物に加えて、上記した慣用されている添加剤(製剤助剤)を含み得る。これらの添加剤は殺虫剤化合物の製剤に対して慣用されており、使用する製剤のタイプに依存し得る。これらの添加剤は通常超吸収性ポリマーとの混合後に除去されないので、本発明の組成物は上記添加剤を1つ以上含み得る。しかしながら、添加剤の全量は水を除く組成物の全重量に基づいて10重量%以下、例えば0.1〜10重量%である。
【0108】
超吸収性ポリマー顆粒の液体殺虫剤組成物での処理を15〜90℃、特に、30〜80℃、より好ましくは35〜60℃の温度で実施することが有利であることが判明した。特に、液体組成物で処理する前に、超吸収性ポリマー顆粒を上記した温度に加熱することが好ましい。
【0109】
本発明の目的で、超吸収性ポリマー顆粒をスプレーコーティング技術により処理することが有利であることが判明した。スプレーコーティング方法では、液体殺虫剤組成物、特に殺虫剤化合物の水性液体組成物を超吸収性ポリマー顆粒に噴霧し、液体担体の少なくとも一部を蒸発により除去する。こうして得られ得る吸水性殺虫剤組成物は特に有利な特性を有しているため、本明細書中に記載されているスプレーコーティング方法と同様に本発明の主題でもある。
【0110】
スプレーコーティングに使用される液体組成物の粘度が(室温で)10mPa.s以下であることが好ましく、特に0.8〜5mPa.s、より好ましくは0.9〜2mPa.sの範囲である。
【0111】
スプレーコーティングは、原則として当分野で公知である慣用の噴霧乾燥、スプレーコーティング及びスプレー造粒技術により実施され得る。好ましい技術は流動層スプレーコーティング技術である。
【0112】
流動層スプレーコーティングでは、噴霧中流動状態に維持されている超吸収性ポリマー粒子に対して液体殺虫剤組成物を例えば1つ以上のノズルを用いて噴霧する。流動状態とは、超吸収性ポリマー顆粒の見かけ密度が機械的手段により、特にガス流を超吸収性ポリマー顆粒に導入することにより低下し、それにより顆粒が上昇し、流動状態に維持されていることを意味する。
【0113】
適当な流動層方法は、少なくとも1つの殺虫剤の液体製剤が微細に霧化され、液滴が流動状態に保持されている超吸収性ポリマー顆粒とランダムに衝突するという原理に従って実施する。液滴のサイズは超吸収性ポリマー顆粒の粒子サイズより小さくなければならず、通常500μmを超えない。液滴のサイズはノズルのタイプ、噴霧条件(すなわち、液体製剤の温度、濃度及び粘度)により公知の方法で調節され得る。液体殺虫剤製剤の液滴をポリマー顆粒の粒子流と一緒に同時に導入しても(ボトムスプレーコーティング)、または側面から粒子流に導入してもよく(接線スプレーコーティング)、超吸収性ポリマー顆粒の流動層に上部から噴霧してもよい(トップスプレーコーティング)。
【0114】
好ましくは、超吸収性ポリマー顆粒の流動状態は、超吸収性ポリマー顆粒に導入され、これらの顆粒を流動層状態に維持するキャリヤーガスを用いて達成させる。適当なキャリヤーガスには空気、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン)及びその混合物が含まれる。
【0115】
噴霧乾燥装置に下から流入させることが好ましいキャリヤーガスのガス流は超吸収性ポリマー顆粒の全量が装置中で流動化されているように選択することが有利である。流動層に対するガス速度は通常、超吸収性ポリマー顆粒の最小流動化速度(Kunii及びLevenspiel,“Fluidization engineering”,1991に記載されている測定方法)を超え、最終速度以下、好ましくは最小流動化速度より10%速い速度である。ガス流は液体担体、すなわち水または有機溶媒を揮発させるためにも作用する。
【0116】
スプレーコーティングはバッチ式または連続式に実施し得る。連続式は、新鮮な超吸収性ポリマー粒子をスプレーコーティングデバイスに連続して供給し、デバイスの内部のすべての噴霧ゾーンを通過させた後、処理した超吸収性ポリマーをスプレーコーティングデバイスから連続して取り出すことを意味する。
【0117】
流動層技術を用いる適当なスプレーコーティングデバイスには、例えば種子粉衣業界及び製薬業界で周知の流動または懸濁層コーター及び噴流層コーターが含まれる。流動層技術を用い、本発明の方法のために適しているスプレーコーティング方法及びデバイスの例にはTelschigタイプのスプレーミキサー、Wurster方法及びGlatt−Zeller方法が含まれる。また、Schuggiミキサー、ターボライザーまたはプローシェアミキサーも適当である。
【0118】
Wurster方法及びGlatt−Zeller方法は、例えば「Pharmazeutische Technologie,Georg Thieme Verlag,第2版(1989),p.412−413」及び「Arzneiformenlehre,Wissenschaftliche Verlagsbuchhandlung mbH,Stuttgart 1985,p.130−132」に記載されている。商業規模での特に適当なバッチ式及び連続式流動層方法はDrying Technology,20(2),419−447(2002)にも記載されている。Telschigタイプのミキサーは、例えばChemie−Technik,22(1993),Nr.4,p.98ffに記載されている。これらの方法の各々は超吸収性ポリマー顆粒を殺虫剤製剤で処理するために同様に使用され得る。噴流層技術は、流動層を作成するためにスクリーンボトムの代わりに簡単なスロットを使用しており、流動化しにくい材料に対して特に適している。
【0119】
流動層技術を用いる適当な噴霧乾燥/スプレーコーティング装置、例えばタイプシリーズMP−Micro(商標)のMP−1 Multi−Processor(商標)及びStrea−1(商標)の実験室デバイス、タイプシリーズPrecision Coater(商標)及びMulti−Processor(商標)の製造デバイス(いずれもスイスに所在のGEA−Aeromatic Fielder AG);タイプシリーズWST及びWSGの流動層乾燥機または造粒装置、タイプシリーズGPCGの粉末コーター造粒装置、タイプシリーズAGTの連続式造粒デバイス、タイプシリーズGFの連続式流動層乾燥機、Multicell(商標)シリーズの半連続式流動層乾燥機、Procell(商標)シリーズの噴流層コーター(いずれもGlatt Maschinen−und Apparatebau AG)は市販されている。Glatt−Zeller方法のための適当な装置は、例えば米国特許第5,211,985号に記載されている。
【0120】
こうして得られ得る吸水性殺虫剤組成物は、液体製剤中に少なくとも1つの殺虫剤化合物、超吸収性ポリマー、水及び任意の追加添加剤を含有している。これらの成分の相対量は上に記載されている。殺虫剤化合物は主に顆粒の表面上に位置しているが、顆粒の内部に部分的に吸収させてもよい。
【0121】
本発明の吸水性殺虫剤組成物は、有害節足動物(特に、昆虫及び軟甲網)、線虫類及び腹足類を駆除するために適している。
【0122】
本発明の組成物は、土壌生息性有害生物、特に土壌生息性節足動物、例えば昆虫、特に鱗翅目、等翅目、鞘翅目、トビムシ目、双翅目、革翅目、膜翅目及び直翅目、特にキリギリス亜目の昆虫種、及び軟甲網、特に等脚目の節足動物種を駆除するのに特に有用である。本明細書中に記載されている組成物は土壌生息性有害生物を浸透及び/または非浸透防除するのに適している。前記組成物は有害生物のすべての発育段階またはその一部の段階に対して活性である。前記組成物は土壌生息性有害生物を非浸透防除するために特に適当である。
【0123】
本発明の組成物で駆除され得る節足動物種の例には以下のものが含まれる:
−鱗翅目、例えばタマナヤガ(Agrotis ypsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、Agrotis subterranea、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ツトガ(Crambus)種、Diatraea grandiosella、Feltia subterranea、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ヤガ(Euxoa)種及びジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella);
【0124】
−鞘翅目(甲虫)、例えばアカバナガタマムシ(Agrilus sinuatus)、Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Amphimallon solstitialis、Atomaria linearis、Ataenius種、ソナマメゾウムシ(Bruchus rufimanus)、Calendra種、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、Chaetocnema tibialis、Conoderus vespertinus、Crioceris asparagi、Cyclocephala hirta、Diabrotica longicornis、Diabrotica 12−punctata、Diabrotica barberi、Diabrotica virgifera、カネコメツキ(Limonius)種、Limonius californicus、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、Melanotus communis、Melolontha hippocastani、Melolontha melolontha、Naupactus leucoloma、キンケクチブトゾウムシ(Ortiorhynchus sulcatus)、Otiorrhynchus ovatus、Phyllotreta chrysocephala、Phyllophaga種、Phyllopertha horticola、キスジノミハムシ(Phyllotreta nemorum)、Phyllotreta striolata、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sardides)及びPopillia japonica;
【0125】
−等翅目(シロアリ)、例えばCalotermes flavicollis、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、Cryptotermes種、Heterotermes種、Kalotermes種、Leucotermes flavipes、Macrotermes種、Mastotermes種、Microtermes種、Nasutitermes種、Neotermes種、Odontotermes種、Prorhinotermes種、Reticulitermes lucifugus、Reticulitermes flavipes、Reticulitermes hesperus、Schedorhinotermes種及びTermes natalensis;
【0126】
−トビムシ目(トビムシ)、例えばキボツマルトビムシ(Bourleteilla hortensis)、Sminthurus viridis及びHypogastrura amata;
【0127】
−双翅目(ハエ)、例えばBibio albipennis、Bibio hortulanus、Bibio marci、クロバネキノコバエ(Bradysia)種、Delia種、チョウバエ(Psycoda)種、Scatella stagnalis、Sciara種、Tipula oleracea及びTipula paludosa;
【0128】
−革翅目(ハサミムシ)、例えばChelisoches morio、Forficula auricularia及びLabidura riparia;
【0129】
−膜翅目(アリ)、例えばオオアリ(Camponotus)種、Crematogaster ashmeadi、ヤマアリ(Formica)種、Lasius emarginatus、トビイロケアリ(Lasius brunneus)、Lasius niger、Linepithema humile、Messor種、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、Paratrechina種、Pheidole種、Pogonomyrmex種、Solenopsis invicta、Solenopsis molesta、Solenopsis xyloni、Solenopsis richteri、Tapinoma sessile、Technomyrmex albipes、トビイロシロアリ(Tetramorium caespitum)及びWasmannia auropunktata;
【0130】
−直翅目、キリギリス亜目(コオロギ)、例えばケラ(Gryllotalpa)種、Neocurtilla hexadactyla及びScapteriscus種。
【0131】
本発明の組成物は、Diabrotica種及びシロアリを駆除するのに特に有用である。
【0132】
本明細書中に記載されている殺虫剤組成物は線虫類を駆除するためにもうまく使用され得る。本発明の組成物を用いて駆除され得る線虫類には、特に植物寄生線虫、例えばネコブセンチュウ:アレナリアネコブセンチュウ(Meloidogyne arenaria)、Meloidogyne chitwoodi、Meloidogyne exigua、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、Meloidogyne incognita、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)及び他のMeloidogyne種;シストセンチュウ:ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、Globodera pallida、Globodera tabacum及び他のGlobodera種、ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、Heterodera schachtii、クローバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)及び他のHeterodera種;種瘤センチュ:Anguina funesta、コムギツブセンチュウ(Anguina tritici)及び他のAnguina種;ナミクキセンチュウ:イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragariae)、ハカレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)及び他のAphelenchoides種;スティングセンチュウ:Belonolaimus longicaudatus及び他のBelonolaimus種;マツセンチュウ:マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)及び他のBursaphelenchus種;ワセンチュウ:ワセンチュウ(Criconema)種、ワセンチュウ(Criconemella)種、Criconemoides種及びMesocriconema種;鱗茎センチュウ:イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、キノコセンチュウ(Ditylenchus myceliophagus)及び他のDitylenchus種;ツキギリセンチュウ:カタアリセンチュウ(Dolichodorus)種;ラセンセンチュウ:ナミラセンセンチュウ(Helicotylenchus dihystera)、Helicotylenchus multicinctus及び他のHelicotylenchus種、Rotylenchus robustus及び他のRotylenchus種;サヤセンチュウ:Hemicycliophora種及びHemicriconemoides種;Hirshmanniella種;ヤリセンチュウ:Hoplolaimus columbus、Hoplolaimus galeatus及び他のHoplolaimus種;ニセネコブセンチュウ:Nacobbus aberrans及び他のNacobbus種;ハリセンチュウ:Longidorus elongates及び他のLongidorus種;ピンセンチュウ:ピンセンチュウ(Paratylenchus)種;ネグサレセンチュウ:Pratylenchus brachyurus、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、Pratylenchus curvitatus、Pratylenchus goodeyi、Pratylencus neglectus、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、スクリブナーネグサレセンチュウ(Pratylenchus scribneri)、Pratylenchus vulnus、Pratylenchus zeae及び他のPratylenchus種;Radinaphelenchus cocophilus及び他のRadinaphelenchus種;ネモグリセンチユウ:Radopholus similis及び他のRadopholus種;ニセフクロセンチュウ:ニセフクロセンチュウ(Rotylenchulus reniformis)及び他のRotylenchulus種;Scutellonema種;ユミハリセンシュウ:Trichodorus primitivus及び他のTrichodorus種;ヒメユミハリセンチュウ(Paratrichodorus minor)及び他のParatrichodorus種;イシュクセンチュウ:ナミイシュンセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)、Tylenchorhynchus dubius及び他のTylenchorhynchus種及びMerlinius種;ミカンネセンチュウ:ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)及び他のTylenchulus種;オオハリセンチュウ:Xiphinema americanum、Xiphinema index、Xiphinema diversicaudatum及び他のXiphinema種;並びに他の植物寄生線虫種が含まれる。
【0133】
本明細書中に記載されている殺虫剤組成物は、柄眼目の腹足類を駆除するためにうまく使用され得る。
【0134】
土壌生息性有害生物は通常、標的有害生物、その食糧またはその場所を殺虫有効量の本明細書中に記載されている殺虫剤組成物と接触させることにより防除され得る。「場所」は、有害生物または寄生虫が生育しているかまたは生育する恐れがある生育場所、繁殖地、地区、材料または環境を意味する。一般的に、「殺虫有効量」は、生育に対して観察可能な効果(壊死、死、阻止、予防、並びに標的生物の発生及び活性の除去、破壊または他の方法での低下の効果を含む)を達成するのに必要な活性成分の量を意味する。殺虫有効量は本発明において使用される各種組成物毎に異なり得る。組成物の殺虫有効量は、所望する殺虫効果及び期間、標的種、場所、施用モード等のような一般的な条件に従っても異なり得る。
【0135】
本発明の吸水性殺虫剤組成物は土壌生息性有害生物を駆除するために特に有用であり、よって組成物を土壌に対して施用することが好ましい。特に、組成物は土壌中に導入されるか、または地下に、例えば地下0.5〜50cmに施用される。しかしながら、殺虫剤組成物を土壌上に施用してもよい。
【0136】
標的有害生物を効果的に防除するために必要な殺虫剤化合物の量は有害生物の種類及び殺虫剤化合物に依存し得、0.1〜2000g/ha、望ましくは1〜600g/ha、より望ましくは5〜500g/haの殺虫剤化合物であり得る。経験則から言って、水吸収性殺虫剤組成物により、標的有害生物を効果的に防除するのに必要な殺虫剤化合物の量を従来の殺虫剤粒剤と比較して少なくとも20%、特に少なくとも40%低減させることができる。
【0137】
上に概説したように、本発明の組成物を活性化するためには水を存在させなければならない。組成物中の超吸収性ポリマーに基づいて5重量%くらいの少量でも十分であり得るが、水の量が組成物中の超吸収性ポリマーに基づいて10重量%、好ましくは20重量%、特に50重量%、特に100重量%を超えるときに有効性が増加する。組成物中の超吸収性ポリマーの膨潤性のために、乾燥組成物は水を添加するか、或いは大気または土壌から湿気を吸収することにより活性化され得る。組成物を乾燥状態で土壌に施用し、場合により水を添加することにより活性化することが好ましい。
【0138】
本発明の好ましい実施形態は、土壌生息性有害節足動物、特にシロアリが攻撃または侵入しやすい建築物(例えば、家屋、離れ家、カーポート、工場等)の保護に関する。この実施形態では、殺虫剤組成物を土壌に施用して、土壌生息性有害生物の攻撃または侵入から保護すべき建築物を完全に囲む処理域を形成する。この建築物を囲む処理域は、土壌に狭い溝を掘り、その溝に吸水性殺虫剤組成物を導入し、場合により水で湿らせ、溝を例えば掘り出した土壌で埋め戻すことにより作成し得る。溝を埋め戻した後に湿らせてもよい。また、掘り出した土壌を吸水性殺虫剤組成物と混合した後、混合物を場合により湿らせ、溝に埋め戻してもよい。また、本明細書に記載されている殺虫剤組成物を土壌上に施用してもよい。しかしながら、この場合組成物に土壌を被せるほうが有利である。効果的に防除するのに必要な殺虫剤の量は組成物中の殺虫剤化合物に応じて異なり得るが、通常純粋な殺虫剤化合物として計算して0.05〜100mg/m処理域、特に0.1〜50mg/m処理域である。殺虫剤組成物を土壌に施用して建築物の周辺に沿ってばらばらの処理域を形成してもよい。
【0139】
同様に、土壌生息性有害節足動物、特にシロアリ及び/またはアリが攻撃または侵入しやすい材料も保護され得る。前記材料には、木材(例えば、樹木、ボードフェンス、枕木、家具等)や木製建築材料、並びに皮製品、ファイバー、ビニル物品、電線及びケーブル等が含まれる。しかしながら、材料を保護するためには、本発明の殺虫剤組成物を材木物品(例えば、床下コンクリートの表面、床柱、梁、合板、家具等)、木製物品(例えば、パーティクルボード、ハーフボード等)、ビニル物品(例えば、被覆電線及びビニールシート)、断熱材料(例えば、スチレンフォーム等)に対して施用することもできる。
【0140】
本発明の別の好ましい実施形態は、土壌生息性有害節足動物が攻撃または侵入しやすい栽培植物の圃場の保護に関する。この実施形態では、土壌生息性有害生物の攻撃または侵入から保護すべき圃場中の土壌に殺虫剤組成物を配合することにより効果的に防除される。施用は全面でも、畝状または帯状でもよい。所要により、水を添加することにより組成物を活性化してもよい。組成物に土壌を被せることが有利なことがある。効果的に防除するのに必要な殺虫剤の量は殺虫剤組成物中に含まれる殺虫剤化合物に応じて異なり得る。その量は、純粋な殺虫剤化合物として計算して通常0.5〜1000g/ha、特に1〜500g/haである。この実施形態は、Diabrotica種、ネキリムシ(Phyllophaga等)、コメツキムシ(Agriotes等)及びシロアリを効果的に防除するために特に有用である。このようにして保護され得る作物には、大豆、豆、セイヨウアブラナ、ジャガイモ、コーン、トウモロコシ、小麦、大麦、オート麦、モロコシ、コメ、テンサイ、ヒマワリ、サトウキビ、芝生及び飼料、エンドウ豆、アブラヤシ、コーヒー、マンゴウ、ゴム、ワタ、観賞植物及び野菜(例えば、カボチャ、トマト、レタス、ニンジン、タマネギ及びアブラナ)が含まれる。
【0141】
作物またはヒトに対して害を与えるアリに対して施用する場合、本発明の組成物はアリの巣またはその周囲に対して直接施用してもよい。
【0142】
本発明の別の実施形態では、殺虫剤組成物は種子を有害生物から保護するために使用される。この方法では、種子材料を土壌に対して本明細書中に記載されている顆粒状殺虫剤組成物と一緒に施用する。種子を蒔くときに顆粒状殺虫剤組成物と種子の混合物を施用することが好ましい。しかしながら、種子及び殺虫剤組成物の両方が土壌中に存在していることが保証されるならば、種子材料及び殺虫剤組成物を別々に施用することも可能である。効果的に保護するのに必要な殺虫剤の量は殺虫剤組成物中に含まれる殺虫剤化合物に応じて異なり得る。その量は通常、組成物中に含まれる殺虫剤化合物の量が殺虫剤化合物として計算して0.1〜10kg/100kg種子、好ましくは1〜5kg/100kg種子であるように選択される。この実施形態は、種子を効果的に防除するために特に有用である。このようにして保護され得る種子には、大豆、豆、セイヨウアブラナ、ジャガイモ、コーン、トウモロコシ、小麦、大麦、オート麦、モロコシ、コメ;テンサイ、ヒマワリ、サトウキビ、芝生及び飼料、エンドウ豆、ワタ、観賞植物の種子;及び野菜(例えば、カボチャ、トマト、レタス、ニンジン、タマネギ及びアブラナ)の種子が含まれる。
【0143】
以下の実施例は、本発明を更に説明することを意図している。
【実施例】
【0144】
超吸収性ポリマーSAP1:DI水の吸水能力が320g/gであり、粒子サイズが0.85〜2mmであるアクリル酸カリウムとアクリルアミドの架橋コポリマーの顆粒(フランスのアンドレジューに所在のSNF FLOERGER製Aquasorb 3005 K2)。
【0145】
超吸収性ポリマーSAP2:DI水の吸水能力が350g/gであり、粒子サイズが0.3〜1mmであるアクリル酸カリウムとアクリルアミドの架橋コポリマーの顆粒(フランスのアンドレジューに所在のSNF FLOERGER製Aquasorb 3005 KM)。
【0146】
超吸収性ポリマーSAP3:粒子サイズが0.1〜0.5mmであるアクリル酸ナトリウムとアクリル酸の架橋コポリマーの顆粒。
【0147】
殺虫剤製剤P1:20重量%のフィプロニル、40重量%のコーン油、13重量%の界面活性剤、0.7重量%の消泡剤、0.2重量%の殺菌剤、100重量%までの水を含有するフィプロニルの水性懸濁製剤。
【0148】
殺虫剤製剤P2:50重量%のフィプロニル、5重量%のプロピレングリコール、6重量%の界面活性剤、0.7重量%の脱泡剤、1.0重量%の赤色染料、0.2重量%の増粘剤、0.2重量%の殺菌剤、100重量%までの水を含有する水性懸濁製剤。
【0149】
殺虫剤製剤P3:20重量%の化合物P5a、5重量%のプロピレングリコール、6.4重量%の界面活性剤、0.5重量%の脱泡剤、0.2重量%のキサンタンガム、0.5重量%の殺菌剤、100重量%までの水を含有する化合物P5aの水性懸濁製剤。
【化5】

【0150】
殺虫剤製剤P4:5重量%のフィプロニル、10.5重量%のトリブチルホスフェート、2.5重量%のジメチルスルホキシド、42.5重量%のN,N−ジメチルオクタンアミド、20.0重量%の界面活性剤、100%までの水を含有するフィプロニルマイクロエマルション製剤。
【0151】
殺虫剤製剤P5:25重量%のフィプロニル、5重量%のプロピレングリコール、3.5重量%の界面活性剤、0.6重量%の脱泡剤、1.0重量%の赤色染料、0.3重量%の増粘剤、0.15重量%の殺菌剤、100重量%までの水を含有する水性懸濁製剤。
【0152】
殺虫剤製剤P6:50重量%のフィプロニル、3重量%のプロピレングリコール、4.3重量%の界面活性剤、0.4重量%の脱泡剤、0.25重量%の増粘剤、0.2重量%の殺菌剤、100重量%までの水を含有する水性懸濁製剤。
【0153】
実施例1
殺虫剤製剤P1を3.4重量%のフィプロニル含量となるまで等量ずつのクエン酸水溶液及び食用着色染料(FD&C ブルーNo.1,BASF AG)水溶液で希釈した。得られた希釈物中のクエン酸の濃度は6.7重量%であり、染料の濃度は1.0重量%であった。生じた希釈物は(25℃で)1.05mPa.sの粘度を有していた。
【0154】
<0.05g/gの含水量を有する超吸収性ポリマーSAP1(295g)を慣用の実験室用流動層乾燥機(Aeromatic Fielder−Strea−1(商標))に導入し、流動化し、熱空気(70℃)流を用いて40〜50℃に加熱した。次いで、超吸収性ポリマーに希釈した殺虫剤製剤を40〜50℃で約300ml/hで噴霧した。10分後、噴霧を中止し、得られた顆粒状物質を更にこの温度で10分間流動化した。得られた顆粒状物質は以下の組成:
1.0重量部のフィプロニル;
2.0重量部のクエン酸;
0.3重量部の染料;
0.95重量部の界面活性剤;
0.04重量部の消泡剤;
0.01重量部の殺菌剤;
2.0重量部のコーン油;
4.0重量部の水;
100重量部までの超吸収性ポリマーSAP1;
を有していた。
【0155】
実施例2〜5
殺虫剤製剤P2を0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%及び0.42重量%のフィプロニル含量となるまでクエン酸水溶液で希釈した。希釈物中のクエン酸の濃度は1.7重量%であった。生じた希釈物は(25℃で)1.05mPa.sの粘度を有していた。
【0156】
実施例1と同様にして、<0.05g/gの含水量を有する超吸収性ポリマーSAP1に希釈物を噴霧した。こうして得た顆粒状物質は表1に示す組成を有していた。
【0157】
実施例6
実施例2〜5と同様にして、殺虫剤製剤P2を0.05重量%のフィプロニル含量となるまでクエン酸水溶液で希釈した。クエン酸の濃度は6.7重量%であり、染料の濃度は1.0重量%であった。生じた希釈物は(25℃で)1.05mPa.sの粘度を有していた。
【0158】
実施例2〜5と同様にして、<0.05g/gの含水量を有する超吸収性ポリマーSAP2に希釈物を噴霧した。こうして得た顆粒状物質は表1に示す組成を有していた。
【表1】

【0159】
実施例7〜10
殺虫剤製剤P3を0.05重量%、0.10重量%、0.20重量%及び0.42重量%の活性成分含量となるまで等量ずつのクエン酸水溶液及び顔料(X−Fast Yellow,BASF AG)水溶液で希釈した。得られた希釈物中のクエン酸の濃度は1.67重量%であり、染料の濃度は0.17重量%であった。生じた希釈物は(25℃で)1.05mPa.sの粘度を有していた。
【0160】
実施例1と同様にして、<0.05g/gの含水量を有する超吸収性ポリマーSAP1に希釈物を噴霧した。こうして得た顆粒状物質は表2に示す組成を有していた。
【表2】

【0161】
実施例11
殺虫剤製剤P4を0.417重量%の活性成分含量となるまでクエン酸水溶液で希釈した。生じた希釈物は(25℃で)1.05mPa.sの粘度を有しており、クエン酸の濃度は1.67重量%であった。
【0162】
実施例1と同様にして、<0.05g/gの含水量を有する超吸収性ポリマーSAP1に希釈物を噴霧した。こうして得た顆粒状物質は以下に示す組成:
0.125重量部のフィプロニル;
0.5重量部のクエン酸;
0.326重量部のトリブチルホスフェート;
0.063重量部のジメチルスルホキシド;
1.533重量部の界面活性剤;
0.025部の脱泡剤;
1.0重量部の水;及び
96.43重量部の超吸収性ポリマーSAP1;
を有していた。
【0163】
実施例12〜15
実施例12〜15の組成物は、実施例2〜5と同様に、超吸収性ポリマーSAP1またはSAP3に殺虫剤製剤P2またはP5の水性希釈物を噴霧することにより製造した。こうして得た顆粒状物質は表3に示す組成を有していた。
【表3】

【0164】
実施例16〜18
実施例16〜18の組成物は、実施例2〜5と同様に、超吸収性ポリマーSAP1またはSAP3に殺虫剤製剤P2またはP5の水性希釈物を噴霧することにより製造した。こうして得た顆粒状物質は表4に示す組成を有していた。
【表4】

【0165】
生物学的試験
試験例1:イースタン地下シロアリの防除
土壌暴露による実施例12〜18の組成物のイースタン地下シロアリ(Reticulitermes flavipes)に対する効力を従来の懸濁製剤と比較するために実験室アッセイを実施した。
【0166】
バイオアッセイは、水分のために1%寒天層を有する60×15mmペトリ皿において1ペトリ皿あたり15匹の働きシロアリを用いて実施した。顆粒状製剤を、手で振とうし、市販のジャーローラーを用いて混合することによりPrinceton砂質ローム土壌に配合した。配合後、水を圃場容水量まで添加し、土壌を再びローラーでならした。土壌を圃場容水量で一晩放置した。次いで、土壌を24時間風乾させた後、試験皿に移した。従来のフィプロニル懸濁製剤を標準として使用し、未処理の土壌を対照として使用した。試験皿を約26℃、85%RHで維持した。死亡率について皿を13日間毎日観察した。活性成分の濃度は溝中0.0004875%(w/w)であった。結果を表5に示す。
【表5】

【0167】
試験例2及び3:イースタン地下シロアリの防除−効力及び忌避性
ペトリ皿試験方法:組成物を、8オンスの丸型ガラス製Qorpakジャー中の250gのPrinceton砂質ローム土壌に0.0625%a.i.のフィプロニルの割合で配合した。土壌を手と市販のジャーローラーを用いて〜1時間十分に混合した。各ジャーに水(17.5ml=圃場容水量)を添加し、土壌を再び同一方法で混合した。土壌をプラスチック秤量ボートに置き、一晩乾燥した。バイオアッセイは、2g/皿の処理土壌を入れた60×15mmプラスチック製ペトリ皿において実施した。15匹の働きシロアリ(Reticulitermes flavipes)を各皿に入れ、1cm×1cmの湿らした濾紙片を飼料源として使用した。死亡率/瀕死及び中毒について試験した。各処理を5回繰り返し、1及び2DATにカウントした。結果を表6に示す。
【表6】

【0168】
トンネルチューブ試験方法:組成物を、8オンスの丸型ガラス製Qorpakジャー中の250gのPrinceton砂質ローム土壌に0.0625%のフィプロニルの割合で配合した。土壌を手と市販のジャーローラーを用いて〜1時間十分に混合した。各ジャーに水(17.5ml=圃場容水量)を添加し、土壌を再び同一方法で混合した。土壌をプラスチック秤量ボートに置き、一晩乾燥した(土壌は2005年11月15日に処理した)。バイオアッセイはPVCチューブにおいて実施した。アッセイ構成(チューブの底部から上部へ):2cmの湿らした洗浄木材繊維、1cmの5%寒天プラグ、5cmの処理したPrinceton砂質ローム土壌(100gの土壌あたりの水の圃場容水量)、1cmの5%寒天プラグ。30匹の働きシロアリ(Reticulitermes flavipes)を各チューブの上部(寒天プラグの上)に入れた。1及び2DATでの土壌カラム中のトンネリング(cm)及び3DATでの死亡率/瀕死及び中毒について試験を評価した。死亡率評価は、破壊的サンプリング方法を用いて実施した。各処理を6回繰り返した。結果を表7及び8に示す。
【表7】

【表8】

【0169】
試験例4:イースタン地下シロアリの防除
試験例4は、化合物P5aを含有する製剤を用いて試験例1と同様に実施した。土壌(Princeton砂質ローム)を配合し、働きイースタン地下シロアリ(Reticulitermes flavipes)に対する生物活性について、化合物P5の超吸収性製剤を化合物P5のDC製剤と比較した。
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)0.001〜10重量%の少なくとも1種の有機殺虫剤化合物、
ii)80〜99.999重量%の少なくとも1種の顆粒状超吸収性ポリマー、及び
iii)水
を含有する吸水性顆粒状物質の形態の殺虫剤組成物であって、重量%は水を除く組成物の全重量を基準とし、
前記成分i)及びii)は水を除く組成物の少なくとも90重量%を占め、
前記吸水性顆粒状物質は超吸収性ポリマー顆粒を少なくとも1種の有機殺虫剤化合物を含有する液体水性組成物でスプレーコーティングすることを含む方法により得ることができ、
超吸収性ポリマーが、エチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマーであって、モノマーMが、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CAまたはその塩と少なくとも1種のモノエチレン性不飽和酸のアミドAMとの混合物を、モノマーMの全重量に基づいて少なくとも90重量%含む前記架橋コポリマー、及びエチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマーであって、モノマーMが、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CAと少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CAのアルカリ金属塩との混合物を、モノマーMの全重量に基づいて少なくとも90重量%含む前記架橋コポリマーから選択される、前記殺虫剤組成物。
【請求項2】
モノマーMが、アクリル酸またはそのアルカリ金属塩とアクリルアミドとの混合物を、モノマーMの全重量に基づいて少なくとも90重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
モノマーMが、アクリル酸とアクリル酸のアルカリ金属塩との混合物を、モノマーMの全重量に基づいて少なくとも90重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
殺虫剤含有物質の顆粒が0.1〜5mmの範囲の平均粒子サイズを有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の殺虫剤化合物が
−クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン、ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、スピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマトからなる群から選択される成長調節剤、
−ニコチノイド殺虫剤、
−有機(チオ)ホスフェート、
−カルバメート、
−ピレスロイド、
−GABAアンタゴニスト化合物、
−大環状ラクトン殺虫剤、
−フェナザキン、エンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム及びロテノンからなる群から選択されるミトコンドリア複合体I電子伝達インヒビター、
−アセキノシル、フルアシプリム及びヒドラメチルノンからなる群から選択されるミトコンドリア複合体III電子伝達インヒビター、
−クロルフェナピル及びDNOCからなる群から選択される脱共役化合物、
−アゾシクロチン、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット及びテトラジホンからなる群から選択される酸化的リン酸化インヒビター化合物、
−シロマジン、クロマフェノジド、ハロゲノジド、メトキシフェノジド及びテブテノジドからなる群から選択される脱皮攪乱化合物、
−ピペロニルブトキシド及びトリブホスからなる群から選択される混合機能オキシダーゼインヒビター化合物(共力剤)、
−インドキサカルブ及びメタフルミゾンからなる群から選択されるナトリウムチャネルブロッカー化合物、
−クリロタイ、ピメトロジン及びフロニカミドからなる群から選択される選択的摂食ブロッカー、
−クロフェンテジン、ヘキシチアゾックス及びエトキサゾールからなる群から選択されるダニ成長インヒビター、
−ブプロフェジン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン及びトリフルムロンからなる群から選択されるキチン合成インヒビター、
−スピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマトからなる群から選択される脂質生合成インヒビター、
−アミトラズであるオクタパミン作動性アゴニスト、
−フルベンジアミドであるリアノジン受容体モジュレーター、
−式P5:
【化1】

[式中、
X及びYは各々独立してハロゲンであり、
WはハロゲンまたはC−C−ハロアルキルであり、
は各々が1、2、3、4または5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、
及びRはC−C−アルキルであるか、または隣接炭素原子と一緒になって1、2または3個のハロゲン原子を有していてもよいC−C−シクロアルキル部分を形成していてもよく、
は水素またはC−C−アルキルである]
を有する化合物及びその農業上許容される塩、
−式P6:
【化2】

[式中、
はCH、Cl、Br、Iであり、
XはC−H、C−Cl、C−FまたはNであり、
Y’はF、ClまたはBrであり、
Y”はH、F、ClまたはCFであり、
は水素、Cl、Br、I、CNであり、
はCl、Br、CF、OCHCF、OCFHであり、
は水素、CHまたはCH(CHである]
を有するアントラニルアミド化合物、
亜リン酸アルミニウム、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ホウ砂、ブロモプロピレート、シエノピラフェン、シフルメトフェン、キノメチオネート、ジコホル、フルオロアセテート、ピリダリル、ピリフルキナゾン、硫黄、酒石酸アンチモニルカリウム及びマロジニトリル化合物
の群から選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
超吸収性ポリマー顆粒を少なくとも1種の殺虫剤化合物を含有する液体水性組成物でスプレーコーティングすることを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性顆粒状物質の製造方法。
【請求項7】
液体水性組成物中の少なくとも1種の殺虫剤化合物の濃度が、組成物の全重量に基づいて、0.001〜20重量%である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種の殺虫剤化合物の液体水性組成物が中和剤を含有している、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種の殺虫剤化合物の液体水性組成物が少なくとも1種の界面活性剤を含有している、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
有害節足動物、腹足類及び線虫類を駆除するための請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項11】
節足動物、腹足類及び線虫類から選択される有害生物、前記有害生物が生育しているかまたは生育する恐れがあるその生育場所、繁殖地、食糧、植物、種子、土壌、地区、材料または環境、或いは前記有害生物の攻撃または侵入から保護すべき材料、植物、種子、土壌、表面またはスペースを殺虫有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種の殺虫剤組成物と接触させることを含む、前記有害生物の駆除方法。
【請求項12】
殺虫有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種の殺虫剤組成物を土壌に対して施用することを含む、土壌生息性有害節足動物、腹足類及び線虫類の駆除方法。
【請求項13】
土壌生息性有害生物が等翅目、鱗翅目、鞘翅目、トビムシ目、双翅目、革翅目、膜翅目、直翅目及び等脚目から選択される昆虫である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
殺虫剤組成物を土壌生息性有害生物の攻撃または侵入から保護すべき建築物の周りの狭い敷地に施用する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
殺虫剤組成物を土壌生息性有害生物の攻撃または侵入から保護すべき作物の圃場に施用する、請求項12、13または14に記載の方法。
【請求項16】
殺虫剤組成物を種子と一緒に施用する、請求項12、13または14に記載の方法。

【公開番号】特開2013−67648(P2013−67648A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273386(P2012−273386)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2008−557767(P2008−557767)の分割
【原出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】