説明

有機化合物の定量化方法

本発明は有機化合物の炭素を化学反応で二酸化炭素(CO )に連続的に変換し、分離の前または後に有機化合物を炭素化合物、好ましくは炭素同位体−13( C)を有するCO の一定の流れと混合させ、パターンの使用を伴なわないクロマトグラフィシステムから生じている有機化合物の定量化に関するものである。前記混合物は質量分析計に導入され、該質量分析計において同位体比率 C/ Cが炭素または炭素から生じている特徴的なイオン中で連続的に測定される。前記同位体比率はオンライン同位体希釈法を使用する炭素質量流れの測定に変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計器分析化学の分野に関するもので、特に各化合物用の特定の装置の計器的応答を較正する必要がなくかつその応用が環境分野および工業プロセスの制御のごとき分野を包含するクロマトグラフ分離システムを使用する有機化合物を測定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分析試験所に到来するあらゆるサンプル中の1つまたは複数の有機化合物の内容物を測定することが所望されるとき、以下の工程が一般に実施されている。
a)サンプルが固体である場合に、測定される有機化合物は適宜な溶媒中で溶解されるかまたは溶剤で処理される。液体サンプルの場合には、必要とされる全てが適宜な溶媒中で有機化合物から抽出される。このとき、または後で、ある種の内部基準がサンプルに付加され、その後方法論的なエラーを訂正する。これらの内部基準は、i)測定されるべきものおよびサンプル中に存在しないものと異なる化合物(内部基準方法)、ii)化合物中に存在する元素のいずれかの同位体存在量(アイソトピックアバンダンス)が変更される1つまたは複数の測定される化合物(同位体希釈方法)、またはiii)自然の同位体存在量を変更しない1つまたは複数の測定される化合物(基準付加方法)にすることができる。サンプルが液体であるときは、内部基準はそのサンプルに直接付加され得る。
b)いったん化合物が固体から抽出されるか、またはサンプルが液体であるとき、非クロマトグラフ技術によって他の干渉している化合物の予備濃縮または分離の工程が必要であり、その産出物が測定されねばならない。
c)最後に、調製されたサンプルは存在する種々の有機化合物を分離しかつそれらを適宜な計器的装置によって検出するためにクロマトグラフィシステムに注入される。
d)ピーク区域またはピーク高さの信号は計器信号が各化合物について異なるので、測定される各化合物の純粋な基準から設けられた較正ラインと比較される。この較正は注入されたサンプル中の有機化合物の内容物を測定することを可能にする。この分析工程は公認基準が高価でありそしてサンプル中に存在する各化合物が時間および金銭を必要とする独立の較正を必要するので、疑いなくプロセスにおいて最も高価となることが無価値となる。
e)上述したそれらの中である種の内部基準が使用される場合に、定量化方法論は僅かに異なる。
【0003】
同位体希釈法(アイソトープ希釈法)は50年以上も前から説明された典型的な元素測定技術である。それは変更された同位体存在量(トレーサ)と同じ元素の周知の量の添加によるサンプル中の元素の同位体存在量の意図的な変更および質量分析による混合物中の最終の同位体存在量の測定に基礎を置いている。
【0004】
この原理はオンライン同位体希釈法を使用しているクロマトグラフィシステムから溶出される元素の量の測定に適用することができ、その基本的な原理は種々の刊行物[(1)ないし(5)]に既に説明されている。サンプルおよびトレーサ(追跡子)はクロマトグラフ分離に続いて連続して(フロー(流れ)において)混合されそして混合物中の同位体比率(アイソトープ比)、Rmは質量分析によって時間の関数として測定される。混合物に対するトレーサの入力が時間に渡って一定に保持される場合に、混合物中で測定された同位体比率(Rm)はサンプル中で分析される元素に単に依存し、サンプル中で分析される元素は定数または変数にすることができる。
【0005】
オンライン同位体希釈法がクロマトグラフ分離に続いて元素の分析に使用される時に、クロマトグラフカラムから溶出される化合物と同位体的に豊富な元素を含有するトレーサとして使用される化学的化合物との間に存在する同位体的平衡がきわめて重要である。
【0006】
この同位体的平衡の達成はクロマトグラフカラムからの化合物とトレーサを有している化学的化合物の両方において、すべての化学結合を破壊することができるので、イオン化源として誘導結合プラズマを使用している従来技術において説明されている[(1)ないし(5)]。それゆえ、イオン化処理の有効性は分析物を包含している化学化合物または十分なトレーサの性質から独立している。オンライン同位体希釈法による有機化合物の測定に関して、イオン化源として誘導結合プラズマの使用とトレーサとして13C−と標識化した安息香酸の使用を記載している従来技術の刊行物(6)がある。このイオン化源はこの元素のイオン化処理の低い産出および大気中の炭素による潜在的な汚染とのため、炭素を測定するためには最も適さない。
【発明の詳細な説明】
【0007】
本発明は有機化合物の絶対的な測定方法の従来技術において知られる工程の幾つかを除去および/または簡単化する有機化合物の定量化方法を提供する。
【0008】
「絶対測定」または「絶対方法」は較正なしに、すなわち分析されるべき各化合物の純粋な基準を使用する必要なしに実施されるあらゆる測定または方法を意味するものと理解されるものとする。
【0009】
本発明の1つの態様は以下の工程、すなわち、
a)クロマトグラフィによってサンプル中の化合物を分離し、
b)(a)で分離された化合物を炭素−13の豊富なトレーサ(追跡子)と混合させ、
c)(b)の混合物をCO を発生するように化学的に反応させ、
d)質量分析計によって(c)において発生させた C/ Cの同位体比率を測定し、
e) C/ Cクロマトグラムをオンライン同位体希釈等式によって炭素質量の流れクロマトグラムに変換し、
前記トレーサが炭素−13の豊富なCO である場合に、また、(a)において分離された化合物の化学反応に続いて、前記トレーサとの混合が実施され得る有機化合物の定量化方法を提供する。
【0010】
本発明の方法は同位体平衡を達成するための手段としてクロマトグラフカラムから溶出された各化学的化合物中に存在する炭素を、二酸化炭素(CO )に定量的に変換する化学反応を含んでいる。前記化学反応は、
a)酸素、酸素−アルゴン混合物または酸素−水素混合物を使用するガス相燃焼反応;
b)触媒の存在において金属酸化物(CuO,Ag Oまたはその他)を使用する固体相酸化反応;
c)強力な酸化剤(過マンガン塩、二クロム酸塩、過硫酸塩またはその他)を使用する液体相酸化反応
にすることができる。
【0011】
サンプル中の各有機化合物の化学反応から得られる二酸化炭素はオンライン同位体希釈分析用の質量分析計のイオン化源に導入される前に炭素−13−の豊富なトレーサと連続的に混合される。
【0012】
Cと同位体的に標識化された炭素を導入しかつオンライン同位体希釈法を実施する本発明の方法は3つの同等に有効な以下のルート、すなわち、
a) Cで豊富にされた二酸化炭素としてトレーサを直接導入すること。
b)液体相に溶解された C中で豊富にされた他の炭素化合物(例えば、炭酸ナトリウムのごとき、有機または無機の)としてトレーサを導入すること。
c)例えばメタンの、 Cで豊富にされた他の揮発性炭素化合物としてトレーサを導入すること。
を含んでいる。
【0013】
第1の場合、すなわちトレーサとして Cで豊富にされたCO を使用する場合において、トレーサはどんな時も(カラムに続いてまたは化学反応に続いて、可動相において)クロマトグラフィシステムに導入され得るが、第2および第3の場合、すなわちトレーサがCO 以外の炭素化合物であるとき、トレーサはまたトレーサとして使用された化合物を C中で豊富にされたCO に変換するために化学反応より前に常に導入されねばならない。
【0014】
本発明の好適な実施形態において、分析されるべき有機化合物とトレーサとの混合物であるところの、得られた混合物は炭素同位体比率、 C/ Cを測定するために質量分析計に連続して導入され、かくして質量の流れクロマトグラムを得る。
【0015】
サンプルから混合物への元素の入力はクロマトグラフ分離のため時間で変化し、従って同位体希釈等式は未知の変数として元素の質量の流れを入れることによって変更される[(1)ないし(5)]。時間の関数としての質量の流れの表示はいわゆる質量の流れクロマトグラムである。各クロマトグラフピークの結合は該ピークにおける元素の質量の絶対測定を提供する。最初のサンプルの濃度はクロマトグラフィシステムに注入されたサンプルの質量(または容積)を知っている場合に計算され得る[(1)ないし(5)]。
【0016】
C/ C同位体比率の測定は質量12および13を有する炭素のモノ陽イオンおよび例えば質量44および45をそれぞれ有するCO であるようなそれから引き出された他のイオンの両方において、使用されるイオン化源に依存して実施され得る。
【0017】
本発明において開発された方法はクロマトグラフィカラムから溶出された化合物とイオン化源に導入前の同位体的に豊富なトレーサとの間に同位体平衡を達成するのを可能にする。この同位体平衡の達成は高真空で運転することができる有機化合物の分析用の最も適したイオン化源を選択することを可能にし、かくして有機化合物の良好な検出限界に転換する良好な感度および低い炭素汚染を提供する。
【0018】
それゆえ、本発明は、誘導結合プラズマ以外のイオン化源を使用するクロマトグラフィシステムの出力での C/ C同位体比率の連続測定によって、オンライン同位体希釈法を使用する有機化合物用の高感度および高精度の絶対測定方法を提供する。
【0019】
本発明の有機化合物の絶対定量化方法は従来技術に記載された有機化合物の定量化方法論に関連して以下の利点を有する。すなわち、
a)あらゆる有機化合物に存在する炭素が上述した化学反応の1つによってCO に定量的に変換され易いので、その化学形態に関係のないあらゆる有機化合物に使用され得る一般的な方法である。
b)慣例的な実験室における分析に必要なコストおよび時間を著しく減少する測定される各化合物の較正基準の使用を必要としない絶対方法である。実際に、単一の注入を有するが、どんな基準をも必要としないで、クロマトグラフィシステムから溶出されたサンプル中のあらゆる炭素含有化合物の絶対定量化を可能にする。
c)同位体希釈法を使用しかつ国際単位系に直接帰することができる主要な分析方法であると考えられ得る。
d)化学反応および豊富な炭素13のフロー(流れ)を導入するために現在のクロマトグラフィシステムの最小の変更を必要とする。
e)同位体比率を測定するとき高精度が要求されないので、低コストの質量分析計を使用する。
f)この方法論は注入される内部基準の量を絶対的に測定することができるので、サンプルの調製中の方法論的エラー、注入される量の変化または溶媒の蒸発による量の変化を補正するための内部基準の使用を可能にする。
【0020】
本発明の他の実施態様は公知の化学構造を有する有機化合物の慣例の測定がクロマトグラフ技術によって実施される環境分析(アセイ)実験室および工業処理制御実験室における液体クロマトグラフィ分離およびガスクロマトグラフィ分離の両方に記載された方法の適用である。
【0021】
特に、種々の型式のサンプル中の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、病虫害防除剤、有機塩素酸塩化合物等の測定が本発明により実現可能になる。それゆえ、適用の最も直接的な分野の1つは分析(アッセイ)実験室における有機汚染の大気的分析である。第2の重要な適用分野は製造プラントそれ自体中の実験室において通常行われている工業製品および医薬製品の品質管理および化学的プロセスの制御にある。
【0022】
分析化学内の他の適用分野はこの方法で実施される絶対定量化が非常に信頼し得る方法においてこのプロセスを研究しかつ最適化するのに使用され得るので、サンプル調製プロセス(液体−液体抽出、固体−液体抽出、固体相微小抽出等)の最適化および研究にすることができる。特殊な場合は分離プロセスにおけるエラーを補正するための内部基準の選択および使用である。
【0023】
計器的観点から、本発明は検出システム(簡単なGC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分析計)またはHPLCMS(高速液体クロマトグラフィ)装置)として質量分析計を使用するクロマトグラフィ装置及び分析機器会社によって市場で販売され易い計器的変更からなるクロマトグラフィ装置に組み込むことができる。
【0024】
この変形された装置は実験室において低コストでかつ従来の外部較正および基準付加方法によりかなり短い時間において高精度および高確率による有機化合物の慣例の分析を実施することを可能にする。
【発明の好適な実施の形態】
【0025】
図1は同位体希釈分析の基本的原理を示すグラフ図であり、「I.a」は同位体存在量、「S」はサンプル、「Mix.」は混合物、「T」はトレーサ、「a」は同位体a、「b」は同位体bである。図2は液体クロマトグラフィシステムのオンライン同位体希釈の原理を示す説明図であり、「HPLCP」はHPLCポンプ、「M,ph」は可動相、「S.」は注射器、「V.i.」は注入弁、「C」はカラム、「E.t.」は豊富なトレーサ、「P.p」は蠕動ポンプ、「I.s.(M.S.)」は質量分析計のイオン化源である。図3はガスクロマトグラフィの好適な実施形態を示す概略図であり、「C.int」は燃焼中間面、「C.inj.」はクロマトグラフィ注射器、「C.G.」はガスクロマトグラフィ、「J.」は接続部、「M.S.」は質量分析計、「(E.i.)」は電子衝突イオン化源「C.c.」はクロマトグラフィカラム、「M.f.c.」は質量流量制御器、「Res.13CO (He)」は Cの豊富なCO の容器である。
【0026】
本発明に記載された方法の良好な理解のために、電子衝突イオン化源を有する4極質量分析計を使用するガスクロマトグラフィにより有機化合物を測定するための手順を以下に説明する。
【0027】
同位体希釈分析の基本的原理は2つの同位体、すなわち、aおよびbを有する元素に関して図1に示されている。観察され得るように、同位体aはサンプル中に最も多く存在する一方、トレーサは同位体bで豊富になっている。サンプル中の同位体の存在量はサンプル中に存在する元素の量および添加されたトレーサの量に依存するサンプルおよびトレーサ中の存在量の直線の組み合わせ(リニアコンビネーション)である。サンプル(同位体a/同位体b)中の同位体比率、Rmの測定は元のサンプル中の元素の量を測定するのを可能にする。
【0028】
この基本原理はオンライン同位体希釈法を使用するクロマトグラフィシステムから溶出された元素の量の測定に適用することができ、その基本的な原理は液体クロマトグラフィシステムに関して図2に示されている。図2において観察され得るように、サンプルおよびトレーサはクロマトグラフ分離に続いて連続して混合(流れ中で)されそして混合物中の同位体比率Rmは質量分析計によって時間の関数として測定される。
【0029】
Cで豊富にされた二酸化炭素は加圧ヘリウム中に溶解されて調製された。トレーサを有する容器は出力開口を有しかつガスフロー(ガスの流れ)は混合物に添加されるトレーサの流れを正確に調整された質量流れ制御器によって制御された。他方において、燃焼中間面はセラミック管からなっているクロマトグラフィカラムの出口に取り付けられ、空気流中でCuOに予め酸化された銅線(銅スレッド)が導入されかつ計量を行うために以下の一般的な反応に関して適宜な温度(>850°C)に維持された、
CnH +(3n+1)CuO−>nCO +(n+1)H O+(3n+1)Cu
ここでCnH はあらゆる脂肪族炭化水素である。
【0030】
あらゆる有機化合物は前述の反応を定量的に発生させ、二酸化炭素、水およびヘテロ原子の存在において他の反応生成物(NO ,SO 等)に変換される。
【0031】
Cと標識化された二酸化炭素の流れが燃焼中間面の出口に添加され、そしてかくして発生された混合物が溶融シリカ管を通って質量分析計のイオン化源に導入された。
【0032】
電子衝突イオン化源を使用して、質量44(炭素12に関して)および45(炭素13に関して)を有するCO 分子イオン中の炭素同位体比率を測定することができた。測定された同位体比率は酸素の自然同位体存在量を考慮に入れることにより C/ C同位体比率に変換された。
【0033】
この同位体比率は質量の流れクロマトグラムを取得しかつ対応する統合に続いている各クロマトグラフピーク中の炭素質量を直接測定するためにオンライン希釈等式(1)に挿入された。この実施例の一般的な図は図3に示されている。
【参考文献】
【0034】
(1)「追跡元素分離のための同位体希釈分析。個人的批評」。ロドリゲス・ゴンザレス・ピー;マルシャンテ・ガイヨン、ジェイエム;ガルシア・アロンソ、ジェイアイ;サンス・メデル・エー。分光化学法令分冊B−原子10分光学、2005年、第60(2)巻、第151頁乃至第207頁(“Isotope dilution analysis for trace element speciation.A tutorial review”.Rodriguez Gonzalez,P;Marchante Gayon,JM;Garcia Alonso,JI;Sanz Medel,A.SPECTROCHIMICA ACTA PART B−ATOMIC 10 SPECTROSCOPY,2005,60(2):151−207)
(2)「同位体希釈質量分析」。ホイマン・ケージー。質量分析及びイオン作用の国際ジャーナル、1992年、第118巻、第572頁乃至第592頁(“Isotope−dilution mass spectrometry”.Heumann,KG.INTERNATIONAL JOURNAL OF MASS SPECTROMETRY AND ION PROCESSES,1992,118:575−592)
(3)「二重焦点ICP−MSを有するポスト−カラム同位体希釈分析に結合されるアニオン交換クロマトグラフィを使用するヒト血漿中の必須元素の種形成」。ムニス・シーエス、マルシャンテ・ガイヨン、ジェイエム;ガルシア・アロンソ、ジェイアイ;サンス・メデル・エー。分析原子分光学雑誌、2001年、第16(6)巻、第587頁乃至第592頁(“Speciation of essential elements in human serum using anion−exchange chromatography coupled to post−column isotope dilution analysis with double focusing ICP−MS”.Muniz,CS,Marchante Gayon,JM;Garcia Alonso,JI;Sanz Mekel,A.JOURNAL OF ANALYTICAL ATOMIC SPECTROSCOPY,2001,16(6):587−592)
(4)「ポスト−カラム同位体希釈分析ICP−MSに結合される親和性クロマトグラフィによるヒト血漿中のセレニウムの定量的種形成」。レイエス・エルエッチ、マルシャンテ・ガイヨン、ジェイエム、ガルシア・アロンソ、ジェイアイ;サンス・メデル・エー。分析原子分光学雑誌、2003年、第18(10)巻、第1210頁乃至第1216頁(“Quantitative speciation of selenium in human serum by affinity chromatography coupled to post−column isotope dilution analysis ICP−MS”.Reyes,LH,Marchante−Gayon,JM,Garcia Alonso,JI;Sanz Medel,A.Journal OF ANALYTICAL ATOMIC SPECTROSCOPY,2003,18(10):1210−1216)
(5)「同位体希釈誘導結合プラズマ質量分析計による生物学的および環境的物質中のカドミウムの測定:フローサンプル導入方法の効果」。モタ・ジェイピーヴィ、デ・ラ・カンパ、エムアールエフ、ガルシア・アロンソ、ジェイアイ;サンス・メデル・エー。分析原子分光学雑誌、1999年、第14(2)巻、第113頁乃至第120頁(“Determination of cadmium in biological and environmental materials by isotope dilution inductively coupled plasma mass spectrometry:Effect of flow sample introduction methods”.Mota,JPV,De la Campa,MRF,Garcia Alonso,JI;Sanz Medel,A.JOURNAL OF ANALYTICAL ATOMIC SPECTROSCOPY,1999,14(2):113−120)
(6)「溶解された有機炭素測定用のICP−IDMS方法の開発および腐食質物質を有する重金属複合体のクロマトグラフ部片へのその応用」。ヴォーグル・ジェイ;ホイマン・ケージー。(“Development of an ICP−IDMS method for dissolved organic carbon determinations and its application to chromatographic fractions of heavy metal compelexes with humic substances”.Vogl,J;Heumann,KG.ANALYTICAL CHEMISTRY,1998,70(10):2038−2043)
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】同位体希釈分析の基本的原理を示すグラフ図である。
【図2】液体クロマトグラフィシステムのオンライン同位体希釈の原理を示す説明図である。
【図3】ガスクロマトグラフィの好適な実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0036】
S サンプル
Mix 混合物
T トレーサ
MS 質量分析計
GS ガスクロマトグラフィ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機化合物の定量化方法において、
a)クロマトグラフィによってサンプル中の化合物を分離し、
b)(a)で分離された化合物を炭素−13の豊富なトレーサ(追跡子)と混合させ、
c)(b)の混合物をCO を発生させるように化学的に反応させ、
d)質量分析計によって(c)で発生させた C/ Cの同位体比率を測定し、
e) C/ C同位体比率クロマトグラムをオンライン同位体希釈等式によって炭素質量の流れクロマトグラムに変換し、
前記トレーサが炭素−13の豊富なCO である場合に、(a)において分離された化合物の化学反応に続いて、前記トレーサとの混合が実施され得ることを特徴とする有機化合物の定量化方法。
【請求項2】
前記トレーサが炭素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物用の定量化方法。
【請求項3】
前記トレーサが炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項4】
前記トレーサが揮発性炭素化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項5】
前記トレーサがメタンであることを特徴とする請求項4に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項6】
前記分離が液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィによって実施されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項7】
C/ C同位体比率が直接測定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項8】
同位体比率が Cおよび Cから引き出されたイオンによって測定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項9】
C/ C比率から引き出されたイオンがそれぞれ質量44および45を有するCO であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機化合物の定量化方法。
【請求項10】
前記質量分析計のイオン化源が電子衝突イオン化源であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の有機化合物の定量化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−511887(P2009−511887A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535050(P2008−535050)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/ES2006/070153
【国際公開番号】WO2007/042597
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(508112162)
【Fターム(参考)】