説明

有害節足動物防除組成物

【課題】優れた性能を有する有害節足動物防除組成物を提供すること。
【解決手段】2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールと不活性担体を含有する有害節足動物防除組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである組成物は、優れた性能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害節足動物防除組成物、詳しくは2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールを含有する有害節足動物防除組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール
【化1】

は、有害節足動物に対する防除活性が知られる化合物である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5478855号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害節足動物に対して防除活性が知られた上記化合物について、更に優れた有害節足動物防除効果を有する組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、有害節足動物に対して有害節足動物防除活性が知られた2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールについて、更に優れた性能を有する組成物を見出すべく検討の結果、前記化合物粒子に一定のサイズ的な制限を加えること、すなわち体積中位径が1.5〜5.9μmである2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールと不活性担体とを含有する組成物が特に卓越した性能を有することを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の[1]〜[12]を含む。
[1] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールと不活性担体を含有する有害節足動物防除組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである組成物。
【0007】
[2] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである[1]に記載の組成物。
[3] 不活性担体が、水を含有する担体である[1]又は[2]に記載の組成物。
【0008】
[4] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである組成物。
[5] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである[4]に記載の組成物。
【0009】
[6] [1]〜[5]いずれか一項に記載の組成物の有害節足動物防除のための有効量を、有害節足動物又は有害節足動物の生育場所に施用する工程を有する有害節足動物の防除方法。
【0010】
[7] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除剤であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである防除剤。
[8] 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除剤であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである防除剤。
【0011】
[9] 水に懸濁させた水性懸濁状組成物の形態で、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することにより、有害節足動物を防除するための体積中位径が1.5〜5.9μmの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
[10] 体積中位径が1.5〜5.9μmである2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
【0012】
[11] 水に懸濁させた水性懸濁状組成物の形態で、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することにより、有害節足動物を防除するための体積中位径が2.7〜5.9μmの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
[12] 体積中位径が2.7〜5.9μmである2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールを含有する優れた性能を有する有害節足動物防除組成物を提供できることから、有害節足動物を防除するために有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の有害節足動物防除組成物とは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールと不活性担体とを含有する組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmのものである(以下、本発明組成物と記す。)。
【0015】
本発明に用いられる2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール(以下、本オキサゾール化合物と記す。)は、例えば米国特許第5478855号明細書に記載の方法により製造することができる。米国特許第5478855号明細書によれば、本オキサゾール化合物は、101.0〜102℃の融点を示す結晶として得られる。また、本オキサゾール化合物は、20℃における水1リットルに対する溶解度が、75.4μgである。
【0016】
本発明には、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物が用いられる。かかる体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物は、当該体積中位径より大きな結晶状の本オキサゾール化合物を、例えば、乾式粉砕法(ハンマーミル等の衝撃粉砕法及びジェットミル等の気流粉砕法)及び湿式粉砕法(ビーズミル粉砕法)の粉砕方法等を用いることで得られる。
【0017】
本発明における体積中位径とは、ミー散乱理論に基づくレーザー光回折散乱法により測定される多数の粒子の画像を解析することによって算出される値であり、具体的な測定機としては、マスターサイザー2000(マルバーン社)、SALD−1100(島津製作所)、マイクロトラックMT3000(日機装)等が挙げられる。
【0018】
装置によって測定された粒子粒度分布は、測定された粒子を球形と仮定した時の体積基準の粒子サイズ分布のことであり、従って、本発明おける体積中位径(Volume Median Diameter=VMD)とは、この値より小さい粒子の体積合計と、この値より大きい粒子の体積合計が、全体の体積合計の各々50%である値を示す。
【0019】
本発明に用いられる本オキサゾール化合物は、体積中位径が1.5〜5.9μmであることから有害節足動物を防除するために優れた効力を示す。また、本発明組成物を水性懸濁状の組成物として用いる際には、本オキサゾール化合物の体積中位径が2.7〜5.9μmであることが、組成物の安定性の面から好ましい。
【0020】
本発明組成物に含有される不活性担体としては、本オキサゾール化合物の体積中位径を安定に保持し得る固体担体及び液体担体が挙げられる。固体担体としては、たとえば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、たとえば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられる。そのうち、液体担体としては、本オキサゾール化合物が難溶である水が好ましい。
【0021】
本発明組成物における、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物及び不活性担体の含有量は特に限定されるものではないが、本発明組成物全量に対して、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物が通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜75重量%、不活性担体が通常20〜99.9重量%、好ましくは25〜99重量%である。
【0022】
本発明組成物には、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物及び不活性担体に加えて、さらに、分散剤、懸濁助剤及びその他の補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤及び防黴剤が挙げられる)が含有されていてもよい。かかる懸濁助剤としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル及びポリビニルアルコール等の保護コロイド、並びに、ベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム及びポリアクリル酸等のチクソトロピー性を付与する化合物が挙げられる。
【0023】
本発明組成物に含有される不活性担体が、水を含有する担体である場合には、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物の組成物中での懸濁状態を維持するために、さらに前記した懸濁助剤を含有した水性懸濁状の組成物とすることが好ましい。かかる水性懸濁状組成物においては、該組成物全量に対して、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物が通常0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であり、水が通常30〜98.9重量%、好ましくは66〜76重量%あるいは66〜74重量%であり、懸濁助剤が通常1〜40重量%、好ましくは6〜23重量%である。
【0024】
かかる水性懸濁状組成物は、前記した粉砕方法により体積中位径が1.5〜5.9μmとなるように粉砕された本オキサゾール化合物に、粉砕前又は粉砕後に水及び懸濁助剤を混合して製造することができる。また、予め水に希釈して懸濁可能となるように通常の製剤化の方法により製剤化された固形製剤(例えば、水和剤及び顆粒水和剤)を、水で希釈することにより製造することもできる。
【0025】
前記した方法などにより得られる水性懸濁状組成物は、そのまま水性懸濁状の有害節足動物防除剤として農薬分野などで通常用いられる方法で、そのまま又はさらに水で希釈した希釈液として、有害節足動物を防除するために用いられる。
【0026】
本発明の有害節足動物の防除方法は、本発明組成物を有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することにより行われる。
【0027】
有害節足動物の生息場所としては、例えば、水田、畑地、森林及び果樹園等の植物の栽培地が挙げられる。これらの植物の栽培地に施用する場合の本発明組成物の施用量は、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物の施用量として、植物の栽培地1000mあたり、通常1〜1000グラム、好ましくは10〜100グラムの範囲である。かかる施用形態としては、有害節足動物から保護すべき植物への茎葉散布、該植物の生育する土壌への土壌処理が挙げられる。
【0028】
有害節足動物の防除のために用いる際には、本発明組成物はそのまま、又は必要によりさらに水などの液体担体に希釈した希釈液とした上で用いることもできる。本発明組成物が有害節足動物の防除のために施用される際には、体積中位径が1.5〜5.9μmである本オキサゾール化合物が通常10〜1000ppmの濃度の希釈液の形態で用いられる。
【0029】
本発明の水性懸濁状組成物は、例えば有害昆虫及びダニの有害節足動物の防除のために用いられるが、具体的には以下の有害節足動物が挙げられる。
ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)及びミカンハダニ(Panonychus citri)等の植物寄生性ダニ類(Phytophagous mites)。
【実施例】
【0030】
以下、本発明をより詳細に説明するため、製造例、試験例等を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、実施例中における本オキサゾール化合物の体積中位径は、レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−1100(島津製作所製)にて測定した。
【0031】
まず、製造例を示す。
製造例
本オキサゾール化合物 10重量部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルのホスフェートアミン塩(製品名:ニューカルゲンFS−3、竹本油脂株式会社製) 4重量部、エチレングリコール 4重量部、シリコーンエマルション(消泡剤、製品名:プロナールEX−300、東邦化学工業株式会社製)及び水 66.4重量部をスリーワンモータ(新東科学株式会社製)で混合し、該混合液に直径1.0〜1.41mmのガラスビーズを入れて、ビーズミル(製品名:ダイノーミル、株式会社シンマルエンタープライゼス製)を用いて湿式粉砕した後に濾過することにより、粉砕物を得た。得られた粉砕物に、キサンタンガム(製品名:ロードポール23、ローディア日華社製) 15重量部及び防腐剤防黴剤(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、製品名:プロキセルGXL、アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社製) 0.1重量部を加え、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)で混合することにより、水性懸濁状組成物を得た。
【0032】
上記の製造例により種々の体積中位径を有する水性懸濁状組成物を調製し、得られた各々の水性懸濁状組成物に含有される本オキサゾール化合物の体積中位径を番号とともに[表1]に示す。
【表1】

【0033】
次に試験例を示す。
試験例1
製造例で得た水性懸濁状組成物を、本オキサゾール化合物の濃度が50ppmとなるように水で希釈し、該希釈液の十分量を、リンゴ(品種:北斗)の苗木にポータブル動力噴霧器を用いて茎葉散布した。散布から23日後に切り取ったリンゴの葉を脱脂綿上に置き、その葉面上にカンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)雌成虫10頭を放し、室温で静置した。1日後に、葉面上に産卵された卵を残してカンザワハダニ雌成虫を除去し、7日間室温で静置した。孵化したカンザワハダニの幼虫数及び未孵化卵数を数え、式1により卵の殺卵率を求めた。
[式1]
殺卵率(%) = {未孵化卵数/(幼虫数+未孵化卵数)}×100
【0034】
その結果を[表2]に示す。
【表2】

【0035】
試験例2
製剤例5で得た水性懸濁状組成物を水に希釈し、本オキサゾール化合物の濃度を15ppmとした。該希釈液50mlを、鉢植えにて生育したナツミカン(品種:川野夏橙)の苗木に茎葉散布した。散布から4週間後にミカンの葉を切り取り、直径9cmのシャーレ内に敷かれ且つ水で濡れた脱脂綿上に置き、その葉面上にミカンハダニ(Panonychus citri)雌成虫10頭を放し、人工気象器(気温25℃、湿度70%、光条件:明期 16時間、暗期 8時間)内で静置した。3日後に葉面上に産卵された卵を残してミカンハダニ雌成虫を除去し、さらに9日間、人工気象器(気温25℃、湿度70%、光条件:明期 16時間、暗期 8時間)内で静置した。孵化したカンザワハダニの幼虫数及び未孵化卵数を数え、試験例1記載の式1により卵の殺卵率を求めた。
その結果、殺卵率は[表3]に示すように99%であった。
【表3】

【0036】
試験例3
B型粘度計(2号ローター、12rpm)を用いて室温で、各製造例により得られた水性懸濁状組成物を粘度測定した。その後、該水性懸濁状組成物の各々をマイナス20℃で20日間保存した。保存後に前記と同じ測定条件で粘度測定した。
保存前及び保存後に測定された水性懸濁状組成物の粘度に基づいて、式2により粘度変化率を求めた。
[式2]
粘度変化率(%) = {(B−A)/A}×100
A:マイナス20℃における保存前の水性懸濁状組成物の粘度
B:マイナス20℃における20日間保存後の水性懸濁状組成物の粘度
【0037】
その結果を[表4]に示す。粘度変化率が0%に近い程、水性懸濁状組成物の粘度の点で経時的変化が抑制されており、優れた保存安定性を有することを表す。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールと不活性担体を含有する有害節足動物防除組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである組成物。
【請求項2】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
不活性担体が、水を含有する担体である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除組成物であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである組成物。
【請求項5】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載の組成物の有害節足動物防除のための有効量を、有害節足動物又は有害節足動物の生育場所に施用する工程を有する有害節足動物の防除方法。
【請求項7】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除剤であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が1.5〜5.9μmである防除剤。
【請求項8】
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール 1〜20重量%、水 66〜76重量%、懸濁助剤6〜23重量%を含有する水性懸濁状の有害節足動物防除剤であって、該2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの体積中位径が2.7〜5.9μmである防除剤。
【請求項9】
水に懸濁させた水性懸濁状組成物の形態で、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することにより、有害節足動物を防除するための体積中位径が1.5〜5.9μmの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
【請求項10】
体積中位径が1.5〜5.9μmである2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
【請求項11】
水に懸濁させた水性懸濁状組成物の形態で、有害節足動物又は有害節足動物の生息場所に施用することにより、有害節足動物を防除するための体積中位径が2.7〜5.9μmの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。
【請求項12】
体積中位径が2.7〜5.9μmである2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−エトキシフェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾールの使用。

【公開番号】特開2013−95739(P2013−95739A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242556(P2011−242556)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000234890)協友アグリ株式会社 (19)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】