説明

有機半導体材料

【課題】溶媒に対する溶解度を向上させた有機半導体材料を提供する。
【解決手段】有機半導体材料は含硫黄縮合環化合物を含有する。含硫黄縮合環化合物は、
下記一般式(1):


(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Aをm個と、下記一般式(2):


(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Bをn個とを、4≦3m+n≦10、m≧1、n≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環数が4〜10の縮合環骨格を有し、縮合環骨格を構成する各ベンゼン環には、特定の官能基が縮合環骨格上において非対称となるように結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料に関する。
【背景技術】
【0002】
有機半導体材料は、フレキシブルディスプレイ、多機能スイッチ、多機能センサー、及び有機太陽電池等の有機半導体デバイスへの応用が期待されることから、近年、活発に研究がなされている。こうした有機半導体材料の一つとしてオリゴアセンが知られている。オリゴアセンは、複数のベンゼン環が直鎖状に縮環した化合物であって、その縮環数が増加するにしたがってHOMOとLUMOのエネルギー差が小さくなるという性質を有している。そのため、オリゴアセンのなかでも、ペンタセンやヘキサセンといった縮環数が5以上のオリゴアセンは高い移動度が期待できる有機半導体材料として特に注目されている。ところが、オリゴアセンにおける縮環数が増加すると、HOMOが上昇することにより空気安定性が低下してしまうという問題がある。たとえば、縮環数が6であるヘキサセンについては、空気中において即座に分解してしまうことが報告されている。
【0003】
一方、こうしたオリゴアセンにおける空気安定性の問題を解決するために、分子内に硫黄原子を導入して含硫黄オリゴアセンとする研究もなされている。硫黄原子は炭素原子よりも電気陰性度が高い原子であるため、分子内に導入されることによって、HOMOが低下して分子の空気安定性の向上が期待できる。また、分子内に導入された硫黄原子は、分子軌道間の相互作用を生じさせやすい分子間S−SコンタクトやS−πコンタクトを形成する。これらの各コンタクトがπ−πコンタクトよりも優れた電子及びホールの通り道となることによって移動度の向上も期待できる。
【0004】
なお、分子内に硫黄原子を導入した含硫黄オリゴアセンとしては、例えば非特許文献1及び2に開示される化合物が知られている。非特許文献1には、2つのチオフェン環を有する2,7−Diphenyl[1]benzothieno[3,2−b][1]benzothiophene(BTBT)が、高い空気安定性を有するとともにペンタセンを超える移動度を示すことが開示されている。また、非特許文献2には、ベンゼン縮合環末端にチオフェンを導入したペンタセノチオフェンが高い空気安定性と高い移動度を示すことが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K.Takimiya,H.Ebata,K.Sakamoto,T.Izawa,T.Otsubo,Y.Kunugi,J.Am.Chem.Soc.2006,128,12604.
【非特許文献2】Ming L Tang,Stefan C B Mannsfeld,Ya−Sen Sun,Hector A Becerril,Zhenan Bao,J.Am.Chem.Soc.2009,3,882.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、有機半導体材料を有機半導体デバイスに適用するに際して、同材料は薄膜の形態で用いられることになる。こうした薄膜を形成する方法としては、一般的に、高温真空下にて有機半導体材料を気化させて膜形成する真空蒸着法等のドライプロセス、及び有機半導体材料を適当な溶媒に溶解させて、その溶液を塗布する塗布法等のウェットプロセスが知られている。とくに、ウェットプロセスは、高温高真空等の特殊な条件を用いる必要がない点、及び印刷技術を用いても実施することできる点から、有機半導体デバイスの製造コストを大幅に削減することが可能であり、経済的に好ましいプロセスである。また、ウェットプロセスの場合には、容易に大面積の薄膜を形成することができるという利点もある。
【0007】
しかしながら、上記のペンタセン、BTBT、及びペンタセノチオフェンはいずれも溶媒に対する溶解度が低いことからウェットプロセスを採用することが難しく、ドライプロセスを用いざるを得ないという問題がある。
【0008】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶媒に対する溶解度を向上させた有機半導体材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の有機半導体材料は、含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料であって、前記含硫黄縮合環化合物は、下記一般式(1):
【化1】

(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Aをm個と、下記一般式(2):
【化2】

(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Bをn個とを、4≦3m+n≦10、m≧1、n≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環数が4〜10の縮合環骨格を有し、前記縮合環骨格を構成する各ベンゼン環には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基が、前記縮合環骨格上において非対称となるように結合されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の有機半導体材料は、請求項1に記載の発明において、前記縮合環骨格の両末端に位置するベンゼン環に結合する各官能基を下記一般式(3):
【化3】

に示すR1〜R8と規定したとき、R1とR4、R2とR3、R5とR8、R6とR7の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なる、又はR1とR8、R2とR7、R3とR6、R4とR5の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なる(但し、R1とR5、R2とR6、R3とR7、R4とR8がそれぞれ同じ官能基である場合を除く)ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の有機半導体材料は、縮合環数が4〜10の含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料であって、前記含硫黄縮合環化合物は下記一般式(4):
【化4】

(環Xは、下記一般式(5)で示される単位Cをp個と、下記一般式(6)で示される単位Dをq個とを、1≦3p+q≦7、p≧0、q≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環であり、「・」は縮合位置を示している。)
【化5】

で示される縮合環数が4〜10の含硫黄縮合環化合物であり、前記一般式(4)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基であり、R1とR4、R2とR3の2つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の有機半導体材料は、請求項3に記載の発明において、R1及びR4が水素原子であり、且つR2及びR3の一方が水素原子であるとともに、他方が炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有機半導体材料によれば、溶媒に対する溶解度を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の有機半導体材料は、特定の含硫黄縮合環化合物を含有するものであり、以下ではこの含硫黄縮合環化合物について説明する。
【0015】
含硫黄縮合環化合物は、下記一般式(1):
【化6】

で示される単位A(ジベンゾチオフェン単位)をm個と、下記一般式(2):
【化7】

で示される単位B(ベンゼン単位)をn個とを、4≦3m+n≦10、m≧1、n≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環数が4〜10の縮合環骨格を有している。mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。上記一般式(1)及び一般式(2)中の「・」は縮合位置を示している。
【0016】
また、上記一般式(1)で示される単位Aが2個以上存在する場合において、各単位Aの縮合状態における向きは特に限定されるものではない。つまり、各単位A中のチオフェン環の硫黄原子が全て同じ側に位置するように縮合されていてもよいし、同硫黄原子が異なる側に位置するように縮合されていてもよい。
【0017】
上記縮合環骨格の一例として、縮合環数が6又は7の場合の縮合環骨格を以下に示す。
【化8】

【0018】
上記縮合環骨格のなかでも、少なくとも一方側の端部に単位Aが位置する縮合環骨格、即ち下記一般式(7):
【化9】

で示される縮合環骨格であることが好ましい。上記一般式(7)中、環Xは、上記一般式(1)で示される単位Aをs個と、上記一般式(2)で示される単位Bをt個とを、1≦3s+t≦7、s≧0、t≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環である。s、tは共に0以上の整数である。
【0019】
また、含硫黄縮合環化合物において、上記縮合環骨格を構成するベンゼン環には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基が、同縮合環骨格上において非対称となるように結合されている。
【0020】
上記縮合環骨格上において非対称となるように各官能基が結合されることにより、含硫黄縮合環化合物の溶解度が向上する。ここで、縮合環骨格上において非対称となるとは、「縮合環骨格中に存在するチオフェン環がベンゼン環であると仮定した場合において、含硫黄縮合環化合物の分子構造内に対称軸及び対称点が存在しない、即ち含硫黄縮合環化合物が線対称及び点対称の分子構造をとらない」ことを意味する。
【0021】
とくに溶解度の向上の観点においては、上記縮合環骨格の両末端に位置するベンゼン環に対して、非対称となるように官能基が結合されていることが好ましい。つまり、上記縮合環骨格の両末端に位置するベンゼン環に結合する各官能基を下記一般式(3):
【化10】

に示すR1〜R8と規定したとき、R1とR4、R2とR3、R5とR8、R6とR7の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なっている、又はR1とR8、R2とR7、R3とR6、R4とR5の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なっていることが好ましい。但し、R1とR5、R2とR6、R3とR7、R4とR8がそれぞれ同じ官能基である場合には、含硫黄縮合環化合物が上記点対称の分子構造となる可能性があるため、この場合については除外する。
【0022】
R1とR4、R2とR3、R5とR8、R6とR7の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なっている場合には、上記縮合環骨格の短軸方向(幅方向)において非対称な構造となる。また、R1とR8、R2とR7、R3とR6、R4とR5の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なっている場合には、上記縮合環骨格の長軸方向(長さ方向)において非対称な構造となる。これらのなかでも、上記縮合環骨格の長軸方向(長さ方向)において非対称な構造となることがより好ましく、長軸方向及び短軸方向の両方向において非対称な構造となることがさらに好ましい。
【0023】
上記官能基について具体的に説明する。上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、トリフルオロメチル基、及びベンジル基が挙げられる。上記アルケニル基としては、炭素数1〜10のアルケニル基であることが好ましく、例えば、メタクリル基、及びアクリル基が挙げられる。上記アルキニル基としては、炭素数1〜10のアルキニル基であることが好ましく、例えば、エチニル基、及びプロピニル基が挙げられる。なお、アルケニル基及びアルキニル基においては、二重結合及び三重結合は官能基中のどの位置にあってもよい。
【0024】
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニル基、及びペンタフルオロフェニル基が挙げられる。上記アルコシキ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、及びt−ブトキシ基があげられる。上記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、及び4−メチルフェノキシ基が挙げられる。上記アシル基としては、例えば、2−メチルプロパノイル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクタノイル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、及びベンゾイル基が挙げられる。
【0025】
上記アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、及びt−ブトキシカルボニル基が挙げられる。上記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、及び2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル基が挙げられる。
【0026】
上記アミノ基としては、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、及びフェニルアミノ基が挙げられる。上記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、及びジメチルフェニルシリル基が挙げられる。上記スルホニル基としては、例えば、n−ブチルスルホニル基、n−オクチルスルホニル基、及びフェニルスルホニル基が挙げられる。
【0027】
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、及びシクロヘキセニル基が挙げられる。上記アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、及びプロピルチオ基が挙げられる。上記複合官能基としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−プロペニル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシエチルチオエチル基、及びジメチルアミノカルボニル基が挙げられる。
【0028】
なお、上記含硫黄縮合環化合物は、下記一般式(4)で示される化合物であるであることがより好ましい。
【化11】

上記一般式(4)中、環Xは、下記一般式(5):
【化12】

で示される単位Cをp個と、下記一般式(6):
【化13】

で示される単位Dをq個とを、1≦3p+q≦7、p≧0、q≧0の関係を満たすように組み合わせてなる構造を有し、環Xを構成するベンゼン環に結合される官能基は全て水素原子である。上記一般式(5)及び上記一般式(6)中の「・」は縮合位置を示している。
【0029】
また、上記一般式(4)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基であり、R1とR4、R2とR3の2つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なっている。そして、上記一般式(4)で示される構造のなかでも、R1及びR4が水素原子であり、且つR2及びR3の一方が水素原子であるとともに、他方が炭素数1〜10のアルキル基であることがさらに好ましい。
【0030】
次に、上記含硫黄縮合環化合物の製造方法について説明する。
上記含硫黄縮合環化合物は、例えば、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン又はそれらの誘導体と、ベンゾチオフェンジカルボン酸無水物やアセンジカルボン酸無水物等のカルボン酸無水物とを用いてフリーデル・クラフツ化反応を行った後、公知の方法を用いて複素環化反応を行うことにより合成することができる。その一例を下記反応式に示す。
【0031】
【化14】

上記反応式に示すように、3−ヘキシルジベンゾチオフェンとベンゾチオフェンジカルボン酸無水物とを用いてフリーデル・クラフツ化反応を行った後、複素環化反応を行った場合には、上記一般式(1)で示される単位A(ジベンゾチオフェン単位)2個からなる縮合環骨格を有する含硫黄縮合環化合物が得られる。
【0032】
また、3−ヘキシルジベンゾチオフェンとナフタレンジカルボン酸無水物とを用いてフリーデル・クラフツ化反応を行った後、複素環化反応を行った場合には、上記一般式(1)で示される単位A(ジベンゾチオフェン単位)を1個と、上記一般式(2)で示される単位B(ベンゼン単位)を3個とからなる縮合環骨格を有する含硫黄縮合環化合物が得られる。
【0033】
なお、上記含硫黄縮合環化合物は、上記の方法等を用いて合成した後、昇華法、再結晶法等の公知の精製法を用いて精製することにより高純度化することができる。
上記含硫黄縮合環化合物は半導体としての特性を有することから、有機半導体材料として有機半導体デバイスに適用することが可能である。上記有機半導体デバイスとしては、例えば、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、有機レーザー、フレキシブルディスプレイ、多機能スイッチ、多機能センサー、有機薄膜太陽電池、及び有機メモリーが挙げられる。
【0034】
上記含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料を有機半導体デバイスに適用するに際して、同材料は薄膜の形態で用いられることになる。このとき、上記含硫黄縮合環化合物は有機溶媒等の溶媒に対する溶解度が高いことから、ウェットプロセス(例えば、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、平板印刷法、凹版印刷法、及び凸版印刷法等の塗布法)を採用して有機半導体材料の薄膜を形成することが可能である。なお、上記有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、シクロヘキサノール、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、メチルエチルケトン、ジグライム、テトラヒドロフランが挙げられる。
【0035】
次に本実施形態における効果について、以下に記載する。
本実施形態の有機半導体材料を構成する含硫黄縮合環化合物は、上記一般式(1)で示される単位A(ジベンゾチオフェン単位)と、上記一般式(2)で示される単位B(ベンゼン単位)とを組み合わせてなる縮合環数が4〜10の縮合環骨格を有している。そして、その縮合環骨格を構成する各ベンゼン環に対して、特定の官能基が縮合環骨格上において非対称性となるように結合され、含硫黄縮合環化合物の分子構造に非対称性が付与されている。これにより、有機半導体材料の溶媒に対する溶解度が向上する。よって、有機半導体材料を有機半導体デバイスに適用する際に、ウェットプロセスを採用することが容易になる。
【0036】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 有機半導体材料中に、本発明の課題を解決できる範囲において、上記含硫黄縮合環化合物の他に、必要に応じて有機半導体材料に含有される公知の各種成分を含有させてもよい。
【実施例】
【0037】
以下に、上記実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
[1−1.実施例1の合成]
下記に示す合成経路にて実施例1(化合物5)の合成を行った。
【化15】

化合物3の合成
窒素雰囲気下、−20℃に冷却した状態で、化合物2(2.00g)及び塩化アルミニウム(2.74g)を入れた100ml三口フラスコ内に1,2−ジクロロエタン(80ml)を加えて1時間攪拌した。その後、1,2−ジクロロエタン(40ml)に溶かした化合物1(2.63g)を、100ml三口フラスコ内に約1時間をかけてゆっくりと滴下し、滴下後さらに−20℃にて42時間攪拌した。42時間後、水(100ml)及び濃塩酸(50ml)を加えて1時間攪拌した。反応液中の生成物をクロロホルムにて抽出するとともに分液処理を行った。得られた有機層について溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル:トルエン/2:2:1)にて精製することにより、化合物3の無色粉末(1.91g,41.2%)を得た。得られた化合物3のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm)9.67(1H,s,Ar−H),7.94−7.96(2H,m,Ar−H),7.83−7.74(3H,m,Ar−H),7.59−7.50(2H,m,Ar−H),7.38−7.33(2H,m,Ar−H),2.76(2H,t,J=8.0Hz,−CH−),1.68(2H,m,−CH−)1.39−1.30(6H,m,−CH−),0.89(3H,t,J=7.1Hz,−CH
【0038】
化合物4の合成
窒素雰囲気下、50ml二口フラスコ内において、化合物3(312mg)、塩化チオニル(7.47ml)、及びDMF(1滴)を60℃で3時間攪拌した。その後、溶媒を留去し、0℃にて塩化アルミニウム(441mg)及び二硫化炭素(7.47ml)を加えて還流を2時間行った。反応液を氷浴にて0℃に冷却し、氷水(50ml)を加えてさらに1時間攪拌した。その後、反応液中の生成物をクロロホルムにて抽出するとともに分液処理を行った。得られた有機層について溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム/1:1)にて精製することにより、化合物4の黄色粉末(62mg,20.4%)を得た。得られた化合物4のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm)9.02(1H,s,Ar−H),9.01(1H,d,J=8.5Hz,Ar−H),8.71(1H,s,Ar−H),7.99−7.98(1H,d,J=7.5Hz,Ar−H),7.84−7.82(1H,d,J=6.5Hz,Ar−H),7.66−7.58(2H,m,Ar−H),7.45−7.43(1H,dd,J=8.5Hz,J=1.5Hz,Ar−H),2.84(2H,t,J=7.5Hz,−CH−),1.78−1.72(2H,m,−CH−),1.43−1.32(6H,m,−CH−),0.91(3H,t,J=7.5Hz,−CH
【0039】
化合物5の合成
窒素雰囲気下、化合物4(350mg)、アルミニウム粉末(2.55g)、及び塩化水銀(9.60mg)を入れた100ml三口フラスコ内にドライシクロヘキサノール(20ml)及び四塩化炭素(0.04mg)を加えて還流を行った。3日後、反応液を室温に冷却するとともにジクロロメタンを加えて希釈し、セライトろ過を行った。得られたろ液について溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン/1:1)にて精製した。そして、さらにヘキサンにて再結晶を行うことにより、化合物5の無色粉末(269.9mg,82.6%)を得た。得られた化合物5のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm)8.79(2H,s,Ar−H),8.32−8.27(3H,m,Ar−H),8.1(1H,s,Ar−H),7.83−7.81(1H,m,Ar−H),7.72(1H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.52−7.49(2H,m,Ar−H),7.34(1H,dd,J=8.0Hz,J=1.2Hz,Ar−H),2.83(2H,t,J=8.0Hz,−CH−),1.78−1.72(2H,m,−CH−),1.43−1.32(6H,m,−CH−),0.91(3H,t,J=7.2Hz,−CH
【0040】
[1−2.実施例1の溶解度の測定]
溶解度の測定は平衡法を用いて行った。スクリューバイアルにジクロロメタン0.3mlを入れ、25℃でゆっくりと撹拌しながら、過飽和溶液にならないように実施例1(化合物5)を少量ずつ合計3.0mg添加した。結晶が溶けなくなってから、同温で6時間撹拌を継続した。そして、不溶な結晶が存在することを確認した後、母液をHPLCにて分析し、母液中に溶解した実施例1の量(2.4mg)を定量した。この結果に基づいて実施例1のジクロロメタンに対する溶解度(ppm[w/w])を算出した。また、比較試験として、実施例1と同一の縮合環骨格を有し、同縮合環骨格を構成するベンゼン環に結合する官能基が全て水素原子である化合物(比較例1)のジクロロメタンに対する溶解度を上記と同様の方法により測定した。これらの結果を表1に示す。
【表1】

表1に示すように、ジクロロメタンに対する実施例1及び比較例1の溶解度は、それぞれ6000ppm及び400ppmであり、実施例1は比較例1に対して15倍も高い溶解度を示した。
【0041】
[2−1.実施例2の合成]
下記に示す合成経路にて実施例2(化合物12)の合成を行った。
【化16】

【0042】
化合物8の合成
窒素雰囲気下、−20℃に冷却した状態で、化合物7(3.37g)及び塩化アルミニウム(6.78g)を入れた500ml三口フラスコ内に1,2−ジクロロエタン(100ml)を加えて1時間攪拌した。その後、1,2−ジクロロエタン(100ml)に溶かした化合物6(5.00g)を、500ml三口フラスコ内に約1時間をかけてゆっくりと滴下し、滴下後さらに−20℃にて24時間攪拌した。24時間後、水(100ml)及び濃塩酸(50ml)を加えて1時間攪拌した。反応液中の生成物をクロロホルムにて抽出するとともに分液処理を行った。得られた有機層について溶媒を留去し、クロロホルムにて洗浄した後、吸引ろ過を行うことにより、化合物8の無色粉末(3.70g,42.0%)を得た。得られた化合物8のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm)8.67(1H,s,Ar−H),8.62(1H,s,Ar−H),8.03(1H,d,J=9.0Hz,Ar−H),7.93−7.91(2H,m,Ar−H),7.83−7.78(2H,m,Ar−H),7.74(1H,d,J=8.5Hz,Ar−H),7.71−7.65(2H,m,Ar−H),7.32(1H,dd,J=5.0Hz,J=1.5Hz,Ar−H),2.75(2H,t,J=10.0Hz,−CH−),1.70−1.64(2H,m,−CH−),1.37−1.28(6H,m,−CH−),0.87(3H,t,J=7.5Hz,−CH
【0043】
化合物9の合成
200ml三口フラスコ内に化合物8(3.00g)、亜鉛粉末(2.10g)、及び10%水酸化ナトリウム水溶液(80ml)を加えて還流を24時間行った。その後、反応液を0℃に冷却し、10%塩酸を加えた。反応液をろ過した後、得られたろ液中の生成物をジクロロメタンにて抽出するとともに、溶媒を留去することにより、化合物9の無色粉末(2.93g)を定量的に得た。得られた化合物9のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm)8.58(1H,s,Ar−H),7.93(1H,s,Ar−H),7.81−7.43(9H,m,Ar−H),7.21(1H,t,J=7.2Hz,Ar−H),4.67(2H,s,−CH−),2.75(2H,t,J=7.6Hz,−CH−),1.63−1.55(2H,m,−CH−),1.29−1.22(6H,m,−CH−),0.83(3H,t,J=7.6Hz,−CH
【0044】
化合物10の合成
窒素雰囲気下、0℃に冷却した状態で、ドライエーテル(100ml)を入れた100ml三口フラスコ内に水素化アルミニウムリチウム(0.73g)を加え、さらに化合物9(2.93g)を加えて還流を4時間行った。その後、反応液を0℃に冷却し、ゆっくりと水を滴下した後、さらに塩酸を加えた。反応液中の生成物をエーテルにて抽出するとともに分液処理を行った。得られた有機層について溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)にて精製することにより、化合物10の無色固体(2.06g,73.0%)を得た。得られた化合物10のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm)7.95(1H,s,Ar−H),7.88(1H,s,Ar−H),7.86−7.83(2H,m,Ar−H),7.78−7.76(1H,m,Ar−H),7.73(2H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.64(1H,s,Ar−H),7.47−7.46(2H,m,Ar−H),7.28−7.26(2H,m,Ar−H),4.81(2H,d,J=5.4Hz,−CH−),4.41(2H,s,−CH−),2.74(2H,t,J=7.9Hz,−CH−),1.70−1.64(2H,m,−CH−),1.37−1.28(6H,m,−CH−),0.88(3H,t,J=6.7Hz,−CH
【0045】
化合物11の合成
窒素雰囲気下、0℃に冷却した状態で、化合物10(1.50g)及びドライジクロロメタン(70ml)を入れた200ml三口フラスコ内にクロロクロム酸ピリジニウム(2.21g)を加えた。そして、反応液を室温に昇温させて8時間攪拌した後、反応液をろ過した。得られたろ液中の生成物をジクロロメタンにて抽出し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)にて精製することにより、化合物11の黄色固体(1.49g)を定量的に得た。得られた化合物11のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm)10.45(1H,s,CHO),8.50(1H,s,Ar−H),8.11(2H,dd,J=8.0Hz,J=3.7Hz,Ar−H),8.0(1H,d,J=1.1Hz,Ar−H),7.93(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),7.86(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),7.84(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),7.78(1H,s、Ar−H),7.75−7.72(1H,m,Ar−H),7.69−7.65(1H,m,Ar−H),7.41−7.39(2H,m,Ar−H),4.88(2H,s,−CH−),2.85(2H,t,J=7.8Hz,−CH−),1.82−1.76(2H,m,−CH−),1.49−1.37(6H,m,−CH−),0.99(3H,t,J=7.2Hz,−CH
【0046】
化合物12の合成
窒素雰囲気下、200mlナスフラスコ内において、化合物11(1.40g)及びポリリン酸(100g)を100℃にて20時間攪拌した。その後、反応液を室温に冷却し、氷水中に反応液中を投入した。そして、析出した紫色の固形物を吸引ろ過にて回収し、これをジクロロメタンにて洗浄することにより、化合物12の紫色粉末(732.3mg,54.6%)を得た。得られた化合物12のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm)9.02(1H,s,Ar−H),8.88(1H,s,Ar−H),8.86(1H,s,Ar−H),8.84(1H,s,Ar−H),8.82(1H,s,Ar−H),8.50(1H,s,Ar−H),8.20(1H,s,Ar−H),8.14−8.11(2H,m,Ar−H),7.78(1H,d,J=8.1Hz,Ar−H),7.52−7.50(2H,m,Ar−H),7.45(1H,dd,J=9.0Hz,J=1.5Hz,Ar−H),2.93(2H,t,J=7.9Hz,−CH−),1.90−1.84(2H,m,−CH−),1.58−1.46(6H,m,−CH−),1.04(3H,t,J=7.2Hz,−CH
【0047】
[2−2.実施例2の溶解度測定]
上記1−2と同様の方法により、実施例2(化合物12)のジクロロメタンに対する溶解度を測定した。なお、本測定においては、母液であるジクロロメタン量を6.9mlとするとともに、実施例2の添加量を3.5mgとした。そして、母液中に溶解した実施例2の量は3.2mgであった。また、比較試験として、実施例2と同一の縮合環骨格を有し、同縮合環骨格を構成するベンゼン環に結合する官能基が全て水素原子である化合物(比較例2)のジクロロメタンに対する溶解度を同様に測定した。これらの結果を表2に示す。
【表2】

表2に示すように、ジクロロメタンに対する実施例2及び比較例2の溶解度は、それぞれ350ppm及び25pmであり、実施例2は比較例2に対して14倍も高い溶解度を示した。
【0048】
[3.実施例1及び2の有機半導体特性の評価]
実施例1及び実施例2の有する分子構造について、密度汎関数法(B3LYP/6−31G(d))を用いて量子化学計算を行ったところ、実施例1及2の分子構造から算出されたバンドギャップはそれぞれ3.56eV、2.52eVであった。この結果から、実施例1及2は有機半導体材料として利用できることが示唆される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料であって、
前記含硫黄縮合環化合物は、下記一般式(1):
【化1】

(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Aをm個と、下記一般式(2):
【化2】

(「・」は縮合位置を示している。)
で示される単位Bをn個とを、4≦3m+n≦10、m≧1、n≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環数が4〜10の縮合環骨格を有し、
前記縮合環骨格を構成する各ベンゼン環には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基が、前記縮合環骨格上において非対称となるように結合されていることを特徴とする有機半導体材料。
【請求項2】
前記縮合環骨格の両末端に位置するベンゼン環に結合する各官能基を下記一般式(3):
【化3】

に示すR1〜R8と規定したとき、R1とR4、R2とR3、R5とR8、R6とR7の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なる、又はR1とR8、R2とR7、R3とR6、R4とR5の4つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なる(但し、R1とR5、R2とR6、R3とR7、R4とR8がそれぞれ同じ官能基である場合を除く)ことを特徴とする請求項1に記載の有機半導体材料。
【請求項3】
縮合環数が4〜10の含硫黄縮合環化合物を含有する有機半導体材料であって、
前記含硫黄縮合環化合物は下記一般式(4):
【化4】

(環Xは、下記一般式(5)で示される単位Cをp個と、下記一般式(6)で示される単位Dをq個とを、1≦3p+q≦7、p≧0、q≧0の関係を満たすように組み合わせてなる縮合環であり、「・」は縮合位置を示している。)
【化5】

で示される縮合環数が4〜10の含硫黄縮合環化合物であり、
前記一般式(4)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキルチオ基、エステル基、イミノ基、アミド基、スルフィド基、ジスルフィド基、及びこれらのうちの2以上の基を含む複合官能基から選ばれる同一又は異なる官能基であり、R1とR4、R2とR3の2つの組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせにおける官能基が互いに異なることを特徴とする有機半導体材料。
【請求項4】
R1及びR4が水素原子であり、且つR2及びR3の一方が水素原子であるとともに、他方が炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体材料。

【公開番号】特開2012−169550(P2012−169550A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31156(P2011−31156)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(304036754)国立大学法人山形大学 (59)
【Fターム(参考)】