説明

有機半導体材料におけるおよびこれに関連する改善

有機半導体(OSC)材料として使用するための組成物であって:(i)少なくとも5000の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより高い分子量の有機半導体化合物、および(ii)1000以下の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより低い分子量の有機半導体化合物、を含む前記組成物。電子デバイス、例えばFETまたはOLEDにおける前記組成物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体(OSC)材料としての使用のための組成物、例えば電子デバイスにおける使用のための同組成物を含む層、それらの生産のための方法、それらの使用および当該組成物を含むデバイスまたは装置に関する。
近年、より多目的で、より低価格な電子デバイスを生産するために、OSC材料の開発が進んでいる。OSC材料は、小有機分子または重合体のいずれかを含んでもよい。かかる材料は、ほんの数例を挙げると、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、光検出器、光起電力(PV)電池を含む広範囲にわたるデバイスまたは装置における、および電子写真デバイスにおける有機光伝導体(OPC)としての用途を見い出す。
OSC材料の多くの用途において、より速いおよび/またはより効率的なデバイスへと至らしめることができる増加した電荷キャリア移動度の必要がある。
【0002】
本発明の目的は、移動度が改善されたOSC材料、ならびに当該OSC材料を使用した改善されたデバイスの提供を含む。他の目的は、本明細書の記載から明らかである。
驚くべきことに、本発明者は、ある異なる分子量を有する有機半導体化合物の混合物は、個々の化合物のいずれかよりも大きい電荷キャリア移動度を有することを見出した。以前は、互いに異なるHOMOレベルを有する、2種類の異なる半導体化合物を混合することにより、必然的に化合物の一方における電荷捕捉へと至り、それにより移動度が減少すると考えられていたため、、これは驚くべきことである(Yokoyama and Yokoyama J. Appl. Phys. 67 (6) 1990; Pai et al, J. Phys. Chem. 88, p4714, 1984; Veres and Juhasz, Phil. Mag. B、Vol. 75, No. 3, pp. 377-387, 1997参照)。
【0003】
本発明の第一の側面によると、OSC材料としての使用のための組成物を提供され、本組成物は、
(i)少なくとも5000の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより高い分子量の有機半導体化合物、および
(ii)1000以下の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより低い分子量の有機半導体化合物、
を含む。
好ましくは、より高い分子量の半導体化合物のMは、少なくとも7000である。好ましくは、より低い分子量の半導体化合物のMは、少なくとも150である。
【0004】
これらの分子量の差異が観察される組成物は、より高いまたはより低い分子量の化合物のいずれかと個々に比較して、増加した電荷キャリア移動度を有することを見出した。いくつかの場合、移動度は2倍であることが見出される。
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物は、互いと同じ型の電荷キャリアの輸送体である。すなわち、本化合物は、各々プラスに帯電した空孔を輸送することができるいわゆる「p型」化合物、または各々マイナスに帯電した電子を輸送することができるいわゆる「n型」化合物のいずれかであり、得られる組成物はそれぞれ、p型またはn型のいずれかである。
【0005】
より高いおよびより低い分子量の化合物は、両方とも半導体化合物である。好ましくは、より高いおよびより低い分子量の半導体化合物の少なくとも一方、より好ましくは両方は、少なくとも10−5cm/V.s、より好ましくは少なくとも10−4cm/V.sの電荷キャリア移動度、μを有する。好ましくは、少なくともより高い分子量の半導体化合物は、少なくとも10−5cm/V.s、より好ましくは少なくとも10−4cm/V.sの電荷キャリア移動度を有する。
好ましくは、より高いおよびより低い分子量の半導体化合物は、相対的比率10:90〜90:10重量部;より好ましくは30:70〜70:30重量部;さらにより好ましくは40:60〜60:40重量部:および最も好ましくは約50:50重量部で組成物中に存在する。
【0006】
より低い分子量の化合物は、典型的に繰り返し単位数、nを、繰り返し単位の型に依存して、2〜15の範囲で有するオリゴマー、または非オリゴマー小分子(すなわち、n=1である単量体)、のいずれかを含んでもよい。より低い分子量の化合物が、オリゴマーを含む場合には、より典型的に、nは2〜5の範囲である。好ましくは、より低い分子量の化合物は、n=2または3(すなわちそれぞれ二量体または三量体)であるオリゴマーまたはn=1(すなわち単量体)である非オリゴマー小分子のいずれかである。用語重合体は、本明細書中、多数の繰り返し単位(>1)を含むいかなる化合物をも定義するのに使用される。前述の用語オリゴマーは加えて、少数の繰り返し単位(典型的に15以下)を有する重合体を定義するのに使用される。本明細書中、重合体(オリゴマーを含む)は、単分散または多分散のいずれかであってもよい。
好ましくは、より高い分子量の半導体化合物は、重合体、より好ましくはπ共役重合体を含む。本重合体は、典型的には、繰り返し単位の型に依存して、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上および最も好ましくは20以上の、繰り返し単位数、nを有する。本重合体は、実質上線状でもよく、あるいは、ある程度の鎖の枝分かれを有してもよく、または架橋を含んでもよい。本重合体は、単分散または多分散のいずれかであってもよい。
【0007】
より高い分子量の半導体化合物は、例えば、1.5×10までのMを有してもよい。Mは、さらにより高くてもよい。
好ましくは、より高いおよびより低い分子量の半導体化合物は、似た化学的分類のものである。好ましい態様において、より高い分子量の化合物は、より低い分子量の化合物に含有される基と同じまたは似た1または2以上の化学基を含有する。例えば、好ましくはより高いおよびより低い分子量の半導体化合物は各々、1または2以上の以下の基を共通して含有する:アリールアミン、フルオレンおよび/またはチオフェン基。これらの基の間でより好ましいのは、アリールアミン、さらにより好ましいのは、トリアリールアミンである。加えてまたは代わりに、より高いおよびより低い分子量の半導体化合物は、互いに同じまたは似た繰り返し単位を含有してもよい。
【0008】
より低い分子量の半導体化合物のための化合物の好ましい分類は、アリールアミン、フルオレン、および/またはチオフェン基、より好ましくはアリールアミン、さらにより好ましくはトリアリールアミンを含むものである。より低い分子量の半導体化合物のための化合物の特に好ましい分類は、アリールアミン基を含む、式1:
【化1】

式中、Ar、ArおよびArは、同じまたは異なってもよく、各々、異なる繰り返し単位における場合独立して、少なくとも1つの随意に置換されたC1〜40ヒドロカルビル基および/または少なくとも1つの他の随意的置換基により随意に置換される芳香族基(単核または多核)を表し、そしてn=1〜4、好ましくは1〜3およびより好ましくは1または2である、
を有する化合物である。Ar、ArおよびArの文脈で、単核芳香族基は、たった1つの芳香族環、例えばフェニルまたはフェニレンを有する。多核芳香族基は、縮合してもよく(例えばナフチルまたはナフチレン)、個々に共有結合してもよく(例えばビフェニル)、ならびに/あるいは縮合したおよび個々に結合した芳香族環の両方の組み合わせでもよい、2つまたは3つ以上の芳香族環を有する。好ましくは各Ar、ArおよびArは、実質的に全部の基にわたり実質上共役している、芳香族基である。
【0009】
式1の化合物の例を、以下に式2A〜Oとして示す:
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
他の好適なより低い分子量の半導体化合物は、以下の式3〜9の構造の、n=1の単量体、またはn=2〜10、好ましくはn=2〜3のオリゴマー(コオリゴマーを含む)を含んでもよい。
【化6】

式中、
R1およびR2は、独立してH;随意的置換アルキル;アルコキシ;チオアルキル;アシル;随意的置換アリール;フッ素原子;シアノ基;ニトロ基;随意的置換第二または第三アルキルアミンまたはアリールアミン−N(R)(R)、ここでRおよびRは、各々独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルコキシまたはポリアルコキシ基により表してもよく;あるいは他の置換基でもよく、そして*は、水素を含むどんな末端または端末(end capping)基でもある。アルキルおよびアリール基は、随意にフッ素化されてもよい。
【0014】
【化7】

式中、Xは、Se、Teまたは好ましくはO、Sまたは−N(R)−であってもよく、ここでRはH、アルキル、置換アルキル、アリール、または置換アリールを表し;R1およびR2は、式3のとおりである。アルキルおよびアリール基は、随意にフッ素化されてもよい。
【0015】
【化8】

式中、X、R1およびR2は、式3のとおりである。
【0016】
【化9】

式中、Xは、式4のとおりであり;R1、R2は、式3のとおりであり;ならびにZは、C(T)=C(T)−、−C≡C−、−N(R’)−、−N=N−、(R’)=N−、−N=C(R’)−を表し、TおよびTは、独立して−H、Cl、F、−C≡Nまたはより低いアルキルを表し、R’は、−H、アルキル、置換アルキル、アリール、または置換アリールを表す。アルキルおよびアリール基もまた、随意にフッ素化されてもよい。
【0017】
【化10】

式中、R1およびR2は、式3のとおりである。アルキルおよびアリール基は、随意にフッ素化されてもよい。
【0018】
【化11】

式中、R1〜R4は、独立して式3におけるR1およびR2用のと同じリストの基から選択してもよい。
【0019】
【化12】

式中、単量体は、アニリン単量体単位であり、基Ar’、Ar’’およびAr’’’は、随意的置換アリール基であり、ここで、アリール基はフェニル基であってもよく、そしてAr’’’は、電子吸引または供与効果を有する基により置換(例えばo−またはp−置換)されてもよい。
【0020】
より高い分子量の半導体化合物のための化合物の好ましい分類は、実質上π共役繰り返し単位を含むものを含む。より高い分子量の半導体化合物は、一般式10:
【化13】

式中、A、B、...、Zは各々、単量体単位を表し、(c)、(d)、...(z)は各々、重合体におけるそれぞれの単量体単位の割合を表し、すなわち各々(c)、(d)、...(z)は、0〜1の値であり、合計(c)+(d)+...+(z)=1である、
で表される単独重合体または共重合体(ブロック共重合体を含む)であってもよい。単量体単位A、B、...Zの例は、上記に示した式3〜9で表される単位を含む。ブロック共重合体の場合、各単量体A、B、...Zは、共役オリゴマーまたは重合体でもよく、多数、例えば2〜50の式3〜9で表される単位を含む。
【0021】
より高い分子量の半導体化合物は、好ましくはアリールアミン、フルオレン、チオフェン、スピロビフルオレンおよび/または随意的置換アリール(例えばフェニレン)基、より好ましくはアリールアミン、さらにより好ましくはトリアリールアミンを含む。前述の基は、さらなる接合基、例えばビニレンにより結合してもよい。加えて好ましくは、より高い分子量の半導体化合物は、1または2以上の前述のアリールアミン、フルオレン、チオフェンおよび/または随意的置換アリール基を含む、重合体(ブロック共重合体を含む、単独重合体または共重合体のいずれか)を含む。好ましいより高い分子量の化合物は、アリールアミン(好ましくはトリアリールアミン)および/またはフルオレン単位を含む、単独重合体または共重合体(ブロック共重合体を含む)を含む。別の好ましいより高い分子量の化合物は、フルオレンおよび/またはチオフェン単位を含む、単独重合体または共重合体(ブロック共重合体を含む)を含む。より高い分子量の化合物のための共重合体の例は、以下のとおりである:
【化14】

【0022】
より高い分子量の半導体化合物のための化合物の特に好ましい分類は、nが、少なくとも5、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも15および最も好ましくは少なくとも20であること以外は、上記と同じ一般式1を有する、アリールアミン基を含む重合体である。かかる化合物を、本明細書中、式11として示す。式11の一連の化合物の例は、式11A〜Cを有し、ここでnは、少なくとも15である。
【化15】

【0023】
【化16】

【0024】
式1および11の化合物は、WO 99/32537およびWO 00/78843に記載のものを含む様々な方法により用意してもよく、それらの内容は、参照として本明細書中に組み込まれている。
本発明の特に好ましい組成物は、より低い分子量の化合物として、式1(好ましくは、n=1または2)の少なくとも1つの化合物、および高い分子量の化合物として、式11(好ましくは、nは少なくとも20)の少なくとも1つの化合物を含有する。より特に好ましい組成物は、前述のような式1および11の化合物が、相対的比率40:60〜60:40重量部で提供されるものである。
有利に、本発明のかかる組成物は、改善されたキャリア移動度、溶液コーティング技術用の良好な溶解性、バインダとの相溶性、および/または高耐久性を示す。
【0025】
本発明の組成物は、溶媒中で少なくとも1つのより高い分子量の化合物および少なくとも1つのより低い分子量の化合物の両方を一緒に混合することを含む製法によって調製してもよい。溶媒は、1つの溶媒であってもよく、あるいはより高いおよびより低い分子量の化合物を各々、別々の溶媒に溶解し、化合物を混合するために2種類の得られる溶液を混合してもよい。化合物を含む溶媒を、その後基板に適用してもよい。溶媒を、組成物を形成するために、蒸発させてもよい。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物および/または組成物を構成する個々のより高いおよびより低い分子量の化合物を、溶媒から被覆してもよい。溶媒を、組成物を形成するために、蒸発させてもよい。好ましくは、組成物および/または組成物を構成する個々のより高いおよびより低い分子量の化合物は、溶媒に可溶である。好ましくは、組成物および組成物を構成する個々のより高いおよびより低い分子量の化合物は、広範囲にわたる有機溶媒、例えば、限定することなく、トルエン、THF、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロベンゼン、アニソール、キシレンに可溶である。したがって、組成物を、様々な型の溶液コーティングにより、デバイス製造の一部として基板に適用してもよい。組成物は、ディップコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、バーコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング、リソグラフィーコーティング(フォトリソグラフィープロセスを含む)、インクジェットコーティング(連続およびドロップオンデマンドを含み、圧電または熱プロセスにより発射する)、スクリーンコーティング、スプレーコーティングおよびウェブコーティングなどの各種コーティングまたは印刷技術により、基板に適用することができる。組成物を、層または膜として被覆してもよい。
【0027】
一つの態様において、より高い分子量の化合物を、最初に基板上に被覆し(例えば、溶液コーティングの形により)、次いでより低い分子量の化合物のコーティングを被覆し(例えば、最初と同じまたは異なる溶液コーティングの形により)、そして組成物を形成するために、より低い分子量の化合物をより高い分子量の化合物中に拡散させてもよく、またはその逆を行ってもよい。
【0028】
本発明はまた、電子デバイスにおける組成物の使用を提供する。本組成物は、様々なデバイスおよび装置において高移動度半導体材料として使用してもよい。本組成物は、例えば、半導体層または膜の形で使用してもよい。したがって、別の側面において、本発明は、電子デバイスにおける使用のための層を提供し、該層は、本発明の第一の側面による組成物を含む。層または膜は、約30ミクロン未満であってもよい。様々な電子デバイス用途のために、厚さは約1ミクロン未満の厚さであってもよい。層は、前述の溶液コーティングまたは印刷技術のいずれによっても、例えば電子デバイスの一部上を被覆してもよい。
【0029】
組成物は、例えば層または膜として、電界効果トランジスタ(FET)において、例えば半導体チャンネルとして、有機発光ダイオード(OLED)、例えば空孔または電子入射または輸送層または電場発光層として、光検出器、化学検出器、光起電力電池(PV)、蓄電器、メモリなどにおいて、使用してもよい。本組成物はまた、電子写真(EP)装置、例えば有機光伝導体において、使用してもよい。組成物は、前述のデバイスまたは装置において層または膜を形成するために好ましくは溶液コーティングされ、製造の価格および汎用性における利点を提供する。本発明の組成物の改善された電荷キャリア移動度は、かかるデバイスまたは装置を、より速くおよび/またはより効率的に作動させることを可能にする。
当然のことながら、本発明の組成物を、最終用途にしたがって、異なる量の組成物および/または追加の構成要素により、異なって作製してもよい。本発明の組成物を、いかなる希釈剤、例えば少なくとも1つのバインダ樹脂および/または別のOSC材料とも組み合わせて使用してもよい。
【0030】
組成物は、膜形成をさらに改善させるためおよび/または溶液コーティング力(coatability)を改善させるために粘度を調節するため、バインダ樹脂と併せて使用してもよい。バインダはまた、層の堆積一体性(stack integrity)を改善するために随意に架橋してもよい。好ましいバインダは、電気絶縁体である。好ましいバインダは、限定することなく、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ビニルポリマー(例えばポリビニルケトンおよび/またはポリビニルブチラール)、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、それらの重合体(芳香族共重合体ポリカーボネートポリエステルなど)および/またはそれらの組成物の少なくとも1種を含む。さらに好適なバインダは、WO 02/45184に開示されている。
【0031】
本明細書中使用される様々な用語の定義を、ここで説明する。
本明細書中使用される場合、nは、特定の重合体またはオリゴマー中に存在してもよい繰り返し単位の数である。
本明細書中の重合体またはオリゴマーの式のいずれにおいても、重合体またはオリゴマーは、水素を含むいかなる末端または端末基を有してもよい。
「少なくとも1つのより高い分子量の半導体化合物」または「少なくとも1つのより低い分子量の半導体化合物」の文脈中の用語「少なくとも1つ」は、組成物中、2または3以上のより高い分子量の半導体化合物および/または2または3以上のより低い分子量の半導体化合物が存在してもよいという意味であると明確に理解すべきである。
【0032】
式1および2中の1または2以上の芳香族基Ar、ArおよびArが、随意に少なくとも1つの随意に置換されたCl〜40ヒドロカルビル基により置換される場合において、C1〜40ヒドロカルビル基は、好ましくはC1〜10ヒドロカルビル基であり、より好ましくはC1〜4ヒドロカルビル基である。加えて好ましくは、前記ヒドロカルビル基は、随意的置換アルキル基である。随意に置換されたC1〜40ヒドロカルビル基にとって最も好ましいのは、随意に置換されたC1〜4アルキル基である。
本明細書中の式中、基または数値のリストを表すとされる、ラベルのリスト(例えばAr、ArおよびAr)または指数(例えば「n」)があり、これらが「各々の場合において独立している」といわれるとき、これは、各ラベルおよび/または指数は、互いから独立して、各々繰り返し単位内で独立して、各式内で独立しておよび/または必要に応じて置換された各基で独立して記載した基のいずれも表すことができることを示す。したがって、これらの場合の各々において、多くの異なる基を、単一のラベル(例えばAr)によって表してもよい。
【0033】
本明細書中使用される場合、用語「置換基」、「置換」、「随意的置換基」および/または「随意的置換」(続いて他の置換基のリストがない限り)は、以下の基(またはこれらの基による置換)の少なくとも1つを意味する:スルホ、スルホニル、ホルミル、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、ヒドロキシおよび/またはこれらの組み合わせ。これらの随意的な基は、同じ基および/または複数(好ましくは2つ)の前述の基におけるすべての化学的に可能な組み合わせを含んでもよい(例えば、互いに直接結合している場合、アミノおよびスルホニルはスルファモイル基を表す)。好ましい随意的な置換基は、C1〜4アルキル、メトキシおよび/またはエトキシ(随意に少なくとも1つのハロにより置換されるもののいずれも);および/またはアミノ(随意に少なくとも1つのメチルおよび/またはエチルにより置換される);および/またはハロのいずれをも含む。
本明細書中使用される場合、用語「ヒドロカルビル」は、少なくとも1つの水素原子と少なくとも1つの炭素原子とを含むいかなる基部分をも表す。しかしながら、ヒドロカルビル基は、随意に置換されてもよい。好ましくは、「ヒドロカルビル」基は、少なくとも1つの以下の炭素を含む部分:アルキル、アルコキシ、アルカノイル、カルボキシ、カルボニル、ホルミルおよび/またはそれらの組み合わせ;を、随意に少なくとも1つの以下のヘテロ原子を含む部分:オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、アミノ、イミノ、ニトリロおよび/またはそれらの組み合わせ、と共に含む。より好ましいヒドロカルビル基は、少なくとも1つの:アルキルおよび/またはアルコキシ(随意に少なくとも1つのハロにより置換)を含む。
【0034】
本明細書中使用される場合、用語「アルキル」は、適宜、異なる度合の飽和および/または原子価、例えば二重結合、三重結合、および/または芳香族部分(例えばアルケニル、アルキニルおよび/またはアリール)、ならびに2または3以上の置換基に結合した多価種(アルキレンなど)を含む部分、を意味する用語によりすぐに置き換えられてもよい。
本明細書中使用される場合、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
本明細書中に記載のいかなるラジカル基または部分(例えば置換基として)も、特に明記しない限りまたは文脈が明白に他の意味を示さない限り、一価基を示す(例えばアルキレン部分は2価であり、2つの他の部分と結合する)。文脈が明白に他の意味を示さない限り、3個または4個以上の原子の連鎖を含む、本明細書中の基は、連鎖が全体的にまたは一部、直線状であってもよく、分枝状であってもよく、および/または環(スピロおよび/または縮合環を含む)を形成してもよい基を意味する。
【0035】
文脈が明白に他の意味を示さない限り、本明細書中使用される場合、本明細書における用語の複数形は、単数形を含むと解釈され、逆もまた同様である。
本明細書の説明および請求項中、単語「含む(comprise)」および「含有する(containing)」ならびに単語の変化、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「〜を含むが限定されない」を意味し、他の成分を除くことを意図しない(および、除かない)。
当然のことながら、本発明の範囲内に含まれながら、前述の本発明の態様の変化をなすことができる。本明細書中に開示された各特徴は、特に明記しない限り、同じ、同等のまたは似た目的の役目を果たす代替の特徴により置き換えられてもよい。したがって、特に明記しない限り、開示された各特徴は、一般的な一連の同等のまたは似た特徴のほんの一例である。
【0036】
本明細書中に開示されたすべての特徴は、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、いかなる組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての側面に適用することができ、いかなる組み合わせでも使用してもよい。同様に、非必須の組み合わせで記載された特徴を別々に使用してもよい(組み合わせではなく)。
当然のことながら、上記の、特に好ましい態様の特徴の多くは、本発明の一態様の一部としてのみではなく、それ自体独立して発明性がある。独立した保護を、現在請求しているいかなる発明に加えてまたは代わりに、これらの特徴について求めてもよい。
本発明を、以下の例を参照により詳細に記載するが、それらは単に説明目的のみであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0037】
電界効果移動度の決定
材料の電界効果移動度を、Holland et al, J. Appl. Phys. Vol. 75, p. 7954 (1994)に記載の技法を使用して試験した。
以下の例において、試験電界効果トランジスタ(FET)を、ポリエステル基板上に予めパターンを付したPt/Pdソースおよびドレイン電極に調製した。チャンネル長(L)(=電極間の距離)は、100μmであり、チャンネル幅(W)は、36mmであった。本発明の半導体組成物(高および低分子量化合物の混合物)を、溶媒、典型的にトルエン99部中に1部溶解し、1000rpmで基板上に20秒間スピンコーティングし、約100nmの膜を得た。完全な乾燥を確実にするために、100℃のオーブン中20分間置いた。低誘電率ペルフルオロ重合体の溶液、Cytop107M(Asahi Glass、Z-1700E01)を、次に半導体上にスピンコーティングし、典型的に0.5μm〜1μmの範囲の厚さを得た。サンプルを再度100℃のオーブンに置き、絶縁体から溶媒を蒸発させた。ゴールドゲートコンタクト(gold gate contact)を、シャドーマスクを通じた蒸発によりデバイスチャンネル区域にわたって定義した。絶縁体層の電気容量を決定するために、パターンを付していないPt/Pd基層、FETデバイスと同じ方法で調製した絶縁体層、および既知の形状(geometry)の最上部の電極からなる、多数のデバイスを調製した。電気容量を、絶縁体の一方に金属を接続し、携帯型マルチメーターを使用して測定した。
【0038】
トランジスタに印加した電圧は、ソース電極の電位に関連する。p型ゲート材料の場合、負の電位をゲートに印加するとき、正の電荷キャリア(空孔)が、ゲート絶縁体の他の側面上の半導体中に蓄積する。(nチャンネルFETについては、正の電圧を印加する)。これは、蓄積モードと呼ばれる。ゲート絶縁体Cの電気容量/面積は、こうして誘引される電荷量を決定する。負の電位VDSをドレインに印加するとき、蓄積されたキャリアは、主として蓄積されたキャリアの密度、および、重要なことに、ソース−ドレインチャンネルにおけるそれらの移動度に依存するソース−ドレイン電流IDSを生み出す。ドレインおよびソース電極の配置、大きさおよび距離などの幾何学的要因もまた、電流に影響を及ぼす。典型的にゲートおよびドレイン電圧の範囲を、デバイスの研究中にスキャンする。ソース−ドレイン電流を、数式1により表現する。
【0039】
【数1】

式中、Vは、オフセット電圧およびIΩは、ゲート電圧から独立したオーム電流であり、材料の有限な伝導率に起因する。他のパラメータは、既述のとおりである。
【0040】
電気測定のために、トランジスタサンプルを、サンプルホルダに搭載した。マイクロプローブ接続を、Karl Suss PH100ミニチュアプローブヘッドを使用して、ゲート、ドレインおよびソース電極に施した。これらを、Hewlett-Packard 4155Bパラメータ分析器に連結した。ドレイン電圧を最初に−2Vに設定し、ゲート電圧を、+20から−40Vまで1Vごとにスキャンした。次にこのVを−20Vに設定し、再度、ゲートを+20Vから−40Vまでスキャンした。|V|>|VDS|であるとき、ソース−ドレイン電流は、Vと共に直線的に変化する。したがって、電界効果移動度は、数式2に示される、IDS対Vの傾き(S)から計算することができる。
【0041】
【数2】

以下に引用するすべての電界効果移動度を、(特に明記しない限り)この方法で計算する。
【0042】
例1
混合物1〜6を、表1に記載の高分子量および低分子量化合物から作った(50:50重量部)。得られた混合物の移動度を、単一の成分を超える増加%と一緒に示す。十分な移動度の増加が、混合物により得られ、混合物3および5の場合、移動度は2倍以上であることをみることができる。実験において、約19000までの分子量の式11Aの化合物を試験し、これらはすべて増加した移動度の効果を示した。
【0043】
【表1】

【0044】
例2
表2中のさらなる混合物を、式11A、Mn=17300の高分子量材料および記載した様々な低分子量化合物を使用して作った(50:50重量部)。高分子量成分自体の移動度と比較した、得られた混合物の移動度の増加%を示す。
【0045】
【表2】

【0046】
例3
式2Aの化合物を低分子量化合物として使用し、一連の混合物を、次第に増加する分子量を有する一般式11Aの高分子量化合物から作った。混合物は、50:50重量部であった。結果を図1に示す。分子量=2000〜3000以下の化合物との混合物は、単一の成分と比較して減少した移動度を有した。しかしながら、分子量約5000以上については、高分子量成分自体と比較して混合物の移動度に十分な増加がある。
【0047】
例4および5
高および低分子量化合物の混合比率による移動度の変化を調査した。式11Aの高重量化合物(Mn=17300)を、式2Cの低重量化合物と様々な混合比率で混合した(例4)。
結果を図2に示す。実験を、異なる低分子量化合物、今回は式2Jの化合物を使用して繰り返し(例5)、結果を図3に示す。混合比率が40:60〜60:40重量部の範囲、特に約50:50の比率のとき、最大の移動度の増加が生じるのがみられる。
【0048】
比較例1
本発明に従わない混合物14および15を、表3に記載された高分子量および低分子量化合物から作った(50:50重量部)。得られた混合物の移動度および高分子量化合物自体と比較したときの変化パーセンテージを示す。混合物の移動度が、成分自体よりも低いことを見出した。
【0049】
【表3】

【0050】
例6
混合物16および17を、表4に記載された高分子量および低分子量化合物から作った(50:50重量部)。これらの試験を、有機半導体混合物の溶媒としてクロロベンゼンを使用して行なった。使用した誘電体は、ヘキサン溶液からスピンさせた(spun from)ポリイソブチレン(Acros cat. No 29916-1000)であった。誘電体厚が先の例より大きかったため、移動度を、−40Vの代わりに−60Vまでのゲート電位を使用して決定した。得られた混合物の移動度を、単一の成分を超える増加%と一緒に示した。十分な移動度の増加が、混合物により得られるのがみられる。
【0051】
【表4】

【0052】
例7
混合物18および19を、混合物18の場合、誘電体がトルエン溶液からスピンさせたCYTOPであった以外、上記例6の方法を使用して、表5に記載された高分子量および低分子量化合物から作った(50:50重量部)。混合物19中のPIB誘電体は、トルエンからスピンさせた。測定を、上記例6のように行なった。得られた混合物の移動度を、単一の成分を超える増加%と一緒に表5に示す。十分な移動度の増加が、ここでも混合物により得られるのがみられる。この場合、高分子量化合物は、共重合体であった(以下の式12Aおよび12B)。
【0053】
【表5】

【0054】
【化17】

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】混合物および単一成分における、高分子化合物の分子量の増加による移動度の変化を示す図である。
【図2】高分子量化合物および低分子量化合物(式2C)の混合比率による移動度の変化を示す図である。
【図3】高分子量化合物および低分子量化合物(式2J)の混合比率による移動度の変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機半導体(OSC)材料として使用するための組成物であって、該組成物が:
(i)少なくとも5000の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより高い分子量の有機半導体化合物、および
(ii)1000以下の数平均分子量(M)を有する少なくとも1つのより低い分子量の有機半導体化合物、
を含む前記組成物。
【請求項2】
より高い分子量の半導体化合物のMが、少なくとも7000である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
より低い分子量の半導体化合物のMが、少なくとも150である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物の少なくとも一方が、少なくとも10−5cm/V.sの電荷キャリア移動度、μを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
電荷キャリア移動度、μが、少なくとも10−4cm/V.sである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
少なくともより高い分子量の半導体化合物が、前記電荷キャリア移動度を有する、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物の両方が、前記電荷キャリア移動度を有する、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項8】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物が、相対的比率10:90〜90:10重量部で組成物中に存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物が、相対的比率30:70〜70:30重量部で組成物中に存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物が、相対的比率40:60〜60:40重量部で組成物中に存在する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
より低い分子量の半導体化合物が、繰り返し単位数、nを、2〜5の範囲で有するオリゴマー、または、n=1である非オリゴマー分子のいずれかを含む、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
より低い分子量の半導体化合物が、1または2以上のアリールアミン、フルオレン、および/またはチオフェン基を含有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
より低い分子量の半導体化合物が、式1:
【化1】

式中、Ar、ArおよびArは、同じまたは異なってもよく、各々が、異なる繰り返し単位における場合には独立して、少なくとも1つの随意に置換されたC1〜40ヒドロカルビル基および/または少なくとも他の1つの随意的置換基により随意に置換された芳香族基(単核または多核)を表し、そしてn=1〜4を表す、
を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
より高い分子量の半導体化合物が、共役重合体を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
より高い分子量の半導体化合物が、1または2以上のアリールアミン、フルオレン、チオフェンおよび/または随意的置換アリール基を含有する、単独重合体、またはブロック共重合体を含む共重合体のいずれかである重合体を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
重合体が、アリールアミンおよび/またはフルオレン単位を含有する、単独重合体、またはブロック共重合体を含む共重合体である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
重合体が、フルオレンおよび/またはチオフェン単位を含有する、単独重合体、またはブロック共重合体を含む共重合体である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
重合体が、アリールアミン基を含有する、式11を有する重合体であり、ここで式11は、nが少なくとも5である以外、式1と同じである、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
nが、少なくとも20である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
より高いおよびより低い分子量の半導体化合物が、各々、共通して1または2以上の以下の基:アリールアミン、フルオレンおよび/またはチオフェン、を含有する、請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
より低い分子量の化合物としての、n=1または2である、少なくとも1つの式1の化合物、およびより高い分子量の化合物としての、nが少なくとも20である、少なくとも1つの式11の化合物を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
バインダ樹脂をさらに含む、請求項1〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
電子デバイスにおける、請求項1〜22のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項24】
電子デバイスにおける使用のための層であって、請求項1〜22のいずれかに記載の組成物を含む、前記層。
【請求項25】
層が、溶液コーティングにより電子デバイスの一部に被覆される、請求項24に記載の層。
【請求項26】
層が、以下のコーティングまたは印刷技術:ディップコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、バーコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング、リソグラフィーコーティング(フォトリソグラフィープロセスを含む)、インクジェットコーティング(連続およびドロップオンデマンドを含み、圧電または熱プロセスにより発射する)、スクリーンコーティング、スプレーコーティングおよびウェブコーティング、の1つにより電子デバイスの一部に被覆される、請求項24に記載の層。
【請求項27】
層が、最初により高いおよびより低い分子量の化合物のうちの一方を被覆することにより、次いでより高いおよびより低い分子量の化合物の他方を被覆し、そしてより高いおよびより低い分子量の化合物を互いの中に拡散させ、組成物を形成させることにより、被覆される、請求項24〜26のいずれかに記載の層。
【請求項28】
層が、以下の電子デバイス:電界効果トランジスタ(FET)、有機発光ダイオード(OLED)、光検出器、化学検出器、光起電力電池、蓄電器またはメモリ、の1つにおいて半導体層として使用される、請求項24〜27のいずれかに記載の層。
【請求項29】
層が、電界効果トランジスタ(FET)において半導体層として使用される、請求項24〜28のいずれかに記載の層。
【請求項30】
電子写真装置における、請求項1〜22のいずれかに記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−514710(P2006−514710A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502581(P2005−502581)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005521
【国際公開番号】WO2004/057688
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】