説明

有機性資源の燃料化支援方法及び装置、並びに該装置を備えたシステム

【課題】有機性資源から製造される燃料の品質や製造コストを迅速に且つ的確に評価することができ、有機性資源を有効に再利用できるとともに経済性の高い燃料化システムの構築を支援するようにした有機性資源の燃料化支援方法及び装置、並びに該装置を備えたシステムを提供する。
【解決手段】有機性資源の種類及び処理量を含む有機性資源情報を入力するステップ(S1)と、有機性資源データベースに基づいて、前記有機性資源情報から製造燃料の生成量、成分及び発熱量を含む製造燃料情報を推定するステップ(S2)と、推定した生成燃料情報から燃料化に使用される電力量、燃料量及び薬品量を含むユーティリティ情報を算出するプロセス収支計算ステップ(S3)と、ユーティリティ情報からコストデータベースに基づいて燃料製造コストを算出する経済性評価ステップ(S4)とを備え、製造燃料情報から得られる製造燃料の品質とともに前記経済性評価から得られる製造コストを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性資源の燃料化に際して、該有機性資源から製造される燃料の品質や製造コストを迅速に且つ的確に評価することができ、有機性資源を有効に再利用できるとともに経済性の高い燃料化システムの構築を支援するようにした有機性資源の燃料化支援方法及び装置に関し、さらにはこの燃料化支援装置を備えることにより、有機性資源の排出者、処理業者、及び燃料化システムの事業提案者にとって効率的な燃料化ネットワークを構築できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥、一般廃棄物、食品工場或いは飲料工場廃棄物、廃プラスチック等の有機性廃棄物は、資源の有効活用及び環境負荷の低減を目的として、有機性資源として再利用することが要望されている。有機性資源の再利用法の一つとして、これらの有機性資源を燃料化し、石炭火力発電所や工場のボイラ燃料に用いるなど、有機性資源から燃料を製造する方法がある。有機性資源を燃料化するには、有機性資源の炭化、乾燥等の処理により固形燃料を製造する方法、或いはメタン発酵によりメタンガスを回収し、気体燃料を製造する方法、或いはバイオマスから液体燃料を製造する方法などがあるが、何れの場合も、原料が廃棄物であるため処理に要する費用が膨大となったり製造した燃料の品質が不安定だったりすると、経済性の高い燃料化システムとすることは困難であり、実際に事業化することは難しかった。
【0003】
例えば、1種類以上の有機性資源を炭化や乾燥等の処理により燃料化するシステムにおいては、低含水率で高発熱量を有する原料(例えば木材や水分20%乾燥下水汚泥)であるか、高含水率で低発熱量の原料(例えば、生ゴミや水分80%の脱水下水汚泥)かによって、製造燃料の発熱量や、燃料化システムの必要燃料が大きく異なる。そのため、有機性資源からの燃料を製造・販売する事業を行う側は、むやみに有機性資源を受け入れると事業の採算性悪化に繋がりかねない。また、有機性資源の販売側である排出業者の有機性資源が少量であった場合、燃料製造側である処理業者として事業安定の観点から、それら資源を買取、引取ることが難しい。
【0004】
廃棄物を有機性資源として燃料化の原料に利用する場合には、以下の問題点がある。
有機性資源の種類、質の変動等により、保有熱量、燃料への変換率が異なるため、製造燃料の発熱量が変動する場合がある。
有機性資源の可燃分率や、製造燃料の発熱量の計測は短時間では困難であり、製造燃料の発熱量が変動する場合がある。
有機性資源の買取・引受の判断及びその料金設定を、有機性資源の販売側である排出業者と燃料製造側の処理業者との間で決定する場合、品質の低い有機性資源を買取・引受けた場合、処理業者の損失が生じることとなる。特に、有機性資源の重量により買取料金が設定される場合、販売側としては、水分をできるだけ多くして重量を多くした方が得策と考えられるが、買取側の処理業者としては、低含水率の有機性資源を買い取りたいといった相反する事象が潜んでいる。このように、有機性資源の品質が余りに低い場合は、処理業者はこれを引き受けない方が事業採算の観点からは良いという事態が起こるため、再利用できるはずの有機性資源が無駄に廃棄されるという結果になり得る。
【0005】
そこで、処理対象である有機性資源に応じて、効率良く燃料化でき且つ経済性の高い燃料化システムが求められている。
特許文献1(特開2002−366641号公報)では、発生する食品廃棄物の種類や量に応じ、また生産されるコンポストの需要に応じて再利用か形態を決定し、その再生利用事業者を選定するようにしたリサイクル処理方法が提案されている。これは、廃棄物発生元端末から廃棄物種類及び量を含む廃棄物情報を受信し、廃棄物種類と再生利用事業者識別子との対応情報を参照して需要に応じた再生利用化形態と、引取り可能な再生利用事業者を選定する構成となっている。
【0006】
また、特許文献2(特開2002−102838号公報)には、複数の排出源から収集した有機性廃棄物に対し、異なる有価資源を回収する複数の資源化プロセスを設け、廃棄物の状態と性質と収集量に基づいて資源化プロセスによる有価資源の回収推定量を算出し、算出した回収推定量が所要回収量を満たすように資源化プロセスを選択するようにした有機性廃棄物の再資源化方法が提案されている。これにより、有機性廃棄物の排出量や有価資源の需要量に応じて、複数の資源化プロセスの柔軟な切り替えが可能となっている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−366641号公報
【特許文献2】特開2002−102838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、有機性資源を燃料化する際には、回収される有機性資源の種類や質の変動のため、製造された燃料の品質の観点からも経済性の観点からも有効な燃料化システムを構築することは困難であった。
特許文献1及び特許文献2に記載される方法では、需要に応じて再生利用事業者若しくは資源化プロセスを選択するようにしたものであり、採算性の高いシステムとすることは難しく、経済性の観点から実際に事業化するには問題が残る。また、有機性廃棄物の燃料化システムを構築する際に、製造される燃料の品質が重要となるが、この点に関しては言及されていない。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、有機性資源から製造される燃料の品質や製造コストを迅速に且つ的確に評価することができ、有機性資源を有効に再利用できるとともに経済性の高い燃料化システムの構築を支援するようにした有機性資源の燃料化支援方法及び装置、並びに該装置を備えたシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、有機性資源の種類及び処理量を含む有機性資源情報を入力するステップと、
前記有機性資源の燃料化前と燃料化後の特性情報が夫々関連付けられて格納された有機性資源データベースに基づいて、前記有機性資源情報から製造燃料の生成量、成分及び発熱量を含む製造燃料情報を推定する製造燃料推定ステップと、
前記推定した製造燃料情報から、燃料化処理にて消費される電力量、燃料量及び薬品量を含むユーティリティ情報を算出するユーティリティ情報算出ステップと、
前記ユーティリティ情報に基づき燃料製造コストを算出する経済性評価ステップと、を備え、前記有機性資源情報から製造燃料の品質とともに燃料製造コストを導出することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、処理すべき有機性資源の種類と処理量から、製造燃料の品質と製造コストを速やかに把握することができる。従って、この運用評価結果に基づいて製造燃料の価値や採算性を迅速に且つ的確に把握でき、この運用評価結果を参照することにより製造業者は有機性資源の買取、引受の決定、或いはその取引価格を容易に設定することができる。
【0011】
また、前記経済性評価ステップにて、前記ユーティリティ情報に加えて金融情報とプラント運転情報を付加して経済性の評価を行い、プラント全体の経済性を評価することを特徴とする。
本発明によれば、金融情報とプラント運転情報を付加することにより、ユーティリティ費以外の運用コスト、設備コスト及び金融コストを含めた全体の経済性をこのシステムで一括して評価することができる。
【0012】
さらに、前記製造燃料推定ステップにて、前記有機性資源の含水率の修正を行うステップを設け、該含水率の修正に連動させて他の揮発性物質の成分比率を所定の比率となるように修正するようにしたことを特徴とする。
有機性資源において、揮発性物質の各成分比率は水分比率に対してほぼ一定の比率となっている。従って、水分比率の修正に連動させて自動的に他の揮発性物質の成分比率が修正されるようにする。これにより、より正確な炭化物情報を得ることができるようになる。
【0013】
さらにまた、前記有機性資源の種類と処理量から、プラントの処理量と処理負荷を含む複数のプラント情報が蓄積されたプラント情報データベースに基づいて最適なプラントを決定するプラント決定ステップを備えることを特徴とする。
本発明は、プラント決定ステップを備えることにより本発明を適用できる範囲が広がる。即ち、事業化提案段階にて新たに燃料化システムを構築する際には、本発明を用いることにより経済性の観点から適切なプラントを選択することができる。
また、有機性資源の流通ルートを最適化する際には、本発明を用いることにより複数存在する排出業者及び処理業者から経済性の観点に基づいて最適な流通ルートを選択することができる。
本システムによれば、採算性を考慮した経済性の高いシステムを提案することができる。
【0014】
また、有機性資源の燃料化前と燃料化後の特性情報が夫々関連付けられて格納された有機性資源データベースを備えた記憶装置を有するとともに、
入力装置から入力された有機性資源の種類及び処理量から前記有機性資源データベースに基づいて製造燃料の生成量、成分及び発熱量を含む製造燃料情報を推定する製造燃料推定手段と、
前記推定手段により得られた製造燃料情報から消費される電力量、燃料量及び薬品量を含むユーティリティ情報を算出するプロセス収支計算手段と、
前記ユーティリティ情報に基づいて燃料製造コストを算出する経済性評価手段とを備えた処理装置とを有し、
前記製造燃料情報から得られる製造燃料の品質と、前記経済性評価から得られる製造コストを提供することを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記経済性評価手段が、前記ユーティリティ情報に加えて金融情報とプラント運転条件情報を付加してプラント全体の経済性を評価する手段であることを特徴とする。
さらに、前記製造燃料情報推定手段は、前記有機性資源の水分比率の修正を行う修正機能を備え、該修正機能は、水分比率の修正に連動させて他の揮発性物質の成分比率が所定の比率となるように修正することを特徴とする。
さらにまた、前記記憶装置は、プラントの処理量と処理負荷を含む複数のプラント情報が蓄積されたプラント情報データベースを備えており、
前記処理装置には、前記有機性資源の種類と処理量から前記プラント情報データベースに基づいて最適なプラントを決定するプラント決定手段が設けられたことを特徴とする。
【0016】
また、前記燃料化支援装置を備えた仲介業者側設備に対して、一又は複数の有機性資源の排出業者端末と、該有機性資源から燃料を製造する一又は複数の処理業者端末とが夫々通信回線を介して接続されたことを特徴とする燃料化支援装置を備えたシステムを提案する。
さらに、前記燃料化支援装置の処理装置が、前記処理業者側端末により登録された処理業者毎の有機性資源の種類及び受入可能量と、前記排出業者側端末から受信した有機性廃棄物の種類及び処理量とを比較して受入可能な処理業者を選択する受入可能業者選択手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
さらにまた、前記燃料化支援装置の処理装置が、処理業者と排出業者間の距離に応じた輸送コストを算出する輸送コスト算出手段と、前記経済性評価手段にて得られた燃料製造コストと前記輸送コストとから有機性資源の取引価格を評価する取引価格評価手段とを備えたことを特徴とする。
これらのによれば、排出業者、処理業者にとって夫々が最も経済性が高く効率のよい有機性資源の流通ルートを選択することができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
以上記載のごとく本発明によれば、処理対象となる有機性資源の種類及び処理量を入力すると、生成される炭化物の成分や発熱量等の品質や炭化物生成量が即時に推定できる。従って、この燃料化支援装置を処理業者側が有することにより、処理対象を引き受けるべきか否かを即時に判断できる。さらには、受入、買取可能な有機性資源の種類、量を容易に把握、決定することができる。
また、有機性資源の排出者とのネットワークを構築し、上記した燃料化支援装置と連動することで、買取/引受時期を適性に算出してスケジューリングすることができる。
さらに、本実施例の燃料化支援装置は、燃料化装置に応じたデータベースを備えることで、炭化設備に限らず有機性資源を燃料化するあらゆる設備に用いることが可能であるため、汎用性が高いシステムとすることができる。
燃料製造側で様々な有機性資源を燃料需要側ニーズに合わせて製造販売可能となる。
従来、あまり利用されていなかった汚泥等の有機性資源を燃料として有効に利用できる事業を拡大することが可能となる。
少量の買取希望業者、引取り希望業者も市場参画が可能となる。また、これまで廃棄物として処分されていた有機性資源も、バイオマス燃料として有効利用することができ、温室効果ガス削減につながり、地球温暖化防止に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本実施例1実施例1に係るシステム構成図、図2は実施例1に係る運用評価方法の処理フローを示す図、図5は実施例1にてプラント決定工程を含む場合の処理フローを示す図、図7は実施例2に係るシステム構成図、図8は実施例2の燃料化支援装置の内部構成を示すブロック図、図9は実施例1に係る運用評価方法の処理フローを示す図であり、また図3、図4、図6、図10〜図12は各データベースのデータ構造を示す図である。
【0020】
尚、本実施例が適用される有機性資源燃料化システムとして、炭化設備を備えたシステムについて説明するが、これに限定されるものではなく、有機性資源から燃料を製造するシステムであれば何れでも良い。有機性資源としては、下水汚泥、一般廃棄物、食品工場・飲料工場廃棄物(排水処理汚泥、加工残渣等)、廃プラスチック等が挙げられる。また燃料化設備としては、石炭火力発電所や各種工場のボイラ燃料を製造する炭化設備、乾燥設備、ガス化設備、メタン発酵設備、或いは液体燃料製造設備などが挙げられる。尚、バイオマス(有機性資源)から液体燃料を製造する方法については、特開2006−205135特開2001−247873等に開示されており、公知技術である。
【0021】
上記した本実施例に係る燃料化支援装置には、以下の適用先がある。
1、燃料製造する処理業者側に設置し、処理業者が本装置にて導出された燃料の品質及び製造コストに基づいて排出業者から有機性資源を買取・引受するか否かを判断する。
2、燃料製造する処理業者側に設置し、本装置にて利益率を設定することにより燃料製造コストを算出できる。そして、この燃料製造コストから排出業者に対する最低引取価格を逆算して設定する。
3、プラント製造メーカー等の事業化提案事業者側に設置し、プラントの決定及び経済性評価を行い、最適な燃料化システムを提案する。
4、排出業者と処理業者とのネットワークを構築する仲介業者が存在する場合、仲介業者側に設置し、複数の排出業者と製造業者とを選択決定し、経済性の観点から最適な流通ルートを有する燃料化システム構築を支援する。
【実施例1】
【0022】
まず、図1を参照して本システムの構成につき説明する。
本実施例では、少なくとも有機性資源の排出業者と、該有機性資源から燃料を製造する処理業者とが存在し、本実施例に係る燃料化支援装置1を用いることにより、排出業者から処理要求が出された有機性資源の種類及び量から、製造される燃料の品質及び運用コストを導出し、経済性を評価するようになっている。好適には、排出業者端末2と処理業者端末3が通信回線5を介して接続されており、これらの間で情報の授受が行われるようにするとよい。
【0023】
本実施例の燃料化支援装置1の主要構成は、所定の処理を実行するための処理装置10と、該処理装置10により参照される各種データ及びデータベースが格納された記憶装置20と、外部からデータ入力や指示入力を行うための入力装置31と、処理装置10による処理結果を表示させる出力手段32とからなる。
前記処理装置10には、そのハードディスク等の記憶媒体に複数のプログラムが記憶されており、このプログラムを用いて所定の処理を実行するための手段が備えられている。この手段として本実施例では、炭化物情報推定手段11、プラント決定手段12、運用条件・金融条件入力手段13、プロセス収支計算手段14、経済性評価手段15、製造コスト算出手段16、外部通信手段17を有している。必要に応じて、これらの手段からプログラムが読み出され、演算手段18にて情報の加工・演算処理が行われる。
【0024】
前記記憶装置20に格納されるデータベースとして、本実施例では有機性資源データベース21と、プラント情報データベース22と、コストデータベース23がある。これらのデータベースのデータ構造については後述する。
この燃料化支援装置1は、好適にはインターネット等の公衆電話回線或いはインターネットなどの通信回線5に接続される。また、排出業者端末2や処理業者端末3も同様に通信回線5に接続され、燃料化支援装置1と通信回線により情報の授受を行えるようにするとよい。排出業者端末2は、有機性資源を排出する排出業者により管理される。排出業者とは廃棄物回収業者、自治体、各種工場等である。同様に、処理業者端末3は、排出業者から受け入れた有機性資源を燃料化する設備を有した処理業者により管理される。また、本装置1は、排出業者側設備、処理業者側設備、事業提案側設備、或いは仲介業者側設備の何れかに設置されるものとする。
【0025】
次に、図2を参照して、有機性資源の燃料化支援装置1を用いた処理フローを説明する。
まず、処理対象となる有機性資源の種類と処理量を入力する(S1)。これは、入力装置31により直接入力してもよいし、排出業者端末2からのデータを通信回線5を介して外部通信手段17より受信するようにしてもよい。
入力された有機性資源の種類及び処理量から、有機性資源データベース21に基づいて炭化物の性状を推定する(S2)。
【0026】
有機性資源データベース21は、処理対象である有機性資源が有する特性、例えば、含水率、元素組成、発熱量、燃料の収率、燃料へ変換した際の発熱量等の有機性資源情報が蓄積されたものであり、炭化前の有機性資源の特性と、炭化後の炭化物の特性とが夫々関連付けられている。図3に有機性資源データベースのデータ構造の一例を示す。同図に示されるように、原料A、原料B、原料C・・・は有機性資源の種類を表し、具体的には下水汚泥、一般廃棄物、排水処理汚泥、加工残渣等のように資源そのものの種類により区分された名称、若しくはA地域の下水汚泥、B地域の下水汚泥等のように地域や発生場所により区分された名称が示される。原料供給量/生成量は、有機性資源の処理量と炭化後の炭化物生成量を示す。また、炭化温度の項目を設けることが好ましく、炭化温度毎のデータを蓄積するとよい。さらに、上記した処理対象の種類に応じて、予め水分(含水率)、元素組成、発熱量等が炭化前と炭化後に分けて保存されている。
【0027】
前記有機性資源データベース21を用いて、炭化前の有機性資源の種類と処理量を入力すると、入力した処理対象に類似するデータを該有機性資源データベース21から検索し、入力した処理対象から生成される炭化物生成量、成分、発熱量を含む炭化物情報が推定される。
また、炭化物性状の推定の際に、有機性資源データベース21の水分の項目を修正するようにしてもよい。炭化処理等の燃料化処理において、製造燃料の品質や生成量に最も影響を及ぼす因子の一つとして、原料の含水率が挙げられることは知られている。従って、水分の項目を、実際に計測した水分比率若しくは予測される水分比率に修正することにより、正確な炭化物情報を得ることができる。
さらにこのとき、有機性資源の水分比率に応じて、他の揮発性物質の成分比率が修正されるようにすることが好ましい。有機性資源において、揮発性物質の各成分比率は水分比率に対してほぼ一定の比率となっている。従って、水分比率の修正に連動させて自動的に他の揮発性物質の成分比率が修正されるようにする。これにより、より正確な炭化物情報を得ることができるようになる。
【0028】
このようにして得られた炭化物情報と、炭化設備の標準処理量、容積、火炉負荷等のプラント情報とに基づいて、プロセス収支計算手段14によりプロセス収支の計算を行う(S3)。プロセス収支計算手段14では、炭化物情報とプラント情報に基づいて熱バランス/物質バランスの計算を行い、炭化物製造に必要なユーティリティ量を算出し、ユーティリティ情報を取得する。本実施例にてユーティリティ情報とは、電力使用量、燃料使用量、薬品使用量などの運転に伴い消費されるものの量を含む情報である。
【0029】
そして、経済性評価手段15にて、ユーティリティ情報とプラント情報からコストデータベース23に基づいて経済性の評価を行う(S4)。コストデータベース23は、ランニングコストを算出するために必要な標準コスト情報を蓄積したものである。図4にコストデータベースの一例を示す。同図に示されるようにコストデータベース23には、基本電気料金、単位量あたりの薬品料金等が蓄積されている。経済性評価手段15では、プロセス収支計算で求めた製造に必要なユーティリティ量と、このコストデータベース23に基づいて算出したランニングコストとから事業収支を計算する。
【0030】
さらに好ましくは、経済性評価(S4)において、ユーティリティ情報とプラント情報に加えて運用条件情報と金融情報を付加して評価を行うようにする。運用条件情報は、炭化設備を運転する際に必要とされる運用条件であり、例えば年間運転日数、一日あたりの稼動時間、運転員スケジュール、保守管理スケジュール等が挙げられる。金融情報は、プラントの負債、金利、収益等の金融に関連する情報をいう。
このように、経済性評価において、運用条件情報と金融情報を付加して評価を行うことにより、ユーティリティ費以外の運用コスト及び金融コストを含めた全体の経済性をこのシステムで一括して評価することができる。
また、他の方法として、ユーティリティ情報とプラント情報により経済性を評価した後に、運用条件情報と金融情報を用いて計算条件を変更した後、経済性評価手段を用いて再計算するようにしてもよい。これにより、どの条件が最も利益が高いかを求めることができる。
【0031】
次に、図5に実施例1を応用した処理フローを示す。これは、プラント決定工程を含む場合の処理フローであり、プラント製造メーカーなどの事業提案業者が処理業者に対してシステムの提案を行う際に適している。
まず、燃料化支援装置1の入力手段により有機性資源の種類及び処理量を入力し(S1)、該種類及び処理量から、有機性資源データベース21に基づいて炭化物情報を推定する(S2)。そして、プラント決定手段12により、有機性資源情報及び炭化物情報に適したプラントをプラント情報データベース22より検索し、使用するプラントを決定する(S2−2)。プラント情報データベース22は、事業提案業者が保有するプラントの情報、例えば各型式の基準処理量、容積、火炉負荷等が蓄積されている。図6にプラント情報データベース22の具体例を示す。同図に示されるようにプラント情報データベース22は、機種型式と、基準処理量と、容積と、火炉負荷と、制約条件などのデータ項目を有する。
【0032】
プラント決定手段12では、処理対象の揮発分の発熱量、処理量を含むプラント情報より、処理可能なプラントの型式、必要なオプション設備を選定し、プラントの価格、即ちイニシャルコストを算出することができる。
このようにして得られたプラント情報を用い、以降は図2の実施例1と同様の処理を行って経済性の評価を行う。
【0033】
上記したように、本実施例1では処理対象となる有機性資源の種類及び処理量を入力すると、生成される炭化物の成分や発熱量等の品質や炭化物生成量が即時に推定できる。従って、この燃料化支援装置を処理業者側が有することにより、処理対象を引き受けるべきか否かを即時に判断できる。さらには、受入、買取可能な有機性資源の種類、量を容易に把握、決定することができる。
また、有機性資源の排出者とのネットワークを構築し、上記した燃料化支援装置と連動することで、買取・引受時期を適性に算出してスケジューリングすることができる。
さらに、本実施例の燃料化支援装置は、燃料化装置に応じたデータベースを備えることで、炭化設備に限らず有機性資源を燃料化するあらゆる設備に用いることが可能であるため、汎用性が高いシステムとすることができる。また、燃料製造側で様々な有機性資源を燃料需要側ニーズに合わせて製造販売可能となる。
また、従来、あまり利用されていなかった汚泥等の有機性資源を燃料として有効に利用できる事業を拡大することが可能となる。
さらに、少量の買取希望業者、引取り希望業者も市場参画が可能となる。さらにまた、これまで廃棄物として処分されていた有機性資源も、バイオマス燃料として有効利用することができ、温室効果ガス削減につながり、地球温暖化防止に貢献できる。
【0034】
また、本実施例1において、有機性資源の引取保障手段を備えることもできる。
例えば炭化設備で燃料を製造する際に、炭化炉加熱用の助燃料が小さいときは有機性資源の可燃分率が高く、炭化炉内で有機性資源がガス化し発生するガスの熱量が高いときであり、製造する炭化物燃料の発熱量も高い。
このプラントの特性を利用して、契約範囲内の有機性資源原料によるプログラム演算結果に比較し、助燃料が多く必要な場合は有機性資源の品質が低いときであり、買取、引取った有機性資源の品質をチェックし、有機性資源の販売・排出側に保障を求めることができる。
また、助燃料の大小により、製造燃料の品質も予測できるので、その製造燃料の販路を適切に選定することが可能となる。
上記システムが稼動すれば、有機性資源の排出業者はきちんとした品質のものを供給する必要が生じ、処理業者へ供給される有機性資源の質が安定するので、燃料化事業の経営は健全性を保つことができる。また、不測の事態であっても適切な燃料の販路や処分が必要な場合は処分するとの判断が可能となる。
【実施例2】
【0035】
図7及び図8を参照して実施例2のシステム構成につき説明する。
図7に示すように、本実施例における有機性資源の燃料化支援システムは、燃料化支援装置1を備えた仲介業者側設備100と、排出業者側設備200と、処理業者側端末300とが夫々公衆電話回線或いはインターネットなどの通信回線5を介して接続されている。
排出業者側設備200は、一又は複数の排出業者端末2a〜2cから構成されるが、複数の処理業者端末が通信回線1に接続される場合には、夫々が遠隔地に存在していてもよい。排出業者側設備200は、有機性資源を排出する排出業者により管理される。排出業者とは廃棄物回収業者、自治体、各種工場等である。
同様に、処理業者側設備300は、一又は複数の処理業者端末3a〜3cから構成されるが、複数の処理業者端末が通信回線1に接続される場合には、夫々が遠隔地に存在していてもよい。処理業者側設備300は、排出業者から受け入れた有機性資源を燃料化する装置を有した処理業者により管理される。
【0036】
図8に示すように、燃料化支援装置1は、処理装置10と、記憶装置20と、入力装置31と、出力手段32とから構成される。
前記処理装置10には、そのハードディスク等の記憶媒体に複数のプログラムが記憶されており、このプログラムを用いて所定の処理を実行するための手段が備えられている。この手段として、本実施例では、炭化物情報推定手段11と、プロセス収支計算手段14と、経済性評価手段15と、外部通信手段17と、演算手段18と、受入可能量登録手段111と、受入可能事業者検索手段112と、受入可能事業者選択手段113と、輸送費算出手段114と、取引価格評価手段115と、を有している。必要に応じて、これらの手段からプログラムが読み出され、演算手段18にて情報の加工・演算処理が行われる。
【0037】
前記記憶装置20に格納されるデータベースとして、本実施例では有機性資源データベース21と、事業者受入可能量データベース24と、事業者パラメータデータベース25と、コストデータベース23と、輸送費データベース26とがある。これらのデータベースのデータ構造については後述する。
【0038】
次に、図9を参照して、燃料化支援装置1を用いた処理フローを説明する。
まず、処理事業者側設備300から、予め仲介業者側設備100の燃料化支援装置1に対してインターネット等の通信網5を経由して有機性資源の受入可能量を通知する。燃料化支援装置1では、受入可能量登録手段111により事業者受入可能量データベース24にこの処理事業者の受入可能量を登録しておく(S11)。図10に事業者受入可能量データベース24のデータ構造の具体例を示す。同図に示されるように、事業者受入可能量データベース24は、処理業者名とこれに対応した受入可能量が受入日付毎に記憶されるようになっている。
【0039】
一方、排出業者側設備200からは、仲介業者側設備100に対して通信網5を経由して排出予定の有機性資源の種類と処理量を入力する(S12)。燃料化支援装置1は、入力された有機性資源の種類と処理量から、有機性資源データベース21に基づいて、炭化物生成量、成分、発熱量を含む炭化物情報の推定を行う(S13)。このとき、上記実施例1と同様に有機性資源データベース21には、標準的な処理対象の成分、発熱量と生成される燃料(炭)の量、成分、発熱量が保存されており(図3参照)、炭化物情報推定手段11により、有機性資源データベース21から処理対象に類似するデータを検索し、該処理対象から生成できる炭化物の生成量、成分、発熱量を推定するようになっている。
【0040】
また、燃料化支援装置1の受入可能事業者検索手段112により、排出業者側設備200から入力された炭化物の処理量と、事業者受入可能量データベース24とから受入可能事業者リストを作成する。受入可能事業者リストは、排出業者が買取若しくは引受を要望する有機性資源の種類と処理量から、これを買取若しくは引受可能な事業者を事業者受入可能量データベース24から抽出してリスト化したものである。
そして、受入可能事業者検索手段112により、受入可能事業者リストから受入可能事業者を任意に選択する(S15)。
【0041】
選択された受入可能事業者名と、炭化物情報推定手段11により得られた炭化物情報とから、事業者パラメータデータベース25に基づいてプロセス収支計算手段14にてプロセス収支の計算を行う(S16)。ここで、事業者パラメータデータベース25は、各処理事業者の処理コスト計算を行うためのパラメータが予め保存されているものであり、図11にそのデータ構造の具体例を示す。同図に示されるように、事業者パラメータデータベース25は、処理業者名とこれに対応したプラント情報が蓄積されている。プラント情報は例えば炭化設備の型式、燃料費、電気料金を含むデータである。事業者パラメータデータベース25により受入可能事業者名に対応したプラント情報が検索できる。
【0042】
プロセス収支の計算により該当する処理事業者におけるユーティリティ情報が算出される。ユーティリティ情報とは、上記実施例1と同様に、使用電力量、燃料消費量、薬品消費量等の炭化物製造に必要なユーティリティ量を含む情報である。
そして、算出したユーティリティ情報と、コストデータベース23とから経済性評価手段16により経済性の評価を行う(S17)。ここでは、炭化物製造に必要なユーティリティ量とコスト情報とから炭化物燃料の製造費用及び製造量を算出するようになっている。尚、コストデータベース23は、上記実施例1と同様に、ユーティリティ費を算出するために必要な標準コスト情報(基本電気料金、薬品料金、運転員経費等)が保存されたものである(図4参照)。
【0043】
また、輸送費計算手段114により、輸送費データベース26に基づいて該当する排出業者と処理事業者間において、前記算出された炭化物製造量を輸送するための輸送費を産出する(S18)。輸送費データベース26は、輸送費を算出するために必要な排出業者と処理事業者間の輸送距離と標準輸送費が保存されたものである。図12にそのデータ構造の具体例を示す。同図に示されるように輸送費データベース26は、データ項目として排出業者名と処理業者名と輸送距離と標準輸送費を有し、これらが関連付けられて蓄積されたものであり、排出業者名と処理業者名を選択することにより、輸送距離と標準輸送費が得られるようになっている。
【0044】
このようにして、経済性評価手段15にて算出された炭化物の製造コストと、輸送費計算手段114にて得られた輸送費とから、選択された受入可能事業者の取引価格が把握できる。
さらに、受入可能事業者検索手段112で抽出された全ての受入可能事業者についても同様にして標準引取価格を導出し、全ての受入可能事業者の計算が終了したら取引価格評価手段115により取引価格の評価を行う(S19)。取引価格評価手段115では、導出された取引価格の低い順に受入可能事業者を並べ、取引価格情報として仲介業者に提供する。取引価格情報は、排出業者側設備200若しくは処理業者側設備300に通信網5を介して提供するようにしてもよく、これにより夫々が最も経済性が高く効率のよい有機性資源の流通ルートを選択することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明にかかる燃料化支援技術は、様々な種類の有機性資源に適用できるため、下水汚泥、一般廃棄物、食品工場或いは飲料工場廃棄物、廃プラスチック等の有機性廃棄物全般に適用することができ、
本発明の燃料化支援装置の適用先としては、燃料製造事業者(処理業者)側に本装置を設置し、算出した燃料の製造コスト及び品質に基づいて有機性資源の買取・引受するか否かの判断、及び料金設定を行う際に用いることができる。別の適用先として、プラント製造メーカー等の事業化提案事業者側に設置し、プラントの決定及び経済性評価を行い、最適な燃料化システムを提案する際に用いることができる。さらに別の適用先として、仲介業者側に設置し、複数の排出業者と製造業者とを選択決定し、経済性の観点から最適な流通ルートを有する燃料化システム構築を支援する際に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1に係るシステム構成図である。
【図2】実施例1に係る運用評価方法の処理フローを示す図である。
【図3】有機性資源データベースのデータ構造を示す図である。
【図4】コストデータベースのデータ構造を示す図である。
【図5】実施例1にてプラント決定工程を含む場合の処理フローを示す図である。
【図6】プラント情報データベースのデータ構造を示す図である。
【図7】実施例2に係るシステム構成図である。
【図8】実施例2の燃料化支援装置の内部構成を示すブロック図である。
【図9】実施例1に係る運用評価方法の処理フローを示す図である。
【図10】事業者受入可能量データベースのデータ構造を示す図である。
【図11】事業者パラメータデータベースのデータ構造を示す図である。
【図12】輸送費データベースのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 燃料化支援装置
2、2a〜2c 排出業者端末
3、3a〜3c 処理業者端末
5 通信回線
10 処理装置
11 炭化物情報推定手段
12 プラント決定手段
13 運用条件・金融条件入力手段
14 プロセス収支計算手段
15 経済性評価手段
16 製造コスト算出手段
17 外部通信手段
18 演算手段
20 記憶装置
21 有機性資源データベース
22 プラント情報データベース
23 コストデータベース
24 事業者受入可能量データベース
25 事業者パラメータデータベース
26 輸送費データベース
100 仲介業者側設備
200 排出業者側設備
300 処理業者側設備
111 受入可能量登録手段
112 受入可能事業者検索手段
113 受入可能事業者選択手段
114 輸送費算出手段
115 取引価格評価手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性資源の種類及び処理量を含む有機性資源情報を入力するステップと、
前記有機性資源の燃料化前と燃料化後の特性情報が夫々関連付けられて格納された有機性資源データベースに基づいて、前記有機性資源情報から製造燃料の生成量、成分及び発熱量を含む製造燃料情報を推定する製造燃料推定ステップと、
前記推定した製造燃料情報から、燃料化処理にて消費される電力量、燃料量及び薬品量を含むユーティリティ情報を算出するプロセス収支計算ステップと、
前記ユーティリティ情報に基づき燃料製造コストを算出する経済性評価ステップと、を備え、前記有機性資源情報から製造燃料の品質とともに燃料製造コストを導出することを特徴とする有機性資源の燃料化支援方法。
【請求項2】
前記経済性評価ステップにて、前記ユーティリティ情報に加えて金融情報とプラント運転情報を付加して経済性の評価を行い、プラント全体の経済性を評価することを特徴とする請求項1記載の有機性資源の燃料化支援方法。
【請求項3】
前記製造燃料推定ステップにて、前記有機性資源の含水率の修正を行うステップを設け、該含水率の修正に連動させて、他の揮発性物質の成分比率を所定の比率となるように修正するようにしたことを特徴とする請求項1記載の有機性資源の燃料化支援方法。
【請求項4】
前記有機性資源の種類と処理量から、プラントの処理量と処理負荷を含む複数のプラント情報が蓄積されたプラント情報データベースに基づいて最適なプラントを決定するプラント決定ステップを備えることを特徴とする請求項1記載の有機性資源の燃料化支援方法。
【請求項5】
有機性資源の燃料化前と燃料化後の特性情報が夫々関連付けられて格納された有機性資源データベースを備えた記憶装置を有するとともに、
入力装置から入力された有機性資源の種類及び処理量から前記有機性資源データベースに基づいて製造燃料の生成量、成分及び発熱量を含む製造燃料情報を推定する製造燃料推定手段と、
前記推定手段により得られた製造燃料情報から消費される電力量、燃料量及び薬品量を含むユーティリティ情報を算出するプロセス収支計算手段と、
前記ユーティリティ情報に基づいて燃料製造コストを算出する経済性評価手段とを備えた処理装置を有し、
前記有機性資源情報から製造燃料の品質とともに燃料製造コストを導出することを特徴とする有機性資源の燃料化支援装置。
【請求項6】
前記経済性評価手段が、前記ユーティリティ情報に加えて金融情報とプラント運転条件情報を付加してプラント全体の経済性を評価する手段であることを特徴とする請求項5記載の有機性資源の燃料化支援装置。
【請求項7】
前記製造燃料情報推定手段は、前記有機性資源の水分比率の修正を行う修正機能を備え、該修正機能は、水分比率の修正に連動させて他の揮発性物質の成分比率が所定の比率となるように修正することを特徴とする請求項5記載の有機性資源の燃料化支援装置。
【請求項8】
前記記憶装置は、プラントの処理量と処理負荷を含む複数のプラント情報が蓄積されたプラント情報データベースを備えており、
前記処理装置には、前記有機性資源の種類と処理量から前記プラント情報データベースに基づいて最適なプラントを決定するプラント決定手段が設けられたことを特徴とする請求項5記載の有機性資源の燃料化支援装置。
【請求項9】
請求項5記載の燃料化支援装置を備えた仲介業者側設備に対して、一又は複数の有機性資源の排出業者端末と、該有機性資源から燃料を製造する一又は複数の処理業者端末とが夫々通信回線を介して接続されたことを特徴とする燃料化支援装置を備えたシステム。
【請求項10】
前記燃料化支援装置の処理装置が、前記処理業者側端末により登録された処理業者毎の有機性資源の種類及び受入可能量と、前記排出業者側端末から受信した有機性廃棄物の種類及び処理量とを比較して受入可能な処理業者を選択する受入可能業者選択手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の燃料化支援装置を備えたシステム。
【請求項11】
前記燃料化支援装置の処理装置が、処理業者と排出業者間の距離に応じた輸送コストを算出する輸送コスト算出手段と、前記経済性評価手段にて得られた燃料製造コストと前記輸送コストとから有機性資源の取引価格を評価する取引価格評価手段とを備えたことを特徴とする請求項9記載の燃料化支援装置を備えたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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