説明

有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられる光学部材、及び光学部材の製造方法

【課題】外光によるコントラストの低下を抑制し、且つ光利用効率と色純度を向上できる有機EL素子用の光学部材を提供する。
【解決手段】少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層とを具備した有機EL素子であって、同一材料よりなる連続膜として形成された固体化液晶層とを具備し、前記固体化液晶層は、少なくとも円偏光成分を選択的に反射する領域と、偏光状態に関わらず光を透過する領域とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略す)に用いられる光学部材、及び光学部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は導電性の発光媒体層に電圧を印加することにより、発光媒体層中の有機発光層において注入された電子と正孔が再結合する。有機発光層中の有機発光分子は、再結合エネルギーによりいったん励起状態となり、その後、励起状態から基底状態に戻る。この際に放出されるエネルギーを光として取り出すことにより有機EL素子は発光する。
【0003】
有機媒体層に電圧を印加するために前記発光媒体層の両側には透明電極と反射層が設けられており、発光層からの光を外部へ取り出すために少なくとも一方の電極は透光性を有する。そして、もう一方の電極には光反射性を有した金属系材料からなる電極を用いる場合が多い。
【0004】
このような、金属系材料からなる電極を用いた有機EL素子の場合、外光反射により表示コントラストが低下し、表示品位が低下するといった問題があった。
【0005】
これを解決するための手段として、有機EL素子の出射光側に円偏光板を配置した構造がある(例えば、特許文献1参照。)。しかし円偏光板を備えた有機EL表示素子では、発光層から出射する光の約半分が円偏光板で吸収されるため、表示が暗くなるという問題が残る。また、表示の明るさを補うために、高い電流を流さなければならなくなるので、駆動電圧の上昇や寿命の低下といった問題になる。
【0006】
そこで円偏光板で吸収される光を減らす方法の一つとして、偏光板と1/4波長板(位相差層)からなる円偏光板と、発光媒体層との間に、コレステリック液晶層からなる円偏光選択反射手段を備えるEL素子が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この有機EL素子においては、入射した外光は、反射電極で反射した後、コレステリック液晶層でもう一度反射電極側へ反射されるが、2度目に反射電極で反射される外光成分は、偏光板を透過して外部に出てしまう。それにより、通常の円偏光板と比べて、外光反射が大きくなり、コントラストが低下するという問題がある。
【0007】
この問題に関しては、コレステリック液晶層の屈折率、ピッチ等を調整して、外光成分の青色(510nm以下)の波長領域を選択的に反射することで、赤色や緑色と比べて発光効率が低い青色を明るくし、消費電力が軽減される有機EL素子が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。外光反射は視感度の低い青色だけ大きくなるので、コントラストにはあまり影響しない。しかし、一枚のフィルムのようなコレステリック液晶層を用いると、有機EL表示画面全体が青色を帯びてしまうという問題があった。また、この技術文献には、コレステリック液晶層の塗り分けや、積層によって、青色以外の赤色や緑色の波長領域の選択反射に対応した構成が開示されているが、この方式では、そもそも、視感度の高い緑色が大きくなってしまうので、コントラストが低下する。また、塗りわけ方式の場合、平面支持体上に単に成膜する場合は、パターニング精度が補償できないため、難易度が高く、隔壁のような仕切りが必要となり、作製プロセスが増えるといった問題がある。それにより、タクトアップやコストアップに繋がるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−142170号公報
【特許文献2】特開2001−357979号公報
【特許文献3】特開2004−030955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、従来の有機EL表示装置では、明るさや色純度を向上させることを実現できる一方、有機EL表示面全体で色味を帯びてしまったり、また、方式によってはタクトアップやコストアップに繋がるといった問題あった。
【0010】
以上の課題を解決すべく本発明の目的は、特に発光効率の低い青色に関して、明るさや色純度を向上させ、外光によるコントラスト低下を軽減でき、作製が簡便な有機EL素子用の光学部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層と、を具備した有機EL素子に用いられる光学部材であって、
同一材料よりなる連続膜として形成された固体化液晶層とを具備し、前記固体化液晶層は、少なくとも円偏光成分を選択的に反射する領域と、偏光状態に関わらず光を透過する領域と、を含むことを特徴とするものである。
【0012】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、特定波長領域の円偏光光を選択的に反射させることを特徴とするものである。
【0013】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載した構成に対し、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、サーモトロピック液晶化合物または組成物を、コレステリック配向状態で重合および、または架橋させてなることを特徴とするものである。
【0014】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層の偏光状態に関わらず光透過性を有する領域は、サーモトロピック液晶化合物または組成物を、等方相状態で重合および、または架橋させてなることを特徴とするものである。
【0015】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層が、前記円偏光板と前記有機EL発光層との間に配置されていることを特徴とするものである。
【0016】
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層と前記有機EL発光層との間に、光透過性の平面体が配置されていることを特徴とするものである。
【0017】
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層と前記光透過性の平面体の間に、配向膜が配置されていることを特徴とするものである。
【0018】
次に、請求項8に記載した発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載した構成に対し、前記有機EL発光層が、異なる発光波長を有する複数の発光領域を備えてなり、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、前記有機EL発光層の発光領域に対応するようにパターニングされてなることを特徴とするものである。
【0019】
次に、請求項9に記載した発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、前記有機EL発光層の青色発光領域に対応するようにパターニングされてなることを特徴とするものである。
【0020】
次に、請求項10に記載した発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載した構成に対し、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、有機EL発光層の青色発光ピーク波長と同一か、もしくは短波長側に反射ピーク波長を有することを特徴とするものである。
【0021】
次に、請求項11に記載した発明は、少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層と、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光学部材と、を備えた有機EL素子を特徴とするものである。
【0022】
次に、請求項12に記載した発明は、少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層と、を具備した有機EL素子に用いられる光学部材であって、
同一材料よりなる連続膜として形成された固体化液晶層とを具備し、前記固体化液晶層は、少なくとも円偏光成分を選択的に反射する領域と、偏光状態に関わらず光を透過する領域と、を形成することを含み、前記固体化液晶層の形成は、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶化合物とキラル剤とを含み、前記サーモトロピック液晶化合物はコレステリック配向構造を形成している液晶材料層を形成する成膜工程と、
前記液晶材料層の、円偏光成分を選択的に反射する領域に関しては、非偏光の光照射を行って、サーモトロピック液晶化合物の少なくとも一部を、重合または架橋させて重合または架橋生成物を生じさせ、また、前記液晶材料層の、偏光状態に関わらず光を透過する領域に関しては、光照射を行わないように、遮光処理を施した露光工程と、
その後、前記液晶材料層を前記サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱して、前記少なくとも2つの領域における未反応の前記サーモトロピック液晶化合物のメソゲンの配向の状態を変化させる現像工程と、
前記メソゲンの配向の状態を変化させたまま前記未反応化合物を重合および/または架橋させる定着工程とを具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、円偏光板と選択反射層を組み合わせたEL表示装置の欠点であった外光によるコントラスト低下や、色味を抑制し、青色に関して光利用効率の向上効果により、長寿命化を図ることができる有機EL素子用の光学部材を提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、塗りわけ方式に用いる隔壁のような仕切りを必要とせず、プロセス数が少なく、作製が簡便であり、且つ、指定領域に精度良くパターニングが可能な有機EL素子用の光学部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を示した断面模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機EL素子を示した断面模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る凸版印刷装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法の比率等についてはそのまま実施の形態を表すものではない。
【0027】
図1は本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の基本構成と動作原理を説明するための概略構成を示す一部断面図である。
【0028】
本発明の有機EL表示装置に係る発光素子部は、陽極として機能する透明電極102と、陰極および鏡面反射面として機能する反射層106と、陽極と陰極の間に形成した発光媒体層101とから構成される有機EL素子200(図2参照)と、有機EL素子の視認側(透明電極102側)に順に配置した固体化液晶層105と、1/4波長板(位相差層)104と、偏光板103とから構成される。
【0029】
図2は本発明に係る有機EL素子200の基本構成を説明するための概略構成を示す一部断面図である。
【0030】
本発明の表示装置に関わる有機EL素子200は、透明支持体107上に、正孔輸送層110及びインターレイヤ及び有機EL発光層112を含む発光媒体層101を挟んで、透明電極102と反射層106とが対向配置して形成されている。その他に、発光媒体層101として、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等の層を適宜加えても良い。さらに、発光媒体層を画素毎に区画する隔壁が形成されていても良い。また、上記有機EL素子を覆うようにして、封止体を備えても良い。
【0031】
(透明支持体107)
透明支持体107の材料としては、例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートを例示出来る。ただし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0032】
(透明電極102)
透明電極102は、透明支持体107上に成膜し、必要に応じてパターニングを行っても良い。
【0033】
透明電極102の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やIZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、AZO(亜鉛アルミニウム複合酸化物)などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料を使用することが出来る。また、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものを使用することができる。ただし本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0034】
透明電極102を陽極とする場合、ITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。TFT駆動の有機EL表示装置において電極は低抵抗であればよく、シート抵抗で20Ω・sq以下であれば好適に用いることが可能となる。
【0035】
透明電極102の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法など既存の成膜法を用いることができる。ただし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0036】
透明電極102のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。
【0037】
(正孔注入層、正孔輸送層110)
正孔注入層は、透明電極(陽極)から正孔を注入する機能を有する層であり、正孔輸送層110は、発光層に正孔を輸送する機能を有する層である。これらの層は、正孔注入機能と正孔輸送機能とを共に有する場合がある。この場合、これらの機能の程度に応じてどちらか一方の名称で、或いは両方の名称で機能層が称されている。本実施形態においては、正孔輸送層110と称されている層は、正孔注入層も含む。
【0038】
正孔輸送層110の物性値としては、透明電極102の仕事関数と同等以上の仕事関数を有することが好ましい。これは透明電極102からインターレイヤ111へ効率的に正孔注入を行うためである。透明電極102の材料により異なるが4.5eV以上6.5eV以下を用いることができ、透明電極102がITOやIZOの場合、5.0eV以上6.0eV以下が好適に用いることが可能である。正孔輸送層110の比抵抗に関しては、膜厚30nm以上の状態で、1×10〜2×10Ω・mであることが好ましく、より好ましくは5×10〜1×10Ω・mである。また、ボトムエミッション構造では透明電極102側から放出光を取り出すため、光透過性が低いと取り出し効率が低下してしまうため、可視光波長領域の全平均で75%以上が好ましく、85%以上ならば好適に用いることが可能である。
【0039】
正孔輸送層110を構成する材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の高分子材料を用いることができる。この他にも、導電率が10−2S/cm以上10−6S/cm以下である導電性高分子を好ましく用いることができる。高分子材料は、湿式法による成膜工程に使用可能である。このため、正孔注入層又は正孔輸送層110を形成する際に高分子材料を用いることが好ましい。このような高分子材料は、水又は溶剤によって分散或いは溶解され、分散液又は溶液として使用される。
【0040】
また、正孔輸送材料として無機材料を用いる場合、CuO、Cr、Mn、FeOx(x〜0.1),NiO、CoO、Bi、SnO、ThO、Nb5、Pr、AgO、MoO、ZnO、TiO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnO等を用いることができる。
【0041】
正孔輸送層110を形成する方法としては、透明電極102上の表示領域全面にスピンコート法,ダイコート法,ディッピング法,又はスリットコート法等の簡便な方法で一括形成する方法が採用される。正孔輸送層110を形成する際には、上記正孔輸送材料が水、有機溶剤、或いはこれらの混合溶剤に溶解されたインキ(液体材料)が用いられる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、テトラリン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等が使用できる。また、インキには、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。正孔輸送層110が無機材料である場合には抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のドライプロセスを用いて形成することができる。
【0042】
(インターレイヤ111)
上記インターレイヤ111は、有機EL発光層112と正孔輸送層110の間に積層することで、素子の発光寿命を向上させる機能を有する。通常は正孔輸送層110を被覆するように形成するが、必要に応じてパターニングを行っても良い。
【0043】
インターレイヤ111の材料としては、有機材料ではポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。また無機材料では、CuO、Cr、Mn、NiO、CoO、Pr、AgO、MoO、ZnO、TiO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0044】
これらの有機材料は、溶媒に溶解または安定に分散させ有機インターレイヤのインキとなる。有機インターレイヤ材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機インターレイヤ材料の溶解性の面から好適である。また、有機インターレイヤインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
【0045】
これらインターレイヤ材料としては、正孔輸送層110よりも仕事関数が同等以上の材料を選択することが好ましく、更に有機EL発光層112よりも仕事関数が同等以下であることがより好ましい。これは正孔輸送層110から有機EL発光層112へのキャリア注入時に不必要な注入障壁を形成しないためである。また有機EL発光層112から発光に寄与できなかった電荷を閉じ込める効果を得るため、バンドギャップが3.0eV以上であることが好ましく、より好ましくは3.5eV以上であると好適に用いることが出来る。
【0046】
インターレイヤ111の形成法としては、材料に応じて、インクジェット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法など既存の成膜法を用いることができる。
【0047】
ここで、凸版印刷法は、例えば図3に示す凸版印刷装置300を使用すればよい。図3中、符号301はステージを、符号302は被印刷基板を、符号303はインキタンクを、符号304はインキチャンバを、符号305はアニロックスロールを、符号306はドクタを、符号307は凸版を、符号308は版胴を、符号309はインキ層をそれぞれ示す。
【0048】
(有機EL発光層112)
上記有機EL発光層112は、トップエミッション型の素子の場合、インターレイヤ111の形成後に積層することが出来る。有機EL発光層112から放出される表示光が単色の場合、インターレイヤ111を被覆するように形成するが、多色の表示光を得るには必要に応じてパターニングを行うことにより好適に用いることができる。
【0049】
有機EL発光層112を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0050】
これらの有機発光材料は、溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が、有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
【0051】
上述した高分子材料に加え、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどの低分子系発光材料が使用できる。
【0052】
各有機EL発光層112の材料が低分子の発光材料である場合においては、主に蒸着法等のドライプロセスを用いて有機EL発光層112を形成することができる。各有機EL発光層112の材料が高分子発光材料又は低分子発光材料を高分子に分散させた材料である場合においては、スクリーン印刷法又はインクジェット法等の印刷法を用いて有機EL発光層112を形成することができる。印刷法を用いて有機EL発光層112を形成する場合には、前記発光材料が、有機溶剤、水、或いはこれらの混合溶剤に溶解されたインキを用いることができる。
【0053】
(反射層106)
次に、有機EL発光層112上に上記反射層106を形成する。
【0054】
反射層106を陰極とする場合、材料には、例えばMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体層101と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いたりしてもよい。または電子注入効率と安定性とを両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金を使用することができる。またITO(インジウムスズ複合酸化物)やIZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、AZO(亜鉛アルミニウム複合酸化物)などの金属複合酸化物等の透明導電膜を用いることができる。
【0055】
反射層106の形成法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法など既存の成膜法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
【0056】
(偏光板103)
偏光板103は、延伸させたポリビニルアルコールにヨウ素を吸収させて偏光機能を付与した膜の両面にトリアセチルセルロースの保護層を施したものを用いることができる。
【0057】
(1/4波長板104)
1/4波長板104は、透明な一軸延伸した高分子フィルム、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート、ノルボルネン系樹脂等を用いることができる。また、一般に位相差板を構成する高分子フィルムには屈折率の波長依存性があるため、波長領域が広い光に対しては一種類の位相差板では十分な性能が得られない。このため位相差値の異なる位相差フィルムをその光学軸をずらして張り合わせ、広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板を構成するようにしてもよい。また、偏光板103及び1/4波長板104を通過した光の円偏光の回転方向が、固体化液晶層105における選択波長反射領域105Aの選択反射を示す円偏光(例えば右回りの円偏光)とは逆回りの円偏光(左回りの円偏光)となるように1/4波長板104の遅相軸の向きを決定する。上記偏光板103と1/4波長板104によって円偏光板を構成している。
【0058】
(固体化液晶層105)
固体化液晶層105は、重合および、または架橋させてなるサーモトロピック液晶化合物または組成物を用いることができる。また、固体化液晶層105における選択波長反射領域105Aまたは等方相領域105Bは、互いに組成が等しい材料を用いて形成されている。選択波長反射領域105Aまたは等方相領域105Bは、コレステリック液晶相の状態か、等方相状態かで分けられる。コレステリック液晶相の領域では選択波長反射性を備え、等方相の領域では、偏光状態によらない光透過性を有している。
【0059】
固体化液晶層105と透明支持体107とは、互いに接触していてもよく、互いに接触していなくてもよい。後者の場合、固体化液晶層105と透明支持体107との間には、配向膜が介在していてもよい。
【0060】
コレステリック液晶層の状態か、等方相状態かの相違は、1つにはサーモトロピック液晶化合物においてメソゲンの配向乱れの程度が、異なって重合または架橋されていることに起因して生じる。例えば、メソゲンの配向乱れの程度が低い領域では、選択波長反射性を有する。一方、メソゲンの配向乱れの程度が高い領域では、前述したような特徴はなく、偏光状態によらず光を透過する。
【0061】
このように、選択波長反射領域105Aまたは等方相領域105Bは、配向乱れの程度が互いに異なっているだけであり、各領域の厚さを変える必要がない。場合によっては、選択波長反射領域105Aまたは等方相領域105Bの厚さを互いに異ならしめてもよいが、各領域の厚さを互いに等しくすることによって、固体化液晶層105を容易に形成することができる。
【0062】
上述したように選択波長反射領域105Aまたは等方相領域105Bの厚さを互いに等しくしてもよいので、この固体化液晶層105を連続膜として形成することが容易にできる。これによって、より簡便な工程で固体化液晶層105を形成することが可能となる。
【0063】
次に、この固体化液晶層105の材料および製造方法の一例を説明する。
【0064】
まず、透明支持体107を準備する。透明支持体107は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、インジウム錫酸化物および錫酸化物などの透明導電体からなる透明電極が形成された光透過性基板を使用してもよい。あるいは、画素回路などの回路が形成された光透過性基板を使用してもよい。
【0065】
次に、固体化液晶層105の形成方法について説明する。
【0066】
固体化液晶層105は、前記透明支持体107上に、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶材料を含んだ液晶材料層を成膜し、この液晶材料層をパターン露光と熱処理とに供することによって得る。
【0067】
液晶材料層は、例えば、前記透明支持体107上に、サーモトロピック液晶化合物とキラル剤とを含んだコーティング液を塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより得られる。液晶材料層では、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンがコレステリック配向構造を形成している。
【0068】
サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレン、これらの誘導体、それら化合物のアクリレート、またはそれら化合物のメタクリレートを使用することができる。
【0069】
キラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物が挙げられる。キラル剤は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に、螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。この目的が達成されれば、キラル剤の種類は特に限定されない。ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、当該重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できる任意の化合物を、キラル剤として用いることができる。
【0070】
液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるので、キラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。したがって、ここで用いられるキラル剤としては、例えば、1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミンやキラルなスルフォキシドなどのようにヘテロ原子上に不斉点をもつ化合物、あるいはクムレンやビナフトールなどの軸不斉をもつ光学活性な部位を有する化合物が好ましい。具体的には、市販のキラルネマチック液晶(例えばPaliocolor LC756(BASF社製),キラルドーパント液晶S−811(Merck社製)等)が挙げられる。
【0071】
なお、本発明の固体化液晶層105における選択波長反射領域105Aに関しては、選択反射の中心波長を青色(波長450nm〜510nm)にすることが求められるので、キラル剤は、液晶材料層の螺旋ピッチが短く所望の波長程度になるような量で添加される。
【0072】
コーティング液には、光重合開始剤が含まれていてもよく、増感剤を光重合開始剤と併用してもよい。また、コーティング液には、溶剤を加えることができる。
【0073】
コーティング液には、さらに必要に応じて、熱重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤、樹脂、多官能モノマーおよび/またはオリゴマー、連鎖移動剤、貯蔵安定剤および密着向上剤等を、適量添加することができる。
【0074】
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−t−ブチルパーオキシド(PBD)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、およびn−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのような過酸化物開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス
(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、およびジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系開始剤などを使用することができる。
【0075】
重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、スチレン化フェノール、スチレン化p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−1−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、1−オキシ−3−メチル−イソプロピルベンゼン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ポリブチル化ビスフェノールA、ビスフェノールA、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テレフタロ
イルージ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルスルフィド)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、トルエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ヘキサメチレングリコール−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリン)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジエチルエステル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス〔β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル〕イソシアヌレート、2,4,6−トリブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)−ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、およびビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイドなどのフェノール系禁止剤が挙げられる。
【0076】
さらに、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物、およびジアリール−p−フェニレンジアミンなどのアミン系禁止剤;ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプロピオネート、および2−メルカプトベンズイミダノールなどの硫黄系禁止剤;ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系禁止剤などの重合禁止剤を用いることもできる。
【0077】
界面活性剤、樹脂、多官能モノマーおよび/またはオリゴマー、連鎖移動剤、貯蔵安定剤および密着向上剤等は、前記した着色組成物に用いる化合物と同様のものを使用することができる。
【0078】
コーティング液の塗布には、例えば、スピンコート法、スリットコート法、凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、反転印刷およびグラビア印刷などの印刷法、これらの印刷法にオフセット方式を組み合わせた方法、インキジェット法、またはバーコート法を利用することができる。
【0079】
液晶材料層は、例えば、均一な厚さを有している連続膜として形成する。上述した方法によれば、塗布面が十分に平坦である限り、液晶材料層を均一な厚さを有している連続膜として形成することができる。
【0080】
コーティング液の塗布に先立って、透明支持体107の表面に、ラビングなどの配向処理を施してもよい。あるいは、コーティング液の塗布に先立って、透明支持体107上に、液晶化合物の配向を規制する配向膜を形成してもよい。この配向膜は、例えば、透明支持体107上にポリイミドなどの透明樹脂層を形成し、この透明樹脂層にラビングなどの配向処理を施すことにより得られる。この配向膜は、光配向技術を利用して形成してもよい。
【0081】
液晶材料層においては、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンがコレステリック構造に配向している。
【0082】
以上のようにして得られた液晶材料層に対し、複数の領域にパターン露光を行う。この際、パターン露光によって、十分な露光量の光が照射された領域では、メソゲンのコレステリック配向状態は維持されたまま固定化される。また、未露光の領域では、配向の状態は変わらないものの固定化されず流動性を有したままとなる。
【0083】
露光工程に使用する光としては、紫外線、可視光線および赤外線などの電磁波が挙げられる。より具体的には、波長180乃至400nmの光を含む紫外線が、典型的には用いられる。
【0084】
例えば、この露光工程は、あるフォトマスクを用いた露光、あるいは、フォトマスクを使用する代わりに、光束を液晶材料層上で走査させる等を行ってもよい。
【0085】
露光工程を完了した後、現像工程を行う。すなわち、液晶材料層を、サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱する。この現像工程によって、前述の露光工程が、メソゲンの配向の状態の変化として発現する。
【0086】
具体的には、次に示すとおりである。
【0087】
未反応化合物であるサーモトロピック液晶化合物のメソゲン部位は固定されていない。それゆえ、液晶材料層を相転移温度以上に加熱すると、未反応化合物のメソゲンの配向が乱される。例えば、未反応化合物のメソゲンは、液晶相から等方相へと変化する。他方、サーモトロピック液晶化合物の重合または架橋生成物では、メソゲンは固定されている。
【0088】
したがって、十分な露光量の光が照射された領域においては、メソゲンの配向の状態は、この熱処理によってほとんど変化しない。コレステリック配向を保って固定化されたままの状態が得られ、選択波長反射性を有する領域が得られる。また、照射されずに加熱された領域では、熱処理によってメソゲンの配向構造が消失し、コレステリック配向はほぼ完全に乱されて等方相となる。それにより、偏光状態にかかわらず光を透過する領域が得られる。
【0089】
十分な露光量の具体的な値は、サーモトロピック液晶化合物の種類、光重合開始剤の種類と量、その他添加剤の有無および種類と量、照射する光の種類と強度などに応じて大きく異なるので、一概に述べることはできないが。典型的には、十分な露光量は200mJ/cm乃至2000mJ/cm程度である。例えば20mW/cmの光束を用いた場合には、概ね10秒乃至100秒の照射で十分な露光が行われる。
【0090】
次に、本発明の有機EL表示装置の動作を図1を参照しながら説明する。透明電極102と反射層106から発光媒体層に電流を流すと、所定の波長の光が生じる。青色に相当する発光媒体層(青色発光層)101Aの場合、出射した光は透明電極102へ向かい、透明電極102を透過して固体化液晶層105の選択波長反射領域105Aに入射する。この際、発光媒体層101から出射した光は非偏光であるため、選択波長反射領域105Aに入射した光のうちコレステリック液晶層の選択反射の波長領域と、螺旋構造と同じ向きに対応する一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
【0091】
上記選択波長反射領域105Aにおける選択反射の波長帯域に相当する青色の光は、選択波長反射領域105Aの螺旋構造と同じ向きに対応する一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これと回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)成分は透過する。選択波長反射領域105Aを透過した光において、選択波長反射の波長領域に相当する光は1/4波長板104によって、位相が45度ずれて直線偏光となり、偏光板103を透過して、視認側へと出射する。また、選択波長反射領域105Aの選択波長反射の波長領域に対応しない透過した光は、偏光板103で約50%吸収され、残りの光が視認側へと出射する。
【0092】
一方で、固体化液晶層105の選択波長反射領域105Aで反射した光は、偏光状態を維持したまま発光層を透過し、反射層106へと到達し、再び反射される。この際、回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となるため、再び選択波長反射領域105Aに入射する際は、透過する。透過した光は1/4波長板104によって、位相が45度ずれて直線偏光となり、偏光板103を透過して、視認側へと出射する。
【0093】
これにより、発光媒体層101Aから出射された光のうち、固体化液晶層105の選択波長反射領域105Aに対応する光の大部分は偏光板103で吸収されることがなく、視認側へと出射する。偏光板103で吸収されていた光を、青色に対応した選択波長反射性を有した固体化液晶層105を備えることにより、効率的に、光を利用できるため、輝度が上がるという効果がある。また、選択波長反射の波長領域を色純度の良くなる方向へと設定することで、色純度を改善する効果もある。
【0094】
緑色に相当する発光媒体層(緑色発光層)101Bと、赤色に相当する発光媒体層(赤色発光層)101Cの光の場合、固体化液晶層105における等方相領域105Bに入射するため、偏光状態によらず透過し、偏光板103で約50%吸収され、残りの光が視認側へと出射する。
【0095】
次に、有機EL表示装置に入射する外光について説明する。外光は一般的には無偏光であり、偏光板103を通過する際に、直線偏光となり、その他の光は吸収される。偏光板103を透過した直線偏光は1/4波長板104によって、位相が45度ずれて円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。1/4波長板104を透過した円偏光光は、固体化液晶層105を透過して、反射層106にて反射する、その際、回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。反射層106にて反射した光は、再度固体化液晶層105に入射する。固体化液晶層105の選択波長反射領域105Aを通る場合、選択波長反射の波長領域以外の波長の光は、そのまま選択波長反射領域105Aを透過し、選択反射の波長領域に相当する波長の光は反射する。選択波長反射領域105Aを透過した光は1/4波長板104によって、位相が45度ずれて直線偏光となり、偏光板103で吸収され、視認側へは戻らない。
【0096】
一方、固体化液晶層105の選択波長反射領域105Aで反射した光は反射層106で反射して再び選択波長反射領域105Aに入射するが、反射層106での反射の際、回転方向が逆の円偏光となるため、今度は選択波長反射領域105Aを透過する。選択波長反射領域105Aを透過した光において、1/4波長板104によって、位相が45度ずれて直線偏光となり、偏光板103を透過して、視認側へと出射する。有機EL表示装置に入射した外光のうち少なくとも50%はまず偏光板103で吸収される。偏光板103を透過した光は反射層106で反射して固体化液晶層105に入射するが、このうち選択波長反射領域105Aを透過する光は偏光板103で吸収される。このため、外部に戻る光は、固体化液晶層105を構成する選択波長反射領域105Aの選択波長反射の波長領域に相当するわずかな光漏れとなる。この光漏れに関しても、青色に相当する発光媒体層101A上にしか備えておらず、光漏れの面積が小さいので、影響はほとんどない。
【0097】
一方、固体化液晶層105の等方相領域105Bを透過する外光に関しては、選択波長反射機能を有していないため、反射層106にて反射した円偏光光は、偏光状態を保ったまま固体化液晶層105の等方相領域105Bを透過し、再び1/4波長板104を透過する際、位相が45度ずれて直線偏光となり偏光板103で吸収され、視認側へは戻らず、固体化液晶層105による光漏れはない。
【0098】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0099】
次に、上述した実施形態に基づき、有機EL表示装置の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例によって制限されるものではない。
【実施例1】
【0100】
透明支持体107上に設けられた透明電極(画素電極)102としてITO薄膜とを備えたアクティブマトリックス基板を用いた。透明支持体107のサイズは対角5インチ、画素数は320×240である。
【0101】
このアクティブマトリックス透明支持体107上に設けられている透明電極102の端部を被覆し画素を区画するような形状で隔壁を形成した。隔壁の形成は、ポジレジストを用いて、スピンコーター法にて透明支持体107全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて幅40μmにパターニングして隔壁を形成した。これによりサブピクセル数960×240ドット、0.12mm×0.36mmピッチ画素領域が区画された。
【0102】
このアクティブマトリックス透明支持体107のITO薄膜面と反対側の表面上に、サーモトロピック液晶化合物とキラル剤とを含んだコーティング液を、スピンコーター法にて塗布した。
【0103】
その後、液晶材料層に対し、液晶材料層側から、青色画素に対応する領域にのみ、フォトマスクを介して複数の領域にパターン露光を行った。照射量としては、20mW/cmにて10秒ほど照射した。この際、パターン露光によって、十分な露光量の光が照射された領域では、メソゲンのコレステリック配向状態は維持されたまま固定化され、また、未露光の領域では、配向の状態は変わらないものの固定化されず流動性を有したままとなる。
【0104】
液晶材料層を、サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱し、現像工程を行った。加熱温度は180度で30分とした。それにより、固体化液晶層105を得た。
【0105】
次に、隔壁を形成した方の面に、アクティブマトリックス透明支持体107上にUV/O3洗浄を行った。照度13mW/cmの低圧水銀ランプを4本設置した装置を用い、2分間照射した。
【0106】
UV/O3洗浄を施したアクティブマトリックス透明支持体107に正孔輸送層110を形成した。無機材料として酸化モリブデンを用い、膜厚を30nmとした。アクティブマトリックス基板上への成膜法としてはスパッタリング法を用い、パターニングは表示領域全面が成膜されるように120mm×300mmの開口のあるメタルマスクを用いた。
【0107】
スパッタリングは、純度99.9%のモリブデン金属ターゲットを用い、不活性ガスとしてアルゴン、反応性ガスとして酸素を導入した、リアクティブDCマグネトロンスパッタ法にて酸化モリブデン成膜を行った。ターゲットの電力密度を1.3W/cm、ガス導入比率はアルゴンが2に対して酸素を1とし、スパッタリング時の真空度を0.3Paとなるように、排気バルブまたはガス導入量を調節した。膜厚はスパッタリング時間により制御し、正孔輸送層が30nmのアクティブマトリックス基板を作製した。
【0108】
その後、インターレイヤ111の材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用い、透明支持体107上に形成された透明電極102、隔壁及び正孔輸送層110を図7に示した凸版印刷装置300の被印刷基板302としてセッティングし、隔壁に挟まれた透明電極102上の正孔輸送層110の真上にそのラインパターンに合わせてインターレイヤ111を凸版印刷法で印刷を行った。このとき300線/インチのアニロックスロール305及び感光性樹脂による凸版307を使用した。印刷、乾燥後のインターレイヤ111の膜厚は20nmとなった。
【0109】
有機EL発光層112の青色の有機発光材料に、ポリフルオレン誘導体、緑色に、ポリフルオレン誘導体にクマリン誘導体をドーピングしたものを、赤色に、ポリフェニレンビニレン誘導体、を、濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、透明支持体107上に形成された透明電極102、隔壁、正孔輸送層110及びインターレイヤ111を凸版印刷装置300の被印刷基板302としてセッティングし、隔壁に挟まれたインターレイヤ111の真上にそのラインパターンに合わせて有機EL発光層112を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロール305及び感光性樹脂による凸版307を使用した。印刷、乾燥後の有機EL発光層112の膜厚は80nmとなった。
【0110】
その後、対向電極として真空蒸着法でカルシウム膜を120mm×300mmの開口のあるメタルマスクを用いて厚み5nmで成膜し、その後アルミニウム膜を124mm×304mmの開口のあるメタルマスクを用いて厚み200nmで成膜した。
【0111】
その後、封止体として陰極の上部を覆うように厚めのガラス中央部を凹状に加工したガラスを用いて封止を行った。ガラスの凹部には吸湿剤を設置し、封止環境による劣化を低減させた。
【0112】
その後、固体化液晶層105側に、1/4波長板104と、偏光板103とを順に、張り合わせを行った。
【0113】
比較例(固体化液晶層を備えなかった場合)
前記実施形態と同一の方法で作製し、但し固体化液晶層を備えずに作製した。こうして得られた青色の輝度値は電圧7Vで100cd/cmだったのに対し、固体化液晶層を備えた場合は、120cd/cmと、固体化液晶層を備えた方が高輝度であった。青色の色度に関しても、(x,y)=(0.14,0.20)(x,y)=(0.14,0.18)と色純度が向上した。また、外光によるコントラストの違いは、目視レベルでは確認できなかった。
【符号の説明】
【0114】
101…発光媒体層、101A…青色発光層、101B…緑色発光層、101C…赤色発光層、102…透明電極、103…偏光板、104…1/4波長板(位相差層)、105…固体化液晶層、105A…選択反射層領域、105B…等方相領域、106…反射層、107…透明支持体、110…正孔輸送層、111…インターレイヤ、112…有機EL発光層、200…有機EL素子、300…凸版印刷装置、301…ステージ、302…被印刷基板、303…インキタンク、304…インキチャンバ、305…アニロックスロール、306…ドクタ、307…凸版、308…版胴、309…インキ層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層とを具備した有機EL素子に用いられる光学部材であって、
同一材料よりなる連続膜として形成された固体化液晶層とを具備し、前記固体化液晶層は、少なくとも円偏光成分を選択的に反射する領域と、偏光状態に関わらず光を透過する領域とを含むことを特徴とする光学部材。
【請求項2】
前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、特定波長領域の円偏光光を選択的に反射させることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、サーモトロピック液晶化合物または組成物を、コレステリック配向状態で重合および、または架橋させてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記固体化液晶層の偏光状態に関わらず光透過性を有する領域は、サーモトロピック液晶化合物または組成物を、等方相状態で重合および、または架橋させてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項5】
前記固体化液晶層が、前記円偏光板と前記有機EL発光層との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項6】
前記固体化液晶層と前記有機EL発光層との間に、光透過性の平面体が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項7】
前記固体化液晶層と前記光透過性の平面体の間に、配向膜が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項8】
前記有機EL発光層が、異なる発光波長を有する複数の発光領域を備えてなり、前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、前記有機EL発光層の発光領域に対応するようにパターニングされてなる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項9】
前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、前記有機EL発光層の青色発光領域に対応するようにパターニングされてなる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項10】
前記固体化液晶層の円偏光成分を選択的に反射する領域は、有機EL発光層の青色発光ピーク波長と同一か、もしくは短波長側に反射ピーク波長を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項11】
少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層と、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光学部材とを備えた有機EL素子。
【請求項12】
少なくとも偏光板と、位相差層とからなる円偏光板と、有機EL発光層と、前記有機EL発光層の視認側と反対側に設けられた光反射層とを具備した有機EL素子に用いられる光学部材であって、
同一材料よりなる連続膜として形成された固体化液晶層とを具備し、前記固体化液晶層は、少なくとも円偏光成分を選択的に反射する領域と、偏光状態に関わらず光を透過する領域と、を形成することを含み、前記固体化液晶層の形成は、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶化合物とキラル剤とを含み、前記サーモトロピック液晶化合物はコレステリック配向構造を形成している液晶材料層を形成する成膜工程と、
前記液晶材料層の、円偏光成分を選択的に反射する領域に関しては、非偏光の光照射を行って、サーモトロピック液晶化合物の少なくとも一部を、重合または架橋させて重合または架橋生成物を生じさせ、また、前記液晶材料層の、偏光状態に関わらず光を透過する領域に関しては、光照射を行わないように、遮光処理を施した露光工程と、
その後、前記液晶材料層を前記サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱して、前記少なくとも2つの領域における未反応の前記サーモトロピック液晶化合物のメソゲンの配向の状態を変化させる現像工程と、
前記メソゲンの配向の状態を変化させたまま前記未反応化合物を重合および/または架橋させる定着工程とを具備することを特徴とする光学部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−74221(P2012−74221A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217624(P2010−217624)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】