説明

有機オプトエレクトロニクス素子

【課題】電磁放射を放出するのに適した有機オプトエレクトロニクス素子と、その製造方法とを提供すること。
【解決手段】基板と、基板上の第1の電極と、第1の電極上に設けられ動作中に電磁放射を放射するのに適した少なくとも1つの第1の有機層列と、前記少なくとも1つの有機層列上の導電性の無機保護層と、前記無機保護層上の第2の電極とを有し、前記第1の電極(2)および第2の電極(5)のうち少なくとも1つは、透明酸化物層(21)および透明金属層(22)を含む層列(21,22,23)を有する、有機オプトエレクトロニクス素子およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102007018301.3号および102007024152.8号の優先権を主張するものであり、その開示内容は引用により本願に含まれるものとする。ここでは、独立請求項に記載された有機オプトエレクトロニクス素子および有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
特定の実施形態の少なくとも1つの課題は、電磁放射を放出するのに適した有機オプトエレクトロニクス素子を提供することである。これによってたとえば、照明または情報表示が可能になる。さらに、このような有機オプトエレクトロニク素子の製造方法を提供するという特定の実施形態の課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
これらの課題は、独立請求項の特徴部分に記載されている特徴を有する対象および方法によって解決される。従属請求項に本対象および本方法の有利な実施形態および発展形態が規定されており、また以下の説明および図面にも記載されている。
【0004】
1つの実施形態による有機オプトエレクトロニクス素子は、以下のものを有する:
・基板
・基板上の第1の電極
・第1の電極上に設けられ、動作中に電磁放射を放射するのに適した少なくとも1つの第1の有機層列
・前記少なくとも1つの有機層列上の導電性の無機保護層
・前記無機保護層上の第2の電極
ここでは、
・前記第1の電極(2)および第2の電極(5)のうち少なくとも1つは、透明酸化物層(21)および透明金属層(22)を含む層列(21,22,23)を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
ここでは、層または要素が別の層または別の要素の「上」または「上方」にあるということは、この箇所および以降では次のことを意味する。すなわち、一方の層または要素が直に、直接的に機械的および/または電気的に接触して、他方の層または他方の要素の表面上に配置されることを意味する。さらに、これは次のことも意味する。すなわち、一方の層または要素が間接的に、他方の層または他方の要素の表面上にないし上方に配置されることも意味している。この場合には、別の層および/または要素が一方の層と他方の層との間に配置される。
【0006】
第1の有機層列は導電性の無機保護層によって、動作中にもとりわけ素子の製造時にも、妨害および/または損傷から保護される。このような妨害および損傷は、たとえば有機オプトエレクトロニクス素子の製造時に発生する。第1の有機層列の妨害または損傷はたとえば、有機オプトエレクトロニクス素子の寿命を短くし、かつ/または、動作中に生成される電磁放射の放射強度を小さくすることになる。とりわけ、このような保護層によってたとえば、無機保護層がないと第1の有機層列を妨害または損傷さえしてしまう手法で第2の電極を被着することができる。たとえば、陰極スパッタリング("sputtering")のための手法によって、第2の電極または第2の電極の少なくとも一部を第1の有機層列上に被着することが望ましいかまたは必要であることがある。このような高エネルギーの工程は、保護層がないと、ガスイオンおよび/またはスパッタリング蒸着すべき材料ないしは材料粒子による有機層列との可能性のある衝撃によって、有機層列の劣化を引き起こし、ひいては、有機オプトエレクトロニクス素子の性能および信頼性を低下してしまう。陰極スパッタリングのための手法はたとえば、透明酸化物を有機層列上に被着して堆積させるのに適している。さらに、金属または金属化合物をスパッタリングによって被着することもできる。
【0007】
たとえば第2の電極は、次のような層列を含む。すなわち、透明酸化物層として透明酸化物を含む層と、透明金属層として透明に形成された金属を含む層とを有する。たとえば前記金属層は、金属が透明になるように小さい厚さを有する。これによって、第2の電極を透明にすることができる。とりわけ「透明」電極は、この箇所および以降では、次のことを意味する。すなわち、有機層列によって動作中に生成される電磁放射の少なくとも一部を、電極を通して有機層列から、ひいては有機オプトエレクトロニクス素子から放射することが可能であることを意味する。したがって有機オプトエレクトロニクス素子は、電磁放射を第2の電極を通って放射するのに適している(「トップエミッタ」)。
【0008】
択一的または付加的に、第1の電極も透明とすることができる。ここでは択一的または付加的に、第1の電極は、透明酸化物層および透明金属層を含む透明層列を有することができる。さらに、基板も透明とすることができる。このようにして有機オプトエレクトロニクス素子は、電磁放射を第1の電極および基板を通って放射するのに適するようになる(「ボトムエミッタ」)。基板はとりわけ透明な材料を含むことができる。基板は、ガラス、水晶、プラスチック、プラスチック箔、金属、金属箔、シリコンウエハ、または任意の別の適切な基板材料を含み得る。とりわけ基板は、上記で挙げられた材料の積層体または混合体を有することができる。
【0009】
さらに「透明」とは、第1の電極および/または第2の電極および/または基板が、周辺から有機オプトエレクトロニクス素子に入射された電磁放射を少なくとも部分的に透過することも意味することができる。たとえば、第1の電極および第2の電極ならびに基板が透明である場合、有機オプトエレクトロニクス素子は「トップエミッタ」としても「ボトムエミッタ」としても構成され、有機オプトエレクトロニクス素子は透明となり、したがって少なくとも部分的に透視性となり、第1の有機層列から両側で第1の電極と第2の電極とを通って電磁放射を放射するのに適するようになる。
【0010】
さらに、オプトエレクトロニクス素子は第2の電極上に封止部を有する。これによってたとえば、電極と第1の有機層列とに対し、湿度および/またはたとえば酸素等の酸化物質からの保護が実現される。この場合前記封止部は1つ又はそれ以上の層を含み得る。封止部のこれらの層は、例えば平坦化層、バリヤ層、水及び/又は酸素を吸収する層、結合層、またはそれらの組合わせであってもよい。封止部はたとえば、第2の電極の表面上ないしは上方にキャップの形態のカバーを有し、かつ/または、層または層列を有することができる。前記カバーは、とりわけ自由支持形のキャップである。適切な材料はたとえば、ガラス、プラスチック、金属、金属酸化物、たとえばSiOまたはSiN等である非金属酸化物または非金属窒化物、セラミックまたはこれらの組み合わせを含むか、または、ガラス、プラスチック、金属、金属酸化物、たとえばSiOまたはSiN等である非金属酸化物または非金属窒化物、セラミックまたはこれらの組み合わせである。さらに、カバーを積層体として構成することもできる。とりわけ、封止部を透明とし、有機オプトエレクトロニクス素子がこの封止部と一緒でも透明になるように形成することができる。付加的に第2の電極上に、たとえば封止部の面のうちで電極および有機層列に対向する面にゲッタ材料を設けることもできる。ゲッタ材料として有利には、酸化可能な材料が使用される。この酸化可能な材料は、酸素および湿気と反応してこれらの汚染物質を結合することができる。容易に酸化する酸化材料として、とりわけアルカリ金属およびアルカリ土類金属の群からの金属が使用される。たとえばゲッタ材料は、マグネシウムおよび/またはカルシウムおよび/またはバリウムおよび/またはセシウムを含む。さらに、たとえばアルミニウムおよび/またはジルコニウムおよび/またはタンタルおよび/またはチタン等である別の金属、または酸化可能な非金属材料も適している。さらにゲッタ材料は、ゼオライト群に属する材料および/またはシリカゲルを含むこともできる。
【0011】
透明金属層と透明酸化物層とを組み合わせることにより、良好な電気的特性かつ良好な光学的特性を有する第1の電極および/または第2の電極を実現することができる。「良好な電気的特性」とはここでは、電極が、金属に典型的な小さい電気抵抗を有し、ひいては良好な横方向伝導度も有すること、すなわち、電極の延在方向に沿って、金属に典型的な高い電気伝導度も有することを意味する。とりわけ、透明金属層と透明酸化物層とを組み合わせることにより、たとえば透明導電性酸化物から成る層のみを有するより低い電気抵抗が実現され、ひいてはより高い横方向伝導度が実現される。「良好な光学的特性」はとりわけ、電極が高い透明度と、さらには低い反射度とを有すること、とりわけ、透明金属のみを含む層より低い反射度を有することを意味する。このことはとりわけ、透明酸化物層が反射防止部として作用することにより実現される。こうするためには、高屈折率を有する材料が適しており、たとえば誘電体酸化物、たとえば酸化シリコンまたは酸化タンタル等が適しており、とりわけ透明導電性酸化物、またはこれらの混合物が適している。高屈折率とはここでは、たとえば1.9以上の屈折率である。たとえばTCOは、約1.9〜2.1の領域にある屈折率を有する。択一的または付加的に、第1の電極および/または第2の電極は、高屈折率を有する別の材料から成り反射防止に適した1つまたは複数の層を有することもでき、たとえばテルル化物または硫化物の領域からの材料から成る層、たとえば約2.5の屈折率を有するZnSeから成る層を有することもできる。さらに、上記の材料を組み合わせるかまたは混合して、第1の電極および/または第2の電極中に入れることもできる。
【0012】
透明導電性酸化物(transparent conductive oxides、略して「TCO」)は透明かつ導電性の材料であり、通常は、例えば酸化亜鉛、酸化錫、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウム、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)およびインジウム亜鉛酸化物等である金属酸化物である。たとえばZnO、SnOまたはIn等である第2級金属酸素化合物の他に、第3級金属酸素化合物もTCOの群に属し、たとえばZnSnO、CdSnO、ZnSnO、MgIn、GaInO、ZnInまたはInSn12、または異なる透明導電性酸化物の混合物も属する。さらに、TCOは必ずしも化学量論的な組成に相応しなくてはならないわけではなく、p型ドーピングまたはn型ドーピングすることもできる。
【0013】
第1の電極および第2の電極のうち少なくとも1つはさらに、第1の透明導電性酸化物(TCO)を含む第1の層と透明金属を含む第2の層と第2のTCOを含む第3の層とを有する層列を含むことができる。それぞれTCOを含む2つの層と、その間に、透明金属層として形成された層とを有する層列により、次のような電極が実現される。すなわち、透明金属層によって高い横方向伝導度を有し、TCOを含む高屈折性の層によって低減された反射特性を有する電極が実現される。両面において透明すなわち完全透視性である有機オプトエレクトロニクス素子では、両電極ともにそれぞれこのような層列を含むこともできる。とりわけこのようにして、2つの透明電極によって光マイクロ共振器が形成されることは全くなくなるか、または少なくとも、形成されるマイクロ共振器が低品質を有することが実現される。
【0014】
第1のTCOおよび/または第2のTCOは、TCO用の上記材料のうち1つまたは複数を有することができる。とりわけ第1のTCOおよび/または第2のTCOは、ITOおよび/またはインジウム亜鉛酸化物および/またはアルミニウム亜鉛酸化物および/または酸化亜鉛を含むか、または、ITOおよび/またはインジウム亜鉛酸化物および/またはアルミニウム亜鉛酸化物および/または酸化亜鉛から成る。さらに、第1のTCOおよび/または第2のTCOに、アルミニウムおよび/またはバナジウムおよび/またはガリウムをドープするか、またはこれらの組み合わせまたは混合物をドープすることもできる。
【0015】
TCOを含む層はとりわけ、5nm以上かつ150nm以下である。
【0016】
透明金属は、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、銀、白金、バリウム、インジウム、金、マグネシウム、カルシウムまたはリチウムと、化合物、組み合わせおよび合金とを含むか、または、上記材料のうちいずれか1つから成るか、または上記材料の組み合わせまたは合金から成ることができる。ここでは透明金属を有する層は、1nm以上かつ50nm以下の厚さを有することができ、とりわけ、20nm以上かつ40nm以下の厚さを有することができる。
【0017】
とりわけ、第1の電極及び/又は第2の電極をフラットに形成するか、または択一的に、第1の電極部分領域ないしは第2の電極部分領域において構造化して形成してもよい。例えば第1の電極は相互に平行に隣接するように配設された第1の電極ストライプの形態で設け、第2の電極はそれに対して垂直に延在する平行に隣接するように配置された第2の電極ストライプの形態で設けてもよい。第1の電極ストライプ及び第2の電極ストライプのオーバーラップは、別個に駆動制御可能な発光領域として形成することができる。さらに、第1の電極または第2の電極のみの構造化も可能である。
【0018】
たとえば電子的装置を、たとえば構造化された照明装置またはディスプレイ等として、アクティブマトリクス構成またはパッシブマトリクス構成で文字数字情報および/またはグラフィック情報を表示するために構成することができる。
【0019】
無機導電性保護層は遷移元素酸化物を含むことができ、この遷移元素酸化物はたとえば、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化ニッケル、またはこれらの組み合わせまたは混合物を含むか、または、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化ニッケル、またはこれらの組み合わせまたは混合物から成ることができる。さらに無機保護層は、たとえばマグネシウムまたは銀等である金属も含むことができる。無機保護層に対して付加的に、たとえばメタロフタロシアン等である有機材料も被着することができる。無機保護層はさらに、上記材料のうち1つまたは複数を含む1つの層を有するか、または上記材料のうち1つまたは複数を含む複数の層から成る層列を有することができ、無機保護層を択一的または付加的に均質に形成するか、または無機保護層は、上記の材料の異なる混合比および/または組成を有する複数の領域を有することができる。さらに保護層は、第1の有機層列の隣接する有機層と完全または部分的に混合および/または組み合わせることもできる。
【0020】
保護層の上方または表面上および/または第1の電極または第2の電極の上方または表面上にはさらに、第1の有機層列の均質な通電をサポートするのに適した金属を設けることもできる。たとえばこのような金属を、未構造化の均質な層中または構造化された層中に、たとえばスパッタリングによって設けることができる。たとえば、前記金属を網状に構造化することができる。択一的または付加的に、炭素ナノチューブ(「carbon nanotube」、CNT)または金属ナノ粒子を含む材料も被着することができる。「ナノ粒子」とは、ここではとりわけ、材料が次のような粒子を含むことを意味する。すなわち、1nm以上かつ数百nm以下のサイズ、すなわちたとえば1nm以上かつ数百nm以下の平均粒度および/または直径を有する粒子、とりわけ、10nm以上かつ100nm以下の平均粒度および/または直径を有する粒子を含むことを意味する。CNTおよび/または金属ナノ粒子は、高導電性のネットワークを形成することができ、たとえばCNTベースまたは自己組織性の金属ナノ複合体またはこれから成るエマルジョンの形態で設けることができ、1〜10Ω/sq以下の比抵抗と70%を上回る透明度とを有することができる。このような材料から成る層は、たとえばプリント法または噴霧法によって被着することができる。さらに有機オプトエレクトロニクス素子は、有機半導体層列として形成された第1の有機層列を有することができる。とりわけ有機半導体層列は、活性領域を有するように構成される。この有機オプトエレクトロニクス素子は、とりわけ有機発光ダイオード(OLED)として構成される。第1の有機層列は、有機材料から成る1つまたは複数の層を有する機能領域を有することができる。前記機能層は、たとえば電荷担体輸送層および/または発光層を有することができる。すなわち、たとえば電子輸送層、エレクトロルミネセンス層、正孔注入層および/または正孔輸送層を有することができる。機能層では、第1の電極および第2の電極に電子注入および正孔注入と再結合とによって電圧印加または電流印加が行われると、1つの波長または波長の領域を有する電磁放射が生成される。その際には観察者側に、単色、複数色及び/又は混合色の発光印象を与え得る。
【0021】
さらに、伝導度を上昇するために電子輸送層、正孔注入層および/または正孔輸送層にpドーピングおよび/またはnドーピングを行うこともできる。たとえば電子輸送層には、たとえばリチウムおよび/またはセシウム等であるアルカリ原子の添加によってドーピングすることができる。
【0022】
第1の有機層列はとりわけ、少なくとも1つのpドーピングされた有機層とnドーピングされた有機層とを有し、これらの有機層間に少なくとも1つのエレクトロルミネセンス層が配置される。第1の電極はアノードとして形成し、第2の電極はカソードとして形成することができる。択一的に、電極の極性を交換することもできる。
【0023】
第1の有機層列はエレクトロルミネセンス層として、たとえば白色発光性の層列を有することができ、この層列はたとえば、黄色〜橙色発光層と青色〜淡青色発光層とを有することができる。択一的または付加的に白色発光層列は、緑色発光性、青色発光性および赤色発光性の飽和層および/または非飽和層を有することもできる。択一的または付加的に、エレクトロルミネセンス層として形成された層は、1つまたは複数の異なる波長を有する電磁放射、たとえば黄色スペクトル領域と青色スペクトル領域とにある波長を有する電磁放射、または緑色スペクトル領域と青色スペクトル領域と赤色スペクトル領域とにある波長を有する電磁放射を放出するための1つまたは複数のエミッタ材料を有することができる。
【0024】
前記機能層は例えば有機ポリマー、有機オリゴマー、有機モノマー、有機系の非ポリマー小分子("small molecules")またはそれらの組合わせを有していてもよい。さらに機能層は、有機的および/または無機的な発光物質および/または波長変換物質を含むことができる。
【0025】
有機オプトエレクトロニクス素子はさらに、動作中に電磁放射を放射するのに適した第2の有機層列も含むことができる。第2の有機層列は、第1の電極と保護層との間に配置される。とりわけ、第2の有機層列は第1の有機層列と直接コンタクトして配置し、第1の有機層列と第2の有機層列とが第1の電極と保護層との間ないしは第1の電極と第2の電極との間に直列接続されるように構成することができる。第2の有機層列は、第1の有機層列に関して挙げられた特徴のうち1つまたは複数を有することができる。第2の有機層列は第1の有機層列と同様に、動作中に、単色、混合色、とりわけ白色の発光印象を観察者側に与えるのに適したものとすることができる。
【0026】
第1の有機層列と第2の有機層列とを直列接続して、第1の有機層列のnドーピングされた有機層が第2の有機層列のpドーピングされた層に隣接するかまたはその逆になるようにすることができる。隣接するnドーピング層とpドーピング層とをこのような組み合わせは、いわゆる「電荷生成層」(Charge generation layer、CGL)とも称される。1つまたは複数の「電荷生成層」を両電極のうち1つまたは双方に直接隣接して形成することにより、有機層列の有機層の順序を交換する必要なく、電極の極性を自由に設定することができる。
【0027】
さらに、有機オプトエレクトロニクス素子は別の有機層列を有することもできる。これに関しては、第1の有機層列および第2の有機層列に関して記載された事項を適用することができる。有機オプトエレクトロニクス素子はたとえば、最大6つまでの有機層列を有することができ、これらの有機層列は、上記で記載されたように配置され、相互に直列接続される。有機層列を垂直スタックの形態でこのように配置することにより、光生成時の電流効率のほぼ線形の拡大が実現される。このようにして、有機オプトエレクトロニクス素子が大面積で形成される場合でも、高い発光効率かつ低い所要電流を実現することができる。したがって上記のような有機オプトエレクトロニクス素子は、数cmまたは数dmの発光面積を有する大面積の白色照明装置として形成されるのに特に適している。
【0028】
有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法は、とりわけ以下のステップを有する:
A)基板を設けるステップ。
B)第1の電極を基板上に被着するステップ。
C)少なくとも1つの第1の有機層列を第1の電極上に被着するステップ。
D)導電性の無機保護層を前記有機層列上に被着するステップ。
E)第2の電極を保護層上に被着するステップ。
ここでは、ステップBおよび/またはステップEは以下の部分ステップを含む:
BE1)透明金属層を被着するステップ。
BE2)透明酸化物を含む第1の層を陰極スパッタリング法によって被着するステップ。
【0029】
第1の有機層列は、上記のように形成することができる。その際にはステップC)において、機能層すなわち電子輸送層および/または正孔輸送層および/またはエレクトロルミネセンス層を、たとえば熱蒸着法または抵抗蒸着法またはプリント法または噴霧法によって被着することができる。
【0030】
さらに、ステップBおよび/またはステップEは以下の部分ステップを有することができる:
BE3)透明酸化物を含む第2の層を被着するステップ。
ここでは金属層は、それぞれ透明酸化物を含む層間に設けることができる。とりわけ部分ステップBE1)およびBE3)において、それぞれ透明導電性酸化物を含む層を被着することができる。
【0031】
上記で説明したように、ステップD)において遷移元素酸化物を保護層として、とりわけ酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウムおよび/または酸化ニッケルを被着することができる。
【0032】
ステップC)においてさらに、部分ステップC1)で第1の有機層列を被着し、部分ステップC2)で第2の有機層列を被着することもできる。さらにステップC)は、上記のようにさらに別の有機層列を被着する別の部分ステップを有することもできる。とりわけ、少なくとも1つのステップC)および/またはC1および/またはC2)は、以下の部分ステップを有することができる:
Ca)第1の電荷担体輸送層を被着するステップ。
Cb)前記第1の電荷担体輸送層上に第1の有機エレクトロルミネセンス層を被着するステップ。
Cc)前記第1の有機エレクトロルミネセンス層上に第2の電荷担体輸送層を被着するステップ。
【0033】
ここでは、第1の電荷担体輸送層は正孔輸送層とし、第2の電荷担体輸送層は電子輸送層とするか、またはその逆にすることができる。さらに、電荷担体輸送層にpドーピングまたはnドーピングすることができる。
【0034】
別のステップF)で、上記のように別のステップで、炭素ナノチューブおよび/または金属ナノ粒子を第2の電極に被着することができる。たとえばこうするために、次のようなスクリーン印刷法を適用することができる。すなわち、CNTおよび/または金属ナノ粒子から成る拡散部を位置選択的に、30nm以上または200nm以下の厚さを有する層で被着し、この層を約50℃で約1分の時間で乾燥するスクリーン印刷法を適用することができる。
【実施例】
【0035】
本発明のさらなる特徴および利点を、図1〜図4Dに示した実施形態に則して以下で説明する。
【0036】
実施例および図面において、同一の構成素子または同機能の構成素子にはそれぞれ同じ参照符号を付してある。ここに図示された要素および該要素相互間のサイズ比は、基本的に拡大比率どおりであると見なすべきではない。むしろ、たとえば層、構成部分、素子および領域等の個々の要素は、より良好に見やすくし、かつ/または理解しやすくするため、過度に厚く、ないしは過度に大きい寸法で図示されていることがある。
【0037】
図1に、有機オプトエレクトロニクス素子100の実施例が示されている。ここでは、基板1上にITOから成る第1の電極2が設けられており、これはアノードとして形成されている。基板1はガラスを有し、透明である。第1の電極2上に第1の有機層列31が設けられており、これは機能層311,312,313を有する。層311はここでは正孔輸送層として形成されており、層313は電子輸送層として形成されている。層312はエレクトロルミネセンス層として形成されており、これは、動作中に白色電磁放射を放射する層とすることができる。図中の実施例では層312のみが示されているが、エレクトロルミネセンス層を択一的に、一般的に記載されるように、複数のエレクトロルミネセンス層を有する層列として構成することもできる。
【0038】
有機層列31上に無機導電性保護層4が設けられている。この無機導電性保護層4は、たとえばWO,V,MoO,ReまたはNiO等である遷移元素酸化物を含む。保護層4上に第2の電極5が設けられている。これは、第1の層51および第2の層52を有する。第1の層51は、約20〜約40nmの間の層厚さを有する透明金属から成り、これは保護層4上にスパッタリング蒸着されている。層51上に、約5nm〜約150nmの厚さの層厚さを有する透明酸化物から成る層52が設けられている。透明酸化物は、図中の実施例ではTCOであり、たとえばITO、酸化亜鉛、アルミニウム亜鉛酸化物またはインジウム‐亜鉛酸化物である。択一的に、層51および52の配置を交換して被着することもできる。第2の電極5は、ここではカソードとして形成されている。層51と層52とのこのような組み合わせにより、すなわち金属層と透明酸化物から成る層とのこのような組み合わせにより、第2の電極5の反射特性を透明金属電極より低減することができ、有機層列31で生成された電磁放射を、第2の電極5を通って効率的に放射することができる。
【0039】
第1の電極2はTCOから成り、基板1も透明に形成されているので、有機オプトエレクトロニクス素子100は両面で、すなわち第2の電極5と第1の電極2と基板1とを通って電磁放射を放射することができる。さらに、有機オプトエレクトロニクス素子100はこのようにして、透明かつ透視性となる。
【0040】
図2に有機オプトエレクトロニクス素子200の別の実施例が示されている。これは上記実施例の有機オプトエレクトロニクス素子100と比較して、2つの層21および22を含む第1の電極2も有する。層21はここでは透明金属から形成されており、層22はTCOから形成されており、たとえばITOから形成されている。択一的に、層21および22の配置を交換して被着することもできる。上記の実施例の第2の電極5に関してすでに説明したように、こうすることによって第1の電極2の反射特性を効率的に低減することができる。このことにより、第1の有機層列31で生成された電磁放射の一部が電極2および5で有機層列へ後方反射されることによって電極2および5の間に光マイクロキャビティが形成されるのを阻止することができる。
【0041】
さらに有機オプトエレクトロニクス素子200は、自由支持形のキャップの形態の封止部6を有する。これは、電極2および5と第1の有機層列31とを湿度および酸素から保護することができ、このことによって、有機オプトエレクトロニクス素子200の寿命を格段に上昇することができる。封止部6はここでは透明に形成されており、たとえばガラスから形成されることにより、有機オプトエレクトロニクス素子200はさらに両面放出するように形成される。
【0042】
図3に、有機オプトエレクトロニクス素子300の別の実施例が示されている。ここでは第2の電極5上に、炭素ナノチューブを有する別の層7が設けられている。これによって第2の電極5の横方向伝導度が上昇され、第1の有機層列31への電流の印加がより均質になる。
【0043】
さらに、有機オプトエレクトロニクス素子300も、有機オプトエレクトロニクス素子200と同様に封止部を有することができる。
【0044】
図4A〜4Dに、有機オプトエレクトロニクス素子400の製造方法が示されている。
【0045】
ここでは、第1のステップで基板1を設け、たとえばガラス基板を設ける(図4A)。択一的または付加的に、基板1はたとえば金属箔またはプラスチック箔を有することもできる。基板1上に、スパッタリングによって第1の電極2を堆積する。これは透明に形成される。第1の電極2はここでは、第1のTCOから成る第1の層21と、透明金属から成る第2の層22と、第2のTCOから成る第3の層23とを有する。スパッタリングに対して択一的に、少なくとも1つの層21,22または23を蒸着によって被着することもできる。
【0046】
第1のTCOおよび第2のTCOは、たとえばITO、インジウム亜鉛酸化物または酸化亜鉛を有し、これにAlまたはVまたはGaをドープすることができる。第1のTCOおよび第2のTCOを同じに形成するかまたは異なって形成することができる。層21および23はここでは、約5nm〜約150nmの間の厚さを有する。層22は、約1〜約50nmの厚さを有する透明金属を有し、ここでは金属は、Pd,Cu,Al,Cr,Mo,Ni,AgまたはPtであるか、またはこれらから成る混合物または合金である。これら2つのTCO層21および23と埋め込まれた透明金属層22とのこのような組み合わせにより、次のような第1の電極2、すなわち、高い電気伝導度を有し、とりわけ第1の電極2の延在方向に沿って高い横方向伝導度を有し、かつ低い反射係数を有する第1の電極2を実現することができる。このようにして、第1の電極2は高透明性に形成される。第1の電極2が基板1上に堆積されることにより、該第1の電極2の被着前に保護層を被着するステップを省略することができる。
【0047】
図4Bに示されているように、後続のステップにおいて、第1の電極2上に有機層列31,32および33を熱蒸着または抵抗蒸着によって被着する。ここでは、有機層列31,32および33はそれぞれ有機機能層311,312,313,321,322,323,331,332,333を有し、これらは一般的に詳細に記載されているように、正孔輸送層311,321,331と、電子輸送層313,323,333と、それぞれこれらの間にエレクトロルミネセンス層312,322,332として形成されている。電気伝導度を上昇するためには、正孔輸送層311,321,331および電子輸送層313,323,333にそれぞれドーピングすることにより、低い動作電圧を保証することができる。ここでは、それぞれ隣接する正孔輸送層および電子輸送層はいわゆる「電荷生成層」を構成する。図中の実施例では、エレクトロルミネセンス層312,322,332はそれぞれ同じに形成されており、動作中にそれぞれ白色電磁放射を放出する。択一的に、たとえばエレクトロルミネセンス層312は赤色電磁放射を放射し、エレクトロルミネセンス層312は緑色電磁放射を放射し、エレクトロルミネセンス層312は青色電磁放射を放射することにより、動作中にこれらの異なる電磁放射の混合によっても、観察者側に白色発光印象が与えられるようにすることができる。付加的に、別の同様の有機層列または別の異なる有機層列を有機層列31,32,33上に被着することもできる。
【0048】
図4Cに示されているように、後続のステップにおいて熱蒸着により、遷移元素酸化物から成る無機導電性保護層4を有機層列31,32,33上に堆積する。この保護層4はここでは、一般的に実施されているような遷移元素酸化物を含む。択一的に、保護層4が有機層と均質に混合されるかまたは不均質に混合されるように、たとえば構造化されて混合されるように、保護層4を被着することもできる。
【0049】
後続のステップにおいて保護層4に第2の電極5を被着する。この第2の電極5は、第1のTCOから成る第1の層51と、透明金属から成る第2の層52と、第2のTCOから成る第3の層53とを含む。第2の電極5の層51,52,53はここでは、第1の電極2の層21,22,23と同様に形成するか、または一般的に記載されているように形成することができる。保護層4が有機層列31,32,33上に設けられることにより、層51,52,53をスパッタリングによって、損傷または妨害することなく有機層列31,32,33上に設けることができる。
【0050】
さらに有機オプトエレクトロニクス素子400上に、炭素ナノチューブまたは金属ナノ粒子を含む層と、透明な封止部とを被着することもできる(図示されていない)。
【0051】
このようにして得られた有機オプトエレクトロニクス素子400は、多層電極2,5を保護層4および有機層列31,32,33のスタックとともに使用することと、高い透明度と高い発光出力と長寿命とを特徴とし、とりわけ大面積表示装置または照明装置として構成することもできる。
【0052】
本発明は、実施例の説明によって該実施例に限定されるものではない。むしろ本発明はあらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴のあらゆる組み合わせが含まれる。このことはこのような特徴またはこのような組み合わせ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていない場合であっても当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】幾つかの実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の断面を概略的に示す。
【図2】幾つかの実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の断面を概略的に示す。
【図3】幾つかの実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の断面を概略的に示す。
【図4A】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法を概略的に示す。
【図4B】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法を概略的に示す。
【図4C】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法を概略的に示す。
【図4D】別の実施例による有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法を概略的に示す。
【符号の説明】
【0054】
1 基板
2 第1の電極
31 第1の有機層列
311,321,331 有機機能層(正孔輸送層)
312,322,332 有機機能層(エレクトロルミネセンス層)
313,323,333 有機機能層(電子輸送層)
4 無機導電性保護層
5 第2の電極
6 封止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機オプトエレクトロニクス素子において、
・基板(1)と、
・該基板(1)上の第1の電極(2)と、
・該第1の電極(2)上に設けられ、動作中に電磁放射を放射するのに適した少なくとも1つの第1の有機層列(31)と、
・該少なくとも1つの第1の有機層列(31)上の導電性の無機保護層(4)と、
・該無機保護層(4)上の第2の電極(5)
とを有し、
・該第1の電極(2)および第2の電極(5)のうち少なくとも1つは、透明酸化物層(21)および透明金属層(22)を含む層列(21,22,23)を有することを特徴とする、有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項2】
・前記第1の電極(2)および第2の電極(5)は、前記電磁放射に対して透明である、請求項1記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項3】
・前記第2の電極(5)の上方に封止部(6)を有し、
・前記基板(1)および封止部(6)は透明である、請求項1または2記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項4】
・前記第1の電極(2)および第2の電極(5)はそれぞれ、透明酸化物層(21,51)および透明金属層(22,52)を含む層列を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項5】
・前記第1の電極(2)および第2の電極(5)のうち少なくとも1つはさらに、第1の透明導電性酸化物(TCO)を含む第1の層(21)と透明金属を含む第2の層(22)と第2のTCOを含む第3の層(23)とを有する層列(21,22,23)を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項6】
前記透明金属を含む層(22,52)は、1nm以上かつ50nm以下の厚さを有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項7】
前記第1のTCOおよび/または第2のTCOは、
インジウム錫酸化物と、インジウム亜鉛酸化物と、アルミニウム亜鉛酸化物と、酸化亜鉛
とから成る群に属する少なくとも1つの材料を有する、請求項5記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項8】
前記第1のTCOおよび/または第2のTCOに、Al,VまたはGaがドープされているか、またはこれらの組み合わせがドープされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項9】
前記無機保護層(4)は遷移元素酸化物を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項10】
前記無機保護層(4)は、
酸化タングステンと、酸化バナジウムと、酸化モリブデンと、酸化レニウムと、酸化ニッケル
とから成る群に属する少なくとも1つの材料を含む、請求項1から9記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項11】
前記第2の電極(5)上に、炭素ナノチューブまたは金属ナノ粒子を有する材料(7)が被着されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項12】
・動作中に電磁放射を放射するのに適した少なくとも1つの第2の有機層列(32)を有し、
該第2の有機層列(32)は、前記第1の電極(2)と前記無機保護層(4)との間に配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項13】
前記第1の有機層列(31)と第2の有機層列(32)とは、相互に直接コンタクトして配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項14】
・1つの有機層列(31)は、pドーピングされた有機層(311)とnドーピングされた有機層(313)とを有し、その間に有機エレクトロルミネセンス層(312)が配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項15】
・動作中に観察者側に白色の発光印象を与える照明装置として構成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニクス素子。
【請求項16】
有機オプトエレクトロニクス素子の製造方法において、
A)基板(1)を設けるステップと、
B)第1の電極(2)を該基板(1)上に被着するステップと、
C)少なくとも1つの第1の有機層列(31)を該第1の電極(2)上に被着するステップと、
D)導電性の無機保護層(4)を該有機層列(31)上に被着するステップと、
E)第2の電極(5)を該無機保護層(4)上に被着するステップ
とを有し、
ステップB)および/またはステップE)は、
BE1)透明金属層(22,52)を被着する部分ステップと、
BE2)透明酸化物を含む第1の層(21,51)を陰極スパッタリング法によって被着する部分ステップ
とを有することを特徴とする製造方法。
【請求項17】
ステップB)および/またはステップE)は、
BE3)透明酸化物を有する第2の層(23,53)を被着する部分ステップ
を有し、
・前記透明金属層(22,52)を、それぞれ透明酸化物を含む前記第1の層と第2の層との間に設ける、請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
・ステップD)において、遷移元素酸化物を無機保護層として被着する、請求項16または17記載の製造方法。
【請求項19】
・ステップD)において、
酸化タングステンと、酸化バナジウムと、酸化モリブデンと、酸化レニウムと、酸化ニッケル
とから成る群に属する少なくとも1つの材料を被着する、請求項16から18までのいずれか1項記載の製造方法。
【請求項20】
ステップC)は、
C1)第1の有機層列(31)を前記第1の電極(2)上に被着する部分ステップと、
C2)少なくとも1つの第2の有機層列(32)を該第1の有機層列(31)上に被着する部分ステップ
とを有する、請求項16から19までのいずれか1項記載の製造方法。
【請求項21】
ステップCは、
Ca)第1の電荷担体輸送層(311)を被着する部分ステップと、
Cb)第1の有機エレクトロルミネセンス層(312)を該第1の電荷担体輸送層上に被着するステップと、
Cc)第2の電荷担体輸送層(313)を該第1の有機エレクトロルミネセンス層上に被着するステップ
とを有する、請求項16から20までのいずれか1項記載の製造方法。
【請求項22】
F)前記第2の電極(5)上に、炭素ナノチューブおよび/または金属ナノ粒子を含む層(7)を被着するステップ
を有する、請求項16から21までのいずれか1項記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate


【公開番号】特開2008−270812(P2008−270812A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109118(P2008−109118)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】