説明

有極型帯域通過フィルタ

【課題】1対の共振器だけで1対の減衰極を形成し、同じ数の共振器であれば従来よりも減衰極の数を増やすことができる有極型帯域通過フィルタを提供する。
【解決手段】その管壁の一部を共有して隣接する入力導波管部6及び出力導波管部7と、これらの導波管部6,7の間に介在する1対の導波管共振器2a,2bとを有しており、共有する管壁には、結合窓10が形成されている。1対の導波管共振器6,7は結合孔3を介して結合されている。結合窓10は、入力導波管部6から当該結合窓10を経由して出力導波管部8に伝搬する電磁波と、入力導波管部6から結合孔3を経由して出力導波管部8に伝搬する電磁波との間に180度の位相差を生じさせる位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波、ミリ波等の電磁波のフィルタリングに使用する有極型帯域通過フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通過帯域の近傍に複数の急峻な減衰極を有する有極型帯域通過フィルタが知られている。従来の有極型帯域通過フィルタの1例を図11乃至図13に示す。この有極型帯域通過フィルタ41aは、1対の減衰極を有するためのもので、4つの導波管共振器42a〜42d、入力導波管部46、及び、出力導波管部47が、コ字状に配置されることにより構成される。本明細書では、矩形導波管が有する4つの側面のうち、相対的に面積の大きな1対の底面をH面、面積の小さな1対の側面をE面と称する。電界(E)はE面と平行に生じ、磁界(H)はH面に平行に生じる。
この有極型帯域通過フィルタ41aのE面内部構造を図12、そのH面内部構造を図13に示す。
【0003】
入力導波管部46と導波管共振器42aとは、アイリス45aを介して電磁波の入出力方向(電磁波が有極型帯域通過フィルタ41aに入出力する方向)と平行に接続されており、導波管共振器42aと導波管共振器42bとは、アイリス45bを介して電磁波の入出力方向と平行に接続されており、導波管共振器42bと導波管共振器42cとは、アイリス45cを介して電磁波の入出力方向と直交する方向に接続されており、導波管共振器42cと導波管共振器42dとは、アイリス45dを介して電磁波の入出力方向と平行に接続されており、導波管共振器42dと出力導波管47とは、アイリス45eを介して電磁波の入出力方向と平行に接続されている。
【0004】
入力導波管部46、導波管共振器42aと、導波管共振器42b、出力導波管部47とは、それぞれE面を共有する。この共有されたE面を隔壁48という。
【0005】
また、導波管共振器42aと導波管共振器42dの間には、隔壁48を飛び超えて両者を結合するように、容量性の同軸結合ループ50が設けられている。入力導波管46、導波管共振器42a〜42d、出力導波管47の順で伝搬する電磁波と、導波管共振器42aから同軸結合ループ50を介して直ちに導波管共振器42dへ伝搬する電磁波とは、位相がずれるため、1対の減衰極が発生することとなる。
【0006】
上記のような構成を有する帯域通過フィルタとしては、例えば、特許文献1に記載された発明が存在している。
【特許文献1】特開2000−82903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した有極型帯域通過フィルタ41aでは、通過帯域の両側に1対の減衰極を生じさせるためには、少なくとも4個の導波管共振器42a〜42dが必要であった。そのため、外形寸法が大きくならざるを得ないという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑み、導波管共振器が2個の場合でも通過帯域の両側に1対の減衰極を生じさせることができ、従来のものよりも小型に形成することが可能であり、また、同じ数の共振器を接続した場合には、従来よりも減衰極の数を増やすことができる構造の有極型帯域通過フィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の有極型帯域通過フィルタは、その管壁の一部を共有して隣接する入力導波管部及び出力導波管部と、これらの導波管部の間に介在する1対の導波管共振器とを有しており、前記共有する管壁には、結合窓が形成されており、前記1対の導波管共振器は結合孔を介して結合されており、前記結合窓は、前記入力導波管部から当該結合窓を経由して前記出力導波管部に伝搬する電磁波と、前記入力導波管部から前記結合孔を経由して前記出力導波管部に伝搬する電磁波との間に180度の位相差を生じさせる位置に形成されていることを特徴とする。
このような構造の有極型帯域通過フィルタでは、入力導波管部から1対の導波管共振器を経由して出力導波管部に伝搬する電磁波と、入力導波管から結合窓を経て直ちに出力導波管に伝搬する電磁波との位相差が180度となるので、1対の導波管共振器だけで1対の減衰極を生じさせることができる。
【0009】
導波管共振器は、矩形導波管又は円形導波管で構成することができる。
【0010】
矩形導波管で導波管共振器を構成した有極型帯域通過フィルタは、例えば、前記入力導波管部及び前記出力導波管部、並びに、前記1対の導波管共振器が、それぞれ磁界と平行となる管壁を共有し、電界と平行となる管壁が2分割された2段構造の矩形導波管により構成されるものであり、前記矩形導波管は、閉端部と開端部とを有しており、前記入力導波管部は、前記矩形導波管の開端部側の一方の段に形成されており、前記出力導波管部は、前記矩形導波管の開端部側の他方の段に形成されており、前記結合窓及び前記結合孔は、前記共有している管壁上に形成されており、前記結合孔は、前記矩形導波管の閉端部内壁を起点に形成されていることを特徴とする。このような構造の有極型帯域通過フィルタの場合、前記結合窓は、具体的には前記1対の導波管共振器の形成部位から、通過させる電磁波の波長の1/4の長さの奇数倍だけ開端部方向に離れた部位に形成される。
【0011】
導波管共振器を円形導波管で構成した場合には、TE01sモードにおいて、耐電力・無負荷Qが優れているため、高電力のレーダーフィルタなどに使用することができる。
【0012】
この有極型帯域通過フィルタにおいて、前記入力導波管部及び前記出力導波管部と前記1対の導波管共振器との間に、互いに第2の結合窓で結合された、もう1対の導波管共振器が介在するようにしても良い。このように1対の導波管共振器が増える場合、前記結合窓は、前記もう1対の導波管共振器の形成部位から、通過させる電磁波の波長の1/4の長さの偶数倍だけ開端部方向に離れた部位に形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有極型帯域通過フィルタは、導波管共振器が2個の場合でも通過帯域の両側に1対の減衰極を生じさせることができ、従来のものより小型に形成することができる。従来と同じ数の共振器を接続した場合は、従来よりも多い減衰極を発生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の有極型帯域通過フィルタ1aの内部構造斜視図であり、図2はE面断面図、図3はH面断面図である。
有極型帯域通過フィルタ1aは、閉端部及び開端部を有する2段構造の矩形導波管により構成される、2つの導波管共振器2a,2b、及び、入力導波管部6及び出力導波管部7を有している。入力導波管部6は、矩形導波管の開端部側の上段に形成されており、出力導波管部7は、下段に形成されている。導波管共振器2a,2bは、TE101モードで共振する。
【0015】
入力導波管部6と導波管共振器2aはアイリス5aを介して接続され、導波管共振器2bと出力導波管部7はアイリス5bを介して接続される。入力導波管部6、出力導波管部7、2つの導波管共振器2a,2bは、それぞれH面が共通となる。この共通するH面を隔壁8という。2段構造は、この隔壁8により実現される。
導波管共振器2aと導波管共振器2bの間の隔壁8には結合孔3が形成されており、電磁波が結合孔3を通じて上段から下段に折り返し伝搬するようになっている。導波管共振器2a,2b、アイリス5a,5b、結合孔3の寸法は、所望の帯域通過フィルタ特性を得るように設定される。
【0016】
入力導波管部6と出力導波管部7との間の隔壁8には、結合窓10が形成されている。結合窓10の形成部位は、入力導波管部6から導波管共振器2a、結合孔3、導波管共振器2bを経由して、出力導波管部7へ伝搬する電磁波と、入力導波管6から結合窓10を経て直ちに出力導波管7へ伝搬する電磁波との位相差が180度となる部位とする。具体的には、アイリス5a,5bからmλg/4離れた位置に結合窓10を形成する。λgは、通過させる電磁波の波長である。mは、第1実施形態では奇数(m=1,3,5・・・)である。
【0017】
入力導波管部6に入力された電磁波は、以下のようにして、有極型帯域通過フィルタ1aを伝搬する。すなわち、この電磁波は、入力導波管部6からアイリス5aを介して導波管共振器2aに伝搬する。このとき、一部の電磁波は、結合窓10を介して直ちに出力導波管部7に向かう。導波管共振器2aに伝搬した電磁波は、結合孔3を経て導波管共振器2bに伝搬する。
【0018】
導波管共振器2bに伝搬した電磁波は、アイリス5bを介して出力導波管部7へ向かう。結合窓10はアイリス5aからmλg/4離れた位置に形成されているため、入力導波管部6、導波管共振器2a、導波管共振器2b、出力導波管部部7の順で伝搬する電磁波と、入力導波管部6から結合窓10を経て直ちに出力導波管部7に伝搬する電磁波とは、その位相差が180度となる。
【0019】
この実施形態の有極型帯域通過フィルタ1aにおいて、m=1の場合の減衰特性を図4に示す。同様に、m=3の場合の減衰特性を図5に示す。これらの図から明らかなように、1対の導波管共振器2a,2bの場合は、mを奇数とすることで、通過帯域の両側に1対の減衰極が生じる。
【0020】
[第2実施形態]
導波管共振器は、2つのみならず、それ以上設けることもできる。図11に示した従来の有極型帯域通過フィルタ41aと同様、4つ(2対)の導波管共振器を設けた場合の実施の形態例を説明する。この実施形態では、第1実施形態の有極型帯域通過フィルタ1aに、もう1対の導波管共振器を付加した場合の例を挙げる。
【0021】
図6は、この実施形態に係る有極型帯域通過フィルタ11aのE面断面図である。図7は、そのH面断面図である。この実施形態の有極型帯域通過フィルタ11aは、4つの導波管共振器12a〜12d、入力導波管部16、出力導波管部17、アイリス15a〜15d及び結合孔13を有している。入力導波管部16は、2段構造の矩形導波管の開端部側の上段に形成されており、出力導波管部17は、下段に形成されている。導波管共振器12a〜12dは、TE101モードで共振する。
【0022】
入力導波管部16と導波管共振器12aはアイリス15aを介して接続され、導波管共振器12aと導波管共振器12bはアイリス15bを介して接続される。導波管共振器12cと導波管共振器12dはアイリス15cを介して接続される。導波管共振器12dと出力導波管部17はアイリス15dを介して接続される。
入力導波管部16と出力導波管部17、導波管共振器12aと導波管共振器12d,導波管共振器12bと導波管共振器12cは、それぞれH面が共通となる。この共通するH面が隔壁18である。入力導波管部16と出力導波管部17との間の隔壁18には第1の結合窓20が形成されており、導波管共振器12aと導波管共振器12dとの間の隔壁18には第2の結合窓14が形成されている。また、導波管共振器12bと導波管共振器12cとの間の隔壁18には結合孔13が形成されており、第1実施形態のものと同様、電磁波が結合孔13を通じて上段から下段に折り返し伝搬するようになっている。導波管共振器12a〜12d、アイリス15a〜15d、結合孔13の寸法は、所望の帯域通過フィルタ特性を得るように設定される。
【0023】
第2の結合窓14は、アイリス15a〜15d及び結合孔13により導波管共振器12a〜12dを伝搬する電磁波と、導波管共振器12aから当該第2の結合窓14を介して導波管共振器12dへ伝搬する電磁波との位相差が180度となる部位に形成される。具体的には、アイリス15b,15cからmλg/4離れた位置に第2の結合窓14が形成される。λgは、通過させる電磁波の波長、mは、奇数(m=1,3,5・・・)である。特に、本実施形態のようにTE101モード共振器を用いる場合には、m=1とする。
【0024】
第1の結合窓20は、導波管共振器12aから第2の結合窓14を介して導波管共振器12dへ伝搬する電磁波と、入力導波管部16から当該第1の結合窓20を介して出力導波管部17へ伝搬する電磁波との位相差が180度となる部位に形成される。具体的には、アイリス15a,15dからnλg/4離れた位置に第1の結合窓20が形成される。λgは、通過させる電磁波の波長、nは、偶数(n=2,4,6・・・)である。
【0025】
入力導波管16に入力された電磁波は、以下のようにして有極型帯域通過フィルタ11aを伝搬する。すなわち、この電磁波は、入力導波管部16からアイリス15aを介して導波管共振器12aに伝搬する。一部の電磁波は、第1の結合窓20を介して出力導波管部17へ向かう。
【0026】
導波管共振器12aに伝搬した電磁波は、アイリス15bを介して、導波管共振器12bに伝搬する。このとき、一部の電磁波は、第2の結合窓14を介して導波管共振器12dへ向かう。
【0027】
導波管共振器12bに伝搬した電磁波は、結合孔13を経て、導波管共振器12cに伝搬する。導波管共振器12cに伝搬した電磁波は、アイリス15cを介して導波管共振器12dへ伝搬する。導波管共振器12dに伝搬した電磁波は、アイリス15dを介して出力導波管部17へ伝搬する。
【0028】
第2の結合窓14は、導波管共振器12a、導波管共振器12b、導波管共振器12c、導波管共振器12dの順で伝搬する電磁波と、導波管共振器12aから、結合窓14を介して、導波管共振器12dに伝搬する電磁波との位相差を180度にするため、通過帯域の両側に1対目の減衰極を生じさせる。また、第1の結合窓20が、入力導波管16から、導波管共振器12a、結合窓14を介して導波管共振器12dへ伝搬する電磁波と、入力導波管16から当該第1の結合窓20を介して出力導波管17へ伝搬する電磁波との位相差を180度にするため、通過帯域の両側に、2対目の減衰極を生じさせる。
【0029】
この実施形態の有極型帯域通過フィルタ11aにおいて、m=1、n=2の場合の減衰特性を図8に示す。この図から明らかなように、従来の技術で説明した有極型帯域通過フィルタ41aに対して、共振器数が同じ4個でありながら、通過帯域の両側に2対の減衰極を生じさせることがわかる。
【0030】
[第3実施形態]
次に、導波管共振器を矩形導波管ではなく、円形導波管で構成した場合の実施の形態例を説明する。
図9は、この実施形態の有極型帯域通過フィルタ21aの外観斜視図である。
この有極型帯域通過フィルタ21aは、第1実施形態の有極型帯域通過フィルタ1aの矩形導波管共振器に代えて、円形導波管共振器を使用するものである。
この有極型帯域通過フィルタ21aは、円形導波管で構成される2つの導波管共振器22a,22bと、入力導波管部26と出力導波管部27とを有している。導波管共振器22a,22bは、TE011モードで共振するものである。
【0031】
入力導波管部26及び出力導波管部27は、その管壁の一部を共有して隣接する一対の断面矩形状の曲がり導波管を対称に配して構成される。2つの導波管共振器22a,22bは、これらの入出力導波管部26,27の間に介在する。
入力導波管部26と導波管共振器22aとは結合窓25aで結合されており、導波管共振器22a,22b同士は結合窓23で結合されており、導波管共振器22bと出力導波管27とは結合窓25bで結合されている。導波管共振器22a、22b、結合窓23、25a、25bの寸法は、所望の帯域通過フィルタ特性を得るように設定される。
【0032】
入力導波管部26と出力導波管部27は、一部のH面が共通になるように構成される。この共通するH面が隔壁28となる。この隔壁28に、結合窓30が形成されている。結合窓30は、入力導波管部26から、2つの導波管共振器22a,22bを経由して出力導波管部27へ向かう電磁波と、入力導波管部26から、結合窓30を介して直ちに出力導波管27へ向かう電磁波との位相差が180度となる位置に形成される。具体的には、結合窓25a及び結合窓25bからmλg/4離れた位置に結合窓30が形成される。λgは、通過させる電磁波の波長、mは奇数(m=1,3,5・・・)である。
【0033】
この実施形態の有極型帯域通過フィルタ21aは、第1実施形態の導波管共振器2a,2bに代えて導波管共振器22a,22bを使用するものなので、電磁波は、第1実施形態と略同様に伝搬する。
【0034】
この有極型帯域通過フィルタ21aにおいてm=1の場合の減衰特性を図10に示す。図10の破線31は結合窓30を使用しない場合の特性、実線32は結合窓30を使用した場合の特性を表している。導波管共振器として円形導波管共振器を用いた場合においても共振器数が2個でありながら、通過帯域の両側に1対の減衰極を生じさせることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の有極型帯域通過フィルタの内部構造斜視図。
【図2】第1実施形態の有極型帯域通過フィルタのE面断面図。
【図3】第1実施形態の有極型帯域通過フィルタのH面断面図。
【図4】第1実施形態においてm=1の場合の減衰特性図。
【図5】第1実施形態においてm=3の場合の減衰特性図。
【図6】第2実施形態の有極型帯域通過フィルタのE面断面図。
【図7】第2実施形態の有極型帯域通過フィルタのH面断面図。
【図8】第2実施形態においてm=1、n=2の場合の減衰特性図。
【図9】第3実施形態の有極型帯域通過フィルタの外観斜視図。
【図10】第3実施形態においてm=1の場合の減衰特性図。
【図11】従来の有極型帯域通過フィルタの外観斜視図。
【図12】従来の有極型帯域通過フィルタのE面断面図。
【図13】従来の有極型帯域通過フィルタのH面断面図。
【符号の説明】
【0036】
1a,11a,21a,41a・・・有極型帯域通過フィルタ、
2a,2b,12a〜12d,42a〜42d・・・(矩形)導波管共振器、
22a,22b・・・(円形)導波管共振器、
3,13,43・・・結合孔、
5a,5b,15a〜15d,45a〜45d・・・アイリス、
6,16,26,46・・・入力導波管部、
7,17,27,47・・・出力導波管部、
8,18,28,48・・・隔壁、
10,14,20,23,25a,25b,30・・・結合窓、
50・・・同軸結合ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その管壁の一部を共有して隣接する入力導波管部及び出力導波管部と、これらの導波管部の間に介在する1対の導波管共振器とを有しており、
前記共有する管壁には、結合窓が形成されており、
前記1対の導波管共振器は結合孔を介して結合されており、
前記結合窓は、前記入力導波管部から当該結合窓を経由して前記出力導波管部に伝搬する電磁波と、前記入力導波管部から前記結合孔を経由して前記出力導波管部に伝搬する電磁波との間に180度の位相差を生じさせる位置に形成されていることを特徴とする、
有極型帯域通過フィルタ。
【請求項2】
前記入力導波管部及び前記出力導波管部、並びに、前記1対の導波管共振器が、それぞれ磁界と平行となる管壁を共有し、電界と平行となる管壁が2分割された2段構造の矩形導波管により構成されるものであり、
前記矩形導波管は、閉端部と開端部とを有しており、
前記入力導波管部は、前記矩形導波管の開端部側の一方の段に形成されており、
前記出力導波管部は、前記矩形導波管の開端部側の他方の段に形成されており、
前記結合窓及び前記結合孔は、前記共有している管壁上に形成されており、
前記結合孔は、前記矩形導波管の閉端部内壁を起点に形成されていることを特徴とする、
請求項1記載の有極型帯域通過フィルタ。
【請求項3】
前記結合窓は、前記1対の導波管共振器の形成部位から、通過させる電磁波の波長の1/4の長さの奇数倍だけ開端部方向に離れた部位に形成されていることを特徴とする、
請求項2記載の有極型帯域通過フィルタ。
【請求項4】
前記入力導波管部及び前記出力導波管部と前記1対の導波管共振器との間に、互いに第2の結合窓で結合された、もう1対の導波管共振器が介在することを特徴とする、
請求項1又は2記載の有極型帯域通過フィルタ。
【請求項5】
前記結合窓は、前記もう1対の導波管共振器の形成部位から、通過させる電磁波の波長の1/4の長さの偶数倍だけ開端部方向に離れた部位に形成されていることを特徴とする、
請求項4記載の有極型帯域通過フィルタ。
【請求項6】
前記1対の導波管共振器が円形導波管共振器であることを特徴とする、
請求項1記載の有極型帯域通過フィルタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−28381(P2010−28381A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186290(P2008−186290)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】