説明

有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置

【課題】駆動電圧の低減や発光寿命の向上を図る。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極107、陰極105および少なくとも発光層を有する1層または複数層からなる有機層106を備え、有機層106が陽極107と陰極105との間に配置され、有機層106の少なくとも1層が一定の6座配位型イリジウムオルトメタル錯体を含有している。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、陰極および少なくとも発光層を有する1層または複数層からなる有機層を備え、前記有機層が陽極と陰極との間に配置された有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記有機層の少なくとも1層が一般式(1)で表される6座配位型イリジウムオルトメタル錯体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化1】

〔一般式(1)中、L1、L2、L3は各々2座配位子構造を有し、各々の持つ配位原子によってイリジウムに2か所で結合している。V1、V2、V3は2価の連結基を表し、L1とL2は連結基V1によって、L2とL3は連結基V2によって、L3とL1は連結基V3によって共有結合で連結し、一般式(2)で表わされる6座配位子(Lig)を形成している。nは0または1を表し、n=0のとき連結基V3は存在しない。〕
【化2】

〔一般式(2)中、L1、L2、L3は各々、一般式(3)に示した部分構造を有する。L1、L2、L3は互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。〕
【化3】

〔一般式(3)中、CyD1、CyD2、CyD3は互いに同じであっても異なっていても良く、窒素原子またはカルベン炭素原子によってイリジウムに配位結合している芳香族ヘテロ環を表し、CyC1、CyC2、CyC3は互いに同じであっても異なっていても良く、炭素原子が共有結合によってイリジウムに結合している芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。
CyD1とCyC1はV11によって共有結合で連結して2座配位子構造となり、CyD2とCyC2はV12によって共有結合で連結して2座配位子構造となり、CyD3とCyC3はV13によって共有結合で連結して2座配位子構造となる。
V11、V12、V13は互いに同じであっても異なっていても良く、単結合または連結基を表す。〕
【請求項2】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(1)または前記一般式(2)中、2座配位子L1、L2、L3を構成するCyD1、CyC1、CyD2、CyC2、CyD3、CyC3が、各々の芳香環と共役しない芳香環置換基を介して連結基V1、V2、V3と結合していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(1)または前記一般式(2)中、2座配位子L1、L2、L3が一般式(4)または一般式(5)で表わされることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化4】

〔一般式(4)および一般式(5)中、環A、環B、環C、環Dおよび環Eは5員または6員の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、X1、X2およびX3は炭素原子または窒素原子を表す。
Cyは5員または6員の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環または非芳香族複素環を表し、n0は0または1を表す。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
na、nb、ncおよびndは1〜3の整数を表す。
複数のRa、Rb、RcおよびRdは互いに同じであっても異なっていても良い。
Raと環A、Rbと環B、Rcと環C、Rdと環D、Raと環Eが各々2か所で結合して縮合環を形成しても良い。
n1およびn2は0または1を表し、n1+n2>1である。
V10は連結基または単結合を表す。
連結基V1、V2、V3はR1〜R4の中から選ばれた任意の2つとして、2座配位子L1、L2、L3に結合している。〕
【請求項4】
請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(1)または前記一般式(2)中、2座配位子L1、L2、L3が一般式(4−1)または一般式(5−1)で表わされることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化5】

〔一般式(4−1)および一般式(5−1)中、環A、環B、環C、環Dおよび環Eは5員または6員の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、X1、X2およびX3は炭素原子または窒素原子を表す。
Cyは5員または6員の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環または非芳香族複素環を表し、n0は0または1を表す。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
na、nb、ncおよびndは1〜3の整数を表す。
複数のRa、Rb、RcおよびRdは互いに同じであっても異なっていても良い。
Raと環A、Rbと環B、Rcと環C、Rdと環D、Raと環Eが各々2か所で結合して縮合環を形成しても良い。
n1およびn2は0または1を表し、n1+n2>1である。
連結基V1、V2、V3はR1〜R4の中から選ばれた任意の2つとして、2座配位子L1、L2、L3に結合している。〕
【請求項5】
請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(1)または前記一般式(2)中、2座配位子L1、L2、L3が一般式(4−2)または一般式(5−2)で表わされることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化6】

〔一般式(4−2)および一般式(5−2)中、環B、環Cおよび環Dは5員または6員の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、X1、X2、X3、X4およびX5は炭素原子または窒素原子を表す。
Cyは5員または6員の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環または非芳香族複素環を表し、n0は0または1を表す。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Reは、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基または非芳香族複素環基を表す。
na、nb、ncおよびndは1〜3の整数を表す。
複数のRa、Rb、RcおよびRdは互いに同じであっても異なっていても良い。
Raとそれに接続される環、Rbと環B、Rcと環C、Rdと環D、Reとそれに接続される環が各々2か所で結合して縮合環を形成しても良い。
n1およびn2は0または1を表し、n1+n2>1である。
連結基V1、V2、V3はR1〜R4の中から選ばれた任意の2つとして、2座配位子L1、L2、L3に結合している。〕
【請求項6】
請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(1)または前記一般式(2)中、2座配位子L1、L2、L3が一般式(4−3)または一般式(5−3)で表わされることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化7】

〔一般式(4−3)および一般式(5−3)中、環B、環Cおよび環Dは5員または6員の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、X1はCHまたはNを表す。
Cyは5員または6員の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環または非芳香族複素環を表し、n0は0または1を表す。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子もしくはシアノ基を表すか、または置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、非芳香族炭化水素環基もしくは非芳香族複素環基を表す。
Reは置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基、または非芳香族複素環基を表す。
na、nb、ncおよびndは1〜3の整数を表す。
複数のRa、Rb、RcおよびRdは互いに同じであっても異なっていても良い。
Raとそれに接続される環、Rbと環B、Rcと環C、Rdと環D、Reとそれに接続される環が各々2か所で結合して縮合環を形成しても良い。
n2は0または1を表す。
連結基V1、V2、V3はR1〜R4の中から選ばれた任意の2つとして、2座配位子L1、L2、L3に結合している。〕
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R1およびR2またはR3およびR4の組み合わせの少なくとも一方がアルキル基であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R1およびR2またはR3およびR4の組み合わせの少なくとも一方が炭素原子数2以上のアルキル基であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
請求項3〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R1およびR2またはR3およびR4の組み合わせの両者が共にアルキル基であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
請求項3〜9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R1およびR2またはR3およびR4の組み合わせの両者が共に炭素原子数2以上のアルキル基であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R1およびR2が連結基V1、V2、V3となることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
請求項3〜10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
R3およびR4が連結基V1、V2、V3となることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
請求項3〜12のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
環Bがベンゼン環であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
請求項3〜13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
Cyがベンゼン環であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光層には、フルオレン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体またはこれらの縮環化合物誘導体を構成する炭化水素環の炭素原子の少なくとも1つが窒素原子で置換されている環構造を有する誘導体が含有されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記有機層には、前記一般式(1)で表される化合物が少なくとも1種含有され、
前記有機層がウェットプロセスを用いて形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
白色発光することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−33915(P2013−33915A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−78547(P2012−78547)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代高効率・高品質照明の基盤技術開発/有機EL照明の高効率・高品質化に係る基盤技術開発」共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】