説明

有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置

【課題】短時間で高精度な評価を容易に行うことを可能にする。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法であって、標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、前記標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果と前記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果とを用いてフィッティングを行って、前記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の履歴または残余寿命を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置に関し、さらに詳細には、電子とホールとの注入および再結合により発光する有機化合物のエレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置に関する。
【0002】
なお、こうした有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と適宜に称する。)は、ディスプレイ、照明あるいは光信号発生器などの各種の分野において利用可能である。
【背景技術】
【0003】
近年、発光素子の一つとして、電子とホールとの注入および再結合により発光する有機化合物のエレクトロルミネッセンスを利用した有機EL素子が実用化されている。
【0004】
ところで、こうした有機EL素子は、駆動時間の経過とともに発光強度が低下することが知られていた。
【0005】
このため、有機EL素子の開発においては、その駆動時間の経過に伴う発光強度の経時劣化(以下、単に「経時劣化」と適宜に称する。)を予測し、その残余寿命を推定する手法の確立の重要性が認識されている。即ち、有機EL素子の寿命向上は、その実用化のための重要な条件であり、寿命の推定に役立つ手法の確立が求められているものであった。
【0006】
従来、有機EL素子の発光強度の経時劣化を評価をするにあたっては、高温/低温、高湿度/低湿度など各種環境下で実際に有機EL素子を駆動して、その駆動時間の経過に伴う電流値や発光強度の変化を測定し、当該測定結果を既に測定してあるデータと照応させることでフィッティングを行って評価するという手法がとられていた。
【0007】
しかしながら、上記した従来の評価手法においては、評価尺度である電流値や発光強度の変化が比較的ゆっくりとした変化であるため、比較的長時間にわたる測定における測定結果を要するものであった。
【0008】
このため、従来の評価尺度に比べるとより速い変化を示す新たな評価尺度を用いて、短時間で高精度な評価を容易に行うことを可能にする、従来の評価手法とは異なる新たな評価手法の提案が強く望まれていた。
【0009】
なお、非特許文献1には、有機EL素子に外部磁場をかけると輝度が変化する点が示されている。
【非特許文献1】M.Wohlgennant, Z.V.Vardeny, J.Phy.: Condens. Matter, 15, R83(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の技術に対する上記した要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、短時間で高精度な評価を容易に行うことを可能にする評価手法を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、「有機EL素子の輝度、発光強度あるいは電流値などの磁場依存性は当該有機EL素子の使用度合いによって変化する」という本願発明者の知見に基づいてなされたものである。
【0012】
即ち、本願発明者は、有機EL素子の輝度、発光強度あるいは電流量などの磁場依存性を測定する実験において、有機EL素子のエイジング、即ち、使用度合いとともに輝度、発光強度あるいは電流量などのパラメータの磁場依存性が変化していくことを見出した。この有機EL素子のエイジングに伴う輝度、発光強度あるいは電流量などのパラメータの磁場依存性の変化は、エイジングによる輝度自身の変化などより早く、異なるタイミングで起きる。
【0013】
つまり、上記した有機EL素子の使用度合いによる輝度、発光強度あるいは電流値などの磁場依存性の変化は、磁場がない場合における有機EL素子の使用度合いによる輝度、発光強度あるいは電流値などの変化に比べて急速であり異なるタイミングで生ずる。
【0014】
このため、有機EL素子の使用度合いによる輝度、発光強度あるいは電流値などの磁場依存性の変化は、有機EL素子の新たな評価尺度として用いることができ、この評価尺度を用いると、従来に比べて短期間で有機EL素子の評価を行うことができるようになる。
【0015】
また、有機EL素子の使用度合いによる輝度、発光強度あるいは電流値などの磁場依存性の変化の測定は、単純な手法で簡便に実施することができる。
【0016】

こうした本発明のうち請求項1に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、0でない所定の値の磁場と無磁場とで測定した輝度を用いて式Aにより導出される値が、所定の値であるようにしたものであり、式Aは次の通りである。
【0017】
式A:{(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)}
ここで、式Aは、ある駆動時間における輝度の一定磁場がある場合とない場合の比、即ち、「(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)/(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)」を、駆動開始時の同様な比、即ち、「(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)/(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)」によって除したものである。
【0018】
この式Aの値が1であるとは、駆動時間によって輝度の磁場変化の割合が変化しなかったことを示し、また、式Aの値が1より大きい場合は、駆動開始時より磁場による変化が大きくなったことを示す。同様に、式Aの値が1より小さくなる場合は、駆動開始時より磁場による変化が小さくなったことを示す。
【0019】
なお、式A中の所定の値の磁場とは、特に限定されるものではないが、測定の行い易さの観点から850mT以下であることが好ましい。
【0020】
また、式Aにより導出される値は、有機EL素子の輝度半減寿命の観点から、1.0以上1.5以下であることが好ましく、より好ましくは1.0以上1.3以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.2以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.1以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.05以下であり、実質的に1であることが最も好ましい。
【0021】

また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、式Bにより導出される値が1.0以上1.2以下であるようにしたものであり、式Bは次の通りである。
【0022】
式B:{(駆動時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
ここで、式Bにより導出される値は、有機EL素子の輝度半減寿命の観点から、1.0以上1.1以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0以上1.05以下であり、実質的に1であることが最も好ましい。
【0023】

また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、式Cにより導出される値が1.00以上1.01以下であるようにしたものであり、式Cは次の通りである。
【0024】
式C:{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}

また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、0でない所定の磁場と無磁場とで測定した輝度を用いて式Aにより導出される値が、所定の値となるまでエイジングを行うようにしたものであり、式Aは次の通りである。
【0025】
式A:{(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)}
ここで、式Aは、ある駆動時間における輝度の一定磁場がある場合とない場合の比、即ち、「(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)/(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)」を、駆動開始時の同様な比、即ち、「(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)/(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)」によって除したものである。
【0026】
この式Aの値が1であるとは、駆動時間によって輝度の磁場変化の割合が変化しなかったことを示し、また、式Aの値が1より大きい場合は、駆動開始時より磁場による変化が大きくなったことを示す。同様に、式Aの値が1より小さくなる場合は、駆動開始時より磁場による変化が小さくなったことを示す。
【0027】
なお、式A中の所定の値の磁場とは、特に限定されるものではないが、測定の行い易さの観点から850mT以下であることが好ましい。
【0028】
また、式Aにより導出される値は、有機EL素子の輝度半減寿命の観点から、1.0以上1.5以下であることが好ましく、より好ましくは1.0以上1.3以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.2以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.1以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.05以下であり、実質的に1であることが最も好ましい。
【0029】

また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、式Bにより導出される値が1.0以上1.2以下となるまでエイジングを行うようにしたものであり、式Bは次の通りである。
【0030】
式B:{(駆動時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
ここで、式Bにより導出される値は、有機EL素子の輝度半減寿命の観点から、1.0以上1.1以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0以上1.05以下であり、実質的に1であることが最も好ましい。
【0031】

また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、式Cにより導出される値が1.00以上1.01以下となるまでエイジングを行うようにしたものであり、式Cは次の通りである。
【0032】
式C:{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}

また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法であって、標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、上記標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果と上記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果とを用いてフィッティングを行って、上記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の履歴または残余寿命を推定するようにしたものである。
【0033】

また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価装置であって、標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子に付与する磁場を変化させながら該標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定する第1の手段と、測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子に付与する磁場を変化させながら該測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定する第2の手段と、上記第1の手段による測定結果と上記第2の手段による測定結果とを用いてフィッティングを行って、上記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の履歴または残余寿命を推定する推定手段とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、短時間で高精度な評価を容易に行うことを可能にする評価手法を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置を提供することができるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法およびその装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0036】

はじめに、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法(以下、単に「評価方法」と適宜に称する。)について説明すると、この評価方法は、材料のみではなく電極などを形成した有機EL素子を用いて測定を行う。
【0037】
図1には、材料のみではなく電極などを形成した有機EL素子の一例が示されており、この有機EL素子10は、基板12上に、陽極14と、ホール輸送層16と、有機層18と、電子輸送層20と、陰極22とが順に積層されており、陽極14と陰極22とに駆動電圧が印加されるように構成されている。
【0038】
なお、図1に示すような構造を備えた有機EL素子10は、例えば、以下のような手順で作製することができる。即ち、陽極14となるITO膜を付けた基板12たるガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(Bayer製、Bytron P AI4083)の懸濁液をスピンコートにより80nmの厚みで成膜して乾燥させ、次に、ポリパラフェニレンビニレンをスピンコートによりおよそ80nmの厚みで成膜して乾燥させることにより、ホール輸送層16、有機層18および電子輸送層20を形成する。その後、陰極22として、カルシウムを5nm、次いで、アルミニウムを約100nm蒸着して、有機EL素子10を作製した。
【0039】

図1に示すような構造を備えた有機EL素子を温度、湿度などを所定の値に設定した測定環境におき、電流を印加し輝度およびその他(発光強度あるいは電流値や電圧値など)のパラメータを測定して記録する。そして、こうした測定は、2つ以上の磁場強度のもとで行い、それぞれの測定結果を記録するものとする。これにより、磁場強度の変化に伴う輝度およびその他のパラメータの変化がわかり、輝度およびその他の磁場依存性が明らかとなる。
【0040】
なお、電流の印加は、パルス状、定電流、定電圧などを適宜に選択すればよい。また、磁場については、ほぼ無磁場の場合とある程度の磁場(数十ミリテスラ以上であることが好ましい。)の場合とを測定して比較することが好ましい。
【0041】
そして、本発明による評価方法においては、標準試料としての有機EL素子と測定対象試料としての有機EL素子とについてそれぞれ上記した測定を行い、その測定結果を基にフィッティングを行って、測定対象試料としての有機EL素子の履歴や残余寿命を推定して有機EL素子を評価する。
【0042】
なお、標準試料としての有機EL素子の測定においては、上記した磁場依存性の測定を短いエイジング間隔で行い、参照用の標準データを蓄積する。エイジングの条件としては、通電時間、通電電力、無通電維持など自由に設定すればよい。
【0043】
上記した標準試料としての有機EL素子の測定を当該有機EL素子が不点灯に至るまで行っておけば、当該測定により得られたデータは、測定対象試料としての有機EL素子の寿命評価に用いることができる。
【0044】
また、上記した標準試料としての有機EL素子の測定を当該有機EL素子が不点灯に至るまで行わずに、所定の時間で途中で打ち切った場合でも、測定対象試料としての有機EL素子における当該打ち切り時点に対応する駆動時間の履歴の評価に用いることができる。
【0045】
つまり、標準試料としての有機EL素子について上記したような測定を行うとともに、測定対象試料としての有機EL素子についても、標準試料としての有機EL素子と同様の条件においてその磁場依存性を測定し、標準試料としての有機EL素子と測定対象試料としての有機EL素子との磁場依存性を比較することにより、測定対象試料としての有機EL素子のこれまでの履歴や今後の寿命を推定して評価することができる。
【0046】
また、測定対象試料としての有機EL素子の測定後に、標準試料としての有機EL素子と同じ方法で一定時間エイジング処理を行い、その時点での磁場依存性をあわせて検討することにより、精度の高い評価を行うことができるようになる。
【0047】
上記した本発明による評価方法によれば、「輝度およびその他のパラメータの磁場依存性」の方が、「輝度およびその他のパラメータ」より速く変化するので、より早い段階での評価が可能になる。
【0048】

次に、上記したような本発明による評価方法を実施するための有機エレクトロルミネッセンス素子の評価装置について説明する。
【0049】
本発明による評価方法を実施するための本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の評価装置(以下、単に「評価装置」と適宜に称する。)は、コンピューターにより各種のデータ処理を実現するものであるが、図2には、コンピューター100を備えた本発明による評価装置の実施の形態の一例が示されている。
【0050】
この評価装置は、コンピューター100の他に、標準試料や測定対象試料の有機EL素子102に電流・電圧を印加するための発光用電源104と、有機EL素子102へ印加される電流値・電圧値を測定する電流・電圧測定器106と、有機EL素子102の輝度を測定する輝度計108と、有機EL素子102に付与される磁場を生成するとともに磁場強度を可変できる電磁石などの磁石110とを有している。
【0051】
以上の構成において、この評価装置においては、輝度計108により有機EL素子102の輝度が測定されるとともに、電流・電圧測定器106により有機EL素子102へ印加される電流値・電圧値が測定され、これらの測定結果が当該測定時において磁石110により有機EL素子102へ付与される磁場強度とともにコンピューター100へ出力され、コンピューター100にこれら輝度、電流値、電圧値、磁場強度が記録される。
【0052】
なお、図2に示す評価装置においては、発光用電源104と電流・電圧測定器106とを別体により構成したが、発光用電源104と電流・電圧測定器106とを一体的に構成してもよい。
【0053】
また、図2に示す評価装置においては、有機EL素子102の発光方向に対して磁場の方向が垂直になるように設定されているが、有機EL素子102の発光方向に対して磁場の方向が平行になるように設定してもよい。
【0054】
さらに、図2に示す評価装置においては、有機EL素子102の発光が空間をそのまま経て輝度計108により計測されるようになされているが、光ファイバーにより有機EL素子102の発光を輝度計108まで導光するようにしてもよい。
【0055】
さらにまた、図2に示す評価装置においては、有機EL素子102の発光を測定するために輝度計108を用いたが、輝度計108に代えて光強度測定器を用いるようにしてもよい。ここで、輝度計は、視感度補正をした光強度を記録するものである。一方、単なる光強度測定器は、測定データを発光スペクトルから数値的に視感度補正し、輝度に換算することができる。
【0056】

次に、図3には、図2に示す評価装置を用いて、有機EL素子102に電圧をかけて発光状態でエイジングした場合の測定結果の一例が示されている。
【0057】
この測定において、エイジングの際の電圧(エイジング電圧)は、10Vから1Vづつ徐々に上げていっているが、輝度、電流値、電圧値、磁場強度の測定の際には、一時的に10Vにして測定をおこなった。
【0058】
なお、後に詳述する図4に示す測定も同時に行っており、輝度、電流値、電圧値、磁場強度の測定の際には、一時的に5Vにして測定をおこなった。
【0059】
ここで、図3ならびに図4において、「Em」は発光強度の略語であり、790mT(ミリテスラ)は7900G(ガウス)と同じ磁場の強度である。また、図3ならびに図4において、白抜きの円形は各時点での「(790mTの磁場をかけた場合の輝度)/(磁場をかけない場合の輝度)」を示し、白抜きの四角形は磁場がないときの輝度の相対強度を示している。
【0060】
図3を参照すると、10Vでは輝度の変化とあまり変わらないが、磁化効果は輝度の比をとっているため、より安定に誤差が少なく測定することができる。
【0061】
また、図4に示すグラフは、図3に示す10Vにしての測定の場合と同様に見えるが、磁化効果の縦軸の大きさが5倍あり、評価のためのデータとしては、低電圧駆動のデータの方が有効である。
【0062】
図3に示す10Vのデータでははっきりしないが、図4に示す5Vのデータにおいては、使い始めに輝度が急激に上がり、一時期安定してから輝度が下がる特性が明瞭に表れている。その間、磁場依存性は変化を続けている。
【0063】
つまり、無磁場で輝度が安定しているときでも磁場依存性は変化を続け、輝度では変化が分からない状況でもエイジングの効果が分かる。
【0064】

次に、図5に示すフローチャートを参照しながら、コンピューター100を用いて評価装置により実行される有機EL素子の評価処理の一例について説明する。
【0065】
即ち、図5のフローチャートに示す有機EL素子の評価処理は、有機EL素子の履歴や寿命を推定する処理であり、まず、標準試料の有機EL素子を用意し(ステップS502)、その使用条件(温度、湿度など)を設定する。
【0066】
次に、磁石110により標準試料に付与する磁場強度を変化させ、輝度計108および電流・電圧測定器106を用いて、輝度と電流値と電圧値との相関を測定して記録する(ステップS506)。
【0067】
ここで、輝度、電流値、電圧値、地場強度、エイジング時間をそれぞれEm、I、V、B、tとし、X(B,V,t)は量X(EmまたはI)の磁場B、駆動電圧V、エイジング時間tにおける測定値を示し、同様に、X(B,I,t)は量X(EmまたはV)の磁場B、駆動電流I、エイジング時間tにおける測定値を示すものとすると、ステップS506においては、例えば、以下のような処理を行う。
【0068】
即ち、ステップS506においては、あるエイジング時間tにおける、定電圧駆動またはパルス駆動においては、Em(B,V,t)、I(B,V,t)を、定電流駆動においてはEm(B,I,t)、V(B,I,t)を測定して記録する。
【0069】
ここで、磁場強度Bは、0から任意の設定値(例えば、850mTなど。)まで変化させるが、少なくとも、2つの磁場強度の値(例えば、0mTと790mTなど。)があればよい。
【0070】
ステップS506の処理を終了すると、標準試料のエイジングを行い(ステップS508)、不点灯または想定使用時間までのデータが得られたか否かを判断し(ステップS510)、不点灯または想定使用時間までのデータが得られていないと判断された場合にはステップS506へ戻って処理を行い、一方、不点灯または想定使用時間までのデータが得られたと判断された場合にはステップS512の処理へ進む。
【0071】
ステップS512の処理においては、使用条件の数は十分であるか否かを判断し、使用条件の数が十分ではないと判断された場合にはステップS504へ戻って処理を行い、一方、使用条件の数は十分であると判断された場合にはステップS514の処理へ進む。
【0072】
ステップS514の処理においては、測定した標準試料の数は十分であるか否かを判断し、標準試料の数が十分ではないと判断された場合にはステップS502へ戻って処理を行い、一方、標準試料の数は十分であると判断された場合にはステップS516の処理へ進む。
【0073】
ステップS516の処理においては、測定対象の有機EL素子(以下「対照試料」と適宜に称する。)を用意し、次に、ステップS506で記録したデータの中に、対照試料と同材料でありかつ対照試料の使用条件と同条件で測定されたデータがあるか否かを判断する(ステップS518)。
【0074】
ここで、ステップS518の判断処理において、ステップS506で記録したデータの中に、対照試料と同材料でありかつ対照試料の使用条件と同条件で測定されたデータはないと判断された場合には、ステップS502の処理へ戻って処理を行い、標準試料に関して、対照試料と同材料でありかつ対照試料の使用条件と同条件で測定されたデータが得られるようにする。
【0075】
一方、ステップS518の判断処理において、ステップS506で記録したデータの中に、対照試料と同材料でありかつ対照試料の使用条件と同条件で測定されたデータがあると判断された場合には、ステップS520の処理へ進み、磁石110により対照試料に付与する磁場強度を変化させ、輝度計108および電流・電圧測定器106を用いて、輝度と電流値と電圧値との相関を測定して記録する。
【0076】
即ち、ステップS520の処理においては、ステップS506で測定されたデータに対応するデータとして、あるエイジング時間tにおける、定電圧駆動またはパルス駆動においては、Em’(B,V,t)、I’(B,V,t)を、定電流駆動においてはEm’(B,I,t)、V’(B,I,t)を測定して記録する。
【0077】
ステップS520の処理を終了すると、ステップS522の処理へ進み、ステップS506で得られた標準試料の測定データとステップS520で得られた対照試料の測定データとを用いて、対照試料のこれまでの履歴や今後の寿命を推定する。
【0078】
そして、ステップS522の処理を終了すると、ステップS524へ進み、ステップS522における測定の精度は十分であるか否かを判断し、測定の精度が十分ではないと判断された場合には、ステップS526の処理へ進んで一定時間のエイジングを行い、それからステップS520へ戻って処理を行う。
【0079】
一方、ステップS522における測定の精度は十分であると判断された場合には、このフローチャートに示す有機EL素子の評価処理を終了する。
【0080】

次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、コンピューター100を用いて評価装置により実行される有機EL素子の評価処理の他の例について説明する。
【0081】
即ち、図6のフローチャートに示す有機EL素子の評価処理は、有機EL素子が良品であるか不良品であるかを判別する処理である。
【0082】
ここで、図6のフローチャートにおいては、図5に示す処理と同様な処理については、図5と同じステップ番号を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0083】
なお、図6と図5との差として、図6においては、ステップS514とステップS516との間にステップS515をおく。このステップS515においては、ステップS514までで得られたEm(B,V,t)、I(B,V,t)、Em(B,I,t)、V(B,I,t)の値を利用して、後のステップS628で用いる選別の基準となる設定値を算出する。
【0084】
この図6のフローチャートに示す有機EL素子の評価処理においては、ステップS518の処理を終了すると、ステップS620の処理へ進み、エイジング時間tが0のときに磁石110により対照試料に付与する磁場強度を変化させ、輝度計108および電流・電圧測定器106を用いて、輝度と電流値と電圧値との相関を測定して記録する。
【0085】
即ち、ステップS620の処理においては、対照試料に関して、エイジング時間tが0のときの定電圧駆動またはパルス駆動においては、Em’(B,V,0)、I’(B,V,0)を、定電流駆動においてはEm’(B,I,0)、V’(B,I,0)を測定して記録する。
【0086】
ステップS620の処理を終了すると、ステップS622の処理へ進んで一定時間(t)のエイジングを行い、それからステップS624の処理へ進み、対照試料に関して、エイジング時間tのときの定電圧駆動またはパルス駆動においては、Em’(B,V,t)、I’(B,V,t)を、定電流駆動においてはEm’(B,I,t)、V’(B,I,t)を測定して記録する。
【0087】
ステップS624の処理を終了すると、ステップS626の処理へ進み、「X’(B,V or I,t)×X’(0mT,V or I,0)/X’(0mT,V or I,t)×X’(B,V or I,0)」を計算する。
【0088】
そして、ステップS626の計算を終了すると、ステップS628の処理へ進み、ステップS626の計算結果の値が、ステップS515で求めた設定値より小さいか否かを判断し、当該設定値より小さいと判断された場合には良品であると判断し(ステップS630)、当該設定値より小さいと判断されなかった場合には不良品であると判断する(ステップS632)。
【0089】

次に、図7に示すフローチャートを参照しながら、コンピューター100を用いて評価装置により実行される有機EL素子の評価処理の他の例について説明する。
【0090】
即ち、図7のフローチャートに示す有機EL素子の評価処理は、有機EL素子の出荷前のエイジング時間の判定の適否を判断する処理である。
【0091】
なお、図7のフローチャートにおいては、図5あるいは図6に示す処理と同様な処理については、図5あるいは図6と同じステップ番号を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0092】
この図7のフローチャートに示す有機EL素子の評価処理においては、ステップS628の判断において、ステップS515で求めた設定値より小さいと判断された場合にはステップS622へ戻って処理を繰り返す。
【0093】
一方、ステップS628の判断において、所定の設定値より小さいと判断されなかった場合には、このフローチャートに示す有機EL素子の評価処理を終了し、有機EL素子の出荷前のエイジングを終了する(ステップS730)。
【0094】
なお、ステップS628における設定値は、図6に示すフローチャートの処理の場合と図7に示すフローチャートの処理の場合とで同一である必要はなく、例えば、図7に示すフローチャートの処理の場合の方を小さい値としてよい。
【0095】

ここで、ステップS626における計算式としては、具体的には、例えば、次のような式1、式2または式3を用いることができる。
【0096】
〔式1〕
{(駆動時において設定値の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において設定値の磁場をかけた場合の輝度)}
〔式2〕
{(駆動時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
〔式3〕
{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
ここで、ステップS626における計算式として式1を用いた場合には、ステップS628における設定値を、所定の値、例えば、1.00以上であって実質的に1である値とすればよい。
【0097】
また、ステップS626における計算式として式2を用いた場合には、ステップS628における設定値を、例えば、1.2以下あるいは1.1以下などとすればよい。
【0098】
さらに、ステップS626における計算式として式3を用いた場合には、ステップS628における設定値を、例えば、1.01以下とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、ディスプレイ、照明あるいは光信号発生器などの各種の分野において利用可能な有機EL素子の評価に用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、材料のみではなく電極などを形成した有機EL素子の一例の素子構造の構成説明図である。
【図2】図2は、コンピューターを備えた本発明による評価装置の実施の形態の一例のブロック構成説明図である。
【図3】図3は、図2に示す評価装置を用いて、有機EL素子に電圧をかけて発光状態でエイジングした場合の測定結果の一例を示すグラフである。
【図4】図4は、図2に示す評価装置を用いて、有機EL素子に電圧をかけて発光状態でエイジングした場合の測定結果の一例を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明による有機EL素子の評価処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明による有機EL素子の評価処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明による有機EL素子の評価処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
10 有機EL素子
12 基板
14 陽極
16 ホール輸送層
18 有機層
20 電子輸送層
22 陰極
100 コンピューター
102 有機EL素子
104 発光用電源
106 電流・電圧測定器
108 輝度計
110 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
0でない所定の値の磁場と無磁場とで測定した輝度を用いて式Aにより導出される値が、所定の値である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
式A:{(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項2】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
式Bにより導出される値が1.0以上1.2以下である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
式B:{(駆動時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項3】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
式Cにより導出される値が1.00以上1.01以下である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
式C:{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項4】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、
0でない所定の磁場と無磁場とで測定した輝度を用いて式Aにより導出される値が、所定の値となるまでエイジングを行う
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法。
式A:{(駆動時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において所定の値の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項5】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、
式Bにより導出される値が1.0以上1.2以下となるまでエイジングを行う
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法。
式B:{(駆動時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(駆動時において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項6】
陽極と陰極との間に有機化合物からなる有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法であって、
式Cにより導出される値が1.00以上1.01以下となるまでエイジングを行う
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子のエイジング方法。
式C:{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)×(駆動開始時において磁場をかけない場合の輝度)}/{(10V以下の一定の電圧で3時間駆動後において磁場をかけない場合の輝度)×(駆動開始時において850mT以下のある一定の磁場をかけた場合の輝度)}
【請求項7】
有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法であって、
標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、
測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子にかける磁場を変化させながら該測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定し、
前記標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果と前記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の測定結果とを用いてフィッティングを行って、前記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の履歴または残余寿命を推定する
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の評価方法。
【請求項8】
有機エレクトロルミネッセンス素子の評価装置であって、
標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子に付与する磁場を変化させながら該標準試料としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定する第1の手段と、
測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子に付与する磁場を変化させながら該測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度または発光強度を測定する第2の手段と、
前記第1の手段による測定結果と前記第2の手段による測定結果とを用いてフィッティングを行って、前記測定対象としての有機エレクトロルミネッセンス素子の履歴または残余寿命を推定する推定手段と
を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−258275(P2007−258275A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77662(P2006−77662)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】