説明

有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置

【課題】 有害電磁波の影響を回避するための有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置を提供する。
【解決手段】 有害電磁波強度情報を検出送信する複数の車両10から送信されてくる有害電磁波強度情報と予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて所定地域における有害電磁波強度分布情報を生成するとともに、前記生成した有害電磁波強度分布情報を各車両10に配信する有害電磁波監視装置11と、前記有害電磁波監視装置11から配信されてくる有害電磁波強度分布情報を取得する有害電磁波強度分布情報取得手段と、前記取得した有害電磁波強度分布情報に基づいて所定地域における有害電磁波強度分布をマップ化した電力束密度分布または電界強度分布として案内出力手段に案内出力させる有害電磁波強度分布案内手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害電磁波強度情報を共有するための有害電磁波回避システム、及び、有害電磁波強度分布情報を案内出力する有害電磁波回避案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信の発達等に伴い、電磁波を発生させる基地局(無線設備)が増加する傾向にある。しかし、強度の強い電磁波は人体に悪影響を及ぼす有害電磁波として規制の対象となっている。例えば、図16に示すように、電波法施行規則第21条の3(電波の強度に対する安全施設)及び別表第2号の3の2(電波の強度の値の表)(改正:平成17年8月9日総務省令第132号)にその詳細が定められている。
【0003】
そして、無線設備から発射される電波の強度の算出方法及び測定方法は、平成11年郵政省告示第300号により定められている。そして、この中で、電力束密度S(mW/cm)は、図17(a)または〔数1〕に示すように、また、30MHz以下の周波数における電力束密度S(mW/cm)、電界強度E(V/m)、磁界強度H(A/m)の相互換算は、〔数2〕に示すように求めることが示されている。
【0004】
【数1】

【0005】
【数2】

【0006】
また、図17(b)に示すように、指向性アンテナを用いている場合には、〔数3〕に示すように、前記〔数1〕で求めた電力束密度So(mW/cm)に、算出地点の方向に対する電力指向性係数D(θ)を乗じることにより、電力束密度S(mW/cm)を算出している。
【0007】
【数3】

【0008】
尚、算出地点において多重波(a、b、c、・・・)がある場合には、〔数4〕を満たさなければならない。
【0009】
【数4】

【0010】
また、算出地点において被曝体にバラツキがり、平均値により求めるときには〔数5〕により求める。
【0011】
【数5】

【0012】
一方、車両が実際に道路を走行する場合における環境要因の変動に応じて、運転者が運転に注意を要する度合いを設定して警告することができる車両用ナビゲーション装置が提案されている。
【0013】
例えば、特許文献1に示すように、送信される位置検出用信号を受信し、その位置検出用信号に基づいて車両の現在位置を求める位置検出手段と、車両が走行する際に比較的注意を要すると想定される地域が危険地域として指定されている地図データを取得するための地図データ取得手段と、前記位置検出手段によって検出される現在位置に該当する地図データを前記地図データ取得手段によって取得し表示手段に表示させるように制御する制御手段とを備え、前記地図データにおいて指定されている危険地域には、当該区域を車両が走行する場合の危険度を判定するための判定項目及びその判定項目について危険であると判定するための判定基準が付されており、前記制御手段は、車両の現在位置が前記危険地域またはその近傍であると判定した場合には前記判定項目に対応する情報データを得て、その情報データに基づいて前記判定基準に該当する判定項目の数に応じて前記危険地域の危険度を設定し、その危険度に応じて警告の態様を変化させるように制御することを特徴としたものが提案されている。
【0014】
また、地形や地物の影響を考慮し、監視対象の電波発射源の位置を精度良く推定するとともに、電波発射源での送信アンテナの指向性を推定し電波発射源からの電波の勢力分布を分かりやすく示す技術が提案されている。
【0015】
例えば、特許文献2に示すように、一定の地域内において電波発射源からの電波を監視する広域電波監視方法であって、1以上のセンサ局を配置し、前記地域内の複数の地点の各々について、当該地点に電波発射源があるとしたときの前記センサ局での電波の到来方向を、地図情報を利用する計算機シミュレーションによって算出し、前記センサ局において、伝搬経路ごとに分離して前記電波発射源からの電波の到来方向を観測し、観測した電波の到来方向と前記計算機シミュレーションの結果とを比較し、前記計算機シミュレーションの結果の中から、観測した電波の到来方向と最も類似性が高い到来方向を示すものを探索して対応する地点を候補位置として判別し、前記候補位置の周辺に前記電波発射源があるとして前記電波発射源の位置を調整しながら計算機シミュレーションを実行して前記電波発射源の位置を決定するものが提案されている。
【0016】
【特許文献1】特開2001−99665号公報
【特許文献2】特開平11−326482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
多くの無線設備は、その建設箇所が公共的に発表されているため、前記無線設備の規模や、前記無線設備からの距離に基づいて、各地域における大凡の有害電磁波強度を推測することは可能であり、前記推測値に基づいて有害電磁波強度の強い地域に進入しないようにすることも可能である。しかし、例えば、不法に電磁波を発射する無線設備が建設されたり、無線設備の異常が発生すること等により、一般に認識されることなく、その強度が人体に有害なほど強くなっている有害電磁波強度の強い地域が形成されていたときには、人間は直接的にその五感で、有害電磁波を感知することができないため、有害電磁波強度の強い地域への進入や、そこを通過してしまうことにより、有害電磁波の影響を受けてしまう可能性があった。
【0018】
本発明は、上述した問題点に鑑み、有害電磁波の影響を回避するための有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の目的を達成するため、本発明による有害電磁波回避システムの第一の特徴構成は、有害電磁波強度情報を検出し送信する移動体から送信されてくる有害電磁波強度情報と、予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて所定地域における有害電磁波強度分布情報を生成するとともに、前記生成した有害電磁波強度分布情報を移動体に配信する有害電磁波監視装置を含む点にある。
【0020】
上述の構成によれば、前記有害電磁波監視装置は、移動体から送信されてくる有害電磁波強度情報、つまり、より広域の有害電磁波強度情報と、予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて所定地域における有害電磁波強度分布情報を生成するため、予め確認されている有害電磁波発信源の影響による有害電磁波強度の強い地域の情報の他に、他の原因により発生している有害電磁波強度の強い地域の情報を含んだ有害電磁波強度分布情報を生成することができるのである。また、前記有害電磁波監視装置は、前記生成した有害電磁波強度分布情報を各移動体に配信するため、前記移動体は、予め確認されている有害電磁波発信源の影響による有害電磁波強度の強い地域の情報の他に、より広域に亘った、他の原因により発生している有害電磁波強度の強い地域の情報を含んだ有害電磁波強度分布情報を得ることができるのである。
【0021】
上述の目的を達成するため、本発明による有害電磁波回避案内装置の第一の特徴構成は、所定の情報を映像及び/または音声で案内出力する案内出力手段と、有害電磁波強度分布情報を取得する有害電磁波強度分布情報取得手段と、前記取得した有害電磁波強度分布情報に基づいて所定地域における有害電磁波強度分布を前記案内出力手段に案内出力させる有害電磁波強度分布案内手段を備えた点にある。
【0022】
上述の構成とすることにより、ユーザは、例えば、マップ化された電力束密度分布または電界強度分布により、広域に亘った有害電磁波強度分布を分かりやすく確認することができるため、必要があるときには、前記有害電磁波強度分布に基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができるのである。
【0023】
同第二の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、現在位置を検出する位置検出手段と、前記有害電磁波強度分布情報と道路地図データに基づいて現在位置から目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、前記探索した推奨経路を前記案内出力手段に案内出力させる推奨経路案内手段を備えた点にある。
【0024】
上述の構成によれば、前記推奨経路探索手段が前記有害電磁波強度分布情報と道路地図データに基づいて現在位置から目的地までの推奨経路を探索するため、例えば、前記推奨経路探索手段が有害電磁波強度の強い地域を避けて推奨経路を探索すれば、前記推奨経路案内手段が有害電磁波強度の強い地域を避けた推奨経路をユーザに前記案内出力手段を介して案内することができるのである。つまり、ユーザは、前記案内に基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができるのである。
【0025】
同第三の特徴構成は、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、現在位置における有害電磁波強度を検出する有害電磁波検出手段を備え、前記有害電磁波強度分布案内手段が、前記検出した有害電磁波強度に基づいて補正した有害電磁波強度分布を前記案内出力手段に案内出力させる点にある。
【0026】
例えば、外部からの送信や、記録媒体からの読み込みによって取得される前記有害電磁波強度分布情報が、例えば、送信データ容量の増大を防止するために、地域毎の分割精度を粗くすることで、詳細地域情報を得るためには不都合なものとなったり、また、例えば、取得時間間隔を長くすることで、有害電磁波強度分布情報の時間的変化に対する精度が低くなるようなときがある。つまり、上述の構成とすることにより、例えば、前記有害電磁波強度分布案内手段が、前記有害電磁波検出手段により逐次検出される有害電磁波強度を、前記有害電磁波強度を検出した位置情報とともに蓄積しておき、前記各有害電磁波強度と位置情報とに基づいて、その周辺の有害電磁波強度分布を生成し、前記取得した有害電磁波強度分布情報から得られる有害電磁波強度分布に前記生成した周辺の有害電磁波強度分布を合成処理すれば、ユーザはより精度の高い有害電磁波強度分布に基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができるのである。
【0027】
同第四の特徴構成は、上述の第二または第三の特徴構成に加えて、前記推奨経路探索手段が、現在位置の有害電磁波強度が第一の有害電磁波強度閾値以上であったときに、有害電磁波強度が第二の有害電磁波強度閾値未満となっている地域を目的地とした推奨経路を探索する点にある。
【0028】
既に有害電磁波強度が強い地域に進入してしまっているようなときに、上述の構成とすることにより、ユーザは推奨経路に基づいて、例えば、最短距離で、或いは、最短時間で、また或いは、最も安全に、有害電磁波強度が強い地域から脱出することができるのである。
【0029】
同第五の特徴構成は、上述の第二から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記推奨経路案内手段が、前記推奨経路に第三の有害電磁波強度閾値以上の地域が含まれていたときに、前記第三の有害電磁波強度閾値以上の地域を通過するために必要な予想時間を前記案内出力手段に案内出力させる点にあり、仮に有害電磁波強度の強い地域を通過する必要が生じたときに、ユーザは、予めその影響度合いを知ることができるのである。
【発明の効果】
【0030】
以上説明した通り、本発明によれば、有害電磁波の影響を回避するための有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置を提供することができるようになった。
【0031】
尚、本明細書では、体への悪影響が懸念される電磁波を有害電磁波と称する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明による有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の実施形態について説明する。前記有害電磁波回避システム01は、図1に示すように、有害電磁波強度情報を検出送信する複数の移動体としての車両10から送信されてくる有害電磁波強度情報と、予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて所定地域における有害電磁波強度分布情報を生成するとともに、前記生成した有害電磁波強度分布情報を各車両10に配信する有害電磁波監視装置11を含んで構成されている。
【0033】
前記各車両10が送信する有害電磁波強度情報には、前記各車両が検出した有害電磁波強度とそれを検出した位置情報とが含まれている。つまり、前記有害電磁波監視装置11は、図2(a)に示すように、前記各車両10から逐次送信されてくる有害電磁波強度情報に基づいて所定地域における各検出地点の有害電磁波強度を所定時間毎に蓄積するとともに、図2(b)に示すように、前記蓄積した各地点の有害電磁波強度と予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて、未検出地域の有害電磁波強度をも補間した有害電磁波強度分布情報を所定時間毎に生成し、前記生成した有害電磁波強度分布情報を各車両に配信するように構成されている。
【0034】
尚、前記有害電磁波強度分布情報を、各地点における電力束密度S(mW/cm)、電界強度E(V/m)、または、磁界強度H(A/m)の分布情報とすれば、電波法施行規則第21条の3に準じた情報となり好ましい。
【0035】
前記各車両10には、本発明の一実施例に係る有害電磁波回避案内装置02が搭載されている。前記有害電磁波回避案内装置02は、図3に示すように、当該車両10の現在位置を検出する位置検出手段20と、当該車両10の現在位置における有害電磁波強度を検出する有害電磁波検出手段21と、前記検出した有害電磁波強度とそれを検出した位置情報とからなる有害電磁波強度情報を前記有害電磁波監視装置11に逐次送信する有害電磁波強度情報送信手段22と、所定の情報を映像及び/または音声で案内出力する案内出力手段23と、道路地図データを記憶した地図データ記憶手段24と、当該有害電磁波回避案内装置02の動作モードや動作条件を設定する操作手段25と、前記有害電磁波監視装置11から配信されてくる有害電磁波強度分布情報を所定時間毎に取得する有害電磁波強度分布情報取得手段26と、前記道路地図データ、前記位置検出手段20により検出された当該車両10の現在位置、前記有害電磁波監視装置11から配信されてきた有害電磁波強度分布情報、有害電磁波検出手段21から検出された有害電磁波強度、または、前記操作手段24により設定された動作モードや動作条件等に基づいて所定の情報を生成し、前記案内出力手段23に前記所定の情報を映像及び/または音声で案内出力させる制御部27を備えて構成されている。
【0036】
尚、前記制御部27は、単一または複数のCPUや、その動作プログラムが格納されたROM、ワーキングエリアに使用されるRAM等を備えたマイクロコンピュータからなり、前記各機能ブロックをも統括制御するように構成されている。
【0037】
ここで、前記有害電磁波強度情報送信手段22は、当該有害電磁波強度情報送信手段22そのものが送信機能を有する構成であってもよいし、送信機能を有する他の装置に接続されている構成であってもよい。また、前記有害電磁波強度分布情報取得手段26は、当該有害電磁波強度分布情報取得手段26そのものが受信機能を有する構成であってもよいし、受信機能を有する他の装置に接続されている構成であってもよい。
【0038】
前記道路地図データは、道路地図を前記案内出力手段23にグラフィック映像として表示するための地図情報と、地図上の道路を複数に分割したリンク情報が含まれている。
【0039】
前記リンク情報は、図4、図5に示すように、前記地図上の道路を各ノードN(i)、例えば、交差点やインターチェンジ等で分割して生成するリンクR(j)毎に、前記各リンクに対応した個別情報が登録されている。具体的には、当該リンクR(j)を識別するためのリンクID、前記ノードN(i)で分割された道路長としての当該リンクR(j)のリンク長、当該リンクR(j)の始点及び終点の座標、当該リンクR(j)の角度(延伸方向)、当該リンクR(j)における道路幅、当該リンクR(j)における道路種別情報、及び、当該リンクR(j)における特殊情報等が登録されている。
【0040】
尚、前記特殊情報には、当該リンクR(j)に当該車両10の現在位置があるときにユーザ等に案内すべき詳細情報が登録されている。
【0041】
前記位置検出手段20は、例えば、GPSシステムが適用され、GPSアンテナによりGPS衛星からの信号を受信するとともに、ジャイロセンサや車速センサからの検出値に基づいて補正値を算出し、前記受信信号から解読される経度及び緯度を前記補正値に基づいて補正することで当該車両10の地上面での現在位置を検出するように構成されている。
【0042】
前記案内出力手段23は、例えば、所定の情報に基づいて映像を出力表示する液晶表示装置と、同じく所定の情報に基づいて音声を出力するスピーカにより構成されている。
【0043】
前記制御部27における機能ブロック構成は、前記取得した有害電磁波強度分布情報に基づいて所定地域における有害電磁波強度分布をマップ化した電力束密度分布または電界強度分布として前記案内出力手段22に案内出力させる有害電磁波強度分布案内手段28と、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置から前記操作手段25を介してユーザ等から入力される目的地までの推奨経路を前記有害電磁波強度分布情報と道路地図データに基づいて探索する推奨経路探索手段29と、前記探索した推奨経路等を前記案内出力手段22に案内出力させる推奨経路案内手段30を備えて構成されている。
【0044】
前記有害電磁波強度分布案内手段28は、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置が、例えば、前記案内出力手段25の映像表示部の中央となるように、前記道路地図データに基づいた道路地図を前記案内出力手段25に映像表示させるとともに、図6に示すように、前記取得した有害電磁波強度分布情報に基づいて前記道路地図上に、その範囲における有害電磁波強度分布をマップ化した電力束密度分布または電界強度分布として重ねて映像表示させるように構成されている。尚、前記表示範囲内に無線設備Mpがあるときには、前記無線設備Mpを重ねて表示させてもよい。
【0045】
つまり、前記有害電磁波強度分布案内手段28は、有害電磁波強度分布をマップ化して前記案内出力手段25に映像表示させることにより、ユーザに対して、現在位置やその周辺の有害電磁波強度を案内するように構成されている。
【0046】
ここで、前記有害電磁波強度分布案内手段28は、前記有害電磁波検出手段21により逐次検出される有害電磁波強度に基づいて前記有害電磁波強度分布を補正して、前記案内出力手段25に映像表示させる構成としてもよい。
【0047】
具体的には、有害電磁波強度情報送信手段22が前記有害電磁波監視装置11に逐次送信する有害電磁波強度情報を蓄積しておき、図7(a)に示すような、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isから得られる当該車両10が通過した地域Plの各所定ポイントPe(i)における有害電磁波強度である実測有害電磁波強度Isa(i)と、前記有害電磁波監視装置11から配信されてくる有害電磁波強度分布情報から得られる前記各所定ポイントPe(i)における有害電磁波強度である配信有害電磁波強度Isb(i)とにおいて、例えば、図8(a)に示すように、隣接する前記各所定ポイントPe(i)間での前記実測有害電磁波強度Isa(i)の差分変化特性である実測有害電磁波強度勾配ΔIsaと、同じく隣接する前記各所定ポイントPe(i)間における前記配信有害電磁波強度Isb(i)の差分変化特性である実測有害電磁波強度勾配ΔIsbとの間で、その傾向が異なっていたとき、また例えば、図8(b)に示すように、前記各所定ポイントPe(i)における、前記実測有害電磁波強度Isa(i)と前記配信有害電磁波強度Isb(i)との差分の絶対値|ΔIsab|が、所定の有害電磁波強度差ΔIth以上異なっていて、それが所定数Nth以上連続して存在しているときに、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isに基づいて新たな有害電磁波強度分布をシミュレーションする。
【0048】
前記新たな有害電磁波強度分布のシミュレーションは、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isに基づいて、例えば、図7(a)、図7(b)に示すように、当該車両10の絶対的な移動方向毎に、その方向における絶対的な移動距離Xと各ポイントPe(i)での電磁波強度Y(電力束密度S(mW/cm)、電界強度E(V/m)、磁界強度H(A/m)等)との関係をプロットし、〔数6〕に示す近似曲線を生成することで、前記有害電磁波検出手段21では未検出となっている地域の有害電磁波強度を算出する。そして、前記算出結果から得られる、図9(a)に示すような、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isに基づいた有害電磁波強度分布Dsを、図9(b)に示すように、前記取得した有害電磁波強度分布情報Ioに基づいた有害電磁波強度分布Doと合成処理する。
【0049】
【数6】

【0050】
つまり、前記有害電磁波強度分布案内手段28は、外部から配信されてくる有害電磁波強度分布情報が、例えば、送信データ容量の増大を防止するために、地域毎の分割精度を粗くすることで、詳細地域情報を得るためには不都合なものとなったり、また、例えば、配信時間間隔を長くすることで、有害電磁波強度分布情報の時間的変化に対する精度が低くなるようなときであっても、前記有害電磁波検出手段21により逐次検出される有害電磁波強度とその位置情報に基づいて補正することで、より精度の高い有害電磁波強度分布を生成するように構成されている。
【0051】
尚、前記新たな有害電磁波強度分布のシミュレーションは、当該制御部27の演算処理能力が十分にあるときには、前記有害電磁波強度勾配や有害電磁波強度差に関わらず、前記有害電磁波検出手段21により有害電磁波強度が検出される毎に実施される構成としてもよい。
【0052】
前記推奨経路探索手段29は、当該車両10の現在位置から目的地までの推奨経路を探索するもので、推奨経路を探索する上で優先される条件を予め設定することが可能なように構成されている。例えば、当該車両10の現在位置から目的地までの移動距離が最短となる経路を探索する移動距離重視モードや当該車両23の現在位置から目的地までの移動時間が最短となる経路を探索する移動時間重視モード、心理的に安心して運転することが可能な経路を探索する心理状態重視モード等が用意されている。
【0053】
前記推奨経路の探索は、例えば、ダイクストラ法により実施される。具体的には、現在位置が含まれるリンクR(i)であるスタートリンクRsの始点または終点と目的地が含まれるリンクR(i)であるエンドリンクReの始点または終点とを結合することが可能な他の幾つかのリンクR(i)からなる1列に連続した種々のリンク列において、前記リンク列を構成する各リンクR(i)に与えられたコスト評価値の和が最小となるリンク列が推奨経路として選択されるように実施される。また、前記各リンクR(i)のコスト評価値は、予め前記各経路探索モードに対応して設定されているコスト評価値付加条件に基づいて設定される。
【0054】
例えば、前記移動距離重視モードでは、前記リンク情報における道路長をそのままコスト評価値として設定すれば、当該車両10の現在位置から目的地までの移動距離を、前記リンク列を構成する各リンクR(i)のコスト評価値の和によって評価することができる。つまり、前記コスト評価値の和が小さいリンク列ほど、当該車両10の現在位置から目的地までの移動距離が短い経路として評価される。
【0055】
また、前記移動時間重視モードでは、前記道路長に道路種別情報に応じたコスト評価係数としての移動速度成分を乗算した値を評価値として設定すれば、当該車両10の現在位置から目的地までの移動時間を、前記リンク列を構成する各リンクR(i)のコスト評価値の和によって評価することができる。例えば、制限速度が比較的速く渋滞の可能性も低いバイパス道路のコスト評価係数をバイパス道路以外のコスト評価係数よりも小さな値に設定したり、渋滞の発生しやすい道路のコスト評価係数を大きな値に設定し、前記コスト評価値の和の小さいリンク列を当該車両10の現在位置から目的地までの移動時間が短い経路として評価すればよい。また、前記評価値の和に対して前記リンク列の数、つまり、交差点の数やインターチェンジ等の数に応じた補正係数を乗算した評価値の補正和によって、当該車両10の現在位置から目的地までの移動時間を評価すれば、交差点での信号待ち時間等の影響を加味することができ好ましい。
【0056】
前記心理状態重視モードでは、前記道路長に道路幅に応じたコスト評価係数を乗算した値を評価値として設定すれば、心理的な安心度として評価することができる。つまり、道路幅が広ければそれだけ視界が開けるとともに対向車とのすれ違う際の間隔なども広く開けることができるため、このような道路幅の広いリンクのコスト評価係数を道路幅の狭いリンクのコスト評価係数よりも小さな値に設定すれば、当該車両10の現在位置から目的地までにおける心理的な安心度を前記コスト評価値の和によって評価することができる。
【0057】
また、前記推奨経路探索手段29は、前記有害電磁波強度分布に基づいて有害電磁波強度が所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域を避けて、前記移動距離重視モードや、前記移動時間重視モード、前記心理状態重視モード等を設定する有害電磁波回避モードが用意されている。
【0058】
つまり、前記有害電磁波回避モードでは、前記各種モードに基づいたリンク列を設定する前に、前記有害電磁波強度分布に基づいて予め前記リンク情報から前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域にかかるリンクR(i)が省かれ、前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域にかかるリンクR(i)が省かれた前記リンク情報に基づいて前記各種モードに基づいたリンク列が設定されるように構成されている。
【0059】
以下、有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の動作について、図10、図11、図12、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。前記有害電磁波回避案内装置が起動されると、前記位置検出手段20は当該車両10の現在位置の検出を開始する(SA1)。また、前記有害電磁波検出手段21は、当該車両10の現在位置における有害電磁波強度の検出を開始する(SA2)。
【0060】
前記有害電磁波強度情報送信手段22は、前記位置検出手段20により検出された当該車両10の現在位置である位置情報に、前記有害電磁波検出手段21により検出された有害電磁波強度を関連付けた有害電磁波強度情報を生成し(SA3)、前記有害電磁波監視装置11に送信するとともに(SA4)、内部メモリに蓄積する(SA5)。
【0061】
また、前記有害電磁波強度分布情報取得手段26は、有害電磁波監視装置11から配信される有害電磁波強度分布情報の取得を開始する(SA6)。
【0062】
尚、前記有害電磁波強度分布案内手段28は、前記有害電磁波回避案内装置の起動に伴い前記道路地図データに基づいて、図14(a)に示すように、前記案内出力手段23に、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置に対応する道路地図上の位置が前記案内出力手段23の表示部中央となるように道路地図を表示させるとともに、当該車両10の現在位置に対応する道路地図上の位置に現在位置マーカMaを表示させる(SA7)。そして、前記案内出力手段23に表示される道路地図は、前記位置検出手段20により逐次検出される現在位置に応じて逐一更新表示される。
【0063】
前記有害電磁波強度分布案内手段28は、前記有害電磁波強度分布情報取得手段26により、前記有害電磁波強度分布情報が取得されると(SB1)、前記有害電磁波強度分布情報に基づいて、前記案内出力手段23に表示させている道路地図の範囲における有害電磁波強度分布Doを電力束密度分布または電界強度分布として生成する(SB2)。
【0064】
また、前記有害電磁波検出手段21により有害電磁波強度が検出される毎に、前記有害電磁波強度情報送信手段22によって内部メモリに蓄積された有害電磁波強度情報Isから、当該車両10が通過した地域Plにおいて有害電磁波強度を検出した各ポイントPe(i)を導出し(SB3)、前記有害電磁波監視装置11から配信されてくる有害電磁波強度分布情報から、前記各ポイントPe(i)における前記配信有害電磁波強度Isb(i)を導出する(SB4)。
【0065】
そして、例えば、前記各ポイントPe(i)における、前記実測有害電磁波強度Isa(i)と前記配信有害電磁波強度Isb(i)との差分の絶対値|ΔIsab|を算出し(SB5)、前記差分の絶対値|ΔIsab|が所定の有害電磁波強度差ΔIth以上異なっているポイントPe(i)が、所定数Nth以上連続して存在していないときには(SB6/N)、前記生成した有害電磁波強度分布Doをマップ化して、前記道路地図上に重ねて表示させる(SB7)。
【0066】
ユーザは、前記道路地図上に重ねて表示された前記有害電磁波強度分布Doに基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができる。
【0067】
一方、前記差分の絶対値|ΔIsab|が所定の有害電磁波強度差ΔIth以上異なっているポイントPe(i)が、所定数Nth以上連続して存在しているときには(SB6/Y)、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isに基づいて新たな有害電磁波強度分布Dnをシミュレーションする。
【0068】
つまり、前記蓄積した有害電磁波強度情報Isに基づいて、上述したように、当該車両10の絶対的な移動方向毎に、その方向における絶対的な移動距離Xと各ポイントPe(i)での電磁波強度Y(電力束密度S(mW/cm)、電界強度E(V/m)、磁界強度H(A/m)等)との関係をプロットし(SB8)、前記〔数6〕に示す近似曲線を生成し(SB9)、前記有害電磁波検出手段21では未検出地域の有害電磁波強度をも補間した有害電磁波強度分布Dsを導出する(SB10)。そして、前記導出した有害電磁波強度分布Dsと前記生成した有害電磁波強度分布Doとを合成処理することで、新たな有害電磁波強度分布Dnを生成し(SB11)、前記生成した新たな有害電磁波強度分布Dnをマップ化して、前記道路地図上に重ねて表示させる(SB12)。
【0069】
ユーザは、前記有害電磁波監視装置11から配信されてくる有害電磁波強度分布情報が、例えば、送信データ容量の増大を防止するために、地域毎の分割精度を粗くすることで、詳細地域情報を得るためには不都合なものとなっていたり、また、例えば、配信時間間隔を長くすることで、有害電磁波強度分布情報の時間的変化に対する精度が低くなっていたときでも、前記有害電磁波強度分布Doを補正することで精度の高くなった前記新たな有害電磁波強度分布Dnに基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができる。
【0070】
ユーザにより、前記操作手段25を介して目的地が入力されると、前記推奨経路探索手段29は、当該車両10の現在位置から前記入力された目的地までの推奨経路を、前記有害電磁波強度分布と前記道路地図データに基づいて探索し、前記探索した推奨経路と目的地を前記道路地図上に重ねて表示する。
【0071】
詳述すると、前記推奨経路探索手段29は、ユーザにより前記操作手段25を介して目的地が設定入力されると(SC1)、前記有害電磁波強度分布情報に基づいて前記道路地図データにおけるリンク情報から前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域にかかるリンクR(i)を省いた新たなリンク情報を生成し(SC2)、前記生成した新たなリンク情報に基づいて、予め任意に設定されている経路探索モードに応じた推奨経路の探索を実施する(SC3)。即ち、予め前記移動距離重視モードが設定されているときには、現在位置から目的地までの移動距離が最短となるように、また、予め前記移動時間重視モードが設定されているときには、現在位置から目的地までの移動時間が最短となるように、更に、予め前記心理状態重視モードが設定されているときには、心理的な安心度が高くなるように推奨経路の探索を実施する。このとき、前記推奨経路の探索に用いられた前記新たなリンク情報には、前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域にかかるリンクR(i)が省かれているため、前記推奨経路は、前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域を通過することのない推奨経路として探索される。
【0072】
また、前記推奨経路探索手段29は、引き続き前記有害電磁波強度分布案内手段28により生成される有害電磁波強度分布の監視を行う。具体的には、前記有害電磁波回避システムから配信される有害電磁波強度分布情報が所定時間毎に取得されたり、前記有害電磁波検出手段21により検出される有害電磁波強度が逐次検出されることで、前記有害電磁波強度分布案内手段28により前記有害電磁波強度分布(有害電磁波強度分布Doや有害電磁波強度分布Dn)が更新され、図15に示すように、前記探索した推奨経路の途中に、前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域Dnが出現したときに(SC4)、前記更新された有害電磁波強度分布に基づいて、推奨経路に前記所定の有害電磁波強度閾値Stha以上の地域が含まれないように、上述と同様にして、推奨経路を再探索する。
【0073】
前記推奨経路探索手段29は、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置により、当該車両10が前記目的地に到着したことを検出すると(SC5)、その動作を終了する。
【0074】
尚、前記推奨経路探索手段29は、前記有害電磁波検出手段21により検出される当該車両10の現在位置における有害電磁波強度が、第一の有害電磁波強度閾値Sthb以上であったときに、有害電磁波強度が第二の有害電磁波強度閾値Sthc未満となっている地域を目的地とした推奨経路を探索する構成としてもよい。既に有害電磁波強度の強い地域に、ユーザが既に進入してしまっていたときに、ユーザは、前記予め設定されている各種経路探索モードに応じて、例えば、最短距離で、或いは、最短時間で、また或いは、最も安全に、有害電磁波強度が強い地域から脱出することができる。
【0075】
前記推奨経路案内手段30は、前記推奨経路探索手段29により推奨経路が探索されると(SD1)、前記案内出力手段23を介して前記推奨経路に従った進路案内を開始する。
【0076】
詳述すると、図14(b)に示すように、前記案内出力手段23に表示されている地図上に、前記探索された推奨経路を示す推奨経路マーカMsと、前記目的地を示す目的地マーカMbを表示させる(SD2)。
【0077】
そして、当該車両10が移動することで、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置Pgが、前記リンクの始点または終点、つまり、前記ノードN(i)としての交差点やインターチェンジ等に所定の距離Dth1まで近づくと(SD3)、ユーザが前記推奨経路探索手段29により探索された推奨経路、つまり、リンク列から外れないように、前記近づきつつある交差点やインターチェンジ等で次に選択すべきリンクのある方向を案内する(SD4)。即ち、当該車両10が交差点に近づきつつあるときには、前記案内出力手段23に直進、右折、左折等の次の交差点で選択すべき進行方向を映像表示及び/または音声出力させる。また、当該車両10がインターチェンジに近づきつつあるときには、前記案内出力手段23に選択すべき車線を映像表示及び/または音声出力させる。
【0078】
また、前記車両23が移動することで、前記位置検出手段11により検出される現在位置が、つまり、当該車両10が、新たなリンクに移ると(SD5)、前記リンク情報に基づいて前記新たなリンクに対応する特殊情報、例えば、制限速度や車線数、障害物の存在の有無等を前記案内出力手段23を介して案内する(SD6)。
【0079】
更に、前記推奨経路案内手段30は、前記推奨経路探索手段29により探索された推奨経路に、有害電磁波強度が第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域が含まれているようなときには、例えば、前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域に当該車両10が進入する前に、より具体的には、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置Pgが、前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域への進入地点Psに所定の距離Dth2まで近づいたときに(SD7)、前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域を通過するために必要な予想時間を、前記案内出力手段23に映像表示及び/または音声出力させる(SD8)。またこのとき、前記推奨経路案内手段30は、前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上となっている有害電磁波に曝露されていても安全な時間を、前記案内出力手段23に映像表示及び/または音声出力させてもよい。ユーザは、有害電磁波強度が前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域に進入することを予め知ることができるとともに、有害電磁波からの影響度合いを予め知ることができる。
【0080】
尚、前記第三の有害電磁波強度閾値Sthd以上の地域を通過するために必要な予想時間は、前記リンク情報と前記有害電磁波強度分布情報に基づいて算出される。
【0081】
前記推奨経路案内手段30は、前記位置検出手段20により検出される当該車両10の現在位置により、当該車両10が前記目的地に到着したことを検出すると(SD9)、その動作を終了する。
【0082】
つまり、上述の実施形態では、ユーザは、マップ化された電力束密度分布または電界強度分布により、広域に亘った有害電磁波強度分布を分かりやすく確認することができるため、必要があるときには、前記有害電磁波強度分布に基づいて有害電磁波強度の強い地域を適切に回避することができる。
【0083】
以下、別の実施形態について説明する。上述の実施形態では、有害電磁波強度分布情報取得手段26が、送信されてくる有害電磁波強度分布情報を取得する構成について説明したが、有害電磁波強度分布情報取得手段26は、記録媒体に記録された有害電磁波強度分布情報を取得する構成であってもよい。何れにしても有害電磁波強度分布情報を取得可能な構成となっていればよい。
【0084】
上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】有害電磁波回避システムの説明図
【図2】(a)有害電磁波強度情報の説明図、(b)有害電磁波強度分布情報の説明図
【図3】有害電磁波回避装置の説明図
【図4】ノード及びリンクの説明図
【図5】リンク情報の説明図
【図6】マップ化した有害電磁波強度分布の説明図
【図7】(a)車両が通過した地域と有害電磁波強度の検出ポイントの説明図、(b)近似曲線の説明図
【図8】(a)有害電磁波強度勾配の説明図、(b)実測有害電磁波強度と前記配信有害電磁波強度の差分及び所定の有害電磁波強度差の説明図
【図9】(a)蓄積した有害電磁波強度情報に基づいた有害電磁波強度分布の説明図、(b)合成処理後の有害電磁波強度分布の説明図
【図10】有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の動作を説明するためのフローチャート
【図11】有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の動作を説明するためのフローチャート
【図12】有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の動作を説明するためのフローチャート
【図13】有害電磁波回避システム及び有害電磁波回避案内装置の動作を説明するためのフローチャート
【図14】(a)道路地図の説明図、(b)推奨経路の説明図
【図15】推奨経路の途中に有害電磁波強度の強い地域が出現したときの説明図
【図16】別表第2号の3の2・・・電波の強度の値の表(第21条の3関係)
【図17】無線設備から発射される電波の強度の算出方法及び測定方法の説明図であり、(a)は電力束密度、(b)は指向性アンテナを用いている場合における電力束密度
【符号の説明】
【0086】
01:有害電磁波回避システム
02:有害電磁波回避案内装置
10:車両
11:有害電磁波監視装置
20:位置検出手段
21:有害電磁波検出手段
22:有害電磁波強度情報送信手段
23:案内出力手段
24:地図データ記憶手段
25:操作手段
26:有害電磁波強度分布情報取得手段
27:制御部
28:有害電磁波強度分布案内手段
29:推奨経路探索手段
30:推奨経路案内手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害電磁波強度情報を検出し送信する移動体から送信されてくる有害電磁波強度情報と、予め設定されている有害電磁波発信源情報とに基づいて所定地域における有害電磁波強度分布情報を生成するとともに、前記生成した有害電磁波強度分布情報を移動体に配信する有害電磁波監視装置を含む有害電磁波回避システム。
【請求項2】
所定の情報を映像及び/または音声で案内出力する案内出力手段と、有害電磁波強度分布情報を取得する有害電磁波強度分布情報取得手段と、前記取得した有害電磁波強度分布情報に基づいて所定地域における有害電磁波強度分布を前記案内出力手段に案内出力させる有害電磁波強度分布案内手段を備えた有害電磁波回避案内装置。
【請求項3】
現在位置を検出する位置検出手段と、前記有害電磁波強度分布情報と道路地図データに基づいて現在位置から目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、前記探索した推奨経路を前記案内出力手段に案内出力させる推奨経路案内手段を備えた請求項2に記載の有害電磁波回避案内装置。
【請求項4】
現在位置における有害電磁波強度を検出する有害電磁波検出手段を備え、前記有害電磁波強度分布案内手段が、前記検出した有害電磁波強度に基づいて補正した有害電磁波強度分布を前記案内出力手段に案内出力させる請求項2または3に記載の有害電磁波回避案内装置。
【請求項5】
前記推奨経路探索手段が、現在位置の有害電磁波強度が第一の有害電磁波強度閾値以上であったときに、有害電磁波強度が第二の有害電磁波強度閾値未満となっている地域を目的地とした推奨経路を探索する請求項3または4に記載の有害電磁波回避案内装置。
【請求項6】
前記推奨経路案内手段が、前記推奨経路に第三の有害電磁波強度閾値以上の地域が含まれていたときに、前記第三の有害電磁波強度閾値以上の地域を通過するために必要な予想時間を前記案内出力手段に案内出力させる請求項3から5の何れかに記載の有害電磁波回避案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図6】
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【図9】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−192641(P2007−192641A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10455(P2006−10455)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】