説明

有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとそのモジュールを結合した表示装置

【課題】有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとそのモジュールを結合した表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置であって、電気変色モジュールを映像表示モジュールの表面に取付け、電気変色モジュールは第1透明基板と第2透明基板とを含み、当該基板の間に透明導電素子と電気変色層を設け、かつ電気変色層は有機と無機材料を溶剤に溶かして仕上げる。有機と無機材料間の電子の移動と伝送によって、材料内部のイオン価が改変され、イオン価は電子の提供によって還元を引き起し、電子が消えることによって酸化を引き起こし、変色現象を発生する。変色の速度がより速く、均一のほか、駆動電圧が小さいなどの長所を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光電装置の分野に関し、特に有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとその電気変色モジュールを適用した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気変色(Electrochromism, EC)材料は電流または電場の作用により、電気変色材料が光吸収または光散乱を発生し、色に可逆性変色を引き起こすことをいう。図1に示すように、公知技術の電気変色モジュール3は第1透明基板31と第2透明基板32との間にそれぞれ第1透明導電素子311と第2透明導電素子321を設けられ、第1透明基板31と第2透明基板32との間に電解質層34と電気変色層33を設けられている。または図2に示すように、もう一つの電気変色層33をさらに設け、かつ電気変色層33は電解質層と第2透明導電素子321との間に位置し、イオン格納層と補助変色層にする。電気変色材料は無機電気変色材料と有機電気変色材料に分ける。実務応用において、以下の特性を有する。イ、電気化学酸化還元可逆性が優れる。ロ、色変化のレスポンスが速い。ハ、色変化に可逆性を有する。ニ、色変化の敏感度が高い。ホ、ライフサイクルが長い。ヘ、一定の記憶保持機能を有する。ト、化学安定性が優れるなどの特性を有する。
【0003】
公知技術の電気変色モジュール3の材料はすべて遷移元素酸化物または水酸化物あるいはその派生物を無機の固体膜に仕上げ、もしくはそれを有機化合物/電解質材料に混ぜ合わせて複合材に仕上げた上、電子と外部提供のイオンソース(電解質または第2変色材料)により、イオンが格子に進入して、変色効果を実現する。たとえば、酸化タングステン(WO3)、水酸化ニッケル[Ni(OH)2]、フェロシアン化第二鉄などがある。
【0004】
前述電気変色材料のほか、無機電気変色材料の性能が安定しており、光の吸収変化はイオンと電子両方を注入と両方を抽出するによって引き起こされる。有機電気変色材料は、ポリアリニン、ビオロゲンと希土類フタロシアニンなどを含み、色は多様な豊富性を有し、同じく有機物の酸化還元反応による。無機材料に比べて、反応速度は速いが、環境保護と毒性の問題がある。前述公知技術の電気変色機制と構造の特許は、中華民国特許公報第I273131号(特許文献1)電気変色フィルム、中華民国特許公報第I289236号(特許文献2)電気変色表示装置などがある。
【0005】
一方、通常の立体映像表示技術の原理は両眼の像差(Binocular disparity)を利用し、右目と左目がそれぞれ異なる映像を受信して、脳内にて一つの立体映像に統合する。裸眼立体表示技術の構造はレンチキュラーレンズ(Lenticular)と光学バリア(Barrier)の2種類に大きく分けることができる。さらに、電気変色材料を利用し光学バリア(Barrier)を実現すると共に、立体像または平面像の表示切り換え機能を備えた立体映像表示モジュールに関する特許は以下のとおりである。
【0006】
中華民国特許公報第M368088号整合式電気変色2D/3D表示装置(特許文献3)、中華民国特許公報第M371902号2D平面像/3D立体映像表示画面切り換え可能な表示装置(特許文献4)、中華民国特許公報第I296723号立体映像を表示可能な液晶パネルのカラーフィルタとその製造方法(特許文献5)、米国特許公報第2006087499号Autostereoscopic 3D display device and fabrication method thereof(特許文献6)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中華民国特許公報第I273131号
【特許文献2】中華民国特許公報第I289236号
【特許文献3】中華民国特許公報第M368088号
【特許文献4】中華民国特許公報第M371902号
【特許文献5】中華民国特許公報第I296723号
【特許文献6】米国特許公報第2006087499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述特許のすべては電気変色材料を立体映像表示の視差バリア装置として利用されている。そのうち、M368088(特許文献3)とM371902(特許文献4)の構造の共通な欠陥として、電気変色装置に必要な電解質層を設けておらず、イオンを電気変色層に提供する電解質層がないため、電気変色装置には酸化または還元の可逆反応を引き起して変色または褪色する変化はできない。このため、前述特許は実務に実施不可能であろう。さらに、視差バリア装置の透明電極層と電気変色材料層ともグリッドパターン構造である。生産過程において、層ごとに塗布、スパッターリングまたはエッチングを実施した上、各層間には精確に位置合わせる必要があり、生産プロセスが極めて複雑である。さらに、各積層ともグリッドパターン構造のため、グリッド同士の中間部に中空区域を形成し全体の光透過、屈折または反射に影響する。ただ一般の2D表示も表示装置の映像品質に影響を与え、色差または輝度不均一の問題を引き起こす。一方、I296723(特許文献5)は液晶表示装置に埋め込み、カラーフィルタを成形する構造である。前述すべての特許の電気変色層とも公知技術の電気変色材料および変色機制が使用されており、大きい駆動電圧を要するため、材料欠陥を引き起こしやすく、かつ使用寿命が短いなどの問題が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記ニーズについて、発明者が鋭意研究し、発明者の当分野における長年の経験に基づいて、斬新な有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとそのモジュールを結合した表示装置を考案した。
【0010】
本発明の一つの目的は、厚みを軽減でき、かつ生産プロセスを簡素化できる電気変色モジュールを提供する。
【0011】
本発明もう一つの目的は、電解質層を新たに設けることが不要な電気変色モジュールを提供する。
【0012】
本発明もう一つの目的は、高速に変色/褪色でき、ライフサイクルが長く、かつ駆動電圧が小さい電気変色モジュールを提供する。
【0013】
本発明のまた一つの目的は、有機/無機電気変色材料の長所を擁しながら、その欠点を有しない電気変色モジュールを提供する。
【0014】
前述目的を達成するため、本発明の電気変色モジュールの変色材料は溶剤の中に、有機材料と無機材料を混ぜ合わせてなる。そのうち、有機材料は酸化還元指示薬、酸塩基指示薬であり、無機材料は遷移元素(スカンジウム亜族(IIIB)、チタニウム亜族(IVB)、バナジウム亜族(VB)、クロム亜族(VIB)、マンガン亜族(VIIB)、鉄族(VIII)、銅亜族(IB)、亜鉛亜族(IIB)または白金系(VIII)などを含む)酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物などの無機派生物、およびハロゲン族(VIIA)、酸素基(VIA)、窒素族(VA)、カーボン族(IVA)、ボロン族(IIIA)、アルカリ土族(IIA)、アルカリ金属族(IA)など無機派生物のいずれかを含む。変色の機制は有機、無機材料によって相互補完体系を形成する。この体系において、導電素子から電子を提供することによって、電気変色材料の有機材料に還元反応を引き起こし、還元後その自由基またはイオン状態の電位差と無機材料の電位差とが異なる。よって、電子が自然に有機イオンから無機イオンに移動し、材料の価が改変し変色を引き起こす。材料の価は電子の提供を受け還元を引き起し、電子が消えることにより酸化を引き起こす概念に基づき、電気変色の速度が速く、均一、かつ駆動電圧が小さい、寿命が長い。
【0015】
前記目的を達成するため、本発明の有機と無機材料を結合した電気変色モジュールは、主に第1透明基板、第2透明基板、前記透明基板の間に設ける電気変色層と、透明導電素子、とを備える。透明導電素子は第1透明基板の表面または第2透明基板の表面あるいは第1透明基板と第2透明基板の対向表面に設けることもできる。電気変色層は透明導電素子から電子の提供を受け、構造中のイオン価を改変し変色する。
【0016】
本発明もう一つの目的は、前記電気変色モジュールを使用した2D映像と3D映像の切り換え機能を備える表示装置を提供する。
【0017】
本発明さらに一つの目的は、電気変色モジュールと電極との接触面積を増やし、変色速度を向上する表示装置を提供する。
【0018】
前述目的を達成するため、本発明は前述電気変色モジュールを映像表示モジュールと組合せして、表示装置を形成する。表示装置は平面像を立体映像に切り換え表示したとき、表示する映像は左目用の映像と右目用の映像に分けられる。このとき、透明導電素子は電気導通されることによって電気変色層の色は、透明から暗色の遮光区域に切り換わり、電気変色モジュールの間隔置きの配列状態に従い、電気変色モジュールに間隔置きに配列した複数の遮光区域を形成し、当該遮光区域を通過した映像は左目用の映像と右目用の映像に分けて、遮光区域によって一部の重なり映像区域を削除し、干渉縞のない立体映像を肉眼で視聴することができる。
【0019】
前記目的を達成するため、電気変色モジュールを立体映像表示装置のマスクに適用したとき、前述電気変色層を複数に間隔置きに配列しモジュールに取付ける。当該電気変色モジュールは3つの設置方式がある。第1方式は導電高分子を混ぜてスクリーン印刷により設ける。第2方式は、バリアユニットにより電気変色層を複数の細長片状に配列する。第3方式は、透明導電素子をそのままバリアユニットに使用する。前述3つの方式を利用することにより、当該電気変色層に格子状の遮光区域を作り上げて、光学バリア(Barrier)を形成する。
通常、立体映像の表示は、レンチキュラーレンズ(LenticuIar)または光学バリア(Barrier)この2種類の装置を表示装置に追加することによって実現するものがほとんどである。これに対して、本発明の有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとそのモジュールを結合した表示装置によれば、立体映像を表示するときに、表示装置より左目用の映像と右目用の映像を分けた立体映像を表示そのまま表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】公知技術の電気変色モジュールの断面視図(その1)である。
【図2】公知技術の電気変色モジュールの断面視図(その2)である。
【図3】本発明実施例1の立体分解態様図である。
【図4】本発明実施例1の透明導電素子の構造態様図(その1)である。
【図5】本発明実施例1の透明導電素子の構造態様図(その2)である。
【図6】本発明実施例1の透明導電素子の構造態様図(その3)である。
【図7】本発明実施例2の立体分解態様図ある。
【図8】本発明実施例2の透明導電素子の構造態様図(その1)である。
【図9】本発明実施例2の透明導電素子の構造態様図(その2)である。
【図10】本発明実施例3の透明導電素子の構造態様図(その1)である。
【図11】本発明実施例3の透明導電素子の構造態様図(その2)である。
【図12】本発明実施例4の立体分解態様図ある。
【図13】本発明実施例4の断面視図である。
【図14】本発明実施例5の断面視図である。
【図15】本発明実施例5の透明導電素子の構造態様図である。
【図16】本発明実施例6の断面視図である。
【図17】本発明実施例6の透明導電素子の構造上面図(その1)である。
【図18】本発明実施例6の透明導電素子の構造立体図(その1)である。
【図19】本発明実施例6の透明導電素子の構造立体図(その2)である。
【図20】本発明実施例6の透明導電素子の構造上面図(その2)である。
【図21】本発明実施例7の断面視図である。
【図22】本発明実施例7の透明導電素子の構造上面図である。
【図23】本発明実施例7の透明導電素子の構造立体図である。
【図24】本発明実施例8の断面視図である。
【図25】本発明実施例9の断面視図である。
【図26】本発明実施例10の断面視図である。
【図27】本発明実施例11の断面視図である。
【図28】本発明実施例12の断面視図である。
【図29】本発明実施例13の断面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の内容のさらなる理解を図るため、以下に図面を参照ながら本発明について詳しく説明する。
【実施例】
【0022】
図3に示した本発明の実施例1の立体分解態様図を参照して説明する。図示のように、本発明の電気変色モジュール1は第1透明基板11、第2透明基板12と電気変色層13とを備える。
【0023】
そのうち、第1透明基板11の上部表面に第1透明導電素子111を設けられ、第1透明基板11と第2透明基板12の材料はプラスチック、高分子プラスチック、ガラスまたは樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate, PET)、ポリカーボネート(Poly Carbonate, PC)、ポリエチレン(polyethylene, PE)、ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride, PVC)、ポリプロピレン(Poly Propylene,PP)、ポリスチレン(Poly Styrene, PS)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethylmethacrylate, PMMA)、またはこれらの混合物からなるプラスチック重合体のいずれかを選ぶ。第1透明導電素子111の材料はインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide, ITO)、インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide, IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(Al−doped ZnO, AZO)または酸化アンチモンスズ(Antimony Tin Oxide, ATO)より組み合わせた不純物ドープ酸化物(Impurity−Doped Oxides)グループのいずれかを選択し、または名のカーボンチューブ(carbon nanotube)、あるいはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(Poly−3,4−Ethylenedioxythiophene, PEDOT)導電高分子の材料から択一的に選択する。
【0024】
電気変色層13は第1透明基板11と第2透明基板12との間に設けられ、第1導電素子111の表面を被せる。一方、電気変色層13の材料は溶剤の中に有機材料と無機材料を混ぜ合わせてなる。電気変色層13は有機材料と無機材料の相補効果を利用し、材料自体に酸化および還元反応の特性をもたせる。変色の原理は導電素子より電子を提供し、電気変色材料は電子の移動と伝送することにより、イオン価を改変し変色を引き起こす。イオン価は電子の提供により還元を引き起こし、電子が消えると酸化を引き起こす。公知技術の電気変色は電子とイオンの搬入と搬出によって変色機制を実現することに対し、本発明の電気変色の速度は速く、均一、かつ駆動電圧が小さく、寿命が長い特徴を有する。
【0025】
有機材料は酸化還元指示薬(Redox Indicator)、酸塩基指示薬(acid−base indicator)などを含む。
【0026】
そのうち、酸化還元指示薬(Redox Indicator)は一種の酸化還元滴定に使用する指示薬であり、特定の電極電位において、顕著な色変化を引き起こすことができる。通常は、自らが酸化還元性質を有する有機試薬であり、酸化形と還元形には様々な色を有し、金属有機配合物、有機の酸化還元系統の2種類はよく見かけるタイプである。ほとんどの酸化還元指示薬と有機酸化還元系統ともプロトン(すなわち、H+)を電気化学反応の参与物としている。この特性により、酸化還元指示薬もpH依存の酸化還元指示薬と、pHを依存しない酸化還元指示薬2種類に分けられる。pHを依存しない酸化還元指示薬は、2,2’−ビピリジン錯イオン、5−ニトロフェナントロリン第一鉄錯体、N−フェニルアントラニル酸、1,10−フェナントロリンの鉄(II)錯体、ブリリアントブルー、パラコート、2.2’−ビピリジン錯イオン、5,6−ジメチルフェナントロリン第一鉄錯体、3.3’−ジメトキシベンジジン、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム、N,N’ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、メチルビオローゲンなどがある。そのうち、一部の指示薬に毒性がある。一方、pH依存の酸化還元指示薬は、ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム、インジゴナトリウムO−クレゾール、チオニン、メチレンブルー、インジゴテトラスルホン酸、インジゴトリスルホン酸、インジゴカルミン、インジゴスルホン酸、フェノールサフラニンO,サフラニンT、ニュートラルレッドなどがある。
【0027】
そのうち、酸塩基指示薬(acid−base indicator)はpH値を測定するための化学試薬であり、自ら弱酸性または弱アルカリ性を帯び、色素が含まれている。溶液に滴定すると、色素は水素イオンまたは水酸化物イオンと結合し相応の酸性またはアルカリ性に転化され、様々な色を表す。酸塩基指示薬はそれぞれのpH値の溶液に可逆性の色変化を引き起こすため、中和分析において、反応の終点が指示されるほか、被試験液体のpH値を測定できる。実験室でよく使われている酸塩基指示薬は、フェノールスホンフタイレン、コンゴーレッド、メチルオレンジ、フェノールフタレイン、チモールブルー、リトマス、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、p−ジメチルアミノアゾベンゼン、ブロモフェノールブルー、ブロムクレゾールグリーン、メチル赤、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、チモールフタレイン(Thymolphthalein)、アリザリンエローRなどがある。
【0028】
本発明の好ましい実施例の電気変色層においては、前述酸化還元指示薬のメチレンブルー(Methylene blue, C1618ClN3S 3H2O)、ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム(DichIorophenoIindophenoI sodium, C126Cl2NNaO2)、N−フェニルアントラニル酸(C1311NO2)、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、N,N’−N−N’ジフェニルベンジジン(N,N’−DiphenyIbenzidine, C20202)またはメチルビオローゲン(MethyI VioIogen)、および酸塩基指示薬のバリアミンブルーBジアゾニウム塩B(Variamine BIue B Diazonium saIt, C1312ClN3O)の何れかを使用する。
【0029】
溶剤の材料としてはジメチルスルホキシド[(CH32SO]、炭酸プロピレン(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、シアン化エチル、ベンゾニトリル、グルタロニトリル、メチルグルタロニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリルヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミ、N−メチルピロリジンケトン、スルホラン、3−メチルスルホランまたはその混合物を用いる。
【0030】
無機材料としては遷移金属の酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等の無機派生物のいずれかを選択するか、またはハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、カーボン族IVA)、ホウ素族(IIIA)、アルカリ土族(IIA)、アルカリ金属族(IA)の無機派生物のいずれかを選択できる。
【0031】
そのうち、遷移金属はさらに、銅亜族(IB)、亜鉛亜族(IIB)、スカンジウム亜族(IIIB)、チタニウム亜族(IVB)、バナジウム亜族(VB)、クロム亜族(VIB)、マンガン亜族(VIIB)、鉄族(VIIIB)と白金系(第5,6周期VIIIB)等を含める。
【0032】
前述の族種を以下の通り例示する。
【0033】
ハロゲン族(VIIA):SoIid:I2 暗紫色;ICl 暗赤色;IBr濃い灰色;IF3 黄色;ICl3 オレンジ色;I25 白色; I24 黄色(イオン結晶);I49 黄色(イオン結晶)。
【0034】
酸素族(VIA):
【0035】
固形(Solid):S レモン色;Se 灰色、茶色;Te 無色金属光沢;Na2S,(NH42S,K2S,BaS 白色、可溶性;ZnS 白色↓;MnS 肌色↓;FeS 黒色↓;PbS 黒色↓;CdS 黄色↓;Sb23 タンジェリン色↓;SnS 茶色↓;HgS 黒色(沈殿)、赤色(シン砂);Ag2S 黒色↓;CuS 黒色↓;Na223 白色;Na224 白色; SeO2 白色、揮発しやすい;SeBr2 赤色;SeBr4 黄色;TeO2 白色加熱により黄色に変わる;H2TeO3 白色;TeBr2 茶色;TeBr4 オレンジ色;TeI4 濃い灰色;PoO2 低温黄色(面心立方)、高温赤色(四方);SO3 無色;SeO3 無色湿気により、解離しやすい;TeO3 オレンジ色;H6TeO6 無色。
【0036】
窒素族(VA):
【0037】
固形: アンモニウム塩 無色金属;窒化金属 白色;N23 青色(低温);N25 白色;P 白色、赤色、黒色;P23 白色;P25 白色;PBr3 黄色;PI3 紅;PCl5 無色;P4Sx 黄色;P23 灰黄色;P25 黄色;H427 無色ガラス状;H3PO2 白色;As灰色;As23 白色;As25 白色;AsI3 赤色;As44 赤色(雄黄);As4S 黄色(石黄);As25 レモン色;Sb 銀白;Sb(OH)3 白色↓;Sb23 白色(テルル白色、顔料);Sb25 レモン色;SbX3(X<>I) 白色;SbI3 赤色;Sb23 タンジェリン↓;Sb25 オレンジ色;Bi 銀白赤気味;Bi23 レモン色;Bi255 赤茶色;BiF3 灰白;BiCl3 白色;BiBr3 黄色;BiI3黒↓;Bi23 暗褐黒色。
【0038】
カーボン族(IVA):
【0039】
固形:C(金剛石) 無色透明;C(黒鉛) 黒金属光沢;Si 濃い灰色金属光沢;Ge 淡灰白色;Sn 銀白色;Pb 濃い灰色;SiO2 無色透明;H2SiO3 無色透明グルー↓;Na2SiF6 白色結晶;GeO 黒色;GeO2 白色;SnO 黒色;SnO2 白色;Sn(OH)2 白色↓;PbO黄色または黄色がかった赤;Pb23 オレンジ色;Pb3O 赤色;PbO2 茶色;CBr4 レモン色;Cl4 ピンク色;GeI2 オレンジ色;GeBr2 黄色;GeF4 白色;GeBr4 淡灰白色;GeI4 黄色;SnF2 白色;SnCl2 白色;SnBr2 レモン色;SnI2 オレンジ色;SnF4 白色;SnBr4 無色;SnI4 赤色;PbF2 無色↓;PbCl2 白色↓;PbBr2 白色;PbI2 金色;PbF4 無色;GeS 赤色;GeS2 白色;SnS 茶色↓;SnS2 金色(俗称「金粉」)↓;PbS 黒色↓;PbS2 赤茶色;Pb(NO32 無色;Pb(Ac)2・3H2O 無色結晶;PbSO4 白色↓;PbCO3 白色↓;Pb(OH)2 白色↓;Pb3(CO32(OH)2 鉛白色↓;PbCrO4 山吹色↓。
【0040】
ホウ素族(IIIA):
【0041】
固形:B(定形がない) 茶色粉末;B(結晶) 黒灰;AI 銀白色;Ga 銀白色(液化しやすい);In 銀灰色; TI 銀灰色;B23 ガラス状;H3BO3 無色片状;BN 白色;Na247・10H2O 白色結晶;Cu(BO22 青色↓;Ni(BO22緑↓;NaBO2・Co(BO22 青色↓;NaBO2・4H2O 無色結晶;無水NaBO2 黄水晶;AI23 白色結晶;AIF3 無色;AICl3 白色;AIBr3 白色;AII3 棕;AI(OH)3 白色↓;Ga23 白色↓Ga(OH)3 白色↓;GaBr3 白色;GaI3 黄色;In23 黄色;InBr3 白;InI3 黄色;TIOH 黄色;TI2O 黒色;TI23 暗褐黒色;TICl 白色↓;TIBr 淡黄色↓;TII 黄色↓(銀色に近い);TIBr3 黄色;TII3 黒色。
【0042】
アルカリ土類金属(IIA):
【0043】
単純物質:銀白色
【0044】
火炎色:Ca ブリックレッド;Sr マゼンタ;Ba 緑色。
【0045】
酸化物:すべては白色固体。
【0046】
水酸化物:白色固体 Be(OH)2↓,Mg(OH)2↓。
【0047】
塩:ほとんど無色または白色結晶体;BeCl2 淡黄色;BaCrO4 黄色↓;CaF2 白色↓。
【0048】
アルカリ金属(IA):
【0049】
単純物質:銀白色
【0050】
火炎色:Li 赤色;Na 黄色;K 紫色;Rb マゼンタ;Cs マゼンタ。
【0051】
酸化物、過酸化物、超酸化物、オゾン化物:Li2O 白色;Na2O 白色;K2O レモン色;Rb2O山吹色;Cs2O橙赤色;Na22レモン色;KO2オレンジ色;RbO2こげ茶色;CsO2暗黄灰色;KO3シトラスレッド。
【0052】
水酸化物:白色、LiOH白色↓。
【0053】
塩:ほとんどが無色または白色結晶、かつ水に溶けやすい。
【0054】
不溶性塩類↓(注記のないものはすべて白色結晶):LiF Li2CO3 Li3PO4 LiKFeIO6 Na[Sb(OH)6]NaZn(UO23(Ac)9・6H2O 黄緑色;M=K,Rb,Cs M3[Co(NO26]山吹色;MBPh4 MClO42PtCl6 レモン色;CsAuCl4
【0055】
銅亜族(IB):
【0056】
単純物質:Cu マゼンタまたは暗赤色;Ag 銀白色;Au 金色。
【0057】
銅化合物:火炎色 緑色;CuF 赤色;CuCl 白色↓;CuBr黄色↓;CuI茶黄色↓;CuCN白色↓;Cu2O暗赤色;Cu2S黒色;CuF2白色;CuCl2茶黄色(溶液は黄緑色);CuBr2茶黄色;Cu(CN)2 茶黄色; CuO黒色↓;CuS黒色↓;CuSO4無色;CuSO4・5H2O青色;Cu(OH)2ライトブルー↓;Cu(OH)2・CuCO3黒緑色;[Cu(H2O)42+青緑色;[Cu(OH)42-青みがかった紫色;[Cu(NH342+ 濃青色;[CuCl42- 黄色;[Cu(en)22+ 濃青紫色;Cu2[Fe(CN)6]赤茶色;アルキン銅 赤色↓。
【0058】
銀化合物:AgOH白色(常温は分解する);Ag2O黒色;新制AgOH茶黄色(Ag2O混入);プロテイン銀(AgNO3を手に滴下する)黒色↓;AgF白色;AgCl白色↓;AgBrレモン色↓;AgI黄色↓(膠質);Ag2S黒色↓;Ag4[Fe(CN)6]白色↓;Ag3[Fe(CN)6]白色↓;Ag+,[Ag(NH32+,[Ag(S2323-,[Ag(CN)2- 無色。
【0059】
金化合物:HAuCl4・3H2O 山吹色結晶;KAuCl4・1.5H2O 無色片状結晶;Au23 黒色;H[Au(NO34]・3H2O 黄色結晶;AuBr 灰黄色↓;AuI レモン色↓。
【0060】
亜鉛亜族(IIB):
【0061】
単純物質:すべて銀白色、Hgは水溶液に沈殿して黒色となる。
【0062】
亜鉛化合物:ZnO 白色(亜鉛華顔料)↓;ZnI2 無色;ZnS 白色↓;ZnCl2 白色結晶(溶解度が極めて大きく水溶液は酸性を帯び);K3Zn3[Fe(CN)6] 白色;Zn3[Fe(CN)62 黄褐色。
【0063】
カドミウム化合物:CdO 茶灰色↓;CdI2 黄色;CdS黄色(カドミウム黄色顔料)↓;HgCl2(昇汞) 白色;HgNH2Cl 白色↓;Hg2Cl2(甘汞) 白色↓。
【0064】
水銀化合物:HgO 赤色(粗粒子)または黄色(小さい粒子)↓;HgI2赤または黄色(かすかに溶解);HgS 黒または赤色↓;Hg2NI・H2O赤色↓;Hg2(NO32 無色結晶。
【0065】
ZnS蛍光体:Ag 青色;Cu黄緑色;Mn オレンジ色。
【0066】
チタニウム亜族(IVB):
【0067】
チタニウム化合物:Ti3+ マゼンタ; [TiO(H2222+ オレンジ色;H2TiO3 白色↓;TiO2白色(亜鉛華顔料)またはピンク(ルチル)↓;(NH42TiCl6 黄色水晶;[Ti(H2O)6]Cl3 紫水晶;[Ti(H2O)5Cl]Cl2・H2O 緑色水晶;TiCl4無色発煙液体。
【0068】
ジルコニウム、ハフニウム:MO2,MCl4 白色。
【0069】
バナジウム亜族(VB):
【0070】
バナジウム化合物:V2+ 紫色;V3+ 緑色;VO2+ 青色;V(OH)4- 黄色;VO43-黄色;VO 黒色;V23 濃い灰色;V23 茶黒色;VO2青色固体;VF4緑色固体;VCl4 濃い茶色液体;VBr4 マゼンタ液体;V25 黄色またはブリックレッド;水合V25 茶赤色;飽和V25溶液(かすかに溶解) レモン色;[VO2(O223- 黄色;[V(O233- 赤茶色。
【0071】
凝縮バナジウム酸塩:バナジウム酸素原子数の減少に従い、淡黄色〜深紅色〜淡黄色に変色する。
【0072】
ニオブ、タンタル:略。
【0073】
クロム亜族(VIB):
【0074】
クロム化合物:Cr2+ 青色、Cr3+ 紫色、Cr2O72- 橙赤色、CrO42- 黄色、Cr(OH)2- 鮮緑色;Cr(OH)3 納戸色;Cr23 緑色、CrO3 暗赤針状、[CrO(O22]OEt2 青色、CrO2Cl2 暗赤色液体、Na2Cr27,K2CrO7 橙赤色、Ag2CrO4ブリックレッド↓;BaCrO4 黄色↓;PbCrO4 黄色↓。
【0075】
マゼンタCr2(SO43・18H2O−−〉緑色Cr2(SO43・6H2O−−〉ピンク色Cr2(SO43
【0076】
暗緑色[Cr(H2O)4Cl2]Cl−冷却HCl−〉紫色[Cr(H2O)6]Cl3−エーテルHCl−〉薄緑色[Cr(H2O)5Cl]Cl2
【0077】
[Cr(H2O)63+ 紫色;[Cr(H2O)4(NH323+マゼンタ;[Cr(H2O)3(NH333+ 桃色;[Cr(H2O)2(NH343+ 橙赤色;[Cr (NH352O]3+ オレンジ色;[Cr(NH363 黄色。
【0078】
モリブデン、タングステン:MoO3白色:茶色 MoCl3;緑色 MoCl5;MoS3茶色↓;(NH43[P(Mo1240)]・6H2O 黄色結晶状↓;WO3 暗黄色;H2WO4・xH2O 白色膠質。
【0079】
マンガン亜族(VIIB):
【0080】
マンガン化合物:Mn2+ 肉紅;Mn3+ 紫紅;MnO42- 緑色;MnO4- 紫色;MnO3+ 鮮緑色;Mn(OH)2 白色↓;MnO(OH)2 茶色↓;MnO2 黒色↓;硫酸マンガン(MnSO4)白色結晶体;マンガン塩六水化物(MnX2・6H2O, X=ハロゲンNO3,ClO4)ピンク色;MnS・nH2O 肌色↓;無水MnS 濃緑色;MnCO3 白色↓;Mn3(PO42白色↓;KMnO4マゼンタ;K2MnO4 緑色;K2[MnF6]金色結晶体;Mn27茶色油状液体。
【0081】
テクネチウム、レニウム:略。
【0082】
鉄族(第4周期VIII族):
【0083】
鉄化合物:Fe2+ 淡緑色;[Fe(H2O)63+ 藤色;[Fe(OH)(H2O)52+ 黄色;FeO42- マゼンタ;FeO 黒色;Fe2O 暗赤色;Fe(OH)2 白色↓;Fe(OH)3 赤褐色↓;FeCl3またはFeCl2 結晶 赤褐色 青;無水FeSO4 白色;FeSO4・7H2O 緑色;K4[Fe(CN)6](黄血塩)黄色結晶;K3[Fe(CN)6](赤血塩)赤色結晶;Fe2[Fe(CN)6]フェロシアン化第二鉄↓;Fe[Fe(CN)6]黒色↓;Fe(C552(フェロセン)オレンジ色結晶;M2Fe6(SO44(OH)12(ジャロサイト、M=NH4, Na, K)淡黄色結晶;Fe(CO)5 黄色液体。
【0084】
コバルト化合物:Co2+ ピンク色;CoO セージグリーン;Co3O 黒色;Co(OH)3 茶色↓;Co(OH)2 ピンク色↓;Co(CN)2 赤色;K4[Co(CN)6]紫色結晶;Co2(CO)8 黄色結晶;[Co(SCN)64- 紫色;
【0085】
塩化コバルト脱水変色:ピンク色CoCl2・6H2O−325K−〉マゼンタCoCl2・2H2O−313K−〉青紫色CoCl2・H2O−393K−〉青色CoCl2
【0086】
ニッケル化合物:Ni2+鮮緑色;[Ni(NH362+紫色;Ni(OH)2緑色↓;Ni(OH)3黒色↓;無水Ni(II)塩 黄色;Na2[Ni(CN)4]黄色;K2[Ni(CN)4]オレンジ色;Ni(CO)4無色液体。
【0087】
白金系元素(第5、第6周期VIII族):
【0088】
Os 青灰色の揮発しやすい固体;Pd↓(aq)黒色;OsO4 無色、特殊匂いをする気体;H2PtCl6 橙赤色結晶;Na2PtCl6 オレンジ色結晶;M2PtCl6(M=K,Rb,Cs,NH44)黄色↓。
【0089】
以上に上げた化合物のうち、本発明の無機材料は塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)または四塩化チタン(TiCl4)のいずれかを選択する。
【0090】
その変色機制はたとえば、二塩化鉄(FeCl2)およびメチレンブルーをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かして、相補体系の電気変色溶液を形成する。二塩化鉄結晶粒子の色は青色(Fe2+は青色である)であり、表面酸化によって赤茶色(Fe3+は淡黄色である)となり、二塩化鉄を溶剤に溶かすと、酸化によってFe2+からFe3+へ変わり、溶液は淡黄色になる。第1透明導電素子111より電子を提供し、第1透明導電素子111のメチレンブルー分子は電子を獲得し還元反応を引き起すことにより、メチルブルーが遊離基に変わり、外部の電圧を取り除くと、Fe3+とメチルブルー遊離基の電位差が異なるため、電子は自主的に遊離基からFe3+へ伝送され、淡黄色Fe3+は青色Fe2+に還元される。引き続き、電気変色層13全体は還元によりイオン価が変化し、淡黄色から青色に変色され、色を深くする効果が達成される。さらに、電気変色溶液の濃度、電位差、溶剤の極性、pH値、両極間の距離および誘電係数の差値調整によって、電気変色層13の色表示効果を制御することができる。
【0091】
前述電気変色層13は非活性導電塩をさらに含み、前記非活性導電塩はたとえば、リチウム、ナトリウムまたはテトラアルキルアミン塩導電塩であっても良い。前記導電塩に適合する陰イオン、特に金属塩の酸化還元の非活性、無色の陰イオンは、テトラフルオロホウ酸イオン(tetrafIuoroborate ion)、テトラフェニルホウ酸イオン(tetraphenyIborate ion, TPB)、ほう酸トリフェニルシアン化イオン(triphenyI borate cyanide ion)、テトラメトキシホウ酸イオン(tetramethoxy borate ion)、過塩素酸イオン(perchIorate ion)、塩化物イオン(chIoride ion)、硝酸イオン(nitrate ion)、硫酸イオン(suIfuric ion)、リン酸イオン(phosphate ion)、メタンスルホン酸イオン(methane suIfonate ion)、エタンスルホン酸イオン(ethane suIfonate ion)、テトラデカンスルホン酸イオン(tetradecane suIfonate ion)、ペンタデカンホン酸イオン(pentadecane suIfonate ion)、フルオロホルムスルホン酸イオン(fIuoroform suIfonate ion)、ペルフルオロブタンスルホン酸イオン(perfIuorobutane suIfonate ion)、ペルフルオロオクタンスルホン酸イオン(perfIuorooctane suIfonate ion)、ベンゼンスルホン酸イオン(benzenesuIfonic acid ion)、クロロベンゼンスルホン酸(chIorobenzene suIfonate ion)、トルエンスルホン酸イオン(toIuene suIfonate ion)、ブチルベンゼンスルホン酸イオン(butyI benzene suIfonate ion)、第三ブチルスルホン酸イオン(tertiary butyI suIfonate ion)、ドデカベンゼンスルホン酸イオン(dodeca benzene suIfonate ion)、ベンジルトリフルオリドスルホン酸イオン(benzenyI trifIuoride suIfonate ion)、ヘキサフルオロリン酸イオン(hexafIuorophosphate ion)、ヘキサフルオロヒ酸塩イオン(hexafIuoro arsenate ion)、ヘキサフルオロケイ酸イオン(hexafIuoro siIicate ion)などを用いる。
【0092】
このほか、前述により作られた電気変色層13の形態のほとんどが液体であるため、導電高分子と混ぜ合わせて電気変色インキとして、スクリーン印刷方式と組み合わせて使用することができる。
【0093】
図4、5、6に示した本発明実施例1の透明導電素子の構造態様図(その1ないし3)を参照して説明する。
図示のように、電気変色モジュール1の第1透明導電素子111の設置方式について、第1基板11上に複数の第1透明導電素子111(図4に示す)を取り付けるとき、好ましくは第1透明導電素子111を間隔置きに設置し、かつ交互に異なる電圧を印加し、各電極間に電圧差を形成して電気変色層13の変色に必要な電子を提供する。このほか、第1透明基板11と第2透明基板12上において、第1透明導電素子111と第2透明導電素子121によって電気変色層13を囲むように設置する(図5に示す)か、または透明導電素子111、121を複数に間隔置きに第1透明基板11と第2透明基板12上に設置しても良い(図6に示す)。
【0094】
前述電気変色モジュール1は表示装置、電子ブック、2D/3D表示装置、バックミラーおよび知能形ガラスなどに適用できる。
図7に示した本発明実施例2の立体分解態様図を参照して説明する。前述電気変色モジュールを平面/立体表示装置への応用である。図示のように本発明の表示装置は電気変色モジュール1を映像表示モジュール2に結合されている。
【0095】
そのうち、映像表示モジュール2は平面像と立体映像の表示を提供する。立体映像の表示はソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェア技術による。一例として、ソフトウェアまたはファームウェアにより、平面像を左目用の映像と右目用の映像を含めた重ね映像に切り換える。映像表示モジュール2は液晶表示装置(Liquid CrystaI DispIay, LCD)、プラズマディスプレイ(PIasma DispIay PaneI, PDP)、表面電界ディスプレイ(Surface conduction EIectron−emitter DispIay, SED)、電界放出ディスプレイ(FieId Emission DispIay, FED)、真空蛍光ディスプレイ(Vacuum FIuorescent DispIay, VFD)、有機発光ダイオードディスプレイ(Organic Light−Emitting Diode, OLED)または電子ペーパー(E−Paper)のいずれかである。
【0096】
電気変色モジュール1は映像表示モジュール2に結合され、第1透明基板11、第2透明基板12と複数の電気変色層13とを備える。
【0097】
そのうち、第1透明基板11の上部表面に第1透明導電素子111を設け、第2透明基板12の下部表面に第2透明導電素子121を設ける。電気変色層13は第1透明導電素子111と第2透明導電素子121の電気導通によって色変化を引き起こす。図面は例示の目的に過ぎない。(図12に示す)一つの基板上に複数の透明導電素子を設けても良い。各電気変色層13に異なる電位の透明導電素子を同時に接触させ、変色のとき電子を電気変色層に注入および伝送の効果を実現すれば良い。
【0098】
第1透明基板11と第2透明基板12の部材および第1透明導電素子111の部材は前述とおりであり、ここでの説明を省略する。
【0099】
電気変色層13の材料は溶剤の中に有機材料と無機材料を溶かしてなる。有機材料はたとえば、酸化還元指示薬(Redox Indicator)と酸塩基指示薬(acid−base indicator)などを用いる。本発明において好ましくは、メチレンブルー(Methylene blue, C1618ClN3S 3H2O)、ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム(DichIorophenoIindophenoI sodium, C126Cl2NNaO2)、N−フェニルアントラニル酸(C1311NO2)、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、N,N’−N−N’ジフェニルベンジジン(C20202)、メチルビオローゲン(MethyI VioIogen)およびバリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine BIue B Diazonium saIt, C1312ClN3O)などから選択する。無機材料は遷移元素(スカンジウム亜族(IIIB)、チタニウム亜族(IVB)、バナジウム亜族(VB)、クロム亜族(VIB)、マンガン亜族(VIIB)、鉄族(VIII)、銅亜族(IB)、亜鉛亜族(IIB)または白金系(VIII)等)などの酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等の無機派生物、またはハロゲン族(VIIA)、酸素基(VIA)、窒素族(VA)、カーボン族(IVA)、ホウ素族(IIIA)、アルカリ土類(IIA)、アルカリ金属族(IA)などの無機派生物のいずれかを選択できる。本発明において好ましくは、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)のいずれかを選択する、塩化ビスマス(III)(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)または臭化リチウム(LiBr)のいずれかを選択する。溶剤はジメチルスルホキシド[(CH32SO]、炭酸プロピレン(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、シアン化エチル、ベンゾニトリル、グルタロニトリル、メチルグルタロニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリルヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミ、N−メチルピロリジンケトン、スルホラン、3−メチルスルホランまたはその混合物を用いる。通常の無機電気変色層はイオンと電子両方を格子に導入するため、大きい駆動電圧が必要のため、溶液によって材料の欠陥を発生し、寿命は1~2万回しかない。これに対して、本発明の概念によれば、電気変色材料のイオン価を改変すれば良い。駆動電圧が小さいほか、材料も欠陥を発生しにくい。さらに、寿命は3万回以上に達する。かつ本発明を映像表示モジュールと結合し、2D/3D映像表示モジュールのマスクに使用した場合、高い解像度と透光率が得られる。公知技術の電気変色層構造に比べ、本発明の電気変色層は電解質層またはその他の補助層に結合する必要ないため、厚みが大幅に軽減でき、光出射率を向上できる。
【0100】
図8、9に示した本発明実施例2の透明導電素子の構造態様図(その1、2)を参照して説明する。
第1透明導電素子111と第2透明導電素子121は1枚ごとに第1透明基板11と第2透明基板12の表面に取り付けるか、または複数に間隔置きに配列された電気変色層13の設置位置及び数量に合わせて、第1透明導電素子111および第2透明導電素子121を複数に間隔置きに設置することができる。
【0101】
電気変色層13は導電高分子と混ぜ合わせて電気変色インキを仕上げ、スクリーン印刷により第1透明基板11の上部に取り付けるか、または、本発明実施例3の透明導電素子の構造態様図(その1、2)である図10、11に示すように、間隔置きに配列された電気変色層13の間に複数のバリアユニット14を設け、バリアユニット14によって電気変色層13を条片状に配列するか、またはバリアユニット14を利用して、電気変色層13をバリアユニット14によって形成された空間領域にパッケージすることができ、バリアユニット14はフォトレジストである。
【0102】
図12、13に示した本発明実施例4の立体分解態様図と断面視図を参照して説明する。
本例では実施例2と比べて、第1透明基板11上は複数に間隔置きに第1透明導電素子111を配置して、モジュールの製造工程を簡素化するものである。
さらに、間隔置きに配列された電気変色層13の間に、複数のバリアユニット14を設け(図14に示す)、構造強度の強化および電気変色層13を仕切る。特に注意したいことは、各電気変色層13とも同時に2つの異なる電位の第1透明導電素子111に接触必要がある。そのうち一つの設置方式は、本発明実施例4の透明導電素子の構造態様図である図15に示すように、対向に設置された第1透明導電素子111のペアは、複数に間隔置きに配列された電気変色層13に対応して取付け、各電気変色層13を異なる電位の第1透明導電素子111に取り付ける。なお、図示した形態は例示の目的であり、本発明の実施を限定するものではない。その他の変化及び修飾は本発明の請求範疇に含める。
【0103】
図16に示した本発明実施例6の断面視図を参照して説明する。
その構造は第1透明導電素子111をそのままバリアユニット充てることによって、電気変色層13を仕切る機能を実現すると共に、電気変色層13と第1透明導電素子111との接触面積を増やすことができる。
図17に示した本発明の第1透明導電素子の構造上面図(その1)を参照して説明する。
図示のように、第1透明基板11上に第1透明導電素子111を交差して間隔置きに配置し、隣り合う第1透明導電素子111の間に異なる電位を持たせて電圧差を形成する。
図18、19に示した本発明の透明導電素子の構造立体図(その1、2)を参照して説明する。第1透明導電素子111は仕切り板の態様(図18に示す)、または複数の収容溝(図19に示す)を形成して、電気変色層13を各収容溝に取り付ける。特に注意したいことは、異なる電位の第1透明導電素子111は互いに接触しておらず、かつ交差し間隔置きに設置されている。
【0104】
前記図17に示す構造は、ある状況において、電気変色層13は正極側にあり、図示の左側の電極のように、電場効果によって正極側近傍の変色効果は時間の経過に従い、次第に褪色して行き、負極側と色差が形成される。前述問題を解決するため、第1透明導電素子111は図20に示すような構造に設計することができる。この図は、透明導電素子の構造上面図(その2)である。負電圧を帯びた第1透明導電素子111はS字型により、正電圧を帯びる第1透明導電素子111を被せる。
【0105】
図21に示した本発明実施例7の断面視図を参照して説明する。第1透明導電素子111と第2透明導電素子121を複数に間隔置きに第1透明基板11と第2透明基板12の表面に設けると共に、第1透明基板11と第2透明基板12との間に複数の空間領域を形成する。電気変色層13を前記複数の空間領域に設ける。この目的は、第1透明導電素子111と第2透明導電素子121をバリアユニットにする。
図22、23に示した本発明実施例7の透明導電素子の構造上面図と構造立体図を参照して説明する。第1透明導電素子111と第2透明導電素子121は交差して間隔置きに配列され、かつ第1透明導電素子111に正電圧を印加し、第2透明導電素子121に負電圧を印加する。逆の場合も同じである。条片状に配列した第1透明導電素子111と第2透明導電素子112との間に電圧差を形成する。本発明の設置方式は、例示の目的であり、その他の修飾及び変化は、本発明の請求範疇に含める。
【0106】
図24、25に示した本発明の実施例8、9の断面視図を参照して説明する。本発明の電気変色層13の変色効果は溶液の濃度、電位差、溶液の極性、pH値、両極間の距離および誘電係数などの要素によって、それぞれの効果が表される。図示のように、第1透明基板11の表面に複数に間隔置きに配列した第1透明導電素子111を設けられている。第1透明導電素子111は交互に正、負電圧を印加することによって、第1透明基板11と第2透明基板12との間の電気変色層13は負極の第1透明導電素子111を被せて変色を引き起こす。図24に示すように、溶液形の電気変色層13を負極の第1透明導電素子111表面または周縁部に変色させるため、第2透明基板12の下部表面に第2透明導電素子121を増設し、かつ第2透明導電素子121は正電圧のみを提供する。これにより、電気変色層13の変色区域は負極の第1透明導電素子111に制限される。
【0107】
引き続き、図26に示した本発明実施例11、12の断面視図を参照して説明する。第1透明基板11上に複数に間隔置きに配列された第1透明導電素子111を設け、第1透明導電素子111は交互に正、負電圧を提供する。第1透明導電素子111の表面に複数のバリアユニット14を敷設し、それぞれ第1透明導電素子111の表面を完全に被せることにより、電気変色層13は電源を提供受けたとき、各正、負電圧の第1透明導電素子111の間に変色を引き起こし、電気変色層13は第1透明導電素子111の壁面に寄り掛かり変色を引き起こす。よって、バリアユニット14は電気変色層13が第1透明導電素子111の上部表面への寄り掛かりを阻止することによって、変色機能を実現する。その材料はフォトレジストである。
図26に示した本発明実施例10もう一つの変形を参照して説明する。電気変色層13が変色するときに正、負電圧を帯びる第1透明導電素子111の間に抑制するため、第2透明基板12の下部表面に少なくとも一つの第2透明導電素子121を設け、かつ第2透明導電素子121は正電圧のみを提供し、電気変色層13の変色領域を制限する。
【0108】
図27、28に示した本発明実施例12、13の断面視図を参照して説明する。図示の設置方式は、図23に示す実施例8に比べ、実施例8は大面積により基板の表面に敷設するに対し、図27に示す実施例11では、第1透明導電素子111を細長い仕切り板の態様により第1透明基板11の表面に設けるが、仕切り板と第2透明基板12に空間を残され、電気変色層13が第1透明基板11と第2透明基板12によってパッケージされた空間において自由に流動できる。電気の印加方式も交互に正、負電圧を印加する。電気変色層13が負極の第1透明導電素子111の周縁部を被せて、変色を引き起こす。図29に示すように、溶液形の電気変色層13を負極の第1透明導電素子111の表面または周縁部で精確に変色させるため、第2透明基板12の下部表面に第2透明導電素子121を増設し、かつ第2透明導電素子121は正電圧のみを提供する。これにより、電気変色層13の変色領域を負極の第1透明導電素子111に制限しておく。
【0109】
前述とおり、本発明の表示装置によれば、電気変色モジュール1を映像表示モジュール2と組み合わせる。すなわち、電気変色モジュール1は映像表示モジュール2の映像投射面に取付ける。映像表示モジュール2は表示処理した後の多重映像(左目用の映像Lと右目用の映像R)を表示するときは、電気変色層13を複数に間隔置きに配列した遮光区域を介在するため、肉眼で視聴するときは、干渉縞のない立体映像を形成することができる。
【0110】
以上に説明したものは、本発明の好ましい実施例であり、本発明の実施範疇に制限を加わるものではない。当技術に熟知するものは、本発明の精神と範疇を逸脱されない、いかなる等効果変化と修飾とも、本発明の特許申請範囲に含める。
【0111】
以上に説明された通り、本発明の有機と無機材料を結合した電気変色モジュールとそのモジュールを結合した表示装置は特許の発明性を有し、産業上の利用価値を有する。
【符号の説明】
【0112】
1・・・・・・電気変色モジュール
11・・・・・第1透明基板
111・・・・第1透明導電素子
12・・・・・第2透明基板
121・・・・第2透明導電素子
13・・・・・電気変色層
14・・・・・バリアユニット
2・・・・・・映像表示モジュール
3・・・・・・電気変色モジュール
31・・・・・第1透明基板
311・・・・第1透明導電素子
32・・・・・第2透明基板
321・・・・第2透明導電素子
33・・・・・電気変色層
34・・・・・電解質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部表面に少なくとも第1透明導電素子を設けられた第1透明基板と、
第2透明基板と、
前記第1透明基板と前記第2透明基板との間設ける電気変色層とを備え、
前記電気変色層は、有機材料と無機材料を溶かしてなることを特徴とする、有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項2】
前記有機材料は酸化還元指示薬(Redox Indicator)または酸塩基指示薬(acid−base indicator)であることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項3】
前記酸化還元指示薬はメチレンブルー(Methylene blue, C1618ClN3S 3H2O)、ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム(DichIorophenoIindophenoI sodium, C126Cl2NNaO2)、N−フェニルアントラニル酸(C1311NO2)、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−DiphenyIbenzidine, 20202)またはメチルビオローゲン(MethyI VioIogen)であることを特徴とする、請求項2記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項4】
前記酸塩基指示薬はバリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine BIue B Diazonium saIt,C1312ClN3O)であることを特徴とする、請求項2記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項5】
前記無機材料は遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物または水酸化物であることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項6】
前記遷移金属は銅亜族(IB)、亜鉛亜族(IIB)、スカンジウム亜族(IIIB)、チタニウム亜族(IVB)、バナジウム亜族(VB)、クロム亜族(VIB)、マンガン亜族(VIIB)、鉄族(VIII)と白金系(第5,6周期VIIIB)であることを特徴とする、請求項5記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項7】
前記無機材料はハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、カーボン族(IVA)、ホウ素族(IIIA)、アルカリ土族(IIA)またはアルカリ金属族(IA)などの無機派生物であることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項8】
前記無機材料は塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)または四塩化チタン(TiCl4)、塩化ビスマス(III)(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)または臭化リチウム(LiBr)であることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項9】
前記溶剤の材料はジメチルスルホキシド[(CH32SO]、炭酸プロピレン(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、シアン化エチル、ベンゾニトリル、グルタロニトリル、メチルグルタロニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミ、N−メチルピロリジンケトン、スルホラン、3−メチルスルホランまたはその混合物を用いることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項10】
前記電気変色層は、一種の非活性導電塩をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項11】
前記非活性導電塩はリチウム、ナトリウムまたはテトラアルキルアミン塩であることを特徴とする、請求項10記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項12】
前記第1透明導電素子が複数あるときは、間隔を置いて前記第1透明基板に設置することを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項13】
前記第2透明基板は、第2透明導電素子をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項14】
前記第1透明導電素子、前記第2透明導電素子が複数あるときは、間隔を置いて前記第1透明基板、前記第2透明基板に設置することを特徴とする、請求項13記載の有機と無機材料を結合した電気変色モジュール。
【請求項15】
平面映像と立体映像の表示に用いる映像表示モジュールと、
前記映像表示モジュールの表面に設ける電気変色モジュールと含む表示装置であって、
前電気変色モジュールは、
表面に少なくとも第1透明導電素子を設けられた第1透明基板と、
第2透明基板と、
有機材料と無機材料を混ぜ合わせて溶剤に溶かして、間隔置きに前記第1透明基板と前記第2透明基板との間設ける電気変色層とを備えることを特徴とする、表示装置。
【請求項16】
前記有機材料は酸化還元指示薬(Redox Indicator)または酸塩基指示薬(acid−base indicator)であることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項17】
前記酸化還元指示薬はメチレンブルー(Methylene blue, C1618ClN3S 3H2O)、ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム(DichIorophenoIindophenoI sodium, C126Cl2NNaO2)、N−フェニルアントラニル酸(C1311NO2)、ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−DiphenyIbenzidine, C20202)またはメチルビオローゲン(MethyI VioIogen)であることを特徴とする、請求項16記載の表示装置。
【請求項18】
前記酸塩基指示薬はバリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine BIue B Diazonium saIt,C1312ClN3O)であることを特徴とする、請求項16記載の表示装置。
【請求項19】
前記無機材料は遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物または水酸化物であることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項20】
前記遷移元素は銅亜族(IB)、亜鉛亜族(IIB)、スカンジウム亜族(IIIB)、チタニウム亜族(IVB)、バナジウム亜族(VB)、クロム亜族(VIB)、マンガン亜族(VIIB)、鉄族(VIII)と白金系(第5,6周期VIIIB)であることを特徴とする、請求項19記載の表示装置。
【請求項21】
前記無機材料はハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、カーボン族(IVA)、ホウ素族(IIIA)、アルカリ土族(IIA)またはアルカリ金属族(IA)などの無機派生物であることを特徴とする、請求項15記載の、表示装置。
【請求項22】
前記無機材料は塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)または四塩化チタン(TiCl4)、塩化ビスマス(III)(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)または臭化リチウム(LiBr)であることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項23】
前記溶剤の材料は、ジメチルスルホキシド[(CH32SO]、炭酸プロピレン(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、シアン化エチル、ベンゾニトリル、グルタロニトリル、メチルグルタロニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミ、N−メチルピロリジンケトン、スルホラン、3−メチルスルホランまたはその混合物を用いることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項24】
前記電気変色層は、非活性導電塩をさらに備えることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項25】
前記非活性導電塩はリチウム、ナトリウムまたはテトラアルキルアミン塩であることを特徴とする、請求項24記載の表示装置。
【請求項26】
前記電気変色層は、電気変色インキを形成するため、さらに導電高分子材料を混入されていることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項27】
前記第1透明導電素子が複数あるときは、間隔置きに前記第1透明基板上に設置することを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項28】
前記電気変色層は、前記第1透明導電素子の間に設け、かつ前記第1透明導電素子によって前記電気変色層を仕切ることを特徴とする、請求項27記載の表示装置。
【請求項29】
前記第1透明導電素子は、さらに複数の収容溝を形成し、前記電気変色層を前記収容溝に設けることを特徴とする、請求項27記載の表示装置。
【請求項30】
前記第1透明導電素子は、交互に正、負電圧を印加することを特徴とする、請求項27記載の表示装置。
【請求項31】
前記第1透明導電素子の表面はバリアユニットをさらに設けられ、前記第1透明導電素子の上部表面を被せることを特徴とする、請求項27記載の表示装置。
【請求項32】
前記バリアユニットは、フォトレジストであることを特徴とする、請求項31記載の表示装置。
【請求項33】
前記透明基板の間は、さらに間隔置きに複数に配置する、前記バリアユニットを設け、前記電気変色層を前記バリアユニットの間に設置することを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項34】
前記バリアユニットは、フォトレジストであることを特徴とする、請求項33記載の表示装置。
【請求項35】
前記第2透明導電素子の表面は、さらに、少なくとも一つの前記第2透明導電素子を設けられていることを特徴とする、請求項15記載の表示装置。
【請求項36】
前記第1、第2透明導電素子が複数あるときは、間隔置きに前記第1、第2透明基板の対向表面に設け、かつ各前記電気変色層は各組の前記第1、第2透明導電素子の電気導通によって色変化することを特徴とする、請求項35記載の表示装置。
【請求項37】
前記第1透明導電素子と前記第2透明導電素子が複数あるときは、順を追って前記透明基板の間に配列し、前記電気変色層は前記第1透明導電素子と前記第2透明導電素子との間に設けることを特徴とする、請求項35記載の表示装置。
【請求項38】
前記透明基板は、さらに間隔置きに複数に配置する前記バリアユニットを設け、前記電気変色層をそれぞれ前記バリアユニットの間に設置することを特徴とする、請求項35記載の表示装置。
【請求項39】
前記バリアユニットは、フォトレジストであることを特徴とする、請求項38記載の表示装置。
【請求項40】
前記第1透明導電素子が複数あるときは、前記第1透明導電素子の上部表面を被せるため、さらに複数のバリアユニットを設けることを特徴とする、請求項35記載の表示装置。
【請求項41】
前記バリアユニットは、フォトレジストであることを特徴とする、請求項40記載の表示装置。
【請求項42】
前記第2透明導電素子が複数あるときは、間隔置きに前記第2透明基板の上部表面に設け、かつ交互に正、負電圧を印加し、前記第2透明導電素子より正電圧を印加することを特徴とする、請求項35記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−42922(P2012−42922A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88355(P2011−88355)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(507294753)介面光電股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】