有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法および有機オプトエレクトロニクス素子
ここに記載されているのは、オプトエレクトロニクス素子を作製する方法であり、この方法は、
A) 活性領域(12)と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板(1)を用意するステップを有しており、ここで活性領域(12)には有機機能積層体(3)が形成されている。
上記の方法にはさらに
B) カバー領域(22)と、このカバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第2基板(2)上の第2接続領域(21)に直接被着するステップと、
D) 上記の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化(91)するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層(4)上または第1基板(1)の第1接続領域(11)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 上記の第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第1接続領域(11)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとを有している。本発明にはさらに有機オプトエレクトロニクス素子が記載されている。
A) 活性領域(12)と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板(1)を用意するステップを有しており、ここで活性領域(12)には有機機能積層体(3)が形成されている。
上記の方法にはさらに
B) カバー領域(22)と、このカバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第2基板(2)上の第2接続領域(21)に直接被着するステップと、
D) 上記の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化(91)するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層(4)上または第1基板(1)の第1接続領域(11)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 上記の第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第1接続領域(11)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとを有している。本発明にはさらに有機オプトエレクトロニクス素子が記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ドイツ国特許出願第102008063636.3号に優先権を主張するものであり、ここにその開示内容は参照によって本願に取り入れられるものとする。
【0002】
ここには有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法および有機オプトエレクトロニクス素子が示されている。
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)の持続的かつ信頼性の高い動作のために必要なのは、この有機発光ダイオードをシーリングして酸素および湿気から保護することである。このためにはOLEDの酸素および/または湿気の影響を受けやすい構成部分を2つのガラスプレートの間に配置することができ、ここでこのガラスプレートは、上記の構成部分を取り囲む接着剤によって接続され、これによってカプセル化が行われる。上記の接着剤にはふつう小球体または繊維の形態の充填剤が含まれており、これらは、例えば2つのガラスプレート間の所定間隔に対する分離部(スペーサ)として機能する。
【0004】
しかしながらこの接着剤はふつう酸素および水蒸気をまったく通さないわけではないので、上記のガスは、時間の経過と共に接着剤を通ってOLEDに拡散することがある。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施形態の課題は、有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法を提供することである。さらに別の少なくとも1つの実施形態の課題は、有機オプトエレクトロニクス素子を提供することである。
【0006】
これらの課題は、独立請求項の方法および有機オプトエレクトロニクス素子によって解決される。上記の有機オプトエレクトロニクス素子および方法の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項に示されており、またさらに以下の説明および図面から明らかになろう。
【0007】
1実施形態に記載した有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法には殊に以下のステップが含まれている。すなわち、
この方法は、
A) 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板を用意するステップを有しており、ここで上記の活性領域には、有機機能積層体が形成されており、
上記の方法はさらに
B) カバー領域と、このカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層を第2基板上の第2接続領域に直接被着するステップと、
D) 上記の第1接続層の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層上または第1基板の第1接続領域上に第2接続層を被着するステップと、
F) 第1基板と第2基板とを接続して、第2接続層により、第1接続領域と、第1接続層とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0008】
別の1実施形態によれば有機オプトエレクトロニクス素子には、例えば
− 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板が含まれており、ここで上記の活性領域には、有機機能積層体が形成されており、
上記の有機オプトエレクトロニクス素子にはさらに
− 上記の活性領域上にあるカバー領域と、第1接続領域上にありかつ上記のカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板、および
− 上記の第1接続領域と第2接続領域との間の第1接続層および第2接続層が含まれており、
ただし
− 上記の第1接続層は、第2接続領域に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 上記の第2接続層により、第1接続層と第1接続領域とが接続される。
【0009】
以下で説明する実施形態、特徴およびそれらの組み合わせは、別に明示的に示さないかぎり、有機オトエレクトロニクス素子にも、この有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法にも同様に関係するものである。
【0010】
ここでまた以下において一方の層または一方の構成素子が、他方の層または他方の構成素子の「上」または「上方」に配置または被着されているということは、一方の層または一方の構成素子が直にかつ機械的および/または電気的に直接に接触接続して他方の層または他方の構成要素に配置されていることを意味し得る。さらに一方の層または一方の素子が、他方の層または他方の素子の上にないし上方に間接的に配置されることも意味し得る。この場合に別の複数の層および/または構成素子が、一方の層と他方の層との間ないしは一方の構成素子と他方の構成素子との間に配置されることもあり得る。
【0011】
ここでまた以下において、一方の層または一方の構成素子が、別の2つの層または素子の「間」に配置されているということは、一方の層または一方の構成素子が直に、別の2つの層または構成素子のうちの1つに機械的および/または電気的に直接的に接触接続しているかまたは間接的に接触接続しており、かつ別の2つの層または構成素子のうちの別の1つに機械的および/または電気的に直接的に接触接続しているかまたは間接的に接触接続していることを意味し得る。この場合に間接的な接触接続では、別の複数の層および/または構成素子は、一方の層と、別の2つの層のうちの少なくとも一方の層との間、ないしは一方の構成素子と、別の2つの構成素子のうちの少なくとも一方の構成素子との間に配置することができる。
【0012】
上記の第2接続層が、方法ステップEにおいて第1接続層および第1基板上に被着される場合、例えばこのことが意味し得るのは、第2接続層の一部が第1接続層に被着され、また第2接続層の別の一部が第1基板上に被着されることであり、この場合にこれらの第2接続層の一部は、方法ステップFにおいて実際の第2接続層につなぎ合わせされる。第2接続層は、方法ステップEにおいて例えば直接的および間接的に第1接続層に被着することができ、および/または直接的および間接的に第1基板に被着することができる。したがって作製された有機オプトエレクトロニクス素子において第2接続層は、第1接続層に直接接しかつ第1基板に直接接し、またこれらとそれぞれ共通の境界面を有することができるのである。
【0013】
ここでまたは以下で「オプトエレクトロニクス」とは、殊に電磁ビームないしは光を電圧および/または電流に変換し、および/または電圧および/または電流を電磁ビームないしは光に変換する特性を表し得る。したがって有機オプトエレクトロニクス素子は、第1のケースでは、有機的なビームを受光する構成素子ないしはビームを検出する構成素子、例えば有機フォトダイオードまたは太陽セルとして実施することでき、また第2のケースでは有機的なビーム放出構成素子、例えば有機発光ダイオード(OLED)として実施することできるのである。ここでまた以下において「光」または「電磁ビーム」はともに、殊に赤外線〜紫外線の波長領域に含まれる少なくとも1つの波長または波長領域を有する電磁ビームを意味し得る。ここで光ないしは電磁ビームは、可視波長領域、すなわち約350nm〜約1000nmの1つまたは複数の波長を有する近赤外から青色の波長領域を含むことができる。
【0014】
第1基板と第2基板との間に第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層が配置されることにより、純粋な接着材料層を有する公知のOLEDに比べて、酸素および湿気および水蒸気に対して一層に気密なカプセリングを得ることができる。
【0015】
殊に第2基板または第1基板および第2基板もガラスを有することができ、このガラスは、例えばホウケイ酸塩ガラスまたはアルミニウムケイ酸塩ガラスなどのケイ酸塩ガラスおよび/または石英ガラスまたは有機素子に有利な別のガラス材料を有する。
【0016】
殊に有利には上記のオプトエレクトロニクス素子を有機発光ダイオード(OLED)として実施することができる。このOLEDは、例えば活性領域において第1基板上に第1電極を有し得る。第1電極上には、有機材料からなる1つまたは複数の機能層を備えた活性層を被着することができる。上記の機能層は、例えば電子輸送層、正孔遮断層、エレクトロルミネセンス層、電子遮断層および/または正孔輸送層として構成することができる。これらの機能層上には第2電極を被着することができる。上記の機能層では電子注入および正孔注入および電子再結合および正孔再結合により、個々の波長または複数の波長領域を有する電磁ビームを形成することができる。ここでは観察者に単色、多色および/または混合色の光印象を与えることができる。
【0017】
例えば第1電極および/または第2電極を殊に有利には平面状に実施することができ、またはこれらを択一的に第1電極部分領域ないし第2電極部分領域に構造化して実施することができる。例えば、第1電極は、互いに平行に配置される第1電極ストライプの形態で実施することができ、またこれに対して垂直方向に延在しかつ互いに平行に配置される第2電極ストライプとして第2電極を実施することができる。したがって第1電極ストライプと第2電極ストライプの重畳を、別個に制御可能な発光領域として実施することができる。さらに第1電極または第2電極だけを構造化することも可能である。殊に有利には第1電極および/または第2電極または電極部分領域は、第1導体路と導電的に接続される。ここでは電極または電極部分領域を、例えば第1導体路へ移行させることができるか、または第1導体路とは別個に実施して第1導体路に導電的に接続することができる。上記の導体路は、第1基板と第2接続層との間で活性領域および第1接続領域から引き出すことができるため、上記の有機機能積層体は、第1接続領域の外部で電気的に接触接続させることができる。
【0018】
上記の有機オプトエレクトロニクス素子がOLEDとして実施され、またその際に殊にいわゆる"ボトムエミッタ"型として実施される場合、すなわち、有機機能積層体で形成されるビームが第1基板を通って放射される場合、第1基板は、有利には上記の活性層で形成される電磁ビームの少なくとも一部に対して透過性を有することができる。
【0019】
上記のボトムエミッタ型の構成では、第1電極も上記の活性層において形成される電磁ビームの少なくとも一部に対して透過性を有することができる。アノードとして実施することができしたがって正孔注入材料として使用される透明な第1電極は、例えば透明かつ導電性の酸化物を有するか、または透明かつ導電性の酸化物から構成することができる。透明な導電性酸化物(transparent coductive oxid,略して「TCO」)は、透明かつ導電性の材料であり、ふつうは例えば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウムまたは殊に有利には酸化インジウムスズ(ITO)のような金属酸化物である。例えばZnO,SnO2またはIn2O3などのような2元金属酸素化合物の他に、例えばZn2SnO4,CdSnO3,ZnSnO3,MgIn2O4,GaInO3,Zn2In2O5,またはIn4Sn3O12のような3元金属酸素化合物、または種々異なる透明かつ導電性の酸化物の混合物もTCOの群に属する。さらにTCOは必ずしも化学量論的な組成に相応する必要はなく、p形ドーピングまたはn形ドーピングすることもできる。
【0020】
上記の機能層は、有機ポリマ、有機オリゴマ、有機モノマ、有機系の非ポリマ小分子("small molecules")またはそれらの組み合わせを有することができる。機能層のための適切な材料ならびにこれらの材料の配置および構造化は、当業者には公知であるので、ここではさらに説明しない。
【0021】
第2電極はカソードとして実施することができ、したがって電子注入材料として使用することができる。カソード材料としては、例えばアルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウム、リチウムならびにそれらの化合物、組み合わせおよび合金が有利であることが判明している。付加的または択一的に第2電極を透明に実施することでき、および/または第1電極をカソードとして、また第2電極をアノードとして実施することも可能である。このことは意味するのは、殊に上記のOLEDが"トップエミッタ"型として実施できることである。例えば上記の有機オプトエレクトロニクス素子をボトムエミッタ型であると同時にトップエミッタ型として実施し、ひいては透明に実施することも可能である。
【0022】
さらに上記の活性領域は、アクティブまたはパッシッブなディスプレイまたは照明装置用の特徴および構成要素、例えばTFTを有することが可能である。
【0023】
第1ガラスはんだ材料は、有利にはガラス状の、すなわちアモルフォスまたは結晶質の溶融可能および硬化可能な材料または複数の材料を有する複合材料とすることができ、この材料はさらに、例えば熱膨張係数を適合させるための有利な充填材料を有することができる。ガラスフリット(glass-frit)とも称することの可能な第1ガラスはんだ材料は、実際にガラス化するための材料および充填材料を有することができ、また例えば酸化物からなる混合物を含むことができる。これらの酸化物は、バナジウム酸化物、リン酸化物、チタン酸化物、例えば酸化鉄(III)(Fe2O3)などの酸化鉄、すず酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、アルカリ土類金属酸化物、シリコン酸化物、亜鉛酸化物、ビスマス酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコン酸化物およびアルカリ酸化物から選択される。殊に環境技術的および環境との共存性の観点から必要である場合には、第1ガラスはんだ材料を鉛化合物フリーとすることも可能である。第1ガラスはんだ材料は、例えば方法ステップCにおける溶媒−バインダ混合物の成形可能なガラスはんだ材料とすることが可能である。溶媒−バインダ混合物として、例えばアミルアセテートおよびニトロセルロースからなる混合物が適している。ガラスはんだ材料、充填材料およびそれらの混合物に対する別の実施例および実施形態は、刊行物US 6,936,963 B2およびUS 6,998,776 B2に記載されている。その開示内内容を参照によってここに取り込むものとする。
【0024】
方法ステップCにおける第2基板の第2接続領域上への第1ガラスはんだ材料の被着は、例えばペーストとしてスクリーン印刷、ステンシル印刷またはディスペンスによって行うことができるため、第1ガラスはんだ材料によるいわゆるガラスはんだビードによって上記のカバー領域が包囲され、またダイレクトに、すなわち直接かつ機械的に直に接触接続して被着される。引き続いて、炉において熱を供給することにより、なお成形可能な第1ガラスはんだ材料を乾燥し、脱バインドし、焼結してガラス化することができる。これによって方法ステップEの前にすでに、持続的でありかつ酸素および湿気を通さない第1接続層が第2基板上に作製される。第1接続層と第2基板と境界面も同様に酸素および湿気を通さない。公知のOLEDの場合のようにレーザによって第1接続層のガラス化を行うのではなく、炉において行うことにより、コスト的に有利でありかつ経済的な作製プロセスを可能にすることができる。第1接続層を炉においてガラス化することにより、第2基板に適合させた熱膨張係数を有する第1ガラスはんだ材料と第2基板とを応力を伴わずに溶融させることができる。ここでは例えばレーザの作用を用いた公知の局所的な溶融プロセスにより、第1接続層および/または第2基板において応力が発生することはない。さらに、コストが高くかつ繁雑な第2基板の処理も同様に省略することができる。
【0025】
第1接続層は、第1の厚さで形成することができ、これに対して引き続いて第2接続層は第2の厚さで形成される。第2の厚さは、第1の厚さ以下とすることが可能である。これにより、一続きになった接着層を有する従来のOLEDに比べて、シーリング区間の幅および高さを同じにした場合、すなわち第1接続層と第2接続層とが一体となったシーリング区間の幅および高さを同じにした場合、公知の純粋な接着層に比べて酸素および/または水蒸気を通過させる体積の割合を低減することできる。第2の厚さが第1の厚さよりも小さく形成されていればいるほど、酸素および/または湿気が、有機オプトエレクトロニクス積層体を有する活性領域に入りこんで拡散できる確率がそれだけ小さくなる。殊に有利には第1接続層によって第1基板と第2基板との間の間隔が決定的に確定され、すなわち第2の厚さは、第1の厚さの5分の1以下であり、有利には10分の1以下になるのである。第1の厚さは、有機オプトエレクトロニクス素子および場合によって先で説明するゲッタ層の実施に応じて、有利には5マイクロメートル以上、殊に有利には10マイクロメートル以上かつ20マイクロメートル以下の厚さを有することができる。したがって殊に10マイクロメートル以上の第1基板と第2基板との間の間隔が可能であり、このことは殊に、例えば面積の大きな有機オプトエレクトロニクス素子の場合には有利になり得る。それは、これにより、積層体を有する構成素子の内部体積と周囲との間の圧力差分に起因する第1基板および/または第2基板の変形などを補償できるからである。
【0026】
これに対して第2接続層は、接続特性および接着特性の点から最適化した第2の厚さを有することができる。第2接続層は、第2接続層の材料の1原子層または数原子層以上でありかつ1マイクロメートルまたは数マイクロメートル以下、有利には5マイクロメートル以下、殊に2マイクロメートル以下、さらに殊に有利には1マイクロメートル以下の第2の厚さを有することが可能である。ここで第2接続層は殊に有利にも、間隔を定める充填(「スペーサ」)剤を有しないようにすることが可能である。
【0027】
第2接続層は、硬化可能有機接着剤を有することができ、この接着剤は、上記の方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とをつなげた後、硬化することが可能である。ここで、また以下で「硬化」とは、接着剤そのものにおける有利な反応およびメカニズム、ならびに第1接続層および第1基板との接着剤との任意の境界面における有利な反応およびメカニズムのことであり、これにより、第1基板と第2基板との持続的な接続が可能になる。これには、架橋反応または溶媒の蒸発および/または気化などのプロセスが含まれ得る。上記の硬化は、自動的に開始される反応によって生じさせるか、または外部からエネルギを供給することによって生じさせることができ、2番目のケースでは、例えば、殊に紫外または赤外光の形態の電磁ビームまたは熱を供給することによって行われる。上記の接着剤は、例えば有機架橋材料またはこのような材料を複数含むものを有することができ、例えば、シロキサン、エポキシド、アクリレート、メチルメタクリレート、ウレタンまたはモノマ、オリゴマまたはポリマの形態のこれらの誘導体であり、またはさらにその化合物、混合物またはコポリマでもある。殊に有利には上記のマトリックス材料は、エポキシ樹脂を含むことができるかまたはエポキシ樹脂とすることができ、および/またはUVビームによって硬化可能である。
【0028】
さらに第2接続層は、第2ガラスはんだ材料を含むかまたはこのようなものから得られるものとすることが可能である。第2ガラスはんだ材料は、第1ガラスはんだ材料に関連して説明したのと同様の特徴、特性およびそれらの組み合わせを有することができる。
【0029】
殊に第2接続層は、電磁ビームを吸収する材料を有することができ、この材料は、希土類金属、遷移金属の群から、また殊に鉄、銅、バナジウムおよびネオジムの金属からの1つまたは複数の材料から選択される。このような1つまたは複数の吸収性の材料を第2接続層に混ぜることによって、電磁ビームに対する吸収度を高め、これによって第2接続層の硬化を加速することができる。さらに第1接続層は、上記のような吸収性の材料を含まないか、またはこの吸収性の材料を少なくとも比較的低い濃度でしか有しないため、第2接続層に入射した電磁ビームを所期のように吸収することができる。殊に吸収性材料の適性は、第2ガラスはんだ材料からなる第2接続層との組み合わせで決まる。それは、吸収特性によって第2接続層すなわち第2ガラスはんだ材料を局所的に所期のように加熱することができ、ひいてはこれのガラス化を改善することができるからである。
【0030】
上記の方法ステップFの後、第2接続層の第2ガラスはんだ材料をガラス化することができる。これは、殊に紫外光または赤外光による照射によって第2ガラスはんだ材料を溶融させることによって行うことできる。これは、例えば、レーザまたは別の適切なビーム源を用いて第2接続層に照射することできる。上で説明したように第2接続層の第2の厚さが第1接続層の第1の厚さよりも小さいことによって可能になるのは、第2ガラスはんだ材料のガラス化が、作製すべき有機オプトエレクトロニクス素子の別の構成部分の温度を大きく上昇させることがないようにすることである。したがって上記の有機オプトエレクトロニクス素子のカプセル化を低い温度で行うことができ、その際に上記の積層体の損傷が生じることはない。ここで第2接続層が薄ければ薄いほど、それだけ一層容易に第2接続層を溶融させてガラス化させることができ、またそれだけ一層容易に第2接続層と第1接続層との、また第2接続層と第1基板との持続的な接続を形成することができる。第1接続層のすでにガラス化されたガラスはんだ材料は、第2ガラスはんだ材料の溶融およびガラス化の際、第2ガラスはんだ材料との境界面の領域以外において、高粘度また殊に有利には固体のままに維持されるため、第2基板と第1基板との間隔は、実質的に第1接続層の第1の厚さを介して定めることができる。殊に有利にはこれに加えて第1ガラスはんだ材料は、第2ガラスはんだ材料よりも高い融点を有し得る。
【0031】
したがって第1ガラスはんだ材料および第2ガラスはんだ材料は組成が異なり、さらに殊にその融点が異なり得るのである。
【0032】
さらに第1接続層は、方法ステップD中またこのステップの後、第2基板とは反対側を向いた面を平坦化することができる。これは、例えばすでにガラス化した第1ガラスはんだ材料をエッチングすることによっておよび/または有利には研磨することによって行うことができ、ないしは択一的または付加的に炉における方法ステップDのガラス化プロセスにおいて相応に成形することによって行うこともできる。上記の平坦化によって例えば可能になるのは、作製した構成素子において第1接続層と第2接続層との相互の接着ならびに第1基板と第2基板との相互の間隔の最適化とを得ることである。
【0033】
さらに方法ステップAにおいて、第1接続領域に凹部を有する第1基板を用意することができる。殊にこの凹部を形成して、この凹部が上記の活性領域を両側から取り囲むようにする。この凹部は、方法ステップFの後、第2接続層が少なくとも部分的にこの凹部に配置されるようにするために設けることができる。このことが意味し得るのは、方法ステップFにおいて第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に被着されることである。択一的または付加的に可能であるのは、上記の方法ステップにおいて第2接続層を第1接続層上にも被着して、つぎに方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とを接続する際に第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に配置されるようにすることである。第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に配置されることが意味し得るのは、上記の凹部が、例えば第2接続層の第2の厚さよりも浅い深さを有することである。この場合に第2接続層は、なお凹部から突出することができる。この場合に上記の凹部は、第1接続層の幅とは無関係に選択することのできる幅を有することができる。これとは択一的に上記の凹部の深さを第2接続層の第2の厚さ以上にすることも可能であり、これによって方法ステップFの後、第2接続層が完全に凹部に配置され、したがって第2接続層を第1基板および第1接続層によって完全に取り囲むことできる。この場合に例えば上記の凹部は、第1接続層の幅以上の幅を有することができる。ここでは方法ステップFの後、第1接続層も凹部に入り込むことができ、ひいては部分的に上記の凹部に配置されることが可能である。第2接続層を少なくとも部分的に凹部に配置することによって達成することができるのは、第2接続層を少なくとも部分的に周囲の雰囲気から遮断できることである。
【0034】
さらに第2基板のカバー領域には接着剤および/またはゲッタ材料を配置することができる。ゲッタ材料として有利には酸化可能な材料および/または湿気と結合する材料を使用することができ、この材料は、酸素および湿気と反応し、また少量ではあるが接着剤から例えば第2接続層を通って拡散し得る、有機機能積層体に有害な物質をバインドすることができる。容易に酸化する酸化材料として、とりわけアルカリ金属およびアルカリ土類金属およびその酸化物の群からの金属、例えば酸化カルシウムおよび酸化バリウムなどの化学吸着性材料が使用される。さらに例えばチタンなどの別の金属または酸化可能な非金属材料も好適である。さらに物理吸着性の材料として強く乾燥させたゼオライトも好適である。
【0035】
ゲッタ材料は、第2基板のカバー領域に直接被着することができるかまたはゲッタ材料および接着剤からなる混合物内にあり、この場合にこのゲッタ材料は、例えば粒子の形態で接着剤に拡散させることできる。この接着剤は、第2接続層に関連して上で説明した接着剤のうちの1つを有することできる。殊に以下に説明するケース、すなわち接着剤が有機機能積層体とは間隔を空けずに配置されるケースでは、接着剤はエポキシドを有するかエポキシ樹脂から構成することでき、ここで例えば有機機能積層体の実施形態との関連で説明したカソード材料はこのエポキシドを損傷しない。ゲッタ材料−接着剤−混合物に対して有利であるのは、ゲッタ材料の粒子を細かくひいて、この粒子が、例えばカソードなどの有機機能積層体の機械的な損傷にも結び付かず、また第1接続層と第1基板との間の第2接続層に影響を与えないようにすることである。
【0036】
殊に上記のゲッタ材料および/または接着剤は、方法ステップFの前、および方法ステップDにおいて第1ガラスはんだ材料をガラス化した後、被着することができる。このことが意味し得るのは、ゲッタ材料および/接着剤が、第1接着層も配置されている第2基板の面に配置されることであり、これによって方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とを接続した後、ゲッタ材料および/または接着剤は、上記の有機積層体と一緒に、第1基板、第2基板、第1接続層および第2接続層によって囲まれる空所に配置される。ゲッタ材料および/または接着剤は、方法ステップFの後、有機機能積層体から離れて配置され得るため、なお第1基板と第2基板との間に残っている空所があり、この空所には、例えばガスを充填することができる。ここで上記の間隔は主に、ゲッタ材料の厚さおよび第1接続層の第1の厚さによって調整可能である。第2基板は付加的にカバー領域のキャビティ、すなわち凹部を有することができ、このキャビティに上記のゲッタ材料および/または接着剤を少なくとも部分的に配置し、また例えば有機機能積層体に対して好適に間隔が空けられる。これとは択一的に上記のゲッタ材料および/または接着剤は、有機機能積層体の周りにある全体が取り囲まれた空所を充填することできる。
【0037】
上記の有機機能積層体に対して間隔を空けてゲッタ材料を配置することにより、上記の空所に拡散する酸素および/または空所に拡散する湿気をゲッタ材料によって面で取り込むことができる。これによって上記の有機機能積層体に欠陥が生じるまで比較的高いいわゆるポンプ能力(Pumpkapazitaet)を得ることができる。これに対して上記の接着剤が、例えば上記の空所全体に配置される場合、この空所は、同時に第2接続層を構成し得る。単分散ナノ粒子をゲッタ材料として使用する場合、第2接続層をゲッタ材料−接着剤−混合物によって構成することさえも可能である。この場合には接着剤におけるゲッタ材料濃度を低くして、ゲッタ材料粒子が互いに接触せず、また拡散チャネルを構成し得ないようにする。
【0038】
殊に第2ガラスはんだ材料からなる第2接続層に関連して可能であり得るのは、また接着剤からなりかつ適切に密閉された第2接続層においても可能であり得るのは、公知のOLEDに比較して比較的少ないゲッタ材料を第2基板のカバー領域に配置するかまたはゲッタ材料をまったく配置しないことである。この場合、第1基板と第2基板のとの間に永続的に密閉された接続を作製することできるため、有機オプトエレクトロニクス素子の寿命を長くすることができ、その際にゲッタ材料は必要ない。
【0039】
さらに上記の方法ステップにおいて少なくとも1つのバリア層を有する有機機能積層体を構成することでき、ここではこのバリア層によって有機機能積層体をカバーする。したがってプラズマ援用化学気相成長法(PECVD法 plasma-enchanced chemical vapor deposition)から得られる積層体により、またはスパッタリングによってデポジットした酸化層、窒化層および/または酸窒化物層、例えば窒化シリコン(SiNx−)および/または酸化シリコン(SiO2−)層により、上記の有機機能積層体をカプセル化することができる。SiNx(N)およびSiO2(O)のこのような層の組み合わせは複数回繰り返すことができるため、個々の拡散チャネルが閉じられる。ここではこれらの拡散チャネルの各拡散チャネルは、有機機能積層体の活性面において目に見える欠陥に結び付き得るものである。しかしながらNONONONからなる積層体ではなお、密でない個々の点欠陥が生じることがあり得る。第2基板と、第1接続層と、第2接続層とを用いる上記の方法に加えてバリア層によって有機機能積層体を上記のようにカプセル化すると、水および酸素の拡散パスを延長させて、水の作用による有機オプトエレクトロニクス素子の経年変化をさらに遅延させ、これによってこの構成素子は、60℃の温度および90%の相対湿度における504時間の典型的な湿気検査に耐えることができ、その際に水または酸素が原因でありかつ長さが約400マイクロメートルよりも長い欠陥が発生することはない。
【0040】
例えば上記の有機オプトエレクトロニクス素子は、ゲッタ材料およびバリア層の組み合わせも有することができる。
【0041】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する別の1実施形態によれば、この方法には以下のステップが含まれている。すなわち、
A) 活性領域と、活性領域を両側から取り囲む第1接続領域とを有する第1基板を用意するステップと、
B) カバー領域と、このカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層を第2基板上の第2接続領域に直接被着するステップと、
D) 第1基板上の第1接続層の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 有機機能積層体を第1基板の活性領域に形成するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層上または第2基板の第2接続領域上に第2接続層を被着するステップと、
F) 第1基板と第2基板とを接続して、第2接続層により、第1接続領域と、第1接続層とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0042】
したがって上で説明した方法と比べて第1接続層も第1基板上に形成してこれをガラス化することができるのである。これにより、上記の有機機能積層体は、第1接続層をガラス化した後はじめて、方法ステップD’において第1基板上に被着されるため、方法ステップDによる有機機能積層体の損傷を回避することができる。このようにして作製可能な有機オプトエレクトロニクス素子はつぎのような特徴を有することが可能である。すなわち、
− 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板。ここで上記の活性領域には、有機機能積層体(3)が形成されている。
【0043】
− 上記の活性領域上にあるカバー領域と、第1接続領域上にありかつ上記のカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板。
【0044】
− 上記の第1接続領域と第2接続領域との間の第1接続層および第2接続層。
ただし
− 上記の第1接続層は、第2接続領域に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 上記の第2接続層により、第1接続層と第1接続領域とが接続される。
【0045】
このような有機オプトエレクトロニクス素子は、有機機能積層体を基準にした第1接続層および第2接続層の空間的な配置構成が、上で説明した有機オプトエレクトロニクス素子と比べて逆の構造を有する。この方法およびこれによって作製可能な構成素子は、上で説明した特徴、特性、実施形態およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を有することができる。
【0046】
ここで説明する方法では、前述した特性および特徴を有する有機オプトエレクトロニクス素子を作製することでき、この構成素子は、シーリング区間を有しており、すなわち、第1基板と第2基板との間で第1接続領域の第1接続層および第2接続領域の第2接続層を有しており、ここでは第1接続層および第2接続層の割合は可変かつ自由に選択可能である。第1接続層の幅および第1の厚さ、また第2接続層の幅および第2の厚さはそれぞれ、また互いの任意の関係において、材料コストおよび密閉度の最適化の観点から自由に選択可能である。第1接続層の第2の厚さは、第1接続層の第1の厚さに比べて小さくして、第1基板と第2基板との間の密な接続に必要とされる厚さにする。第2接続層が薄ければ薄いほど、それだけ一層酸素および/または湿気が有機オプトエレクトロニクス素子に入り込む危険性が小さくなり、したがってそれだけ一層この構成素子の達成可能な寿命を長くすることできるのである。
【0047】
本発明の別の有利の利点、有利な実施形態および発展形態は、図1Aないし6に関連して以下に説明する実施形態から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示す図である。
【図1B】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示す別の図である。
【図1C】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1D】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1E】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1F】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1G】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1H】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図2】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の概略図である。
【図3】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の概略図である。
【図4】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【図5】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【図6】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【0049】
複数の実施例および図において、同じ構成部分または同じ機能を有する構成部分にはそれぞれ同じ参照符号が付されている。ここに示した素子およびこられの素子間の互いの大きさの比は、基本的に縮尺通りであるとみなすべきでなく、むしろ層、構成部分、構成素子および領域などの個々の素子は、図示し易くするためおよび/またはわかり易くするため、厚いサイズまたは大きなサイズで誇張して描かれていることがある。
【0050】
図1Aないし1Hには1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子100を作製する方法が示されている。図1Aに示した第1方法ステップAでは第1基板1が用意され、この基板は、活性領域12と、この活性領域を取り囲む第1接続領域11とを有する。図示の実施例において基板1はガラス製である。
【0051】
活性領域12には有機機能積層体3が構成されており、この有機機能積層体は、図示の実施例において有機発光ダイオード(OLED)として実施されている。この有機発光ダイオードは基板1上に第1電極31を有しており、この第1電極上に複数の有機機能層を含む活性有機層30が被着されている。活性有機層30上には第2電極32が被着されている。第1電極31および第2電極32はアノードないしはカソードとして構成されており、これらは活性層30に正孔および電子を注入するのに適している。
【0052】
活性層30は、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンス層を有しており、この層は、動作時に上記の注入した電子と正孔との再結合による電磁ビームを放射するのに適している。活性層30は付加的に別の有機機能層を有することがあり、例えば少なくとも1つの正孔輸送層および/または電子輸送層、および/または上記の一般的な部分で説明した別の特徴などを有することがある。さらに有機機能積層体3は、上下に配置された複数のエレクトロルミネッセンス層と、それら層の間にそれぞれ配置された別の複数の有機機能層とを有する多層OLEDとして構成することも可能である。活性層30の上記の機能層は、一般的な部分で説明した小有機分子またはポリマの形態の有機材料を有することができる。
【0053】
第1電極31および第2電極32は図示の実施例においてそれぞれ透明に実施されており、例えば一般的な部分で説明したような金属および/またはTCOを有する。これにより、以下に説明する方法によって作製可能な有機オプトエレクトロニクス素子100は、ボトムエミッション型およびトップエミッション型として実施されるため、動作時に活性層30において形成される電磁ビームは、第1基板1を通過すると共に、以下に説明する第2基板を通過して放出することができ、上記の有機オプトエレクトロニクス素子100は、透明両側放射型OLEDとして構成されるのである。
【0054】
択一的または付加的には、有機フォトダイオードまたはソーラセルなどのビーム検出積層体として上記の有機機能層3を構成することもでき、および/または薄膜トランジスタなどの別の有機電子構成部分を有することもできる。
【0055】
図1Bに示した第2の方法ステップBにおいて、ガラス製の第2基板2が用意される。この第2基板は、カバー領域22と、このカバー領域を取り囲む第2接続領域21とを有する。図1Cに示した別の方法ステップでは、第1ガラス材料を有する第1接続層4を第2接続領域21の上に被着する。ここで第1ガラスはんだ材料は有利には鉛フリーであり、また例えば一般的の部分で説明した材料および組成を有する。ここで第1ガラスはんだ材料は、いわゆるガラスはんだビードまたはペーストの形態で、例えばディスペンス、スクリーン印刷またはステンシル印刷によって可塑状態で被着される。被着のために添加される溶媒および非硬化型バインダを有し得る第1接続層4は、第2接続領域21に沿ってカバー領域22を取り囲む。
【0056】
図1Dに示した別の方法ステップDでは、第1接続層4がガラス化される。このことは矢印91によって示されている。このために第1接続層4と第2基板2とを炉において熱を供給することによって乾燥させ、脱バインダし、焼結してガラス化する。この際に第2接続領域21において第1接続層4と第2基板2とが接続される。第1ガラスはんだ材料は、適切な添加物により、第2基板2に適合する熱膨張係数を有し得る。これによって第2基板2と第1接続層4との応力を伴わない溶融が可能である。第1接続層4の厚さおよび幅は、可変に選択可能であり、またコストのかかる第2基板2のガラス処理を行わなくても第1接続層4を被着する際にすでに調節可能である。上記の有機機能積層体3は、第1ガラスはんだ材料のガラス化プロセスとは関係しないため、第1接続層4のガラス化91は最適な条件下で行うことができる。ここで説明している炉プロセスとは択一的にまたはこれに付加的に第1接続層4を紫外線ないし赤外線の波長領域のビームを照射することによってガラス化することも可能である。この場合にも第1接続層4と第2基板2との気密な接続に最適な条件下でガラス化91を行うことができ、その際に有機機能積層体3に対して配慮を行う必要はない。
【0057】
以下で説明する第2接続層5の厚さの最小化および/または接着強度を改善するため、第2基板2とは反対側向いた第1接続層4の表面をガラス化91した後、平坦化することができる。これは、例えば平面仕上げによって行うことができる。これとは択一的にすでに上記の炉プロセスにおけるガラス化91中またはガラス化の前に成形を行って平坦化することが可能である。
【0058】
図1Eに示したさらなる方法ステップEでは、カバー領域12を取り囲む第1接続層4の、第2基板2とは反対側の表面に第2接続層5を被着する。ここで第2接続層5は、有利には充填剤のない硬化可能有機接着剤を有しており、これは例えばエポキシ樹脂などである。第1接続層4は、完成した有機オプトエレクトロニクス素子100における第1基板1と第2基板2との所望の間隔の点から選択される第1の厚さを有するが、これに対して第2接続層5は、第1の厚さよりも格段に薄い第2の厚さで被着することができる。例えば第2の厚さは、第1の厚さの5分の1以下であり、また殊に有利には10分の1以下である。有利には、第1基板1と第2基板2との間でなお密接した接続が可能となる分だけ第2接続層5の第2の厚さをできるだけ薄くすることできる。このために第2接続層5は、数原子層から数マイクロメートルの第2の厚さを有することができる。硬化可能有機接着剤を含めた第2接続層5の厚さが薄ければ薄いほど、第2接続層5の接着剤を通る湿気と酸素の拡散速度が小さくなり、またこのようにして作製される有機オプトエレクトロニクス素子100の寿命を長くすることができる。
【0059】
ガラス化される第1接続層4上に第2接続層5を被着するのとは択一的にまたはこれに付加的に、方法ステップEにおいて第1基板1の第1接続領域11上に第2接続層5を被着することも可能である。このことは図1Fに示した通りである。
【0060】
図1Gに示したつぎの方法ステップFでは、第2基板2を第1基板1の上に配置し、第1接続層4および第2接続層5を用いて第1基板1と接続する。このためにカバー領域22と活性領域12とが、また第1接続領域11と第2接続領域21とがそれぞれ上下に配置され、第2接続層5より、第1接続層4と第1基板1の第1接続領域11とが接続される。ここで第1接続層4および第2接続層5の幅は、図1Gに示したように少なくともほぼ同じとすることが可能である。これとは択一的に第2接続層5は、組み立て後に第1接続層4よりも大きな幅を有し、また例えば縁部を構成することも可能であり、この縁部によって第1接続層4と第2接続層5との間の境界面が取り囲まれる。
【0061】
図1Hに示した有機オプトエレクトロニクス素子100を作製するさらなる方法ステップにより、第2接続層5が硬化される。この硬化は、図1Hにおいて矢印92によって示したように、第2接続層5における硬化可能な有機接着剤の架橋によって行われ、この架橋は熱またはビームによって誘導される。これとは択一的に、例えば多成分接着剤の原理にしたがって接着剤を化学的に誘導して架橋し、硬化させることも可能である。第1接続層5を硬化92する際に有機機能積層体3に加えられるエネルギ供給量および熱供給量は、第2接続層5の第2の厚さがわずかであることに起因して十分に小さく、これを損傷することはない。
【0062】
硬化可能な有機接着剤を有する第2接続層5とは択一的に、方法ステップEにおいて第1接続層4上および/または第1基板1の第1接続領域11上に第2接続層5として第2ガラスはんだ材料を被着することも可能である。上で説明した利点は、接着剤の代わりに第2ガラスはんだ材料を使用する際にも当てはまる。殊に方法ステップFの後、例えば集束させたレーザビームを用いて第2接続層5の第2ガラスはんだ材料を所期のように溶融させてガラス化することができる。ここでは、第1基板1、有機機能層3および第1接続層4へのそれぞれの熱供給量は、小さく維持することができる。殊に有利には第2ガラスはんだ材料は、第1ガラスはんだ材料よりも低い温度で軟化する。第1接続層5として硬化可能有機接着剤を使用する場合と同様に、第2ガラスはんだ材料を使用する場合にも第2接続層5の第2の厚さが小さいことは有利である。それは第2接続層5が薄ければ薄いほど、第2接着層5をそれだけ容易に溶融してガラス化できるからである。この際には必要に応じて、第2接続層5は数原子層から数マイクロメートルの第2の厚さを有することができる。第2ガラスはんだ材料を有する第2接続層5を所期のように溶融させてガラス化するため、第2接続層5は付加的に、電磁ビームを吸収可能な材料を有することができる。これに対して第1接続層4にはこの材料が含まれない。この吸収性の材料は有利には金属または金属化合物を有しており、有利には金属酸化物を有する。例えばこの材料は、例えばバナジウム、鉄、銅、クロームおよび/またはネオジムなどの遷移金属または希土類金属またはこれらの酸化物とすることが可能である。
【0063】
図1Hに示したようにここで示した方法によって有機オプトエレクトロニクス素子100を作製することができ、ここで第2接続層5の第2の厚さは、第1接続層4および第2接続層5とを合わせた全体の厚みと比べて格段に小さく、また第1基板1と第2基板2との間の接続部の大部分は、第1ガラスはんだ材料からなりかつ酸素および湿気を通さない第1接続層4によって形成される。
【0064】
上で説明した方法とは択一的に第1基板の第1接続領域11に第1接続層4を被着し、引き続いてガラス化することも可能である。第1接続層4のガラス化によって有機機能積層体3が損傷されないようにするため、ガラス化の後にはじめてこれを被着する。この場合のこの方法は、上で説明した方法と比べて、例えばつぎのようなステップを有する。すなわち、
A) 活性領域12と、活性領域12を取り囲む第1接続領域11とを有する第1基板1を用意するステップと、
B) カバー領域22と、カバー領域22を取り囲む第2接続領域21とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層4を第1基板1上の第1接続領域11に直接被着するステップと、
D) 第1基板1において第1接続層4の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 有機機能積層体3を第1基板1の活性領域12に形成するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層4上または第2基板の第2接続領域21上に第2接続層5を被着するステップと、
F) 第1基板1と第2基板2とを接続して、第2接続層5によって第2接続領域21と、第1接続層4とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0065】
以下の実施例では、上で説明した実施例による有機オプトエレクトロニクス素子100の別の変形形態を示す。したがって以下の説明では主にそれぞれの違いの説明に限定する。説明しない素子および特徴的構成は、上で説明した実施例および/または一般的な部分で説明したように実施される。
【0066】
図2および3には有機オプトエレクトロニクス素子200および300が示されており、ここでは第1基板1は第1接続領域11に、活性領域12を取り囲む凹部10を有する。
【0067】
ここで図2の実施例では、凹部10は、第2接続層5の第2の厚さよりも浅い深さを有する。凹部10によって可能になるのは、酸素および湿気に対する透過路が一層長くなることに起因して第1基板1と第2接続層5との間の境界面の密閉度をさらに高めることができることである。この凹部の幅は、第1接続層の幅とは無関係に選択することが可能である。さらに有機オプトエレクトロニクス素子200を包囲する雰囲気に直接接する、第2接続層5の部分を低減することができる。
【0068】
ここで図3の実施例によれば、凹部10は、第2接続層5の第2の厚さよりも深い深さを有する。これによって第1接続層4は凹部10に入り込み、これによって第2接続層5は、凹部10の縁部領域のギャップを除いて基板1および第1接続層4に取り囲まれる。これにより、殊に第2接続層5が接着剤を有している場合に第2接続層5を通る酸素および湿気の拡散速度を、また第2接続層5と基板1との間および第2接続層5と第1接続層4との間の境界面を通る酸素および湿気の拡散速度をさらに低減することができる。
【0069】
図4〜6の実施例には有機オプトエレクトロニクス素子400,500および600が示されており、これら素子は、素子の寿命を長くするための別の付加的な手段を有し、これらの手段は、第1接続層4および第2接続層5からなるここで説明している組み合わせと一緒に有利に使用することが可能である。
【0070】
図400に示した実施例では、バリア層33を有する有機機能積層体3を用意する。バリア層33は、PECVD法によってデポジットした酸化シリコン層および窒化シリコン層からなる積層体を有する。SiNx(N)およびSiO2(O)からなる層の組み合わせは複数回、有利に少なくとも2回に繰り返されるため、個々の拡散チャネルが閉じられる。ここではこれらの拡散チャネルの各拡散チャネルは、有機機能積層体3の活性面において目に見える欠陥に結び付き得るものである。バリア層33によるカプセリング、ならびに第1接続層3と、第2接続層5と、第2基板2とによるカプセリングとを組み合わせることにより、有機オプトエレクトロニクス素子400は、60℃の温度および90%の相対湿度における504時間の典型的な湿気検査に耐えることができ、その際に水または酸素が原因でありかつ長さが400マイクロメートルよりも長い欠陥が発生することはない。
【0071】
図5に示した実施例によれば有機オプトエレクトロニクス素子500は、第2基板2のカバー領域22に、キャビティ20、すなわち凹部を有しており、このキャビティにゲッタ材料6が配置される。ゲッタ材料6は、酸素および湿気とバインドする材料、例えば一般的な部分で説明した材料を有しており、有利にはBaOおよび/またはCaOを有する。
【0072】
図示の実施例とは択一的に、キャビティ20なしにゲッタ材料6を第2基板2のカバー領域22に配置することもできる。しかしながらキャビティ20により、有利にも有機オプトエレクトロニクス素子500の外形の高さを低くすることができる。同じことは上記の複数の実施例にも当てはまるため、上で説明した有機オプトエレクトロニクス素子100,200,300,400もキャビティ20を第2基板2に有することが可能である。
【0073】
図6に示した実施例では有機オプトエレクトロニクス素子600は、第1基板1および第2基板2ならびに第1接続層4および第2接続層5によって形成される全体的な空所に、有機機能積層体3を取り囲んで、ゲッタ材料6と接着剤7とからなる混合物を有する。有利にはエポキシ樹脂である接着剤7は、同時に第2接続層5を構成する。ゲッタ材料6は、微細に研磨した粒子の形で接着剤7に分散されており、殊に有利には単分散ナノ粒子の形態で分散されている。
【0074】
上で示した実施例の特徴は組み合わせることもでき、これによって有機オプトエレクトロニクス素子の寿命をさらに延ばすことができる。
【0075】
本発明は、実施例に基づく上記の説明によってこれらの実施例に限定されることはない。むしろ本発明にはあらゆる新規の特徴ならびに複数の特徴のあらゆる組み合わせが含まれるものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴の任意の組み合わせが含まれる。このことは、そのような組み合わせまたは組み合わせそれ自体が、特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないとしてもあてはまるものである。
【技術分野】
【0001】
本願は、ドイツ国特許出願第102008063636.3号に優先権を主張するものであり、ここにその開示内容は参照によって本願に取り入れられるものとする。
【0002】
ここには有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法および有機オプトエレクトロニクス素子が示されている。
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)の持続的かつ信頼性の高い動作のために必要なのは、この有機発光ダイオードをシーリングして酸素および湿気から保護することである。このためにはOLEDの酸素および/または湿気の影響を受けやすい構成部分を2つのガラスプレートの間に配置することができ、ここでこのガラスプレートは、上記の構成部分を取り囲む接着剤によって接続され、これによってカプセル化が行われる。上記の接着剤にはふつう小球体または繊維の形態の充填剤が含まれており、これらは、例えば2つのガラスプレート間の所定間隔に対する分離部(スペーサ)として機能する。
【0004】
しかしながらこの接着剤はふつう酸素および水蒸気をまったく通さないわけではないので、上記のガスは、時間の経過と共に接着剤を通ってOLEDに拡散することがある。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施形態の課題は、有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法を提供することである。さらに別の少なくとも1つの実施形態の課題は、有機オプトエレクトロニクス素子を提供することである。
【0006】
これらの課題は、独立請求項の方法および有機オプトエレクトロニクス素子によって解決される。上記の有機オプトエレクトロニクス素子および方法の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項に示されており、またさらに以下の説明および図面から明らかになろう。
【0007】
1実施形態に記載した有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法には殊に以下のステップが含まれている。すなわち、
この方法は、
A) 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板を用意するステップを有しており、ここで上記の活性領域には、有機機能積層体が形成されており、
上記の方法はさらに
B) カバー領域と、このカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層を第2基板上の第2接続領域に直接被着するステップと、
D) 上記の第1接続層の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層上または第1基板の第1接続領域上に第2接続層を被着するステップと、
F) 第1基板と第2基板とを接続して、第2接続層により、第1接続領域と、第1接続層とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0008】
別の1実施形態によれば有機オプトエレクトロニクス素子には、例えば
− 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板が含まれており、ここで上記の活性領域には、有機機能積層体が形成されており、
上記の有機オプトエレクトロニクス素子にはさらに
− 上記の活性領域上にあるカバー領域と、第1接続領域上にありかつ上記のカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板、および
− 上記の第1接続領域と第2接続領域との間の第1接続層および第2接続層が含まれており、
ただし
− 上記の第1接続層は、第2接続領域に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 上記の第2接続層により、第1接続層と第1接続領域とが接続される。
【0009】
以下で説明する実施形態、特徴およびそれらの組み合わせは、別に明示的に示さないかぎり、有機オトエレクトロニクス素子にも、この有機オプトエレクトロニクス素子の作製方法にも同様に関係するものである。
【0010】
ここでまた以下において一方の層または一方の構成素子が、他方の層または他方の構成素子の「上」または「上方」に配置または被着されているということは、一方の層または一方の構成素子が直にかつ機械的および/または電気的に直接に接触接続して他方の層または他方の構成要素に配置されていることを意味し得る。さらに一方の層または一方の素子が、他方の層または他方の素子の上にないし上方に間接的に配置されることも意味し得る。この場合に別の複数の層および/または構成素子が、一方の層と他方の層との間ないしは一方の構成素子と他方の構成素子との間に配置されることもあり得る。
【0011】
ここでまた以下において、一方の層または一方の構成素子が、別の2つの層または素子の「間」に配置されているということは、一方の層または一方の構成素子が直に、別の2つの層または構成素子のうちの1つに機械的および/または電気的に直接的に接触接続しているかまたは間接的に接触接続しており、かつ別の2つの層または構成素子のうちの別の1つに機械的および/または電気的に直接的に接触接続しているかまたは間接的に接触接続していることを意味し得る。この場合に間接的な接触接続では、別の複数の層および/または構成素子は、一方の層と、別の2つの層のうちの少なくとも一方の層との間、ないしは一方の構成素子と、別の2つの構成素子のうちの少なくとも一方の構成素子との間に配置することができる。
【0012】
上記の第2接続層が、方法ステップEにおいて第1接続層および第1基板上に被着される場合、例えばこのことが意味し得るのは、第2接続層の一部が第1接続層に被着され、また第2接続層の別の一部が第1基板上に被着されることであり、この場合にこれらの第2接続層の一部は、方法ステップFにおいて実際の第2接続層につなぎ合わせされる。第2接続層は、方法ステップEにおいて例えば直接的および間接的に第1接続層に被着することができ、および/または直接的および間接的に第1基板に被着することができる。したがって作製された有機オプトエレクトロニクス素子において第2接続層は、第1接続層に直接接しかつ第1基板に直接接し、またこれらとそれぞれ共通の境界面を有することができるのである。
【0013】
ここでまたは以下で「オプトエレクトロニクス」とは、殊に電磁ビームないしは光を電圧および/または電流に変換し、および/または電圧および/または電流を電磁ビームないしは光に変換する特性を表し得る。したがって有機オプトエレクトロニクス素子は、第1のケースでは、有機的なビームを受光する構成素子ないしはビームを検出する構成素子、例えば有機フォトダイオードまたは太陽セルとして実施することでき、また第2のケースでは有機的なビーム放出構成素子、例えば有機発光ダイオード(OLED)として実施することできるのである。ここでまた以下において「光」または「電磁ビーム」はともに、殊に赤外線〜紫外線の波長領域に含まれる少なくとも1つの波長または波長領域を有する電磁ビームを意味し得る。ここで光ないしは電磁ビームは、可視波長領域、すなわち約350nm〜約1000nmの1つまたは複数の波長を有する近赤外から青色の波長領域を含むことができる。
【0014】
第1基板と第2基板との間に第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層が配置されることにより、純粋な接着材料層を有する公知のOLEDに比べて、酸素および湿気および水蒸気に対して一層に気密なカプセリングを得ることができる。
【0015】
殊に第2基板または第1基板および第2基板もガラスを有することができ、このガラスは、例えばホウケイ酸塩ガラスまたはアルミニウムケイ酸塩ガラスなどのケイ酸塩ガラスおよび/または石英ガラスまたは有機素子に有利な別のガラス材料を有する。
【0016】
殊に有利には上記のオプトエレクトロニクス素子を有機発光ダイオード(OLED)として実施することができる。このOLEDは、例えば活性領域において第1基板上に第1電極を有し得る。第1電極上には、有機材料からなる1つまたは複数の機能層を備えた活性層を被着することができる。上記の機能層は、例えば電子輸送層、正孔遮断層、エレクトロルミネセンス層、電子遮断層および/または正孔輸送層として構成することができる。これらの機能層上には第2電極を被着することができる。上記の機能層では電子注入および正孔注入および電子再結合および正孔再結合により、個々の波長または複数の波長領域を有する電磁ビームを形成することができる。ここでは観察者に単色、多色および/または混合色の光印象を与えることができる。
【0017】
例えば第1電極および/または第2電極を殊に有利には平面状に実施することができ、またはこれらを択一的に第1電極部分領域ないし第2電極部分領域に構造化して実施することができる。例えば、第1電極は、互いに平行に配置される第1電極ストライプの形態で実施することができ、またこれに対して垂直方向に延在しかつ互いに平行に配置される第2電極ストライプとして第2電極を実施することができる。したがって第1電極ストライプと第2電極ストライプの重畳を、別個に制御可能な発光領域として実施することができる。さらに第1電極または第2電極だけを構造化することも可能である。殊に有利には第1電極および/または第2電極または電極部分領域は、第1導体路と導電的に接続される。ここでは電極または電極部分領域を、例えば第1導体路へ移行させることができるか、または第1導体路とは別個に実施して第1導体路に導電的に接続することができる。上記の導体路は、第1基板と第2接続層との間で活性領域および第1接続領域から引き出すことができるため、上記の有機機能積層体は、第1接続領域の外部で電気的に接触接続させることができる。
【0018】
上記の有機オプトエレクトロニクス素子がOLEDとして実施され、またその際に殊にいわゆる"ボトムエミッタ"型として実施される場合、すなわち、有機機能積層体で形成されるビームが第1基板を通って放射される場合、第1基板は、有利には上記の活性層で形成される電磁ビームの少なくとも一部に対して透過性を有することができる。
【0019】
上記のボトムエミッタ型の構成では、第1電極も上記の活性層において形成される電磁ビームの少なくとも一部に対して透過性を有することができる。アノードとして実施することができしたがって正孔注入材料として使用される透明な第1電極は、例えば透明かつ導電性の酸化物を有するか、または透明かつ導電性の酸化物から構成することができる。透明な導電性酸化物(transparent coductive oxid,略して「TCO」)は、透明かつ導電性の材料であり、ふつうは例えば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウムまたは殊に有利には酸化インジウムスズ(ITO)のような金属酸化物である。例えばZnO,SnO2またはIn2O3などのような2元金属酸素化合物の他に、例えばZn2SnO4,CdSnO3,ZnSnO3,MgIn2O4,GaInO3,Zn2In2O5,またはIn4Sn3O12のような3元金属酸素化合物、または種々異なる透明かつ導電性の酸化物の混合物もTCOの群に属する。さらにTCOは必ずしも化学量論的な組成に相応する必要はなく、p形ドーピングまたはn形ドーピングすることもできる。
【0020】
上記の機能層は、有機ポリマ、有機オリゴマ、有機モノマ、有機系の非ポリマ小分子("small molecules")またはそれらの組み合わせを有することができる。機能層のための適切な材料ならびにこれらの材料の配置および構造化は、当業者には公知であるので、ここではさらに説明しない。
【0021】
第2電極はカソードとして実施することができ、したがって電子注入材料として使用することができる。カソード材料としては、例えばアルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウム、リチウムならびにそれらの化合物、組み合わせおよび合金が有利であることが判明している。付加的または択一的に第2電極を透明に実施することでき、および/または第1電極をカソードとして、また第2電極をアノードとして実施することも可能である。このことは意味するのは、殊に上記のOLEDが"トップエミッタ"型として実施できることである。例えば上記の有機オプトエレクトロニクス素子をボトムエミッタ型であると同時にトップエミッタ型として実施し、ひいては透明に実施することも可能である。
【0022】
さらに上記の活性領域は、アクティブまたはパッシッブなディスプレイまたは照明装置用の特徴および構成要素、例えばTFTを有することが可能である。
【0023】
第1ガラスはんだ材料は、有利にはガラス状の、すなわちアモルフォスまたは結晶質の溶融可能および硬化可能な材料または複数の材料を有する複合材料とすることができ、この材料はさらに、例えば熱膨張係数を適合させるための有利な充填材料を有することができる。ガラスフリット(glass-frit)とも称することの可能な第1ガラスはんだ材料は、実際にガラス化するための材料および充填材料を有することができ、また例えば酸化物からなる混合物を含むことができる。これらの酸化物は、バナジウム酸化物、リン酸化物、チタン酸化物、例えば酸化鉄(III)(Fe2O3)などの酸化鉄、すず酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、アルカリ土類金属酸化物、シリコン酸化物、亜鉛酸化物、ビスマス酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコン酸化物およびアルカリ酸化物から選択される。殊に環境技術的および環境との共存性の観点から必要である場合には、第1ガラスはんだ材料を鉛化合物フリーとすることも可能である。第1ガラスはんだ材料は、例えば方法ステップCにおける溶媒−バインダ混合物の成形可能なガラスはんだ材料とすることが可能である。溶媒−バインダ混合物として、例えばアミルアセテートおよびニトロセルロースからなる混合物が適している。ガラスはんだ材料、充填材料およびそれらの混合物に対する別の実施例および実施形態は、刊行物US 6,936,963 B2およびUS 6,998,776 B2に記載されている。その開示内内容を参照によってここに取り込むものとする。
【0024】
方法ステップCにおける第2基板の第2接続領域上への第1ガラスはんだ材料の被着は、例えばペーストとしてスクリーン印刷、ステンシル印刷またはディスペンスによって行うことができるため、第1ガラスはんだ材料によるいわゆるガラスはんだビードによって上記のカバー領域が包囲され、またダイレクトに、すなわち直接かつ機械的に直に接触接続して被着される。引き続いて、炉において熱を供給することにより、なお成形可能な第1ガラスはんだ材料を乾燥し、脱バインドし、焼結してガラス化することができる。これによって方法ステップEの前にすでに、持続的でありかつ酸素および湿気を通さない第1接続層が第2基板上に作製される。第1接続層と第2基板と境界面も同様に酸素および湿気を通さない。公知のOLEDの場合のようにレーザによって第1接続層のガラス化を行うのではなく、炉において行うことにより、コスト的に有利でありかつ経済的な作製プロセスを可能にすることができる。第1接続層を炉においてガラス化することにより、第2基板に適合させた熱膨張係数を有する第1ガラスはんだ材料と第2基板とを応力を伴わずに溶融させることができる。ここでは例えばレーザの作用を用いた公知の局所的な溶融プロセスにより、第1接続層および/または第2基板において応力が発生することはない。さらに、コストが高くかつ繁雑な第2基板の処理も同様に省略することができる。
【0025】
第1接続層は、第1の厚さで形成することができ、これに対して引き続いて第2接続層は第2の厚さで形成される。第2の厚さは、第1の厚さ以下とすることが可能である。これにより、一続きになった接着層を有する従来のOLEDに比べて、シーリング区間の幅および高さを同じにした場合、すなわち第1接続層と第2接続層とが一体となったシーリング区間の幅および高さを同じにした場合、公知の純粋な接着層に比べて酸素および/または水蒸気を通過させる体積の割合を低減することできる。第2の厚さが第1の厚さよりも小さく形成されていればいるほど、酸素および/または湿気が、有機オプトエレクトロニクス積層体を有する活性領域に入りこんで拡散できる確率がそれだけ小さくなる。殊に有利には第1接続層によって第1基板と第2基板との間の間隔が決定的に確定され、すなわち第2の厚さは、第1の厚さの5分の1以下であり、有利には10分の1以下になるのである。第1の厚さは、有機オプトエレクトロニクス素子および場合によって先で説明するゲッタ層の実施に応じて、有利には5マイクロメートル以上、殊に有利には10マイクロメートル以上かつ20マイクロメートル以下の厚さを有することができる。したがって殊に10マイクロメートル以上の第1基板と第2基板との間の間隔が可能であり、このことは殊に、例えば面積の大きな有機オプトエレクトロニクス素子の場合には有利になり得る。それは、これにより、積層体を有する構成素子の内部体積と周囲との間の圧力差分に起因する第1基板および/または第2基板の変形などを補償できるからである。
【0026】
これに対して第2接続層は、接続特性および接着特性の点から最適化した第2の厚さを有することができる。第2接続層は、第2接続層の材料の1原子層または数原子層以上でありかつ1マイクロメートルまたは数マイクロメートル以下、有利には5マイクロメートル以下、殊に2マイクロメートル以下、さらに殊に有利には1マイクロメートル以下の第2の厚さを有することが可能である。ここで第2接続層は殊に有利にも、間隔を定める充填(「スペーサ」)剤を有しないようにすることが可能である。
【0027】
第2接続層は、硬化可能有機接着剤を有することができ、この接着剤は、上記の方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とをつなげた後、硬化することが可能である。ここで、また以下で「硬化」とは、接着剤そのものにおける有利な反応およびメカニズム、ならびに第1接続層および第1基板との接着剤との任意の境界面における有利な反応およびメカニズムのことであり、これにより、第1基板と第2基板との持続的な接続が可能になる。これには、架橋反応または溶媒の蒸発および/または気化などのプロセスが含まれ得る。上記の硬化は、自動的に開始される反応によって生じさせるか、または外部からエネルギを供給することによって生じさせることができ、2番目のケースでは、例えば、殊に紫外または赤外光の形態の電磁ビームまたは熱を供給することによって行われる。上記の接着剤は、例えば有機架橋材料またはこのような材料を複数含むものを有することができ、例えば、シロキサン、エポキシド、アクリレート、メチルメタクリレート、ウレタンまたはモノマ、オリゴマまたはポリマの形態のこれらの誘導体であり、またはさらにその化合物、混合物またはコポリマでもある。殊に有利には上記のマトリックス材料は、エポキシ樹脂を含むことができるかまたはエポキシ樹脂とすることができ、および/またはUVビームによって硬化可能である。
【0028】
さらに第2接続層は、第2ガラスはんだ材料を含むかまたはこのようなものから得られるものとすることが可能である。第2ガラスはんだ材料は、第1ガラスはんだ材料に関連して説明したのと同様の特徴、特性およびそれらの組み合わせを有することができる。
【0029】
殊に第2接続層は、電磁ビームを吸収する材料を有することができ、この材料は、希土類金属、遷移金属の群から、また殊に鉄、銅、バナジウムおよびネオジムの金属からの1つまたは複数の材料から選択される。このような1つまたは複数の吸収性の材料を第2接続層に混ぜることによって、電磁ビームに対する吸収度を高め、これによって第2接続層の硬化を加速することができる。さらに第1接続層は、上記のような吸収性の材料を含まないか、またはこの吸収性の材料を少なくとも比較的低い濃度でしか有しないため、第2接続層に入射した電磁ビームを所期のように吸収することができる。殊に吸収性材料の適性は、第2ガラスはんだ材料からなる第2接続層との組み合わせで決まる。それは、吸収特性によって第2接続層すなわち第2ガラスはんだ材料を局所的に所期のように加熱することができ、ひいてはこれのガラス化を改善することができるからである。
【0030】
上記の方法ステップFの後、第2接続層の第2ガラスはんだ材料をガラス化することができる。これは、殊に紫外光または赤外光による照射によって第2ガラスはんだ材料を溶融させることによって行うことできる。これは、例えば、レーザまたは別の適切なビーム源を用いて第2接続層に照射することできる。上で説明したように第2接続層の第2の厚さが第1接続層の第1の厚さよりも小さいことによって可能になるのは、第2ガラスはんだ材料のガラス化が、作製すべき有機オプトエレクトロニクス素子の別の構成部分の温度を大きく上昇させることがないようにすることである。したがって上記の有機オプトエレクトロニクス素子のカプセル化を低い温度で行うことができ、その際に上記の積層体の損傷が生じることはない。ここで第2接続層が薄ければ薄いほど、それだけ一層容易に第2接続層を溶融させてガラス化させることができ、またそれだけ一層容易に第2接続層と第1接続層との、また第2接続層と第1基板との持続的な接続を形成することができる。第1接続層のすでにガラス化されたガラスはんだ材料は、第2ガラスはんだ材料の溶融およびガラス化の際、第2ガラスはんだ材料との境界面の領域以外において、高粘度また殊に有利には固体のままに維持されるため、第2基板と第1基板との間隔は、実質的に第1接続層の第1の厚さを介して定めることができる。殊に有利にはこれに加えて第1ガラスはんだ材料は、第2ガラスはんだ材料よりも高い融点を有し得る。
【0031】
したがって第1ガラスはんだ材料および第2ガラスはんだ材料は組成が異なり、さらに殊にその融点が異なり得るのである。
【0032】
さらに第1接続層は、方法ステップD中またこのステップの後、第2基板とは反対側を向いた面を平坦化することができる。これは、例えばすでにガラス化した第1ガラスはんだ材料をエッチングすることによっておよび/または有利には研磨することによって行うことができ、ないしは択一的または付加的に炉における方法ステップDのガラス化プロセスにおいて相応に成形することによって行うこともできる。上記の平坦化によって例えば可能になるのは、作製した構成素子において第1接続層と第2接続層との相互の接着ならびに第1基板と第2基板との相互の間隔の最適化とを得ることである。
【0033】
さらに方法ステップAにおいて、第1接続領域に凹部を有する第1基板を用意することができる。殊にこの凹部を形成して、この凹部が上記の活性領域を両側から取り囲むようにする。この凹部は、方法ステップFの後、第2接続層が少なくとも部分的にこの凹部に配置されるようにするために設けることができる。このことが意味し得るのは、方法ステップFにおいて第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に被着されることである。択一的または付加的に可能であるのは、上記の方法ステップにおいて第2接続層を第1接続層上にも被着して、つぎに方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とを接続する際に第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に配置されるようにすることである。第2接続層が少なくとも部分的に上記の凹部に配置されることが意味し得るのは、上記の凹部が、例えば第2接続層の第2の厚さよりも浅い深さを有することである。この場合に第2接続層は、なお凹部から突出することができる。この場合に上記の凹部は、第1接続層の幅とは無関係に選択することのできる幅を有することができる。これとは択一的に上記の凹部の深さを第2接続層の第2の厚さ以上にすることも可能であり、これによって方法ステップFの後、第2接続層が完全に凹部に配置され、したがって第2接続層を第1基板および第1接続層によって完全に取り囲むことできる。この場合に例えば上記の凹部は、第1接続層の幅以上の幅を有することができる。ここでは方法ステップFの後、第1接続層も凹部に入り込むことができ、ひいては部分的に上記の凹部に配置されることが可能である。第2接続層を少なくとも部分的に凹部に配置することによって達成することができるのは、第2接続層を少なくとも部分的に周囲の雰囲気から遮断できることである。
【0034】
さらに第2基板のカバー領域には接着剤および/またはゲッタ材料を配置することができる。ゲッタ材料として有利には酸化可能な材料および/または湿気と結合する材料を使用することができ、この材料は、酸素および湿気と反応し、また少量ではあるが接着剤から例えば第2接続層を通って拡散し得る、有機機能積層体に有害な物質をバインドすることができる。容易に酸化する酸化材料として、とりわけアルカリ金属およびアルカリ土類金属およびその酸化物の群からの金属、例えば酸化カルシウムおよび酸化バリウムなどの化学吸着性材料が使用される。さらに例えばチタンなどの別の金属または酸化可能な非金属材料も好適である。さらに物理吸着性の材料として強く乾燥させたゼオライトも好適である。
【0035】
ゲッタ材料は、第2基板のカバー領域に直接被着することができるかまたはゲッタ材料および接着剤からなる混合物内にあり、この場合にこのゲッタ材料は、例えば粒子の形態で接着剤に拡散させることできる。この接着剤は、第2接続層に関連して上で説明した接着剤のうちの1つを有することできる。殊に以下に説明するケース、すなわち接着剤が有機機能積層体とは間隔を空けずに配置されるケースでは、接着剤はエポキシドを有するかエポキシ樹脂から構成することでき、ここで例えば有機機能積層体の実施形態との関連で説明したカソード材料はこのエポキシドを損傷しない。ゲッタ材料−接着剤−混合物に対して有利であるのは、ゲッタ材料の粒子を細かくひいて、この粒子が、例えばカソードなどの有機機能積層体の機械的な損傷にも結び付かず、また第1接続層と第1基板との間の第2接続層に影響を与えないようにすることである。
【0036】
殊に上記のゲッタ材料および/または接着剤は、方法ステップFの前、および方法ステップDにおいて第1ガラスはんだ材料をガラス化した後、被着することができる。このことが意味し得るのは、ゲッタ材料および/接着剤が、第1接着層も配置されている第2基板の面に配置されることであり、これによって方法ステップFにおいて第1基板と第2基板とを接続した後、ゲッタ材料および/または接着剤は、上記の有機積層体と一緒に、第1基板、第2基板、第1接続層および第2接続層によって囲まれる空所に配置される。ゲッタ材料および/または接着剤は、方法ステップFの後、有機機能積層体から離れて配置され得るため、なお第1基板と第2基板との間に残っている空所があり、この空所には、例えばガスを充填することができる。ここで上記の間隔は主に、ゲッタ材料の厚さおよび第1接続層の第1の厚さによって調整可能である。第2基板は付加的にカバー領域のキャビティ、すなわち凹部を有することができ、このキャビティに上記のゲッタ材料および/または接着剤を少なくとも部分的に配置し、また例えば有機機能積層体に対して好適に間隔が空けられる。これとは択一的に上記のゲッタ材料および/または接着剤は、有機機能積層体の周りにある全体が取り囲まれた空所を充填することできる。
【0037】
上記の有機機能積層体に対して間隔を空けてゲッタ材料を配置することにより、上記の空所に拡散する酸素および/または空所に拡散する湿気をゲッタ材料によって面で取り込むことができる。これによって上記の有機機能積層体に欠陥が生じるまで比較的高いいわゆるポンプ能力(Pumpkapazitaet)を得ることができる。これに対して上記の接着剤が、例えば上記の空所全体に配置される場合、この空所は、同時に第2接続層を構成し得る。単分散ナノ粒子をゲッタ材料として使用する場合、第2接続層をゲッタ材料−接着剤−混合物によって構成することさえも可能である。この場合には接着剤におけるゲッタ材料濃度を低くして、ゲッタ材料粒子が互いに接触せず、また拡散チャネルを構成し得ないようにする。
【0038】
殊に第2ガラスはんだ材料からなる第2接続層に関連して可能であり得るのは、また接着剤からなりかつ適切に密閉された第2接続層においても可能であり得るのは、公知のOLEDに比較して比較的少ないゲッタ材料を第2基板のカバー領域に配置するかまたはゲッタ材料をまったく配置しないことである。この場合、第1基板と第2基板のとの間に永続的に密閉された接続を作製することできるため、有機オプトエレクトロニクス素子の寿命を長くすることができ、その際にゲッタ材料は必要ない。
【0039】
さらに上記の方法ステップにおいて少なくとも1つのバリア層を有する有機機能積層体を構成することでき、ここではこのバリア層によって有機機能積層体をカバーする。したがってプラズマ援用化学気相成長法(PECVD法 plasma-enchanced chemical vapor deposition)から得られる積層体により、またはスパッタリングによってデポジットした酸化層、窒化層および/または酸窒化物層、例えば窒化シリコン(SiNx−)および/または酸化シリコン(SiO2−)層により、上記の有機機能積層体をカプセル化することができる。SiNx(N)およびSiO2(O)のこのような層の組み合わせは複数回繰り返すことができるため、個々の拡散チャネルが閉じられる。ここではこれらの拡散チャネルの各拡散チャネルは、有機機能積層体の活性面において目に見える欠陥に結び付き得るものである。しかしながらNONONONからなる積層体ではなお、密でない個々の点欠陥が生じることがあり得る。第2基板と、第1接続層と、第2接続層とを用いる上記の方法に加えてバリア層によって有機機能積層体を上記のようにカプセル化すると、水および酸素の拡散パスを延長させて、水の作用による有機オプトエレクトロニクス素子の経年変化をさらに遅延させ、これによってこの構成素子は、60℃の温度および90%の相対湿度における504時間の典型的な湿気検査に耐えることができ、その際に水または酸素が原因でありかつ長さが約400マイクロメートルよりも長い欠陥が発生することはない。
【0040】
例えば上記の有機オプトエレクトロニクス素子は、ゲッタ材料およびバリア層の組み合わせも有することができる。
【0041】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する別の1実施形態によれば、この方法には以下のステップが含まれている。すなわち、
A) 活性領域と、活性領域を両側から取り囲む第1接続領域とを有する第1基板を用意するステップと、
B) カバー領域と、このカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層を第2基板上の第2接続領域に直接被着するステップと、
D) 第1基板上の第1接続層の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 有機機能積層体を第1基板の活性領域に形成するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層上または第2基板の第2接続領域上に第2接続層を被着するステップと、
F) 第1基板と第2基板とを接続して、第2接続層により、第1接続領域と、第1接続層とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0042】
したがって上で説明した方法と比べて第1接続層も第1基板上に形成してこれをガラス化することができるのである。これにより、上記の有機機能積層体は、第1接続層をガラス化した後はじめて、方法ステップD’において第1基板上に被着されるため、方法ステップDによる有機機能積層体の損傷を回避することができる。このようにして作製可能な有機オプトエレクトロニクス素子はつぎのような特徴を有することが可能である。すなわち、
− 活性領域と、この活性領域を両側から取り囲む第1接続領域と有する第1基板。ここで上記の活性領域には、有機機能積層体(3)が形成されている。
【0043】
− 上記の活性領域上にあるカバー領域と、第1接続領域上にありかつ上記のカバー領域を両側から取り囲む第2接続領域とを有する第2基板。
【0044】
− 上記の第1接続領域と第2接続領域との間の第1接続層および第2接続層。
ただし
− 上記の第1接続層は、第2接続領域に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 上記の第2接続層により、第1接続層と第1接続領域とが接続される。
【0045】
このような有機オプトエレクトロニクス素子は、有機機能積層体を基準にした第1接続層および第2接続層の空間的な配置構成が、上で説明した有機オプトエレクトロニクス素子と比べて逆の構造を有する。この方法およびこれによって作製可能な構成素子は、上で説明した特徴、特性、実施形態およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を有することができる。
【0046】
ここで説明する方法では、前述した特性および特徴を有する有機オプトエレクトロニクス素子を作製することでき、この構成素子は、シーリング区間を有しており、すなわち、第1基板と第2基板との間で第1接続領域の第1接続層および第2接続領域の第2接続層を有しており、ここでは第1接続層および第2接続層の割合は可変かつ自由に選択可能である。第1接続層の幅および第1の厚さ、また第2接続層の幅および第2の厚さはそれぞれ、また互いの任意の関係において、材料コストおよび密閉度の最適化の観点から自由に選択可能である。第1接続層の第2の厚さは、第1接続層の第1の厚さに比べて小さくして、第1基板と第2基板との間の密な接続に必要とされる厚さにする。第2接続層が薄ければ薄いほど、それだけ一層酸素および/または湿気が有機オプトエレクトロニクス素子に入り込む危険性が小さくなり、したがってそれだけ一層この構成素子の達成可能な寿命を長くすることできるのである。
【0047】
本発明の別の有利の利点、有利な実施形態および発展形態は、図1Aないし6に関連して以下に説明する実施形態から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示す図である。
【図1B】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示す別の図である。
【図1C】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1D】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1E】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1F】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1G】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図1H】本発明の1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法を概略的に示すさらに別の図である。
【図2】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の概略図である。
【図3】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の概略図である。
【図4】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【図5】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【図6】さらに別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子のさらに別の概略図である。
【0049】
複数の実施例および図において、同じ構成部分または同じ機能を有する構成部分にはそれぞれ同じ参照符号が付されている。ここに示した素子およびこられの素子間の互いの大きさの比は、基本的に縮尺通りであるとみなすべきでなく、むしろ層、構成部分、構成素子および領域などの個々の素子は、図示し易くするためおよび/またはわかり易くするため、厚いサイズまたは大きなサイズで誇張して描かれていることがある。
【0050】
図1Aないし1Hには1実施例にしたがって有機オプトエレクトロニクス素子100を作製する方法が示されている。図1Aに示した第1方法ステップAでは第1基板1が用意され、この基板は、活性領域12と、この活性領域を取り囲む第1接続領域11とを有する。図示の実施例において基板1はガラス製である。
【0051】
活性領域12には有機機能積層体3が構成されており、この有機機能積層体は、図示の実施例において有機発光ダイオード(OLED)として実施されている。この有機発光ダイオードは基板1上に第1電極31を有しており、この第1電極上に複数の有機機能層を含む活性有機層30が被着されている。活性有機層30上には第2電極32が被着されている。第1電極31および第2電極32はアノードないしはカソードとして構成されており、これらは活性層30に正孔および電子を注入するのに適している。
【0052】
活性層30は、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンス層を有しており、この層は、動作時に上記の注入した電子と正孔との再結合による電磁ビームを放射するのに適している。活性層30は付加的に別の有機機能層を有することがあり、例えば少なくとも1つの正孔輸送層および/または電子輸送層、および/または上記の一般的な部分で説明した別の特徴などを有することがある。さらに有機機能積層体3は、上下に配置された複数のエレクトロルミネッセンス層と、それら層の間にそれぞれ配置された別の複数の有機機能層とを有する多層OLEDとして構成することも可能である。活性層30の上記の機能層は、一般的な部分で説明した小有機分子またはポリマの形態の有機材料を有することができる。
【0053】
第1電極31および第2電極32は図示の実施例においてそれぞれ透明に実施されており、例えば一般的な部分で説明したような金属および/またはTCOを有する。これにより、以下に説明する方法によって作製可能な有機オプトエレクトロニクス素子100は、ボトムエミッション型およびトップエミッション型として実施されるため、動作時に活性層30において形成される電磁ビームは、第1基板1を通過すると共に、以下に説明する第2基板を通過して放出することができ、上記の有機オプトエレクトロニクス素子100は、透明両側放射型OLEDとして構成されるのである。
【0054】
択一的または付加的には、有機フォトダイオードまたはソーラセルなどのビーム検出積層体として上記の有機機能層3を構成することもでき、および/または薄膜トランジスタなどの別の有機電子構成部分を有することもできる。
【0055】
図1Bに示した第2の方法ステップBにおいて、ガラス製の第2基板2が用意される。この第2基板は、カバー領域22と、このカバー領域を取り囲む第2接続領域21とを有する。図1Cに示した別の方法ステップでは、第1ガラス材料を有する第1接続層4を第2接続領域21の上に被着する。ここで第1ガラスはんだ材料は有利には鉛フリーであり、また例えば一般的の部分で説明した材料および組成を有する。ここで第1ガラスはんだ材料は、いわゆるガラスはんだビードまたはペーストの形態で、例えばディスペンス、スクリーン印刷またはステンシル印刷によって可塑状態で被着される。被着のために添加される溶媒および非硬化型バインダを有し得る第1接続層4は、第2接続領域21に沿ってカバー領域22を取り囲む。
【0056】
図1Dに示した別の方法ステップDでは、第1接続層4がガラス化される。このことは矢印91によって示されている。このために第1接続層4と第2基板2とを炉において熱を供給することによって乾燥させ、脱バインダし、焼結してガラス化する。この際に第2接続領域21において第1接続層4と第2基板2とが接続される。第1ガラスはんだ材料は、適切な添加物により、第2基板2に適合する熱膨張係数を有し得る。これによって第2基板2と第1接続層4との応力を伴わない溶融が可能である。第1接続層4の厚さおよび幅は、可変に選択可能であり、またコストのかかる第2基板2のガラス処理を行わなくても第1接続層4を被着する際にすでに調節可能である。上記の有機機能積層体3は、第1ガラスはんだ材料のガラス化プロセスとは関係しないため、第1接続層4のガラス化91は最適な条件下で行うことができる。ここで説明している炉プロセスとは択一的にまたはこれに付加的に第1接続層4を紫外線ないし赤外線の波長領域のビームを照射することによってガラス化することも可能である。この場合にも第1接続層4と第2基板2との気密な接続に最適な条件下でガラス化91を行うことができ、その際に有機機能積層体3に対して配慮を行う必要はない。
【0057】
以下で説明する第2接続層5の厚さの最小化および/または接着強度を改善するため、第2基板2とは反対側向いた第1接続層4の表面をガラス化91した後、平坦化することができる。これは、例えば平面仕上げによって行うことができる。これとは択一的にすでに上記の炉プロセスにおけるガラス化91中またはガラス化の前に成形を行って平坦化することが可能である。
【0058】
図1Eに示したさらなる方法ステップEでは、カバー領域12を取り囲む第1接続層4の、第2基板2とは反対側の表面に第2接続層5を被着する。ここで第2接続層5は、有利には充填剤のない硬化可能有機接着剤を有しており、これは例えばエポキシ樹脂などである。第1接続層4は、完成した有機オプトエレクトロニクス素子100における第1基板1と第2基板2との所望の間隔の点から選択される第1の厚さを有するが、これに対して第2接続層5は、第1の厚さよりも格段に薄い第2の厚さで被着することができる。例えば第2の厚さは、第1の厚さの5分の1以下であり、また殊に有利には10分の1以下である。有利には、第1基板1と第2基板2との間でなお密接した接続が可能となる分だけ第2接続層5の第2の厚さをできるだけ薄くすることできる。このために第2接続層5は、数原子層から数マイクロメートルの第2の厚さを有することができる。硬化可能有機接着剤を含めた第2接続層5の厚さが薄ければ薄いほど、第2接続層5の接着剤を通る湿気と酸素の拡散速度が小さくなり、またこのようにして作製される有機オプトエレクトロニクス素子100の寿命を長くすることができる。
【0059】
ガラス化される第1接続層4上に第2接続層5を被着するのとは択一的にまたはこれに付加的に、方法ステップEにおいて第1基板1の第1接続領域11上に第2接続層5を被着することも可能である。このことは図1Fに示した通りである。
【0060】
図1Gに示したつぎの方法ステップFでは、第2基板2を第1基板1の上に配置し、第1接続層4および第2接続層5を用いて第1基板1と接続する。このためにカバー領域22と活性領域12とが、また第1接続領域11と第2接続領域21とがそれぞれ上下に配置され、第2接続層5より、第1接続層4と第1基板1の第1接続領域11とが接続される。ここで第1接続層4および第2接続層5の幅は、図1Gに示したように少なくともほぼ同じとすることが可能である。これとは択一的に第2接続層5は、組み立て後に第1接続層4よりも大きな幅を有し、また例えば縁部を構成することも可能であり、この縁部によって第1接続層4と第2接続層5との間の境界面が取り囲まれる。
【0061】
図1Hに示した有機オプトエレクトロニクス素子100を作製するさらなる方法ステップにより、第2接続層5が硬化される。この硬化は、図1Hにおいて矢印92によって示したように、第2接続層5における硬化可能な有機接着剤の架橋によって行われ、この架橋は熱またはビームによって誘導される。これとは択一的に、例えば多成分接着剤の原理にしたがって接着剤を化学的に誘導して架橋し、硬化させることも可能である。第1接続層5を硬化92する際に有機機能積層体3に加えられるエネルギ供給量および熱供給量は、第2接続層5の第2の厚さがわずかであることに起因して十分に小さく、これを損傷することはない。
【0062】
硬化可能な有機接着剤を有する第2接続層5とは択一的に、方法ステップEにおいて第1接続層4上および/または第1基板1の第1接続領域11上に第2接続層5として第2ガラスはんだ材料を被着することも可能である。上で説明した利点は、接着剤の代わりに第2ガラスはんだ材料を使用する際にも当てはまる。殊に方法ステップFの後、例えば集束させたレーザビームを用いて第2接続層5の第2ガラスはんだ材料を所期のように溶融させてガラス化することができる。ここでは、第1基板1、有機機能層3および第1接続層4へのそれぞれの熱供給量は、小さく維持することができる。殊に有利には第2ガラスはんだ材料は、第1ガラスはんだ材料よりも低い温度で軟化する。第1接続層5として硬化可能有機接着剤を使用する場合と同様に、第2ガラスはんだ材料を使用する場合にも第2接続層5の第2の厚さが小さいことは有利である。それは第2接続層5が薄ければ薄いほど、第2接着層5をそれだけ容易に溶融してガラス化できるからである。この際には必要に応じて、第2接続層5は数原子層から数マイクロメートルの第2の厚さを有することができる。第2ガラスはんだ材料を有する第2接続層5を所期のように溶融させてガラス化するため、第2接続層5は付加的に、電磁ビームを吸収可能な材料を有することができる。これに対して第1接続層4にはこの材料が含まれない。この吸収性の材料は有利には金属または金属化合物を有しており、有利には金属酸化物を有する。例えばこの材料は、例えばバナジウム、鉄、銅、クロームおよび/またはネオジムなどの遷移金属または希土類金属またはこれらの酸化物とすることが可能である。
【0063】
図1Hに示したようにここで示した方法によって有機オプトエレクトロニクス素子100を作製することができ、ここで第2接続層5の第2の厚さは、第1接続層4および第2接続層5とを合わせた全体の厚みと比べて格段に小さく、また第1基板1と第2基板2との間の接続部の大部分は、第1ガラスはんだ材料からなりかつ酸素および湿気を通さない第1接続層4によって形成される。
【0064】
上で説明した方法とは択一的に第1基板の第1接続領域11に第1接続層4を被着し、引き続いてガラス化することも可能である。第1接続層4のガラス化によって有機機能積層体3が損傷されないようにするため、ガラス化の後にはじめてこれを被着する。この場合のこの方法は、上で説明した方法と比べて、例えばつぎのようなステップを有する。すなわち、
A) 活性領域12と、活性領域12を取り囲む第1接続領域11とを有する第1基板1を用意するステップと、
B) カバー領域22と、カバー領域22を取り囲む第2接続領域21とを有する第2基板を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層4を第1基板1上の第1接続領域11に直接被着するステップと、
D) 第1基板1において第1接続層4の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 有機機能積層体3を第1基板1の活性領域12に形成するステップと、
E) 上記のガラス化した第1接続層4上または第2基板の第2接続領域21上に第2接続層5を被着するステップと、
F) 第1基板1と第2基板2とを接続して、第2接続層5によって第2接続領域21と、第1接続層4とが接続されるようにするステップとが含まれているのである。
【0065】
以下の実施例では、上で説明した実施例による有機オプトエレクトロニクス素子100の別の変形形態を示す。したがって以下の説明では主にそれぞれの違いの説明に限定する。説明しない素子および特徴的構成は、上で説明した実施例および/または一般的な部分で説明したように実施される。
【0066】
図2および3には有機オプトエレクトロニクス素子200および300が示されており、ここでは第1基板1は第1接続領域11に、活性領域12を取り囲む凹部10を有する。
【0067】
ここで図2の実施例では、凹部10は、第2接続層5の第2の厚さよりも浅い深さを有する。凹部10によって可能になるのは、酸素および湿気に対する透過路が一層長くなることに起因して第1基板1と第2接続層5との間の境界面の密閉度をさらに高めることができることである。この凹部の幅は、第1接続層の幅とは無関係に選択することが可能である。さらに有機オプトエレクトロニクス素子200を包囲する雰囲気に直接接する、第2接続層5の部分を低減することができる。
【0068】
ここで図3の実施例によれば、凹部10は、第2接続層5の第2の厚さよりも深い深さを有する。これによって第1接続層4は凹部10に入り込み、これによって第2接続層5は、凹部10の縁部領域のギャップを除いて基板1および第1接続層4に取り囲まれる。これにより、殊に第2接続層5が接着剤を有している場合に第2接続層5を通る酸素および湿気の拡散速度を、また第2接続層5と基板1との間および第2接続層5と第1接続層4との間の境界面を通る酸素および湿気の拡散速度をさらに低減することができる。
【0069】
図4〜6の実施例には有機オプトエレクトロニクス素子400,500および600が示されており、これら素子は、素子の寿命を長くするための別の付加的な手段を有し、これらの手段は、第1接続層4および第2接続層5からなるここで説明している組み合わせと一緒に有利に使用することが可能である。
【0070】
図400に示した実施例では、バリア層33を有する有機機能積層体3を用意する。バリア層33は、PECVD法によってデポジットした酸化シリコン層および窒化シリコン層からなる積層体を有する。SiNx(N)およびSiO2(O)からなる層の組み合わせは複数回、有利に少なくとも2回に繰り返されるため、個々の拡散チャネルが閉じられる。ここではこれらの拡散チャネルの各拡散チャネルは、有機機能積層体3の活性面において目に見える欠陥に結び付き得るものである。バリア層33によるカプセリング、ならびに第1接続層3と、第2接続層5と、第2基板2とによるカプセリングとを組み合わせることにより、有機オプトエレクトロニクス素子400は、60℃の温度および90%の相対湿度における504時間の典型的な湿気検査に耐えることができ、その際に水または酸素が原因でありかつ長さが400マイクロメートルよりも長い欠陥が発生することはない。
【0071】
図5に示した実施例によれば有機オプトエレクトロニクス素子500は、第2基板2のカバー領域22に、キャビティ20、すなわち凹部を有しており、このキャビティにゲッタ材料6が配置される。ゲッタ材料6は、酸素および湿気とバインドする材料、例えば一般的な部分で説明した材料を有しており、有利にはBaOおよび/またはCaOを有する。
【0072】
図示の実施例とは択一的に、キャビティ20なしにゲッタ材料6を第2基板2のカバー領域22に配置することもできる。しかしながらキャビティ20により、有利にも有機オプトエレクトロニクス素子500の外形の高さを低くすることができる。同じことは上記の複数の実施例にも当てはまるため、上で説明した有機オプトエレクトロニクス素子100,200,300,400もキャビティ20を第2基板2に有することが可能である。
【0073】
図6に示した実施例では有機オプトエレクトロニクス素子600は、第1基板1および第2基板2ならびに第1接続層4および第2接続層5によって形成される全体的な空所に、有機機能積層体3を取り囲んで、ゲッタ材料6と接着剤7とからなる混合物を有する。有利にはエポキシ樹脂である接着剤7は、同時に第2接続層5を構成する。ゲッタ材料6は、微細に研磨した粒子の形で接着剤7に分散されており、殊に有利には単分散ナノ粒子の形態で分散されている。
【0074】
上で示した実施例の特徴は組み合わせることもでき、これによって有機オプトエレクトロニクス素子の寿命をさらに延ばすことができる。
【0075】
本発明は、実施例に基づく上記の説明によってこれらの実施例に限定されることはない。むしろ本発明にはあらゆる新規の特徴ならびに複数の特徴のあらゆる組み合わせが含まれるものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴の任意の組み合わせが含まれる。このことは、そのような組み合わせまたは組み合わせそれ自体が、特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないとしてもあてはまるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法において、
該方法は、
A) 活性領域(12)と、該活性領域を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板を用意するステップを有しており、ここで活性領域(12)は、有機機能積層体(3)を構成しており、
前記の方法はさらに、
B) カバー領域(22)と、該カバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第2基板(2)上の第2接続領域(21)に直接被着するステップと、
D) 前記の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化(91)するステップと、
E) 前記のガラス化した第1接続層(4)上または第1基板(1)の第1接続領域(11)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第1接続領域(11)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとが含まれていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法。
【請求項2】
− 前記の方法ステップCおよびDにて前記の第1接続層(4)を第1の厚さで構成し、
− 前記の方法ステップFの後、第2接続層(5)が、前記の第1の厚さの5分の1以下の第2の厚さを有するようにする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
− 前記の第2接続層(5)は、硬化可能有機接着剤を有しており、
− 当該の接着材料を前記の方法ステップF後、硬化させる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
− 前記の第2接続層(5)は、第2ガラスはんだ材料を有しており、
− 当該の第2ガラスはんだ材料を前記の方法ステップF後、ガラス化する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
− 前記の第2接続層(5)は、電磁ビームを吸収する材料を有しており、
− 前記の第1接続層(4)には当該の吸収性の材料は含まれていない、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
− 前記の方法ステップDの間または方法ステップDの後、前記の第2基板2とは反対側向いた第1接続層(4)の表面を平坦化する、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
− 前記の方法ステップAにて前記の第1基板(1)の第1接続領域(11)に、前記の活性領域(12)を両側から取り囲む凹部(10)を用意し、
− 方法ステップFの後、前記の第2接続層(5)の少なくとも一部分を前記の凹部(10)に配置する、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
− 前記の方法ステップFの前に前記の第2基板(2)のカバー領域(22)に接着剤および/またはゲッタ材料を配置する、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
− 前記の方法ステップAにて少なくとも1つのカバー状のバリア層(33)を有する有機機能積層体(3)を形成する、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法において、
該方法は、
A) 活性領域(12)と、当該活性領域(12)を両側から取り囲む第1接続領域(11)とを有する第1基板(1)を準備するステップと、
B) カバー領域(22)と、該カバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第1基板(1)上の第1接続領域(11)にて直接被着するステップと、
D) 第1基板(1)上の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 前記の第1基板(1)の活性領域(12)に有機機能積層体(3)を形成するステップと、
E) 前記のガラス化した第1接続層(4)上または第2基板(2)の第2接続領域(21)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第2接続領域(21)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとが含まれていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法。
【請求項11】
有機オプトエレクトロニクス素子において、
該有機オプトエレクトロニクス素子には、
− 活性領域(12)と、該活性領域(12)を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板(1)が含まれており、活性領域(12)に有機機能積層体(3)が形成されており、
上記の有機オプトエレクトロニクス素子にはさらに
− 前記の活性領域(12)上にあるカバー領域(22)と、第1接続領域(11)上にありかつ当該のカバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)、および
− 前記の第1接続領域(11)と第2接続領域(21)との間の第1接続層(4)および第2接続層(5)が含まれており、
ただし
− 前記の第1接続層(4)は、第2接続領域(21)に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 前記の第2接続層(5)により、第1接続層(4)と第1接続領域(11)とが接続されていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項12】
− 前記の第1接続層(4)は第1の厚さを有しており、
− 前記の第2接続層(5)は、当該の第1の厚さの5分の1以下である第2の厚さを有する、
請求項11に記載の素子。
【請求項13】
− 前記の第2接続層(5)は、硬化可能有機接着剤または第2ガラスはんだ材料を有する、
請求項11または12に記載の素子。
【請求項14】
− 前記の第2接続層(5)は、電磁ビームを吸収する材料を有しており、
− 前記の第1接続層(4)には当該の吸収性の材料が含まれていない、
請求項11から13までのいずれか1項に記載の素子。
【請求項15】
− 前記の第1基板(1)は第1接続領域(11)に、前記の活性領域(12)を両側から取り囲む凹部(10)を有しており、
− 前記の第2接続層(5)の少なくとも一部分が前記の凹部(10)に配置されている、
請求項11から14までのいずれか1項に記載の素子。
【請求項1】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法において、
該方法は、
A) 活性領域(12)と、該活性領域を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板を用意するステップを有しており、ここで活性領域(12)は、有機機能積層体(3)を構成しており、
前記の方法はさらに、
B) カバー領域(22)と、該カバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第2基板(2)上の第2接続領域(21)に直接被着するステップと、
D) 前記の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化(91)するステップと、
E) 前記のガラス化した第1接続層(4)上または第1基板(1)の第1接続領域(11)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第1接続領域(11)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとが含まれていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法。
【請求項2】
− 前記の方法ステップCおよびDにて前記の第1接続層(4)を第1の厚さで構成し、
− 前記の方法ステップFの後、第2接続層(5)が、前記の第1の厚さの5分の1以下の第2の厚さを有するようにする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
− 前記の第2接続層(5)は、硬化可能有機接着剤を有しており、
− 当該の接着材料を前記の方法ステップF後、硬化させる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
− 前記の第2接続層(5)は、第2ガラスはんだ材料を有しており、
− 当該の第2ガラスはんだ材料を前記の方法ステップF後、ガラス化する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
− 前記の第2接続層(5)は、電磁ビームを吸収する材料を有しており、
− 前記の第1接続層(4)には当該の吸収性の材料は含まれていない、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
− 前記の方法ステップDの間または方法ステップDの後、前記の第2基板2とは反対側向いた第1接続層(4)の表面を平坦化する、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
− 前記の方法ステップAにて前記の第1基板(1)の第1接続領域(11)に、前記の活性領域(12)を両側から取り囲む凹部(10)を用意し、
− 方法ステップFの後、前記の第2接続層(5)の少なくとも一部分を前記の凹部(10)に配置する、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
− 前記の方法ステップFの前に前記の第2基板(2)のカバー領域(22)に接着剤および/またはゲッタ材料を配置する、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
− 前記の方法ステップAにて少なくとも1つのカバー状のバリア層(33)を有する有機機能積層体(3)を形成する、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法において、
該方法は、
A) 活性領域(12)と、当該活性領域(12)を両側から取り囲む第1接続領域(11)とを有する第1基板(1)を準備するステップと、
B) カバー領域(22)と、該カバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)を用意するステップと、
C) 第1ガラスはんだ材料からなる第1接続層(4)を第1基板(1)上の第1接続領域(11)にて直接被着するステップと、
D) 第1基板(1)上の第1接続層(4)の第1ガラスはんだ材料をガラス化するステップと、
D’) 前記の第1基板(1)の活性領域(12)に有機機能積層体(3)を形成するステップと、
E) 前記のガラス化した第1接続層(4)上または第2基板(2)の第2接続領域(21)上に第2接続層(5)を被着するステップと、
F) 第1基板(1)と第2基板(2)とを接続して、第2接続層(5)により、第2接続領域(21)と、第1接続層(4)とが接続されるようにするステップとが含まれていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子を作製する方法。
【請求項11】
有機オプトエレクトロニクス素子において、
該有機オプトエレクトロニクス素子には、
− 活性領域(12)と、該活性領域(12)を両側から取り囲む第1接続領域(11)と有する第1基板(1)が含まれており、活性領域(12)に有機機能積層体(3)が形成されており、
上記の有機オプトエレクトロニクス素子にはさらに
− 前記の活性領域(12)上にあるカバー領域(22)と、第1接続領域(11)上にありかつ当該のカバー領域(22)を両側から取り囲む第2接続領域(21)とを有する第2基板(2)、および
− 前記の第1接続領域(11)と第2接続領域(21)との間の第1接続層(4)および第2接続層(5)が含まれており、
ただし
− 前記の第1接続層(4)は、第2接続領域(21)に直に接しておりかつ第1ガラスはんだ材料からなり、
− 前記の第2接続層(5)により、第1接続層(4)と第1接続領域(11)とが接続されていることを特徴とする、
有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項12】
− 前記の第1接続層(4)は第1の厚さを有しており、
− 前記の第2接続層(5)は、当該の第1の厚さの5分の1以下である第2の厚さを有する、
請求項11に記載の素子。
【請求項13】
− 前記の第2接続層(5)は、硬化可能有機接着剤または第2ガラスはんだ材料を有する、
請求項11または12に記載の素子。
【請求項14】
− 前記の第2接続層(5)は、電磁ビームを吸収する材料を有しており、
− 前記の第1接続層(4)には当該の吸収性の材料が含まれていない、
請求項11から13までのいずれか1項に記載の素子。
【請求項15】
− 前記の第1基板(1)は第1接続領域(11)に、前記の活性領域(12)を両側から取り囲む凹部(10)を有しており、
− 前記の第2接続層(5)の少なくとも一部分が前記の凹部(10)に配置されている、
請求項11から14までのいずれか1項に記載の素子。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2012−513079(P2012−513079A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541349(P2011−541349)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066843
【国際公開番号】WO2010/079038
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066843
【国際公開番号】WO2010/079038
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]