説明

有機エレクトロルミネセンスデバイスのための新規材料

本発明は、式(1)の化合物、および有機エレクトロルミネセンスデバイスにおけるその使用に関する。式(1)の化合物を、発光層におけるホスト材料若しくはドーパントとして、および/または正孔輸送材料として、および/または電子輸送材料として用いる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
有機半導体は、最も広い意味で電子産業とみなされ得る多くの様々なアプリケーションについて開発されている。これら有機半導体が機能性材料として用いられている有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)は、例えば、US 4539507、US 5151629、EP 0676461 および WO 98/27136に記載されている。しかしながら、これらのデバイスはなお早急な改善を必要とするかなりの問題を示す。すなわち、
1)駆動寿命は、特に青色発光において依然として短く、今日まで単純なアプリケーションのみを商業的に実現し得るのみである。
2)用いる化合物は、場合によっては一般の有機溶媒に溶解するのが非常に困難であり、合成における精製のみならず、有機電子デバイスの製造におけるプラントの洗浄を困難なものとする。
3)その他の点ではOLEDにおいて良好な性質を示す用いられる化合物のいくつかは、十分に高いガラス転移温度を有しない。
【0002】
蛍光OLEDにおいては、種々の縮合芳香族化合物、特にアントラセンまたはピレン誘導体、例えば、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(US 5935721)が、とりわけ青色発光エレクトロルミネセンスデバイスのホスト材料として用いられている。WO 03/095445 および CN 1362464 には、OLEDに使用する9,10−ビス(1−ナフチル)アントラセン誘導体が記載されている。ホスト材料として適するさらなるアントラセン誘導体が、WO 01/076323、WO 01/021729、WO 04/013073、WO 04/018588、WO 03/087023 または WO 04/018587 に記載されている。アリール置換ピレンおよびクリセンに基づくホスト材料は、WO 04/016575 に記載されている。高品質のアプリケーションには、改善されたホスト材料を利用することが必要である。
【0003】
青色発光化合物についての従来技術として、イデミツによるある種のアリールビニルアミンの使用が挙げられる(例えば、WO 04/013073、WO 04/016575、WO 04/018587)。その際、濃青色の発光を伴う非常に長い寿命が得られる。しかしながら、これらの結果は用いられるホスト材料に強く依存するので、得られる寿命を絶対値として比較することはできず、むしろ最適化された系における使用の場合のみである。さらに、これらの化合物は熱的に不安定であり、分解を伴うことなく蒸発させることができないため、OLED製造に高い技術的な複雑性を必要とし、著しい技術上の欠点を意味する。さらなる欠点は、これらの化合物の発光色である。イデミツは濃青色発光(0.15〜0.18の範囲のCIEy座標)を示しているが、従来技術に従う単純なデバイスにおいてこれらの色座標を再現することができない。それどころか緑色−青色発光が得られる。淡青色の発光は得られているが、実際にこれらの化合物を用いた場合、どのようにすれば青色を発色させられるかは明らかでない。高品質のアプリケーションでは、特に素子および昇華安定性の観点で改良型エミッタを使用することが不可欠である。
【0004】
蛍光OLEDでは、4,4’−ビス−(N−カルバゾイル)ビフェニル(CBP)がホスト材料としてしばしば用いられる。短所は、とりわけ、これにより製造されたデバイスの短い寿命と往々にして高い駆動電圧であり、これらは低い効率をもたらす。また、CBのガラス転移温度は十分に高くない。さらに、CBPは青色発光エレクトロルミネセンスデバイスとして適しておらず、乏しい効率をもたらすということが知られている。そのほか、CBPをホスト材料として使用するとデバイスの構造が複雑となる。というのも、正孔障壁層と電子輸送層をさらに用いる必要があるためである。スピロビフルオレンのケト化合物に基づく改良された三重項マトリックス材料が、WO 04/093207 に記載されている。しかしながら、ここに記載される最良のホスト材料についても、合成において有毒な無機シアン化物を必要とするため、ホスト材料の製造は生態学的に許容されないことを意味する。ここに記載されている他のマトリックス材料のガラス転移温度はなお十分でない。
【0005】
有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける電子輸送化合物として、通常、AlQ3(アルミニウム−トリス−ヒドロキシキノリナト)が用いられる(US 4539507)。これは様々な欠点を有する。昇華温度で部分的に分解するため残渣を伴うことなく蒸着させることができず、これは特に製造プラントにおける大きな問題を示す。さらなる欠点は、ALQ3の強い吸湿性と低い電子移動性であり、これらは高い電圧と低いパワー効率をもたらす。ディスプレイにおける短絡を防ぐために層の厚さを増すことが望まれるが、AlQ3では、低い電荷キャリア移動度とこれによる電圧の上昇のために不可能である。さらに、AlQ3の固有色(固体で黄色)は、特に青色OLEDの場合に、再吸収と弱い再発光のためにカラーシフトをもたらすことがあり、非常に不適切なことが明らかである。ここでは、かなりの効率の損失と色位置の障害を伴う青色OLEDのみが製造可能である。この欠点にもかかわらず、AlQ3は、今日まで、OLEDにおける電子輸送材料についての多くの要求に最も良い妥協を示している。
【0006】
従って、改良された材料、特に、青色蛍光エミッタのためのホスト材料および三重項エミッタ用のホスト材料に対するさらなる要求が存在し続けるのみならず、有機エレクトロルミネセンスデバイスにおいて優れた効率と同時に長寿命をもたらし、デバイスの製造および駆動において再現性のある結果を与え、容易に合成し得るエミッタ、正孔輸送材料および電子輸送材料への要求もなお存在し続けている。
【0007】
驚くべきことに、後述する新規の構造単位を含む化合物が、従来技術と比較して有意な改善を有することが見出された。これらの材料を用いると、従来技術に従う材料と比較して、有機電子デバイスの効率上昇および寿命の延長が可能である。さらに、これらの材料は、高いガラス転移温度を有するために、有機電子デバイスにおける使用に非常に適している。従って、本発明は、これらの材料および有機電子デバイスにおけるこれらの使用に関する。
【0008】
本発明の目的は、式(1)
【化5】

【0009】
(式中、用いられる記号および添え字に以下が適用される。すなわち、
Yは、出現毎に同一であるか異なり、CR1またはNであるか、または、
(Y−Y)または(Y=Y)(すなわち、2つの隣接するY)は、NR1、SまたはOを表し、但し、各環は5員環または6員環であり、
Zは、架橋XがZ基に結合している場合にはCであり、架橋XがZ基に結合していない場合にはYであり、
1は、出現毎に同一であるか異なり、H、F、Cl、Br、I、N(Ar)2、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、S(=O)Ar、S(=O)2Ar、CR2=CR2Ar、CN、NO2、Si(R23、B(OR22、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分枝若しくは環状のアルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基(これらは、いずれの場合にも1つ以上のR2基により置換されていてもよい)(ここで、1つ以上の非隣接のCH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R22、Ge(R22、Sn(R22、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)(R2)、SO、SO2、NR2、O、SまたはCONR2により置き換えられていてもよく、また、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2により置き換えられていてもよい)、または5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族環系若しくは複素芳香族環系(これらは、いずれの場合にも1つ以上のR2基により置換されていてもよい)、または5〜40個の芳香族環原子を有するアリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基(これらは、いずれの場合にも1つ以上のR2基により置換されていてもよい)、またはこれらの系の組み合わせであり、ここで、2つ以上の隣接する置換基R1は互いに単環若しくは多環の脂肪族環系または芳香族環系を形成していてもよい(ここで、芳香族環系の形成はXにおいてのみ許容される)であり、
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族環系または複素芳香族環系(これらは1つ以上の非芳香族R1基により置換されていてもよい)であり、ここで、同じ窒素原子上の2つのAr基は単結合または架橋Xにより互いに結合していてもよく、
2は、出現毎に同一であるか異なり、H、または1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基若しくは複素芳香族炭化水素基であり、ここで、2つ以上の隣接する置換基R2は互いに単環または多環の脂肪族環系または芳香族環系を形成していてもよく、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B(R1)、C(R12、Si(R12、C=O、C=NR1、C=C(R12、O、S、S=O、SO2、N(R1)、P(R1)、P(=O)R1、P(=S)R1から選択される二価の架橋、またはこれらの系の2つ、3つ若しくは4つの組み合わせであり、
n、m、p、oは、出現毎に同一であるか異なり、0または1であり、但し、m+p=1または2およびn+o=1または2であり、ここで、いずれの場合においてもn=0および/またはm=0および/またはp=0および/またはo=0は、対応する架橋Xが存在しないことを意味する)
の化合物であって、少なくとも1つのアリール基またはヘテロアリール基を含む少なくとも1つの置換基R1が存在することを特徴とする化合物である。
【0010】
式(1)の化合物は、好ましくは70℃を超えるガラス転移温度Tgを示し、より好ましくは100℃を超え、特に好ましくは130℃を超える。
【0011】
本発明の目的上、アリール基は6〜40個のC原子を含み、本発明の目的上ヘテロアリール基は2〜40個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含み、但し、C原子とヘテロ原子の合計数は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。ここでアリールまたはヘテロアリール基は、単純な芳香族単環すなわちベンゼン、または単純なヘテロ芳香族単環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等か、または後述の定義の意味での縮合アリール基若しくはヘテロアリール基のいずれかを意味するものと解釈される。
【0012】
本発明の目的上、芳香族環系は、その環系に6〜40個のC原子を含有する。本発明の目的上、ヘテロ芳香族環系は、その環系に2〜40個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含み、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。本発明の目的上、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系は、アリールまたはヘテロアリール基のみを必ずしも含まず、複数のアリール基またはヘテロアリール基に短い非芳香族単位(好ましくは、H以外の10%未満の原子)、例えば、sp3混成のC、NまたはO原子が介在し得る系も意味するものとする。つまり例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテルなどの系も本発明の目的上の芳香族環系を意味するものとする。また、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系の一部は、後述する定義に基づく縮合基であってもよい。
【0013】
本発明の目的上、縮合アリール基は10〜40個の芳香族環原子を含有する環系であって、少なくとも2つの芳香族環が互いに「縮合(verschmolzen)」し、すなわち互いに環縮合(Anellierung)により、少なくとも1つの共通の辺と少なくとも1つの共通の芳香族π電子系を有する環系を意味するものとする。本発明の目的上、縮合ヘテロアリール基は8〜40個の芳香族環原子を含有する環系であって、少なくとも2つの芳香環または複素芳香環(少なくとも1つは複素芳香環)が互いに融合した環系を意味するものとする。これらの環系は置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。縮合アリール基またはヘテロアリール基の例は、ナフタレン、キノリン、ベンゾチオフェン、アントラセン、フェナントレン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、クリセン、アクリジン等であり、例えばビフェニルは、その2つの環系間に共通する辺が存在しないため縮合アリール基でない。同様に例えばフルオレンは、その2つのフェニル単位が共通の芳香環系を形成していないため縮合芳香族環系でない。
【0014】
本発明の目的上、C1−〜C40−アルキル基(ここで、個々のH原子またはCH2基は上記した基により置換されていてもよい)は、特に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、n−ペンチル基、s−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、シクロペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、ヘプテニル基、シクロヘプテニル基、オクテニル基、シクロオクテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基またはオクチニル基を意味するものと解釈される。C1−〜C40−アルコキシ基とは、特に好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシまたは2−メチルブトキシを意味するものと解釈される。5〜40個の芳香環原子を含有する芳香族環系または複素芳香族環系は(これらはいずれの場合にも上記したR基により置換されていてもよく、また、芳香族環系または複素芳香族環にいずれもの所望の位置で結合していてもよい)、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−若しくはトランス−インデノフルオレン、トルキセン(truxene)、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルセンキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダール、ピリジイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノシサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールから誘導される基を意味するものと解釈される。
【0015】
両外側の非縮合アリール基またはヘテロアリール基のそれぞれにおいて同一であるか異なり、0、1、2または3個のヘテロ原子を含有し、いずれの場合にも1または2個のR1基により置換されていてもよい式(1)の化合物が好ましい。両外側の非縮合アリール基またはヘテロアリール基が、それぞれ同一であるか異なり、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジンまたはチオフェン(これらのそれぞれは、1または2個のR1基により置換されていてもよい)を表し、特にベンゼン(これは、1または2個のR1基、特に1個のR1基により置換されていてもよい)を表す式(1)の化合物が特に好ましい。
【0016】
さらに、中心の縮合アリール基またはヘテロアリール基が、出現毎に同一であるか異なり、ナフタレン基、または1若しくは2個のヘテロ原子を含有する縮合ヘテロアリール基(これらのそれぞれは、1または2個のR1基により置換されていてもよい)を表す式81)の化合物も好ましい。上記の中心の縮合アリール基またはヘテロアリール基は、特に好ましくは、ナフタレン、キノキサリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾピリミジン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾフランおよびインドールを表し、非常に特に好ましくは、ナフタレン、キノリン、イソキノリンおよびキノキサリン、特にはナフタレン(これらは1または2個のR1基により置換されていてもよい)を表す。
【0017】
さらに、n+o=1およびm+p=1である式(1)の構造が好ましい。
【0018】
式(2)、式(3)または式(4)
【化6】

【0019】
(式中、記号XおよびYは上記したものと同じ意味を有し、中央のナフタレン基は1つ以上のR1基により置換されていてもよい)の構造が特に好ましい。
【0020】
式(2a)、式(3a)または式(4a)
【化7】

【0021】
(式中、記号XおよびR1は上記したものと同じ意味を有し、ナフタレン基は1つ以上のR1基で置換されていてもよい)の構造が非常に特に好ましい。
【0022】
式(2a)、式(3a)および式(4a)の構造において、両方のR1基は、特に好ましくは、水素と異なる。これらの構造において、中央のナフタレン基は、さらに好ましくは、置換されていない。
【0023】
さらに、記号R1が、出現毎に同一であるか異なり、H、F、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、CR2=CR2Ar、1〜5個のC原子を有する直鎖アルキル基若しくは3〜5個のC原子を有する分枝アルキル基(ここで、1つ以上の非隣接のCH2基は、−R2C=CR2−、−C≡C−、または−O−により置き換えられていてもよく、また、1つ以上のH原子はFにより置き換えられていてもよい)、または6〜16個のC原子を有するアリール基若しくは2〜16個のC原子を有するヘテロアリール基、またはスピロビフルオレン基(これらはいずれの場合にも、1つ以上のR2基により置換されていてもよい)、またはこれらの系の2つ若しくは3つの組み合わせを表すところの式(1)、(2)、(3)および(4)、または(2a)、(3a)および(4a)の化合物が好ましい。ポリマー、オリゴマーまたはデントリマーへの取り込みにおいては、10個までのC原子を含有する直鎖または分枝のアルキル鎖が好ましい。
【0024】
さらに、記号R1が、出現毎に同一であるか異なり、式(5)または(6)
【化8】

【0025】
(式中、R2は上記した意味を有し、さらに
Eは、単結合、O、S、N(R2)またはC(R22を表し、
Ar1は、出現毎に同一であるか異なり、5〜20個の芳香族環原子を有するアリール基若しくはヘテロアリール基、または15〜30個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基(これらは、いずれの場合においても1つ以上のR2基により置換されていてもよい)であり、好ましくは6〜14個の芳香族環原子を有するアリール基若しくはヘテロアリール基、または18〜22個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基(これらは、いずれの場合においても1つ以上のR2基により置換されていてもよい)であり、
aは、出現毎に同一であるか異なり、0または1である)
の基N(Ar)2を表すところの式(1)、(2)、(3)および(4)、または(2a)、(3a)および(4a)の化合物が好ましい。
【0026】
特に好ましくは、Ar1は同一であるか異なり、フェニル、オルト−、メタ−若しくはパラ−トシル、パラ−フルオロフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、トリフェニルアミン、ナフチルジフェニルアミン、またはジナフチルフェニルアミンを表す。
【0027】
さらに、記号Xが出現毎に同一であるか異なり、C(R12、C=O、C=NR1、O、S、S=O、SO2、N(R1)、P(R1)、P(=O)R1、C(R12−C(R12、C(R12−C(R12−C(R12、C(R12−OおよびC(R12−O−C(R12から選択される2価の架橋であるところの式(1)、(2)、(3)および(4)、または(2a)、(3a)および(4a)の化合物が好ましい。記号Xが出現毎に同一であるか異なり、C(R12、N(R1)、P(R1)、およびP(=O)(R1)、非常に特に好ましくは、C(R12またはN(R1)、特にはC(R12から選択されるところの式(1)、(2)および(3)、または(2a)および(3a)の化合物が特に好ましい。ここでもう一度、複数の隣接するR1基が互いに芳香族環系または脂肪族環系を形成していてもよいことを明確に指摘しておく。C(R12基上の複数のR1基が互いに環系を形成する場合には、これはスピロ構造をもたらす。C(R12上の2つのR1基の間での環系の形成によるこの種のスピロ構造の形成は、本発明のさらに好ましい態様である。このことは、特に、R1が置換または無置換のフェニル基を表し、2つのフェニル基が架橋Xと共に環系を形成する場合に当てはまる。
【0028】
対称化合物および対称的に置換された化合物、すなわち両外側の非縮合アリール基またはヘテロアリール基が同一であり、かつ記号Xが同一であるところの式(1)、(2)および(3)、または(2a)および(3a)の化合物がさらに好ましい。構造(2a)、(3a)および(4a)における置換基R1は、さらに好ましくは、同一であるように選択される。
【0029】
式(1)の化合物の例は、以下に示す構造(1)〜(56)である
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0030】
本発明による上記の化合物、特に、反応性脱離基、例えば臭素、ヨウ素、ボロン酸またはボロン酸エステルにより置換された化合物、例えば、構造17、18、39、40、41、42および53で示される化合物は、対応する共役、部分共役若しくは非共役のポリマー、オリゴマーの調製のためのコモノマーとして、またはデントリマーの核として用いることができる。ここでの重合は、好ましくは、ハロゲン官能性またはボロン酸官能性により行われる。
【0031】
従って本発明のさらなる目的は、式(1)の化合物を1つ以上含む共役、部分共役および非共役のポリマー、オリゴマーまたはデントリマーであり、ここで、1つ以上のR1基が、式(1)の化合物からポリマーまたはデントリマーへの結合を示す。
【0032】
ポリマー、オリゴマーおよびデントリマーにおける式(1)の繰返し単位について、上記したものと同じ好ましさが適用される。
【0033】
式(1)の繰返し単位は、好ましくは、さらなるコモノマーと共重合する。適切で好ましいコモノマーは、フルオレン(例えば、EP 842208 または WO 00/22026 による)、スピロビフルオレン(例えば、EP 707020, EP 894107 または EP 04028865.6 による)、パラ−フェニレン(例えば、WO 92/18552 による)、カルバゾール(例えば、WO 04/070772 または WO 04/113468 による)、チオフェン(例えば、EP 1028136 による)、ジヒドロフェナントレン(例えば、WO 05/014689 による)、シス−およびトランス−インデノフルオレン(例えば、WO 04/041901 または WO 04/113412 による)、ケトン(例えば、WO 05/040302 による)、フェナントレン(例えば、WO 05/104264 または未公開出願 DE 102005037734.3 による)、または複数のこれらの単位から選択される。これらのポリマーは通常、さらなる単位、例えば発光(蛍光またはリン光)単位、例えばビニルトリアリールアミン(例えば、未公開出願 DE 102005060473.0 による)、またはリン光金属錯体(例えば、WO 06/003000 による)、および/または電荷輸送安易、特にトリアリールアミンに基づくものを含む。
【0034】
本発明による化合物は、当業者に知られる合成工程、例えば、臭素化、スズキカップリング、ハルトビヒ・ブッフバルト(Hartwig−Buchwald)カップリング、アシル化、アルキル化、酸化的環化等により調製することができる。
【0035】
ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,8−ジオン骨格を有する化合物は、例えば、共融塩化アルミニウム/塩化ナトリウム溶解物中における1,4−ジベンゾイルナフタレンの酸化的環化により調製することができる(スキーム1)。
【化15】

【0036】
次いで、得られたベンゾ[rst]ペンタフェン−5,8−ジオン骨格のヒドラジン水加物を用いたウォルフ−キシュナー(Wolf-Kishner)またはファン−ミンロン(Huang-Minlon)法による還元、続くメチル化と最終的な臭素化により、シントンである3,10−ジブロモ−5,5,8,8−テトラメチルベンゾ[rst]ペンタフェンを得る(スキーム2)。
【化16】

【0037】
次いで3,10−ジブロモ−5,5,8,8−テトラメチル−ベンゾ[rst]ペンタフェンを、例えば、アリールボロン酸およびアリールボロン酸誘導体を用いたスズキカップリングにより延長された芳香族炭化水素へ、ジアリールアミンを用いたブッフバルトカップリングによりトリアリールアミン誘導体へ、またはリチウム化およびベンゾニトリル等の求電子剤を用いた反応とそれに続く酸加水分解によりケトンへ、またはクロロジフェニルホスフィンを用いて続く酸化によりホスフィン酸化物に変換することができる(スキーム3)。
【化17】

【0038】
当然ながら、ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,8−ジオン骨格上での臭素化も行うことができる。続くビフェニル−2−マグネシウムブロミドを用いた変換、および中間体トリアリールメタノールの酸触媒環化により、ベンゾ[rst]ペンタフェンの対応するスピロ化合物が得られ(スキーム4)、これをスキーム3に記載したようにさらに官能化することができる。
【化18】

【0039】
ベンジ[c]インデノ[2,1−a]フルオレン−13,14−ジオンは、Bulletin Chem. Soc. Jpn. 1977, 50(1), 273 に記載されるように調製することができる。臭素化は、無水塩化鉄(III)の存在下で臭素元素を用いることにより可能である(スキーム2と同様)。このようにして得られる2,11−ジブロモベンズ[c]インデノ[2,1−a]フルオレン−13,14−ジオンを、スキーム2、3および4と同様にさらに官能化することができる。
【0040】
骨格の他の構造は、スキーム5に記載するように、1,4−ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)ナフタレンから出発しても得ることができる。これは有機金属反応剤により対応する第三級アルコールに変換され、これを酸触媒によって環化する。生じる異性体の比は、置換基および正確な合成条件に依存する。上記の通り、さらなる官能化を行うことができる。
【化19】

【0041】
ブロム化化合物を直接、またはボロン酸誘導体に変換した後に、ポリマー、オリゴマーまたはデントリマーのためのモノマーとして用いることができる。
【0042】
合成の際に、合成条件に応じて、5員環/5員環誘導体および6員環/6員環誘導体、5員環/6員環誘導体、またはこれら化合物の混合物が生じ得る。これらを分離して純粋化合物としてさらに処理してもよいし、または混合物として用いてもよい。
【0043】
式(1)の化合物は、有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED、PLED)における使用に非常に特に適している。置換に応じて、当該化合物は、OLEDの種々の機能において用いられる。
【0044】
従って本発明のさらなる目的は、有機電子デバイス、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける式(1)の化合物の使用である。
【0045】
また本発明のさらなる目的は、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む有機電子デバイス、特にはアノード、カソードおよび少なくとも1つの発光層を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスであり、少なくとも1つの発光層が、少なくとも1種の式(1)の化合物を含むことを特徴とする。
【0046】
カソード、アノードおよび発光層とは別に、上記の有機エレクトロルミネセンスデバイスは、さらなる層を含んでいてもよい。これらは例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、および/または電荷発生層であり得る(IDMC 2003, Taiwan;Session 21 OLED (5), T. Matsumoto, T. Nakada, J. Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J. Kido, Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer)。しかしながら、これらの層のそれぞれが存在する必要は必ずしもないことを指摘しておきたい。
【0047】
本発明のさらに好ましい態様において、上記の有機エレクトロルミネセンスデバイスは複数の発光層を含み、ここで、少なくとも1つの層が、式(1)の少なくとも1種の化合物を含む。特に好ましくは、これらの発光層は、380nm〜750nmの全体で複数の発光極大を有しており、全体で白色発光をもたらし、すなわち種々の発光化合物であって蛍光またはリン光を示し、黄色、オレンジまたは赤色光を放射し得るものが、発光層において用いられる。3層系が特に好ましく、ここで、3つの層のうちの少なくとも1層が式(1)の少なくとも1種の化合物を含み、またこの3層系は、青色、緑およびオレンジ、または赤色発光を示す(基本構造については、WO 05/011013 を参照のこと)。同様に、白色発光には、広域の発光帯を有し、そのため白色発光を示すエミッタが適している。
【0048】
蛍光ドーパントのためのホストとしての式(1)の化合物の使用に際し、単純なまたは縮合アリール基またはヘテロアリール基、特にフェニル、オルト−、メタ−またはパラ−ビフェニル、1−または2−ナフチル、アントリル、とりわけフェニルアントリルまたは1−若しくは2−ナフチルアントリル、2−フルオレニルおよび2−スピロビフルオレニルから選択される1つ以上の置換基R1が好ましく、これらはそれぞれ1つ以上のR2基により置換されていてもよい。このことは特に、式(2a)、(3a)および(4a)の構造上のR1基に当てはまる。
【0049】
ホストおよびドーパントからなる系におけるホスト材料とは、系に高い割合で存在している成分を意味するものと解釈される。1種のホストと複数のドーパントからなる系においてホスト材料とは、その割合が混合物中で最も高い成分を意味するものと解釈される。
【0050】
発光層における式(1)のホスト材料の割合は、50.0〜99.9重量%、好ましくは80.0〜99.5重量%、特に好ましくは90.0〜99.0重量%である。これに対応して、ドーパントの割合は、0.1〜50.0重量%、好ましくは0.5〜20.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。
【0051】
蛍光デバイスにおいて、ドーパントは、好ましくは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミンおよびアリールアミンのクラスから選択される。モノスチリルアミンとは、1つのスチリル基と少なくとも1つのアミン(好ましくは芳香族)を含有する化合物を意味するものと解釈される。ジスチリルアミンとは、2つのスチリル基と少なくとも1つのアミン(好ましくは芳香族)を含む化合物を意味するものと解釈される。トリスチリルアミンとは、3つのスチリル基と少なくとも1つのアミン(好ましくは芳香族)を含む化合物を意味するものと解釈される。テトラスチリルアミンとは、4つのスチリル基と少なくとも1つのアミン(好ましくは芳香族)を含む化合物を意味するものと解釈される。本発明の目的上、アリールアミンまたは芳香族アミンとは、直接窒素に結合した3つの芳香族環系または複素芳香族環系を含み、これらのうちの好ましくは少なくとも1つが、少なくとも14個の芳香族環原子を有する融合環系である化合物を意味するものと解釈される。スチリル基は特に好ましくはスチルベンであり、これは二重結合または芳香環においてさらに置換されていてもよい。このタイプのドーパントの例は、置換若しくは未置換のトリスチルベンアミン、または例えば、WO 06/000388 および未公開特許出願 DE 102004031000.9、EP 04028407.7 および EP 05001891.0. に記載されたさらなるドーパントである。また、DE 102005023437.2 による化合物も好ましい。
【0052】
リン光ドーパントのためのホストとして式(1)の化合物を使用する際は、1つ以上の置換基R1は、好ましくは、少なくとも1つの基、C=O、P(=O)(R2)、および/またはSO2を含む。これらの基は、特に好ましくは、本発明による中心のユニットに直接結合し、さらに特に好ましくは、1つ、ホスフィンオキシドの場合には2つのさらなる芳香族置換基を含む。このことは特に、式(2a)、(3a)および(4a)の構造上のR1基に当てはまる。
【0053】
リン光デバイスにおいて、ドーパントは、好ましくは、20を超える、好ましくは38より大きくて84未満、特に好ましくは56より大きくて80未満の原子番号を有する少なくとも1つの元素を含有する金属錯体のクラスから選択される。好ましくは、リン光エミッタとして、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金またはユーロピウム、特にイリジウムまたは白金を含む金属錯体が用いられる。従来技術により用いられているリン光材料が、一般的に本目的に適している。
【0054】
少なくとも1つの置換基R1が、少なくとも1つのビニルアリール単位、少なくとも1つのスチルベン単位、および/または少なくとも1つのアリールアミノ単位を含む場合に、式(1)の化合物を発光材料として用いることがさらに好ましい。このことは特に、式(2a)、(3a)および(4a)の構造上のR1基に当てはまる。
【0055】
発光層の混合物中における式(1)の化合物の割合は、0.1〜50.0重量%、好ましくは0.5〜20.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。これに対応して、ホスト材料の割合は、50.0〜99.9重量%、好ましくは80.0〜99.5重量%、特に好ましくは90.0〜99.0重量%である。
【0056】
ホスト材料としては種々のクラスの物質が考慮される。好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(例えば、EP 676461 による2,2’,7,7’−テトラフェニル−スピロビフルオレン、またはジナフチルアントラセン)、特には縮合芳香族基を含有するオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えば、EP 676461 によるDPVBi若しくはスピロ−DPVBi)、多座金属錯体(例えば、WO 04/081017 によるもの)、正孔伝導化合物(例えば、WO 04/058911 によるもの)、電子伝導化合物、特にはケトン、ホスフィンオイシド、スルホキシド等(例えば、WO 05/084081 および WO 05/084082 によるもの)、アトロプ異性体(例えば、未公開出願 EP 04026402.0 によるもの)、またはボロン酸誘導体(例えば、未公開出願 EP 05009643.7 によるもの)のクラスから選択される。さらにホスト材料として、上記した本発明の化合物が考慮される。本発明の化合物以外で特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセンおよび/若しくはピレン、またはこれら化合物のアトロプ異性体を含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン、ケトン、ホスフィンオキシド、およびスルホキシドのクラスから選択される。本発明の化合物以外で、非常に特に好ましいホスト材料は、アントラセンおよび/若しくはピレン、またはこれら化合物のアトロプ異性体を含むオリゴアリーレン、ホスフィンオキシド、およびスルホキシドのクラスから選択される。本発明の目的上、オリゴアリーレンとは、少なくとも3つのアリール基またはアリーレン基が互いに結合している化合物を意味するものと解釈され得る。
【0057】
本発明のさらなる態様において、式(1)の化合物を、正孔輸送材料または正孔注入材料として用いる。その際当該化合物は、好ましくは、少なくとも1つのN(Ar)2基、特に好ましくは少なくとも2つのN(Ar)2基により置換されている。このことは、特に、式(2a)、(3a)および(4a)の構造上のR1基に当てはまる。当該化合物を、好ましくは、正孔輸送層または正孔注入層において用いる。本発明の目的上、正孔注入層とは、アノードに直接隣接する層である。本発明の目的上、正孔輸送層とは、正孔注入層と発光層との間に位置する層である。式(1)の化合物を正孔輸送材料または正孔注入材料として用いる場合には、電子受容化合物、例えばF4−TCNQ、または EP 1476881 または EP 1596445 に記載されている化合物をドープすることが好ましいであろう。
【0058】
さらに、式(1)の化合物を電子輸送材料として用いることが好ましい。ここでは、1つ以上の置換基R1が、少なくとも1つの基C=O、P(=O)(R2)および/またはSO2を含んでいることが好ましいであろう。これらの基は、特に好ましくは、本発明による中心のユニットに直接結合し、さらに特に好ましくは、1つの置換基、またはホスフィンオキシドの場合は2つの置換基を含む。さらに、当該化合物に電子供与化合物をドープすることも好ましいであろう。このことは、特に、式 (2a)、(3a)および(4a)の構造上のR1基に当てはまる。さらに、当該化合物に電子供与化合物をドープすることが好ましいであろう。
【0059】
式(1)の化合物を、ポリマー中で、ポリマーの骨格(バックボーン)として、または発光ユニットおよび/若しくは正孔輸送ユニットとして用いることができる。ここでの好ましい置換パターンは上記した通りである。
【0060】
さらに、1つ以上の層が昇華法によりコーティングされることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。この場合において上記材料を、真空昇華ユニットにおいて10-5mbar以下、好ましくは10-6mbar以下、特に好ましくは10-7mbar以下の圧力で蒸着する。
【0061】
同様に、1つ以上の層がOVPD(有機気相成長(organic vapour phase deposition))法により、またはキャリアガスの昇華を用いてコーティングされることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスも好ましい。この場合に上記材料を、10-5mbar〜1barの圧力で塗布する。
【0062】
さらに、1つ以上の層を、溶液から、例えばスピンコーティングにより、またはいずれもの印刷法、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷若しくはオフセット印刷、特に好ましくはLITI(光誘起熱画像化(light induced thermal imaging)、熱転写印刷)、またはインクジェット印刷により製造することを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。このため、式(1)の可溶性化合物が必要である。当該化合物の適切な昇華により高い溶解性を得ることができる。
【0063】
本発明による化合物は、有機エレクトロルミネセンスデバイスとしての使用に際して、高い効率と高い安定性を有し、これらは特に、長い寿命から明らかである。加えて、当該化合物は高いガラス転移温度を有する。
【0064】
本明細書は、OLEDおよびPLED、並びに対応するディスプレイに関する本発明による化合物の使用に関する。この記載の制限にも関らず、当業者であればさらなる発明を必要とすることなく、本発明による化合物を他の電子デバイス、例えば、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電界クエンチデバイス(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザダイオード(O−Laser)または有機光受容体に使用することが可能である。
【0065】
本発明は、同様に、本発明による化合物の対応するデバイスにおける使用と、これらのデバイス自体に関する。
【0066】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明をこれにより限定するものでない。
【0067】

以下の合成を、他に示さない限り、保護ガス雰囲気下で行った。出発材料を、アルドリッチ社またはABCR社から購入した。1,4−ナフタレンジボロン酸を、Journal of Organic Chemistry 2000, 65(13), 3952−3960 に従って合成した。
【0068】
例1:4,10−テトラメチル−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン、および5,8−テトラメチル−5,8−ジヒドロ−ベンゾ[rst]ペンタフェンの合成
a)1,4−ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)ナフタレン
【化20】

【0069】
1.55g(0.1mmol)のPd(PPh34を、350mlの水と350mlの混合物中の21.6g(7.1mmol)の2−ブロモ安息香酸メチル、10.1g(28mmol)の1,4−ナフタレンジボロン酸、および18.9g(6.6mmol)のリン酸三カリウム(Triskaliumphophat)の激しく撹拌され、脱気した懸濁液に加え、この混合物を60時間還流する。冷却後、有機層を分離し、200mlの水で3回、200mlの飽和食塩溶液で1回洗浄し、続いて硫酸マグネシウムにて乾燥させる。有機層を回転エバポレータ中減圧下で蒸発乾固する。このようにして得られた灰色の残渣をジオキサンから再結晶する。析出した結晶を吸引しながらろ過し、50mlのエタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させる。収量:13g、理論の82%。
【0070】
b)1,4−ビス(2−メタノール−α,α−ジメチル)フェニル)ナフタレン
【化21】

【0071】
30g(75mmol)の1,4−ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)ナフタレンを、最初に、2000mlのTHF中に窒素下で導入し、−78℃にまで冷却し、175ml(378mmol)の2.2Mのメチルリチウム溶液を滴下して加える。その後混合物を−78℃で16時間撹拌する。混合物を終夜室温になるまで放置する。125mlの飽和NH4Cl溶液を用いての加水分解の後、沈殿物を吸引しながらろ過し、酢酸エチルを用いて洗浄する。ろ液を水を用いて2回抽出し、有機層をNa2SO4にて乾燥させる。溶媒の蒸発後の残渣をクロマトグラフィ(トルエン/酢酸エチル 6:4)により精製する。収量:27g、理論の93%。
【0072】
c) 4,10−テトラメチル−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン、および5,8−テトラメチル−5,8−ジヒドロ−ベンゾ[rst]ペンタフェン
【化22】

【0073】
200gのポリリン酸をまず導入する。続いて、25g(63.05mmol)の1,4−ビス(2−メタノール−α,α−ジメチル)フェニル)ナフタレンを添加する。混合物を室温で20時間撹拌する。次いで氷水をこの混合物に徐々に加える。沈殿した固体を吸引しながらろ過し、乾燥チャンバ中で乾燥させ、酢酸エチルから再結晶する。
【0074】
収量:
4,10−テトラメチル−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン(1):9.9g(理論の45%)
5,8−テトラメチル−5,8−ジヒドロ−ベンゾ[rst]ペンタフェン(2):6.6g(理論の30%)。
【0075】
例2:5,8−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−5,8−ジヒドロベンゾ[rst]ペンタフェン、および4,10−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセンの合成
a)1,4−ビス[2−メタノール−α,α−ジ(p−tert−ブチルフェニル)フェニル]ナフタレン
【化23】

【0076】
8.5g(40mmol)の1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼンを、50mlのTHF中に窒素下でまず導入し、−75℃にまで冷却し、25ml(40mmol)の1.6Mのn−ブチルリチウム溶液を滴下して加えて、この温度にて2時間撹拌する。続いて、50mlのTHFに溶解させた3.56g(9mmol)の1,4−ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)ナフタレン(例1aに記載した通りに合成)を、温度が−65℃を超えないような速度で滴下して加える。この混合物を終夜室温になるまで放置する。水200mlを用いた加水分解の後、沈殿物を吸引しながらろ過し、EtOHで洗い、酢酸エチルから再結晶する。収量:15.8g、理論の85%。
【0077】
b)5,8−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−5,8−ジヒドロ−ベンゾ[rst]ペンタフェン、および4,10−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン
【化24】

【0078】
9.7g(11.2mmol)の1,4−ビス[2−メタノール−α,α−ジ(p−tert−ブチルフェニル)フェニル]−ナフタレンを、120mlの氷酢酸120m中にまず加え、この混合物を10分間撹拌する。続いて、0.5mlのHCl(濃)を添加し、この混合物を1時間還流する。次いで氷水をこの混合物に徐々に加える。沈殿した固体を吸引しながらろ過し、乾燥チャンバ中で乾燥させ、トルエンから再結晶する。
【0079】
収量:
5,8−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−5,8−ジヒドロ−ベンゾ[rst]ペンタフェン(3):5.8g、理論の50%
4,10−テトラ(p−tert−ブチルフェニル)−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン(4):2.8g、理論の30 %。
【0080】
例3:アミンD1の合成
a)化合物(1)の臭素化
【化25】

【0081】
9.0g(25mmol)の4,10−テトラメチル−4H−10H−フルオレノ[4,3,2−de]アントラセン(1)を、300mlのジクロロメタン中に遮光しながらまず導入し、5℃まで冷却する。25mlのジクロロメタン中の2.7ml(50mmol)の臭素を15分に渡って滴下して加え、この混合物を5℃でさらに7時間撹拌する。変換が完了したら、反応を15mlのエタノール添加によって停止し、生成物を吸引しながらろ過し、エタノールを用いて何回か洗浄し、続けてNMPから2回再結晶すると、11.2g(理論の86%)の淡黄色の固体を与え、HPLCによれば>99.7%の純度を有する。
【0082】
b)アミンD1の合成
【化26】

【0083】
例3a)からの11.2g(22mmol)の臭素化合物、および9.7g(58mmol)のジフェニルアミンを、250mlの無水トルエン中に懸濁させる。続いて、190mg(0.9mmol)のトリ−tert−ブチルホスフィン、および107mg(0.5mmol)のPd(OAc)2、および107mg(0.5mmol)のNaOtBuを加え、この混合物を4時間還流する。反応が完了したら、150mlの水を加えて、固体を吸引しながらろ過し、エタノールを用いて洗浄して、乾燥させる。NMPから5回再結晶、沸騰エタノールによる2回の抽出、続く2度の昇華(330℃,2x10-5mbar)により、11.8g(77%)淡黄色の固体が得られ、HPLCによれば>99.9%の純度を有する。
【0084】
例4〜6:アミンD2、D3およびD4の合成
例3と同様に、対応するビス(ジフェニルアミン)誘導体を、化合物(2)、(3)および(4)(例1および2に記載したように合成)から、臭素化およびハートウィク−ブッフバルトカップリングにより合成する。D2、D3およびD4の構造を以下に示す。
【化27】

【0085】
例7:OLEDの製造
OLEDを、WO 04/058911 に記載される一般的な方法により製造し、これは個々の場合において詳細な状況(例えば、最適な効率または色を得るための層の厚さの変化)に適応させる。
【0086】
種々のOLEDについての結果を以下の例に示す。用いる基本構造、材料および層の厚さは、発光層と正孔注入層を除いて、より良い比較のために同一である。以下の構造を有するOLEDを、上記の一般方法と同様に製造する。
【0087】
正孔注入層(HIL):0nmまたは20nmのHIL1(表1を参照のこと)
正孔輸送層(HTM):40nmまたは20nmのNPB(蒸着:N−ナフチル−N−フェニル−4,4’−ジアミノビフェニル)
発光層(EML):材料、濃度および層の厚さは表1を参照のこと
電子伝導層(ETL):20nmのAlQ3(SynTec社から購入;トリス(キノリナト)アルミニウム(III))
LiF/Al(カソード):1nmのLiF、その上の150nmのAl
これらのOLEDは、標準的な方法により特性決定される。この目的のために、エレクトロルミネセンススペクトル、効率(cd/Aで測定)、輝度の関数として、電流/電圧/輝度特性線(IUL特性線)から計算されるパワー効率(Im/W単位で測定)、および寿命を測定する。寿命は、1000cd/m2の初期輝度が半分にまで低下した後の時間として定義する。
【0088】
表1は、いくつかのOLED(例8〜11)についての結果が示され、層の厚さを含むEMLおよびHTLの組成もそれぞれの場合において示されている。OLEDは、本発明による化合物を、正孔注入材料(例9および11におけるD3の使用)として、発光層におけるホスト材料(例8および9における(3)の使用)として、および/または発光層におけるドーパント(例10および11におけるD3の使用)として含む。ホスト材料H1およびドーパントD5の構造を以下に示す。
【化28】

【表1】

【0089】
aCIE座標:Commission Internationale de l'Eclairage, 1931 の色座標
b寿命:1000cd/m2の初期輝度において測定した場合に、初期輝度の50%にまでの輝度の低下までの時間。
【0090】
まとめると、表1から容易に理解できる通り、式(1)の化合物を含むOLEDは、非常に長い寿命と良好な効率を有するということが言える。従って、これらの化合物は、OLEDにおける使用に極めて適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、用いられる記号および添え字には以下が適用される。すなわち、
Yは、出現毎に同一であるか異なり、CR1またはNであるか、または、
(Y−Y)または(Y=Y)(すなわち、2つの隣接するY)は、NR1、SまたはOを表し、但し、各環は5員環または6員環であり、
Zは、架橋XがZ基に結合している場合にはCであり、架橋XがZ基に結合していない場合にはYであり、
1は、出現毎に同一であるか異なり、H、F、Cl、Br、I、N(Ar)2、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、S(=O)Ar、S(=O)2Ar、CR2=CR2Ar、CN、NO2、Si(R23、B(OR22、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル基、アルコキシ基若しくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分枝若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基若しくはチオアルコキシ基(これらはいずれの場合も1つ以上のR2基により置換されていてもよい)(ここで、1つ以上の非隣接のCH2基は、−R2C=CR2−、−C≡C−、Si(R22、Ge(R22、Sn(R22、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)(R2)、SO、SO2、−NR2−、−O−、−S−または−CONR2−により置き換えられていてもよく、また、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2により置き換えられていてもよい)、または5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族環系若しくは複素芳香族環系(これらは、いずれの場合も1つ以上のR2基により置換されていてもよい)、または5〜40個の芳香族環原子を有するアリールオキシ基若しくはヘテロアリールオキシ基(これらは、1つ以上のR2基により置換されていてもよい)、またはこれらの系の組み合わせであり、ここで、2つ以上の隣接する置換基R1は互いに単環若しくは多環の脂肪族環系または芳香族環系を形成していてもよい(ここで、芳香族環系の形成はXにおいてのみ許容される)であり、
Arは、出現毎に、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族環系または複素芳香族環系(これらは1つ以上の非芳香族R1基により置換されていてもよい)であり、ここで、同じ窒素原子上の2つのAr基は単結合または架橋Xにより互いに結合していてもよく、
2は、出現毎に同一であるか異なり、H、または1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基若しくは複素芳香族炭化水素基であり、ここで、2つ以上の隣接する置換基R2は互いに単環または多環の脂肪族環系または芳香族環系を形成していてもよく、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B(R1)、C(R12、Si(R12、C=O、C=NR1、C=C(R12、O、S、S=O、SO2、N(R1)、P(R1)、P(=O)R1、P(=S)R1から選択される二価の架橋、またはこれらの系の2つ、3つ若しくは4つの組み合わせであり、
n、m、p、oは、出現毎に同一であるか異なり、0または1であり、但し、m+p=1または2およびn+o=1または2であり、ここで、いずれの場合においてもn=0および/またはm=0および/またはp=0および/またはo=0は、対応する架橋Xが存在しないことを意味する)
の化合物であって、少なくとも1つのアリール基またはヘテロアリール基を含む少なくとも1つの置換基R1が存在することを特徴とする化合物。
【請求項2】
両外側の非縮合アリール基またはヘテロアリール基が、出現毎に同一であるか異なり、ベンゼン基を表すか、又はピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジンおよびチオフェンから選択されるヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
中心の縮合アリール基またはヘテロアリール基が、出現毎に同一であるか異なり、ナフタレン、キノキサリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾピリミジン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾフランまたはインドールを表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式(2)、式(3)または式(4)
【化2】

(式中、記号は請求項1に記載したものと同じ意味を有し、ナフタレン基は1つ以上のR1基により置換されていてもよい)の構造から選択される請求項1〜3の少なくとも一項に記載の化合物。
【請求項5】
式(2a)、式(3a)または式(4a)
【化3】

(式中、記号XおよびR1は請求項1に記載したものと同じ意味を有し、ナフタレン基は1つ以上のR1基で置換されていてもよい)の請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
記号R1が、出現毎に同一であるか異なり、H、F、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、−CR2=CR2Ar、1〜5個のC原子を有する直鎖のアルキル基若しくは3〜5個のC原子を有する分枝のアルキル基(ここで、1つ以上の非隣接のCH2基は、−R2C=CR2−、−C≡C−若しくは−O−により置き換えられていてもよく、また、1つ以上のH原子はFにより置き換えられていてもよい)、または6〜16個のC原子を有するアリール基若しくは2〜16個のC原子を有するヘテロアリール基若しくはスピロビフルオレン基(いずれの場合にも1つ以上のR2基で置換されていてもよい)、またはこれらの環系の2つ若しくは3の組み合わせを表すか、または
記号R1が、出現毎に同一であるか異なり、式(5)または式(6)
【化4】

(式中、R2は上記した意味を有し、さらに
Eは、単結合、O、S、N(R2)またはC(R22を表し、
Ar1は、出現毎に同一であるか異なり、5〜20個の芳香族環原子を有するアリール基若しくはヘテロアリール基、または15〜30個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基(これらは、いずれの場合も1つ以上のR2基により置換されていてもよい)であり、好ましくは6〜14個の芳香族環原子を有するアリール基若しくはヘテロアリール基、または18〜22個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基(これらは、いずれの場合も1つ以上のR2基により置換されていてもよい)であり、
aは、出現毎に同一であるか異なり、0または1である)
の基を表すことを特徴とする請求項1〜5の少なくとも一項に記載の化合物。
【請求項7】
記号Xが、出現毎に同一であるか異なり、C(R12、C=O、C=NR1、O、S、S=O、SO2、N(R1)、P(R1)、P(=O)R1、C(R12−C(R12、C(R12−C(R12−C(R12、C(R12−OおよびC(R12−O−C(R12から選択される2価の架橋であることを特徴とする請求項1〜6の少なくとも一項に記載の化合物。
【請求項8】
1種以上の式(1)の化合物を含む共役、部分共役および非共役のポリマー、オリゴマーまたはデントリマーであって、1つ以上のR1基またはR2基が請求項1に記載の化合物の、ポリマー、オリゴマーまたはデントリマーへの結合を意味する前記ポリマー、オリゴマーまたはデントリマー。
【請求項9】
さらなる繰返し単位が、フルオレン、スピロビフルオレン、パラ−フェニレン、カルバゾール、チオフェン、ジヒドロフェナントレン、シス−およびトランス−インデノフルオレン、ケトン、蛍光若しくはリン光エミッタ、トリアリ−ルアミン、または複数のこれら単位から選択されることを特徴とする請求項8に記載のポリマー、オリゴマーまたはデントリマー。
【請求項10】
有機電子デバイスにおける請求項1〜9の少なくとも一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1〜9の少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む有機電子デバイス。
【請求項12】
有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED、PLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電界クエンチデバイス(organischen Feld-Quench-Device)(O−FQD)、発光電気化学セル(LEC)、有機レーザダイオード(O−Laser)または有機光受容体からなる群から選択される請求項11に記載の有機電子デバイス。
【請求項13】
アノード、カソードおよび少なくとも1つの発光層を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスであって、発光層において請求項1〜9の少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物が少なくとも1種の蛍光またはリン光ドーパントとの混合物として用いられ、および/または発光層において請求項1〜9の少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物が、少なくとも1種のホスト材料との混合物として用いられていることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項14】
請求項1〜9の少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物が、正孔輸送層および/または正孔注入層において正孔輸送材料として用いられ、および/または請求項1〜9の少なくとも一項に記載の少なくとも1種の化合物が、電子輸送層において電子輸送材料として用いられていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の有機電子デバイス。

【公表番号】特表2009−505995(P2009−505995A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527329(P2008−527329)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007386
【国際公開番号】WO2007/022845
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】