説明

有機化合物

2−フェニル−2−アルケンニトリルの、フレグランス成分としての使用、およびそれらを含むフレグランス適用品。これらのフレグランス適用品は、例えば、香水、家庭用品、ランドリー製品、ボディケア製品および化粧品であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−フェニル−2−アルケンニトリルおよびそのフレグランス成分としての使用に関する。
フレグランス産業においては、香りノート(odour notes)を増強もしくは改善するかまたは新しい香りノートを付与する新しい化合物に対する恒常的な需要がある。
【0002】
ここで、ある2−フェニル−2−アルケンニトリルが、新しい強力な着臭剤(odorants)を構成することを見出した。いくつかの2−フェニル−2−アルケンニトリルが中間体として知られているが(例えば、米国特許第5,389,608号を参照のこと)、これらの中間体、すなわち、a,b−不飽和ニトリルが、フレグランス産業用に好適となる香り特性を有することについての、文献における示唆はない。ある2−フェニル−2−アルケンニトリルの香り特性に関する唯一の示唆は、2-フェニル-ブト−2−エンニトリルをかび臭い不快臭を有する化合物として開示するE. C. Knowlesら(Journal of the American Chemical Society (1932), 54, page 2028-2037)によるものである。
【0003】
驚くべきことに、ある2−フェニル−2−アルケンニトリルが、その非常に心地よいフローラルでフレッシュなRosacetol様の香りノートのみならず、飽和化合物と比較して約7〜9倍低い非常に低い香り閾値ゆえに、フレグランス成分として非常に好適であることを見出した。したがって、本発明の2−フェニル−2−アルケンニトリルは、その飽和対応物よりはるかに強力である。
【0004】
したがって、本発明は、その面の1つにおいて、式I
【化1】

式中、RおよびRは、独立してH、C1−8アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、n−ブチル、tert−ペンチル、イソペンチルおよびn−ペンチル)またはC2−8アルケニル(例えば、ビニル、アリルおよび1−ブテニル)であり、但し、残基RおよびRの少なくとも1つは水素ではなく;
は、H、メトキシ、C1−4アルキル(例えば、メチル、エチルもしくはプロピル)またはC2−4アルケニル(例えば、ビニルもしくはアリル)であり;
および、式Iの化合物の炭素原子の合計が≦18、好ましくは11〜16の間である、
である化合物のフレグランス成分としての使用に関する。
【0005】
本発明の化合物は、キラル中心および/またはE/Z−立体配置二重結合のような1または2以上の立体ユニットを含んでいてもよく、また立体異性体の混合物として存在していてもよく、あるいは、異性体として純粋な形態として溶解されていてもよい。立体異性体の溶解は、これらの化合物の製造および精製を複雑にするので、単純に経済的理由のためには、これらの化合物を立体異性体の混合物として使用することが好ましい。しかしながら、個別の立体異性体を調製したい場合、これは当該分野において公知の方法論、例えば、調整用HPLCおよびGCによって、または立体選択的な合成によって達成し得る。
【0006】
式Iの特に好ましい化合物は、3−メチル−2−フェニル−ブト−2−エンニトリル、3−エチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル、(2E)−2−フェニル−オクト−2−エンニトリル、3−メチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル、3−メチル−2−p−トリル−ブト−2−エンニトリル、3,7−ジメチル−2−フェニル−オクタ−2,6−ジエンニトリル、(2E)−5−メチル−2−フェニル−ヘキサ−2,4−ジエンニトリル、2−(2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリルおよび2−(3−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリルである。
最も好ましいのは、その香りノートゆえに、3-メチル-2-フェニル-ブト-2-エンニトリルであり、これはrosacetol(トリクロロメチルフェニルカルビニル(carbinyl)アセテート)のそれに極めて近い。
【0007】
本発明の化合物は、単独で用いても、または、精油、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、大員環および複素環などの現在入手し得る広範囲の天然分子および合成分子から選択されるは既知の着臭剤分子と組み合わせて用いても、および/またはフラグレンス組成物において着臭剤と組み合わせて従来から使用されている1つまたは2つ以上の成分または賦形剤(例えば、当該分野で一般に使用される担体材料および他の補助剤など)と混和して用いてもよい。
【0008】
以下のリストは、本発明の化合物と組み合わせ得る既知の着臭剤分子の例を含む:
− エーテル油および抽出物、例えば、オークモスアブソリュート(oak moss absolute)、メボウキ油、ベルガモット油およびマンダリン油などのトロピカルフルーツ油、マスチックアブソリュート、マートル油、パルマローザ油、パチョリ油、プチグレン油、ヨモギ油、ラベンダー油、ローズ油、ジャスミン油、イランイラン油およびビャクダン油。
− アルコール、例えば、シス−3−ヘキサノール、シンナミックアルコール、シトロネロール、Ebanol(登録商標)、オイゲノール、ファルネソール、ゲラニオール、メントール、ネロール、ロジノール、Super Muguet(登録商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、Sandalore(登録商標)、テルピネオールおよびTimberol(登録商標)(1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサノール−3)。
【0009】
− アルデヒドおよびケトン、例えば、シトラール、ヒドロキシシトロネラル、Lilial(登録商標)、メチルノニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド、アリルイオノン、ベルベノン、ヌートカトン、ゲラニルアセトン、α-アミルシンナミックアルデヒド、Georgywood(登録商標)、ヒドロキシシトロネラル、Iso E Super(登録商標)、Isoraldeine(登録商標)(メチルイオノン)、Hedione(登録商標)、マルトール、メチルセドルリケトンおよびバニリン。
− エーテルおよびアセタール、例えば、Ambrox(登録商標)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキシドおよびSpirambrene(登録商標)。
【0010】
− エステルおよびラクトン、例えば、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、γ−デカラクトン、Helvetolide(登録商標)、γ−ウンデカラクトン、ベチベニルアセテート(vetivenyl acetate)、シンナミルプロピオネート、シトロネリルアセテート、デシルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアセチルアセテート、シス−3−ヘキシニルイソブチレート、リナリルアセテートおよびゲラニルアセテート。
− 大員環、例えば、アンブレットリド、エチレンブラシレートおよびExaltolide(登録商標)。
− ヘテロ環、例えば、イソブチルキノリン。
【0011】
本発明の化合物は、広範なフレグランス適用品において、例えば、ファインパフューマリー(fine perfumery)および機能性パフューマリーの任意の分野において、香水、家庭用品、ランドリー製品、ボディケア製品および化粧品などに用いられ得る。本化合物は、特定の適用および他の着臭剤成分の性質および量に依存して、広く変化させた量で用いることができる。比率は、代表的には、適用品の0.001〜5重量パーセントである。1つの態様において、本発明の化合物は、柔軟剤において、0.001〜0.05重量パーセントの量で用い得る。他の態様において、本発明の化合物は、ファインパフューマリーにおいて、0.1〜5重量パーセント、より好ましくは、0.1重量パーセントと2重量パーセントとの間の量で用いられ得る。しかしながら、経験のあるパフューマーはまた、より低いまたはより高い濃度で効果を達成し得るかまたは新規の調和を創出し得るので、これらの値は例示のためだけに示される。
【0012】
驚くべきことに、式Iの化合物が、皮膚におけるプロスタグランジンの形成を阻害するかまたは少なくとも減退させる能力を有し、皮膚を滑らかにすることに潜在的に好適であることを見出した。したがって、式Iの化合物は、皮膚に直接適用する軟膏、デオドラントおよびサンローションなどのボディケア製品および化粧品に特に好適である。
【0013】
本発明の化合物は、単にフレグランス組成物とフレグランス適用品とを直接混ぜることによってフレグランス適用品に用いても、または、より早い段階で取り込み材料(例として、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成体、カーボンもしくはゼオライト、環状オリゴ糖およびこれらの混合物などの吸収剤が挙げられる)に取り込んでも、または、光、酵素などの外部刺激の適用の際にフレグランス分子を放出するように適応された基材に化学的に結合させて、次いで、適用品と混合してもよい。
【0014】
したがって、本発明はさらに、化合物を適用品に直接混和することによって、または、式Iの化合物を含むフレグランス組成物を混和し、次いで従来の技術および方法を用いてフレグランス適用品に混合することによって、フレグランス成分として式Iの化合物を組み込むことを含む、フレグランス適用品の製造方法を提供する。
【0015】
ここで用いる場合、「フレグランス適用品」は、例えば、オードパヒューム(eau de perfumes)およびオードトワレ(eau de toilettes)などのファインフレグランス;例えば、食器洗い用洗剤、表面クリーナーなどの家庭用品;例えば、柔軟剤、漂白剤、洗剤などのランドリー製品;例えば、シャンプー、シャワージェルなどのボディケア製品;および、例えば、デオドラント、バニシングクリーム(vanishing cremes)などの化粧品など、着臭剤を含む任意の製品を意味する。この製品のリストは、説明のために挙げたもので、何ら限定するものとみなされるべきではない。
【0016】
式Iの化合物は、スキーム1に示すように、式IIIのシアン化ベンジルと対応するカルボニル化合物との縮合によって製造し得る。式中、R、RおよびRは、上記のものと同じ意味である。
スキーム1:
【化2】

【0017】
シアン化ベンジル(III)を過剰の対応するカルボニル化合物(II)に溶解する。次いで、例えば、t-ブトキシドカリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基を添加し、得られた混合物を50〜100℃、好ましくは50〜70℃で加熱する。反応生成物(I)を、当業者に知られる標準的な抽出技術で単離し、減圧下で蒸留によって精製する。
【0018】
ここで本発明をさらに、以下の非限定的な例を参照して説明する。
例1:3−メチル−2−フェニル−ブト−2−エンニトリル
シアン化ベンジル(50.0g、0.43mol)を、アセトン(150ml)およびメタノール(20ml)の混合物中で溶解し、次いで、撹拌しながらKOH(10g、0.15mol)を添加する。完全に溶解した後、褐色の混合物を90分間、65℃(油浴)まで加熱した。該混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣をトルエン中で溶解し、半飽和NaCl水溶液で3回洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をショートパス装置(short-path apparatus)を介して0.07mbarで蒸留する。77℃で蒸留したフラクションを集め(33g)、ウィドマーカラム(Widmer-column)を介して細かな蒸留(fine distillation)に供し、無色のオイルとして、31.3g(47%)の3−メチル−2−フェニル−ブト−2−エンニトリルを得る(b.p.85℃/0.05mbar)。
【化3】

香りの記述:フローラル、Rosacetol、フレッシュ、シトラス、乾燥干草、タバコ。
【0019】
例2:(2E)−2−フェニル−オクト−2−エンニトリル
ナトリウム(27.6g、1.2mol)をメタノール(550ml)に溶解し、シアン化ベンジル(140.4g、1.2mol)を添加し、その後、内部温度を20〜25℃の間に保ったまま、ヘキサノール(164.2g、1.44mol)を一滴ずつ45分間かけて添加する。混合物をさらに、90分間、室温で撹拌し、次いで、ヘキサンで3回抽出する。有機層を水、2N HCl水溶液、次いで塩水(brine)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をショートパス装置を介して0.04mbarで蒸留した。114〜121℃で蒸留したフラクションを集め(172g)、ウィドマーカラムを介して細かな蒸留に供し、無色のオイルとして、嗅覚的に純粋な2−フェニル−オクト−2−エンニトリル(113g、44%)を得た(b.p.113〜115℃/0.03mbar)。
【化4】

香りの記述:フレッシュ、グリーン、ジャスミン、サリチレート。
【0020】
例3:3−メチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル
ブタノン(45.0g、0.63mol)を、シアン化ベンジル(58.5g、0.50mol)およびナトリウムメトキシド(MeOH中30%、34.3ml、0.185mol)の混合物に添加し、得られた懸濁液を60℃(油浴)まで加熱し、この温度で6時間撹拌する。生成物をシクロヘキサンで抽出し、希釈NaHCO溶液および塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をショートパス装置を介して0.05mbarで蒸留する。90℃で蒸留したフラクションを集め(45g)、ウィドマーカラムを介して細かな蒸留に供し、無色のオイルとして、嗅覚的に純粋な3−メチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル(19g、22%)を得る(b.p.102℃/0.05mbar)。(E/Z)比は約55:45である。
【化5】

香りの記述:スウィート、フローラル、グリーンハニー、サリチレート、オレンジブロッサム。
【0021】
例4:3−メチル−2−p−トリル−ブト−2−エンニトリル
p−トリルアセトニトリル(18.5g、0.14mol)を、アセトン(50ml)とメタノール(6.7ml)との混合物中で溶解し、KOH(3.33g、0.05mol)を添加する。得られた混合物を65℃(油浴)まで加熱し、3時間撹拌する。揮発物をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をトルエン中で溶解し、半飽和NaCl水溶液で3回洗浄する。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をショートパス装置を介して0.06mbarで蒸留する。77℃で蒸留したフラクションを集め(11g)、ウィドマーカラムを介して細かな蒸留に供し、無色のオイルとして、3.54g(15%)の3−メチル−2−p−トリル−ブト−2−エンニトリルを得た(b.p.90〜95°C/0.05mbar)。
【化6】

香りの記述:シトラス、ロージー、フルーティー、ミンティー。
【0022】
例5:3,7−ジメチル−2−フェニル−オクタ−2,6−ジエンニトリル
6−メチル−ヘプト−5−エン−2−オン(90.86g、0.72mol)とシアン化ベンジル(46.8g、0.40mol)との混合物に、MeOH(25.0ml、0.10mol)中4NのKOH溶液を一滴ずつ加える。得られた懸濁液を、加熱して4.5時間還流する。次いで、メタノールを蒸留によって除去し、残渣を6N HCl水溶液で洗浄し、次いで水、飽和NaHCO水溶液および塩水で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をウィドマーカラムで2回蒸留し、無色のオイルとして、3,7−ジメチル−2−フェニル−オクタ−2,6−ジエンニトリル(21.5g、24%、(E/Z)混合)を得る(b.p.122℃/0.1mbar)。
【化7】

香りの記述:フローラル、ハニー、シナモン、スウィート。
【0023】
例6:(2E)−5−メチル−2−フェニル−ヘキサ−2,4−ジエンニトリル
ナトリウム(9.2g、0.4mol)をメタノール(130ml)中で溶解し、シアン化ベンジル(46.8g、0.40mol)を添加し、続いて、メタノール(100ml)中の3−メチル−2−ブテナール(40.3g、0.48)の溶液を注意深く添加する。得られた懸濁液を室温で20時間撹拌し、次いで、例2に記載した手順に従って仕上げた。粗生成物をヘキサンから2回結晶化し、5−メチル−2−フェニル−ヘキサ−2,4−ジエンニトリル(44.9g、61%)、m.p.66〜67℃を得た。
【化8】

香りの記述:パウダリー、シナモン、ベンズアルデヒド。
【0024】
例7:2−(2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリル
例1に記載の手順に従い、o−メトキシベンジルシアノイド(18.6g、127mmol)を、メタノール(6.5ml)およびKOH(3.33g、50mmol)の添加のもと、アセトン(50ml)で凝縮し、仕上げおよび106〜110℃/0.05mbarでの蒸留の後で、2−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリル(1.7g、7%)を得る。
【化9】

香りの記述:シトラス、ヒヤシンス、クマリン。
【0025】
例8:2−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリル
例1に記載の手順に従い、p−メトキシベンジルシアノイド(18.6g、127mmol)を、メタノール(6.5ml)およびKOH(3.33g、50mmol)の添加のもと、アセトン(50ml)で凝縮し、仕上げと111〜113℃/0.05mbarでの蒸留の後、2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリル(14.3g、18%)を得る。
【化10】

香りの記述:フローラル、アニス、スウィート。
【0026】
例9:3−エチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル
表題の化合物は、例1に記載の手順に従って、塩基の存在下、シアン化ベンジルと3−ペンタノンとを反応させることにより製造した。
【化11】

香りの記述:グリーン、フローラル、ロージー。
【0027】
例10:香りの評価
当業者に知られた標準の手順に従って、揮発性のパフューマリー化合物の閾値を、スニッフポート(sniff port)を備えたガスクロマトグラフで、訓練された個体のパネルによって決定した。各個体がにおいを感知した(smell)最終濃度を、ng(スニッフポートで送達される化合物の絶対量)で表わされる個々の閾値として記録した。全ての化合物を、同じパネルによって評価した。各組(飽和化合物と不飽和化合物)を同じ日に評価した。結果を表1に示す。
【表1】

【0028】
例11:シャンプー用香り組成物の調製
【表2】

本処方におけるジプロピレングリコールを、例1に記載の16重量部の3−メチル−2−フェニル−ブト−2−エンニトリルによって置き換えると、そのフローラル・ロージーな面が増強され、放射性(radiant)と実体性(substantive)とが与えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、RおよびRは、独立してH、C1−8アルキルまたはC2−8アルケニルであり、但し、残基RおよびRの少なくとも1つは水素ではなく;
は、H、メトキシ、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルであり;
および、式Iの化合物の炭素原子の合計が≦18である、
の化合物のフレグランス成分としての使用。
【請求項2】
3−メチル−2−フェニル−ブト−2−エンニトリル、3−エチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル、(2E)−2−フェニル−オクト−2−エンニトリル、3−メチル−2−フェニル−ペント−2−エンニトリル、3−メチル−2−p−トリル−ブト−2−エンニトリル、3,7−ジメチル−2−フェニル−オクタ−2,6−ジエンニトリル、(2E)−5−メチル−2−フェニル−ヘキサ−2,4−ジエンニトリル、2−(2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリルおよび2−(3−メトキシ−フェニル)−3−メチル−ブト−2−エンニトリルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項3】
請求項1または2に記載の式Iの化合物を含むフレグランス組成物。
【請求項4】
請求項1または2に記載の式Iの化合物をベース材料に組み込むステップを含む、フレグランス組成物の製造方法。
【請求項5】
香りノートを増強または改善するか、新しい香りノートをフレグランス適用品に付与する方法であって、請求項1または2に記載の式Iの化合物をベース材料に組み込むステップを含む、前記方法。
【請求項6】
フレグランス適用品が、香水、家庭用品、ランドリー製品、ボディケア製品および化粧品からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。

【公表番号】特表2008−523175(P2008−523175A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544712(P2007−544712)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000726
【国際公開番号】WO2006/060931
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】