説明

有機太陽電池セル、太陽電池モジュール及び有機太陽電池セルの製造方法

【課題】小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現でき、且つ、容易に製造することができる有機太陽電池セルを提供する。
【解決手段】有機半導体層を含む、ボトム入射構造を有する有機太陽電池セルを、厚さ方向に貫通した複数の接続孔11aを有する透明な絶縁性基板11、絶縁性基板11の下部電極層12側とは反対側の面に設けられた,複数の接続孔11aを覆う形状の補助電極パターン16、絶縁性基板11の各接続孔11a内に設けられた,補助電極パターン16と下部電極層12との間を電気的に接続する導電性部材15を備えたものとしておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機系の光電変換層を備える有機太陽電池セルと、有機太陽電池セルを複数個含む太陽電池モジュールと、有機太陽電池セルの製造方法とに、関する。
【背景技術】
【0002】
無機系の光電変換層を備えた太陽電池セル、そのような太陽電池セルを複数個直列接続(又は直並列接続)した太陽電池モジュールとしては、具体的な構成が異なるさまざまなものが知られている。
【0003】
例えば、各種膜の形成とレーザを用いたパターニングとにより、1枚の基板上に,直列接続された複数の太陽電池セルを形成した太陽電池モジュール(例えば、特許文献1,5参照。)や、複数の太陽電池セルをインターコネクタによって直列接続した太陽電池モジュール(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
【0004】
また、透明電極層のシート抵抗によりセルサイズが制限されないようにするために、集電用の補助電極を透明電極層上に設けた,トップ入射型の太陽電池セル(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
【0005】
このように、無機系の太陽電池セル/モジュールとしては、さまざまな構成のものが知られているのであるが、光電変換層を有機半導体層とすれば、より安価に太陽電池セルを製造することが可能となる。そのため、有機系の光電変換層を有する有機太陽電池セル(例えば、特許文献2参照。)、複数個の有機太陽電池セルを直列(又は直並列)に接続した有機太陽電池モジュールの開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3584750号公報
【特許文献2】特開2008−201819号公報
【特許文献3】特開平5−183177号公報
【特許文献4】特開平5−160425号公報
【特許文献5】特許第2755281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
太陽電池モジュールは、所望の出力電圧を得る為に、複数の太陽電池セルを直列に接続して構成されるが、直列接続の方法としては、大きく次の2つが挙げられる。
一つは、特許文献4にあるように、セル間をインターコネクタで接続する方法である。もう一つは、特許文献3にあるように、電極と光電変換層をレーザによりパターニングすることによって、基材上で直列化を実現する方法である。
【0008】
しかしながら、基材上で直列化を実現する方法は、製造コストが高いという問題がある。
【0009】
ここで、有機半導体を光電変換層に用いた太陽電池は、成膜方法として塗布等の安価なプロセスを用いることが可能であるという特徴を有している。この特徴を生かすため、有機太陽電池モジュールは、インターコネクタで接続する構造を採用することが好ましい。
【0010】
また、有機太陽電池セルの構造は、有機半導体層を上下から電極層でサンドイッチしたものとなっている。ここで、どちらか片方の電極は太陽光を透過することが必要である。このような透明電極は一般にスパッタ法により形成されるが、成膜時のエネルギーが大きいため、下層が劣化する問題がある。特に有機半導体材料は、その影響が大きい。
【0011】
従って、有機太陽電池セルを製造する場合、透明電極を予め形成しておいた上に有機半導体層を設けることが好ましい。その結果、透明絶縁性基板/透明電極層/有機半導体層/上部電極層という積層構造(いわゆるボトム入射構造)となる。
【0012】
ここで、透明電極は、透明性を求められるために膜厚を厚くすることができず、その結果抵抗値を必要な値まで低くすることができないという問題がある。その結果、セルサイズを大きくすることができず、多くのセルを接続する必要が生じてしまい、製造コストが高くなるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明の第1の課題は、ボトム入射構造を有する有機太陽電池セルであって、小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現でき、且つ、容易に製造することができる有機太陽電池セルを、提供することにある。
【0014】
また、本発明の第2の課題は、所望電力が得られるものを、煩雑な組み立て作業が不要な形で製造できる太陽電池モジュールを、提供することにある。
【0015】
また、本発明の第3の課題は、本発明の有機太陽電池セルを、特に容易に製造することが出来る有機太陽電池セルの製造方法を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した第1の課題を解決するために、本発明の有機太陽電池セルは、透明な絶縁性基板上に、透明電極層と有機半導体層を含む光電変換部と上部電極層とが、この順に積層された部分を含む構成であって、前記絶縁性基板が、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有する基板であり、前記絶縁性基板の前記透明電極層側とは反対側の面に、前記複数の接続孔を覆う形状の補助電極パターンが設けられており、前記絶縁性基板の各接続孔内に、前記補助電極パターンと前記透明電極層との間を電気的に接続する導電性部材が設けられている構成を有する。
【0017】
すなわち、本発明の有機太陽電池セルは、透明電極層の各部が、絶縁性基板の接続孔内の導電性部材を介して補助電極パターンに接続された構成を有している。そして、当該構成を有していれば、セルサイズが比較的に大きくなっても、特に問題は生じない(セルサイズに応じた電流を取り出せる)のであるから、本発明の有機太陽電池セルは、小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現できるものとなっていることになる。
【0018】
また、“透明電極層上に補助電極を設ける”という既存の技術をボトム入射構造を有する有機太陽電池セルに適用した場合(絶縁性基板上又は透明電極層上に補助電極を設けた場合)、光電変換部を均一に形成することが困難になってしまう。何故ならば、有機半導体層の膜厚は、その特性から、通常0.1μm程度と薄くすることが必要であるため、光
電変換部の形成面は、かなり凹凸が小さなものであることが望まれるが、低抵抗な補助電極を実現するためには、補助電極の厚さを1μm程度とする必要がある。そのため、透明電極層上/補助電極上に、補助電極/透明電極層を形成しただけでは、光電変換部の形成面が、1μm程度の凹凸を有するものとなってしまい、均一な光電変換部の形成が難しくなってしまう。
【0019】
一方、本発明の構成を採用しておけば、光電変換部の形成面を平坦にするための煩雑なプロセスを行うことなく、透明電極層のシート抵抗によりセルサイズが制限されないようにすることが出来る。従って、本発明の有機太陽電池セルは、容易に製造することができるものとなっていることにもなる。
【0020】
本発明の有機太陽電池セルは、前記上部電極層、前記光電変換部及び前記透明電極層が、溝により、主領域と、当該主領域よりも小面積の副領域とに分離されており、前記上部電極層、前記光電変換部及び前記透明電極層の前記副領域側の部分に、それぞれ、前記絶縁性基板の,前記副領域下に位置する特定の前記導電性部材と前記上部電極層とを電気的に接続する1つ以上の第2導電性部材が設けられているものとして実現しておくことも出来る。
【0021】
そして、本発明の有機太陽電池セルを、そのような形で実現しておけば、一方の面側に(上部電極層の副領域側と主領域側とに)、2つのインターコネクタを取り付けるだけで、他の有機太陽電池セルと接続できる有機太陽電池セルを実現できることになる。
【0022】
なお、本発明の有機太陽電池セルの絶縁性基板は、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有する,透明な絶縁性基板でありさえすれば良い。ただし、絶縁性基板としてプラスティックフィルムを採用しておけば、柔軟性を有する/製造がより容易な有機太陽電池セルを実現できることになる。
【0023】
上記第2の課題を解決するために、本発明の第1の態様の太陽電池モジュールは、いずれも、請求項1記載の有機太陽電池セルである第1乃至第N(N≧2)の太陽電池セルと、それぞれ、第1乃至第N−1の太陽電池セルの補助電極パターンと第2乃至第Nの太陽電池セルの上部電極層とを電気的に接続するN−1個のインターコネクタとを、備える。
【0024】
すなわち、本発明の第1の態様の太陽電池モジュールは、本発明の有機太陽電池セル(小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現できる有機太陽電池セル)が用いられたものとなっている。従って、この太陽電池モジュールは、多数の有機太陽電池セルを配置した上で各有機太陽電池セル間をインターコネクタによって接続するといった煩雑な作業が不要な形で製造できるものとなっていることになる。
【0025】
また、本発明の第2の態様の太陽電池モジュールは、いずれも、請求項2記載の有機太陽電池セルである第1乃至第N(N≧2)の太陽電池セルと、それぞれ、第1乃至第N−1の太陽電池セルの副領域側の上部電極層と第2乃至第Nの太陽電池セルの主領域側の上部電極層とを電気的に接続するN−1個のインターコネクタとを、備えている。
【0026】
すなわち、本発明の第2の態様の太陽電池モジュールは、本発明の,溝を設けられているタイプの有機太陽電池セルが用いられたものとなっている。従って、この太陽電池モジュールは、インターコネクタを取り付け作業を有機太陽電池セルの双方の面に対して行う必要がない分、本発明の第1の態様の太陽電池モジュールよりも製造しやすいものとなっていることになる。
【0027】
また、本発明の“有機太陽電池セルの製造方法”では、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有し、各接続孔内に、自基板の各面に至る導電性部材が設けられている、透明な絶縁性基板を製造する基板製造工程が行われた後に、その基板製造工程で製造された絶縁性基板の一方の面上に、透明電極層等を形成することによって、“前記絶縁性基板上に、前記透明電極層と前記光電変換部と前記上部電極層とが積層された部分を含み、前記絶縁性基
板の,前記透明電極層とは異なる側の面上に、各接続孔を覆う形状の補助電極パターンが設けられている有機太陽電池セル”が、製造される。
【0028】
すなわち、本発明の有機太陽電池セルは、接続孔を全く有さない絶縁性基板上に透明電極層等を形成した後に絶縁性基板に接続孔をあけ、各接続孔内への導電性部材の充填等を行うといった手順や、複数の接続孔を有する絶縁性基板上に透明電極層等を形成した後に各接続孔内への導電性部材の充填等を行うといった手順でも、製造できるものである。ただし、そのような手順を採用する場合、透明電極層にダメージを与えないプロセスにより、孔あけや導電性部材の充填を行う必要が生じることになる。一方、“厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有し、各接続孔内に、自基板の各面に至る導電性部材が設けられている、透明な絶縁性基板”を予め製造しておけば、そのようなプロセスを想到・実施する必要がない形で有機太陽電池セルを製造できることになる。従って、本発明の有機太陽電池セルの製造方法は、本発明の有機太陽電池セルを、特に容易に製造することが出来る方法となっていると言うことが出来る。
【0029】
本発明の有機太陽電池セルの製造方法を実施する際には、基板製造工程として、『前記透明電極層が設けられない方の面上に前記補助電極パターンが設けられている絶縁性基板を製造する工程』を採用しておくことが出来る。なお、そのような基板製造工程としては、『透明な絶縁性基材に、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を形成し、前記複数の接続孔を形成した前記絶縁性基材の,前記透明電極層が設けられない方の面に対して,導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、各接続孔内に、自基板の各面に至る導電性部材が設けられており、かつ、前記透明電極層が設けられない方の面上に前記補助電極パターンが設けられている絶縁性基板を製造する工程』が考えられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ボトム入射構造を有する、小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現でき、且つ、容易に製造することができる有機太陽電池セル、所望電力が得られるものを煩雑な組み立て作業が不要な形で製造できる太陽電池モジュール、及び、本発明の有機太陽電池セルを特に容易に製造することが出来る有機太陽電池セルの製造方法を、提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る有機太陽電池セルの要部断面図。
【図2】第1実施形態に係る有機太陽電池セルの補助電極パターン側から見た平面図。
【図3】基板部の製造手順の説明図。
【図4】第1実施形態に係る有機太陽電池セルを用いて製造した太陽電池モジュールの構成図。
【図5】第2実施形態に係る有機太陽電池セルの要部断面図。
【図6】第2実施形態に係る有機太陽電池セルの上部電極層側から見た平面図。
【図7】第2実施形態に係る有機太陽電池セルを用いて製造した太陽電池モジュールの構成図。
【図8】第2実施例に係る有機太陽電池セルの要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
《第1実施形態》
まず、図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る有機太陽電池セル10の構成を説明する。なお、これらの図のうち、図1は、有機太陽電池セル10の要部断面図(
図2におけるX−X断面図)であり、図2は、補助電極パターン16側から見た有機太陽電池セル10の平面図である。
【0034】
図1及び図2から明らかなように、第1実施形態に係る有機太陽電池セル10は、厚さ方向に貫通した複数の接続孔11aを有する,透明な絶縁性基板11の一方の面上に、透明電極層12、光電変換部13、上部電極層14を、この順に形成したものである。また、有機太陽電池セル10は、絶縁性基板11の各接続孔11a内に、各接続孔11aと同形状の導電性部材15が設けられ、絶縁性基板11の他方の面上に、各接続孔11aを覆う形状の導電性部材である補助電極パターン16が設けられたものともなっている。
【0035】
以下、この有機太陽電池セル10の各構成要素の詳細を、有機太陽電池セル10の製造方法と共に、説明する。なお、以下の説明では、絶縁性基板11の透明電極層12が形成される側の面のことを、表面と表記し、逆側の面のことを、裏面と表記する。
【0036】
この有機太陽電池セル10は、『接続孔11aを全く有さない絶縁性基板11上に透明電極層12等を形成した後に、透明電極層12等が形成されている絶縁性基板11に複数の貫通孔11aをあけ、各貫通孔11aへの導電性部材15の充填等を行う』といった手順や、『複数の接続孔11aを有する絶縁性基板11上に透明電極層12等を形成した後に、各接続孔11a内への導電性部材15の充填等を行う』といった手順でも、製造できるものである。ただし、そのような手順を採用すると、形成済みの透明電極層12にダメージを与える虞がある。そのため、有機太陽電池セル10の製造時には、まず、図3に示した手順で、絶縁性基板11と導電性部材15と補助電極パターン16とからなる部分(以下、基板部と表記する)を製造しておくことが望ましい。
【0037】
具体的には、基板部を製造する場合には、まず、絶縁性基板11に加工する透明絶縁性部材11′を用意する。この透明絶縁性部材11′は、透明な,適度な強度を有する材料からなる絶縁性板状部材(ガラス板、有機フィルム等)でありさえすれば良い。ただし、出力の高い有機太陽電池セル10を得るためには、透明絶縁性部材11′として、波長500nmにおける透過率が50%以上である部材を採用(用意)しておくことが望ましい。また、連続的な有機太陽電池セル10の製造を可能とするため/可撓性を有する有機太陽電池セル10を実現できるようにするためには、透明絶縁性部材11′として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、トリアセチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、アラミド等の有機フィルムを採用しておくことが望ましい。なお、用意する透明絶縁性部材11′のサイズは、1つの絶縁性基板11(1個の有機太陽電池セル10の構成要素として使用できるサイズの絶縁性基板11)を得られるものであっても、複数個の絶縁性基板11を得られるものであっても良い。
【0038】
また、透明絶縁性部材11′の厚さが厚すぎると、有機太陽電池セル10の重量が増えると共に、有機太陽電池セル10の製造コストが高くなってしまうことになる。逆に、透明絶縁性部材11′の厚さが薄すぎると、機械的強度が弱い有機太陽電池セル10が得られてしまうことになる。そのため、透明絶縁性部材11′(絶縁性基板11)の厚さは、1μm以上、20mm以下としておくことが好ましく、5μm以上、10mm以下としておくことが望ましい。
【0039】
絶縁性基板11(透明絶縁性部材11′)に設ける接続孔11aの形状、数は、特に限定されない。しかしながら、比較的に大きな接続孔11aを、多数、絶縁性基板11に設けた場合には、光電変換部13(詳細は後述)に到達する光量が少ない有機太陽電池セル
10が得られてしまうことになる。また、透明絶縁性基板11の一部の領域に接続孔11aを設けなかった場合には、光電変換部13の当該領域が発電に寄与しない有機太陽電池セル10が得られてしまうこともあり得る。そして、円形の孔の方が一般に形成しやすいため、絶縁性基板11は、直径が0.01〜5mm程度の、円形の接続孔11aを、0.1〜50mm程度の間隔で等間隔に設けたものしておくことが好ましい。なお、絶縁性基板11(透明絶縁性部材11′)への接続孔11aの形成は、レーザ加工や、パンチング等の機械的な加工により行うことが出来る。
【0040】
上記のようにして、複数の接続孔11aを有する絶縁性基板11を製造した後には、各接続孔11a内に導電性部材15を形成(充填)すると共に、絶縁性基板11の裏面上へ図2に示したような形状(詳細は後述)の補助電極パターン16を形成するためのプロセスが行われる。このプロセスとしては、絶縁性基板11の裏面側に、銀ペースト等の導電ペーストをスクリーン印刷するプロセスや、マスクを形成した絶縁性基板11の裏面上に、CVD装置、真空蒸着装置等にて、導電性材料(例えば、Al等の金属や、導電性高分子等)を堆積させるプロセスを採用することが出来る。
【0041】
そして、当該プロセスの完了後に、必要な後処理(導電ペーストを乾燥させるための熱処理、マスクの除去処理等)を行うことによって、基板部(絶縁性基板11と導電性部材15と補助電極パターン16とからなる部分)が製造される。
【0042】
図1及び図2に戻って、有機太陽電池セル10の説明を続ける。
【0043】
上記手順(又は他の手順)により形成される補助電極パターン16は、絶縁性基板11の複数の接続項11aを覆う形状の、導電性材料からなるものでありさえすれば良い。従って、補助電極パターン16を、図2に示した形状を有するパターン、すなわち、それぞれ、1列分の接続孔11aを覆う複数の直線状部分16aと、それらの直線状部分16aを相互に接続する集電部分16bとからなるパターンとしておくことが出来る。また、補助電極パターン16を、複数の直線状部分16aのみからなるものや、“斜め方向に並んだ複数の接続孔11a”を覆う形状の電極部分も備えるものとしておくことも出来る。すなわち、補助電極パターンとして、図2に示す櫛形状、櫛の歯状(複数の直線状)、格子状、メッシュ状等の様々なパターンを適宜選択できる。
【0044】
なお、この補助電極パターン16の厚さは、高い導電性が得られる,過度に厚くない厚さ(例えば、1μm厚)としておくが望ましい。
【0045】
絶縁性基板11上に形成される透明電極層12(図1参照)は、透明な(透光性を有する)、導電性材料からなる層でありさえすれば良い、ただし、出力の高い有機太陽電池セル10を得るためには、この透明電極層12を、波長500nmにおける透過率が50%以上の層としておくべきである。そのような透明電極層12を実現できる材料としては、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化インジウム、酸化スズインジウム(ITO)、インジウム−ジルコニウム酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物、或いは、金、白金、銀、クロム等の金属及びその合金、ポリチオゲン誘導体にポリスリレンスルフォン酸をドーピングしたPEDOT/PSSや、ポリピロール及びポリアニリン等にヨウ素等をドーピングした導電性ポリマー等を例示できる。
【0046】
光電変換部13は、有機半導体層を含むものでありさえすれば良い。より具体的には、光電変換部13は、有機半導体層(p型の半導体とn型の半導体を含む層)のみからなるものであっても、有機半導体層と他の層(例えば、正孔輸送層)とからなるものであっても良い。
【0047】
なお、有機半導体層を構成し得るp型の半導体としては、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポリフィリン等のプルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェン及びこれら化合物を骨格として含む誘導体が例示できる。さらに、有機半導体層を構成し得るp型の半導体として、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等も例示できる。
【0048】
また、有機半導体層を構成し得るn型の半導体としては、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアポフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフラレンテトラカルボン酸無水物、ナフラレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化合物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体などを例示できる。
【0049】
また、有機半導体層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(n層)を積層した積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組み合わせを、挙げることが出来る。なお、有機半導体層の各層(p層、i層、n層)の厚みに特に制限はないが、均一性が比較的良く、透過率も或る程度高い有機半導体層を得るためには、その膜厚を、3nm以上、200nm以下としておくことが好ましく、10nm以上、100nm以下としておくことが望ましい。
【0050】
上部電極層14は、基本的には、導電性材料からなる層であれば良い。ただし、上部電極層14は、光電変換部13の具体的な構成に応じた特性を有する材料(例えば、浅い仕事関数を有するAl)からなる層としておくことが望ましい。また、上部電極層14の厚さは、高い導電性が得られる,過度に厚くない厚さ(例えば、50nm〜1000nm程度の厚さ)としておくが望ましい。
【0051】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る有機太陽電池セル10は、透明電極層12の各部が、絶縁性基板11の各接続孔11a内の導電性部材15を介して補助電極パターン16と電気的に接続されている構成を有している。そして、透明電極層12を流れる電流は、透明電極層12内を長い距離流れることなく、抵抗の低い導電性部材15を介して補助電極16に流れるので、透明電極層12におけるジュール損失を抑えることができる。従って、当該構成を有していれば、セルサイズが比較的に大きくなっても、特に問題は生じない(セルサイズに応じた電流を取り出せる)のであるから、この有機太陽電池セル10は、小セルサイズのものを多数組み合わせなくても、所望電力が得られる太陽電池モジュールを実現できるものとなっていることになる。
【0052】
また、“透明電極層上に補助電極を設ける”という既存の技術をボトム入射構造を有する有機太陽電池セルに適用する場合(絶縁性基板11上又は透明電極層12上に補助電極を設ける場合)、光電変換部13の形成面を平坦にするために煩雑なプロセスを行わなければならなくなる。何故ならば、光電変換部13の厚さは、上記したように0.1μm程度であるため、光電変換部13の形成面は、かなり凹凸が小さなものであることが望まれるが、低抵抗な補助電極を実現するためには、補助電極の厚さを1μm程度とする必要がある。そのため、透明電極層12上/補助電極上に、補助電極/透明電極層を形成しただけだと、光電変換部13の形成面が、1μm程度の凹凸を有するものとなってしまうからである。
【0053】
そして、上記構成を採用しておけば、光電変換部13の形成面を平坦にするための煩雑
なプロセスを行うことなく、透明電極層12のシート抵抗によりセルサイズが制限されないようにすることが出来る。従って、第1実施形態に係る有機太陽電池セル10は、容易に製造することができるものとなっていることにもなる。
【0054】
以下、図4を用いて、有機太陽電池セル10を構成要素とした太陽電池モジュールの構成、製造手順を説明する。
【0055】
上記構成から明らかなように、有機太陽電池セル10は、補助電極パターン16と上部電極層14とから、出力電圧を取り出せるものとなっている。従って、この有機太陽電池セル10を用いた場合には、図4に模式的に示してあるように、各有機太陽電池セル10の補助電極パターン16を、導電性を有するインターコネクタ30により、次の有機太陽電池セル10の上部電極層14に接続すれば、太陽電池モジュールを実現できることになる。
【0056】
なお、有機太陽電池セル10のモジュール化時に使用するインターコネクタ30は、導電性及び可撓性を有する部材でありさえすれば良い。従って、インターコネクタ30として、ステンレス、アルミニウム、銅、鉄、などの金属箔を切断したものを採用することができる。また、有機太陽電池セル10間に設けるインターコネクタ30を、1本としておく必要はなく、有機太陽電池セル10間を複数本のインターコネクタ30にて接続しておくことも出来る。
【0057】
インターコネクタ30の補助電極パターン16/上部電極層14への取り付けには、導電性接着剤や、導電性両面テープ(導電性基材(金属箔等)の両面に導電性接着剤が塗布されたもの)を用いることができる。導電性接着剤としては、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、カーボン粉などを導電フィラーとして含む、二液型、熱硬化型の接着剤を用いることが出来る。ただし、導電性接着剤は、その体積抵抗値が、10-1〜10-6[Ω・cm]程度のものを採用しておくことが好ましい。
【0058】
《第2実施形態》
以下、図5及び図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る有機太陽電池セル20の構成を、第1実施形態に係る有機太陽電池セル10と異なる部分を中心に説明する。なお、図5は、有機太陽電池セル20の要部断面図(図6におけるX−X断面図)であり、図6は、上部電極層14側から見た有機太陽電池セル20の平面図である。
【0059】
本実施形態に係る有機太陽電池セル20は、上記した有機太陽電池セル10を、以下のように加工することによって得られるものである。
【0060】
まず、有機太陽電池セル10の、集電部分16b側の1列目の接続孔11a列と2列目の接続孔11a列との間に、上部電極層14から絶縁性基板11に至る溝17(上部電極層14、光電変換部13及び透明電極層12を除去した部分)を形成する。この溝17の形成は、機械的な切断や、レーザ照射によって行うことが出来る。
【0061】
次いで、集電部分16b側の1列目の各接続孔11a上の部分/箇所に、上部電極層14から絶縁性基板11に至る,接続孔11aと同程度のサイズの第2接続孔18を形成する。この第2接続孔18の形成は、通常、レーザを用いることによって行われる。
【0062】
その後、各第2接続孔18内に、各第2接続孔18と同形状の第2導電性部材19を形成するための工程、例えば、導電性ペーストを各接続孔16内に充填してから熱処理を行う工程、が行われることにより、有機太陽電池セル20が製造される。
【0063】
以上の説明から明らかなように、第2実施形態に係る有機太陽電池セル20は、上部電極層14の,溝17によって分離されている二部分から、出力を取り出せる構成を有している。そのため、この有機太陽電池セル20を用いておけば、図7に模式的に示してあるように、各有機太陽電池セル20の上部電極層14の一方の部分を、導電性を有するインターコネクタ30により、他の有機太陽電池セル20の上部電極層14の他方の部分に接続することにより、太陽電池モジュールを製造できることになる。
【0064】
そして、そのような有機太陽電池セル20間の接続作業は、有機太陽電池セル10間の接続作業(図4)よりも簡単に行えるものである。従って、この有機太陽電池セル20は、有機太陽電池セル10よりも、太陽電池モジュールを製造しやすいものとなっていると言うことが出来る。
【0065】
ただし、有機太陽電池セル20は、溝17より第2接続孔18側の部分(図5,6における右側の部分)が、太陽電池として機能しないもの(有機太陽電池セル10よりも出力電流が低いもの)となっている。そのため、出力を優先したい場合には、この有機太陽電池セル20ではなく、上記した有機太陽電池セル10を使用しておくことが望ましい。
【0066】
また、有機太陽電池セル20を、上部電極層14の,溝17によって分離されている二部分から出力を取り出せるものとするために採用可能な構成は、図5に示したものに限られるものではない。例えば、図8に示したような、上部電極層14に第2接続孔18を設けず、透明電極層12及び光電変換層13のみに第2接続孔19を設けた構成を採用しておいても、上部電極層14の,溝17によって分離されている二部分から出力を取り出せる有機太陽電池セル20′(詳細は後述)を実現することが出来る。
【0067】
最後に、本発明に係る有機太陽電池セルについての2つの実施例を、説明しておくことにする。
【0068】
《第1実施例》
第1実施例に係る有機太陽電池セルは、図1に示した構成を有するものである。そして、第1実施例に係る有機太陽電池セル(以下、有機太陽電池セル10と表記する)は、以下の手順で製造されたものとなっている。
【0069】
まず、透明絶縁性部材11′(図3参照。)として、膜厚100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを、用意した。なお、用意したPENフィルムは、それを切断することによって、5cm×5cmサイズの絶縁性基板11を複数得ることが出来るサイズのものである。
【0070】
次いで、そのPENフィルム(透明絶縁性部材11′)に、直径100μmの複数個の接続孔11aを5mm間隔であけることによって、複数の絶縁性基板11に相当する部材(以下、有機太陽電池セルシートと表記する)を得た。
【0071】
その後、有機太陽電池セルシートの片面に銀ペーストをスクリーン印刷してから,有機太陽電池セルシートを150℃の環境下で30分間熱処理する、という手法で、導電性部材15を有機太陽電池セルシートの各接続孔11a内に形成(充填)すると共に、補助電極パターン16を、有機太陽電池セルシート内の各絶縁性基板11上に形成した。なお、この際、形成した補助電極パターン16は、図2に示した形状のものである。
【0072】
次に、有機太陽電池セルシートの,複数の補助電極パターン16が形成されている面とは反対側の面に、透明電極層12として、膜厚200nmのITO(酸化インジウム・スズ)をスパッタ法により形成した。その後、形成した透明電極層12上にPEDOT−P
SS(ポリ(エチレンジオキシチオフェン)―ポリ(スチレンスルフォン酸))溶液を塗布し、120℃で10分間乾燥させることにより、膜厚がおよそ30nmの正孔輸送層(光電変換部13の一部)を形成した。
【0073】
さらに、有機半導体塗布液をワイヤーバーにより塗布してから、120℃で10分間乾燥させることにより、膜厚がおよそ100nmの有機半導体層(光電変換部13の残りの部分)を正孔輸送層上に形成した。なお、実際に使用した有機半導体塗布液は、ポリチオフェン(P3HT;ポリ3−ヘキシルチオフェン)とフラーレン(PCBM;1−(3−メトキシカルボニル)−プロピル−1−フェニル(6.6)−C61)の1.0wt%クロロベンゼン溶液を、重量比1:1で混合したものである。
【0074】
その後、有機半導体層上に、上部電極層14としての膜厚100nmのアルミニウム膜を蒸着法によって形成した。そして、上記一連の工程を経た有機太陽電池セルシートを、5cm角サイズに切断することによって、第1実施例に係る有機太陽電池セル20を製造した。
【0075】
有機太陽電池セル10の評価は、製造した有機太陽電池セル10を用いて図4に示した構成の太陽電池モジュールを製造し、その出力を測定することによって行った。そして、その測定結果は、有機太陽電池セル10が、セルサイズに応じた量の電力を出力できるものとなっていること、及び、上記したインターコネクタ30による接続が、有機太陽電池セル10間を問題なく電気的に接続できるものであることを、示すものとなっていた。
【0076】
《第2実施例》
図8に、第2実施例に係る有機太陽電池セル20′の構成を示す。
この第2実施例に係る有機太陽電池セル20′は、上記した第2実施形態に係る有機太陽電池セル20を変形したものであり、以下の手順で製造されたものとなっている。
【0077】
まず、上記した第1実施例と同じ手順で、有機半導体層の形成(光電変換部13の形成)までが完了した有機太陽電池セルシート(上部電極層14が形成されていない有機太陽電池セルシート)を製造した。
【0078】
次いで、当該有機太陽電池セルシート上の各有機太陽電池セル10の,集電部分16b側の1列目の各接続孔11a上の部分/箇所に、光電変換部13(有機半導体層)から絶縁性基板11に至る,接続孔11aと同程度のサイズの第2接続孔18をレーザで形成した。そして、形成した各第2接続孔18内に銀ペーストを充填してから、銀ペーストの焼成(有機太陽電池セルシートの熱処理)を行った。
【0079】
その後、蒸着法により膜厚100nmのアルミニウム層を上部電極層14として形成してから、有機太陽電池セルシート上の各有機太陽電池セル10の,集電部分16b側の1列目の接続孔11a列と2列目の接続孔11a列との間に、ダイシング・ソーにより、上部電極層14から絶縁性基板11に至る溝17(上部電極層14、光電変換部13及び透明電極層12を除去した部分)を形成した。
【0080】
そして、上記のような一連の工程を経た有機太陽電池セルシートを、5cm角サイズに切断することによって、第2実施例に係る有機太陽電池セル20′を製造した。
【0081】
この有機太陽電池セル20′の評価も、有機太陽電池セル10と同様に、製造した有機太陽電池セル20′を用いて図7に示した構成の太陽電池モジュールを製造し、その出力を測定することによって行った。そして、その測定結果は、有機太陽電池セル20′が、セルサイズに応じた量の電力を出力できるものとなっていること、及び、インターコネク
タ30による接続が、有機太陽電池セル20′間を問題なく電気的に接続できるものであることを、示すものとなっていた。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の有機太陽電池セル/モジュールは、光熱費の削減等に利用することができる。また、本発明の有機太陽電池セルの製造方法によれば、高性能な有機太陽電池セルを安価に製造できる。
【符号の説明】
【0083】
10,20,20′ 有機太陽電池セル
11 絶縁性基板
11a 接続孔
12 透明電極層
13 光電変換部
14 上部電極層
15 導電性部材
16 補助電極パターン
16a 直線状部分
16b 集電部分
17 溝
18 第2接続孔
19 第2導電性部材
30 インターコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な絶縁性基板上に、透明電極層と有機半導体層を含む光電変換部と上部電極層とが、この順に積層された部分を含む有機太陽電池セルであって、
前記絶縁性基板が、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有する基板であり、
前記絶縁性基板の前記透明電極層側とは反対側の面に、前記複数の接続孔を覆う形状の補助電極パターンが設けられており、
前記絶縁性基板の各接続孔内に、前記補助電極パターンと前記透明電極層との間を電気的に接続する導電性部材が設けられている
ことを特徴とする有機太陽電池セル。
【請求項2】
いずれも、請求項1記載の有機太陽電池セルである第1乃至第N(N≧2)の太陽電池セルと、
それぞれ、第1乃至第N−1の太陽電池セルの補助電極パターンと第2乃至第Nの太陽電池セルの上部電極層とを電気的に接続するN−1個のインターコネクタと、
を備えることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の接続孔が前記絶縁性基板のみに設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の有機太陽電池セル。
【請求項4】
前記上部電極層、前記光電変換部及び前記透明電極層が、溝によって、主領域と当該主領域よりも小面積の副領域とに分離されており、
前記上部電極層、前記光電変換部及び前記透明電極層の前記副領域側の部分に、それぞれ、前記絶縁性基板の,前記副領域下に位置する特定の前記導電性部材と前記上部電極層とを電気的に接続する1つ以上の第2導電性部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の有機太陽電池セル。
【請求項5】
いずれも、請求項4記載の有機太陽電池セルである第1乃至第N(N≧2)の太陽電池セルと、
それぞれ、第1乃至第N−1の太陽電池セルの副領域側の上部電極層と第2乃至第Nの太陽電池セルの主領域側の上部電極層とを電気的に接続するN−1個のインターコネクタと、
を備えることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記絶縁性基板が、プラスティックフィルムである
ことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4のいずれか一項に記載の有機太陽電池セル。
【請求項7】
厚さ方向に貫通した複数の接続孔を有し、各接続孔内に自基板の各面に至る導電性部材が設けられている,透明な絶縁性基板を製造する基板製造工程と、
この基板製造工程で製造された絶縁性基板の一方の面上に、透明電極層と,有機半導体層を含む光電変換部と,上部電極層とを、この順で積層することにより、前記絶縁性基板上に前記透明電極層と前記光電変換部と上部電極層とが積層された部分を含み、前記絶縁性基板の,前記透明電極層とは異なる側の面上に、各接続孔を覆う,連続した形状の補助電極パターンが設けられている有機太陽電池セルを製造するセル製造工程と
を含むことを特徴とする有機太陽電池セルの製造方法。
【請求項8】
前記基板製造工程が、
前記透明電極層が設けられない方の面上に前記補助電極パターンが設けられている絶縁性基板を製造する工程である
ことを特徴とする請求項7記載の有機太陽電池セルの製造方法。
【請求項9】
前記基板製造工程が、
透明な絶縁性基材に、厚さ方向に貫通した複数の接続孔を形成し、前記複数の接続孔を形成した前記絶縁性基材の,前記透明電極層が設けられない方の面に対して,導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、各接続孔内に、自基板の各面に至る導電性部材が設けられており、かつ、前記透明電極層が設けられない方の面上に前記補助電極パターンが設けられている絶縁性基板を製造する工程である
ことを特徴とする請求項7記載の有機太陽電池セルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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