説明

有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法

【課題】有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供すること。
【解決手段】式(I)


[式中、各記号は明細書中に記載の定義を表す。]で示されるアミド化合物又はその塩と、
群(A)から選ばれる少なくとも1種のネオニコチノイド化合物とを含有する有害節足動物防除組成物は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する。
群(A):イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアクロプリド及びニテンピラムからなる群。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有害節足動物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】The Pesticide Manual − 15th edition(BCPC刊)ISBN 978−1−901396−18−8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を見出すべく検討した結果、下記式(I)で示されるアミド化合物又はその塩と、下記群(A)から選ばれる少なくとも1種のネオニコチノイド化合物とを含有する組成物が、有害節足動物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[5]の通りである。
[1] 式(I)

〔式中、
1は、(ヒドロキシカルボニル)C1−C6アルキル基、(ヒドロキシカルボニル)C2−C6アルケニル基、(アミノカルボニル)C1−C6アルキル基、(アミノカルボニル)C2−C6アルケニル基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C1−C6)アルキル基又は(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C2−C6)アルケニル基を表し、
2は、フェニル基、1−ナフチル基又は3−インドリル基を表す。
但し、該R2で表されるフェニル基、1−ナフチル基及び3−インドリル基を構成し、かつ置換基を有し得る炭素原子は、いずれも、相互に独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、C1−C6アルキル基又はC1−C6アルコキシ基を置換基として有していてもよい。〕
で示されるアミド化合物又はその塩と、
群(A)から選ばれる少なくとも1種のネオニコチノイド化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
群(A):イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアクロプリド及びニテンピラムからなる群。
[2] アミド化合物又はその塩とネオニコチノイド化合物との含有量の比が、重量比で100:1〜1:100である[1]記載の有害節足動物防除組成物。
[3] [1]又は[2]記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用する工程を有してなる有害節足動物の防除方法。
[4] [1]又は[2]記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物種子に施用する工程を有してなる有害節足動物の防除方法。
[5] 植物種子が、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、テンサイ、ナタネ又はイネの種子である[4]記載の有害節足動物の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の有害節足動物防除組成物とは、式(I)

〔式中、
1は、(ヒドロキシカルボニル)C1−C6アルキル基、(ヒドロキシカルボニル)C2−C6アルケニル基、(アミノカルボニル)C1−C6アルキル基、(アミノカルボニル)C2−C6アルケニル基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C1−C6)アルキル基又は(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C2−C6)アルケニル基を表し、
2は、フェニル基、1−ナフチル基又は3−インドリル基を表す。
但し、該R2で表されるフェニル基、1−ナフチル基及び3−インドリル基を構成し、かつ置換基を有し得る炭素原子は、いずれも、相互に独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、C1−C6アルキル基又はC1−C6アルコキシ基を置換基として有していてもよい。〕
で示されるアミド化合物(以下、本アミド化合物と記す。)又はその塩と、下記群(A)から選ばれる少なくとも1種のネオニコチノイド化合物(以下、本ネオニコチノイド化合物と記す。)とを含有する。
群(A):イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアクロプリド及びニテンピラムからなる群。
【0008】
式(I)において、R1で表される
(ヒドロキシカルボニル)C1−C6アルキル基としては、例えば、ヒドロキシカルボニルメチル基、2−(ヒドロキシカルボニル)エチル基、3−(ヒドロキシカルボニル)プロピル基及び4−(ヒドロキシカルボニル)ブチル基が挙げられ、
(ヒドロキシカルボニル)C2−C6アルケニル基としては、例えば、2−(ヒドロキシカルボニル)エテニル基、3−(ヒドロキシカルボニル)−2−プロペニル基及び3−(ヒドロキシカルボニル)−1−プロペニル基が挙げられ、
(アミノカルボニル)C1−C6アルキル基としては、例えば、アミノカルボニルメチル基、2−(アミノカルボニル)エチル基、3−(アミノカルボニル)プロピル基及び4−(アミノカルボニル)ブチル基が挙げられ、
(アミノカルボニル)C2−C6アルケニル基としては、例えば、2−(アミノカルボニル)エテニル基、3−(アミノカルボニル)−2−プロペニル基及び3−(アミノカルボニル)−1−プロペニル基が挙げられ、
(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C1−C6)アルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、3−(メトキシカルボニル)プロピル基、4−(メトキシカルボニル)ブチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基及び4−(エトキシカルボニル)ブチル基が挙げられ、
(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C2−C6)アルケニル基としては、例えば、2−(メトキシカルボニル)エテニル基、3−(メトキシカルボニル)−2−プロペニル基、3−(メトキシカルボニル)−1−プロペニル基、2−(エトキシカルボニル)エテニル基、3−(エトキシカルボニル)−2−プロペニル基及び3−(エトキシカルボニル)−1−プロペニル基が挙げられる。
【0009】
式(I)において、R2で表されるフェニル基、1−ナフチル基及び3−インドリル基を構成し、かつ置換基を有し得る炭素原子が、いずれも、互いに独立して有していてもよい置換基のうち、
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、
C1−C6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基及び4−メチルペンチル基が挙げられ、
C1−C6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、1−メチルエトキシ基、2−メチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基及び4−メチルペンチルオキシ基が挙げられる。
【0010】
式(I)においては、R2で表されるフェニル基、1−ナフチル基及び3−インドリル基を構成し、かつ置換基を有し得る炭素原子の2以上が、同時にハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、C1−C6アルキル基又はC1−C6アルコキシ基を置換基として有する場合が存在するが、かかる場合に各炭素原子に有される置換基は互いに同一であってもよく、また相異なっていてもよい。
【0011】
本アミド化合物の態様としては、例えば次のものが挙げられる。
式(I)において、R1が(ヒドロキシカルボニル)C1−C3アルキル基又は(C1−C2アルコキシ)カルボニル(C1−C3)アルキル基であり、R2がフェニル基、1−ナフチル基、3−インドリル基又は5−メチル−3−インドリル基であるアミド化合物。
【0012】
本アミド化合物の塩としては、無機塩基塩及び有機塩基塩が挙げられる。
無機塩基塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩並びにアンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩及びN,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等のアミン塩が挙げられる。
【0013】
次に、本アミド化合物の具体例を示す。
【0014】
式(I−a)で示されるアミド化合物。

[式中、R1及びR2の組合せは、[表1]に示されるいずれかの組合せを示す。]
【0015】
【表1】

【0016】
本アミド化合物は、例えば特開平11−255607号公報及び特開2001−139405号公報に記載された化合物であり、例えば該公報に記載された方法によって合成することができる。
【0017】
本発明に用いられるイミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアクロプリド及びニテンピラムは、いずれも公知の化合物であり、例えば「THE PESTICIDE MANUAL − 15th EDITION(BCPC刊)ISBN 978−1−901396−18−8」の645ページ、229ページ、1112ページ、391ページ、9ページ、1111ページ及び817ページに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0018】
本発明の有害節足動物防除組成物における、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、本アミド化合物又はその塩1000重量部に対して、本ネオニコチノイド化合物が、通常2〜10000000重量部、好ましくは10〜100000重量部、より好ましくは100〜10000重量部、さらに好ましくは500〜10000重量部、もっとも好ましくは1000〜10000重量部である。
【0019】
本発明の有害節足動物防除組成物は、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物とを単に混合したものでもよいが、通常は、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものが用いられる。
また、前記の製剤化された有害節足動物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して有害節足動物防除剤として使用することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物における、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物の合計量は、通常0.1%〜99重量%、好ましくは0.2〜90重量%、より好ましくは1〜80重量%の範囲である。
【0020】
また、本発明の有害節足動物防除組成物は、上記以外の殺虫剤又は殺菌剤を任意に追加してもよい。
【0021】
製剤化の際に用いられる不活性担体としては、固体担体、液体担体が挙げられる。前記の固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土及び方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル並びに水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩及びナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、並びにアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)及びザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤並びにPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル)等の安定化剤が挙げられる。
【0022】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害節足動物による加害から植物を保護するために用いることができる。
【0023】
本発明の有害節足動物防除組成物が防除効力を有する有害節足動物としては、例えば次のものが挙げられる。
【0024】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ターニッシュッドプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、 シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)等のコナジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilaris)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)等のヒロズコガ類等;
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマの(Frankliniella fusca)等のアザミウマ類等;
双翅目害虫:タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等;
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワームの仲間(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシの仲間(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等;
直翅目害虫:ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等;
【0025】
前記有害節足動物の中でも、好ましい例として、アブラムシ類、アザミウマ類、ハモグリバエ類、コロラドハムシ、マメコガネ、ドウガネブイブイ、コーンルートワーム等を挙げることができる。
【0026】
本発明の有害節足動物防除組成物は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園などの農耕地又は非農耕地用にて用いることができる。また、本発明の有害節足動物防除組成物は、「植物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の有害節足動物を防除することができる。
【0027】
本発明の有害節足動物防除組成物を用いることができる植物としては、例えば次のものが挙げられる。
【0028】
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー、アブラナ等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【0029】
前記植物の中でも、好ましい例として、トウモロコシ、テンサイ、イネ、ソルガム、ダイズ、ワタ、ナタネ及びコムギを挙げることができる。
【0030】
上記「植物」は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
【0031】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、有害節足動物を防除するために用いられる。ここで植物としては、例えば、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子及び植物の球根が挙げられる。なお、ここで球根とは、鱗茎、球茎、根茎、塊茎、塊根及び担根体を意味する。
【0032】
本発明の有害節足動物の防除方法は、本発明の有害節足動物防除組成物を施用することにより行われるが、具体的には、例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への施用、植物の種子への処理、土壌処理や水面施用などの植物の栽培地への施用が挙げられる。
【0033】
本発明における茎葉散布などの植物の茎葉への施用としては、具体的には、例えば、人力噴霧機、動力噴霧機、ブームスプレーヤ若しくはパンクルスプレーヤを用いて行う地上散布や、航空防除若しくは無人ヘリコプターを用いて行う空中散布等により、栽培されている植物の表面に施用する方法が挙げられる。
【0034】
本発明における植物の種子への処理としては、具体的には、例えば、植物の種子又は球根を本発明の有害節足動物防除組成物で処理する。詳しくは、例えば種子表面若しくは球根表面に吹きつける吹きつけ処理、種子又は球根に塗布する塗沫処理、浸漬処理、フィルムコート処理及びペレットコート処理が挙げられる。
【0035】
本発明における土壌処理や水面施用などの植物の栽培地への施用としては、具体的には、例えば、植穴処理(Planting hole application)、株元処理(Plant foot application)、植溝処理(Row application)、作条処理(In-furrow application)、全面処理(Overall application)、側条処理(Side ditch application)、育苗箱処理(Nursery box application)、苗床処理(Nursery bed application)、培土混和(Nursery soil incorporation)、床土混和(Bed soil incorporation)、ペースト肥料混和(Paste fertilizer incorporation)、水面処理(Paddy water application)及び湛水散布(Submerged application)が挙げられる。
【0036】
本発明の有害節足動物防除組成物を、植物又は植物の栽培地に施用する場合、その施用量は、植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、施用時期、気象条件等によって変化させ得るが、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物との合計量として、当該植物を栽培する場所1000m2あたり通常0.05〜10000g、好ましくは0.5〜1000gである。
【0037】
本発明の有害節足動物防除組成物で、植物の種子を処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物との合計量として、種子1kgあたり通常0.001〜100g、好ましくは0.05〜50gである。
【0038】
本発明の有害節足動物防除組成物は、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより施用する。この場合、本アミド化合物又はその塩と本ネオニコチノイド化合物との合計での濃度は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま施用する。
【0039】
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。また、以下の例において『本アミド化合物(化合物No.4)』等の記載により特定される化合物とは、表1の記載に対応する「化合物No.」により特定された化合物と同じである。
【0040】
まず、製剤例を示す。
【0041】
製剤例1
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、イミダクロプリド5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合1:1)35部並びに水を混合し全量を100部とし、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0042】
製剤例2
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、クロチアニジン5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合1:1)35部並びに水を混合し全量を100部とし、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0043】
製剤例3
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、チアメトキサム5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合1:1)35部並びに水を混合し全量を100部とし、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0044】
製剤例4
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、チアクロプリド5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合1:1)35部並びに水を混合し全量を100部とし、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0045】
製剤例5
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、イミダクロプリド10部、ソルビタントリオレエート1.5部、並びにポリビニルアルコール2部を含む水溶液28部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液を加え全量を90部とし、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、各々のフロアブル製剤を得る。
【0046】
製剤例6
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、クロチアニジン10部、ソルビタントリオレエート1.5部、並びにポリビニルアルコール2部を含む水溶液28部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液を加え全量を90部とし、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、各々のフロアブル製剤を得る。
【0047】
製剤例7
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、チアメトキサム10部、ソルビタントリオレエート1.5部、並びにポリビニルアルコール2部を含む水溶液28部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液を加え全量を90部とし、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、各々のフロアブル製剤を得る。
【0048】
製剤例8
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、アセタミプリド10部、ソルビタントリオレエート1.5部、並びにポリビニルアルコール2部を含む水溶液28部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液を加え全量を90部とし、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、各々のフロアブル製剤を得る。
【0049】
製剤例9
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、イミダクロプリド20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤100部を得る。
【0050】
製剤例10
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、クロチアニジン20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤100部を得る。
【0051】
製剤例11
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、チアメトキサム20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより各々の水和剤100部を得る。
【0052】
製剤例12
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、チアクロプリド20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより各々の水和剤100部を得る。
【0053】
製剤例13
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、アセタミプリド20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより各々の水和剤100部を得る。
【0054】
製剤例14
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、ジノテフラン20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより各々の水和剤100部を得る。
【0055】
製剤例15
本アミド化合物(化合物No.1〜10のいずれか1種)10部、ニテンピラム20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、並びに合成含水酸化珪素 残部をよく粉砕混合することにより各々の水和剤100部を得る。
【0056】
適用例1
製剤例1にて作製される各フロアブル製剤を、ソルガム乾燥種子100kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いてそれぞれ500ml塗沫処理することにより、それぞれの処理種子を得る。
また、製剤例1にて作製される各フロアブル製剤にかえて、製剤例2〜8にて作製される各フロアブル製剤を用いて、前記と同様の操作を行い、それぞれの処理種子を得る。
【0057】
適用例2
製剤例1にて作製される各フロアブル製剤を、トウモロコシ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いてそれぞれ40ml塗沫処理することにより、それぞれの処理種子を得る。
また、製剤例1にて作製される各フロアブル製剤にかえて、製剤例2〜8にて作製される各フロアブル製剤を用いて、前記と同様の操作を行い、それぞれの処理種子を得る。
【0058】
適用例3
製剤例9にて作製される各水和剤を、トウモロコシ乾燥種子10kgに対し、それぞれ50g粉衣処理することにより、それぞれの処理種子を得る。
また、製剤例9にて作製される各水和剤にかえて、製剤例10〜15にて作製される各水和剤を用いて、前記と同様の操作を行い、それぞれの処理種子を得る。
【0059】
適用例4
製剤例1にて作製される各フロアブル製剤を、ダイズ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いてそれぞれ50ml塗沫処理することにより、それぞれの処理種子を得る。
また、製剤例1にて作製される各フロアブル製剤にかえて、製剤例2〜8にて作製される各フロアブル製剤を用いて、前記と同様の操作を行い、それぞれの処理種子を得る。
【0060】
次に本発明の効果を試験例にて示す。
【0061】
試験例1
本アミド化合物(No.5)2.5mgと、イミダクロプリド又はクロチアニジン2.5mgとを混合し、これにカラーコートレッド(Becker Underwood Inc.製:着色剤)10部、CF−CLEAR(Becker Underwood Inc.製:展着剤)10部並びに水を混合して全量を100部としたスラリー150マイクロリットルを加えよく混合し、全量をトウモロコシ種子25粒に添加し攪拌した。風乾後、160ml容量のプラスチックカップに処理されたトウモロコシ種子を2粒/カップの割合で播種した。播種21日後に、ムギクビレアブラムシ成幼虫を約20頭/カップの割合で放飼し、袋状のナイロンゴースで覆った(これを処理区とする。)。放飼6日後に各カップの生存アブラムシ数を観察した。
一方、前記の処理をしていないトウモロコシ種子を用いて、処理区と同様に播種し(これを無処理区とする。)、放飼6日後に各カップの生存アブラムシ数を観察した。
処理区及び無処理区の観察結果から、下記式1)により処理区の密度抑制効果を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表2に示す。
【0062】
式1)密度抑制効果=(1−(処理区における処理6日後生存アブラムシ数)/(無処理区における処理6日後生存アブラムシ数))×100
【0063】
【表2】

【0064】
試験例2
本アミド化合物(No.5)1.25mgとクロチアニジン12.5mgとを混合し、これにカラーコートレッド(Becker Underwood Inc.製:着色剤)10部、CF−CLEAR(Becker Underwood Inc.製:展着剤)10部並びに水を混合して全量を100部としたスラリー150マイクロリットルを加えよく混合し、全量をトウモロコシ種子25粒に添加し攪拌し、処理トウモロコシ種子を得た。風乾後、160ml容量のプラスチックカップに該処理トウモロコシ種子を2粒/カップの割合で播種した。
播種24日後に、ハスモンヨトウ2齢幼虫を10頭/カップの割合で放飼し、袋状のナイロンゴースで覆った(これを処理区とする。)。放飼3日後に各カップの生存幼虫数を観察した。
一方、前記の処理をしていないトウモロコシ種子を用いて、処理区と同様に播種し(これを無処理区とする。)、放飼3日後に各カップの生存幼虫数を観察した。
処理区及び無処理区それぞれの死虫率を下記式2)より算出し、下記式3)により補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表3に示す。
【0065】
式2);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
【0066】
式3);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
【0067】
【表3】

【0068】
試験例3
本アミド化合物(No.4)2.5mgと、イミダクロプリド又はクロチアニジン2.5mgとを混合し、これにカラーコートレッド(Becker Underwood Inc.製:着色剤)10部、CF−CLEAR(Becker Underwood Inc.製:展着剤)10部並びに水を混合して全量を100部としたスラリー150マイクロリットルを加えよく混合し、全量をトウモロコシ種子25粒に添加し攪拌した。風乾後、160ml容量のプラスチックカップに処理されたトウモロコシ種子を2粒/カップの割合で播種した。播種21日後に、ムギクビレアブラムシ成幼虫を約20頭/カップの割合で放飼し、袋状のナイロンゴースで覆った(これを処理区とする。)。放飼6日後に各カップの生存アブラムシ数を観察した。
一方、前記の処理をしていないトウモロコシ種子を用いて、処理区と同様に播種し(これを無処理区とする。)、放飼6日後に各カップの生存アブラムシ数を観察した。
処理区及び無処理区の観察結果から、下記式1)により処理区の密度抑制効果を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表4に示す。
【0069】
式1)密度抑制効果=(1−(処理区における処理6日後生存アブラムシ数)/(無処理区における処理6日後生存アブラムシ数))×100
【0070】
【表4】

【0071】
試験例4
本アミド化合物(No.4)1.25mgとクロチアニジン12.5mgとを混合し、これにカラーコートレッド(Becker Underwood Inc.製:着色剤)10部、CF−CLEAR(Becker Underwood Inc.製:展着剤)10部並びに水を混合して全量を100部としたスラリー150マイクロリットルを加えよく混合し、全量をトウモロコシ種子25粒に添加し攪拌し、処理トウモロコシ種子を得た。風乾後、160ml容量のプラスチックカップに該処理トウモロコシ種子を2粒/カップの割合で播種した。
播種24日後に、ハスモンヨトウ2齢幼虫を10頭/カップの割合で放飼し、袋状のナイロンゴースで覆った(これを処理区とする。)。放飼3日後に各カップの生存幼虫数を観察した。
一方、前記の処理をしていないトウモロコシ種子を用いて、処理区と同様に播種し(これを無処理区とする。)、放飼3日後に各カップの生存幼虫数を観察した。
処理区及び無処理区それぞれの死虫率を下記式2)より算出し、下記式3)により補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表5に示す。
【0072】
式2);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
【0073】
式3);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
【0074】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〔式中、
1は、(ヒドロキシカルボニル)C1−C6アルキル基、(ヒドロキシカルボニル)C2−C6アルケニル基、(アミノカルボニル)C1−C6アルキル基、(アミノカルボニル)C2−C6アルケニル基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C1−C6)アルキル基又は(C1−C6アルコキシ)カルボニル(C2−C6)アルケニル基を表し、
2は、フェニル基、1−ナフチル基又は3−インドリル基を表す。
但し、該R2で表されるフェニル基、1−ナフチル基及び3−インドリル基を構成し、かつ置換基を有し得る炭素原子は、いずれも、相互に独立してハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、C1−C6アルキル基又はC1−C6アルコキシ基を置換基として有していてもよい。〕
で示されるアミド化合物又はその塩と、
群(A)から選ばれる少なくとも1種のネオニコチノイド化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
群(A):イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアクロプリド及びニテンピラムからなる群。
【請求項2】
アミド化合物又はその塩とネオニコチノイド化合物との含有量の比が、重量比で100:1〜1:100である請求項1記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用する工程を有してなる有害節足動物の防除方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物種子に施用する工程を有してなる有害節足動物の防除方法。
【請求項5】
植物種子が、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、テンサイ、ナタネ又はイネの種子である請求項4記載の有害節足動物の防除方法。

【公開番号】特開2013−47212(P2013−47212A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161334(P2012−161334)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】