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有機無機複合ヒドロゲルの製造方法
説明

有機無機複合ヒドロゲルの製造方法

【課題】有機無機複合ヒドロゲルの大量生産に適した製造方法を提供する。また、特に、大量生産に適し、且つ、製造後のヒドロゲルからの溶出量を低減できる有機無機複合ヒドロゲルの製造方法を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性の水溶性有機モノマーと水の混合液に水膨潤性粘土鉱物を分散させ、さらに重合開始剤を混合して調製した反応溶液を、酸素透過率が100ml/m2・day・MPa以下の樹脂フィルム製の袋状容器内に充填し、実質的に酸素が存在しない条件下で前記水溶性有機モノマーを重合することを特徴とする有機無機複合ヒドロゲルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性ビニル基を有する水溶性有機モノマーの重合体と粘土鉱物からなる有機無機複合ヒドロゲルシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリルアミド系ヒドロゲルは優れた水膨潤性を示し、その特徴を生かして医療材料、吸排水材料、土壌改良材料などに用いることが可能である。特に、優れた力学物性を示すナノコンポジット材料として、粘土鉱物が有機高分子中に均一に分散した有機無機複合ヒドロゲルが本発明の考案者らによって開示されている(例えば特許文献1)。この報告によれば、水媒体中に水膨潤性粘土鉱物を分散させ、その後、アクリルアミド誘導体やメタクリルアミド誘導体のモノマーを添加して、重合開始剤及び触媒の存在下で該モノマーをラジカル重合させることにより、力学物性の良い有機無機複合ヒドロゲルを製造できることが記載されている。
【0003】
かかる有機無機複合ヒドロゲルの製造方法においては、有機無機複合ヒドロゲルの力学物性、安全性等を確保するために、酸素の混入によるラジカル重合反応の阻害を極力防止することが重要である。また、これまでに知られている有機無機複合ヒドロゲルの製造方法においては、目的の形状にゲルを成形するため、目的とする形状の容器内で重合反応を行なっていた。例えば、シート状物を得るためには平板状の容器中に薄い膜厚になるように反応溶液を仕込み、その状態を保持しながら重合反応を行っていた。そして、製造時にはその反応溶液を仕込んだ容器全体を極低酸素環境下に置かなければならなかった。
【0004】
また、これまで公知の製造方法では、汎用樹脂製またはガラス製または金属製のキャスト容器で重合・成型を行っていた。しかしながら、この方法では、多量のキャスト容器が必要になり、コスト上の問題、多量の容器の取扱、再利用時の洗浄及び検査等、大量生産時の問題があった。
【0005】
一方、大量生産時の問題以外に、上記のキャスト容器を用いて製造された有機無機複合ヒドロゲルは、例えば、ステンレス製の容器からの剥離性が悪く、また、樹脂製の容器を用いたゲルは重合不良による溶出物が多くなる等の不良が発生しやすかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−53762
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、有機無機複合ヒドロゲルの大量生産に適した製造方法を提供することにある。また、特に、本発明が解決しようとする他の課題は、大量生産に適し、且つ、重合不良によるヒドロゲルからの溶出物量を低減できる有機無機複合ヒドロゲルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、有機無機複合ヒドロゲルの大量生産に適した製造方法を種々検討した結果、有機無機複合ヒドロゲルを製造するための反応溶液を樹脂フィルム中に充填し、重合させることにより量産性が優れた製造方法を実現することが可能であることを見出した。
【0009】
更に、本発明者等は、酸素透過率がある値以下の樹脂フィルムを用いると、重合が阻害されること無く、重合不良に由来する可塑ゲル等の溶出物量を低減できることを見出した。
【0010】
種々の樹脂フィルムの袋の中で有機無機複合ヒドロゲルの反応溶液を重合させてヒドロゲルを製造すると、樹脂フィルムの相違によりヒドロゲルの表面にベタつきを有する層が生成することが観察された。袋中に酸素が存在しない密封状態で反応溶液を重合してもこの現象は現れた。その原因を追究したところ、酸素透過率が高い樹脂フィルムほどベタつく層が生成することがわかった。これは、酸素透過率が高い樹脂フィルムでは、酸素を極力除去して重合を開始しても、重合中に袋の外部から樹脂フィルムを通して酸素が浸入して、袋の内部の表面に接する反応溶液の重合挙動に影響を与え、その結果、ゲルの表面に可塑ゲル等の層を生成させているものと推察している。
【0011】
即ち、本発明は、ラジカル重合性の水溶性有機モノマーと水の混合液に水膨潤性粘土鉱物を分散させ、さらに重合開始剤を混合して調製した反応溶液を、酸素透過率が100ml/m2・day・MPa以下の樹脂フィルム製の袋状容器内に充填し、実質的に酸素が存在しない条件下で前記水溶性有機モノマーを重合することを特徴とする有機無機複合ヒドロゲルの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法によれば、樹脂フィルム製の袋状容器を使用するため専用のキャスト容器を必要としない。したがって、ヒドロゲルの量産時に多量のキャスト容器を準備するコストや、多量の容器を取り扱い、これを繰り返し使用する際に洗浄し、検査したりする手間を省くことができる。
【0013】
また、酸素透過率の低い樹脂フィルム製の袋状容器を使用することによりヒドロゲルの表面不良を防止できる。その結果、製造後のヒドロゲルの溶出物を低減でき、安全性の高いヒドロゲルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】反応溶液を袋状容器に充填し、厚み調節板に挟んだ状態の概略図であり、上側の図はその側面図であり、下側の図はそれを上部から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の有機無機複合ヒドロゲルの製造方法の実施形態について説明する。この実施の形態は、発明の好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は、
(1)重合性ビニル基を有する水溶性有機モノマーと水膨潤性粘土鉱物とをインライン攪拌機を用いて連続的に水中に分散させ、反応液を製造する工程、
(2)重合開始剤及び触媒を振動式攪拌機により前記反応液中に連続的に混合させる工程、
(3)前記重合開始剤が混合した反応液中の前記水溶性有機モノマーを袋状容器に充填し、重合させる工程を順次行なう有機無機複合ヒドロゲルの製造方法である。
【0017】
(有機無機複合ヒドロゲル)
本発明で製造する有機無機複合ヒドロゲルは、水溶性有機高分子と水に均一分散可能な水膨潤性粘土鉱物と水とを必須の構成成分とし、水溶性有機高分子と水膨潤性粘土鉱物が分子レベルで複合化された三次元網目の中に水を取り込んだヒドロゲルである。
【0018】
(重合性ビニル基を有する水溶性有機モノマー)
本発明で使用する重合性ビニル基を有する水溶性有機モノマーは、水に溶解する性質を有し、水に均一分散可能な水膨潤性粘土鉱物と相互作用を有し、非共有結合を形成できるものが好ましく、例えば、粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有するものが好ましい。これらの官能基を有する水溶性有機モノマーとしては、具体的には、アミド基、アミノ基、エステル基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが挙げられ、なかでもアミド基やエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが好ましい。特にアクリルアミド系モノマーが好ましい。なお、本発明で使用する水としては、水単独以外に、水と混和する有機溶媒との混合溶媒であり、水を主成分とするものが含まれる。
【0019】
アミド基を有する重合性ビニル基含有水溶性モノマーの具体例としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類が挙げられる。ここでアルキル基としては炭素数が1〜4のものが特に好ましく選択される。またエステル基を有する重合性ビニル基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどがあげられる。
【0020】
またかかる水溶性有機モノマーの重合体としては、単一の(メタ)アクリルアミド系モノマーの重合体や(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合体の他、これらから選ばれる複数の異なる水溶性有機モノマーを重合して得られる共重合体を用いることも有効である。また上記の水溶性有機モノマーとそれ以外の有機溶媒可溶性の重合性不飽和基含有有機モノマーとの共重合体も、得られた重合体が水溶性や親水性を示すものであれば使用することができる。
【0021】
水と混和する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0022】
(水膨潤性粘土鉱物)
本発明で用いる水膨潤性粘土鉱物は、水に膨潤し、好ましくは水によって層間が膨潤する性質を有するものが用いられる。より好ましくは少なくとも一部が水中で層状に剥離して分散できるものであり、特に好ましくは水中で1ないし10層以内の厚みの層状に剥離して均一分散できる層状粘土鉱物である。例えば、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などが用いられ、より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。中でも水膨潤性ヘクトライトや水膨潤性サポナイトを用いると有機無機複合ヒドロゲルの透明性が優れ、好ましい。
【0023】
(重合開始剤および重合触媒)
本発明で使用される重合開始剤および触媒としては、慣用のラジカル重合開始剤および触媒のうちから適宜選択して用いることができる。好ましくは水に分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが用いられる。特に好ましくは層状に剥離した粘土鉱物と強い相互作用を有するカチオン系ラジカル重合開始剤である。具体的には、重合開始剤として水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えば、和光純薬工業株式会社製のVA−044、V−50、V−501などが好ましく用いられる。その他、ポリエチレンオキシド鎖を有する水溶性のラジカル開始剤なども用いられる。
【0024】
また触媒としては、3級アミン化合物であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやβ−ジメチルアミノプロピオニトリルなどが用いられる。重合温度は、用いる水溶性有機高分子、重合触媒および開始剤の種類などに合わせて0℃〜100℃の範囲に設定する。
【0025】
(製造方法)
本発明の有機無機複合ヒドロゲルの製造方法においては、水溶性有機モノマーは、活性アルミナカラムを用いて重合禁止剤を取り除いてから使用することが好ましく、重合開始剤は約2%の濃度に純水で希釈し、水溶液にして使用することが好ましく、水は、イオン交換水を蒸留した純水を用い、高純度窒素を予めバブリングさせ、含有酸素を除去してから使用することが好ましい。
【0026】
(工程1)
内部を窒素置換したタンクに純水を加え、水膨潤性粘土鉱物をタンクに循環するように配管されたインライン混合機を用いて添加・撹拌することにより、水膨潤性粘土鉱物が水に分散した溶液を製造する。その後、DMAA(N,N−ジメチルアクリルアミド)を添加撹拌し、無色透明の溶液を調製する。
【0027】
水溶性有機モノマーの重合物と水膨潤性粘土鉱物の量比は、水または水と有機溶媒との混合液からなる溶媒の中で両者が三次元網目を形成する範囲が好ましく、水膨潤性粘土鉱物/水溶性有機モノマーの重合物の質量比として好ましくは0.01〜3、より好ましくは0.1〜3、特に好ましくは0.3〜2.5である。その質量比が0.01未満では、有効な三次元網目を形成することが困難となり、一方、3を越えると水均一な膨潤性粘土鉱物の層状剥離した分散が困難となる場合が多い。
【0028】
(工程2)
次に、工程1で調製した水溶性有機モノマーと水膨潤性粘土鉱物とが水に均一分散した溶液を振動式撹拌機に送液し、振動式撹拌機に設けられた2つの添加剤投入口から触媒溶液と重合開始剤溶液を添加・撹拌する。
【0029】
本発明で使用する振動式撹拌機としては、本発明の効果を得られるものであれば公知の振動式攪拌機を用いることができる。公知の振動攪拌装置としては、バイブロミキサー(冷化工業社製)がある。
【0030】
水溶性有機モノマーの重合物と重合開始剤の量比は、重合開始剤/水溶性有機モノマーの重合物の質量比として好ましくは0.001〜0.10、より好ましくは0.005〜0.01である。その質量比が0.001未満では、有効な三次元網目を形成することが困難となり、一方、0.10を越えるとモノマー/クレイ溶液中での重合開始剤の分散が困難となる場合が多い。
【0031】
連続的に排出される反応溶液を、例えば熱シールにより密閉できる袋状容器に連続充填し、任意の厚みになるように厚み調節板に挟み込み、20〜100℃の恒温槽中で重合を行なう。反応溶液を袋状容器に充填し、厚み調節板に挟んだ状態を図1に示す。また、特に酸素の影響を低減させるために、恒温槽中を脱酸素した窒素雰囲気下または、脱酸素処理をした水槽中で重合することも有効である。重合開始から1〜30時間で袋状容器内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の有機無機複合ヒドロゲルが生成する。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0032】
本発明において酸素を遮断した状態とは、本発明で使用する反応溶液の重合が阻害されず、本発明の効果である製造後のヒドロゲルの溶出物を低減でき、安全性の高いヒドロゲルを提供できる状態であれば良く、本明細書における「実質的に酸素が存在しない条件下」とはそのような状態をいう。
【0033】
(袋状容器)
重合反応に用いる袋状容器は、本発明の効果を得ることができる形態、材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも二種類以上の層構成を有するラミネートフィルムを用いることができる。そのようなフィルムとしては次のようなものを用いることが好ましい。すなわち、本発明では、袋状容器の外側には酸素透過性の低いフィルムを、内側には製袋物へ加工するため又は反応溶液を密閉するための、熱圧着によりフィルム同士を融着して袋状容器とすることができるシーラントフィルムを用いることが好ましい。
【0034】
酸素透過性の低いフィルムには、延伸ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン/ビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂、延伸ナイロン(ONy)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)が挙げられ、好ましくはより酸素透過性が低い延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)や延伸ナイロン(Ny)基材にアルミニウムやシリカやアルミナ、またはこれらの混合物を真空蒸着した高酸素バリアー性フィルム等を用いることができる。
【0035】
シーラントフィルムには、一般的な低密度ポリエチレン(LDPE)や無延伸ポリプロピレン(CPP)を重合温度に対する耐熱性に考慮して選択することができる。また、必要に応じてこれらの二層のラミネート材の中間に、耐突き裂け性能を向上させるために延伸ナイロン等のフィルムをラミネートしても良い。
【0036】
(袋状容器の酸素透過率)
本発明で使用する袋状容器の酸素透過度は100ml/m2・day・MPa以下であり、20ml/m2・day・MPa以下であることが好ましく、15ml/m2・day・MPa以下であることがより好ましい。
【0037】
(反応溶液の充填)
工程2で調製した反応溶液の袋状容器への充填方法は、予め袋状に熱圧着によって作製した複数の袋状容器に充填するか、または、液体製袋充填包装機を使用してロール状のフィルムを反応液充填直前に製袋ながら連続的に充填する方法が可能である。
【0038】
前者は酸素の減圧置換が可能なため超低酸素条件が可能であり、後者は高速充填が可能なことから短時間で大量の処理ができる。
【実施例】
【0039】
各フィルムの酸素透過度の測定は、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を用いて23℃、90%RHにて、JIS K7126に準拠して行った。
【0040】
(実施例1)
内部を窒素置換した溶液タンクに純水9.5Lを仕込み、320gのラポナイトXLG(水膨潤性合成ヘクトライト:ROCKWOOD社製)を溶液タンクに循環するように配管されたインライン混合機(IKA社製)を用いて均一分散させた。980gのDMAA(N,N−ジメチルアクリルアミド)を添加撹拌し、無色透明の溶液を調製した。
【0041】
次に上記溶液を、連続的に振動式撹拌機へ0.75L/分で移送し、35mL/分で供給されるKPS(ペルオキソ二硫酸カリウム:関東化学株式会社製)水溶液と混合を行った。振動式撹拌機から連続的に排出された反応溶液を、予め窒素置換した24cm×35cmの樹脂フィルム製ラミネート袋(ラミネート構成:透明蒸着PET12μm/Ny15μm/CPP60μm)に連続充填し、2mmの厚みになるように厚み調節板に挟み込み、50℃の恒温槽中で18時間静置して重合を行った。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。樹脂フィルム製ラミネート袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.03gであった。固形分に対する残渣の回収率は、1%であった。
【0042】
(実施例2)
実施例1で調製した反応溶液を、予め窒素置換した24cm×35cmの樹脂フィルム製ラミネート袋(ラミネート構成:バリアONy18μm/ONy15μm/LLDPE70μm)に連続充填し、2mmの厚みになるように厚み調節板に挟み込み、50℃の恒温槽中で18時間静置して重合を行った。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。樹脂フィルム製ラミネート袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.05gであった。固形分に対する残渣の回収率は、1.5%であった
【0043】
(実施例3)
実施例1で調製した反応溶液を、窒素置換しないで24cm×35cmの樹脂フィルム製ラミネート袋(ラミネート構成:バリアONy18μm/ONy15μm/LLDPE70μm)に連続充填し、2mmの厚みになるように厚み調節板に挟み込み、50℃の恒温槽中で18時間静置して重合を行った。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。樹脂フィルム製ラミネート袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.15gであった。固形分に対する残渣の回収率は、5%であった
【0044】
(比較例1)
実施例1で調製した反応溶液を、予め窒素置換した24cm×35cmの低密度ポリエチレン製袋(LDPE;厚み200μm)に連続充填し、2mmの厚みになるように厚み調節板に挟み込み、50℃の恒温槽中で18時間重合を行った。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。低密度ポリエチレン袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.42gであった。固形分に対する残渣の回収率は、14%であった
【0045】
(比較例2)
実施例1で調製した反応溶液を、予め窒素置換した24cm×35cmの無延伸ポリプロピレン製袋(CPP;厚み40μm)に連続充填し、50℃の恒温槽中で18時間重合を行った。なお、これらの溶液調製から充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。CPP製袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.48gであった。固形分に対する残渣の回収率は、16%であった
【0046】
(比較例3)
実施例1で調製した反応溶液を、予め窒素置換した24cm×35cmの無延伸PET製袋(厚み100μm)に連続充填し、50℃の恒温水槽恒温槽中で18時間重合を行った。なお、これらの溶液調製から重合充填までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。無延伸PET製袋内に有機高分子と粘土鉱物からなる弾力性、強靭性のある無色透明で均一なシート状の高分子ゲルが生成した。合成された高分子ゲルは水含有率([水/ゲル乾燥物]×100=)が760質量%のヒドロゲルであった。得られたヒドロゲルの10cm×10cmに対し、37℃の蒸留水(500g)で6時間振とうし、上清を凍結乾燥した。凍結乾燥後に得られた固形分残渣を計量したところ、0.27gであった。固形分に対する残渣の回収率は、9%であった
【0047】
【表1】

【符号の説明】
【0048】
1:袋状容器押さえ板
2:補強用アングル
3:スペーサー
4:締付け用ボルト
5:袋状容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジカル重合性の水溶性有機モノマーと水の混合液に水膨潤性粘土鉱物を分散させ、さらに重合開始剤を混合して調製した反応溶液を、酸素透過率が100ml/m2・day・MPa以下の樹脂フィルム製の袋状容器内に充填し、実質的に酸素が存在しない条件下で前記水溶性有機モノマーを重合することを特徴とする有機無機複合ヒドロゲルの製造方法。
【請求項2】
前記反応溶液が充填された袋状容器を2枚の平板で挟持し、その状態を保持しながら前記水溶性有機モノマーを重合する請求項1記載の有機無機複合ヒドロゲルの製造方法。
【請求項3】
前記袋状容器の内表面を予め脱酸素処理した後に、前記反応溶液を充填する請求項1又は2記載の有機無機複合ヒドロゲルの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−235781(P2010−235781A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85496(P2009−85496)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【出願人】(000173751)財団法人川村理化学研究所 (206)
【Fターム(参考)】