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有機溶媒分散アルミナゾル及びその製造方法
説明

有機溶媒分散アルミナゾル及びその製造方法

【課題】 僅かな分散剤で分散安定性に優れ、長時間保存してもコロイド粒子が沈降分離することのない有機溶媒分散アルミナゾルを提供すること。
【解決手段】 無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子をAl23換算の固形分で0.1〜30質量%含有し、前記固形分に対してカルボン酸を0.1〜30.0質量%含有し、且つ前記固形分に対してアルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%含有する有機溶媒分散アルミナゾルによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒中に無水アルミナ又は水和アルミナからなるカチオン性コロイド粒子を分散させた有機溶媒分散アルミナゾル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ポリマーなど多種にわたる有機マトリックス中へ粒子径100nm以下の有機又は無機微粒子を分散させる技術が注目されている。しかしながら、有機マトリックス中に微粒子を均一に分散させるには技術的な課題が多く、分散性が優れた微粒子及び微粒子分散体の開発が望まれている。
【0003】
有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法として以下の方法が知られている。
(1)ベーマイトヒドロゾルに界面活性剤を添加した後、非極性有機溶媒に混合して、非極性有機溶媒側にベーマイトを移行させる方法(特許文献1参照)。
(2)水性アルミナコロイドに疎水性有機溶媒、水溶性アルコール及び界面活性剤を加えて撹拌抽出し、次いで有機層を水層と分離する方法(特許文献2)。
(3)水性アルミナゾルにエタノールを混合後、パーベーパレーション膜により水を除去してオルガノゾルを得る方法(特許文献3)。
(4)有機溶媒とアルミナ粒子との混合物に有機リン化合物を加えた後、超音波振動、マイクロビーズミル、撹拌及び高圧乳化の少なくとも1つの手段を施す方法(特許文献4)。
(5)有機溶媒中で酸化アルミニウム等の無機粒子を機械的に粉砕するに際し、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類、ラウリル酸、ステアリン酸等のカルボン酸類を分散剤として用いる方法(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−92813号公報
【特許文献2】特開平6−304468号公報
【特許文献3】特開平5−64738号公報
【特許文献4】特開2007−31259号公報
【特許文献5】特開2004−283822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有機溶媒分散アルミナゾルを製造するための前記(1)、(2)の方法では、有機層に抽出されるアルミナゾルの組成が界面活性剤の種類、添加量、有機溶媒の種類等により異なるため、所望の有機溶媒分散アルミナゾルを得ることが困難であり、得られるアルミナゾルの分散安定性が悪くなる場合がある。
【0006】
また前記(3)の方法では、パーベーパレーション膜による水の除去に長時間を要するため工業生産には不都合な方法である。
【0007】
前記(4)の方法では、用いる有機溶媒は有機リン化合物を溶解させられるものに限定されるため、特定の有機溶媒に限定されるという欠点がある。
【0008】
更に前記(5)の方法では、無機粒子の粉砕において用いられる分散剤は無機粒子に対して1質量%以上、優れた分散安定性の分散液を得るためには50質量%以上、好ましくは100質量%以上用いられるため、得られる分散液は過大な分散剤を含有し、この過大な分散剤のために使途が限定される。
【0009】
従って本願発明の目的は、僅かな分散剤で分散安定性に優れ、長時間保存してもコロイド粒子が沈降分離することのない有機溶媒分散アルミナゾルを提供することにある。また、本願発明の他の目的は、前記の有機溶媒分散アルミナゾルを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するための手段としては、
第1観点として、無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子をAl23換算の固形分で0.1質量%〜30質量%含有し、前記固形分に対してカルボン酸を0.1〜30.0質量%含有し、且つ前記固形分に対してアルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%含有する有機溶媒分散アルミナゾル、
第2観点として、前記カチオン性コロイド粒子の動的光散乱法で測定される平均分散粒子径が10〜100nmである第1観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第3観点として、前記有機溶媒分散アルミナゾルを該ゾルと同質量の水で希釈した希釈液のpHが1〜6である第1観点又は第2観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第4観点として、前記カチオン性コロイド粒子がヒドロキシ炭酸アルミニウムを熱分解した無水アルミナ又は水和アルミナである第1観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第5観点として、前記無水アルミナの結晶形が、γ、η、δ、ρ、χ、θ、κ及びα形からなる群から選ばれる少なくとも1種のである第1観点〜第4観点のいずれか一つに記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第6観点として、前記水和アルミナが、ベーマイト、擬ベーマイト、ギプサイト、ジアスポア及びバイヤライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である第1観点〜第3観点のいずれか一つに記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第7観点として、前記カルボン酸が炭素原子数2〜5のモノカルボン酸である第1観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第8観点として、前記スルホン酸がアルキルベンゼンスルホン酸である第1観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第9観点として、前記アルキルベンゼンスルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である第1観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第10観点として、前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール又は2−プロパノールである第1観点〜第9観点のいずれか一つに記載の有機溶媒分散アルミナゾル、
第11観点として、下記の(a)、(b)工程を含む第1観点〜第9観点のいずれか一つに記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法;
(a):無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子の粉末を有機溶媒に対してAl23換算の固形分で0.1〜30質量%添加し、前記固形分に対して、カルボン酸を0.1〜30.0質量%添加し、更に前記固形分に対して、アルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%添加して混合スラリー(i)を調製する工程、
(b):(a)工程で得られた混合スラリー(i)を湿式粉砕する工程、
第12観点として、前記湿式粉砕に直径1.0mm以下のビーズを用いる第11観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法、
第13観点として、湿式粉砕後に更に遠心分離法による分級を行う第11観点又は第12観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法、
第14観点として、遠心分離法による分級により、透過型電子顕微鏡観察で確認される1次粒子径が50nm以上の粗大粒子を分離する第13観点に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法、
である。
【発明の効果】
【0011】
本願発明により、長時間保存しても分散安定性に優れた有機溶媒分散アルミナゾル及びその効率よい製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルは、無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子をAl23換算の固形分で0.1〜30質量%含有し、前記固形分に対してカルボン酸を0.1〜30.0質量%含有し、且つ前記固形分に対してアルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%含有する有機溶媒分散アルミナゾルである。
【0013】
前記無水アルミナ又は水和アルミナの一次粒子径は、透過型電子顕微鏡により観察される一次粒子径を指す。
【0014】
また、本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルに用いられるカチオン性コロイド粒子としては、ヒドロキシ炭酸アルミニウムを熱分解した無水アルミナ又は水和アルミナであることが好ましい。ヒドロキシ炭酸アルミニウムは、200℃付近で熱分解し、脱水及び脱炭酸により水和アルミナに変性する。350℃以上で更に熱分解して無水アルミナに変性する。
【0015】
前記無水アルミナは各種の結晶形のものがあり、本願発明ではγ、η、δ、ρ、χ、θ、κ及びα形からなる群から選ばれる少なくとも1種の結晶形を有する無水アルミナを用いることができる。
【0016】
前記水和アルミナとしては、ベーマイト、擬ベーマイト、ギプサイト、ジアスポア及びバイヤライトからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0017】
前記有機溶媒分散アルミナゾルに含有される無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子のAl23換算の固形分は0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。
【0018】
前記有機溶媒分散アルミナゾルに含有されるカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、ピルビン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸等が挙げられる。好ましくは炭素原子数2〜7のカルボン酸であり、より好ましくは炭素原子数2〜7のモノカルボン酸である。
【0019】
前記有機溶媒分散アルミナゾルに含有されるカルボン酸の量は、前記カチオン性コロイド粒子のAl23換算の固形分に対して0.1〜30.0質量%であり、好ましくは1.0〜15.0質量%である。
【0020】
前記有機溶媒分散アルミナゾルに含有されるアルキルベンゼンスルホン酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。好ましくは炭素原子数7〜20のアルキルベンゼンスルホン酸であり、より好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0021】
前記有機溶媒分散アルミナゾルに含有されるスルホン酸の量は、前記カチオン性コロイド粒子のAl23換算の固形分に対して0.1〜15.0質量%である。
【0022】
本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルにおける有機溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0023】
本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルは、前記カチオン性コロイド粒子の動的光散乱法で測定される平均分散粒子径は10〜100nmである。動的光散乱法による平均分散粒子径の測定は、前記有機溶媒分散アルミナゾルを同じ有機溶媒で希釈した測定液を調製して行われる。
【0024】
本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルは、当該ゾルをこれと同質量の水で希釈した際のpHが1〜6である。
【0025】
また本願発明は、下記の(a)工程及び(b)工程を含む、無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子をAl23換算の固形分で0.1〜30質量%含有し、前記固形分に対してカルボン酸を0.1〜30.0質量%含有し、前記固形分に対してアルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%含有する有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法である:
(a)工程:無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子の粉末を有機溶媒に対してAl23換算の固形分で0.1〜30質量%添加し、前記固形分に対して、カルボン酸を0.1〜30.0質量%添加し、更に前記固形分に対して、アルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%添加して混合スラリー(i)を調製する工程、
(b)工程:(a)工程で得られた混合スラリー(i)を湿式粉砕する工程。
【0026】
前記(a)工程では、有機溶媒に添加されるカチオン性コロイド粒子の粉末とカルボン酸とスルホン酸との添加の順序は特に限定されず、任意の順序で添加することができる。
【0027】
前記(a)工程を行う装置は、有機溶媒と酸に耐性のある材質の攪拌機付き容器であることが好ましい。用いられる容器の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂、及びジルコニア等のセラミックスが挙げられる。
【0028】
前記(b)工程では、(a)工程で得られた混合スラリー(i)の湿式粉砕が行われる。湿式粉砕は、サンドグラインダー、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の装置を用いて行うことができる。湿式粉砕の装置としては、粉砕媒体を用いる方式の装置が好ましく、粉砕媒体としては直径1.0mm以下のビーズを用いることが好ましい。用いられるビーズの材質は、アルミナ、ジルコニア、ガラス等が挙げられる。
【0029】
前記(b)工程で行われる湿式粉砕は、通常0.1時間以上100時間以下で行われる。湿式粉砕の最中は、摩擦による発熱が起こるため、冷却を行いながら粉砕を行うことが好ましい。
【0030】
本願発明では、(b)工程で行われる湿式粉砕後に更に遠心分離法による分級を行うことが好ましい。遠心分離法による分級としは、円筒型遠心分級機、ディスク型遠心分級機、液体サイクロン分級機等の装置を用いて行うことができる。この分級により、十分に粉砕されなかった透過型電子顕微鏡観察で確認される一次粒子径が50nm以上の粗大粒子を分離することができる。
【0031】
本願発明により得られる有機溶媒分散アルミナゾルは、保存安定性に優れており、室温乃至50℃の高温下に保管しても粘度、透明性、粒子径は殆ど変化せず安定である。
【実施例】
【0032】
〔合成例1〕
2リットルセパラブルフラスコに、純水326.5g、炭酸水素アンモニウム(関東化学(株)製試薬、純度98.1質量%)118.3g、及びアンモニウム水(関東化学(株)製試薬、純度25.0質量%)180.2gを入れ、撹拌下にて液温を30℃まで加熱した。この水溶液に撹拌下にて硫酸アルミニウム(朝日化学工業(株)製、Al23濃度8.0質量%)625.0gを1時間で滴下し、滴下終了後に90℃で1時間加熱処理してスラリーを得た。得られたスラリーのpHは9.2、電導度は122mS/cmであった。作製したスラリーをろ過して得られたウエットケーキをろ液の電導度が100μS/cm以下となるまで純水で水洗した。水洗したウエットケーキを乾燥してX線回折装置を用いて分析した結果、ヒドロキシ炭酸アルミニウムアンモニウム水和物のピークパターンと一致した。得られた乾燥粉(乾燥粉−1)をアルミナ製の甲鉢に入れ、電気炉を用いて550℃で15時間焼成し、ヒドロキシ炭酸アルミニウムアンモニウム水和物を熱分解してアルミナ粉(A)を得た。得られたアルミナ粉(A)は、X線回折装置を用いて分析した結果、γ−アルミナのピークパターンと一致した。また、アルミナ粉(A)の比表面積を窒素吸着法にて測定したところ、298m2/gであった。
〔合成例2〕
合成例1で得られた乾燥粉−1をアルミナ製の甲鉢に入れ、電気炉を用いて850℃で15時間焼成し、ヒドロキシ炭酸アルミニウムアンモニウム水和物を熱分解してアルミナ粉(B)を得た。得られたアルミナ粉(B)は、X線回折装置を用いて分析した結果、γ−アルミナ及びθ−アルミナのピークパターンと一致した。また、アルミナ粉(B)の比表面積を窒素吸着法にて測定したところ、246m2/gであった。
〔実施例1〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器に合成例1で得られたアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤として酢酸(関東化学(株)製、純度100質量%)2.66g、及び直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)2.77gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速が0.4m/秒で17時間回転させて、アルミナ粉(A)の湿式粉砕を行い、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−1)を得た。BECKMAN COULTER社製動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−1)の平均粒子径を測定したところ192nmであった。また、目視観察において、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−1)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れた寿工業(株)製ウルトラアペックスミルUAM−015型の周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−1)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−2)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−2)の平均粒子径を測定したところ50nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−2)の外観は透明であり、(有)東京電色製の色差計TC−1800MK IIを用いてアルミナスラリー(A−2)の透過率を測定したところ、光路長1cmの550nm波長における透過率は73%であった。更に、アルミナスラリー(A−2)を該スラリーと同質量の純水で希釈した希釈液のpHは4.5であった。また、アルミナスラリー(A−2)の粘度をB型粘度計で測定したところ25℃で7.0mPa・sであった。
〔実施例2〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器に合成例2で得られたアルミナ粉(B)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤として酢酸(関東化学(株)製、純度100質量%)1.78g、及び直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)1.85gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(B)、2−プロパノール、酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(B)を湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(B−1)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(B−1)の平均粒子径を測定したところ188nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(B−1)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(B−1)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(B−2)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(B−2)の平均粒子径を測定したところ76nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(B−2)の外観は透明であり、色差計TC−1800MK IIを用いてアルミナスラリー(B−2)の透過率を測定したところ光路長1cmの550nm波長における透過率は66%であった。更に、アルミナスラリー(B−2)を該スラリーと同質量の純水で希釈した水溶液のpHは4.5であった。また、アルミナスラリー(B−2)の粘度をB型粘度計で測定したところ25℃で7.5mPa・sであった。
〔実施例3〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器にアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤としてプロピオン酸(関東化学(株)製、純度100質量%)2.22g、及び直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)2.77gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、プロピオン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(A)を湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−3)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−3)の平均粒子径を測定したところ291nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−3)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−3)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−4)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−4)の平均粒子径を測定したところ67nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−4)の外観は透明であり、色差計TC−1800MK IIを用いてアルミナスラリー(A−4)の透過率を測定したところ光路長1cmの550nm波長における透過率は59%であった。更に、アルミナスラリー(A−4)を該スラリーと同質量の純水で希釈した希釈液のpHは4.4であった。また、アルミナスラリー(A−4)の粘度をB型粘度計で測定したところ25℃で7.3mPa・sであった。
〔実施例4〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器にアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤としてアクリル酸(関東化学(株)製、純度100質量%)3.17g、及び直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)2.77gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、アクリル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(A)を湿式粉砕して2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−5)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−5)の平均粒子径を測定したところ207nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−5)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−5)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−6)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−6)の平均粒子径を測定したところ55nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−6)の外観は透明であり、色差計TC−1800MK IIを用いてアルミナスラリー(A−6)の透過率を測定したところ光路長1cmの550nm波長における透過率は69%であった。更に、アルミナスラリー(A−6)を該ゾルと同質量の純水で希釈した希釈液のpHは4.5であった。また、また、アルミナスラリー(A−6)の粘度をB型粘度計で測定したところ7.0mPa・sであった。
〔実施例5〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器にアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)134.5g、分散剤として安息香酸20質量%の2−プロパノール溶液26.85g及び直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)2.77gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、安息香酸、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(A)を湿式粉砕して2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−7)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−7)の平均粒子径を測定したところ204nmであった。また、目視観察において、アルミナスラリー(A−7)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−7)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−8)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−8)の平均粒子径を測定したところ60nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(A−8)の外観は透明であり、色差計TC−1800MK IIを用いてアルミナスラリー(A−8)の透過率を測定したところ光路長1cmの550nm波長における透過率は50%であった。更に、アルミナスラリー(A−8)を該スラリーと同質量の純水で希釈した希釈液のpHは4.5であった、また、アルミナスラリー(A−8)の粘度をB型粘度計で測定したところ、7.0mPa・sであった。
〔比較例1〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器にアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤として酢酸(関東化学(株)製、純度100質量%)2.66gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、酢酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(A)を湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−9)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−9)の平均粒子径を測定したところ266nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(A−9)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−9)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−10)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−10)の平均粒子径を測定したところ247nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(A−10)の外観は白濁していた。更に、アルミナスラリー(A−10)を該スラリーと同質量の純水で希釈した希釈液のpHは5.0であった。また、アルミナスラリー(A−10)の粘度をB型粘度計で測定したところ、115mPa・sであった。
〔比較例2〕
直径1.0mmのジルコニアビーズ800gを入れた0.5リットルの円筒形ポリ容器にアルミナ粉(A)35.5g、分散媒として2−プロパノール(純正化学(株)製)156.0g、分散剤として直鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学(株)製、純度96質量%)2.77gを入れた。ジルコニアビーズ、アルミナ粉(A)、2−プロパノール、ドデシルベンゼンスルホン酸を入れた円筒容器を周速0.4m/秒で17時間回転させ、アルミナ粉(A)を湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−11)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−11)の平均粒子径を測定したところ240nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(A−11)の外観は白濁していた。直径0.05mmのジルコニアビーズ400gを入れたウルトラアペックスミルUAM−015型を周速12m/秒に設定し、アルミナスラリー(A−11)を45分間循環させながら湿式粉砕して、2−プロパノール分散アルミナスラリー(A−12)を得た。動的光散乱法粒子径測定装置N5を用いてアルミナスラリー(A−12)の平均粒子径を測定したところ94nmであった。また、目視観察においてアルミナスラリー(A−12)の外観は僅かに透明であった。更に、アルミナスラリー(A−12)を該スラリーと同質量の純水で希釈した水溶液のpHは5.3であった。また、アルミナスラリー(A−12)の粘度をB型粘度計で測定したところ173mPa・sであった。
【0033】
実施例、比較例で得られたアルミナスラリーの物性を表1に示した。
【0034】
実施例1〜5(アルミナスラリー(A−2)、(B−2)、(A−4)、(A−6)、(A−8))では、50℃で4週間保管しても粒子径、透明性、粘度は変化しなかったが、アルミナスラリー(A−10)、及び(A−12)は50℃で1週間保管すると粘度が上昇し保存安定性が悪かった。
【0035】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本願発明の有機溶媒分散アルミナゾルは、分散安定性に優れたアルミナゾルであり、各種合成樹脂、無機塗料、耐熱塗料、防食塗料、無機−有機複合塗料等の各種塗料に分散して使用することができ、耐熱性、剛性、硬度、耐光性、耐候性等の性質を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子をAl23換算の固形分で0.1〜30質量%含有し、前記固形分に対してカルボン酸を0.1〜30.0質量%含有し、且つ前記固形分に対してアルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%含有する有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項2】
前記カチオン性コロイド粒子の動的光散乱法で測定される平均分散粒子径が10〜100nmである請求項1に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項3】
前記有機溶媒分散アルミナゾルを該ゾルと同質量の水で希釈した希釈液のpHが1〜6である請求項1又は2に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項4】
前記カチオン性コロイド粒子が、ヒドロキシ炭酸アルミニウムを熱分解した無水アルミナ又は水和アルミナである請求項1に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項5】
前記無水アルミナの結晶形が、γ、η、δ、ρ、χ、θ、κ及びα形からなる群から選ばれる少なくとも1種のである請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項6】
前記水和アルミナが、ベーマイト、擬ベーマイト、ギプサイト、ジアスポア及びバイヤライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項7】
前記カルボン酸が炭素原子数2〜7のモノカルボン酸である請求項1に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項8】
前記スルホン酸が炭素原子数7〜20のアルキルベンゼンスルホン酸である請求項1に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項9】
前記アルキルベンゼンスルホン酸が直鎖型のドデシルベンゼンスルホン酸である請求項8に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項10】
前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機溶媒分散アルミナゾル。
【請求項11】
下記の(a)工程及び(b)工程を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法;
(a)工程:無水アルミナ又は水和アルミナからなる2〜100nmの一次粒子径を有するカチオン性コロイド粒子の粉末を有機溶媒に対してAl23換算の固形分で0.1〜30質量%添加し、前記固形分に対して、カルボン酸を0.1〜30.0質量%添加し、更に前記固形分に対して、アルキルベンゼンスルホン酸を0.1〜15.0質量%添加して混合スラリー(i)を調製する工程、
(b)工程:(a)工程で得られた混合スラリー(i)を湿式粉砕する工程。
【請求項12】
前記湿式粉砕に直径1.0mm以下のビーズを用いる請求項11に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法。
【請求項13】
湿式粉砕後に更に遠心分離法による分級を行う請求項11又は12に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法。
【請求項14】
遠心分離法による分級により、透過型電子顕微鏡観察で確認される一次粒子径が50nm以上の粗大粒子を分離する請求項13に記載の有機溶媒分散アルミナゾルの製造方法。


【公開番号】特開2012−193052(P2012−193052A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56386(P2011−56386)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】