説明

有機化合物

【課題】固体状態において高い色純度の青色発光を示す有機化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式で表される化合物。
【化1】


[式中、
はn価(nは3以上の整数を表す)の橋かけ環炭化水素基であって、Rの三級炭素原子または二級炭素原子における水素原子の少なくとも3つが置換基Rで置換されている。これらの基は置換基を有してもよく、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
はアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基、又は、−O−Rで表される基を示し、Rのうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基または縮合環を有する芳香族複素環基であり、Rは、アルキル基、アリール基、又は、1価の芳香族複素環基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子に用いられる赤色発光材料および緑色発光材料については、当該素子において高い色純度を示す発光性有機化合物が報告されている。しかしながら、青色発光材料については、ベンゾフルオランテン構造を中心骨格に有する有機化合物を用いた発光素子が報告されているが、色純度としては十分なものではない(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−189247号公報
【特許文献2】特開2005−235787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、固体状態(特に薄膜状態)において高い色純度の青色発光を示す有機化合物を提供するとともに、該有機化合物を用いた高い色純度の青色発光を示す発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第一に、下記一般式(1)で表される化合物を提供する。
【化1】

[式中、
はn価(nは3以上の整数を表す)の橋かけ環炭化水素基であって、Rの三級炭素原子または二級炭素原子における水素原子の少なくとも3つが置換基Rで置換されている。
はアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Rのうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有してもよく、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有してもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
【0006】
本発明は第二に、下記一般式(2)で表される化合物を提供する。
【化2】

[式中、
u1は水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Ru1のうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有してもよく、複数あるRu1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有してもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
【0007】
本発明は第三に、下記一般式(3)で表される化合物を提供する。
【化3】

[式中、
u2およびRu3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Ru2のうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有していてもよく、複数あるRu2およびRu3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。]
【0008】
本発明は第四に、前記Eが、下記一般式(4)、(5)および(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物から水素原子を1個取り除いてなる基である化合物を提供する。
【化4】

[式中、
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して環を形成してもよい。]
【化5】

[式中、
11〜R20はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R19とR20、及びR11とR20は、互いに結合して環を形成してもよい。]
【化6】

[式中、
21〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
21とR22、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R26とR27、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R30とR31、R31とR32、及びR21とR32は互いに結合して環を形成してもよい。]
【0009】
本発明は第五に、該有機化合物を含む組成物、溶液、および発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、固体状態(特に薄膜状態)において高い色純度の青色発光を示す有機化合物を提供することができるとともに、該有機化合物を用いた高い色純度の青色発光を示す発光素子を提供することができる。また、本発明によれば、該発光素子の製造に有用な、該有機化合物を含む組成物、溶液、及び薄膜を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の化合物における前記Rはn価の橋かけ環炭化水素基であって、橋かけ環炭化水素化合物からn個の水素を除いた残りの原子団をいう。nは、前記橋かけ環炭化水素化合物の有する三級炭素または二級炭素の総数を超えず、3以上の整数である。
【0013】
橋かけ環炭化水素化合物とは、ビシクロ炭化水素、トリシクロ炭化水素、テトラシクロ炭化水素およびペンタシクロ炭化水素などであり、好ましくはビシクロ炭化水素、トリシクロ炭化水素およびテトラシクロ炭化水素であり、より好ましくはビシクロ炭化水素およびトリシクロ炭化水素であり、さらに好ましくはトリシクロ炭化水素である。
【0014】
橋かけ環炭化水素化合物の具体例としては、ビシクロ炭化水素としてはノルボルナン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビシクロオクタン、トリシクロ炭化水素としてはアダマンタン、トリシクロ[9.3.1.03,8]ペンタデカン、テトラシクロ炭化水素としてはテトラシクロ[6.2.1.1(3,6).0(2,7)]ドデカ−4−エン、ペンタシクロ炭化水素としてはキュバンが挙げられる。中でも、合成の行いやすさの観点からは、アダマンタン、ノルボルナン、ビシクロオクタン、キュバンが好ましく、アダマンタン、ノルボルナンがさらに好ましく、アダマンタンがとりわけ好ましい。
【0015】
前記Rがアダマンタンからn個の水素を除いた残りの原子団である場合、本発明の化合物は上記一般式(2)で表される化合物であり、その場合、上記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0016】
前記Rの具体的な構造としては下記のR-11〜R-15、R-21〜R-23、R-31〜R-33、R-41〜R-43、R-51及びR-52、及びR-61が挙げられ、R-11〜R-15、R-21〜R-23、R-31〜R-33およびR-41〜R-43が好ましく、R-11〜R-15、R-21、R-22、R-31、R-32、R-41およびR-42がより好ましく、R-11〜R-15がさらに好ましく、R-11〜R-13が特に好ましく、R-11が最も好ましい。合成が容易であるためである。なお、*は前記Rとの結合位置を表す。
【化7】

【0017】
前記Rは、アルキル基、アリール基、一価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Rのうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。Rとしては、好ましくはアリール基、一価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基であり、より好ましくはアリール基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基であり、さらに好ましくはアリール基又は−G−Eで表される基であり、とりわけ好ましくは−G−Eで表される基である。本発明の効果が増大するためである。
【0018】
前記Ru1、Ru2およびRu3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、一価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Ru1のうち少なくとも3つは−G−Eで表される基であり、Ru1のうちのRu2の少なくとも3つは−G−Eで表される基であることが好ましい。Ru1としては、好ましくはアリール基、一価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基であり、より好ましくはアリール基、−G−Eで表される基、又は、−O−Rで表される基であり、さらに好ましくはアリール基又は−G−Eで表される基であり、とりわけ好ましくは−G−Eで表される基である。本発明の効果が増大するためである。
【0019】
ここで、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素原子数が通常1〜20程度、好ましくは炭素原子数1〜15であり、より好ましくは1〜10である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。これらの基はさらに後述の置換基を有していてもよい。なお、アルキル基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アルキル基が複数存在する場合には、2つのアルキル基どうしが結合してアルキレン基を形成することにより環を形成してもよい。本明細書において、Meはメチル基を表し、n−C13はノルマルヘキシル基を表す。
【0020】
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環の2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、全炭素原子数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48である。その具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示される。これらの基はさらに後述の置換基を有していてもよい。なお、アリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
【0021】
一価の芳香族複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素原子数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。これらの基はさらに後述の置換基を有していてもよい。なお、複素環基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
【0022】
前記−G−Eで表される基のGは、炭素数1〜24の2価の連結基であり、好ましくは下記式G−1〜16で表される化合物から2個の水素を取り除いた2価の基、またはそれらが2〜5個連結した2価の基であり、より好ましくは下記式G−1〜16で表される化合物から2個の水素を取り除いた2価の基またはそれらが2個または3個連結した2価の基であり、さらに好ましくは下記式G−1〜16で表される化合物から2個の水素を取り除いた2価の基である。Gが、アルキレン基よりも剛直であることで、発光部位となるEの空間的位置がより変わりにくく、分子内のE同士の相互作用が小さくなり、励起エネルギーの低下が起こらず発光波長の長波長化を抑制できるためである。下記式G−1〜16の中では、G−1、G−3、G−4、G−5、G−6、G−10、G−13、G−14およびG−16が好ましく、G−1、G−10、G−13、G−14およびG−16がより好ましく、G−14およびG−16がさらに好ましく、G−16が特に好ましい。合成が容易であるためである。これらの基はさらに後述の置換基を有していてもよい。
Gは置換基を有していないことが好ましいが、置換基を有する場合は、エネルギーのやりとりが起こらないアリール基や芳香族複素環基が好ましく、合成の容易性の観点からフェニル基が好ましい。なお、Gの炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
【化8】

【0023】
前記−G−Eで表される基のEは、縮合環を有するアリール基または芳香族複素環基である。ここで縮合環とは、二つまたはそれ以上の環をもつ環式化合物において、おのおのの環が2個またはそれ以上の原子を共有している構造である。Eとしては、前記式(4)、(5)および(6)からなる群から選ばれる少なくとも一種類の構造から水素原子を1個取り除いてなる基であることが好ましく、前記式(5)及び(6)がより好ましく、前記式(6)がさらに好ましい。
【0024】
前記Eの具体的構造としては、下記式E−1〜E−61が挙げられる。E−4、E−5、E−6、E−7、E−8、E−9、E−16、E−17、E−18、E−19、E−20、E−26、E−28、E−29、E−30、E−31、E−37、E−39、E−40、E−41、E−42、E−48、E−50、E−51、E−52、E−53およびE−61であるものが好ましく、Eが前記E−4、E−5、E−6、E−7、E−16、E−17、E−18、E−26、E−28、E−29、E−37、E−39、E−40、E−48、E−50、E−51およびE−61であるものがより好ましく、Eが前記E−4、E−40、E−61であるものがさらに好ましく、Eが前記E−4であるものが特に好ましい。本発明の効果が増大するためである。なお、結合手は前記Gとの結合位置を表す。
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
【化11】

【0027】
【化12】

【0028】
【化13】

【0029】
本発明の化合物が有する前記−G−Eは3つ以上であり、これらは空間的に互いに離れていることが好ましい。2つの−G−Eの、Rを介した相互の角度を∠G−Eとしたとき、∠G−Eは10°〜170°が好ましく、30°〜150°がより好ましく、40°〜140°がさらに好ましく、50°〜130°が特に好ましい。本発明の化合物が有する前記−G−Eが空間的に放射状に広がり、−G−E間の相互作用が少なくなるためである。複数ある∠G−Eの値は異なっていても良いが、差が少ない方が好ましい。
【0030】

【0031】
前記−G−Eの数は24以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下が特に好ましく、4以下が最も好ましい。−G−E間の相互作用が少なくなるためである。すべての−G−EとRの中心は同一平面状にないことが好ましい。それによって、分子は平面的にはならず立体的(好ましくは三角錐の形状)になり、三角錐の形状と見立てると、結晶が生成したときに三角錐の形状で空間を埋めるような構造で他の分子と接するためである。
【0032】
本発明の化合物から下記構造の化合物の立体構造を分子力場演算プログラム(以下、MM2計算とする)により描いた図を第一の例として示す。
【化14】

【0033】

【0034】
本発明の化合物から下記構造の化合物の立体構造をMM2計算により描いた図を第2の例として示す。
【化15】

【0035】

【0036】
本発明の化合物から下記構造の化合物の立体構造をMM2計算により描いた図を第3の例として示す。
【化16】

【0037】

【0038】
このため、分子間のE同士は例え接し得たとしても、面と面で接し得なくなる。このことは粉末X線回折等でも確認することができる。これにより、π軌道間の相互作用が小さくなり、励起エネルギーの低下が起こらず発光波長の長波長化を抑制することができる。
【0039】
前記R、Ru1、Ru2、Ru3、G、E(Eが前記式(4)〜(6)である場合は、前記R〜R、R11〜R20およびR21〜R32)およびRが有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、チオール基、カルボニルチオール基、チオカルボニルチオール基、置換または非置換のアルキルチオ基、置換または非置換のアリールチオ基、置換または非置換のアルキルチオカルボニル基、置換または非置換のアリールチオカルボニル基、置換または非置換のアルキルジチオ基、置換または非置換のアリールジチオ基、ヒドロキシル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基、カルボキシル基、アルデヒド基、置換または非置換のアルキルカルボニル基、置換または非置換のアリールカルボニル基、置換または非置換のアルキルオキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、置換または非置換のアルキルカルボニルオキシ基、置換または非置換のアリールカルボニルオキシ基、シアノ基、二トロ基、アミノ基、置換または非置換のアルキルアミノ基、置換または非置換のアリールアミノ基、ホスフィノ基、置換または非置換のアルキルホスフィノ基、置換または非置換のアリールホスフィノ基、式:−P(=O)( OH)で表される基、カルバモイル基、置換または非置換のアルキルカルバモイル基、置換または非置換のアリールカルバモイル基、式:−B(OH)2で表される基、ホウ酸エステル残基、スルホ基、置換または非置換のアルキルスルホ基、置換または非置換のアリールスルホ基、置換または非置換のアルキルスルホニル基、置換または非置換のアリールスルホニル基、置換または非置換の1価の芳香族複素環基、2個以上のエーテル結合を有するアルキル基、2個以上のエーテル結合を有するアリール基、2個以上のエステル結合を有するアルキル基、2個以上のエステル結合を有するアリール基、2個以上のアミド結合を有するアルキル基、2個以上のアミド結合を有するアリール基、式:−COMで表される基、式:−POMで表される基、式:−POMで表される基、式:−POで表される基、式:−OMで表される基、式:−SMで表される基、式:−B(OM)2で表される基、式:−SOMで表される基、式:−SOMで表される基(式中、Mは、金属カチオンまたは置換または非置換のアンモニウムカチオンを表す。)、式:−NRM’で表される基、式:−BRM’で表される基、式:−PRM’で表される基、式:−SRM’で表される基(式中、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、M’は、アニオンを表す。)、および、第4級化された窒素原子を芳香環内または芳香族複素環内に有する置換または非置換の1価の芳香族複素環基等が挙げられ、
ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基、カルボキシル基、置換または非置換のアルキルカルボニル基、置換または非置換のアリールカルボニル基、シアノ基、アミノ基、置換または非置換のアルキルアミノ基、置換または非置換のアリールアミノ基、スルホ基、および置換または非置換の1価の芳香族複素環基が好ましく、
ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、ヒドロキシル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、および置換または非置換の1価の芳香族複素環基がより好ましく、
置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基、および、置換または非置換の1価の芳香族複素環基がさらに好ましく、
置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基および、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基が特に好ましい。
【0040】
、Ru1、Ru2、G、EおよびRは置換基を有していないことが好ましいが、置換基を有する場合は、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基を有していることが好ましい。
【0041】
前記の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子が更に好ましい。
【0042】
前記の置換基であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素数1〜50のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の炭素数3〜50のシクロアルキル基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素数2〜50のアルケニル基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素数7〜50のアラルキル基が挙げられ、炭素数1〜50のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基は水素原子の少なくとも一部(特には1〜3個、とりわけ1個または2個)が置換されていてもよく、置換基としてはフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子1〜12のアルコキシ基;アルコキシカルボニル基;シアノ基が挙げられる。
【0043】
前記の置換基であるアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素数6〜50のアリール基が挙げられ、炭素数6〜50のアリール基が好ましく、炭素数6〜18のアリール基がより好ましく、炭素数6〜12のアリール基が特に好ましい。これらのアリール基は水素原子の少なくとも一部(特には1〜3個、とりわけ1個または2個)が置換されていてもよく、置換基としてはフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子1〜12のアルコキシ基;アルコキシカルボニル基;シアノ基が挙げられる。
【0044】
前記の置換基であるアルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、アルキルジチオ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホ基およびアルキルスルホニル基に含まれるアルキル基部分は、「アルキル基」として説明し、例示した通りである。これらの基に含まれるアルキル基部分の水素原子の少なくとも一部は、上記したアルキル基の場合と同様に置換されていてもよく、置換基としては同様のものを例示することができる。
【0045】
前記の置換基であるアリールチオ基、アリールチオカルボニル基、アリールジチオ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールスルホ基およびアリールスルホニル基に含まれるアリール基部分は、「アリール基」として説明し、例示した通りである。これらの基に含まれるアリール基部分の水素原子の少なくとも一部は、上記したアリール基の場合と同様に置換されていてもよく、置換基としては同様のものを例示することができる。
【0046】
前記の置換基であるアルキルアミノ基、アルキルホスフィノ基、アルキルカルバモイル基に含まれるアルキル基部分は「アルキル基」として説明し、例示した通りである。これらの基に含まれるアルキル基部分の水素原子の少なくとも一部は上記したアルキル基の場合と同様に置換されていてもよく、置換基としては同様のものを例示することができる。
【0047】
前記の置換基であるアリールアミノ基、アリールホスフィノ基、アリールカルバモイル基に含まれるアリール基部分は「アリール基」として説明し、例示した通りである。これらの基に含まれるアリール基部分の水素原子の少なくとも一部は上記したアリール基の場合と同様に置換されていてもよく、置換基としては同様のものを例示することができる。
【0048】
前記の置換基であるホウ酸エステル残基は、例えば、以下の式で表される基である。
【化17】

【0049】
前記の置換基である1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物としては、ピリジン、1,2−ジアジン、1,3−ジアジン、1,4−ジアジン、1,3,5−トリアジン、フラン、ピロール、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、アザジアゾール等の単環式芳香族複素環式化合物;単環式複素環式化合物を構成する複素環の2個以上が縮合した縮合多環式芳香族複素環式化合物;単環式芳香族複素環式化合物を構成する芳香族複素環2個を、または、芳香環1個と単環式複素環式化合物を構成する複素環1個とを、メチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する有橋多環式芳香族複素環式化合物等が挙げられ、ピリジン、1,2−ジアジン、1,3−ジアジン、1,4−ジアジン、1,3,5−トリアジンが好ましく、ピリジン、1,3,5−トリアジンがより好ましい。該1価の芳香族複素環基は置換されていてもよく、置換基としては、上述したアルキル基およびアリール基のついて挙げた置換基を例示することができる。
【0050】
前記の置換基である2個以上のエーテル結合を有するアルキル基およびアリール基は、例えば、以下の式で表される基である。
【化18】

(式中、R’は、置換または非置換のアルキレン基またはアリーレン基を表す。pは、2以上の整数である。複数あるR’は、同一であっても異なっていてもよい。)
【0051】
前記R’で表されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基および1,12−ドデシレン基等の炭素原子数1〜50の飽和アルキレン基;エテニレン基、プロペニレン基、3−ブテニレン基、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、2−ヘキセニレン基、2−ノネニレン基、2−ドデセニレン基等のアルケニレン基およびエチニレン基等の炭素原子数2〜50の不飽和アルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基およびアダマンチレン基等の炭素原子数3〜50の環状飽和アルキレン基等が挙げられ、エチレン基が好ましい。これらのアルキレン基が有する水素原子の少なくとも一部は置換基で置換されていてもよい。置換基としては、上述したアルキル基およびアリール基のついて挙げた置換基を例示することができる。
【0052】
前記R’で表されるアリーレン基としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基およびビフェニル−4,4’−ジイル基等の炭素原子数6〜50のアリーレン基等が挙げられ、1,3−フェニレン基および1,4−フェニレン基が好ましい。これらのアリーレン基が有する水素原子の少なくとも一部は置換基で置換されていてもよい。置換基としては、上述したアルキル基およびアリール基のついて挙げた置換基を例示することができる。
【0053】
前記の置換基である2個以上のエステル結合を有するアルキル基およびアリール基は、例えば、以下の式で表される基である。
【化19】

(式中、R’およびpは、前記と同じ意味を有する。)
ここで、R’で表されるアルキレン基またはアリーレン基とは上記で説明し例示した通りであり、同様に置換されていてもよい。
【0054】
前記の置換基である2個以上のアミド結合を有するアルキル基およびアリール基は、例えば、以下の式で表される基である。
【化20】

(式中、R’およびpは、前記と同じ意味を有する。)
ここで、R’で表されるアルキレン基またはアリーレン基は上記で説明し例示した通りであり、同様に置換されていてもよい。
【0055】
前記Mで表される金属カチオンとしては、1〜3価のイオンが好ましく、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Ba、Ag、Al、Bi、Cu、Fe、Ga、Mn、Pb、Sn、Ti、V、W、Y、Yb、Zn、Zr等の金属のイオンが挙げられる。
【0056】
前記Mで表されるアンモニウムカチオンは非置換でも置換されていてもよく、置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0057】
前記M’で表されるアニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、ClO-、ClO2-、ClO3-、ClO4-、SCN-、CN-、NO3-、SO42-、HSO4-、PO43-、HPO42-、H2PO4-、BF4-、PF6-、CH3SO3-、CF3SO3-、テトラキス(イミダゾリル)ボレートアニオン、8−キノリノラトアニオン、2−メチル−8−キノリノラトアニオン、2−フェニル−8−キノリノラトアニオン等が挙げられる。
【0058】
前記Rで表されるアルキル基またはアリール基としては、上述したアルキル基およびアリール基を例示することができる。
【0059】
前記の置換基である第4級化された窒素原子を芳香環内または芳香族複素環内に有する1価の芳香族複素環基としは、例えば、以下の式で表される基が挙げられる。
【化21】

(式中、RおよびM’は、前記と同じ意味を有する。)
【0060】
<合成方法>
本発明の化合物の合成方法としては、Rを合成し、これとGの部分を結合させ、さらにEの部分と結合させることが一例として挙げられる。合成方法の一例を下記式(8−1)〜(8−3)に示す。
【化22】

[式中、
、GおよびEについては前記と同じであり、a、b、c及びdは1価の置換基または水素原子を表し、nは3以上の整数を表す。]
【0061】
前記1価の置換基とは、下記の置換基A群またはB群の置換基であり、前記a、b、c及びdの好ましいましい組み合わせは、(a、b)が(置換基A群または水素原子、置換基B群または水素原子)または(置換基B群または水素原子、置換基A群または水素原子)、(c、d)が(置換基A群または水素原子、置換基B群または水素原子)または(置換基B群または水素原子、置換基A群または水素原子)である。
【0062】
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、式:−O−S(=O)227(R27は、アルキル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を示す。)で表される基。
【0063】
<置換基B群>
式:−B(OR282(R28は、水素原子又はアルキル基を示し、2個存在するR28は、同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)で表される基、式:−BF41(Q1は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムの1価の陽イオンを示す。)で表される基、式:−MgY1(Y1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表される基、式:−ZnY2(Y2は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で表される基、式:−Sn(R293(R29は、水素原子又はアルキル基を示す。3個存在するR29は、同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)で表される基。
【0064】
がアダマンタンからn個の水素を除いた残りの原子団である場合、下記式(9−1)〜(9−3)が合成方法の一例として挙がられる。
【化23】

[式中、G、E、a、b、c及びdは前記と同じ意味を表す。]
【0065】
前記式(8−1)の反応においては、aは水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはヒドロキシル基が好ましく、bは水素原子または前記式−MgY1で表される基が好ましい。bが水素原子の場合は、フリーデルクラフツ反応が好ましく、aは水素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、水素原子がより好ましく、反応にルイス酸(例えば塩化鉄(III)または塩化アルミニウム)を触媒量加えることが好ましい。
【0066】
前記cが塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である場合は、前記式(8−2)及び前記式(9−2)の反応としては、それぞれ塩素、臭素またはヨウ素とビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼンを加える反応、またはそれぞれN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドまたはN−ヨードスクシンイミドを加える反応が例示できる。
【0067】
前記式(8−3)の反応としては、Suzukiカップリング反応、Grignard反応、Stilleカップリング反応等が挙げられる。これらのうち、Suzukiカップリング反応が、原料の合成がし易く、かつ、反応操作が簡便となるので好ましい。
【0068】
前記式(8−3)及び前記式(9−3)の反応として、Suzukiカップリング反応を選択する場合は、合成の簡便さ、及び各化合物が取り扱いの観点から、cとdのいずれか一方は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。cとdのもう一方は前記式−B(OR282で表される基が好ましい。この反応には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム等の遷移金属錯体を触媒として用いることが好ましい。これらの遷移金属錯体および配位子の量は触媒量(後述)であることが好ましい。これらの触媒は、予め合成したものを用いてもよいし、反応系中で調製したものをそのまま用いてもよい。また、これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0069】
前記式(8−3)及び前記式(9−3)の反応としてSuzukiカップリング反応を選択する場合は、塩基を用いることが好ましく、塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、b−G−Hまたはd−Eに対して、通常50〜2000モル%であり、好ましくは100〜1000モル%である。該反応は有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。有機溶媒は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。反応温度は、好ましくは−100〜200℃であり、より好ましくは−80〜150℃であり、更に好ましくは0〜120℃である。反応時間は、通常、1時間以上であり、2〜500時間であることが好ましい。
【0070】
前記触媒量とは、触媒としての有効量であればよく、例えば、前記G−cを有する反応物の100モル%に対して、触媒に含まれる遷移金属のモル数換算で、通常、0.0001〜300モル%であり、好ましくは0.001〜50モル%であり、より好ましくは0.01〜20モル%である。
【0071】
前記d−Eについては、下記式で示されるブロモフルオランテン、
【化24】

下記式で示される3−ブロモジフェニルベンゾフルオランテン、
【化25】

下記反応式で製造できる9−又は10−ブロモジフェニルベンゾフルオランテンが挙げられる。
【化26】

なお、式中の化合物は、置換基を有していてもよい。
【0072】
<組成物>
本発明の組成物は、本発明に係る化合物と、
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料とを含有する。
【0073】
前記正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されたものも挙げられる。
【0074】
本発明の組成物における、前記正孔輸送材料の含有量は、本発明の化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは5〜200重量部である。
【0075】
前記電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されたものも挙げられる。
【0076】
本発明の組成物における、前記電子輸送材料の含有量は、本発明の化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは5〜200重量部である。
【0077】
前記発光材料としては、低分子蛍光発光材料、燐光発光材料等が挙げられる。発光材料の例としては、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系色素、キサンテン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素等の色素類、8−ヒドロキシキノリンを配位子として有する金属錯体、8−ヒドロキシキノリン誘導体を配位子として有する金属錯体、その他の蛍光性金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体、スチルベン系、含ケイ素芳香族系、オキサゾール系、フロキサン系、チアゾール系、テトラアリールメタン系、チアジアゾール系、ピラゾール系、メタシクロファン系、アセチレン系等の低分子化合物の蛍光性材料、イリジウム錯体、白金錯体等の金属錯体、三重項発光錯体等が挙げられる。その他にも、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報等に記載されたものも挙げられる。
【0078】
本発明の組成物における、前記発光材料の含有量は、本発明の化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
【0079】
<溶液>
本発明に係る化合物および組成物は、有機溶媒に溶解又は分散させて、溶液としてもよい。この溶液は、インク、または液状組成物等とも呼ばれる。本発明の溶液における本発明の化合物および組成物の割合は、溶液全体を100重量部としたとき、通常、0.01重量部〜99重量部であり、好ましくは0.05重量部〜40重量部であり、より好ましくは0.1重量部〜20重量部である。
【0080】
ここで、前記有機溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルベンゾエート、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒では、ベンゼン環を含む構造を有し、融点が0℃以下であり、かつ、沸点が100℃以上であるものが、粘度及び成膜性の観点で好ましい。
【0081】
<有機薄膜>
本発明の有機薄膜は、本発明の化合物又は本発明の組成物を含有する。
【0082】
本発明の有機薄膜は、前記溶液を用いることで、容易に製造することができる。具体的には、前記溶液を基板上に塗布して、加熱、減圧等により有機溶媒を留去することにより、本発明の有機薄膜が得られる。有機溶媒の留去は、使用される有機溶媒に応じて条件を変更することができ、例えば、50〜150℃程度の加温、10-3Pa程度の減圧により行うことができる。
【0083】
塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
【0084】
前記溶液の好適な粘度は印刷法によっても異なるが、好ましくは25℃において0.5〜500mPa・sである。また、インクジェットプリント法のように前記溶液が吐出装置を経由する場合、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために25℃における粘度は0.5〜20mPa・sであることが好ましい。
【0085】
本発明の有機薄膜は、後述する発光素子における発光層として好適に使用することができる。また、有機半導体素子にも使用することができる。本発明の有機薄膜は、本発明の化合物または本発明の組成物を含有するため、発光素子の発光層として使用した場合に、当該発光素子の青色発光の色純度は非常に高いものとなる。
【0086】
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、該陽極及び該陰極の間に存在する本発明の化合物または組成物を含有する層とを有する。ここで、本発明の化合物を含有する層は本発明の有機薄膜からなる層であることが好ましく、当該層は発光層として機能することが好ましい。以下、本発明の化合物または組成物を含有する層が、発光層として機能する場合を、好ましい一実施形態として例示する。
【0087】
本発明の発光素子の構成としては、以下の(a)〜(d)の構造が挙げられる。なお、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを示す(例えば、「陽極/発光層」とは、陽極と発光層とが隣接して積層していることを示す。)。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
【0088】
なお、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層と電子輸送層とを総称して電荷輸送層と呼ぶ場合がある。また、発光層に隣接した正孔輸送層をインターレイヤー層と呼ぶことがある。
【0089】
各層の積層・成膜は、それぞれ各層の構成成分を含有する溶液を用いて行うことができる。溶液からの積層・成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
【0090】
発光層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0091】
正孔輸送層は、上述する正孔輸送材料を含有することが好ましい。正孔輸送層の成膜は、如何なる方法で行ってもよいが、正孔輸送材料が高分子化合物である場合には、正孔輸送材料を含有する溶液から成膜することが好ましく、正孔輸送材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含有する混合溶液から成膜することが好ましい。成膜方法としては、上述の塗布法と同様の方法を用いることができる。
【0092】
前記高分子バインダーは、電荷輸送を極度に阻害しないものであって、可視光に対する吸収が強くないものが好ましい。高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
【0093】
正孔輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しない厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0094】
電子輸送層は、上述する電子輸送材料を含有することが好ましい。電子輸送層の成膜は、如何なる方法で行ってもよいが、電子輸送材料が高分子化合物である場合には、電子輸送材料を含有する溶液から成膜する方法、電子輸送材料を溶融して成膜する方法等が好ましい。また、電子輸送材料が低分子化合物である場合には、電子輸送材料の粉末を用いて真空蒸着法により成膜する方法、電子輸送材料を含有する溶液から成膜する方法、電子輸送材料を溶融して成膜する方法等が好ましい。電子輸送材料を含有する溶液から成膜する方法としては、上述の塗布法と同様の方法が例示できる。また、溶液中に高分子バインダーが含有していてもよい。
【0095】
前記高分子バインダーは、電荷輸送を極度に阻害しないものであって、可視光に対する吸収が強くないものが好ましい。高分子バインダーとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
【0096】
電子輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しない厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、電子輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0097】
電極に隣接して設けられた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ぶことがある。電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は絶縁層を設けてもよく、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。なお、積層する層の順番や数、及び、各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して選択すればよい。
【0098】
電荷注入層を設けた発光素子としては、以下の(e)〜(p)の構造を有するものが挙げられる。
(e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
(f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
(g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
(h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
(j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
(k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
(l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
(o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0099】
電荷注入層としては、(I)導電性高分子を含む層、(II)陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極中の陽極材料と正孔輸送層中の正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含有する層、(III)陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極中の陰極材料と電子輸送層中の電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含有層、等が挙げられる。
【0100】
電荷注入層が(I)導電性高分子を含む層である場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm〜103S/cmが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm〜102S/cmがより好ましく、10-5S/cm〜101S/cmが特に好ましい。かかる範囲を満たすために、導電性高分子に適量のイオンをドープしてもよい。
【0101】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンとしては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等が挙げられ、カチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0102】
電荷注入層の膜厚は、1〜100nmであることが好ましく、2〜50nmであることがより好ましい。
【0103】
導電性高分子としては、電極や隣接する層の材料との関係で選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。また、電荷注入層としては、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、カーボン等を含有する層も挙げられる。
【0104】
絶縁層は、電荷注入を容易にする機能を有するものである。この絶縁層の膜厚は、通常、0.1〜20nmであり、好ましくは0.5〜10nm、より好ましくは1〜5nmである。絶縁層に用いる材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。
【0105】
絶縁層を設けた発光素子としては、以下の(q)〜(ab)の構造を有するものが挙げられる。
(q)陽極/絶縁層/発光層/陰極
(r)陽極/発光層/絶縁層/陰極
(s)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(t)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
(u)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(v)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(w)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
(x)陽極/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(y)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(z)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(ab)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
【0106】
本発明の発光素子は、陽極又は陰極に隣接して基板を備えることが好ましい。基板としては、電極及び各層を形成する際に形状や性状が変化しないものが好ましく、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等の基板が挙げられる。不透明な基板の場合には、該基板が接する電極とは反対側の電極が、透明又は半透明であることが好ましい。
【0107】
本発明の発光素子において、通常は、陽極及び陰極からなる電極の少なくとも一方が透明又は半透明であり、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0108】
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)からなる複合酸化物、インジウム・亜鉛・オキサイドからなる複合酸化物等の導電性無機化合物を用いて作製された膜、NESAや、金、白金、銀、銅等が用いられる。また、陽極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機透明導電膜を用いてもよい。また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン等からなる層、又は、金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。
【0109】
陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
【0110】
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは40nm〜500nmである。
【0111】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、該金属のうち2種以上を含む合金、該金属のうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上とを含む合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物等が用いられる。
【0112】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。
【0113】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは40nm〜500nmである。
【0114】
また、陰極と発光層又は陰極と電子輸送層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよく、陰極作製後、発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
【0115】
保護層としては、樹脂、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができ、該保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを容易に防ぐことができる。該空間に窒素やアルゴン等の不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、更に酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。
【0116】
本発明の化合物又は本発明の組成物を含有する発光素子は、曲面状光源、平面状光源等の面状光源(例えば、照明等);セグメント表示装置(例えば、セグメントタイプの表示素子等)、ドットマトリックス表示装置(例えば、ドットマトリックスのフラットディスプレイ等)、液晶表示装置(例えば、液晶表示装置、液晶ディスプレイのバックライト等)等の表示装置等に有用である。また、本発明の化合物は、これらの作製に用いられる材料として好適である以外にも、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、蛍光を発する発光性薄膜材料、高分子電界効果トランジスタの材料等としても有用である。
【0117】
本発明に係る発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、陽極若しくは陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。
【実施例】
【0118】
以下、本発明について、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0119】
化合物の溶液での発光スペクトルピークは、該化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム等の有機溶媒に溶解させ、溶液濃度が0.1%未満の希薄溶液を調製し、該希薄溶液のPLスペクトルを測定することで評価し得る。実施例において、該溶媒としてクロロホルムを用いた。
【0120】
<合成例1>(化合物M−1およびM−2の合成)
【化27】

【0121】
反応容器に、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン7.67g(28.37mmol)、5−ブロモアセナチレン7.72g(28.40mmol、純度85%)、キシレン(70mL)を仕込み、150℃の油浴で5時間加熱した。反応液を110℃まで冷却し、メタンスルホン酸0.84g(8.74mmol)を加えて110℃の油浴で3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、水で洗浄した。結晶が析出したので、有機層にクロロホルムを加えて結晶を溶解させ、さらに水で洗浄した。洗浄水を合わせてクロロホルムで抽出した。有機層を合わせて、5%炭酸ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残澄をカラム精製(シリカゲル・ヘキサン)して、化合物M−1を黄色結晶として9.18g得た。収率66.9%。以下のデータにより目的とする化合物であることを同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm) 6.4(1H),6.6(1H),7.3〜7.4(3H),7.5〜7.6(5H),7.6〜7.7(8H),7.8(1H)
【0122】
化合物M−1を8.98g(18.57mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン5.10g(20.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(140mL)を反応容器に仕込み脱気した。酢酸カリウム5.36g(54.61mmol)、〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)/ジクロロメタンのコンプレックス0.455g(0.56mmol)を添加し、80℃の油浴で4時間加熱した。反応液を室温にまで冷却し、水(500ml)を加えて撹拌した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。ろ上物を酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、カラム精製した(シリカゲル・ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル(10:1)→クロロホルム)。化合物M−2を黄色結晶として4.5g得た。収率43.3%。以下のデータにより目的とする化合物であることを同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm) 1.4(12H),6.5〜6.6(2H),7.3〜7.4(3H),7.5〜7.7(12H),7.9(1H),8.4(1H)
【0123】
<合成例2>(化合物M−3およびM−4の合成)
【化28】

【0124】
窒素雰囲気下、1−ブロモアダマンタン19.6g(91.2mmol)のベンゼン溶液(196mL)にt−ブチルブロマイド25.0g(182mmol)と塩化アルミニウム1.46g(7.88mmol)を加え、内温80℃を保持しながら2時間加熱還流させた。放冷後、ろ過して、ろ上物をベンゼン、蒸留水、及びクロロホルムで洗浄し、減圧下乾燥させた。乾燥後、ソックスレー抽出による洗浄を行い、得られた固体物を減圧下乾燥して、化合物M−3を白色固体として19.6g(44.4mmol)を得た。収率48.7%。
【0125】
窒素雰囲気下、ヨウ素17.9g(70.8mmol)のクロロホルム懸濁液(389mL)に化合物M−3を15.6g(35.4mmol)、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン30.4g(70.8mmol)を加え、室温で6時間撹祥し、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン15.2g(35.4mmol)を追加し、室温で18時間撹拌した。撹拌後、ろ過して、ろ液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄後、減圧下濃縮し、カラム精製(シリカゲル・へキサン:クロロホルム)して、40℃で3日間、60℃で2日間減圧乾燥して、化合物M−4を白色固体として11.3g(12.0mmol)得た。収率33.9%。以下のデータにより目的とする化合物であることを同定した。
H−NMR(400MHz,ジメチルスルホキシド−d6):δ(ppm) 2.0(12H),7.3(8H),7.6(8H)
【0126】
<実施例1>(化合物M−5の合成)
【化29】

窒素雰囲気下、化合物M−2を1.00g(1.89mmol)、化合物M−4を0.30g(0.31mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)44mg(0.038mmol)をトルエン(20mL)に溶かし、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液(10mL)を加えて85℃で8時間攪拌した。水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、メタノールに滴下した。生成した沈殿をろ過によって集め、乾燥させた。カラムクロマトグラフィーにて予備精製したのち、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製し、化合物M−5を61.1mg得た。収率9.5%。以下のデータにより目的とする化合物であることを同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm) 2.4(12H),6.6(8H),7.3(8H)、7.4(8H)、7.5〜7.7(64H)、7.8(4H)
【0127】
<合成例3>(化合物M−6の合成)
【化30】

【0128】
窒素雰囲気下、化合物M−2を0.50g(0.94mmol)、パラブロモトルエン0.18g(1.05mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)24mg(0.021mmol)をトルエン(10mL)に溶かし、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液(1.3mL)を加えて85℃で6時間攪拌した。水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、メタノールに滴下した。生成した沈殿をろ過によって集め、乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル・ヘキサン‐クロロホルムにて精製し、化合物M−6を184mg得た。収率39.5%。以下のデータにより目的とする化合物であることを同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm) 2.4(3H),6.6(2H),7.3(4H)、7.4(4H)、7.5〜7.7(12H)、7.8(1H)
【0129】
<実施例2>(発光スペクトルの測定)
化合物M−5のクロロホルム溶液を調製し、溶液状態での発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルから計算されるCIE(y)は0.08であった。クロロホルム溶液を石英板に垂らして乾燥させて、固体状態(薄膜状態)での発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルから計算されるCIE(y)は0.24であった。それぞれの結果を表1に記載する。
【0130】
<比較例1>(発光スペクトルの測定)
化合物M−6のクロロホルム溶液を調製し、溶液状態での発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルから計算されるCIE(y)は0.09であった。クロロホルム溶液を石英板に垂らして乾燥させて、固体状態(薄膜状態)での発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルから計算されるCIE(y)は0.27であった。それぞれの結果を表1に記載する。
【0131】
化合物M−5の方が、化合物M−6よりも、溶液状態および固体状態のいずれでもCIE(y)は小さく、特に固体状態において、より高い色純度の青色発光を示した。発光素子でも固体状態と同様の効果が得られるため、化合物M−5を発光層に含有する発光素子の方が、化合物M−6を発光層に含有する発光素子よりも、より高い色純度の青色発光を示す。
【0132】
【表1】

【0133】
<実施例3>(粉末X線回折の測定)
化合物M−5の粉末X線回折を測定した。4.4Åを中心とした弱いなだらかなピークのみが確認された。
【0134】
<比較例2>(粉末X線回折の測定)
化合物M−6の粉末X線回折を測定した。3.4Å、3.5Å、3.6Å、4.3Å、4.4Å、4.6Å及び7.9Åを中心とした強いピークが確認された。これらの強いピークは発光部位の重なりを意味しており、分子間の強い相互作用が示唆された。
【0135】
化合物M−5のX線回折には、化合物M−6のような強いピークは見られないため、発効部位の重なりが非常に少ないことがわかった。このため、化合物M−5の方が、化合物M−6よりも、特に固体状態において高い色純度の青色発光を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物。
【化1】

[式中、
はn価(nは3以上の整数を表す)の橋かけ環炭化水素基であって、Rの三級炭素原子または二級炭素原子における水素原子の少なくとも3つが置換基Rで置換されている。
はアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Rのうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有してもよく、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有してもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項2】
下記一般式(2)で表される、請求項1に記載の化合物。
【化2】

[式中、
u1は水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Ru1のうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有してもよく、複数あるRu1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有してもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項3】
下記一般式(3)で表される、請求項2に記載の化合物。
【化3】

[式中、
u2およびRu3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、−G−Eで表される基又は−O−Rで表される基を示し、Ru2のうち少なくとも3つは−G−Eで表される基である。これらの基は置換基を有していてもよく、複数あるRu2およびRu3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gは炭素数1〜24の2価の連結基であり、Eは縮合環を有するアリール基又は縮合環を有する芳香族複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよく、複数あるGおよびEはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項4】
前記Eが、下記一般式(4)、(5)および(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物から水素原子を1個取り除いてなる基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【化4】

[式中、
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、互いに結合して環を形成してもよい。]
【化5】

[式中、
11〜R20はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R19とR20、及びR11とR20は、互いに結合して環を形成してもよい。]
【化6】

[式中、
21〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基又は−O−Rで表される基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
21とR22、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26、R26とR27、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R30とR31、R31とR32、及びR21とR32は互いに結合して環を形成してもよい。]
【請求項5】
前記Eが、前記一般式(6)の構造から水素原子を1個取り除いてなる基のみである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物と、
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料とを含有する組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、又は、請求項6に記載の組成物と、
溶媒とを含有する溶液。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、又は、請求項6に記載の組成物を含有する有機薄膜。
【請求項9】
請求項8に記載の有機薄膜を備える発光素子。
【請求項10】
請求項9に記載の発光素子を備える面状光源。
【請求項11】
請求項9に記載の発光素子を備える表示装置。

【公開番号】特開2013−10710(P2013−10710A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143889(P2011−143889)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】