説明

有機材料及びこれを利用した有機発光装置

【課題】キャリア輸送能力が従来よりも向上した、新規な有機発光装置用の有機材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記有機材料を含むことにより、駆動電圧特性や発光効率などの電気的特性が従来よりも向上した有機発光装置を提供する。
【解決手段】所定の構造を有するキレート金属錯体である化合物を含む有機材料及びこれを含む有機発光装置が提供される。これにより、キャリア輸送能力が従来よりも向上した有機発光装置用有機材料を提供することができる。また、有機発光装置のキャリア輸送材料として前記有機材料を使用することにより、駆動電圧特性及び発光効率が向上した有機発光装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機材料及び有機発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光装置は、互いに対向する二つの電極と二つの電極の間に介在されている有機層とを含む。この有機発光装置は作用電極から注入された正孔と他の電極から注入された電子とが有機層で結合して励起子を形成し、励起子がエネルギーを放出しつつ発光する。
【0003】
有機発光装置は、表示装置及び照明装置を含む多様な分野に応用されることができる。例えば、有機発光装置は視野角が広く、応答速度が速いという点で次世代ディスプレイ装置として脚光を浴びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−100569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の有機発光装置では、キャリア輸送材料のキャリア輸送能力が不足していたため、未だ満足できる電気的特性が得られていない、というのが現状であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、キャリア輸送能力が従来よりも向上した、新規な有機発光装置用の有機材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記有機材料を含むことにより、駆動電圧特性や発光効率などの電気的特性が従来よりも向上した有機発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一側面では、下記の化学式1で示される化合物を含む有機材料が提供される。
【0008】
[化学式1]

【0009】
前記化学式1で、A、A、A、A、B、B、B、及びBは、各々独立して、水素原子、C1からC20のアルキル基、C1からC20のアルケニル基、アミノ基、C1からC20のエーテル基、C1からC20のカルボキシル基、C1からC20のエステル基、ニトロ基、シアノ基、C3からC30の芳香族基及びハロゲン原子を含むグループより独立的に選択され、AからA及びBからBのうちの少なくとも一つは置換または非置換の芳香族基であり、隣接した置換基に連結されて融合環を形成し、Mは2価または3価金属であり、Xは酸素(O)または硫黄(S)であり、yは2または3である。
【0010】
本発明の他の側面では、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極及び第2電極の間に位置する有機層と、を含む有機発光装置が提供される。ここで、前記有機層は前記化学式1で示される化合物を含む。
【0011】
前記有機層は有機発光層であることができる。
【0012】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記AからAが結合された芳香族基と同一平面内に位置することができる。
【0013】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン(fluorene)構造を有することができる。
【0014】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記BからBが結合された芳香族基と同一平面内に位置することができる。
【0015】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン構造を有することができる。
【0016】
前記AからA及びBからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基は、下記の化学式2または化学式3で示されることができる。
【0017】
[化学式2]

【0018】
[化学式3]

【0019】
前記化学式2及び化学式3で、Rは水素原子、C1からC10のアルキル基、アミノ基、C1からC10のアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、C1からC10のアルコキシ基、C2からC10のエステル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、及び置換または非置換のC3からC24の芳香族基から構成されたグループより選択される。
【0020】
前記化合物は、下記の化学式4から33で示される化合物の中から選択される。
【0021】
[化学式4]

【0022】
[化学式5]

【0023】
[化学式6]

【0024】
[化学式7]

【0025】
[化学式8]

【0026】
[化学式9]

【0027】
[化学式10]

【0028】
[化学式11]

【0029】
[化学式12]

【0030】
[化学式13]

【0031】
[化学式14]

【0032】
[化学式15]

【0033】
[化学式16]

【0034】
[化学式17]

【0035】
[化学式18]

【0036】
[化学式19]

【0037】
[化学式20]

【0038】
[化学式21]

【0039】
[化学式22]

【0040】
[化学式23]

【0041】
[化学式24]

【0042】
[化学式25]

【0043】
[化学式26]

【0044】
[化学式27]

【0045】
[化学式28]

【0046】
[化学式29]

【0047】
[化学式30]

【0048】
[化学式31]

【0049】
[化学式32]

【0050】
[化学式33]

【0051】
前記有機材料はドーパント物質をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、キャリア輸送能力が従来よりも向上した有機発光装置用有機材料を提供することができる。また、有機発光装置のキャリア輸送材料として前記有機材料を使用することにより、駆動電圧特性及び発光効率が向上した有機発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施態様による有機材料が適用された有機発光装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0055】
以下、実施様態による有機材料及びこれを使用した有機発光装置が説明される。説明される実施様態は本発明の思想を当業者が容易に理解できるように提供されるものであって、これによって本発明が限られない。説明される実施様態は本発明の技術的な思想及び範囲内で他の形態に変形されることができる。
【0056】
本明細書で「置換」とは、別途の定義がない限り、C1からC30のアルキル基;C1からC10のアルキルシリル基;C3からC30のシクロアルキル基;C6からC30のアリール基;C2からC30のヘテロアリール基;C1からC10のアルコキシ基;フルオロ基、トリフルオロメチル基などのC1からC10のトリフルオロアルキル基;またはシアノ基に置換されたものを意味する。
【0057】
本明細書で「ヘテロ」とは、別途の定義がない限り、一つの化合物または置換基内にN,O、S、及びPからなる群より選択されるヘテロ原子を1から3個含み、残りは炭素であるものを意味する。
【0058】
本明細書で「これらの組み合わせ」とは、別途の定義がない限り、二つ以上の置換基が連結基によって結合されていたり、二つ以上の置換基が縮合して結合されているものを意味する。
【0059】
本明細書で「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、いかなるアルケン基やアルキン基を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」;または少なくとも一つのアルケン(alkene)基またはアルキン(alkyne)基を含んでいる「不飽和アルキル(unsaturated alkyl)基」を全て含むものを意味する。前記「アルケン基」とは、少なくとも二つの炭素原子が少なくとも一つの炭素−炭素二重結合からなる置換基を意味し、「アルキン基」とは、少なくとも二つの炭素原子が少なくとも一つの炭素−炭素三重結合からなる置換基を意味する。前記アルキル基は分枝型、直鎖型または環状であることができる。
【0060】
前記アルキル基は、C1からC20のアルキル基であることができ、より具体的に、C1からC6の低級アルキル基、C7からC10の中級アルキル基、C11からC20の高級アルキル基である。例えば、C1からC4のアルキル基は、アルキル鎖に1から4個の炭素原子が存在するものを意味し、これはメチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、及びt−ブチルからなる群より選択されることを示す。典型的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、エテニル基、プロフェニル基、ブテニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0061】
「芳香族基」は、環状の置換基の全ての元素がp−軌道を有しており、これらp−軌道が共役(conjugation)を形成している置換基を意味する。具体的な例としてアリール基とヘテロアリール基がある。
【0062】
「アリール(aryl)基」は、単一環または融合環(つまり、炭素原子の隣接した対を分ける複数の環)置換基を含む。
【0063】
「ヘテロアリール(heteroaryl)基」は、アリール基内にN,O、S、及びPからなる群より選択されるヘテロ原子を1から3個含み、残りは炭素であるものを意味する。前記アリール基が融合環である場合、各々の環ごとに前記ヘテロ原子を1から3個含むことができる。
【0064】
本明細書で「及び/または」とは、前後に並べた構成要素のうちの少なくとも一つを含む意味で使用された。本明細書で各構成要素及び/または部分などを第1、第2などの表現を使って称したが、これは明確な説明のために使用された表現であって、これによって限られるわけではない。
【0065】
本明細書で、ある構成要素が他の構成要素の「上に」位置するということは、他の記載がない限り、ある一つの構成要素上に他の構成要素が直接位置するという意味はもちろん、前記ある構成要素上に第3の構成要素がさらに位置することができるという意味も含む。
【0066】
図面においては、図示された構成要素の厚さ及び/または相対的な厚さは、本発明の実施様態を明確に説明するために誇張されたものである場合もある。また、本明細書の「上部」及び「下部」など、位置に関する表現は説明の明確さのために使用された相対的な表現であって、構成要素の間の絶対的な位置を限定するわけではない。
【0067】
本発明の一実施態様による有機材料が説明される。前記有機材料は、例えば、有機発光装置の有機発光層、補助層またはこれらの組み合わせに用いられることができる。前記補助層は、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層またはこれらの組み合わせを含む。
【0068】
前記有機材料は、キレート金属錯体を含むことができる。前記有機材料は下記の化学式1で示される化合物を含むことができる。
【0069】
[化学式1]

【0070】
前記化学式1で、A、A、A、A、B、B、B、及びBは、各々独立して、水素原子、C1からC20のアルキル基、C1からC20のアルケニル基、アミノ基、C1からC20のエーテル基、C1からC20のカルボキシル基、C1からC20のエステル基、ニトロ基、シアノ基、C3からC30の芳香族基及びハロゲン原子を含むグループより独立的に選択される。前記化学式1で、Mは2価または3価の金属イオン、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)、及びイットリウム(Y)の中から選択され、Xは酸素(O)または硫黄(S)である。前記化学式1で、yは2から3の整数である。
【0071】
前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つは芳香族基であることができる。例えば、前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つは、置換または非置換のフェニル基、置換または非置換のナフチル基、置換または非置換のアントラセニル基、及び置換または非置換のヘテロ芳香族基の中から選択される。
【0072】
前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、隣接した置換基に連結されて融合環を形成することができる。前記融合環は、例えば、5員環であることができる。前記融合環によって、前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基及び前記AからAが結合された芳香族基は、実質的に同一平面(plane)内に配置されることができる。
【0073】
一実施態様において、前記A、A、A、及びAのうちのいずれか一つはフェニル基であり、前記フェニル基と隣接した置換基はイソプロピル基であることができる。前記フェニル基のアルファ炭素と前記イソプロピル基のアルファ炭素とが結合して5員環構造を形成することができる。つまり、前記化合物は、フルオレン(fluorene)構造を有することができる。
【0074】
これと類似して、前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つは芳香族置換基であることができる。前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、隣接した置換基に連結されて融合環を形成することができる。前記融合環によって、前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基及び前記BからBが結合された芳香族基は実質的に同一平面内に配置されることができる。
【0075】
前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基とこの芳香族基(前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つ)に隣接した置換基、及び/またはB、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基とこの芳香族基(前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つ)と隣接した置換基は、下記の化学式2または3で示される。
【0076】
[化学式2]

【0077】
[化学式3]

【0078】
前記化学式2及び化学式3で、Rは水素原子、C1からC10のアルキル基、アミノ基、C1からC10のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1からC10のアルコキシ基、C2からC10のエステル基、ニトロ基、シアノ基、及び置換または非置換のC3からC24の芳香族基から構成されたグループより選択される。
【0079】
前述の置換基の間の融合環は、AからAのうちの少なくとも一つ及びこれと隣接した置換基の間にのみ適用されたり、BからBのうちの少なくとも一つ及びこれと隣接した置換基の間にのみ適用される。これとは異なり、前記AからAのうちの少なくとも一つとこれと隣接した置換基及びBからBのうちの少なくとも一つとこれと隣接した置換基全てに適用されることもできる。
【0080】
具体的な例としては、一実施態様による有機材料は、下記の化学式4から化学式33で示される化合物の中から選択した少なくとも一つを含むことができる。
【0081】
[化学式4]

【0082】
[化学式5]

【0083】
[化学式6]

【0084】
[化学式7]

【0085】
[化学式8]

【0086】
[化学式9]

【0087】
[化学式10]

【0088】
[化学式11]

【0089】
[化学式12]

【0090】
[化学式13]

【0091】
[化学式14]

【0092】
[化学式15]

【0093】
[化学式16]

【0094】
[化学式17]

【0095】
[化学式18]

【0096】
[化学式19]

【0097】
[化学式20]

【0098】
[化学式21]

【0099】
[化学式22]

【0100】
[化学式23]

【0101】
[化学式24]

【0102】
[化学式25]

【0103】
[化学式26]

【0104】
[化学式27]

【0105】
[化学式28]

【0106】
[化学式29]

【0107】
[化学式30]

【0108】
[化学式31]

【0109】
[化学式32]

【0110】
[化学式33]

【0111】
一実施態様による有機材料は、高いキャリア輸送性を有することができる。前述のように、前記融合環によって、前記化合物内の二つ以上の芳香族基は実質的に同一平面内に位置することができる。前記平面構造及び芳香族基によって前記化合物内のπ電子系が拡張される。これによって、前記化合物を含む有機材料のキャリア輸送性を向上させることができる。
【0112】
前記有機材料はドーパント物質をさらに含むことができる。例えば、前記ドーパント物質は、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(tris(1−phenylisoquinoline)iridium、Ir(piq))、ビス(1−(フェニル)イソキノリン)イリジウム(III)アセチルアセトナト(bis1−(phenyl)isoquinoline)iridium(III)acetylacetonate)、Ir(phq)acac)、プラチナ(II)オクタエチルポルフィン(Pt(II)Octaethylporphine、PtOEP)、fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(fac−tris(2−phenylpyridine)iridium、Ir(ppy))、トリス(2−(1−シクロヘキセニル)ピリジン)イリジウム(tris(2−(1−cyclohexenyl)pyridine)iridium、Ir(chpy))、トリス(2−(3−メチル−1−シクロヘキセニル)ピリジン)イリジウム((tris(2−(3−methyl−1−cyclohexenyl)pyridine)iridium、Ir(mchpy))、イリジウム(III)ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジネート)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート(iridium(III)bis(4’,6’−difluorophenylpyridinato)tetrakis(1−pyrazoyl)borate、Fir6)またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0113】
以下では、図1を参照して、前述の有機材料を含む有機発光装置を説明する。
【0114】
図1は、本発明の一実施態様による有機発光装置の断面図である。
【0115】
図1を参照すれば、基板110の上に、下部電極120、上部電極160、及び前記下部電極120と上部電極160の間の有機発光層140が配置される。前記下部電極120と前記有機発光層140の間に下部補助層130が介される。前記有機発光層140と前記上部電極160の間に上部補助層150が介されていてもよい。
【0116】
前記基板110は、ガラス、高分子またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0117】
前記下部電極120及び前記上部電極160のうちの一つはアノードであり、他の一つはカソードであることができる。前記下部電極120及び前記上部電極160は透明または不透明電極であることができる。例えば、下部電極120及び前記上部電極160はITO、IZOまたはこれらの組み合わせを含んだり、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0118】
前記下部補助層130及び前記上部補助層150のうちの一つは正孔注入層及び/または正孔輸送層を含み、他の一つは電子輸送層及び/または電子注入層を含むことができる。例えば、前記下部電極120がアノードであり、前記上部電極150がカソードである場合、前記下部補助層130は正孔注入層及び/または正孔輸送層を含み、前記上部補助層150は電子注入層及び/または電子輸送層を含むことができる。これとは異なり、下部補助層130及び上部補助層150のうちの少なくとも一つを省略してもよい。
【0119】
前記有機発光層140は有機材料を含むことができる。前記有機材料は、下記の化学式1で示される化合物を含むことができる。
【0120】
[化学式1]

【0121】
前記化学式1で、A、A、A、A、B、B、B、及びBは、各々独立して、水素原子、C1からC20のアルキル基、C1からC20のアルケニル基、アミノ基、C1からC20のエーテル基、C1からC20のカルボキシル基、C1からC20のエステル基、ニトロ基、シアノ基、C3からC30の芳香族基、及びハロゲン原子を含むグループより独立的に選択される。前記化学式1で、Mは2価または3価金属イオン、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ルテニウム(Ru)、スカンジウム(Sc)及びイトリウム(Y)の中から選択され、Xは酸素(O)または硫黄(S)である。前記化学式1でyは2または3である。
【0122】
前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つは芳香基であることができる。前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は隣接した置換基に連結されて融合環を形成することができる。前記融合環は、例えば、5員環であることができる。
【0123】
前記融合環によって、前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基及び前記AからAが結合された芳香族基は実質的に同一平面内に配置されることができる。
【0124】
一実施態様で、前記A、A、A、及びAのうちのいずれか一つはフェニル基であり、前記フェニル基と隣接した置換基はイソプロピル基であることができる。前記フェニル基のアルファ炭素と前記イソプロピル基のアルファ炭素が結合して5員環構造を形成してもよい。つまり、前記化合物はフルオレン(fluorene)構造を含むことができる。
【0125】
これと類似して、前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つは芳香族置換基であることができる。前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、隣接した置換基に連結されて融合環を形成することができる。前記融合環によって、前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基及び前記BからBが結合された芳香族基は実質的に同一平面内に配置されることができる。
【0126】
前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基とこの芳香族基(前記A、A、A、及びAのうちの少なくとも一つ)に隣接した置換基及び/またはB、B、B、及びBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基とこの芳香族基(前記B、B、B、及びBのうちの少なくとも一つ)と隣接した置換基は、下記の化学式2または3で示される。
【0127】
[化学式2]

【0128】
[化学式3]

【0129】
前記化学式2及び化学式3で、Rは水素原子、C1からC10のアルキル基、アミノ基、C1からC10のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1からC10のアルコキシ基、C2からC10のエステル基、ニトロ基、シアノ基、及び置換または非置換のC3からC24の芳香族基から構成されたグループより選択される。
【0130】
前述の置換基の間の結合融合環はAからAにのみ適用されたり、BからBにのみ適用されることができる。これとは異なり、前述の置換基の間の結合融合環は前記AからA、及びBからBに全て適用してもよい。
【0131】
具体的な例としては、本発明の一実施態様による有機材料は、下記の化学式4から化学式33で示される化合物の中から選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0132】
[化学式4]

【0133】
[化学式5]

【0134】
[化学式6]

【0135】
[化学式7]

【0136】
[化学式8]

【0137】
[化学式9]

【0138】
[化学式10]

【0139】
[化学式11]

【0140】
[化学式12]

【0141】
[化学式13]

【0142】
[化学式14]

【0143】
[化学式15]

【0144】
[化学式16]

【0145】
[化学式17]

【0146】
[化学式18]

【0147】
[化学式19]

【0148】
[化学式20]

【0149】
[化学式21]

【0150】
[化学式22]

【0151】
[化学式23]

【0152】
[化学式24]

【0153】
[化学式25]

【0154】
[化学式26]

【0155】
[化学式27]

【0156】
[化学式28]

【0157】
[化学式29]

【0158】
[化学式30]

【0159】
[化学式31]

【0160】
[化学式32]

【0161】
[化学式33]

【0162】
一実施態様による有機材料によって、有機発光装置の特性が向上することができる。具体的に、前記有機材料内の前記化合物は拡張されたパイ電子系を有し、これによって前記化合物のキャリア輸送能力が向上することができる。したがって、前記有機発光層を含む有機発光装置の駆動電圧特性及び発光効率が向上することができる。
【0163】
前記有機材料は赤色ドーパント物質、緑色ドーパント物質、青色ドーパント物質またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(tris(1−phenylisoquinoline)iridium、Ir(piq))、ビス(1−(フェニル)イソキノリン)イリジウム(III)アセチルアセトナト(bis1−(phenyl)isoquinoline)iridium(III)acetylacetonate)、Ir(phq)acac)、プラチナ(II)オクタエチルポルフィン(Pt(II)Octaethylporphine、PtOEP)、fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(fac−tris(2−phenylpyridine)iridium、Ir(ppy))、トリス(2−(1−シクロヘキセニル)ピリジン)イリジウム(tris(2−(1−cyclohexenyl)pyridine)iridium、Ir(chpy))、トリス(2−(3−メチル−1−シクロヘキセニル)ピリジン)イリジウム((tris(2−(3−methyl−1−cyclohexenyl)pyridine)iridium、Ir(mchpy))、イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C−2’]ピコリネート(iridium(III)bis[(4,6−difluorophenyl)pyridinato−N,C−2’]picolinate、FIrpic)、イリジウム(III)ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジネート)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート(iridium(III)bis(4’,6’−difluorophenylpyridinato)tetrakis(1−pyrazoyl)borate、Fir6)またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【実施例】
【0164】
以下、実施例を通して本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限するわけではない。
【0165】
<有機発光装置の製造−1>
(実施例1)
ガラス基板上にAg/ITO膜を形成した後、パターニングして、下部電極を形成した。前記下部電極上に正孔注入層として、N4,N4’−ジフェニル−N4,N4’−ビス(9−フェニル−9H−カーバゾール−3−イル)ビフェニル−4,4’−ジアミン(N4,N4’−diphenyl−N4,N4’−bis(9−phenyl−9H−carbazol−3−yl)biphenyl−4,4’−diamine)及びジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノサリンヘキサカルボニトリル(dipyrazino[2,3−f:2’,3’−h]quinoxalinehexacarbonitrile、HAT−CN)を、各々70nm及び5nmの厚さで積層した。正孔輸送層として、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’−di(1−naphtyl)−N,N’diphenyl−[1,1’−biphenyl]−4,4’−diamime、α−NPD)を100nmの厚さで積層した。
【0166】
有機発光層は、下記の化学式4で示される化合物と、赤色ドーパントのトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(tris(1−phenylisoquinoline)iridium、Ir(piq))とを混合した後、これを前記正孔輸送層上に積層して形成した。Ir(piq)は前記化学式4の化合物対比10質量%の濃度で混合された。本実施例に使用された有機発光層の厚さは40nmである。
【0167】
[化学式4]

【0168】
前記有機発光層上に、2−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール)2−(4−(9,10−di(naphthalen−2−yl)anthracen−2−yl)phenyl)−1−phenyl−1H−benzo[d]imidazole)及びリチウムキノリン−8−オレート(lithium quinolin−8−olate)を、各々30nm及び0.5nmの厚さで蒸着した。これらは各々、電子輸送層及び電子注入層に相当することができる。
【0169】
前記有機発光層上にMg/Ag膜を形成して、上部電極を形成した。
【0170】
前述の方法によって、赤色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0171】
(実施例2)
実施例1の化学式1で示される化合物を下記の化学式6で示される化合物に変えたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で実施例2の赤色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0172】
[化学式6]

【0173】
(実施例3)
実施例1の前記化学式1で示される化合物を下記の化学式7で示される化合物に変えたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で実施例3の赤色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0174】
[化学式7]

【0175】
(実施例4)
実施例1の化学式1で示される化合物を下記の化学式11で示される化合物に変えたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で実施例4の赤色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0176】
[化学式11]

【0177】
(実施例5)
実施例1の化学式1で示される化合物を下記の化学式31で示される化合物に変えたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で実施例5の赤色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0178】
[化学式31]

【0179】
(比較例1)
実施例1の化学式1で示される化合物をビフェノキシ−ビ(8−ヒドロキシ−3−メチルキノリン)アルミニウム(biphenoxy−bi(8−hydroxy−3−methylquinoline)aluminium、BAlq)に変えたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で比較例の赤色有機発光層を有する有機発光装置が用意された。
【0180】
<評価1>
前記実施例及び比較例による装置の駆動電圧、効率、CIE色座標、及び最大発光波長を測定した。測定結果は次の表1の通りである。
【0181】
表1

【0182】
表1を参照すれば、実施例1から実施例5による有機発光装置は、比較例1による有機発光装置に比べて低い駆動電圧を有することが分かる。さらに、実施例1から実施例5による有機発光装置は比較例1による有機発光装置に比べて高い電流効率を示すことが分かる。
【0183】
また、色座標系及び最大発光波長測定を通した色品質測定では、実施例1から実施例5による有機発光装置と比較例1による有機発光装置の色品質が実質的に同等であることが分かる。
【0184】
つまり、本発明の実施例による有機発光装置は、比較例による有機発光装置と実質的に同等の色の光を、低い駆動電圧で高い電流効率で放出することが分かる。
【0185】
<有機発光装置の製造−2>
(実施例6)
ガラス基板上にAg/ITO膜を形成した後、パターニングして、下部電極を形成した。前記下部電極上に正孔注入層として、N4,N4’−ジフェニル−N4,N4’−ビス(9−フェニル−9H−カーバゾール−3−イル)ビフェニル−4,4’−ジアミン(N4,N4’−diphenyl−N4,N4’−bis(9−phenyl−9H−carbazol−3−yl)biphenyl−4,4’−diamine)及びジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノサリンヘキサカルボニトリル(dipyrazino[2,3−f:2’,3’−h]quinoxaline hexacarbonitrile、HAT−CN)を、各々70nm及び5nmの厚さで積層した。正孔輸送層として、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’−di1−naphtyl)−N,N′−diphenyl−[1,1’−biphenyl]−4,4’−diamime、α−NPD)を100nmの厚さで積層した。
【0186】
有機発光層は、下記の化学式4で示される化合物と緑色ドーパントのfac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(fac−tris2−phenylpyridine)iridium、Ir(ppy))を混合した後、これを前記正孔輸送層上に積層して形成された。Ir(ppy)は前記化学式4の化合物対比12質量%の濃度で混合された。本実施例に使用された有機発光層の厚さは40nmである。
【0187】
[化学式4]

【0188】
前記有機発光層上にMg/Ag膜を形成して、上部電極を形成した。
【0189】
前述の方法によって、緑色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0190】
(実施例7)
有機発光層の有機材料を除いては、実施例6と同一の方法で緑色有機発光層を有する有機発光装置が製作された。
【0191】
実施例7の有機発光層は、下記の化学式6の化合物及びIr(ppy)の混合物を正孔注入層上に蒸着して形成された。Ir(ppy)は、前記化学式6の化合物対比12質量%で混合された。
【0192】
[化学式6]

【0193】
(比較例2)
比較例2の有機発光層は、4,4’−N,N’−ジカーバゾール−ビフェニル(4,4’−N,N’−dicarbazole−biphenyl、CBP)及びIr(ppy)の混合物を正孔注入層上に蒸着して形成された。Ir(ppy)はCBP対比12質量%で混合された。
【0194】
これによって、緑色有機発光層を有する有機発光装置が製造された。
【0195】
<評価2>
前記実施例及び比較例による装置の駆動電圧、効率、CIE色座標、及び最大発光波長を測定した。測定結果は次の表2の通りである。
【0196】
表2

【0197】
表2を参照すれば、実施例6及び実施例7による有機発光装置は、比較例2による有機発光装置に比べて低い駆動電圧で作動することが分かる。また、実施例6及び実施例7による有機発光装置は、比較例2による有機発光装置に比べて高い電流効率特性を示す。さらに、色座標系及び最大発光波長測定を通して、実施例6及び実施例7による有機発光装置は、比較例2による有機発光装置と実質的に同等な色品質を有することが分かる。
【0198】
つまり、本発明の実施例による有機発光装置は、比較例による有機発光装置と実質的に同等な色の光を低い駆動電圧で高い電流効率に放出することが分かる。
【0199】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0200】
110 基板
120 下部電極
130 下部補助層
140 有機発光層
150 上部補助層
160 上部電極



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で示される化合物を含む、有機材料。
[化学式1]


前記化学式1で、A、A、A、A、B、B、B、及びBは、各々独立して、水素原子、C1からC20のアルキル基、C1からC20のアルケニル基、アミノ基、C1からC20のエーテル基、C1からC20のカルボキシル基、C1からC20のエステル基、ニトロ基、シアノ基、C3からC30の芳香族基及びハロゲン原子を含むグループより独立的に選択され、AからA及びBからBのうちの少なくとも一つは置換または非置換の芳香族基であり、隣接した置換基に連結されて融合環を形成し、Mは2価または3価金属であり、Xは酸素(O)または硫黄(S)であり、yは2または3である。
【請求項2】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記AからAが結合された芳香族基と同一平面内に位置する、請求項1に記載の有機材料。
【請求項3】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン(fluorene)構造である、請求項2に記載の有機材料。
【請求項4】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記BからBが結合された芳香族基と同一平面内に位置する、請求項1に記載の有機材料。
【請求項5】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン構造である、請求項4に記載の有機材料。
【請求項6】
前記AからA及びBからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基は、下記の化学式2または化学式3で示される、請求項1に記載の有機材料。
[化学式2]

[化学式3]


前記化学式2及び化学式3で、Rは水素原子、C1からC10のアルキル基、アミノ基、C1からC10のアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、C1からC10のアルコキシ基、C2からC10のエステル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、及び置換または非置換のC3からC24の芳香族基から構成されたグループより選択される。
【請求項7】
前記化学式1で示される化合物は、下記の化学式4から化学式33で示される化合物の中から選択される、請求項2に記載の有機材料。
[化学式4]

[化学式5]

[化学式6]

[化学式7]

[化学式8]

[化学式9]

[化学式10]

[化学式11]

[化学式12]

[化学式13]

[化学式14]

[化学式15]

[化学式16]

[化学式17]

[化学式18]

[化学式19]

[化学式20]

[化学式21]

[化学式22]

[化学式23]

[化学式24]

[化学式25]

[化学式26]

[化学式27]

[化学式28]

[化学式29]

[化学式30]

[化学式31]

[化学式32]

[化学式33]

【請求項8】
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層と、
を含み、
前記有機層は、下記の化学式1で示される化合物を含む有機発光装置。
[化学式1]


前記化学式1で、A、A、A、A、B、B、B、及びBは、各々独立して、水素原子、C1からC20のアルキル基、C1からC20のアルケニル基、アミノ基、C1からC20のエーテル基、C1からC20のカルボキシル基、C1からC20のエステル基、ニトロ基、シアノ基、C3からC30の芳香族基、及びハロゲン原子を含むグループより独立的に選択され、AからA及びBからBのうちの少なくとも一つは置換または非置換の芳香族基であり、隣接した置換基に連結されて融合環を形成し、Mは2価または3価金属であり、Xは酸素(O)または硫黄(S)であり、yは2または3である。
【請求項9】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記AからAが結合された芳香族基と同一平面内に位置する、請求項8に記載の有機発光装置。
【請求項10】
前記AからAのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン構造を有する、請求項9に記載の有機発光装置。
【請求項11】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基は、前記BからBが結合された芳香族基と同一平面内に位置する、請求項8に記載の有機発光装置。
【請求項12】
前記BからBのうちの少なくとも一つに含まれている芳香族基と前記隣接した置換基とが連結して形成された融合環は、フルオレン構造である、請求項11に記載の有機発光装置。
【請求項13】
前記芳香族置換基(A)と前記隣接した置換基(Am+1またはAm−1)は、下記の化学式2または化学式3で示される、請求項8に記載の有機発光装置。
[化学式2]

[化学式3]


前記化学式2及び化学式3で、Rは水素原子、C1からC10のアルキル基、アミノ基、C1からC10のアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、C1からC10のアルコキシ基、C2からC10のエステル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、及び置換または非置換のC3からC24の芳香族基から構成されたグループより選択される。
【請求項14】
前記有機層は有機発光層である、請求項8に記載の有機発光装置。
【請求項15】
前記有機層はドーパント物質をさらに含む、請求項8に記載の有機発光装置。


【図1】
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【公開番号】特開2012−1530(P2012−1530A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26362(P2011−26362)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】