説明

有機トランジスタ絶縁膜用組成物

【課題】耐溶剤性を有する絶縁膜を与える有機トランジスタ絶縁膜用組成物を提供する。
【解決手段】〔1〕イオン液体(A)および親水性ユニットと架橋性基とを有するポリマー(B)を含有する有機トランジスタ絶縁膜用組成物。
〔2〕前記ポリマー(B)の親水性ユニットが、(エチレンオキサイド)ユニットである〔1〕に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物。
〔3〕前記ポリマー(B)の架橋性基が、下記(1)〜(4)で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性基である〔1〕または〔2〕に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物、
(1)カチオン開環重合性を有する官能基
(2)不飽和結合を有する官能基
(3)活性水素を有する官能基
(4)活性水素と反応し得る官能基

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機トランジスタの絶縁膜用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料を用いたトランジスタ(有機トランジスタ)は、柔軟性を有するので、フレキシブルディスプレイなどに用いる半導体として、例えばアクティブ駆動回路用半導体としてその実用化が求められている。有機トランジスタの製法として、真空プロセスを用いる蒸着法と、印刷法、インクジェット法等の溶液を用いる方法が開発されている。後者の方法によると、より低温で有機半導体を製造できる。
近年、ゲート絶縁膜として、イオン液体を有機高分子でゲル化したイオンゲルを用いた有機トランジスタが良好なトランジスタ特性を示すことが報告された。(非特許文献1)
【0003】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society 2007,129,4532
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、イオン液体を有機高分子でゲル化したイオンゲル絶縁膜には耐溶剤性がないため、印刷法、インクジェット法等により絶縁膜上に有機半導体層を形成するような有機トランジスタの製造プロセスには適用できないという問題があった。
本発明の目的は、上記問題を解決し、耐溶剤性を有する絶縁膜を与える有機トランジスタ絶縁膜用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記問題を解決する絶縁膜用組成物を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、〔1〕イオン液体(A)および親水性ユニットと架橋性基とを有するポリマー(B)を含有することを特徴とする有機トランジスタ絶縁膜用組成物に係るものである。
【0006】
さらに、本発明は、〔2〕前記ポリマー(B)の親水性ユニットが、(エチレンオキサイド)ユニットであることを特徴とする〔1〕に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物、に係るものである。
〔3〕前記ポリマー(B)の架橋性基が、下記(1)〜(4)で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性基であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物、
(1)カチオン開環重合性を有する官能基
(2)不飽和結合を有する官能基
(3)活性水素を有する官能基
(4)活性水素と反応し得る官能基
に係るものである。
【0007】
また、本発明は、〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物から得られる絶縁膜を有することを特徴とする有機トランジスタ、
〔5〕さらに、自己組織化単分子層を有する前記〔4〕記載の有機トランジスタ、
〔6〕前記〔4〕〜〔5〕のいずれかに記載の有機トランジスタを有するディスプレイ用部材、
〔7〕前記〔6〕に記載のディスプレイ用部材を備えるディスプレイ、
に係るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有機トランジスタ、特に有機薄膜トランジスタに好適な耐溶剤性を有する絶縁膜、特に耐溶剤性を有するゲート絶縁膜を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の有機トランジスタ絶縁膜用組成物は、イオン液体(A)と、親水性ユニットと架橋性基を有するポリマー(B)とを含有することを特徴とする。
【0010】
本発明におけるイオン液体(A)のカチオン部としては、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピペリジニウム系カチオンが挙げられる。
該イミダゾリウム系カチオンとしては、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム カチオン、3−エチル−1−メチルイミダゾリウム カチオン等が例示できる。
該ピロリジニウム系カチオンとしては、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム カチオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム カチオン等が例示できる。
該ピペリジニウム系カチオンとしては、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム カチオン、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム カチオン等が例示できる。
【0011】
本発明におけるイオン液体(A)のアニオン部としては、テトラフルオロボレート アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド アニオン、ヘキサフルオロホスフェート アニオン等が例示できる。
【0012】
本発明におけるイオン液体(A)としては、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が例示できる。
【0013】
本発明の組成物におけるイオン液体(A)の割合は、イオン液体(A)と親水性ユニットと架橋性基とを有するポリマー(B)との合計量に対して、5重量%〜70重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、10重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは、20重量%〜60重量%である。
【0014】
本発明におけるポリマー(B)は、親水性ユニットと架橋性基を有することを特徴とし、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。
該ポリマー(B)が、分子内に親水性ユニットを含有することにより、前記イオン液体に該ポリマー(B)を均一に溶解させることができる。
【0015】
該親水性ユニットとしては、例えば下記の構造単位が挙げられる。以下この構造単位を(エチレンオキサイド)ユニットということがある。nは、通常1〜40であり、5〜20が好ましい。
【0016】

【0017】
該(エチレンオキサイド)ユニットは、前記ポリマー(B)の主鎖中に存在してもよく、また、側鎖として存在してもよい。
【0018】
前記ポリマー(B)は、分子内に架橋性基を含有する架橋性ポリマーである。
前記ポリマー(B)の架橋性基として、下記(1)〜(4)で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性基が挙げられる。
(1)カチオン開環重合性を有する官能基
(2)不飽和結合を有する官能基
(3)活性水素を有する官能基
(4)活性水素と反応し得る官能基
【0019】
前記(1)カチオン開環重合性を有する官能基としては、環状エーテル基、環状エステル基等が挙げられる。
【0020】
前記環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられ、グリシジル基、1,2−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニルエチル基等が例示できる。
該環状エーテル基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジオキセタニルエチルエーテル等が挙げられる。
該環状エステル基としては、ラクトニル基等が挙げられ、β−プロピオラクトニル基、β−ブチロラクトニル基、δ−バレロラクトニル基、ε−カプロラクトニル基等が例示できる。
該環状エステル基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジブチロラクトニルエチルエーテル、ポリエチレングリコールジカプロラクトニルエチルエーテル等が挙げられる。
【0021】
前記(2)不飽和結合を有する官能基としては、炭素−炭素二重結合基が挙げられ、ビニル基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、スチレニル基等が例示できる。
該炭素−炭素二重結合基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルベンジルエーテル等が挙げられる。
【0022】
前記(3)活性水素を有する官能基としては、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基等が挙げられる。
該フェノール性水酸基としては、ヒドロキシフェニル基、1,3−ジヒドロキシフェニル基、1,3,5−トリヒドロキシフェニル基等が例示できる。
該フェノール性水酸基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジヒドロキシフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジヒドロキシベンジルエーテル、ポリエチレングリコールジ3,5−ジヒドロキシベンジルエーテル等が例示できる。
【0023】
前記(4)活性水素と反応し得る官能基としては、イソシアネート基、酸無水物基等が挙げられる。
該イソシアネート基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジ(カルボニルアミノヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。
該酸無水物基を含有する架橋性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールジ(2−エチルマレイン酸無水物)等が挙げられる。
本発明の組成物におけるポリマー(B)の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量に対して、30重量%〜95重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、40重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは、40重量%〜80重量%である。
【0024】
本発明の絶縁膜用組成物には、適宜、硬化剤、硬化触媒、架橋剤(本発明におけるポリマー(B)を除く。)、光重合開始剤、熱重合開始剤、光酸発生剤、増感剤、有機溶媒(本発明におけるイオン液体(A)を除く。)等を添加することができる。
【0025】
該硬化剤としては、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ジアミノジフェニルスルフォン、ポリアミド樹脂、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、液状ポリメルカプタン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ジシアンジアミド、等が挙げられる。
本発明の組成物における該硬化剤の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、0.1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.5〜5重量部である。また、該硬化剤は、それぞれ2種類以上を使用してもよい。
該硬化触媒としては、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン、等が挙げられる。
【0026】
該架橋剤としては、分子内に2つ以上の架橋性基を含有する低分子化合物または分子内に2つ以上の架橋性基を含有するポリマーが挙げられる。
該分子内に2つ以上の架橋性基を含有する低分子化合物としては、ビスフェノール−A−エポキシ、1,4−ビス{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}オキセタン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、オキセタニルシリケート、オキセタニルシルセスキオキサン等が挙げられる。
該分子内に2つ以上の架橋性基を含有するポリマーとしては、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックオキセタン樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物における該架橋剤の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、1〜150重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、5〜100重量部である。また、該架橋剤は、それぞれ2種類以上を使用してもよい。
【0027】
該光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が挙げられる。
該熱重合開始剤として、熱ラジカル重合開始剤と熱カチオン重合開始剤が挙げられる。
該光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキノンまたはチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられる。
【0028】
本発明の組成物における該光ラジカル重合開始剤の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、5〜60重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、10〜50重量部である。また、該光ラジカル重合開始剤は、それぞれ2種類以上を使用してもよい。
【0029】
該光カチオン重合開始剤、該熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、ホスフェート塩、アンチモネート塩などを挙げることができる。
該光カチオン重合開始剤として、具体的には、商品名ロードシル2074(ローディアジャパン株式会社製)、商品名アデカオプトマ−SP−150(株式会社ADEKA製)、商品名アデカオプトマ−SP−152(株式会社ADEKA製)、商品名アデカオプトマ−SP−170(株式会社ADEKA製)、商品名アデカオプトマ−SP−172(株式会社ADEKA製)などが挙げられる。また、前記のもののほかに、特開平9−118663号公報記載の化合物も使用することができる。
本発明の組成物における該光カチオン重合開始剤の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、5〜60重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、10〜50重量部である。また、該光カチオン重合開始剤は、それぞれ2種類以上を使用してもよい。
該熱カチオン重合開始剤として、具体的には、商品名アデカオプトンCPシリーズ(株式会社ADEKA製)などが挙げられる。
【0030】
該熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩等のアゾ系化合物;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類;イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類;2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類が挙げられる。
【0031】
該光酸発生剤としては、例えば、[シクロヘキシル−(2−シクロヘキサノニル)−メチル]スルホニウム トリフルオロメタンスルフォネート、ビス(p−トリルスルフォニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタン、ターシャリーブチルカルボニルメチル−テトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルフォネート等が挙げられる。
該光酸発生剤としては、前記のもののほかに、特開平11―202495号公報記載の化合物などを使用することもできる。
本発明の組成物における該光酸発生剤の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、5〜60重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、10〜50重量部である。また、該光酸発生剤は、それぞれ2種類以上を使用してもよい。
該増感剤としては、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物が挙げられ、具体的には、商品名DBA(川崎化成工業製)などが挙げられる。
【0032】
該有機溶媒としては、イオン液体(A)およびポリマー(B)を溶解し得るものであれば特に制限はないが、常圧での沸点が100℃〜200℃のものが好ましく、たとえば、トルエン、キシレン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
本発明の組成物における該有機溶媒の割合は、イオン液体(A)とポリマー(B)との合計量を100重量部としたときに、10〜1000重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、100〜1000重量部である。該有機溶媒は、2種類以上を使用してもよい。
【0033】
本発明の絶縁膜用組成物を用いて、絶縁膜を形成する方法について、説明する。
本発明の絶縁膜用組成物を例えばプラスチック基板上に塗布する。該絶縁膜用組成物の塗布は、例えば、絶縁膜用組成物を有機溶媒に溶解した溶液の状態で行うことができる。
絶縁膜用組成物を含む溶液の塗布は、スピンコート法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、インクジェット法等によって行うことができる。
次に、上記のようにして塗布された絶縁膜用組成物の溶液を、乾燥させて有機溶媒を除去し、これにより絶縁膜用組成物からなる層を形成する。乾燥は、有機溶媒が揮発する程度に加熱することによって行うことができる。この際、低温でトランジスタを形成する観点からは、過度には高温としないことが望ましい。
そして、絶縁性組成物からなる層を硬化させることによって、絶縁膜を形成することができる。硬化は、上述したように、電磁線の照射又は加熱によって行うことができる。
【0034】
本発明の絶縁膜用組成物から形成された絶縁膜上に、自己組織化単分子膜層を形成しても良い。
該自己組織化単分子膜層は、例えば、有機溶媒中にアルキルクロロシラン化合物もしくはアルキルアルコキシシラン化合物を1〜10重量%溶解した溶液でゲート絶縁膜を処理することにより形成することができる。
【0035】
該アルキルクロロシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等を例示できる。
該アルキルアルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等を例示できる。
【0036】
該有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、クロロホルム等が例示できる。
【0037】
本発明の有機トランジスタは、前記の有機トランジスタ用絶縁膜組成物から得られる絶縁膜を有することを特徴とし、さらに、前記の自己組織化単分子膜層を有してもよい。該絶縁膜と該自己組織化単分子膜層とは、接していることが好ましい。
本発明の有機トランジスタ絶縁膜用組成物を用いることにより、例えば、次のように有機トランジスタを作製できる。ここでは、NMOS型の例を示す。PMOS型もCMOS型も同様にして作製できる。
【0038】
有機p型半導体層を公知の方法で作製した上に、n型ソース電極、n型ドレイン電極を公知の方法で作製する。n型ソース電極とn型ドレイン電極の間の、有機p型半導体層の上に、本発明の有機トランジスタ絶縁膜用組成物を塗布し、乾燥後、その上に、ゲート電極層とする有機組成物を塗布し、乾燥する。このようにして、NMOS型半導体を作製できる。
【0039】
本発明の有機トランジスタを用いて、好適に有機トランジスタを有するディスプレイ用部材を作製できる。該有機トランジスタを有するディスプレイ用部材を用いて、ディスプレイ用部材を備えるディスプレイを好適に作製できる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0041】
実施例1
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)1.25g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)1.00g、
【0042】


オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.25g、光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.05g、テトラヒドロフラン10gをマグネチックスタラバーが入った、30mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0043】
得られた溶液をガラス基板上にスピンコートして塗膜を形成した。得られた塗膜に高圧水銀灯を用いて紫外線を5分照射したのち、80℃で10分ポストベークを行い、更に150℃で10分ポストベークを行い硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0044】
実施例2
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)の添加量を1.88gとした以外は、実施例1と同様にして絶縁膜組成物溶液を調製し、硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0045】
実施例3
オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂をノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)とした以外は、実施例1と同様にして絶縁膜組成物溶液を調製し、硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0046】
実施例4
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)1.41g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850)1.00g、酸無水物エポキシ硬化剤(新日本理化(株)製:商品名リカシッドTMEG−100)0.41g、エポキシ硬化触媒(日本化学工業(株)製:商品名ヒシコーリンPX−4ET)の5重量%テトラヒドロフラン溶液6.00gをマグネチックスタラバーが入った、30mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な溶液を得た。
【0047】
得られた溶液をガラス基板上にスピンコートして塗膜を形成した。得られた塗膜を150℃で30分ベークを行い硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0048】
実施例5
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)の添加量を0.85gとした以外は、実施例4同様にして絶縁膜組成物溶液を調製し、硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0049】
実施例6
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)の添加量を0.56gとした以外は、実施例4同様にして絶縁膜組成物溶液を調製し、硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0050】
実施例7
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.40g、
【0051】


オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.10g、

光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.20g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.02g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0052】
得られた溶液をガラス基板上にスピンコートして塗膜を形成した。得られた塗膜にUV&Ozone Dry Stripper(Model UV−1;SAMCO製)を用いて70℃で紫外線を4分照射したのち、100℃で5分ポストベークを行い、硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0053】
実施例8
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.27g、
【0054】
オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.07g、

光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.17g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.017g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)2.5gを、マグネチックスタラバーが入った10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0055】
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0056】
実施例9
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.40g、
【0057】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.20g、


光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.20g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.02g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0058】
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0059】
実施例10
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.27g、
【0060】
フェノールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDPN−638)0.07g、


光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.17g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.017g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)2.5gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0061】
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0062】
実施例11
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.10g、
【0063】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.40g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.20g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.02g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0064】
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0065】
実施例12
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0066】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.56g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0067】
実施例13
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.25g、
【0068】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.50g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0069】
実施例14
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.56g、
オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.10g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gを、マグネチックスタラバーが入った10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0070】
実施例15
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.40g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0071】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.27g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0072】
実施例16
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0073】
1,4−ビス{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}ベンゼン(東亞合成(株)製:商品名OXT−121)0.56g、

光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0074】
実施例17
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0075】
1,4−ビス{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}ベンゼン(東亞合成(株)製:商品名OXT−121)0.38g、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル}オキセタン(東亞合成(株)製:商品名OXT-221)0.19g、


光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0076】
実施例18
1、3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬製)0.50g、


ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0077】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.27g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0078】
実施例19
1、3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(和光純薬製)0.40g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0079】

フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.27g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0080】
実施例20
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(東洋合成製)0.40g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0081】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.27g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0082】
実施例21
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東洋合成製)0.40g、


ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0083】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.75g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0084】
実施例22
N−ブチル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東洋合成製)0.40g、


ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0085】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.75g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0086】
実施例23
N−ブチル−N−メチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東洋合成製)0.40g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.20g、
【0087】
フェノールノボラックオキセタン樹脂(東亞合成(株)製:商品名PNOX)0.73g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.75g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.027g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.00gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0088】
実施例24
1、3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製)0.50g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0089】
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.56g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0090】
実施例25
N−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート(東洋合成製)0.50g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0091】
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.56g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0092】
実施例26
N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東洋合成製)0.50g、

ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(大日本インキ工業(株)製:商品名EXA−4850 n=17.5;エポキシ当量=450g/eqから算出)0.19g、
【0093】
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(東都化成(株)製:商品名エポトートYDCN−704)0.56g、
光カチオン重合開始剤(ローディアジャパン製:商品名フォトイニシエーターPI−2074)0.25g、増感剤(川崎化成工業製:商品名DBA)0.025g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)3.75gをマグネチックスタラバーが入った、10mlのサンプル管に入れ、マグネチックスターラーを用いて室温で、1時間攪拌し、均一な絶縁膜組成物溶液を得た。
【0094】
実施例7と同様にして硬化膜を得た。
得られた硬化膜上にトルエンを滴下しても膜の溶解、膨潤、剥離は、起きなかった。
【0095】
このようにして得られる膜を、有機トランジスタ絶縁膜として、好適に用いることができ、特に有機トランジスタゲート絶縁膜として好適に用いることができる。
【0096】
該有機トランジスタ絶縁膜用組成物を絶縁膜に用いて、有機トランジスタを作製できる。該有機トランジスタを用いて、好適に有機トランジスタを有するディスプレイ用部材を作製できる。該有機トランジスタを有するディスプレイ用部材を用いて、ディスプレイ用部材を備えるディスプレイを好適に作製できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン液体(A)および親水性ユニットと架橋性基とを有するポリマー(B)を含有することを特徴とする有機トランジスタ絶縁膜用組成物。
【請求項2】
前記ポリマー(B)の親水性ユニットが、(エチレンオキサイド)ユニットである請求項1に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物。
【請求項3】
前記ポリマー(B)の架橋性基が、下記(1)〜(4)で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性基である請求項1または2に記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物。
(1)カチオン開環重合性を有する官能基
(2)不飽和結合を有する官能基
(3)活性水素を有する官能基
(4)活性水素と反応し得る官能基
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれかに記載の有機トランジスタ絶縁膜用組成物から得られる絶縁膜を有することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項5】
さらに、自己組織化単分子層を有する請求項4記載の有機トランジスタ。
【請求項6】
前記請求項4〜5のいずれかに記載の有機トランジスタを有するディスプレイ用部材。
【請求項7】
前記請求項6に記載のディスプレイ用部材を備えるディスプレイ。

【公開番号】特開2009−49396(P2009−49396A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189500(P2008−189500)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】