説明

有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法

【課題】有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供すること。
【解決手段】フロニカミドと、トリシクラゾールと、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシンからなる群より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有害節足動物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978-1-901396-18-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を見出すべく検討した結果、フロニカミドと、トリシクラゾールと、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシン塩酸塩からなる群より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する組成物が、相乗効果を示し、有害節足動物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明とは以下の[1]〜[5]のものである。
[1] フロニカミドと、トリシクラゾールと、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシン塩酸塩からなる群より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
[2] フロニカミドと、トリシクラゾールとの重量比が、100:1〜1:100である[1]記載の有害節足動物防除組成物。
[3] フロニカミドと、植物病害防除化合物との重量比が、500:1〜1:100である[2]の有害節足動物防除組成物。
[4] [1]〜[3]いずれか一項記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
[5] 植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である[4]記載の有害節足動物の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の有害節足動物防除組成物とは、フロニカミドと、トリシクラゾールと、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシン塩酸塩からなる群より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物(以下、本植物病害防除化合物と記す場合がある。)とを含有するものである。
本発明に用いられるフロニカミドは公知の化合物であり、たとえば特許第2994182号公報に記載された方法で製造することができる。
また、本発明に用いられる、トリシクラゾール、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシン塩酸塩はいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の1163、559、871及び68ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0008】
本発明の有害節足動物防除組成物における、フロニカミドとトリシクラゾールと本植物病害防除化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、フロニカミド100重量部に対して、トリシクラゾールが、通常0.1〜100000重量部、好ましくは1〜10000重量部であり、本植物病害防除化合物が、通常0.02〜100000重量部、好ましくは0.2〜10000重量部である。
【0009】
本発明の有害節足動物防除組成物は、フロニカミドとトリシクラゾールと本植物病害防除化合物とを単に混合したものでもよいが、通常は、フロニカミド、トリシクラゾール及び本植物病害防除化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものが用いられる。
また、前記の製剤化された有害節足動物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して有害節足動物防除剤として使用することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物における、フロニカミド、トリシクラゾール及び本植物病害防除化合物の合計量は、通常0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜70重量%の範囲である。
【0010】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0011】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害節足動物(例えば、有害昆虫及び有害ダニ)による加害から植物を保護するために用いることができる。
【0012】
本発明の有害節足動物防除組成物が防除効力を有する有害節足動物としては、例えば次のものが挙げられる。
【0013】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、ホソハリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ターニシュトプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類、ペアシラ(Cacopsylla pyricola)等のキジラミ類等。
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)、オニオンスリップス(Thrips tabaci)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等のアザミウマ類等;
【0014】
前記有害節足動物の中でも、好ましい例として、ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類等を挙げることができる。
【0015】
本発明の有害節足動物防除組成物は植物病害を防除する目的で使用してもよく、例えばイネのいもち病(Magnaporthe grisea)及びイネの紋枯病(Rhizoctonia solani)を防除することができる。
【0016】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、有害節足動物を防除するために用いられる。ここで植物としては、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子等が挙げられる。
【0017】
本発明の有害節足動物の防除方法は、本発明の有害節足動物防除組成物を処理することにより行われるが、具体的には例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への処理、土壌処理、水面施用などの植物の栽培地への処理等が挙げられる。
【0018】
本発明の有害節足動物組成物を、植物又は植物の栽培地に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、フロニカミドとトリシクラゾールと本植物病害防除化合物との合計量として、当該植物を栽培する場所1000m2あたり通常0.5〜3000g、好ましくは5〜300gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、フロニカミドと本植物病害防除化合物との合計での濃度は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0019】
本発明の有害節足動物の防除方法は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて使用することができる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(アブラナ、ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【0020】
前記植物の中でも、好ましい例として、トウモロコシ、コムギ、イネ等を挙げることができる。その中でも、イネが好ましい。
【0021】
上記「植物」は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0023】
まず、製剤例を示す。
【0024】
製剤例1
フロニカミド15部、トリシクラゾール8部及びフルトラニル15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0025】
製剤例2
フロニカミド15部、トリシクラゾール8部及びペンシクロン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0026】
製剤例3
フロニカミド15部、トリシクラゾール8部及びカスガマイシン塩酸塩1.37部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土49.63部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0027】
製剤例4
フロニカミド1部、トリシクラゾール0.5部及びフルトラニル2部、カオリンクレー86.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0028】
製剤例5
フロニカミド1部、トリシクラゾール0.5部及びペンシクロン1.5部を、カオリンクレー87部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0029】
製剤例6
フロニカミド1部、トリシクラゾール0.5部及びカスガマイシン塩酸塩0.11部、カオリンクレー88.39部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0030】
製剤例7
フロニカミド10部、トリシクラゾール4部、フルトラニル6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0031】
製剤例8
フロニカミド10部、トリシクラゾール4部、ペンシクロン6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0032】
製剤例9
フロニカミド10部、トリシクラゾール4部、カスガマイシン塩酸塩1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0033】
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
【0034】
試験例1(ムギクビレアブラムシに対する殺虫活性試験)
フロニカミド、トリシクラゾール、フルトラニル及びペンシクロン30mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)0.3mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住化タケダ園芸製)0.02容量%を含有する水で希釈した。カスガマイシン塩酸塩一水和物を、所定濃度になるように展着剤(ダイン)0.02容量%を含有する水で希釈した。フロニカミドの水希釈液と、トリシクラゾールの水希釈液と、フルトラニル、ペンシクロン又はカスガマイシンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗に、前記試験用薬液を株あたり10ml散布した。このイネ稚苗を風乾後、ガラス製試験管(直径30mm、高さ200mm)に入れた。散布1日後、その試験管の中にムギクビレアブラムシの2〜3齢幼虫を20頭ずつ放飼し、室内(25℃、湿度55%)に置いた。5日後に試験管の中にムギクビレアブラムシの生死を観察し、生存虫数を求めた。試験は2反復で行った。その平均値を表1に示す。
【0035】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロニカミドと、トリシクラゾールと、フルトラニル、ペンシクロン及びカスガマイシン塩酸塩からなる群より選ばれる1種以上の植物病害防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
【請求項2】
フロニカミドと、トリシクラゾールとの重量比が、100:1〜1:100である請求項1記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項3】
フロニカミドと、植物病害防除化合物との重量比が、500:1〜1:100である請求項2記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
【請求項5】
植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である請求項4記載の有害節足動物の防除方法。

【公開番号】特開2012−41305(P2012−41305A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184721(P2010−184721)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】